JP4028398B2 - 電線供給棚 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の電線が組配線されたワイヤハーネス(自動車用組電線)の製造工程において用いられ、同一種類の電線を分別収納する電線供給棚に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤハーネスは、複数の電線をテープ巻きなどにより束ね組配線したものであり、幹線部と、幹線部から折り返された支線部とからなっている。このワイヤハーネスには、必要に応じてプロテクタやグロメットなどの外装部品が取り付けられ、またジャンクションボックス等の電気接続箱が接続される。ワイヤハーネスの端末部には、端子が接続されており、複数の端子をコネクタハウジングに収容し、コネクタ接続を行うことで車両搭載部品間の信号の授受などが行われるようになっている。
【0003】
このようなワイヤハーネスの製造工程は、複数の工程からなっており、一般的には、前工程、サブアッセンブリ工程、配索工程、外装品取付工程、検査工程から構成されている。
【0004】
これらの各工程について以下に簡単に説明する。
前工程は、両端に端子を有しない電線を切断し、絶縁被覆を皮剥ぎし、続いて電線の芯線部に端子を圧着接続し、端子付き電線を製作する工程である。端子付き電線には、電線の長さ及び太さ、端子の大きさ・形状などが異なる多くの種類がある。端子付き電線は、サブアッセンブリ工程でのサブハーネスの作製に供される。
【0005】
サブアッセンブリ工程は、種々の電線をコネクタ単位で組合せ、端子をコネクタハウジングの端子収容室に収容してサブハーネスを作製する工程である。
配索工程は、複数のフォーク状の係止ピンなどを利用して、コネクタ単位で作製した複数のサブハーネスを、自動車における配索形態にほぼ添うよう二次元的に配索する工程である。
【0006】
外装品取付工程は、ワイヤハーネスを外部との干渉から保護するプロテクタや防音防水用のグロメットなどの外装部品をテープなどで取り付ける工程である。
検査工程は、導通チェッカーを用い断線や圧着不良などの点検を行なう工程である。導通検査では、導通チェッカーのハウジング受けにコネクタ嵌合することにより、コネクタ単位で導通が検査される。外観検査で、全体観察を行い欠陥や不備などがないかどうかが検査される。
【0007】
要するに、複数の端子付き電線がコネクタ単位で組配線され中間製品としてのサブハーネスが作製され、複数のサブハーネスを組み合わせることで最終製品としてのワイヤハーネスが製造されるようになっている。
【0008】
ここで、従来のワイヤハーネスの製造工程においては、サブハーネスを作製する際に、作業者が電線を間違ってしまい、間違った電線でサブハーネスを作製するという問題があった。このような、間違いを防止するため、同一種類毎に電線を分別収納する電線供給棚に関する発明がある。
【0009】
図6は、この種の電線供給棚に関連する技術の一例として、先に本願出願人によって提案された特開平8−83522号公報に記載の電線供給棚である。
【0010】
図示するように、電線供給棚50は、棚本体51と、電線収納体58と、開閉カバー54とを備えている。棚本体51は、複数のパイプを組み立てて構成された骨組構造を成している。この棚本体51には、キャスター53を有する4本の脚52a,52a,52b,52bが設けられている。前脚52a,52aの2本は短く、後脚52b,52bの2本は長く形成されている。このため、棚本体12の受け台は、前下りに傾斜している。
【0011】
電線収納体58は、複数の筒59が横一列に並べられて構成されている。筒59の内側には、同一種類の多数の電線60が収納されている。筒59の後端からは、電線60がはみ出し、垂れ下がっている。
【0012】
電線60は、両端に端子(図示せず)が圧着接続された端子付き電線である。電線60は、種類毎に太さや長さ等が異なっている。筒59から所定の電線60が取り出され、コネクタ単位で組配線されて、サブハーネスが作製されるようになっている。
【0013】
開閉カバー54は、筒59の前端部に設けられている。このため、前端部に形成された開口は、開閉カバー54で塞がれた状態となっている。この開閉カバー54は、フレーム55上で開閉する蓋部56と、蓋部56に対する制御部57とから成っている。制御部57からの信号で蓋部56が開き、そのときに必要な電線60を取り出すことができるようになっている。このため、作業者が、間違って電線60を取り出してサブハーネスを作製することが防止されている。
【0014】
【特許文献1】
特開平8−83522号公報(第3頁、第1図)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電線供給棚では、解決すべき以下の問題点がある。
【0016】
一つには、筒59の後端部からはみ出し、垂れ下がった電線60が絡まるという心配がある。電線60同士が絡まると、電線60に引張力を作用させた際に張力が発生し、電線60に断線が生じたり、傷が付くことがある。殊に、細い電線60ほど断線等の損傷が生じやすい。このような問題は、電線60が筒59よりも長い場合に生じる問題である。電線60が筒59より短い場合には、電線60が筒59の中に収まるため、筒59から電線60がはみ出し、垂れ下がることがないからである。
【0017】
また一つには、電線60の種類が増加した場合に、電線収納体58を構成する筒59の本数が多くなり、これによって電線収納体58を搭載する棚本体51が大型化するという問題がある。棚本体51が大型化すると、工場内の作業スペースが狭くなり作業性が悪くなってしまう。また、筒59が横一列に長く並ぶと、電線60を取り出す作業者の労力も増えて作業効率が悪くなってしまうという問題もある。
【0018】
さらには、筒59から電線60を取り外す際に、垂れ下がった電線60の端部が筒59の後端部に擦れたり、電線60の端部に圧着された端子が筒59の後端部に引っかかったりして、電線60に傷が付くという心配もある。端子が引っかかるのは、電気接触部や電線接続部が外側に出っ張っているためである。
【0019】
本発明は、上記した点に鑑み、電線端部の絡み等により、電線が損傷することを防止することができる電線供給棚を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、棚本体と、該棚本体に取り付けられ、複数の電線を収納する複数の電線収納体とを備え、該電線収納体の前部開口から電線を取り出す電線供給棚において、前記電線収納体が、上筒と下筒とで構成され、該上筒の後部開口から導出された前記電線が曲げられて該下筒に収納されることを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、電線が同一種類毎に電線収納体を構成する筒に収容されることで、作業者が間違った電線を取り出すことなく、サブハーネスが作製される。加えて、電線収納体が上筒と下筒とで構成されているから、電線の一側半分が上筒に収納され、曲げられた電線の他側半分が下筒に収納されて、電線端部の絡み等が防止される。
【0022】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の電線供給棚において、前記上筒及び下筒が、鋭角を成すように交差方向に配設されたことを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、上筒と下筒との成す角が鋭角を成すように交差方向に配設されているから、電線がUターン状に曲げられ、一組の上筒及び下筒に収納される。
【0024】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の電線供給棚において、前記上筒が複数段に重なり、上側の上筒が下側の上筒よりも後方に突き出ていることを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、上側の上筒が下側の上筒より後方に突出しているから、Uターン状に曲げられた内側の電線と外側の電線とが接触して絡まることが防止される。
【0026】
また、請求項4記載の発明は、請求項1又は2記載の電線供給棚において、前記下筒が複数段に重なり、上側の下筒よりも下側の下筒が後方に突き出ていることを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、上側の下筒よりも下側の下筒が後方に突出しているから、Uターン状に曲げられた内側の電線と外側の電線とが接触して絡まることが防止される。
【0028】
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の電線供給棚において、前記上筒の開口端の両側に、曲げられた前記電線をガイドする一対のガイド部材が配設されたことを特徴とする。
【0029】
上記構成によれば、電線が曲げられた上筒の開口端の両側に、ガイド部材が配設されているから、横方向に隣り合う上筒にそれぞれ収納された電線が、ガイド部材に案内されるとともに、ガイド部材で仕切られて、絡まることが防止される。
【0030】
また、請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の電線供給棚において、前記上筒の開口端に対向する位置に、曲げられた前記電線を支持する支持部材が設けられたことを特徴とする。
【0031】
上記構成によれば、上筒の開口端に支持部材が設けられているから、電線供給棚から電線を取り出す際に、引っ張られた電線が上筒の開口端縁に引っかかり、電線に傷つくことが防止される。
【0032】
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載の電線供給棚において、前記棚本体に、前記ガイド部材及び前記支持部材を一体的に形成した枠状の保護フレームが設けられ、該保護フレームが前記上筒の開口端に当接又は近接して位置することを特徴とする。
【0033】
上記構成によれば、ガイド部材及び支持部材が一体的に形成されているから、製造が簡素化され、組立作業性が向上するとともに、コストが節減する。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明に係る電線供給棚の一実施形態を示すものである。
【0035】
本発明に係る電線供給棚10は、図5に示すワイヤハーネスの製造工程において、前工程としての電線切断・圧着、電線皮むきに続く次工程のサブアッセンブリ工程で用いられるものである。サブアッセンブリ工程は、電線セット作業、ジョイント作業、ケース嵌め作業からなっており、電線供給棚10は、図示しないコネクタハウジングの端子収容室に端子付き電線48(図2)を挿入してサブハーネス(図示せず)を作製する電線セット作業で使用される。前工程や、サブハーネスを作製した後の後工程についての説明は、従来技術の欄の説明と重複するため、ここでは説明を省略する。
【0036】
図1に示すように、電線供給棚10は、棚本体12と、電線収納体30とを備えている。電線供給棚10の正面側には、電線48(図2)の取り出しを誘導する電線誘導装置40が備わっている。周辺装置としての電線誘導装置40については、別出願で説明するため、ここでは詳細な説明を省略するが、装置本体41と、確認スイッチ42類と、指示ランプ43類と、導通チェッカー44等を備えて構成されている。
【0037】
電線誘導装置40の作用について簡単に説明する。先ず、コネクタ単位でサブハーネスを組配線する際に、コネクタハウジングの端子収容室に差し込む電線48を、指示ランプ43が点灯又は点滅することで作業者に指示する。作業者は、指示ランプ43が点灯又は点滅した箇所の電線48を取り出し、コネクタハウジングの端子収容室の所定の箇所に差し込み、確認スイッチ42を押す。
【0038】
再び、電線誘導装置40は、指示ランプ43を点灯又は点滅し、次の電線48を指示する。同様にして、作業者は、指示ランプ43に従って所定の電線48を取り出し、コネクタハウジングの端子収容室に差し込む。このような動作を、サブハーネスが完成するまで繰り返し行うことによって、作業者が間違った電線48を取り出すことなく、サブハーネスの作製が正確に行われる。そして、サブハーネスを完成した後に、導通チェッカー44により、電線48の断線や圧着不良などのコネクタの導通の良・不良が検査される。なお、コネクタハウジングに電線48を差し込む都度に、導通の良・不良を検査することもできる。
【0039】
上記電線誘導装置40によれば、従来例のように、蓋部56と制御部57と備えた開閉カバー54を要することなく、指示ランプ43の点灯又は点滅だけで電線48を取り出す順番が順次指示されるから、電線供給棚10及び電線誘導装置40の構造が簡素化し、コストを節減できる効果がある。
【0040】
図1に示すように、電線供給棚10としての棚本体12は、パイプ状の部材を組み立てた骨組構造を成しており、上下二段に構成されている。下段14には、下筒35,36が取り付けられ、上段20には、上筒31,32が取り付けられるようになっている。一組の上筒31,32と下筒35,36とで、電線収納体30が構成される。
【0041】
下段14の骨組構造は、二本の前脚15a,15a及び二本の後脚15b,15bと、隣り合う脚15a,15bを連結する水平部材17とから構成されている。水平部材17は、脚15a,15bの下部と上部に連結している。脚15a,15bの本数は、棚本体12の強度を考慮して決定されたものであり、脚15a,15bの本数を増やすことで、棚本体12の強度を高めることが可能である。
【0042】
さらに、左右方向(幅方向)Yに対向する水平部材17には、下筒35,36を取り付けるための、複数の取付部材18,18,18,18(図2)が連結している。取付部材18を計四本としたのは、下筒35,36を上下二段に重ねて取り付けるためである。下筒35,36を三段又はそれ以上の多段に重ねる場合は、取付部材18を六本又はそれ以上の本数を水平部材に連結する必要がある。
【0043】
四本の脚15a,15a,15b,15bの下端部には、脚輪としてのキャスター16が備わっている。電線供給棚10は、キャスター16の回転によって、フロアーを円滑に動けるようになっている。
【0044】
ここで、本発明の説明の都合上、前後、左右、上下の区別について定めることとする。前側とは、電線供給棚10から電線48を取り出す側、または、図1に示す電線誘導装置40が備わる側をいうものとする。後側とは、上筒31,32から電線48が導出されUターン状に曲げられる側をいうものとする(図2)。左右の区別は、対称であるためしないこととする。なお、左右方向Yは、上筒31,32又は下筒35,36が一列に並ぶ方向と定めることとする。上側とは上筒31,32の備わる側とし、下側とは下筒35,36の備わる側とする。
【0045】
上段20の骨組構造は、二本の前脚21a,21aと、二本の後脚21b,21bと、これらの脚21a,21a,21b,21bを連結する水平部材17及び取付部材18(図2)とから構成されている。水平部材17は前側に突出している(図2)。突出した水平部材17の前端部には、上筒31,32を取り付けるための取付部材22(図2)が形成されている。前脚21a,21aの上端部にも、取付部材22が形成されている。後脚21bは、L字状又は逆L字状に形成されており、後脚21bの中間部と、上部寄りの位置にも、取付部材22が形成されている。
【0046】
上筒31,32を取り付けるための取付部材22は、前側と後側に各2本づつ計四本形成されている(図2)。前側二本の取付部材22,22は、後側二本の取付部材22,22より低位置にあるため、上筒31,32は、前下がりに傾斜して取り付けられるようになっている。
【0047】
図2に示すように、電線48は、端部に端子(図示せず)が圧着などにより接続された端子付きの電線である。端子は、導電性基板を打ち抜き折り曲げ加工して形成されたものである。このような電線48は、従来技術の欄で説明したようにサブハーネスの前工程で作製される。電線48は、複数作製されて、複数組の上筒31,32及び下筒35,36とから構成される電線収納体30に種類毎に分別収納される。
【0048】
再び図1に戻って説明すると、上述したように、電線収納体30は、棚本体12の上段20に取り付けられる上筒31,32と、棚本体12の下段14に取り付けられる下筒35,36とから構成されている。上筒31,32は、複数設けられ、左右方向Yに一列に配設されている(図3)。また、上下二段に重なっている。左右に隣り合う上筒31,32は、隙間なく並んでいる。上下の上筒31,32は、間隔を開けて互いに平行に配置している。
【0049】
下筒35,36も上筒31,32と同様であり、複数の下筒35,36が左右方向に一列に配設されている(図3)。そして、上下二段に重なっている。このように、多段に重ねた構成は、電線供給棚10の大型化を防止する構成として有効である。なお、上筒31,32同士、下筒35,36同士を上下二段で重ねることに限定するものではなく、一段としてもよく、また三段以上としてもよい。
【0050】
図2に示すように、一組の上筒31,32及び下筒35,36は、U字状又はV字状に鋭角を成すように交差方向に配設されている。上筒31,32は、傾斜角αで前下がりに傾斜し、同じく下筒35,36も傾斜角βで前下がりに傾斜している。このため、電線48は、Uターン状に折り返されて(曲げられて)収納される。このように、上筒31,32及び下筒35,36を交差方向に配設することで、電線48が筒31,32,35,36からはみ出すことなく、筒31,32,35,36に収納されるようになっている。このような構成は、殊に、長尺電線の場合に有効であり、電線供給棚10の奧行を深くせずに(前後方向Xの寸法を大きくせずに)、電線48を収納することができる。
【0051】
図示する上筒31,32及び下筒35,36は、角筒状の筒体であるが、円筒状の筒体であってもよい。また、電線48を収納することができるものであれば、筒でなくてもよく、樋であってもよい。
【0052】
上筒31,32は、一側に閉口端33aを有し、他側に開口端(後部開口)33bを有している。一側の閉口端33aは、棚本体12の前側を向くように配置され、他側の開口端33bは、後側を向くように配置される。一側の閉口端33a側の筒壁には、電線48を取り出す開口部(前部開口)34が形成されている。他側の開口端33bからは、下筒35,36に挿入される電線48が導出される。上筒31,32を棚本体12の上段20に取り付ける際は、開口部34を上に向けて取り付ける。このように、閉口端33aを残して開口部34を筒壁に形成したのは、上筒31,32が前下がりに傾斜していることで、電線48が、上筒31,32から自然に滑り落ちることを防止するためである。
【0053】
上筒31,32を前下がりに傾斜するように取り付けたのは、電線48同士が摩擦して電線48に張力が生ずることを防止するためである。言い換えると、電線48の滑りを良くして、小さい引張力で電線48を取り出すことができるようにするためである。傾斜角度αは任意であり、作業性に支障の出ない角度に設定されている。
【0054】
上述したように、上筒31,32同士は、二段なっており、前後にずれた格好で重なっている。すなわち、上側の上筒32が、下側の上筒31より後方に突出している。言い換えると、電線48の導出方向に突出している。このように、上筒31,32を前後にずらして配置したのは、上側及び下側の上筒31,32からUターン状に折り返された電線48が絡む等して、損傷することを防止するためである。
【0055】
図4に示すように、上筒31,32の開口端33bの両側に対向するように、Uターン状に折り返された電線48(図2)が絡まないようにガイドする一対の鉛直材(ガイド部材)28を設けることも有効である。鉛直材28は、棚本体12の後脚21b、21b(図2)に一体的に形成された枠状の保護フレーム25の一部を成す垂直部材であり、左右方向Yに隣り合う上筒31,32を仕切る仕切部材でもある。この鉛直材28は、棒状をなしているため、電線48を引っ張った際に傷が付くことが防止されている。また、鉛直材28を、筒状のローラとして、電線48の移動とともに回転するように形成することも有効である。このように構成することで、電線48は、両側の鉛直材28に案内保護され、隣接する上筒31,32の電線48と絡むことなく、折り返される。
【0056】
さらに、上筒31,32の開口端33bの下縁に対向するように、Uターン状に折り返された電線48を支持する下弦材(支持部材)27を設けることも有効である。下弦材27も鉛直材28と同様にして、棚本体12の後脚21b,21bに一体的に形成された保護フレーム25の一部を成しており、水平方向の腹部材である。この下弦材27は、棒状をなしているため、Uターン状に折り返された電線48を下筒35,36に収納する際に、鋭角に折れ曲がって断線することが防止されている。
【0057】
保護フレーム25は、鉛直材28及び下弦材27が一体的に形成された格子状又は枠状のフレームであり、上下の上筒31,32の開口端33bに近接するように、後脚21b,21bの端部に設けられている。両側の鉛直材28及び下弦材27と上弦材26とで区画される矩形枠は、各上筒31,32の開口端33bに対向している。
【0058】
図2に戻って説明すると、下筒35,36は、両側に開口端37a,37bを有して貫通形成されている。後側の開口端37bには、上筒31,32から導出された電線48が挿入される。前側の開口端37aからは、電線48がはみ出すことはない。このように、電線48が下筒35,36に収納されることで、電線48の絡み等による損傷が防止されるようになっている。
【0059】
下筒35,36同士も上筒31,32と同様にして、傾斜した状態で二段に重なっている。上下の下筒35,36は、互いに平行に、かつ間隔を開けて配設されている。また、上側の下筒よりも下側の下筒が後方に突き出ており、下筒35,36同士は、前後にずれた格好で重なっている。上下の下筒35,36を前後にずらしたのは、一組の上筒31,32及び下筒35,36の開口端33b,37bを近接させて、電線48の露出を減らすためと、Uターン状に折り返された内側の電線48と外側の電線48との干渉を避けるためである。
【0060】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、棚本体の上段に上筒が取り付けられ、棚本体の下段に下筒が取り付けられ、上筒には電線の一側半分が収納され、下筒には上筒から導出され曲げられた電線の他側半分が収納される。このため、電線が双方の筒に収納されて、はみ出すことが防止される。従って、電線の絡みなどが防止され、電線が保護される。
【0061】
また、請求項2記載の発明によれば、電線が、Uターン状に曲げられて、棚本体からはみ出すことなく上筒及び下筒に収納される。従って、長尺電線の絡みつきを防止することができる。
【0062】
また、請求項3又は請求項4記載の発明によれば、上筒同士又は下筒同士が複数段に重なっても、Uターン状に曲げられた内側の電線と外側の電線とが接触して絡まることが防止される。従って、電線の損傷を生ずることなく、請求項1記載の効果と同等の効果を得ることできる。
【0063】
また、請求項5記載の発明によれば、左右方向に隣り合う上筒にそれぞれ収納された電線が、ガイド部材に案内保護されるとともに、ガイド部材で仕切られて、絡まることが防止される。従って、請求項1記載の効果に加えて、隣り合う電線同士の接触が有効に防止される。
【0064】
また、請求項6記載の発明によれば、電線供給棚から電線を取り出す際に、引っ張られた電線が上筒の開口端縁に引っかかり、電線に傷つくことが防止される。従って、請求項1記載の効果に加えて、電線を取り出す際の損傷が防止される。
【0065】
また、請求項7記載の発明によれば、ガイド部材及び支持部材が一体的に形成されているから、製造が簡素化され、組立作業性が向上する。従って、低コストで、電線の損傷を防止することができる電線供給棚を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電線供給棚に係る一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す電線供給棚の側面図である。
【図3】同じく電線供給棚の背面図である。
【図4】同じく電線供給棚の背面を拡大して、保護フレームを示した斜視図である。
【図5】ワイヤハーネスの製造工程の説明図である。
【図6】従来の電線供給棚の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 電線供給棚
12 棚本体
14 下段
20 上段
25 保護フレーム
27 下弦材(支持部材)
28 鉛直材(ガイド部材)
30 電線収納体
31,32 上筒
33b 開口端(後部開口)
34 開口部(前部開口)
35,36 下筒
48 電線

Claims (7)

  1. 棚本体と、該棚本体に取り付けられ、複数の電線を収納する複数の電線収納体とを備え、該電線収納体の前部開口から電線を取り出す電線供給棚において、
    前記電線収納体が、上筒と下筒とで構成され、該上筒の後部開口から導出された前記電線が曲げられて該下筒に収納されることを特徴とする電線供給棚。
  2. 前記上筒及び下筒が、鋭角を成すように交差方向に配設されたことを特徴とする請求項1記載の電線供給棚。
  3. 前記上筒が複数段に重なり、上側の上筒が下側の上筒よりも後方に突き出ていることを特徴とする請求項1又は2記載の電線供給棚。
  4. 前記下筒が複数段に重なり、上側の下筒よりも下側の下筒が後方に突き出ていることを特徴とする請求項1又は2記載の電線供給棚。
  5. 前記上筒の開口端の両側に、曲げられた前記電線をガイドする一対のガイド部材が配設されたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電線供給棚。
  6. 前記上筒の開口端に対向する位置に、曲げられた前記電線を支持する支持部材が設けられたことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の電線供給棚。
  7. 前記棚本体に、前記ガイド部材及び前記支持部材を一体的に形成した枠状の保護フレームが設けられ、該保護フレームが前記上筒の開口端に当接又は近接して位置することを特徴とする請求項6記載の電線供給棚。
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