JP3866529B2 - クランクプレスの駆動装置 - Google Patents

クランクプレスの駆動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3866529B2
JP3866529B2 JP2001162155A JP2001162155A JP3866529B2 JP 3866529 B2 JP3866529 B2 JP 3866529B2 JP 2001162155 A JP2001162155 A JP 2001162155A JP 2001162155 A JP2001162155 A JP 2001162155A JP 3866529 B2 JP3866529 B2 JP 3866529B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slide
link
crank
swing
swinging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001162155A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002346798A (ja
Inventor
治男 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Seiki Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Asahi Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Seiki Manufacturing Co Ltd filed Critical Asahi Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2001162155A priority Critical patent/JP3866529B2/ja
Publication of JP2002346798A publication Critical patent/JP2002346798A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3866529B2 publication Critical patent/JP3866529B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B15/00Details of, or accessories for, presses; Auxiliary measures in connection with pressing
    • B30B15/0064Counterbalancing means for movable press elements

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランク軸の回転運動によりコンロッドを上下運動させるクランク機構と、このクランク機構の上下運動を梃子作用によりスライドに伝達するリンク機構とで、スライドに設けられた上型を上下往復移動させるクランクプレスの駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この発明に係る従来の技術としては、例えば、クランク軸の回転運動をスライドに伝達する動力伝達装置と、スライドの運動に起因する不平衡な慣性力を平衡させる平衡装置とを備えたプレス機に係る特開平7−132400号公報(以下、従来技術公報という)に開示された発明が知られている。 なお、この従来技術の以下の説明においては、その公報に記載された符号を用いるために、本願発明の符号と一部重複するが、この従来技術の符号は本欄および「発明が解決しようとする課題」の欄のみに限定して適用するものである。
【0003】
この従来技術公報に開示された発明のプレス機10に備える動力伝達装置30は、図7に示すように、長手方向中央部が枢軸58,58によりフレーム14に枢支されその枢軸58,58を中心に揺動可能な第1リンク38a,38aと、上端部が第1リンク38a,38aの一端部(枢軸54,54)に枢結され下端部がロッド22を介してスライド20に連結された第2リンク38b,38bとを備え、クランク軸16の回転により往復移動する連結片(コンロッド)32と、一端が定位置に枢支された第4リンク36b,36bの揺動端を枢軸46,46で中央部に枢結して揺動支点とする一端が連結片32に枢結された第3リンク36a,36aと、一端が第3リンク36a,36aの他端に枢結され他端が第1リンク38a,38aおよび第2リンク38b,38bの枢結部に枢軸54,54で枢結された連結体62,62とからなり、クランク軸16の回転により第1リンク38a,38aと第2リンク38b,38bとを屈伸運動させてスライド20を上下往復運動させるようにしたものである。
【0004】
また、他方の平衡装置84は、フレーム14に上下方向へ往復移動可能に支持された平衡重り86と、下端部が第1リンク38a,38aの他端部(枢軸94,94)に枢結され上端部が平衡重り86に枢結された連結リンク90,90とを備え、動力伝達装置30の第1リンク38a,38aと第2リンク38b,38bとが屈伸運動することにより、連結リンク90,90を介して平衡重り86を上下往復運動させる。 そして、平衡重り86が水平方向へ往復移動することを防止することで、平衡重り86の往復移動に起因する水平方向へのプレス機10の振動を防止するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
プレス機械の高速化を図るには、スライドの上下運動に起因する不平衡な慣性力を平衡させるとともに、クランク軸の回転運動により往復運動や揺動運動をする可動部の総質量を小さくすることが要求される。 しかしながら、上記従来技術公報の発明は、可動部の総質量が大きくなる構成である。 すなわち、第1リンク38a,38aの枢軸58,58を梃子作用の支点として、スライド20および動力伝達装置30の質量により一端部(枢軸54,54)に作用する慣性力のモーメントと、クランク軸16とスライド20との間の動力伝達系の外側に配設した平衡重り86の質量により他端部(枢軸94,94)に作用する慣性力のモーメントとを釣り合うようにし、スライド20の上下運動に起因する不平衡な慣性力を平衡させる構成である。 つまり、枢軸54,54に作用する力は、スライド20の質量による慣性力と動力伝達装置30の質量による慣性力とが同一方向に働くため加算して作用する構成となっている。
【0006】
したがって、枢軸58,58を支点とするモーメントを考えた場合に、動力伝達装置30の質量による慣性力とスライド20の質量による慣性力とは相殺できないばかりか合算されるために、平衡重り86の質量は、スライド20および動力伝達装置30の慣性力に対応させるために余分な質量を必要とする。 その結果、可動部の総質量が大きくなるのでプレス機械の高速化が制約される問題があった。
【0007】
また、平衡重り86の配設位置がクランク軸16とスライド20との間の動力伝達系の外側(動力伝達装置30の上部)に位置すること、多数のリンクを必要とすること、屈伸運動する多数のリンクの分力による水平方向の振動を吸収するために平衡重り86やスライド20のロッド22を確実に支持しなければならないことなどの要因により、プレス機械の構成が複雑で大型になり、その製造原価が高価になるという問題もあった。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、クランク機構により駆動するプレス機械において、平衡重り(バランスウエイト)の配設位置が動力伝達系の外側に位置することに起因して、プレス機械の高速化が制約される問題、プレス機械の構成が複雑で大型になり、その製造原価が高価になるという問題などを解決しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に係る発明は、クランク軸の回転運動によりコンロッドを上下運動させるクランク機構と、このクランク機構上下運動を梃子作用によりスライドに伝達するリンク機構とで、スライドに設けられた上型を上下往復移動させるクランクプレスの駆動装置であって、前記リンク機構は前記クランク機構の上下移動軸線を挟む対称位置に一対で構成され各リンク機構には、フレームに支持された揺動基軸と、この揺動基軸に枢支されて振子運動可能な揺動リンクと、この揺動リンクの揺動端部に支持された揺動枢軸と、この揺動枢軸に枢結されて天秤状に揺動可能な一方のクランク側端部が前記クランク機構のコンロッドに枢結され他方のスライド側端部がスライド上部に支承のスライド駆動リンクに枢結された梃子リンクとを各々備え、一対の梃子リンクの各揺動枢軸の枢結部を梃子作用の支点として、各クランク側端部に作用する質量による慣性力のモーメントと、各スライド側端部に作用する質量による慣性力のモーメントとが釣り合うようにしたものである。
【0010】
この請求項1の発明によれば、天秤状に揺動可能な一対の梃子リンクを設け、各梃子リンクのクランク側端部をクランク機構のコンロッドに枢結し、スライド側端部をスライド上部に枢結するようにしたので、クランク側端部に作用するクランク機構の質量による慣性力のモーメントと、その逆方向でスライド側端部に作用するスライドおよび上型の質量による慣性力のモーメントとの各値を等しくすることにより、相互の慣性力のモーメントは、クランク側端部とスライド側端部との中間の枢結部を梃子作用の支点として釣り合い、スライドの上下運動に起因する不平衡な慣性力を平衡させることができる。
【0011】
そして、各梃子リンクのクランク側端部とスライド側端部とに作用する相互の慣性力のモーメントは、クランク軸とスライドとの間の動力伝達系内で相殺されるので、可動部の総質量を増大させることなく平衡させることができる。 したがって、クランク軸にかかる慣性負荷は小さいので、プレス機械の高速化を容易に図ることができる。 また、少数のリンクで構成し、屈伸運動するリンクによる水平方向の振動がないので、プレス機械の簡素化と小型化を図ることができる。
【0012】
次の請求項2に係る発明の前記クランク機構は、前記リンク機構の各梃子リンクのクランク側端部に作用する質量による慣性力のモーメントが、前記各梃子リンクのスライド側端部に作用する質量による慣性力のモーメントに対応して加減調整可能な構成であって、前記クランク機構のコンロッドにはバランスウエイトを着脱可能に設け、このバランスウエイトの質量を加減調整することにより、前記各梃子リンクの枢結部を梃子作用の支点として、各クランク側端部に作用する前記クランク機構およびバランスウエイトの質量による慣性力のモーメントと、各スライド側端部に作用するスライドおよび上型の質量による慣性力のモーメントとが釣り合うようにしたものである。
【0013】
この請求項2の発明によれば、クランク機構のコンロッドにはバランスウエイトを着脱可能に設けるようにしたので、上型の交換によりその質量が変化しても、このバランスウエイトの質量を加減調整し、クランク機構およびバランスウエイトの質量による慣性力のモーメントと、その逆方向に作用するスライドおよび上型の質量による慣性力のモーメントとの各値を等しくすることにより、相互の慣性力のモーメントは釣り合い、スライドの上下運動に起因する不平衡な慣性力を平衡させることができる。
【0014】
そして、このバランスウエイトは、クランク軸とスライドとの間の動力伝達系の内側に配設したので、その質量を小さくすることができ、可動部の総質量を最小限に留めて平衡させることができる。 したがって、請求項1に係る発明と同様に、プレス機械の高速化、プレス機械の簡素化と小型化を図ることができる。
【0015】
次の請求項3に係る発明の前記リンク機構はスライドの下死点位置を調整可能な構成であって、前記各揺動基軸は、フレームに支承されて回動可能な支承軸部と、この支承軸部に対して偏心した軸心で前記各揺動リンクの端部を枢支する偏心軸部とが一体的に各々形設され、前記各揺動基軸の各支承軸部を同期回動させる揺動基軸回動手段を設けて、この揺動基軸回動手段により前記各揺動基軸を所定角度だけ回動させることで前記各偏心軸部を上下移動させて、前記各揺動リンクが振子運動する揺動中心の上下位置を調整するようにしたものである。
【0016】
この請求項3の発明によれば、各揺動基軸は、フレームに支承されて回動可能な支承軸部と、各揺動リンクの端部を枢支する偏心軸部とを各々一体的に形設し、各揺動基軸の各支承軸部を同期回動させる揺動基軸回動手段を設けたので、請求項1または2の発明に係るプレス機械において、この揺動基軸回動手段により各揺動基軸を所定角度だけ回動させて、各揺動リンクの揺動中心を上下方向に調整することができる。 すなわち、金型の構成に対応してスライドに設けられた上型の下死点位置を容易に調整できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のクランクプレスの駆動装置に係る実施の形態について、図1〜図5を参照して以下のとおり説明する。 図1は駆動装置を構成するクランク機構およびリンク機構を示す図2のA−A矢視縦断面図、図2は同じく図1のB−B矢視縦断面図、図3は揺動基軸回動手段を示す図1のC−C矢視断面図、図4はリンク機構の主要部を示す図1のD−D矢視断面図、図5はスライドとの連結部を示す図1のE−E矢視断面図である。
【0018】
クランクプレスの駆動装置は、図1,図2に示すクランク軸11の回転運動によりコンロッド(本例では揺動コンロッド12と直進コンロッド13とで構成)を上下運動させるクランク機構10と、このクランク機構10による上下運動を梃子作用によりスライド4を上下運動させるリンク機構20と、スライド4の下死点位置を調整可能な揺動基軸回動手段30とで構成し、スライド4に設けられた図示しない上型を上下往復移動させる。 この上型が上下往復移動することで、ボルスタ5に設けられた図示しない下型とによりプレス加工をする。
【0019】
まず、コンロッドを上下運動させるクランク機構10は、回転可能なクランク軸11と、上下運動可能なコンロッド(揺動コンロッド12および上下移動可能な直進コンロッド13)と、バランスウエイト15,15とで構成されている。
クランク軸11は、両側の回転基軸部11a,11bに対して偏心した軸心の偏心軸部11cが中央部に一体的に形設され、両側の回転基軸部11a,11bはフレーム1に設けた軸受により回転可能に支承されている。 揺動コンロッド12は、その上端部がクランク軸11の偏心軸部11cに支承され、その偏心軸部11cの偏心回転運動により上下運動する。
【0020】
直進コンロッド13は、図2に示す上端部にU字状溝13aが形成され、そのU字状溝13aには連結軸14が止着されて、その連結軸14により揺動コンロッド12の下端部が揺動可能に枢結されている。 この直進コンロッド13の中胴部は、フレーム1に設けた摺動案内に沿って上下移動可能に挿通され、下端部には図1,図2,図5に示すバランスウエイト15,15が取換可能に締着されている。 また、直進コンロッド13の中胴部と下端部との中間部には、後述する連結枢軸16が枢支されている。
【0021】
このように構成されたクランク機構10は、モータ2の回転駆動によりプーリ3を介してクランク軸11が回転されると、その偏心軸部11cの偏心回転運動により揺動コンロッド12が、連結軸14を中心にして揺動しながら上下運動する。 この揺動コンロッド12の上下運動により、直進コンロッド13は、クランク軸11の回転基軸部11a,11bと偏心軸部11cとの偏心量により上下往復移動する。
【0022】
次いで、スライド4を上下運動させるリンク機構20は、図1,図3,図4に示すように、一対の揺動基軸21A,21Bと、振子運動可能な2個ずつで一対の揺動リンク22A,22Aおよび22B,22Bと、一対の揺動枢軸23A,23Bと、天秤状に揺動可能な2個ずつで一対の梃子リンク24A,24Aおよび24B,24Bとで構成されている。
【0023】
一対の揺動基軸21A,21Bは、図1に示す直進コンロッド13の上下移動軸線を挟む対称位置で同一形状に設けられている。 図3に示す揺動基軸21Aには、同一軸心の回動基軸部21a,21b,21eに対して各々同一位相で同一偏心量の偏心軸部21c,21dが、回動基軸部21a,21b,21eの各中間位置に一体的に形設され、揺動基軸21Aの回動基軸部21a,21b,21eは、フレーム1に設けた軸受により回動可能に支承されている。 また、揺動基軸21Bも揺動基軸21Aと同様に設けられており、各々の偏心軸部はすべて同一位相の関係にある。
【0024】
図3,図4に示す一方の揺動リンク22A,22Aは、揺動基軸21Aの偏心軸部21c,21dにより各上端部が枢支され、他方の揺動リンク22B,22Bの各上端部も、同様の構成で揺動基軸21Bの偏心軸部に枢支されている。
一対の揺動枢軸23A,23Bは、揺動枢軸23Aで一方の揺動リンク22A,22Aの各揺動端部(下端部)を、また、揺動枢軸23Bで他方の揺動リンク22B,22Bの各揺動端部を各々連結するようにして止着されている。
【0025】
一対の梃子リンク24A,24Aおよび24B,24Bは、各々天秤棒状に形成されている。 一方の梃子リンク24A,24Aは、天秤棒状の各中央部が揺動枢軸23Aにより一方の揺動リンク22A,22Aと枢結されて、揺動枢軸23Aを中心にして天秤状に揺動する。 また、他方の梃子リンク24B,24Bも、同様に揺動枢軸23Bにより他方の揺動リンク22B,22Bと枢結されて、揺動枢軸23Bを中心にして天秤状に揺動する。
【0026】
それぞれ一対の梃子リンク24A,24Aおよび24B,24Bの各クランク側端部と、直進コンロッド13の中間部とは、連結枢軸16により枢結されている。 また、それぞれ一対の梃子リンク24A,24Aおよび24B,24Bは、連結枢軸25Aで一方の梃子リンク24A,24Aの各スライド側端部を、また、連結枢軸25Bで他方の梃子リンク24B,24Bの各スライド側端部を各々連結するようにして止着されている。
【0027】
このように構成されたリンク機構20は、クランク機構10の直進コンロッド13が上下移動すると、一対の揺動枢軸23A,23Bの中心位置が、連結枢軸16を中心とする円弧軌跡上を移動し、一方の揺動リンク22A,22Aは揺動基軸21Aを中心として、また、他方の揺動リンク22B,22Bは揺動基軸21Bを中心として各々揺動する。
【0028】
これらの揺動と並行して、連結枢軸16の上下移動により、一対の梃子リンク24A,24Aおよび24B,24Bは、一方の梃子リンク24A,24Aが揺動枢軸23Aを揺動中心として、また、他方の梃子リンク24B,24Bが揺動枢軸23Bを揺動中心として各々天秤状に揺動し、一対の連結枢軸25A,25Bを連結枢軸16の上下移動方向とは逆方向に上下移動させる。
【0029】
次いで、リンク機構20の下方には、スライド4を駆動する一対のスライド駆動リンク41A,41Bと、一対の駆動ロッド44A,44Bとが設けられている。 一対のスライド駆動リンク41A,41Bは、図1に示す各々の上端部が一対の連結枢軸25A,25Bに枢結され、各々の下端部は二股状に形成されている(図5参照)。
【0030】
一対の駆動ロッド44A,44Bは、図1に示す各々の上端が一対の連結軸42A,42Bにより、図5に示す一対のスライド駆動リンク41A,41Bの二股状下端部の間で連結され、各々の下端部は、スライド4の上端面に締着されている。 これら駆動ロッド44A,44Bの中胴部は、フレーム1に設けた摺動案内に沿って上下移動可能に各々挿通されている。 また、一対の連結軸42A,42Bは、図5に示すタイロッド43,43が各々の軸端部に止着され、連結軸42Aと連結軸42Bとの軸間距離が一定に拘持されている。
【0031】
そして、リンク機構20の一対の連結枢軸25A,25Bが上下移動すると、一対のスライド駆動リンク41A,41Bと、一対の連結軸42A,42Bと、一対の駆動ロッド44A,44Bとを介して、スライド4は、スライド案内6,6に案内されて上下移動する。 また、一対の連結軸42A,42Bは、タイロッド43,43により拘持されているので、図1に示す左右のリンク機構に微量の差異があっても、左右方向への振動は防止できる。
【0032】
次いで、スライド4の下死点位置を調整可能な揺動基軸回動手段30は、図1,図3に示すように、一対の揺動基軸21A,21Bのそれぞれに対応するように設けたウォームホイール31A,31Bと、ウォーム軸32と、ハンドル車33とで構成されている。 一対のウォームホイール31A,31Bは外周に各々同一の歯形が刻設され、ウォームホイール31Aが図3に示す揺動基軸21Aの回動基軸部21aにキー着され、また、ウォームホイール31Bが同様にして揺動基軸21Bにキー着されている。
【0033】
ウォーム軸32は、一対のウォームホイール31A,31Bの軸心と直交する軸心上でフレーム1に支承され、一対のウォームホイール31A,31Bの各上方部と噛合可能な位置に、ウォーム歯形が刻設されたウォーム部32a,32bが一体的に形設され、一端部には、このウォーム軸32を回動させるハンドル車33が止着されている。
【0034】
このように構成された揺動基軸回動手段30は、ハンドル車33の回動操作によりウォーム軸32を回動させると、ウォーム部32a,32bと噛合する一対のウォームホイール31A,31Bが、一対の揺動基軸21A,21Bとともに同じ回動角度だけ各々回動される。 この回動により揺動基軸21Aの偏心軸部21c,21dは、回動基軸部21a,21b,21eに対して偏心しているので上または下方向へ移動する。 同様にして、揺動基軸21Bも同時に同一量だけ上または下方向へ移動する。
【0035】
これら一対の揺動基軸21A,21Bの上または下方向への移動により、それぞれ一対の揺動リンク22A,22Aおよび22B,22Bとともに、一対の揺動枢軸23A,23Bが上または下方向へ各々移動するので、それぞれ一対の梃子リンク24A,24Aおよび24B,24Bは、連結枢軸16を揺動中心にして上または下方向へ各々揺動し、一対の連結枢軸25A,25Bを上または下方向へ移動させる。
【0036】
一対の連結枢軸25A,25Bが上または下方向へ移動すると、一対のスライド駆動リンク41A,41B、一対の駆動ロッド44A,44Bを介して、スライド4を上または下方向へ移動させることができる。 すなわち、ハンドル車33の回動操作によりスライド4の下死点位置を上または下方向へ位置調整することができる。
【0037】
引き続いて、スライド4の上下運動に起因する不平衡な慣性力を平衡させる作用について、図6を参照して以下のとおり説明する。 図6は、クランク機構10とリンク機構20との作動関係を示す図1の拡大図であって、左半部はスライド4の下死点位置を示し、右半部は上死点位置を示す。
【0038】
図6の右半部に示すスライド4の上死点位置から、クランク軸11を左半部に示すように180度回転させると、その偏心軸部11cの回転により揺動コンロッド12、連結軸14、直進コンロッド13を介して連結枢軸16が、下端位置から上端位置に移動する。 このとき、梃子リンク24Aは、揺動枢軸23Aを揺動支点として反時計方向に揺動し、連結枢軸25Aには、連結枢軸16に作用する質量による慣性力の作用方向とは上下逆の方向へ質量による慣性力が作用する。 このとき、連結枢軸25Bにも、連結枢軸16に作用する質量による慣性力の作用方向とは上下逆の方向へ質量による慣性力が作用する。
【0039】
また、図6の左半部に示すスライド4の下死点位置から、クランク軸11を右半部に示すように180度回転させると、連結枢軸16が上端位置から下端位置に移動し、梃子リンク24Bは、揺動枢軸23Bを揺動支点として反時計方向に揺動し、連結枢軸25Bには、連結枢軸16に作用する質量による慣性力の作用方向とは上下逆の方向へ質量による慣性力が作用する。 このとき、連結枢軸25Aにも、連結枢軸16に作用する質量による慣性力の作用方向とは上下逆の方向へ質量による慣性力が作用する。
【0040】
したがって、連結枢軸16に作用するクランク機構10の質量による慣性力のモーメントと、連結枢軸25A,25Bに作用するスライド4および図示しない上型の質量による慣性力のモーメントとを釣り合うようにすることにより、スライド4の上下運動に起因する不平衡な慣性力を平衡させることができる。 相互の慣性力のモーメントが釣り合うように調整するには、バランスウエイト15の質量を加減することにより調整できる。
【0041】
なお、本発明に係るクランクプレスの駆動装置は、上述した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてさまざまな形態に構成することができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、上述のとおりであるので、以下に記載するような効果を奏する。
【0043】
請求項1の発明によれば、天秤状に揺動可能な一対の梃子リンクを設け、各梃子リンクのクランク側端部とスライド側端部とに作用する相互の質量による慣性力のモーメントを釣り合うようにしたので、相互の質量による慣性力のモーメントは、クランク軸とスライドとの間の動力伝達系内で相殺され、可動部の総質量を増大させることなく平衡させることができる。 したがって、クランク軸にかかる慣性負荷は小さいので、プレス機械の高速化により生産性の向上を図ることができる。 また、少数のリンクで構成し、屈伸運動するリンクによる水平方向の振動がないので、プレス機械の簡素化と小型化によりその製造原価の低減を図ることができる。
【0044】
次の請求項2の発明によれば、クランク機構のコンロッドにはバランスウエイトを取換可能に設け、上型の交換によりその質量が変化しても、このバランスウエイトの質量を加減調整することで、各梃子リンクのクランク側端部とスライド側端部とに作用する相互の質量による慣性力のモーメントを釣り合うようにしたので、各種金型に対応したプレス機械の高速運転が容易にできる。 また、金型の交換による段取り替えが迅速にできるので、その作業能率を向上させることができる。
【0045】
次の請求項3の発明によれば、各揺動基軸は、フレームに支承されて回動可能な支承軸部と、各揺動リンクの端部を枢支する偏心軸部とを各々一体的に形設し、各揺動基軸の各支承軸部を同期回動させる揺動基軸回動手段を設け、各揺動リンクの揺動中心を上下方向に調整することで、スライドに設けられた上型の下死点位置を調整でするようにしたので、金型の構成に対応したプレス機械の高速運転が容易にできる。 また、下死点位置調整が迅速にできるので、その作業能率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクランクプレスの駆動装置を構成するクランク機構およびリンク機構を示す説明図であって、図2のA−A矢視で縦断面した正面図である。
【図2】同じく、図1のB−B矢視で縦断面した側面図である。
【図3】同じく、揺動基軸回動手段を示す説明図であって、図1のC−C矢視断面図である。
【図4】同じく、リンク機構の主要部を示す説明図であって、図1のD−D矢視断面図である。
【図5】同じく、スライドとの連結部を示す説明図であって、図1のE−E矢視断面図である。
【図6】同じく、クランク機構とリンク機構との作動関係を示す説明図であって、図1の拡大図である。
【図7】従来の技術に係るプレス機の説明図であって、その縦断面図である。
【符号の説明】
4 スライド
10 クランク機構
11 クランク軸
12 揺動コンロッド
13 直進コンロッド
14 連結軸
15 バランスウエイト
16 連結枢軸
20 リンク機構
21A,21B 揺動基軸
22A,22B 揺動リンク
23A,23B 揺動枢軸
24A,24B 梃子リンク
25A,25B 連結枢軸
30 揺動基軸回動手段
31A,31B ウォームホイール
32 ウォーム軸

Claims (3)

  1. クランク軸の回転運動によりコンロッドを上下運動させるクランク機構と、このクランク機構上下運動を梃子作用によりスライドに伝達するリンク機構とで、スライドに設けられた上型を上下往復移動させるクランクプレスの駆動装置であって、前記リンク機構は前記クランク機構の上下移動軸線を挟む対称位置に一対で構成され各リンク機構には、フレームに支持された揺動基軸と、この揺動基軸に枢支されて振子運動可能な揺動リンクと、この揺動リンクの揺動端部に支持された揺動枢軸と、この揺動枢軸に枢結されて天秤状に揺動可能な一方のクランク側端部が前記クランク機構のコンロッドに枢結され他方のスライド側端部がスライド上部に支承のスライド駆動リンクに枢結された梃子リンクとを各々備え、一対の梃子リンクの各揺動枢軸の枢結部を梃子作用の支点として、各クランク側端部に作用する質量による慣性力のモーメントと、各スライド側端部に作用する質量による慣性力のモーメントとが釣り合うようにしたことを特徴とするクランクプレスの駆動装置。
  2. 前記クランク機構は、前記リンク機構の各梃子リンクのクランク側端部に作用する質量による慣性力のモーメントが、前記各梃子リンクのスライド側端部に作用する質量による慣性力のモーメントに対応して加減調整可能な構成であって、
    前記クランク機構のコンロッドにはバランスウエイトを着脱可能に設け、このバランスウエイトの質量を加減調整することにより、前記各梃子リンクの枢結部を梃子作用の支点として、各クランク側端部に作用する前記クランク機構およびバランスウエイトの質量による慣性力のモーメントと、各スライド側端部に作用するスライドおよび上型の質量による慣性力のモーメントとが釣り合うようにした請求項1に記載のクランクプレスの駆動装置。
  3. 前記リンク機構はスライドの下死点位置を調整可能な構成であって、
    前記各揺動基軸は、フレームに支承されて回動可能な支承軸部と、この支承軸部に対して偏心した軸心で前記各揺動リンクの端部を枢支する偏心軸部とが一体的に各々形設され、前記各揺動基軸の各支承軸部を同期回動させる揺動基軸回動手段を設けて、この揺動基軸回動手段により前記各揺動基軸を所定角度だけ回動させることで前記各偏心軸部を上下移動させて、前記各揺動リンクが振子運動する揺動中心の上下位置を調整するようにした請求項1または2に記載のクランクプレスの駆動装置。
JP2001162155A 2001-05-30 2001-05-30 クランクプレスの駆動装置 Expired - Fee Related JP3866529B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001162155A JP3866529B2 (ja) 2001-05-30 2001-05-30 クランクプレスの駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001162155A JP3866529B2 (ja) 2001-05-30 2001-05-30 クランクプレスの駆動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002346798A JP2002346798A (ja) 2002-12-04
JP3866529B2 true JP3866529B2 (ja) 2007-01-10

Family

ID=19005324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001162155A Expired - Fee Related JP3866529B2 (ja) 2001-05-30 2001-05-30 クランクプレスの駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3866529B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108568764A (zh) * 2018-07-06 2018-09-25 莱芜环球汽车零部件有限公司 一种曲轴分度划线工装
CN110409062A (zh) * 2019-07-17 2019-11-05 王永祥 一种杠杆水平对置平衡式超高速针刺机
CN116619806B (zh) * 2023-05-19 2024-01-26 广东泰基山科技有限公司 一种无水平滑块的压力机

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002346798A (ja) 2002-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3545853B2 (ja) 機械式プレス装置
US5467706A (en) Mechanical pressing machine with dynamic balancing device
JP3701005B2 (ja) プレス機械のスライド駆動装置
JP3866529B2 (ja) クランクプレスの駆動装置
JP3773399B2 (ja) プレス機械
JP5412185B2 (ja) プレス機
JP2003048099A (ja) プレス機
JP3667227B2 (ja) プレス機
JP3826994B2 (ja) プレス機械
JP2649318B2 (ja) プレス機
JPH10109194A (ja) リンクを用いた機械プレスのスライド駆動装置
US5605096A (en) Mechanical pressing machine with dynamic balancing device
JP4291896B2 (ja) プレス機
JP4274629B2 (ja) プレス機
JP2002144094A (ja) プレス機
JP3838893B2 (ja) プレス機械のダイナミックバランサ装置
JP2000141091A (ja) 複動機械式プレス
JP4233683B2 (ja) 機械式プレス装置
JPH10109192A (ja) リンクを用いた機械プレスのスライド駆動装置
JP3910289B2 (ja) プレス機械
EP1127684A2 (en) Slide driving apparatus of press machine
JPH08118082A (ja) プレス機械
JP2002144088A (ja) プレス機械のスライド駆動装置
JP2003053598A (ja) プレス機械
KR20160004113U (ko) 성형기의 균형추 균형 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040311

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20041007

RD12 Notification of acceptance of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7432

Effective date: 20041013

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060808

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061003

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061005

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees