JP4028944B2 - 二成分現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置、該画像形成装置に用いられる二成分現像装置に係り、詳しくは、現像器からの劣化した現像剤の回収、並びにトナーとキャリアとから成る二成分現像剤の現像器への補給又は交換に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、トナーとキャリアとを混合して成る二成分現像剤を用いた画像形成装置が種々提案されている。この二成分現像剤は、繰り返し使用を続けると次第に現像剤中の特にキャリア成分が劣化し、現像能力が低下してくる。このため、劣化したキャリアを含む現像器内部の現像剤を交換することが行われている。
この現像剤の交換方法としては、具体的には、一定サイクルごとにサービスマンがユーザーを訪問し、古い現像剤の回収と新しい現像剤の補給を行うという方法が採られていた。
また、現像剤の交換をユーザー自身で行う方式を採用したものもある。例えば、現像装置の現像剤収容部として筒状の容器を用い、容器内部の現像剤が劣化すると、この容器から一定量の古い現像剤を回収すると共に、同一の筒状の容器内に一定量の新しい現像剤を補給するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、サービスマンが現像剤の回収と補給を行う場合、現像器が少なくとも1つ以上設けられた現像器ユニット、又はその一部を装置本体から取り外して行うため、現像剤がこぼれ出すなどして周囲を汚染してしまう恐れがあった(例えば、特公平3−22627号参照)。また、サービスマンによる現像剤の交換に時間がかかったり、サービスマンを頻繁に呼ぶことが煩わしく感じることもあった。
一方、ユーザー自身で交換を行う方法では、古い現像剤を一定量は回収出来るが、完全に回収しないまま新しい現像剤を補給するため、古い現像剤が残留してしまうことになる。
【0005】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、サービスマンの手を煩わすことなく、ユーザー自身で現像剤の交換を確実に行うことができる二成分現像装置、画像形成装置を提供することである。
【0007】
尚、本出願人は、先に、トナーとキャリアを混合してなる二成分現像剤を収容する現像部と、該現像部内に収容された現像剤を撹拌するための剤撹拌部と、該現像部にて消費されたトナー量に応じて上記剤撹拌部に向けてトナーの収納されたトナーボトル内のトナーを補給するためのトナー補給部と、該トナー補給部に連通するトナー補給口に上記トナーボトルのトナー吐出口を対応させて該トナーボトルを着脱自在に保持するためのボトル保持部とを具備する現像装置において、現像剤の収納された現像剤ボトルの外形形状を、上記トナーボトルの外形形状と同一もしくは略同一に形成し、上記トナー補給口と同一もしくは該トナー補給部に連通する剤補給口に該現像剤ボトルの剤吐出口を対応させて上記ボトル保持部に該現像剤ボトルを保持させることにより、該現像部への現像剤の補給を行うことを特徴とする現像装置を提案している(特開平8−123170号参照)。この現像装置によれば、トナー補給時の駆動手段と同じ駆動手段を使用して現像剤の補給を自動で行うことが出来るが、現像器内の劣化した現像剤を器外に回収する事は考えられておらず、現像剤の交換を確実に行うものではない。
【0020】
【課題を解決するための手段】
記目的を達成するため、請求項の発明は、回転軸の周りに保持され、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を収容する複数個の現像器と、該複数個の現像器のそれぞれに設けられ、該現像器内に補給するためのトナーを収容したトナー収容器を着脱可能なトナー収容器保持部を有するトナー補給手段とを備え、該回転軸が現像装置駆動手段によって回転することにより、任意の現像器を現像位置に位置決めして潜像担持体上に形成された潜像を現像する回転型現像装置からなる二成分現像装置において、上記トナー収容器保持部に着脱可能な現像剤回収容器と、上記各現像器に設けられ、一の現像器に隣接する他の現像器の該トナー収容器保持部に装着された該現像剤回収容器に向けて該一の現像器内の劣化した現像剤を排出する現像剤排出手段とを設け、該一の現像器を現像剤回収位置に位置決めして、該現像剤排出手段を用いて該一の現像器内の劣化した現像剤を該他の現像器の該トナー収容器保持部に装着された該現像剤回収容器内に回収することを特徴とするものである。
この二成分現像装置においては、現像を繰り返し行い現像器内の現像剤が劣化した場合に、上記現像剤排出手段によって劣化した現像剤を現像器外に排出することができる。すなわち、この劣化した現像剤の回収は、ユーザー自身が現像剤回収容器をトナー収容器保持部に装着することで容易に行うことが可能となる。また、この二成分現像装置は、回転型現像装置に設けられている既存のトナー収容器保持部に現像剤回収容器を装着して劣化した現像剤を回収するので、新たな装置や部材等によるスペースを必要としない。従って、本発明の実施に際して、装置の大型化を伴うということはない。
特に、請求項2の発明は、請求項1の二成分現像装置において、上記現像剤回収容器として、上記現像剤排出手段に接続可能で、空になった使用済みのトナー収容器又は現像剤収容器を使用することを特徴とするものである。
この二成分現像装置においては、使用済みのトナー容器又は現像剤収容器を無駄にせずに有効利用することができる。また、専用の現像剤回収容器を必要としないので、低コスト化を図ることも可能となる。
また、請求項3の発明は、上記トナー補給手段が、上記トナー収容器保持部に装着されたトナー収容器を駆動するトナー収容器駆動部材よる駆動により、該トナー収容器内のトナーを現像器内に補給する請求項1又は2の二成分現像装置において、上記現像剤回収容器が、所定の駆動部材で駆動することにより、該現像剤回収容器内の現像剤を移動させることができるように構成されており、上記所定の駆動部材として、上記トナー収容器駆動部材を使用することを特徴とするものである。
この二成分現像装置においては、現像器にトナーを補給する際にトナー収容器を駆動するためのトナー収容器駆動部材で現像剤回収容器を駆動することによって、該現像剤回収容器内の現像剤を移動させることができる。これにより、現像器の現像剤吐出口から吐き出された劣化現像剤が現像剤回収容器内の一部に堆積してしまう場合であっても、これが現像剤の回収の妨げとなることを防ぐことができる。
上記目的を達成するため、請求項4の発明は、潜像担持体上に形成された潜像を二成分現像剤を用いて現像する現像手段を備えた画像形成装置において、上記現像手段が、請求項1、2又は3の二成分現像装置であることを特徴とするものである。
この画像形成装置においては、上述した請求項1、2又は3の二成分現像装置のもつ機能を有するため、これら二成分現像装置の効果をもって、画像形成を行うことができる。
特に、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、上記一の現像器を上記現像剤回収位置に位置決めするように上記現像装置駆動手段を制御し、かつ、該現像剤回収位置に位置決めされた該一の現像器内の劣化した現像剤を上記他の現像器のトナー収容器保持部に装着された現像剤回収容器内に回収するように上記現像剤排出手段を制御する制御手段を設けたことを特徴とするものである。
この画像形成装置においては、現像剤交換工程において劣化した現像剤を現像器から現像剤回収容器内に排出するとき、上述した請求項1、2又は3の二成分現像装置の現像装 置駆動手段及び現像剤排出手段を制御する制御手段によって該劣化した現像剤を回収することが可能である。従って、劣化した現像剤を回収する際には、ユーザーは、現像剤回収容器を上記トナー収容器保持部に装着すれば、後は上記制御手段が自動的に現像剤回収を行ってくれるので、ユーザー自身でも容易に現像剤の回収を行うことが可能となる。
特に、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記制御手段が、上記二成分現像装置に設けられた全ての現像器のトナー収容器保持部に上記現像剤回収容器を装着させたとき、該各現像器を上記現像剤回収位置に順次位置決めするように上記現像装置駆動手段を制御することを特徴とするものである。
回転型現像装置に設けられた複数個の現像器に対して個別に現像剤交換を行うような場合には、これら現像器の中にはユーザーが現像剤の交換を忘れてしまうおそれがある。そこで、本請求項の画像形成装置においては、上記制御手段の制御の下、上記二成分現像装置に設けられた全ての現像器内にある劣化した現像剤を一括して回収することができる。これにより、現像剤の交換が忘れられてしまうようなことはなくなる。
【0038】
【発明の実施の形態】
下、本発明を画像形成装置であるカラー電子写真プリンタ(以下、「プリンタ」という。)に適用した一実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係るプリンタ1の概略構成図である。潜像担持体としての感光体ドラム10は、矢印A方向に回転駆動されながら、その表面が帯電手段としての帯電チャージャ2により一様に帯電された後、レーザ光学装置3から発せられるレーザー光がミラー3aにより所定方向に導かれることにより画像情報に基づき走査露光されて該表面に静電潜像が形成される。上記工程において、感光体ドラム10表面は帯電チャージャ2によって負帯電(−V)される。そして、レーザ光学装置3からレーザー光が発せられると感光体表面電位が−Vとなる。
【0039】
上記露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン、及び黒の色情報に分解した単色の画像情報である。感光体ドラム10上に形成された静電潜像は、現像手段としての回転型現像装置(以下、「リボルバ現像装置」という。)40により各々所定の現像剤としてのイエロー、マゼンタ、シアン、及び黒トナーで現像され、これにより、感光体ドラム10上に各色画像が形成される。
【0040】
感光体ドラム10上に形成された各色画像は、転写バイアスローラ5aと複数のベルトローラ5bに張架されて回動可能になっており、該感光体ドラムと同期して図中矢印B方向に回転することにより中間転写ベルト5上に、イエロー、マゼンタ、シアン、及び黒の単色毎に順次重ね合わされて1次転写される。この中間転写ベルト5上への各色画像の転写は、上記感光体ドラム10と該中間転写ベルトとの接触部において、上記転写バイアスローラ5aに所定のバイアス電圧を印加することで行なわれる。この中間転写ベルト5上に重ね合わされて1次転写されたイエロー、マゼンタ、シアン、及び黒の画像は、両面複写兼用の自動給紙カセット6あるいは手差し給紙トレイ7から給紙ローラ(6a,7a)及びレジストローラ8を経て2次転写部へ搬送された転写紙100上に、2次転写チャージャ9により一括転写される。2次転写終了後の転写紙100は、定着装置11によりトナー像が定着されフルカラープリントとして機外に排出される。
【0041】
なお、上記中間転写ベルト5上への1次転写後の感光体ドラム10上に若干残留した1次転写残留トナーは、該感光体ドラムの再使用に備えて感光体用クリーニング装置12で清掃される。この感光体用クリーニング装置12により回収された1次転写残留トナーは、回収パイプ13を経由して廃トナータンク14に蓄えられる。また、上記転写紙100上に2次転写されなかった中間転写ベルト5上の2次転写残留トナーは、該中間転写ベルトに隣接して設けられている中間転写ベルト用クリーニング装置20によって該中間転写ベルトから除去される。
【0042】
図2は、上記リボルバ現像装置40の概略構成図である。このリボルバ現像装置40は、上記感光体ドラム10に対向した開口部を有するケーシング(不図示)内で、該リボルバ現像装置の回転軸であるリボルバ回転軸41を中心として、矢印C方向に回転される略同型の4つの現像器(42BK,42C,42M,42Y)と、該4つの現像器に補給用トナーをそれぞれ補給するためのトナー補給手段としての4つのトナー補給装置(43BK,43C,43M,43Y)とを有している。なお、図示のリボルバ現像装置40では、感光体ドラム10に対向する現像位置に、黒トナーとキャリアを収容した黒現像器42BKが臨んでおり、この黒現像器から図中反時計回りの順に、シアントナーとキャリアを収容したシアン現像器42C、マゼンタトナーとキャリアを収容したマゼンタ現像器42M、イエロートナーとキャリアを収容したイエロー現像器42Yが配置されている。
【0043】
ここで、上記リボルバ現像装置40を構成する4つの現像器(42BK,42C,42M,42Y)の内部構造はそれぞれ同様であるので、以下、現像位置にある黒現像器42BKを例にとってその内部構造を説明する。尚、各現像器の区別をするために付されたそれぞれの符号(BK,C,M,Y)の記載は適宜省略する。
【0044】
上記現像器42は、現像剤担持体としての現像スリーブ44と、ケーシング部内に収容される黒トナー及びキャリアからなる二成分現像剤(以下、現像剤という)を撹拌する第1、第2撹拌スクリュー(45a,45b)とを備えている。そして、この現像器42内でトナーとキャリアとが撹拌されて、トナーが負にキャリアが正に帯電する。そして、現像時において、現像スリーブ44には負バイアス(−V,V<V)が印加され、一方、感光体電位−VがV<Vの関係になっているため、現像スリーブ44表面に担持されているトナーが感光体表面の画像部に移動して、感光体表面にトナー像が形成される。
【0045】
現像器42内の現像剤のうちのトナーは現像の度に消費されていく。そして、この現像剤のトナー濃度の低下が図示しないトナー濃度センサにより検知された場合には、上記トナー補給装置43によってトナーが補給される。このトナー補給装置43は、トナー収容器としてのトナーボトル50を保持するトナー収容器保持部としてのボトル保持部46と、該ボトル保持部に該トナーボトルを保持させた状態で該トナーボトルを周方向に回転駆動するためのトナー収容器駆動手段としてのボトル駆動モータ47及びカップリング47a(図9参照)が設けられている。これにより、上記トナーボトル50からトナーが現像器内へ補給され、現像剤のトナー濃度が所定の濃度に保たれ、その結果転写紙100上の画像濃度が一定に保たれるようになっている。尚、このトナー補給装置については、本発明の特徴部に関するので後に詳述する。
【0046】
また、リボルバ現像装置40の4つの現像器(42BK,42C,42M,42Y)は、互いに90度ずつ変位した位置に配置されており、現像装置駆動手段としてのステッピングモータ(図示を省略)によってリボルバ現像装置40が図2中の矢印C方向に所定の作像工程に従ってリボルバ回転軸41の周りを90度ずつ回転されることにより、各現像器の現像スリーブ(44BK,44C,44M,44Y)が、黒現像器42BK、シアン現像器42C、マゼンタ現像器42M、イエロー現像器42Yの順に、上記感光体ドラム10に対向する現像位置に移動されて、該感光体ドラム上の静電潜像を可視像化する。
【0047】
上記中間転写ベルト用クリーニング装置20は、図1に示すように、クリーニングブレード21と、該クリーニングブレードを上記中間転写ベルト5に接離可能に支持する接離用アーム22と、該クリーニングブレードを覆うように設けられ、該クリーニングブレードの先端部近傍が該中間転写ベルト側に開口している2次転写残留トナー収容部としての回収容器23とを有している。上記構成の中間転写ベルト用クリーニング装置20において、上記クリーニングブレード21の先端は上記接離用アーム22を介して中間転写ベルト5表面に接離自在になっている。そして、この中間転写ベルト5上に感光体ドラム10から一色目の画像が転写され、更に複数色の画像が転写されて重ね合わせ画像が形成され、その重ね合わせ画像が転写紙100に一括転写されるまでの間は、上記クリーニングブレード21は該中間転写ベルトから離間している。転写紙100への重ね合わせ画像の一括転写が終了した後、このクリーニングブレード21は、上記中間転写ベルト5に接触して該転写紙に2次転写されずに該中間転写ベルト表面に残留した2次転写残留トナーを掻き取る。
【0048】
このようにして上記クリーニングブレード21によって掻き取られた2次転写残留トナーは、重力によって上記回収容器23内壁に沿って底部まで落下する。この回収容器23の底部には、廃トナータンク14に連結されている回収パイプ15が接続されており、該回収容器内の2次転写残留トナーは、回収オーガ24により該回収パイプを通って該廃トナータンクに収容される。この廃トナータンク14は、上述したように上記感光体用クリーニング装置12にも連結されており、上記感光体ドラム10表面の1次転写残留トナーも同様にこの廃トナータンク14へと収容されるようになっている。
【0049】
ここで、上記リボルバ現像装置40の、各現像器(42BK,42C,42M,42Y)内の現像剤は、長期間使用していると特にキャリアが劣化するため定期的に交換する必要がある。そこで、本実施形態のプリンタ1には、現像器内に新たな現像剤を補給するために、現像を繰り返し行うにつれて次第に劣化してきた現像器内の劣化現像剤を該現像器外に排出し回収する現像剤排出手段として機能する現像剤回収装置を設けている。以下、本発明の特徴部分である劣化現像剤の回収及び新しい現像剤の補給について説明する。
【0050】
参考例1〕
まず、現像器内の劣化現像剤を回収する現像剤回収装置の一参考例(以下、本参考例を「参考例1」という。)について説明する。ここで、リボルバ現像装置に設けられている4つの現像器内の劣化現像剤はどれも同様に交換できるので、ここでは黒現像器42BKの劣化現像剤の交換を例に取って説明する。尚、各現像器の区別をするために付されたそれぞれの符号(BK,C,M,Y)の記載は適宜省略する。
【0051】
図3は、本参考例におけるリボルバ現像装置40の現像器42の現像位置における部分拡大図、図4は、本参考例に係る現像剤回収装置の説明図、図5は、該現像器の平面図、図6は、該現像器及び該現像剤回収装置の説明図である。本参考例に係る現像剤回収装置は、上述した中間転写ベルト用クリーニング装置20と一体に構成されている。この現像剤回収装置として利用される中間転写ベルト用クリーニング装置20の回収容器23にはその上部に開口部が設けられている。
【0052】
参考例において、上記現像スリーブ44は、図5に示すように、現像器42の長手方向一端部に設けられた孔に圧入されたフランジ48の軸部を軸受け48aで軸受けすることにより現像器筺体に取り付けられている。このフランジ48の軸部の外側端部には、現像スリーブ44に駆動力を伝えるためのギヤ列(49a,49b,49c)が取り付けられている。また、上記現像スリーブ44の内部にはそのスリーブ軸に固設されたマグネット60が設けられている。このマグネット60及びフランジ48は軸受け48bを介して互いに相対回転が自在になっている。これにより、上記ギア列(49a,49b,49c)を回転させると、上記マグネット60を回転させずに上記現像スリーブ44のみを回転させることができるようになっている。
【0053】
上記現像スリーブ44の駆動は、プリンタ本体に設置されたスリーブ駆動モータ44cによって行われ、このスリーブ駆動モータ44cがONされると上記ギア列(49a,49b,49c)に順次駆動力が伝わって、ギア49cからフランジ48を介して該現像スリーブに回転駆動力が伝達される。また、本実施形態における現像スリーブ44内部のマグネット60には、N、S、N、S、Sという5つの磁極が上記スリーブ軸の周上に配置されている。これにより、上記現像スリーブ44周方向のある位置では、図3及び図4に示すように、S極が2極並んだ領域Eが形成されている。そして、現像器内部の現像剤を回収する際には、上記マグネット60の磁極配置が現像剤の回収のための回収用磁極配置となるよう、磁極移動手段で該マグネットを上記現像スリーブ44に対して相対移動できるようになっている。
【0054】
上記磁極移動手段としての磁極移動機構は、図4に示すように、ソレノイド61と、上記スリーブ軸におけるフランジ48が取り付けられていない方の端部に軸受けを介して取り付けられた動作レバー62とから構成されている。この動作レバー62は現像器筺体に長手方向中央付近Oで軸支され、また、上記ソレノイド61の軸部61aは、該動作レバーの現像スリーブ取付け側とは反対側の端部に接続されている。更に、上記スリーブ軸には、上記動作レバー62に係合するアームが形成されており、該動作レバーは現像剤の回収時以外は退避している。
【0055】
通常、現像を行っている間は、図3に示すように感光体ドラム10に対向する現像スリーブ44内のマグネット60の磁極配置は、該感光体ドラム対向側に上記領域E以外の部分が位置している。これによって、上記現像スリーブ44上に担持され、上記感光体ドラム10との対向部である現像領域で現像に使用されずに該現像スリーブ表面に残留した現像剤は、該現像スリーブの回転によってマグネット60のS極が2極並んだ領域Eに来ると磁力の反発力と自重によって現像器内に落下する。そして、この領域Eを通り過ぎると、該現像器内の新たな現像剤が上記現像スリーブ44表面に吸着される。
【0056】
現像器内の劣化現像剤の交換時期になると、図4に示すように、現像剤の交換を行うべき現像器42の現像スリーブ44がリボルバ現像装置40の回転によってリボルバ現像装置40の鉛直方向最下部に開口が位置する現像剤回収位置で停止する。これに同期して、磁極移動機構のソレノイド61がONされ、図4の左方向(図6では奥側)に該ソレノイドの軸部61aが引かれると、上記動作レバー62端部が軸支部Oを中心に右回転する。これによって、この動作レバー62が上記スリーブ軸に形成されたアームを右方向(図6では手前側)に押し、該スリーブ軸と共に上記マグネット60が図4中矢印D方向に回転し、回収用磁極配置で停止する。この回収用磁極配置は、マグネット60のS極が2極並んだ領域Eが現像器の開口部に位置するものとなっている。
【0057】
そして、スリーブ駆動モータ44cとギア列(49a,49b,49c)によって上記現像スリーブ44が回転され、現像器内の現像剤が該現像スリーブ上に担持されて該現像器の開口から露出する位置に到達すると、その位置において内部のマグネット60の磁極が同極が2極並んでいるため、磁力の反発力によって該現像スリーブ表面から離間する。そして、重力により下方に落下する。下方には、上記現像剤回収装置として機能する中間転写ベルト用クリーニング装置20の回収容器23があり、落下した現像剤は該回収容器から回収パイプ15を通じて廃トナータンク14に回収される。このようにして、上記現像器42内の劣化した現像剤は自動的に該現像器外に排出し回収される。
【0058】
次に、新しい現像剤の補給について説明する。本参考例では、現像剤の補給のために、現像器内にトナーを補給するためのトナー補給装置を現像剤補給手段としての現像剤補給装置として利用している。
図7は、上記トナー補給装置に用いられるトナーボトル50又は現像剤収容器としての現像剤ボトル70の斜視図、図8は、該トナーボトル又は該現像剤ボトルをボトル保持部46に保持させた状態の斜視図、図9は、トナー又は現像剤の補給時におけるトナー補給装置又は現像剤補給装置の断面図である。
【0059】
図7に示すように、トナーボトル50又は現像剤ボトル70には、それぞれボトル内周面にスパイラル状の移送リブ(51,71)が形成されている。また、これらトナーボトル又は現像剤ボトルの長手方向端部近傍には、トナー吐出口52又は現像剤吐出口72が設けられている。これにより、トナーボトル50又は現像剤ボトル70が周方向に回転すると、そのボトル内部のトナー又は現像剤は上記移送リブ(51,71)に沿って上記トナー吐出口52又は上記現像剤吐出口72側に順次搬送され、該吐出口(52,72)から自重で外部に落下するようになっている。
【0060】
また、上記トナーボトル50又は上記現像剤ボトル70の外周面には、内部に収容されているトナー又は現像剤が、黒BK、シアンC、マゼンタM、イエローYのうちのいずれ用のものが入っているかの表示がされており、ユーザーが見て分かるようになっていると共に、図8に示すように、各色ごとに異なる色検知用ボス(53,73)がボトル外周に形成されている。この色検知用ボス(53,73)は、上記ボトル保持部46内壁に設置された判別手段を構成する検知手段としての色判別センサ46aによって検知される被検知部であり、どの色のトナーボトル50又は現像剤ボトル70が該ボトル保持部にセットされたかが検出出来るようになっている。
【0061】
更に、上記トナーボトル50及び現像剤ボトル70には、トナーと現像剤のいずれが収容されているかの表示がされており、ユーザーが見て分かるようになっていると共に、トナーボトル50と現像剤ボトル70とで異なるボス54がボトル外周に形成されている。このボス54は、図9に示すように、ボトル保持部46内壁に設置された判別手段を構成する検知手段としてのボトル判別センサ46bによって検知され、トナーボトル50と現像剤ボトル70のどちらがセットされたかが検出出来るようになっている。ここで、本実施形態の現像剤ボトル70には、キャリアのみを入れたものを用いている。しかし、現像剤ボトル70としてトナーとキャリアを所定の割合で混合したものを入れて用いても良い。
【0062】
上記構成において、現像が繰り返されトナーが消費されて現像器42内のトナー濃度が低下すると、ユーザーは上記ボトル保持部46に該当する色のトナーボトル50をセットする。そして、上記ボトル駆動モータ47が駆動されると、カップリング47aを介して上記トナーボトル50が周方向に回転し、該トナーボトル内のトナーがトナー吐出口52付近に順次送られて該トナー吐出口から下方に位置する現像器42内に落下し補給される。その後、第1、第2撹拌スクリュー(45a,45b)によってキャリアを含む現像剤と撹拌混合され、互いに逆磁性に摩擦帯電させられた二成分現像剤となって現像スリーブ44に送られる。
【0063】
所定の現像剤交換時間になり、上述した現像剤回収装置によって上記現像器42から現像剤が回収された後、ユーザーが上記ボトル保持部46に該当する色の現像剤ボトル70をセットする。そして、ボトル駆動モータ47の駆動によってカップリング47aを介して現像剤ボトル70は周方向に回転し、内部の現像剤がボトル内壁に形成された移送リブ71に沿って現像剤吐出口72側に順次搬送され、該現像剤吐出口から自重で下方に位置する現像器内に落下し補給される。ここで、現像剤ボトル70の現像剤吐出口72を通過した現像剤が現像器内に補給されるまでの現像剤が通過する経路は、トナー補給時にトナーがトナーボトル50のトナー吐出口52から現像器42内に補給される迄に通過する経路と同じ補給経路を通過するものである。このようにして現像剤が補給された後にトナーが補給されると、第1、第2撹拌スクリュー(45a,45b)によって現像剤はトナーと撹拌混合され、互いに逆磁性に摩擦帯電させられた二成分現像剤となって現像スリーブ44に送られる。
【0064】
このようにして、上記トナー補給装置を現像剤補給装置にも兼用することで、現像剤の交換をサービスマンの手を煩わすことなくユーザー自身で確実に行うことができる。更に、本参考例においては、現像剤の補給経路を新たに設けることなく現像剤の補給ができるので、現像剤補給のための補給経路を新たに設けるのに比してプリンタの大型化を防止できる。
【0065】
以上に説明した現像剤の回収及び補給を行う現像剤交換工程は、本実施形態のプリンタに備えられた図示しない制御手段としての制御部によって制御されている。そこで、次に、この現像剤交換工程を制御する制御部の動作について説明する。
図10及び図11は、上記制御部の動作を示すフローチャートである。本実施形態のプリンタには、各色ごとの現像枚数をカウントする現像剤交換時期検知手段としてのカウンター(不図示)及び該カウンターによってカウントされた現像枚数を記憶するメモリー(不図示)を備えている。
【0066】
まず、上記カウンターは、予め設定された所定現像枚数まで各色ごとに現像枚数をカウントする(S1)。ユーザーの経時使用によって所定現像枚数に達した場合、その色を現像する現像器内のトナーが消費されるのを待ち、該現像器のトナー濃度センサがトナーエンドを検知したら(S2)、現像剤交換時期に達したことを知らせる剤交換表示をトナーエンド表示と一緒に報知手段としての表示部に表示する(S3)。
【0067】
表示部にトナーエンド表示及び剤交換表示が表示されると、トナーボトル50が現像器42のボトル保持部46から抜き出され、新しい現像剤の入った現像剤ボトル70が該ボトル保持部にセットされたか否かを判断する(S4)。現像剤ボトル70がセットされたと判断した場合には、上述した現像剤回収装置及び現像剤補給装置を制御して現像剤交換工程を行う。このように、新しい現像剤の封入された現像剤ボトル70がセットされてから現像器内にある劣化現像剤を回収することで、現像器内に現像剤がない状態で画像形成が行われることを防ぐことができる。
【0068】
この現像剤交換工程では、図11に示すように、まずリボルバ現像装置(40,140)を回転駆動させるステッピングモータによって、交換対象の現像器42が回転移動して図4で示した現像剤回収位置に移動し(S5−1)、上述したように該現像器内にある現像剤を回収容器23から廃トナータンク14に回収する(S5−2)。そして、この現像剤回収工程が終了する予め設定された回収時間が経過するのを待つ(S5−3)。回収時間が経過したら、上記現像器42内の現像剤は全て回収されたものとして現像剤回収工程を終了する。
【0069】
この現像剤回収工程が終了したら、上記現像器42は上記ステッピングモータによって回転移動し(S5−4)、再び図3に示した現像位置に戻り、上述したように現像剤ボトル70内の現像剤を該現像器内に補給する(S5−5)。そして、この現像剤補給工程が終了する予め設定された補給時間が経過するのを待つ(S5−6)。補給時間が経過したら、上記現像剤ボトル70内の現像剤は全て補給されたものとして現像剤補給工程を終了する。
【0070】
この現像剤補給工程が終了すると、現像剤交換工程が完了したことをユーザーに知らせる剤交換完了表示とともに、新しいトナーボトルをセットするように指示する表示を表示部に表示する(S6)。そして、空になった現像剤ボトル70がボトル保持部46から抜き出され、新しいトナーの入ったトナーボトル50が該ボトル保持部にセットされたか否かを判断する(S7)。新しいトナーボトル50がセットされたと判断した場合には、上述したトナー補給装置によってトナー補給が行われる(S8)。そして、補給されたトナーを、第1、第2撹拌スクリュー(45a,45b)によって上述のように交換された現像剤と攪拌し、上記トナー濃度センサの検知結果が所定のトナー濃度であるか否かを判断する(S9)。所定のトナー濃度になっていればトナー補給工程が終了する。これにより、現像剤交換工程及びトナー補給工程が完了し、ユーザーが上記ボトル保持部46から空になったトナーボトル50を抜いて、再度新しいトナーボトルを該ボトル保持部46にセットすることで、画像形成を再開することができる。
【0071】
ところで、上述したS3において剤交換表示及びトナーエンド表示が表示部に表示されたときに、ユーザーが現像剤ボトル70ではなくトナーボトル50をセットした場合には、本実施形態の制御部は、現像剤交換工程を行わずにトナー補給工程のみを行うように制御する(S10〜12)。尚、この場合には、現像剤交換工程が実行されるまでの間、当該プリンタに電源を入れたときにユーザーに現像剤ボトル70をセットするように促す表示を表示部に表示する。また、所定の現像枚数に達してから更に予め設定された現像枚数の画像形成が行われた場合、当該プリンタの動作を停止し、現像剤の交換を行なわないと該プリンタは使用できない旨を表示部に表示する(S13〜15)。そして、ユーザーが現像剤ボトル70をボトル保持部46にセットすれば(S16)、現像剤交換工程(S5)が開始され、該現像剤交換工程が完了したら、画像形成を再開することができる。
【0072】
一方、上述したS3において剤交換表示及びトナーエンド表示が表示部に表示されたときに、ユーザーが現像剤ボトル70もトナーボトル50もセットしなかった場合には、所定枚数まではそのまま画像形成を続ける(S17)。そして、この所定枚数を超えた場合(S18)、当該プリンタの動作を停止し(S19)、現像剤の交換及びトナーの補給を行なわないと該プリンタは使用できない旨を表示部に表示する(S20)。そして、ユーザーが現像剤ボトル70をボトル保持部46にセットすれば(S21)、現像剤交換工程(S5)及びトナー補給工程(S6〜9)が開始され、該トナー補給工程が完了したら、画像形成を再開することができる。
【0073】
以上のように、本実施形態では、上記制御部の制御の下、当該プリンタに設けられた表示部に現像剤の交換時期やユーザーによる作業指示を表示するので、ユーザーが現像剤の交換を忘れることがなくなり、確実に現像剤の交換を行うことができる。また、本実施形態では、プリンタを停止して行われるトナーボトルの交換の際に現像剤の交換も同時に行うので、現像剤の交換のためだけにプリンタの稼動を停止させることがなく、その稼動率を向上させることができる。更に、この場合には、現像器内にはトナーがほとんど残っていないので劣化現像剤の回収を容易に行うことができる。
【0074】
参考例2〕
次に、現像器内の劣化現像剤を回収する現像剤回収装置の他の参考例(以下、本参考例を「参考例2」という。)について説明する。ここで、リボルバ現像装置に設けられている4つの現像器内の劣化現像剤はどれも同様に交換できるので、ここでは黒現像器42BKの劣化現像剤の交換を例に取って説明する。尚、各現像器の区別をするために付されたそれぞれの符号(BK,C,M,Y)の記載は適宜省略する。
【0075】
図12は、本参考例に係る現像剤回収装置と現像剤回収位置に位置するリボルバ現像装置とを示す部分拡大図である。本参考例の現像剤回収装置も、上記参考例1と同様に、上部に開口部が形成された中間転写ベルト用クリーニング装置120と一体に構成されている。尚、本参考例のリボルバ現像装置140は、上記参考例1のものとほぼ同様であるが、本参考例では静電気力を利用して現像剤を排出し回収する点で、磁力により現像剤を排出し回収する上記参考例1とは異なる。このように回収方法に相違があるので、本参考例では、現像スリーブ44のマグネット60は回転せず固定されており、また、N、S、N、Sの4つの磁極がスリーブ軸の周上に配置されたものを使用する。
【0076】
参考例の現像剤回収装置を構成する中間転写ベルト用クリーニング装置120には、回収用バイアスローラ162と、該回収用バイアスローラに回収バイアスを印加するための電源161と、該回収用バイアスローラに吸着した劣化現像剤を掻き落とすためのブレード163とが設けられている。
【0077】
現像器内の劣化現像剤の交換時期になると、図12に示すように、劣化現像剤の交換を行うべき現像器42では、その現像スリーブ44がリボルバ現像装置140の回転によってリボルバ現像装置140の鉛直方向最下部に開口が位置する現像剤回収位置で停止する。このとき、現像スリーブ44の電位はアースに落とされる。一方、現像剤回収装置である中間転写ベルト用クリーニング装置120では、上記回収用バイアスローラ162が現像スリーブ44の連れ回り方向に回転し、上記電源161がONされて該回収用バイアスローラ162に負バイアスが印加される。
【0078】
上記参考例1と同様に、スリーブ駆動モータ44cとギア列(49a,49b,49c)によって現像スリーブ44が回転され、現像器42内の現像剤が現像スリーブ44上に担持され現像器開口から露出する位置に到達すると、その位置においてその現像剤は現像スリーブ44表面から上記回収用バイアスローラ162に吸着する。そして、この回収用バイアスローラ162に吸着した現像剤は、該回収用バイアスローラの回転に伴って搬送され、上記ブレード163によって掻き取られて、重力により下方に落下する。下方には上記中間転写ベルト用クリーニング装置120の回収容器123があり、落下した現像剤は該回収容器から回収オーガ124によって搬送されて最終的に廃トナータンク14に回収される。このようにして、現像器42内の劣化した現像剤を自動的に現像器42外に排出し回収することができる。
【0079】
実施例3〕
次に、現像器内の劣化現像剤を回収する現像剤回収装置の実施例について説明する。ここで、リボルバ現像装置に設けられている4つの現像器内の劣化現像剤はどれも同様に交換できるので、ここでは黒現像器の劣化現像剤の交換を例に取って説明する。尚、各現像器の区別をするために付されたそれぞれの符号(BK,C,M,Y)の記載は適宜省略する。
【0080】
図13は、本実施例に係るリボルバ現像装置240の現像器の現像位置における部分拡大図、図14は、黒現像器の現像剤回収位置における部分拡大図である。尚、本実施例の現像剤回収装置は、専用の現像剤回収容器内に劣化現像剤を排出し回収する点で、中間転写ベルト用クリーニング装置と一体に構成された回収容器(23,123)に劣化現像剤を排出し回収する上述した参考例1及び2のものと異なる。
【0081】
以下、本実施例に係るリボルバ現像装置240の現像剤回収工程について説明するとともに、該リボルバ現像装置の構成及び動作について説明する。
通常の現像動作時においては、トナーが消費されてリボルバ現像装置240の現像器242内のトナー濃度が低下すると、上記参考例1及び2と同様に、ボトル駆動モータ47の駆動によりカップリング47aを介してトナーボトル50が回転し、該トナーボトル内のトナーはトナー吐出口52付近に順次送られて該トナー吐出口から現像器242内に補給される。この補給されたトナーは、第1、第2撹拌スクリュー(45a,45b)によって該現像器内部に収容されていた現像剤と一緒に攪拌される。そして、互いに逆磁性に摩擦帯電させられた二成分現像剤となり、現像スリーブ44に送られる。
【0082】
所定の現像剤交換時間になると、現像器242内の現像剤を交換することになる。ここでは、黒現像器242BKの現像剤の交換を例に挙げて説明する。この黒現像器242BKの現像剤の交換を行う場合、該黒現像器のリボルバ公転方向下流側に隣接して位置するシアン現像器242Cのボトル保持部246Cからトナーボトル50Cを抜き取り、このボトル保持部246Cに黒現像器用の現像剤回収容器260BKをセットする。
【0083】
実施例の現像器242には、現像位置に位置する該現像器における長手方向端部の図14中手前側の底部に、該現像器内部に収容されている現像剤を排出するための現像剤排出口261が設けられている。すなわち、この現像剤排出口261は、上記現像器242における第1、第2撹拌スクリュー(45a,45b)がトナー及び現像剤を搬送する現像剤搬送方向の最下流に位置している。この現像剤排出口261は、現像時には吐出口シャッタ262によって塞がれている。この吐出口シャッタ262には、該吐出口シャッタを開閉させるための吐出口突起部263が形成されている。
【0084】
一方、現像剤回収容器260には、現像位置の1つ手前の位置に位置する現像器すなわち次に現像を行う位置に位置する現像器に装着された際に、その長手方向端部の図14中手前側に位置する部分に上方に開口する現像剤回収口264が設けられている。この現像剤回収口264は、現像剤回収工程時以外のときには回収口シャッタ265によって塞がれている。この回収口シャッタ265には、該シャッタを開閉させるための回収口突起部266が形成されている。
【0085】
現像剤回収容器260BKをシアン現像器242Cのボトル保持部246Cに図14中手前側から差し込むと、該現像剤回収容器に設けられた回収口突起部266BKが、黒現像器242BKに設けられた吐出口突起部263BKの図中右側部に位置するようになる。そして、この現像剤回収容器260BKを左回りに回すと、上記回収口突起部266BKと上記吐出口突起部263BKとが係合して、吐出口シャッタ262BKと回収口シャッタ265BKとが開く。これにより、黒現像器242BKの現像剤吐出口261BKと現像剤回収容器260BKとが連通状態となり、該黒現像器内の劣化現像剤が重力によって該現像剤回収容器内に排出され回収される。
【0086】
このようにして現像剤を回収するとき、上記黒現像器242BKの第1、第2撹拌スクリュー(45a,45b)を現像時とは逆向きに駆動すると、該現像器内の現像剤を現像剤吐出口261BK付近に集めることができるので効率的に回収することができる。また、このとき、上記シアン現像器242Cのボトル駆動モータ47Cを現像時とは逆向きに駆動させると、上記現像剤回収容器260BKの内周面に形成されたスパイラル状の現像剤移送リブにより、現像剤回収口264BK付近に堆積した劣化現像剤をその領域から除去することができ、現像剤の回収の妨げになることを防ぐことができる。このようにして、現像器242内の劣化した現像剤を現像器242外に排出し回収することができる。
【0087】
以上、本実施例では、劣化した現像剤をボトル保持部にセットした現像剤回収容器内に回収し、現像装置内の既存の駆動部材を用いて現像剤を交換するので、現像剤交換のための特別な容器・駆動部材等を必要とせず、部品点数を少なくできるとともに装置の大型化を防ぐことができる。
【0088】
実施例においては、劣化現像剤を回収するための現像剤回収容器260として現像剤回収専用の容器を用いたが、空になった使用済みのトナーボトルや現像剤ボトルを利用することも可能である。この場合、トナーボトル又は現像剤ボトルをボトル保持部246にセットしたときに、該トナーボトル又は該現像剤ボトルに設けられたトナー吐出口又は現像剤吐出口が上記現像剤吐出口261に対向するように、該トナーボトル又は現像剤ボトルを構成する。このような構成とすれば、使用済みの空のトナーボトルや現像剤ボトルを無駄にせず有効に利用することができる。
【0089】
また、本実施例では、黒現像器242BK内の劣化現像剤を回収する際、現像剤回収容器を該黒現像器に隣接するシアン現像器242Cのボトル保持部246Cに装着して該劣化現像剤を回収する構成について説明したが、該現像剤回収容器を該黒現像器のボトル保持部246BKに装着して該劣化現像剤を回収する構成としてもよい。この場合、黒現像器242BKが現像位置と上下逆さまになる位置を現像剤回収位置とし、該黒現像器のトナー補給経路を利用して劣化現像剤を回収することができる。
【0090】
実施例において4色同時に現像剤交換を行う場合、上記で述べた順序ではユーザーの行う操作が多く複雑になるので、以下のような手順で行うとよい。
まず、各現像器242のボトル保持部246からそれぞれトナーボトル250を抜き、それぞれのボトル保持部に現像剤回収容器260をセットする。そして、図14に示す位置において、黒現像器242BK内の現像剤がシアン現像器242Cのボトル保持部246Cにセットされた現像剤回収容器260BKに回収される。予め決められた回収時間が経過すると、この黒現像器242BK内の現像剤を全て回収し終わったものとして、リボルバ現像装置240を回転させる現像装置駆動手段としてのステッピングモータにより該リボルバ現像装置を反時計周りに90°公転させる。これにより、シアン現像器242Cは、図14における黒現像器242BKの位置にくる。そして、上記黒現像器242BKのときと同様に、このシアン現像器242C内の現像剤がマゼンタ現像器242Mのボトル保持部246Mにセットされた現像剤回収容器260Cに回収される。以後、同様にして、マゼンタ現像器242M及びイエロー現像器242Y内の現像剤を回収し、全ての現像器の現像剤回収工程を終了する。
【0091】
次に、ユーザーが新しい現像剤の入った現像剤ボトル270を各現像器242のボトル保持部246にセットする。そして、リボルバ現像装置240を順次公転させ、各現像器242に設けられたボトル駆動モータ47を駆動させて上記現像剤ボトル270内の現像剤をそれぞれの現像器242内に補給する。このようにして現像剤補給工程が終了したら、剤交換完了表示を表示部に表示して現像剤の交換が完了したことをユーザーに知らせる。
【0092】
この表示を見て、ユーザーは各現像器242のボトル保持部246から全ての現像剤ボトル270を抜き出し、各現像器に対応したトナーボトル250をそれぞれのボトル保持部にセットする。そして、上述した現像剤補給工程と同様の方法で、このトナーボトル250内のトナーは各現像器242内に補給され、第1、第2搬送スクリュー(45a,45b)によって先に補給した現像剤と攪拌される。各現像器242内のトナー濃度が所定の値になったら、トナー補給工程が終了し、画像形成を再開することができる。尚、ユーザーが行うボトル交換作業以外は、当該プリンタに設けられた制御部が現像剤交換工程を制御する。
【0093】
以上、本実施形態によれば、通常の現像時にトナーボトルを回転駆動するためのボトル駆動モータ47やカップリング47aを、現像剤交換時に現像剤ボトル70の駆動にも兼用しているので、現像剤交換のための新たな駆動部材を設けるのに比して低コストで省スペース化が実現できる。
【0094】
更に、現像剤の交換のために現像器ユニット又はその一部を装置本体から取り外す必要がなくなるので、取り外しの操作による現像剤の漏出を避けることができ、現像剤交換時における周囲の汚染を防止することができる。その上、取り外し作業にかかる時間を節約できるので、現像剤交換にかかる時間を低減でき、その分プリンタ本体の稼働率をアップする事ができる。
【0095】
尚、本実施形態では、ユーザーがボトル保持部(46,246)に所定の色とは違った色のトナーボトル50や現像剤ボトル70をセットしてしまった場合、該ボトル保持部の内壁に設けている色判別センサ46aが色検知用ボス(53,73)を検知し、プリンタ本体の表示部に表示してユーザーに知らせるようにしている。これによって、ユーザーは各現像器(42,242)に対応した正しい色のトナーボトル又は現像剤ボトルを間違いなくセットできるようになっている。
【0096】
また、現像剤ボトル70とトナーボトル50とを判別するボス54をボトル保持部(46,246)の内壁に設けているボトル判別センサ46bで検知出来るようにもなっており、必要であればプリンタ本体の表示部に表示してユーザーに知らせるようにすることもできる。このようにすることによって、ユーザーは各現像器(42,242)に現像剤を補給しなければならない時に間違ってトナーを補給してしまったり、トナー補給時に間違って現像剤を補給してしまったりすることを防止できる。
【0097】
ところで、プリンタ1を製造工場や販売店等からユーザーのもとに搬送する過程で、プリンタ本体に振動が加わったり、設置場所への設置の際にプリンタが傾いたりすることも十分考えられることである。しかしながら、搬送前や設置前にプリンタの現像装置内に現像剤を投入してあると、搬送中の振動や傾きによって現像剤が漏れ出すおそれがある。本実施形態のプリンタ1は、ユーザー自身でトナーのみでなく現像剤も容易に補給する事ができるので、現像器(42,242)への現像剤及びトナー補給をプリンタの設置後に行うことも可能である。
【0098】
この場合、工場出荷時のプリンタ1は現像器(42,242)内を空の状態にしておく。そして、プリンタ1が所定の使用場所に設置された後、ボトル保持部(46,246)に現像剤ボトル70をセットすると、ボトル駆動モータ47の駆動によって、カップリング47aを介して該現像剤ボトルは周方向に回転し、内部の現像剤がボトル内壁に形成された移送リブ71に沿って現像剤吐出口72側に順次搬送され、現像剤吐出口72から自重で下方に位置する現像器(42,242)内に落下し補給される。
【0099】
次に、同様にしてボトル保持部(46,246)にトナーボトル50をセットすると、ボトル駆動モータ47の駆動によって、カップリング47aを介して該トナーボトルは周方向に回転し、該トナーボトル内のトナーはトナー吐出口52付近に順次送られてトナー吐出口52から下方に位置する現像器(42,242)内に落下し補給される。その後、第1、第2撹拌スクリュー(45a,45b)によって先に補給された現像剤と撹拌混合され、互いに逆磁性に摩擦帯電させられた二成分現像剤となって現像スリーブ44に送られ現像に使用される。
【0100】
このように、プリンタ設置後に、現像器(42,242)に現像剤及びトナーを補給するようにすれば、プリンタの搬送中に振動が加わったり装置が傾いたりしても該現像器から現像剤が漏れ出す心配がなく、周囲の汚染を予防することができる。
【0108】
【発明の効果】
請求項乃至の二成分現像装置によれば、ユーザー自身での現像剤の回収が容易となるので、現像剤の交換を、サービスマンの手を煩わすことなく、ユーザー自身で確実に行うことができるという優れた効果がある。
また、現像剤の回収は、現像剤回収容器を現像器のトナー収容器保持部に装着すれば行うことが可能であるので、現像剤交換のために現像器ユニット、又はその一部を装置本体から取り外す必要がなくなり、取り外しの操作による現像剤の漏出を避けることができ、現像剤交換時における周囲の汚染を防止することができるという優れた効果もある。その上、取り外し作業にかかる時間を節約できるので、現像剤交換にかかる時間を低減でき、その分二成分現像装置本体の稼働率をアップする事ができるという優れた効果がある。
特に、請求項2の二成分現像装置によれば、使用済みの空のトナーボトルや現像剤ボトルを無駄にせず有効に利用することができる。また、専用の現像剤回収容器を必要としないので、低コスト化を図ることも可能となる。
また、請求項3の二成分現像装置によれば、現像剤回収容器内の現像剤を移動することで、現像器の現像剤吐出口から吐き出されて該現像剤回収容器内の一部に堆積した劣化現像剤が回収の妨げとなることを防ぐことができる。また、トナー収容器駆動手段と現像剤収容器の駆動手段を共用するので、新たな駆動手段を設ける必要がなくなり、二成分現像装置の大型化を防ぐことができるという優れた効果がある。
請求項4によれば、現像剤の交換を、サービスマンの手を煩わすことなく、ユーザー自身で確実に行うことができる画像形成装置を提供することができるという優れた効果がある。
請求項5及び6の画像形成装置によれば、ユーザーが現像剤回収容器をトナー収容器保持部に装着すれば後は上記制御手段が自動的に現像剤回収を行ってくれるので、ユーザー自身でも容易に現像剤の回収を行うことが可能となり、サービスマンの手を煩わすことなく、ユーザー自身で確実に行うことができるという優れた効果がある。
特に、請求項6の画像形成装置によれば、全ての現像器内にある劣化した現像剤を一括して回収することので、現像剤の交換を忘れてしまうようなことはなくなり、現像剤の交換を確実に行うことができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図2】 同プリンタにおけるリボルバ現像装置の概略構成図。
【図3】 同リボルバ現像装置における現像器の現像位置における部分拡大図。
【図4】 同現像器及び参考例1に係る現像剤回収装置の説明図。
【図5】 同現像器の平面図。
【図6】 同現像器及び現像剤回収装置の説明図。
【図7】 同現像器のトナー補給装置に用いられるトナーボトル又は現像剤ボトルの斜視図。
【図8】 同トナーボトル又は同現像剤ボトルをボトル保持部に保持させた状態の斜視図。
【図9】 トナー又は現像剤の補給時におけるトナー補給装置又は現像剤補給装置の断面図。
【図10】 現像剤交換工程における同プリンタの制御部の動作を示すフローチャート。
【図11】 同制御部における現像剤交換時の動作を示すフローチャート。
【図12】 同現像器及び参考例2に係る現像剤回収装置の説明図。
【図13】 実施例3におけるリボルバ現像装置の現像器の現像位置における部分拡大図。
【図14】 同現像器及び実施例3に係る現像剤回収装置の説明図。
【符号の説明】
1 プリンタ
5 中間転写ベルト
10 感光体ドラム
20,120 中間転写ベルト用クリーニング装置
23 回収容器
40,140,240 リボルバ現像装置
41 リボルバ回転軸
42,242 現像器
43 トナー補給装置
46,246 ボトル保持部
46a 色判別センサ
46b ボトル判別センサ
47 ボトル駆動モータ
49,149 色検知用ボス
50 トナーボトル
52 トナー吐出口
53 色検知用ボス
54 ボス
61 ソレノイド
62 動作レバー
162 回収用バイアスローラ
163 ブレード
260 現像剤回収容器
261 現像剤排出口
263 排出口突起部
264 現像剤回収口
266 回収口突起部

Claims (6)

  1. 転軸の周りに保持され、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を収容する複数個の現像器と、
    該複数個の現像器のそれぞれに設けられ、該現像器内に補給するためのトナーを収容したトナー収容器を着脱可能なトナー収容器保持部を有するトナー補給手段とを備え、
    該回転軸が現像装置駆動手段によって回転することにより、任意の現像器を現像位置に位置決めして潜像担持体上に形成された潜像を現像する回転型現像装置からなる二成分現像装置において、
    上記トナー収容器保持部に着脱可能な現像剤回収容器と、
    上記各現像器に設けられ、一の現像器に隣接する他の現像器の該トナー収容器保持部に装着された該現像剤回収容器に向けて該一の現像器内の劣化した現像剤を排出する現像剤排出手段とを設け、
    該一の現像器を現像剤回収位置に位置決めして、該現像剤排出手段を用いて該一の現像器内の劣化した現像剤を該他の現像器の該トナー収容器保持部に装着された該現像剤回収容器内に回収することを特徴とする二成分現像装置。
  2. 請求項の二成分現像装置において、
    上記現像剤回収容器として、上記現像剤排出手段に接続可能で、空になった使用済みのトナー収容器又は現像剤収容器を使用することを特徴とする二成分現像装置。
  3. 上記トナー補給手段が、上記トナー収容器保持部に装着されたトナー収容器を駆動するトナー収容器駆動部材よる駆動により、該トナー収容器内のトナーを現像器内に補給する請求項又はの二成分現像装置において、
    上記現像剤回収容器が、所定の駆動部材で駆動することにより、該現像剤回収容器内の現像剤を移動させることができるように構成されており、
    上記所定の駆動部材として、上記トナー収容器駆動部材を使用することを特徴とする二成分現像装置。
  4. 潜像担持体上に形成された潜像を二成分現像剤を用いて現像する現像手段を備えた画像形成装置において、
    上記現像手段が、請求項1、2又の二成分現像装置であることを特徴とする画像形成装置
  5. 請求項4の画像形成装置において
    記一の現像器を上記現像剤回収位置に位置決めするように上記現像装置駆動手段を制御し、かつ、該現像剤回収位置に位置決めされた該一の現像器内の劣化した現像剤を上記他の現像器のトナー収容器保持部に装着された現像剤回収容器内に回収するように上記現像剤排出手段を制御する制御手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項の画像形成装置において、
    上記制御手段が、上記二成分現像装置に設けられた全ての現像器のトナー収容器保持部に上記現像剤回収容器を装着させたとき、該各現像器を上記現像剤回収位置に順次位置決めするように上記現像装置駆動手段を制御することを特徴とする画像形成装置
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