JP4032524B2 - 密封装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、密封装置の製造方法に関するものであり、例えばベアリングシール等の製造方法に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の密封装置としては、図5(a)に示すようなベアリングシール100がある。
【0003】
このベアリングシール100は、転がり軸受(ベアリング)103の内輪104と外輪105との間の隙間をシールするもので、内輪104及び外輪105のそれぞれの対向面に設けられた溝104a,105aに内周及び外周を嵌め込まれて装着される。
【0004】
そして、このベアリングシール100の製造方法として、例えば特開平9−273559号に記載されたものがある。
【0005】
この方法では、まず、金属製の薄板へ脱脂・接着剤塗布等の表面処理を施した補強板を用意し、この補強板を合成ゴム或は合成樹脂等の生地状態の弾性密封材と共に成形型で加圧成形する。
【0006】
この加圧成形により、成形型の凹凸形状に沿って塑性変形した補強板表面に弾性密封材が加硫一体化された成形板としての積層板を得る。
【0007】
又は、予め成形型に補強板を挟み込んで補強板と成形型の型内に弾性密封材を注入し、注入圧力によって補強板を成形型の凹凸形状に沿わせて積層板を得る方法もある。
【0008】
そして、積層板をプレスパンチにて打ち抜き、図5(b)に示すように、補強板から形成される補強環101の表面の周縁に弾性密封材から形成されてリング状に突出するリップ部を有するシール部102を備えたベアリングシール100を得る。
【0009】
このようにして製造されたベアリングシール100は、凹凸形状及び径寸法さらにはリップ部の形状まで精度よく設けられ、高い剛性をもって密封性能を発揮する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来技術の場合には、積層板は補強板のおもて面だけに弾性密封材が加硫成形されたものであり、その積層板を打ち抜いてベアリングシール100を得ていたため、補強環101の背面にはシール部102が形成されていなかった。
【0011】
これは、補強板が打ち抜かれてベアリングシール100となる製品部の周囲に製品保持部が存在するので、製品保持部を迂回するようにおもて面から背面へと弾性密封材を流動させることが困難であることに起因している。
【0012】
従って、補強環の背面は弾性密封材で覆われずに露出しているので、取扱い時のベアリングシール100同志の金属接触や、装着時のベアリング溝104a,105aとの金属接触等、特に補強環101の輪郭側が金属接触してコンタミが発生することが懸念される。
【0013】
また、積層板を打ち抜く際、ベアリングシール100の全周を打ち抜くので、バリ・カスが多量に発生してベアリングシール100に付着してしまう。
【0014】
このようなコンタミやバリ・カスは、ベアリングシール100が装着されたベアリング103やベアリング使用箇所等の周辺に悪影響を及ぼす懸念があるため、これらコンタミやバリ・カスの発生を極力抑えることが望まれた。
【0015】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、補強板と弾性密封材の成形(加硫一体成形)後に打ち抜くことにより得られる密封装置において、両面に弾性密封材からなるシール部を容易に形成可能とすること、また、コンタミやバリ・カスの発生を抑え、信頼性を向上可能とする密封装置の製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の密封装置の製造方法にあっては、補強環と弾性密封材によるシール部とを成形により一体化させた密封装置の製造方法であって、補強環の素材となる補強板に、前記補強環の輪郭に沿って一部の連結部を除いて微小隙間を形成し、成形時に、前記微小隙間を通路として補強板の一方の面から他方の面へと弾性密封材を流動させ、補強板の両面にシール部を形成した成形板を得て、その後、前記連結部を切断することによって、前記成形板から一体的に形成された補強環とシール部とを有する製品部を分離することを特徴とする。
【0017】
従って、成形時に補強板に設けられた補強環の輪郭の微小隙間から補強板の一方の面から他方の面へと弾性密封材を流動するので、密封装置の補強環の両面に弾性密封材からなるシール部を容易に形成することができる。また、成形板から製品部を分離する際は補強環を連結させている連結部のみを切断するだけなので、バリ・カスの発生を減少させることができ、取り出す密封装置にバリ・カスが付着しにくくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
【0025】
図1は本発明の実施の形態の密封装置としてのベアリングシールを示す図である。このベアリングシール1は、図5(a)の従来技術と同様に、転がり軸受(ベアリング)の内輪と外輪との間の隙間をシールするもので、内輪及び外輪のそれぞれの対向面に設けられた溝に内周及び外周を嵌め込まれて装着される。
【0026】
ベアリングシール1は、凹凸を設けた平板ワッシャ形状の補強環2と、この補強環2のおもて面及び背面の内外周側端部に加硫成形されて一体化した合成ゴム或は合成樹脂等の弾性密封材から形成されるシール部3と、を備えた構成となっている。
【0027】
この本実施の形態のベアリングシール1の製造方法について図2を用いて説明する。
【0028】
本発明によるベアリングシール1の製造方法の特徴は、成形型6で補強板と弾性密封材を成形一体化させる前に、補強板に補強環2の輪郭を連結部5を除いて切断して微小隙間4を設け、成形時に、この微小隙間4に弾性密封材を補強板のおもて面から背面に流動させることにある。
【0029】
このベアリングシール1の製造方法では、まず、図2(a)に示すように、金属製の薄板へ脱脂・接着剤塗布等の表面処理を施した補強板を用意し、補強板に補強環2の輪郭の一部分の連結部5を除いた微小隙間4を半抜き加工により切断して設ける。この補強環2の輪郭の微小隙間4以外は、図3に示すように等間隔に3箇所設けられた連結部5となっており、これにより全て連結された補強板となっている。(図2(a)は図3のA−A断面図である。)
この時、半抜き加工だけでなく、補強環2の内周の抜き加工等の切断とプレス加工等により補強環2に設けられる凹凸についても補強板上に形成する。
【0030】
そして、図2(b)に示すように、この微小隙間4が設けられた補強板を成形型6のキャビティに組み入れ、密封弾性材をそのキャビティの補強板のおもて面に流動させてシール部3を成形型6で成形する。
【0031】
この成形時、弾性密封材は補強板の補強環2の輪郭の微小隙間4から補強板背面へ流入していくので、補強環2の輪郭の背面が弾性密封材で覆われる状態となる。
【0032】
また、補強板上で補強環2の内周も抜き加工が施されているので、成形型6のキャビティ形状に沿って、補強環2の内周側背面も弾性密封材で覆われる状態となる。
【0033】
この成形により、補強板に成形型6のキャビティ形状に沿ってシール部3が加硫一体化された成形板としての積層板を得る。
【0034】
図2(c)に示すようなこの積層板をプレスパンチにて補強板の連結部5を打ち抜くことで、図1に示すような補強環2の輪郭及び内周側両面が弾性密封材で覆ったシール部3を備えたベアリングシール1を得ることができる。
【0035】
このベアリングシール1の製造方法は、補強板に位置決め孔を設けて補強環2の形成位置を決めておけば、ベアリングシール1の連続的な多数個取りの大量生産を行うことができる。また、位置決め孔だけでなく補強板上で補強環2位置を決めることができれば、位置決め手段として公知の方法を用いることができる。
【0036】
このようにして製造されたベアリングシール1では、補強環2おもて面全てだけでなく、補強環2の輪郭及び内周側背面に弾性密封材から形成されたシール部3を設けているので、取扱い時のベアリングシール1同志の金属接触や、装着時のベアリング内外輪との金属接触等、特に補強環2の輪郭が金属接触してコンタミが発生することを減少させることができる。
【0037】
また、成形後の積層板に補強環2の輪郭の一部分の連結部5を打ち抜くだけでベアリングシール1を得ることができるので、バリ・カスの発生が減少してベアリングシール1に付着しにくくなる。
【0038】
従って、本実施の形態のベアリングシール1をベアリングに装着させても、コンタミやバリ・カスによって、周辺装置に悪影響を及ぼすことを防ぐことができる。
【0039】
尚、補強板に補強環2の輪郭に微小隙間4を設ける際、弾性密封材の流し溝を設けたり、微小隙間の隙間を拡大して、弾性密封材が微小隙間4に流入し易くしてもよい。
【0040】
また、補強板への補強環2の内周切断、凹凸形成等の加工は、適宜ベアリングシール1の形状に応じて行えばよく、例えば図4(a)、図4(b)に示すような形状のベアリングシール1であってもよい。
【0041】
さらに、このように成形板を切断して製造される密封装置であれば、本実施の形態のベアリングシールに限られるものでない。
【0042】
【発明の効果】
本発明の密封装置の製造方法は、成形時に補強板に設けられた補強環の輪郭の微小隙間から補強板の一方の面から他方の面へと弾性密封材を流動するので、密封装置の補強環の両面に弾性密封材からなるシール部を容易に形成することができる。
【0043】
成形板から製品部を分離する際は補強環を連結させている連結部のみを切断するだけでなので、バリ・カスの発生を減少させることができ、取り出す密封装置にバリ・カスが付着しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施の形態の密封装置を示す図である。
【図2】図2は実施の形態の密封装置の製造方法を示す図である。
【図3】図3は微小隙間と連結部とを設けた補強板を示す図である。
【図4】図4は実施の形態の他の例の密封装置を示す図である。
【図5】図5は従来技術の密封装置を示す図である。
【符号の説明】
1 ベアリングシール
2 補強環
3 シール部
4 微小隙間
5 連結部
6 成形型
Claims (1)
- 補強環と弾性密封材によるシール部とを成形により一体化させた密封装置の製造方法であって、
補強環の素材となる補強板に、前記補強環の輪郭に沿って一部の連結部を除いて微小隙間を形成し、
成形時に、前記微小隙間を通路として補強板の一方の面から他方の面へと弾性密封材を流動させ、補強板の両面にシール部を形成した成形板を得て、
その後、前記連結部を切断することによって、前記成形板から一体的に形成された補強環とシール部とを有する製品部を分離することを特徴とする密封装置の製造方法。
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