JPH0526331U

JPH0526331U - レジントランスフア−成形型

Info

Publication number: JPH0526331U
Application number: JP8075191U
Authority: JP
Inventors: 敬行杉山
Original assignee: Isuzu Motors Ltd
Current assignee: Isuzu Motors Ltd
Priority date: 1991-09-10
Filing date: 1991-09-10
Publication date: 1993-04-06

Abstract

(57)【要約】【目的】樹脂の洩れ止めができ、しかも安価なレジン
トランスファ−成形型を提供する。【構成】キャビ型１とコア型２で形成したキャビティ
３の周縁の外側において、一方の型にアルミテープ５を
接着した環状弾性シール部材４を配設し、該弾性シール
部材の表面と他方の型とでパーティング面Ｐを形成し
た。パーティング面の高精度の加工を必要とせず、樹脂
が洩れるおそれがない。また、樹脂が侵入した場合で
も、離型が容易となる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ＦＲＰ製品などを成形するのに使用する成形型に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

近時、ＦＲＰ（ガラス繊維強化樹脂）製品が自動車の外板等の各種成形品に使用されるようになった。例えばエンジンフ−ドをＦＲＰ製とする場合には、成形品の剛性、強度等を確保するため、ガラス繊維等の強化用繊維を複数枚重ねて予めマット状に成形し、このガラス繊維マットを金型にセットし、型内に溶融樹脂を注入して成形するレジントランスファ成形（以下、ＲＴＭという）が採用されている。

【０００３】ＲＴＭに使用する成形型は、図３に示すように、キャビ型１とコア型２との間にキャビティ３を形成し、キャビティ３の周縁を突合わせてパ−ティング面Ｐとしたものであって、キャビティ３内に強化用繊維マット１０をセットし、両型をパーティング面Ｐで密封し、コア型２に設けた樹脂注入口９から溶融樹脂を注入して成形している。また、図４に示すように、パ−ティング面の代わりに環状突起１１を設け、キャビティに配設した強化用繊維マット１０の端部を挟み止めするようにしたものがある。

【０００４】実開平３−５２１１４号公報には、金型のキャビティ包囲部に、弾性本体部とシール面を持つた剛性ヒール部とからなるシール部材を配設した金型パーティング面シール装置が記載されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

図３に示す上下金型をパーティング面Ｐで密封する形式の金型では、樹脂洩れ防止のためパーティング面Ｐを精度良く加工しなければならず、金型の成形面を切削加工により製作するのに代え、電鋳殻を使用してＦＲＰを安価に成形することができるＲＴＭの長所が阻害される。ＲＴＭでは、使用する樹脂の粘度が低いため、加工精度が不充分だったり、ほぐれたガラス繊維をパーティング面で挟み付けたりしてパーティング面が密着していないと、パーティング面から樹脂が洩れ出し、製品にショートと呼ばれる樹脂の未充填部が発生する。また、強化用繊維マット１０の端部を環状突起１１で挟むようにした図４に示す成形型では、成形品の外周に強化用繊維マット１０を含むバリが出るので、成形後にバリ取り作業が必要となり、加工費が高くなるだけでなく、成形品の品質の均一化も難しくなる。

【０００６】ＲＴＭで樹脂注入口９から注入する樹脂は、５〜２０kg/cm²程度の低圧力で注入するのが普通であり、高型締め力で保持したキャビティ内に３００〜１０００ kg/cm²の高圧で粘度の高い樹脂を注入する射出成形とは、樹脂の粘度及び注入圧力が大幅に異なるものである。前記実開平３−５２１１４号公報に記載されたパーティング面シール装置は、剛性ヒール部でシールするものであり、高粘度の樹脂を高圧で注入する射出成形用金型として使用した場合は樹脂洩れがなくて好適であるが、ＲＴＭのように型締め力が低く、粘度の低い樹脂を注入した場合は、どうしても樹脂洩れが発生し、また、剛性ヒール部に樹脂が付着して脱型後の金型清掃に手数を要することになる。

【０００７】本考案は、上記の問題点を解決し、高精度の加工を要せずに樹脂の洩れ止めができ、しかも安価なレジントランスファ−成形型を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、キャビ型とコア型で形成したキャビティの周縁の外側において、一方の型にアルミテープを接着した環状弾性シール部材を配設し、該弾性シール部材の表面と他方の型とでパーティング面を形成したレジントランスファ−成形型である。

【０００９】

【作用】

表面にアルミテープを接着した弾性シール部材が一方の型のキャビティ周縁部と当接して樹脂を密封するので、パーティング面の高精度の加工を必要とせず、樹脂が洩れるおそれがない。また、樹脂が侵入した場合でも、弾性シール部材にアルミテープが接着してあるので離型が容易となる。

【００１０】

【実施例】

成形用型の一実施例の断面を示す図１において、下型を例えばエンジンフ−ドの外表面を成形するキャビ型１とし、上型をエンジンフ−ドの裏面を成形するコア型２とし、キャビテイ３の周縁を包囲する耐熱ゴム製などの環状弾性シール部材４をコア型２に取付け、環状弾性シール部材４のキャビ型１との当接面側にはアルミテープ５を接着する。キャビ型１とコア型２を型締めした状態では、図１に示すように、アルミテープ５とキャビ型１の上面とが当接してパーティング面Ｐを形成する。

【００１１】キャビ型１のキャビテイ３内に複数枚の予備成形したガラス繊維マット１０をセットし、樹脂注入口から溶融樹脂をキャビティ３に注入してＦＲＰを成形する。この場合、ＲＴＭでは、樹脂の注入圧力が通常２０kg/cm²以下の低い圧力のため、低い型締め力で環状弾性シール部材４が少し変形した程度でも十分樹脂洩れしないパーティング面Ｐが得られる。また、ガラス繊維マットのセットがずれてほぐれたガラス繊維がパーティング面Ｐに挟まった場合でも、シール部材４の弾性変形で樹脂洩れが防止でき、キャビ型１の当接面を損傷することもない。環状弾性シール部材４の表面にアルミテープ５が接着されているので、環状弾性シール部材４の耐久性を向上するとともに、樹脂がパーティング面Ｐに侵入した場合にも離型性が良いので、脱型後の金型の清掃の手間がかからない。

【００１２】図２は別の実施例を示すもので、アルミテープ５を接着した環状弾性シール部材４をコア型２に配設する点は図１の実施例と同じであるが、この環状弾性シール部材４を保持金具７に取付け、コア型２に設置した複数のシリンダ８でキャビ型１の上面に押付けるようにしたものである。この実施例では、キャビ型１に突き当て６を設けて型締めしたときのキャビ型１とコア型２の間隔を規制するようにしてある。樹脂を注入したときにキャビテイ３内にエアーが溜ると、いわゆるショートが発生して成形不良となる。この実施例では、複数のシリンダ８のそれぞれの押圧力を調整できるので、任意の箇所でエアー抜きが行え、ショートの発生を防止することができる。シリンダ８は、油圧シリンダ又はエアーシリンダとすることができる。

【００１３】以上の実施例ではＲＴＭ用の成形金型について説明したが、本考案は注入樹脂圧力の低いレジンインジェクション（ＲＩ）用金型にも適用できる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、成形金型の高精度の加工を要せず、安価な型を使用してＦＲＰが安価に成形できるＲＴＭの特徴を生かしたまま、成形時における樹脂洩れを有効に防止することができる。また、弾性シール部材にアルミテープが接着してあるので離型が容易となり、樹脂がパーティング面に侵入した場合にも、脱型後の金型の清掃の手間がかからない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の一部断面図。

【図２】本考案の他の実施例の一部断面図。

【図３】従来のＲＴＭ用金型の断面図。

【図４】従来の他の形式のＲＴＭ用金型の一部断面図。

【符号の説明】

１キャビ型２コア型３キャビティ４環状弾性シール
部材５アルミテープ６突き当て７保持金具８シリンダＰパーティング面

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】キャビ型とコア型で形成したキャビティ
の周縁の外側において、一方の型にアルミテープを接着
した環状弾性シール部材を配設し、該弾性シール部材の
表面と他方の型とでパーティング面を形成したことを特
徴とするレジントランスファ−成形型。