JPS5832905Y2 - キヨウカプラスチツクセイケイホウニモチイル セイケイガタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、強化プラスチック浴槽等の成形法の一つであ
る注入成形法の実施に用いられる成形をに関するもので
ある。

第１図は従来の注入成形法の実施に使用される成形型の
縦断面を示すものであって、１は雄型、２はこれと嵌合
させられる雌型で、これと雄型１を嵌合させた際、両型
１．２の間には、成形体の形状に相当する形窩が形成さ
れるようになされている。

３は雌型２の上部中央に穿設された樹脂注入口、４はこ
の注入０３に接続された樹脂注入ホース、６は雌型２の
ピンチオフ部５に設けられた凸部である。

上記のような構造を有する成形型を用いて、強化プラス
チック成形体を成形するには、まず雄型１の全面を、強
化プラスチック用の補強材であるガラス繊維γで覆い、
該ガラス繊維７の上に雌型２を載置してガラス繊維γの
周縁部をピンチオフ部５において強く挾持させるかたち
で雄型１と雌型２とを嵌合させ、エアーシリンダ等の固
定具（図示省略）で両者を固定するとともに、樹脂注入
ホース４を介して樹脂注入口３より雄型１と雌型２との
形窩内に、硬化促進剤、触媒等を混合した液状の不飽和
ポリエステル樹脂（図中「点」で表わしたもの）を圧入
してガラス繊維７に含浸させる。

圧入完了後所定時間放置して、前記不飽和ポリエステル
樹脂を硬化させ、これを成形型より脱型して、強化プラ
スチック成形体を得るものである。

上述のごとき注入成形法において、成形型を固定したと
きには、上記のごとくピンチオフ部５においてガラス繊
維７の周縁部を凸部６とそれと対向する雄型１の部分で
強く挾み込むため、該ピンチオフ部５は圧縮されたガラ
ス繊維１によって、液密性は有するが気密性を有しない
状態でシールされることになる。

従って両型１，２の形窩内に合成樹脂材料を圧入すると
、該形窩内の空気は圧縮されたガラス繊維７の間隙を通
って排出されるけれども注入された不飽和ポリエステル
樹脂は型１．２の外部に流出しない。

このような注入成形法においては凸部６によってせばめ
られていたピンチオフ部５０間隙は成形体の厚みの３分
の１以下になるようにするのが通常である。

しかしながらガラス繊維γは非常に硬いので、合成樹脂
材料をシールできる程度にピンチオフ部５を締め付ける
と、該ピンチオフ部５に亀裂が生じたりあるいは変形し
またりするおそれがあるほか、成形体の厚みは、通常、
たとえば浴槽の場合を例にとれば３〜４７１１１ｔ程度
というように薄いものであるから、ピンチオフ部５０間
隙は０．７〜ｌａ程度に設定される必要があり、しかも
型端部の全周にわたってこの間隙寸法を一定に保持しな
いと合成樹脂材料が漏出するおそれがある。

従って型加工の際に、ピンチオフ部５の機械的精度は高
度のものを要求されるのみならず、たとえこのように精
密な加工を施したものであっても前述した成形時の変形
事故によって上記精度が維持されなくなるため、成形型
を廃棄したり再加工したりしなければならない欠点もあ
った。

更に、ピンチオフ部５において、製品である成形体の芯
となるガラス繊維１を挾持するものであるから、成形体
の硬化完了後、ガラス繊維１の周縁部を切断しなければ
ならないという手間もあった。

本考案はこのような欠点を除去するために案出されたも
のであって以下にこれを、その実施例を示す第２図及び
第３図に基いて詳説する。

なお第２図、第３図において、第１図と同じ符号で示さ
れる部材は、同図と同じ部材を示すものである。

８はフェルト、不織布等の繊維状物質あるいはスポンジ
等の連続気泡を有する軟質発泡体等の軟質材料からなり
、両型１，２で挾持されるようにそのピンチオフ部５全
周に配されたエンドレス状の軟質シール材である。

次に上記の成形型の使用方法について説明する。

まず雄型１の、ピンチオフ部５を除く上面全体をガラス
繊維７で覆うとともに該雄型１の端部全周に位置するピ
ンチオフ部５に前記軟質シール材８を載置し、次に雌型
２を軟質シール材８の上から雄型１に強制的に嵌合させ
ると共に、両型１，２の間に所望形状の形窩を形成させ
、エアシリンダー等の固定具（図示省略）で両型１，２
を固定して該両型１，２で軟質シール材８を挾持した後
、樹脂注入ホース４を介して樹脂注入口３より前記形窩
内に硬化促進剤、触媒等を混合した液体の不飽和ポリエ
ステル樹脂（図中「点」で表わしたもの）を圧入して前
記ガラス繊維１に含浸させ、しかる後所定時間放置して
不飽和ポリエステル樹脂を硬化させると、成形型の形窩
内に強化プラスチックの成形体が塑成されるから、これ
を脱型すると第４図に示したような成形体Ａを得ること
が出来る。

本案成形型を用いた注入成形法においては、両型１．２
のピンチオフ部５において雌型２の端部全周に設けられ
た凸部６が軟質シール材８を強く押圧するため、このよ
うにして圧縮された軟質シール材８は、注入された不飽
和ポリエステル樹脂が型１，２の外部に流出することを
阻止する。

しかし軟質シール材８は前記挾持により圧縮された状態
においても、なお通気性を失わないものであるから、前
記合成樹脂材料が圧入されるに伴って形窩内の空気は型
１．２外に排出され、合成樹脂材料は倒ら支障なく形窩
内に注入されるものである。

なお上記実施例では凸部６を雌型２の方に設けたが都合
により雄型１の側に設けることもあり、また両型１．２
のいずれにも凸部６を設けないこともある。

さらに上記実施例ではピンチオフ部５は両型１，２の端
部における突縁部で構成されており、該突縁部は両型１
，２と同質の剛性材料からなるものであるが、場合によ
っては同突縁部の一方を（該突縁部分のみを）ゴム等の
可撓性材料のもので構成し、この突縁部と他方の剛性突
縁部をしゃこ万力等の挾持具で締めつけることにより軟
質シール材８を挾持することもある。

また軟質シール材８は両型１，２のいずれか一方に固定
することもあり、またこれを分割して両型１．２のピン
チオフ部５にそれぞれ固着することもある。

上述のごとく、本考案成形型はそのピンチオフ部５に、
フェルト、不織布等の繊維状物質あるいはスポンジ等の
連続気泡を有する軟質発泡体等の軟質材料からなる軟質
シール材８を介挿させたものであり、従来の如くピンチ
オフ部５に硬質のガラス繊維１を挾み込むものでないか
ら、型１．２の抑圧固定時におけるピンチオフ部５の損
傷、変形等の事故を防止することができる。

またシール材８が軟性を有するため、型１．２の嵌合不
良によりピンチオフ部５の間隙幅が一定しない場合でも
ピンチオフ部５を完全にシールすることが出来るばかり
でなく、不飽和合成樹脂の漏出防止のため型１，２のピ
ンチオフ部５の加工精度を高める必要もない。

更に、ピンチオフ部５において、製品である成形体Ａの
芯となるガラス繊維７を挾持するものではないから、成
形体Ａの硬化完了後ガラス繊維γの周縁部を切断すると
いう手間を省くことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の注入成形法を説明するための成形型の断
面図、第２図は本考案の実施例を示す断面図、第３図は
第２図に二点鎖線で示す円内部分の拡大図、第４図は本
考案の実施例の成形型を使用して得られた成形体を示す
斜面図である。 Ａ・・・強化プラスチックの成形体、１・・・雄型、２
・・・雌型、３・・・樹脂注入口、４・・・樹脂注入ホ
ース、５・・・ピンチオフ部、６・・・凸部、７・・・
ガラス繊維、８・・・軟質シール材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 不飽和ポリエステル樹脂等の合成樹脂材料が圧入される
   ようになされた所望形状の形窩を形成するようにして組
   合わされる一対の型と、ガラス繊維等の補強材を完全収
   納した前記形窩内へ合成樹脂材料を圧入する手段と、繊
   維状物質あるいは連続気泡を有する軟質発泡体等の軟質
   材料からなり、前記両型で挾持されるようにそのピンチ
   オフ部全周に配された軟質シール材とからなる強化プラ
   スチック成形体の成形型。