JP4029803B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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本発明は、調理を行うプレートや鍋等の調理板と、調理板を覆うガードを備えた構成の一般家庭で使用する誘導加熱調理器に関するものである。
従来、この種の誘導加熱調理器は特許文献1のように、調理器本体の外郭上に保護枠を設け、前記外郭に支持される天板上方に調理鍋を配置して、前記保護枠で調理鍋を支持していた。
図11及び図12は、特許文献1に記載された従来の誘導加熱調理器を示すものである。図11に示すように、調理器本体と、結晶化ガラス等から成る天板71と、天板71を支持する外郭72と、外郭72の外周に置く保護枠73と、保護枠73内部に入れ天板71の上に置く調理鍋74と、調理鍋74の把手75から構成されている。
また、図12に示すように、調理器本体と、天板71と、外郭72と、天板72の外周に嵌合し外郭72の上に置く保護枠73と、保護枠73に設けた切り欠き部76と、調理鍋74と、把手75から構成されている。
特開平9−35860号公報
しかしながら、前記従来の構成では、調理器本体の天板71と調理鍋74の底面が略同形状であり、調理鍋74の底面と保護枠73も略同形状であるので、誘導加熱された調理鍋74の底面の熱により、天板71は温度上昇され、その熱を保護枠73の下部も受けるので、保護枠73の材質を高価な耐熱性に優れた材料にするとか、保護枠73と天板71の隙間を大きくして、天板71を保護枠73に伝わり難くするため、保護枠73を本体にセットした際にガタが生じるという課題を有していた。
また高温になった調理鍋74や保護枠73を動かすときに火傷しやすいという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、保護枠が本体上に載置された際にガタつきなく、安定してセットでき、且つ保護枠を安価な材料で構成した誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
また、保護枠を着脱した際に、火傷の恐れなく安全に移動できる構成とすることを第2の目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、絶縁材からなる略角形の天板と、前記天板を上面に配置する本体上ケースと、前記天板を囲んだガードと、前記ガードの下端部の四隅近傍に設け凸状脚と、前記本体上ケースの内側に配置して天板上に載置する略角形のプレートとを備え、前記プレートの四隅部は、前記プレートの中心からの距離が前記天板の四隅部の中心からの距離にくらべ短くなるようにコーナー部を切り取った形状にし、前記天板の四隅部近傍の上に前記プレートが配置されなくし、その部分の外側に前記ガードの凸状脚を設けるとともに、前記プレートは、底面部の裏側に発熱体を有し、耐熱樹脂製の把手を備え、前記ガード上端部には前記把手と係合する凹部を設けて、前記把手と前記ガード上端部とを凹凸嵌合により、着脱自在に固定するとともに、前記プレートに設けた把手と係合する前記ガードの凹部は、前記把手の指係り部の下方に前記把手の指係り部と略同形状の指係り部を設けた構成としたものである。
これによって、加熱された調理鍋の底面の熱により、天板の温度も上昇するが、プレートの四隅部は丸くしているので、絶縁材からなる天板は熱伝導が悪く、天板の四隅部は温度がほとんど上昇しない。これにより天板の四隅部にガードの凸状脚を設けても、凸状脚は温度が上昇せず、ガードの材質は高価な耐熱性に優れた材料にしなくても良く、また熱による変形もないので、ガードを本体にセットした際にガタが生じる恐れも防止できる。
また、プレートを外してからガードを外すときや、プレートとガードをいっしょに持ち運ぶ時に指が天板に触れるのを防止して、火傷することが無くすことができる。
本発明の誘導加熱調理器はガードの着脱を火傷やガタつきなく、安全にセットでき、且つ安価な材料を用いて誘導加熱調理器を構成できる。
また、プレートを外してからガードを外すときや、プレートとガードをいっしょに持ち運ぶ時に指が天板に触れるのを防止して、火傷することが無くすことができる。
の発明は、絶縁材からなる略角形の天板と、前記天板を上面に配置する本体上ケースと、前記天板を囲んだガードと、前記ガードの下端部の四隅近傍に設けた凸状脚と、前記本体上ケースの内側に配置して天板上に載置する略角形のプレートとを備え、前記プレートの四隅部は、前記プレートの中心からの距離が前記天板の四隅部の中心からの距離にくらべ短くなるようにコーナー部を切り取った形状にし、前記天板の四隅部近傍の上に前記プレートが配置されなくし、その部分の外側に前記ガードの凸状脚を設けるとともに、前記プレートは、底面部の裏側に発熱体を有し、耐熱樹脂製の把手を備え、前記ガード上端部には前記把手と係合する凹部を設けて、前記把手と前記ガード上端部とを凹凸嵌合により、着脱自在に固定するとともに、前記プレートに設けた把手と係合する前記ガードの凹部は、前記把手の指係り部の下方に前記把手の指係り部と略同形状の指係り部を設けた構成とすることにより、プレートが高温になったときに天板は、四隅部は温度が低いが、四隅部以外は温度が高いので、プレートを外してからガードを外すときや、プレートとガードをいっしょに持ち運ぶ時に指が天板に触れるのを防止して、火傷することが無くすことができる。
の発明は、特に、第の発明のガードの下端部の四隅の凸状脚は、先端にゴム脚を設け、前記ガードとプレートを本体上ケースから外してテーブルに置いたときに、プレートの底面部の裏面がテーブルから離れて接触しない構成とすることにより、プレートが高温の状態で、プレートとガードを一体にしてテーブルに置いたとき、ガードが動くことがなく、不用意にプレートに触れて火傷することを無くすことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1から図3は、本発明の第1の実施の形態における誘導加熱調理器の斜視図、断面図、正面図を示すものである。
図1において、長方形でセラミックスなど無機材料からなる天板11を上面に接着等で固定して配置する上ケース12には、天板11の外周にフランジ13を設け、フランジ13に着脱自在に樹脂製のガード14が載置する。載置する際には、ガード14の下端部の四隅に設けた凸状脚15が上ケース12のフランジ13に載置する。アルミニウムなど熱伝導に優れた材質からなるプレート16はガード14の内部に入り、天板11上に載置する。ここでプレート16の四隅部は丸くして、またガード14の四隅部にはプレート16の四隅部の丸みに合わせて上面壁17が設けてある。すなわち、プレート16の四隅部は、プレート16の中心からの距離Aが前記天板11の四隅部の中心からの距離Bにくらべて、この距離の差が断熱効果を備える程度に短くなるようにし、コーナー部を切り取った形状としている。そして、天板11の四隅部近傍の上にプレート16が配置されなく構成し、天板11のその部分の外側にガード14の凸状脚が配置されるようにしている。
図2において、上ケース12の下方には本体の外郭の下部を支える下ケース18があり、本体内には加熱コイル19と、加熱コイル19を支持するコイルベース20が設けてある。プレート16の裏面には誘導加熱で発熱する発熱体21が取りつけられてあり、天板11に載置する脚22が設けてある。発熱体21はプレート16の底面に熱が伝わりやすくするため、溶射加工で形成している。またプレート16の上端縁23はガード14の上面24よりも低く構成している。
図3において、ガード14は四隅部に設けたL字形状の凸状脚15が上ケース12の上部の天板11を取りつけた突出部を囲むように載置する。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、ガード14は上ケース12に載置されたときにガタツキがないように、四隅部の凸状脚15は上ケース12の天板11を取りつけた突出部の四隅に近接させている。加熱コイル19によりプレート16の発熱体21が加熱されて高温になると、発熱体21からの輻射熱で発熱体21に近接している天板11の部分は高温になる。しかし、プレート16の四隅部は丸くしており、また天板11の四隅部は丸くしていないので、天板11の四隅部の上方にはプレート16および発熱体21がなく、高温にならない。これは天板11の材質にはセラミックス等の熱伝導性の低い材質を用いているため、天板11の発熱体21に近接する部分が受ける熱が伝わりにくいためである。そして高温に温度上昇しない天板11の四隅部のみにガード14の凸状脚15を近接させているので、ガード14の下部も高温にならない。またガード14の上部はプレート16の上面口縁23と隙間を開けているので、高温にならない。
さらにガード14の上面壁17により、プレート16の上端縁23とガード14との隙間を全周に渡って、同じ巾にすることができ、調理カス等がプレート16とガード14の間に入り難くすることができる。
以上のように、本実施の形態においては、プレートや天板が高温になっても、ガードは高温にならず、またガードはプレートの上面と側面を覆っているので、不用意にプレートに触れることもなく、またガードのどこに触れても熱くないので火傷することがなく、ガードの材質は高価な耐熱性に優れた材料にしなくても良く、安価でガードを形成することができる。
また、本実施の形態では発熱体を溶射加工で形成しているが、ステンレス等の誘導加熱できる材質の板材をプレートに取りつけた構成にすることもできる。
(実施の形態2)
図4から図6は、本発明の第2の実施の形態における誘導加熱調理器のプレートの裏面図、本体の斜視図及び断面図を示すものである。
図4において、角形のプレート30の一対の両端には板金製の把手金具31をネジで取りつけて、把手金具31にはプレート30と隙間を開けて樹脂製の把手32が取りつけてある。またプレート30の底面33の裏面の中央部には丸形の発熱体34と、その外側に脚35が設けてある。
図5において、ガード36の上端部37には把手32と係合する凹部38を設けている。また、四隅部には下部に凸状脚15があり、上部には上面壁17がある。
図6において、加熱コイル39は発熱体34と略相似形状としている。プレート30の底面33は側面に対して肉厚を厚く形成している。プレート30が天板11上に載置する時にガード36の凹部38上には隙間A40を開けて、把手32が嵌合する。またプレート30の底面33の発熱体34の外側と天板11の間には隙間B41が開けてある。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、把手32はプレート30と把手金具31を介して取りつけているので、プレート30が高温になっても把手32は把手金具31と接する部分のみしか高温にならない。それ故、把手32が入り込むガード36の上端部37の凹部38を形成する壁は把手32に触れても高温にはならない。また、把手金具31の近傍の凹部38は隙間A40を設けているので、高温にはならない。よって、把手32と凹部38の凹凸嵌合ではガタを少なくすることができ、故にプレート30とガード36のガタ付きもほとんど無いようにすることができる。
また発熱体34をプレート30の裏面の中央部に設けることで、天板11の高温になる部分も中央部だけにすることができる。またプレート30の底面33の肉厚を厚くすることで、発熱体34の面積を中央部だけにしても底面を形成する部分に熱が伝導しやすくなり、底面33の全面を高温にすることができる。ここでプレート30の底面部33における発熱体34の外方範囲と、天板11との間は隙間B41を設けることで、天板11は輻射熱をあまり受けることがなく、天板11の温度が上昇するのを抑えることができる。
以上のように、本実施の形態においては、プレートの底面部の温度分布は良くしながら、発熱体の面積を小さくして、しかも発熱体部のガタツキも抑えることで、天板の四隅部の温度上昇を更に下げることができる。
また、ガードの下部は四隅部のみに凸状脚を設けているので、四隅部以外では隙間Bの熱が外に流れやすく、隙間B部の温度上昇が抑えられて、天板の温度が上昇しにくくなっている。また天板を取付けている上ケースの接着部の温度上昇も抑えられ、接着性能も確保できる。
(参考の形態1)
図7の(A)から(D)は、本発明の第2の実施の形態と第1の参考の形態における誘導加熱調理器の側面図および断面図を示すものである。
図7(A)において、実施の形態2における構成の右側面図を示したものである。把手32がガード36の凹部38に嵌合しており、把手32下方には指が入らない程度の隙間A40が設けてある。
図7(B)において、把手32がガード36の凹部B41に嵌合しており、把手32下方には大きな隙間C42を設けている。
図7(C)において、ガード36の下方の凸状脚43が天板11上に乗り上げた状態で、把手32の下方の凹部B41では隙間C42は小さくなっている。
図7(D)において、把手32と凹部B41の間の隙間C42には、内部側にリブ44を設けている。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、図7(A)の構成でガード36が上ケース12にセットされる際にすこしズレを生じて天板11に乗り上げてしまう場合、プレート30に設けた把手32がガード36の凹部38に乗り上げてしまい、プレート30の底面が天板11から上に浮くことになる。これにより、通常本体内の天板11裏面に設けている温度センサーがプレート30の温度検知の性能が悪くなり、プレート30の温度が異常に上昇してしまう。
之に対して、図7(B)の構成では把手32と凹部B40の隙間を拡げて、隙間C42とすると、ガード36が天板11に乗り上げて凹部B41が上に移動しても、隙間C42が少なくなるだけで把手32が凹部B41に接触することがなくなり、よって、プレート30の底面は天板11上で浮くことはなく、載置することができ、プレート30の異常温度上昇を抑えることができる。
また、リブ44を設けることで、隙間C42を設けても、指が内部に入ることがなくなり、高温になったプレート30や把手金具31に触れることがない。
以上のように、本参考の形態においては、使用者の起こりやすい過ちでも、プレートやガードの温度上昇を抑えることができる。また、高温部に触れることもなく、やけどの恐れもなくなる。
(実施の形態3)
図8及び図9は、本発明の第3の実施の形態における誘導加熱調理器の斜視図及び断面図を示すものである。
図8および図9において、プレート30に設けた把手32と係合するガード36の上面37に設けた凹部50には、把手32の指係り部51の下方に指係り部51と略同形状の指係り部52を設けている。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
プレート30や天板11が高温になったときにプレート30を持ち運ぶには把手32の指係り部51に指を入れて運ぶことができる。またガード36も凹部50に設けた指係り部52に指を入れて運ぶことができ、その際には指が天板11に触れる恐れがなくなる。
以上のように、本実施の形態においては、プレートや天板が高温時にプレートを外してから直ぐにガードを外すときに指が天板に触れることがなく、火傷することを防止できる。また高温になったプレートをガードをいっしょに持ち運ぶこともできて、持ち運ぶ際に高温のプレートの側面に触れるのも防止して、火傷することが無くすことができる。
(実施の形態4)
図10は、本発明の第4の実施の形態における誘導加熱調理器の部分断面図を示すものである。
図10において、ガード60の四隅の凸状脚61の先端には、ゴム脚62を設けており、テーブル63に載置する際にはゴム脚62だけがテーブル63に触れている。
以上のように構成された誘導加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
ガード60とプレート30を本体から外してテーブルに置いたときに、プレート30の底面33がテーブルから離れて接触しなく、ゴム脚62のみがテーブルに触れることになる。
以上のように、本実施の形態においては、本体から外したプレートとガードがテーブル上を不用意に滑って動くことがなく、プレートに触れて火傷することを無くすことができる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱調理器は、安価で安全なガード構成が可能となるので、プレートに限らず、なべ、天ぷらなべ、たこ焼きや焼肉のプレートについての用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の斜視図 本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の断面図 本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の正面図 本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器のプレートの裏面図 本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器の斜視図 本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器の断面図 (A)本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器の右側面図(B)本発明の参考の形態1における誘導加熱調理器の右側面図(C)本発明の参考の形態1における誘導加熱調理器のガードが本体上ケースに乗り上げた状態の右側面図(D)本発明の参考の形態1における誘導加熱調理器の断面図 本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器の斜視図 本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器の断面図 本発明の実施の形態4における誘導加熱調理器のプレートとガードの断面図 従来例における誘導加熱調理器の側面断面図 従来例における誘導加熱調理器の側面断面図
符号の説明
11 天板
12 上ケース
13 フランジ
14 ガード
15 凸状脚
16 プレート
17 上面壁
18 下ケース
19 加熱コイル
20 コイルベース
21 発熱体
22 脚
23 上端縁
24 上面
32 把手
38、50 凹部
51、52 指係り部
62 ゴム脚

Claims (2)

  1. 絶縁材からなる略角形の天板と、前記天板を上面に配置する本体上ケースと、前記天板を囲んだガードと、前記ガードの下端部の四隅近傍に設けた凸状脚と、前記本体上ケースの内側に配置して天板上に載置する略角形のプレートとを備え、前記プレートの四隅部は、前記プレートの中心からの距離が前記天板の四隅部の中心からの距離にくらべ短くなるようにコーナー部を切り取った形状にし、前記天板の四隅部近傍の上に前記プレートが配置されなくし、その部分の外側に前記ガードの凸状脚を設けるとともに、前記プレートは、底面部の裏側に発熱体を有し、耐熱樹脂製の把手を備え、前記ガード上端部には前記把手と係合する凹部を設けて、前記把手と前記ガード上端部とを凹凸嵌合により、着脱自在に固定するとともに、前記プレートに設けた把手と係合する前記ガードの凹部は、前記把手の指係り部の下方に前記把手の指係り部と略同形状の指係り部を設けた構成とする誘導加熱調理器。
  2. ガードの下端部の四隅の凸状脚は、先端にゴム脚を設け、前記ガードとプレートを本体上ケースから外してテーブルに置いたときに、前記プレートの底面部の裏面がテーブルから離れて接触しない構成とする請求項に記載の誘導加熱調理器。
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