JP4028437B2

JP4028437B2 - プレス機械

Info

Publication number: JP4028437B2
Application number: JP2003166718A
Authority: JP
Inventors: 晶洋吉田
Original assignee: Yamada Dobby Co Ltd
Current assignee: Yamada Dobby Co Ltd
Priority date: 2003-06-11
Filing date: 2003-06-11
Publication date: 2007-12-26
Anticipated expiration: 2023-06-11
Also published as: ITMI20040470A1; CH696686A5; DE102004003580B4; DE102004003580A1; JP2005000949A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械プレス、特に、上下方向運動に変換されたクランク軸の回転運動をスライドに伝達するリンク機構を有するプレス機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、機械プレスの１つとして、フレームに回転可能に支承されたクランク軸の２つの偏心部のそれぞれに揺動可能に連結された１のレバー及び前記スライドに連結された他のレバーであって両レバーが前記クランク軸と平行なピンを介して揺動可能に連結された２つのレバーを有し、また前記フレームに設けられた、前記ピンに取り付けられたスライダのための直線状のガイド溝とを有するものが知られている（例えば特許文献１参照）。
【０００３】
【特許文献１】
特開平８−１１８０８２号公報（段落００１２及び００１３）
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
これによれば、前記クランク軸と前記スライドとに連結された両レバーの節点をなす前記ピンに取り付けられたスライダが、前記クランク軸の回転運動に従って前記ガイド溝を直線的に移動し、これに伴って前記クランク軸の回転運動が前記スライドの上下方向運動に変換される。
【０００５】
しかし、前記ガイド溝を移動する前記スライダには、機械プレスの高速運転に不利な摩擦熱の発生、摩耗による早期交換等を伴うという不利がある。
【０００６】
本発明の目的は、このような機械プレスの高速運転に不利な条件を除去したプレス機械を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フレームと、該フレームに回転可能に支承されたクランク軸であってその軸線からの偏心量が同一でありかつ互いに他の一方に対して反対側へ偏している２つの偏心部を有するクランク軸と、前記クランク軸の下方に配置された、昇降可能のスライドと、水平方向に関して前記クランク軸の両側にあって前記スライドを支持する２組のレバーであって各組のレバーが前記フレームに前記クランク軸の軸線と平行な軸線の周りに揺動可能に支承された第１のレバー及び前記クランク軸と平行な第１のピンを介して前記第１のレバーに連結された第２のレバーからなる２組のレバーと、前記クランク軸の各偏心部の回転運動を前記スライドの昇降運動に変換すべく各第１のピンに対して水平方向力を及ぼすための近似直線機構とを含み、前記近似直線機構は、前記第１のレバーと、前記クランク軸の各偏心部に揺動可能に連結されたコネクションと、該コネクションに前記クランク軸と平行な第２のピンを介して連結された第３のレバーと、前記フレームに前記クランク軸の軸線と平行な軸線の周りに回転可能に支承された第４のレバーとを含み、前記第１のピンは前記第３のレバーを貫通しており、また前記第３のレバーは前記第４のレバーに前記クランク軸と平行な第３のピンを介して連結されており、前記コネクションと前記第３のレバーとは前記クランク軸から前記水平方向に順次配列されている。
【０００９】
【発明の作用および効果】
本発明によれば、スライドを支持する２組のレバーの各節点をなす第１のピンに対して水平方向力を及ぼす手段について、これをリンク機構の１つである近似直線機構としたことから、前記従来におけるガイド溝とスライダとの間に生じるプレス機械の高速化の阻害要因である摩擦熱の発生、部品の早期交換等を極めて少ないものとすることができる。
【００１１】
【発明の実施の形態】
図１を参照すると、本発明に係るリンクプレス型のプレス機が全体に符号１０で示されている。
【００１２】
プレス機１０は、フレーム１２と、クランク軸１４と、該クランク軸の下方に配置された昇降可能のスライド１６と、クランク軸１４の両側にあってスライド１６を支持する２組のレバー１８，２０と、２つの近似直線機構２２とを備える。
【００１３】
図示のフレーム１２は、下部フレーム２３及び上部フレーム２４からなる。下部フレーム２３には、下型及び上型からなるプレス型（図示せず）の前記下型が載置される。下部フレーム２３内に、前記プレス型の上型が取り付けられるスライド１６が上下動可能に配置されている。スライド１６はクランク軸１４の下方に位置する。
【００１４】
クランク軸１４は、上部フレーム２４内に配置されかつ上部フレーム２４に回転可能に支承され、図１でみて紙背方向へ水平に伸びている。クランク軸１４は、これに接続されたモータのような駆動源（図示せず）により回転動力を付与される。
【００１５】
図２に示すように、クランク軸１４には、フレーム１２の外部において、その端部にフライホイール２６が嵌合され、またクランク軸１４の端部にクラッチ２８が取り付けられている。クラッチ２８は、前記駆動源に接続されたフライホイール２６をクランク軸１４の端部に実質的に固定し、またこれを解除する作用をなす。
【００１６】
クランク軸１４は、１の偏心部３０と他の２つの偏心部３２とを有する（図２参照）。１の偏心部３０は、上部フレーム２４内において、クランク軸１４の長手方向に関するほぼ中央部に位置し、また他の両偏心部３２は、クランク軸１４の長手方向に関して１の偏心部３０の両側に位置する。
【００１７】
１の偏心部３０と他の偏心部３２とは、偏心量において同一である。すなわちクランク軸１４における各偏心部の軸線と、これらの偏心部を除く他の部分の軸線との間の距離が同一である。また、１の偏心部３０と他の偏心部３２とは互いに他の一方に対して反対側に偏している。なお、他の偏心部３２については、その数量を２とする図示の例に代えて、１に設定することも可能である。
【００１８】
スライド１６をフレームの上部フレーム２４に支持する各組の１つのレバー（第１のレバー）１８及び該レバーを挟む２つのレバー（第２のレバー）２０は、これらの１端部において、クランク軸１４と平行なピン（第１のピン）３４を介して互いに揺動可能に連結されている。これらのレバー１８，２０は、スライド１６が最下方位置にある状態の図１でみて、上下に一直線状に伸びている。なお、第２のレバー２０については、その数量を２とする図示の例に代えて、１とすることができる。
【００１９】
これらのレバーの内の上方に位置する第１のレバー１８はその他端部（上端部）において、クランク軸１４と平行な軸３６を介して、上部フレーム２４に揺動可能に支承されている。他方、下方に位置する２つの第２のレバー２０の他端部（下端部）は、ピン３８を介して、スライド１６に固定されたプランジャ４０に連結されている。プランジャ４０は、上部フレーム２４の底板に設けられこれを貫通する筒状のメタルベアリング４２を経て上下に伸びている。
【００２０】
これによれば、図４に示すように、第１のレバー１８及び第２のレバー２０の節点をなす第１のピン３４に水平方向力を及ぼし、これを水平方向（右方向）へ移動させるとき、第１及び第２のレバー１８，２０が、それぞれ、ピン３４及び軸３６並びにピン３４及びピン３８の周りに揺動する。その結果、図１及び図４でみて、第１及び第２のレバー１８，２０のなす角度が１８０度からそれ以下の角度に変化し、スライド１６が上昇移動する。
【００２１】
第１のピン３４への水平方向力の付与及びその水平方向移動は、近似直線機構２２を介して行われる。
【００２２】
リンク機構をなす２つの近似直線機構２２は、図示の例では、クランク軸の３つの偏心部３０，３２にそれぞれ揺動可能に連結され水平方向へ互いに反対に伸びる１つ及び２つのコネクション４４を含む。これらの近似直線機構２２は、さらに、クランク軸１４と平行な２つのピン（第２のピン）４６を介して、１つ及び２つのコネクション４４にそれぞれ連結された２組（２つで１組）の第３のレバー４８と、２つの第４のレバー５０とを含む。第１のレバー１８は、近似直線機構２２の一部をなす。
【００２３】
各近似直線機構２２の一部をなす各第３のレバー４８は図１でみて水平方向へ伸びている。
【００２４】
ここで、一方（図１でみて右方側）の第３のレバー４８に着目すると、該第３のレバー４８の長手方向におけるほぼ中央部を第１のピン３４が貫通している。
【００２５】
また、第４のレバー５０は図１でみて上下に伸びており、その一端部（上端部）を、上部フレーム２４に固定されクランク軸１４と平行に伸びる軸５２が貫通している。これにより、第４のレバー５０は、上部フレーム２４にクランク軸１４の軸線と平行な軸線の周りに回転可能に支承されている。
【００２６】
さらに、前記一方の第３のレバー４８は、その中央部よりもさらに右方の端部において、第４のレバー５０の下端部にクランク軸１４と平行な第３のピン５４を介して、揺動可能に連結されている。
【００２７】
図示の例では、第１のピン３４、第２のピン４６及び第３のピン５４が、クランク軸１４とほぼ同じ高さ位置にあって、ほぼ水平な線上に位置している。
【００２８】
各近似直線機構２２により、第１のピン３４を、第１のレバー１８、第３のレバー４８及び第４のレバー５０による拘束の下、所定範囲において水平方向へほぼ直線状に移動させることができ、各近似直線機構２２による第１のピン３４の直線移動はクランクシャフト１４の回転運動に伴って生じる。
【００２９】
第１のピン３４の移動には、これに伴う摩擦熱、摩損等はほとんど発生せず、プレス機械１０の高速運転が可能である。
【００３０】
図示のプレス機械１０は、その高速運転時におけるスライド１６の昇降運動に伴ってこれに生じる慣性力を打ち消し、スライド１６の迅速な移動を確保するための平衡錘５５を備える。
【００３１】
平衡錘５５は、上部フレーム２４内の最上方位置にあって上部フレーム２４の案内作用を受けて上下方向へ移動可能であるように配置されている。
【００３２】
平衡錘５５は、第１のレバー１８の上端部を貫通するピン５６と、平衡錘５５を貫通するピン５８と、両ピン５６，５８に連結された一対のリンク６０とを介して、第１のレバー１８に連結されている。両ピン５６，５８はそれぞれクランク軸１４の軸線と平行な軸線を有する。これによれば、平衡錘５５は、スライド１６の下降に伴って上昇し（図１）、反対にスライド１６の上昇に伴って下降する（図４）。
【００３３】
なお、プレス機械１０は、高速運転を要しない場合についても使用可能である。この場合には、平衡錘５５、該平衡錘を第１のレバー１８に連結するためのピン５６，５８、両リンク６０等の配置を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るプレス機の縦断面図である。
【図２】図１の線２−２に沿って得た横断面図である。
【図３】図１の線３−３に沿って得た縦断面図である。
【図４】近似直線機構の作動状態下にあるプレス機の縦断面図である。
【符号の説明】
１０プレス機
１２フレーム
１４クランク軸
１６スライド
１８，２０第１のレバー及び第２のレバー
２２近似直線機構
３４，４６，５４第１のピン、第２のピン及び第３のピン
４８，５０第３のレバー及び第４のレバー

Claims

フレームと、該フレームに回転可能に支承されたクランク軸であってその軸線からの偏心量が同一でありかつ互いに他の一方に対して反対側へ偏している２つの偏心部を有するクランク軸と、前記クランク軸の下方に配置された、昇降可能のスライドと、水平方向に関して前記クランク軸の両側にあって前記スライドを支持する２組のレバーであって各組のレバーが前記フレームに前記クランク軸の軸線と平行な軸線の周りに揺動可能に支承された第１のレバー及び前記クランク軸と平行な第１のピンを介して前記第１のレバーに連結された第２のレバーからなる２組のレバーと、前記クランク軸の各偏心部の回転運動を前記スライドの昇降運動に変換すべく各第１のピンに対して水平方向力を及ぼすための近似直線機構とを含み、前記近似直線機構は、前記第１のレバーと、前記クランク軸の各偏心部に揺動可能に連結されたコネクションと、該コネクションに前記クランク軸と平行な第２のピンを介して連結された第３のレバーと、前記フレームに前記クランク軸の軸線と平行な軸線の周りに回転可能に支承された第４のレバーとを含み、前記第１のピンは前記第３のレバーを貫通しており、また前記第３のレバーは前記第４のレバーに前記クランク軸と平行な第３のピンを介して連結されており、前記コネクションと前記第３のレバーとは前記クランク軸から前記水平方向に順次配列されている、プレス機械。