JP4028237B2 - 抗前立腺幹細胞抗原(psca)抗体組成物及び使用方法 - Google Patents
抗前立腺幹細胞抗原(psca)抗体組成物及び使用方法 Download PDFInfo
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Description
(発明の分野)
本発明は抗PSCA抗体組成物及びPSCA-発現ガン細胞を殺傷する方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
ヒトにおいて、前立腺ガンは、男性において最も一般的に診断される悪性腫瘍の一つであり、男性が死に至る第2の原因である。米国ガン学会では、2000年において、180400の新たな前立腺ガンの事例が診断され、その患者の31900人が死亡していると推定している。段階が進行すると前立腺ガンは骨に転移する。初期診断及び局所的に限られた腫瘍の治療には進歩があったが、前立腺ガンはひとたびそれが転移すると治療できなくなる。結局、ホルモン治療において転移性の前立腺ガンを患っている患者はアンドロゲン-不応性(アンドロゲン非依存性)状態を発病し、疾患が進行し死に至る。現在、前立腺-特異抗原(PSA)が、前立腺ガンのスクリーニング、診断及びモニタリング用の腫瘍マーカーとして最も幅広く使用されている。しかしながら、PSAは良性と悪性の前立腺疾患を正確に識別することができないため、スクリーニングのための道具としてのPSAの広範囲な使用については論議されている。
ガンの段階に応じて、前立腺ガン及び膀胱ガン治療には、次の治療法:外科手術によるガン組織の除去、放射線治療法、化学治療法、前立腺ガンの場合にはアンドロゲン欠乏(例えばホルモン治療法)の一つ又はそれらの組合せが含まれる。外科的又は放射線治療は、疾患の初期段階においては、患者の生存率を有意に改善するが、進行した場合、特にホルモン剥離に続く腫瘍の再発に対しては、治療的選択は非常に制限される。ホルモン治療を受けている患者の多くはアンドロゲン-非依存性疾患の発病が進行している。現在では、外科的又は放射線治療後に再発した前立腺ガン患者の20-40%に対して、又は診断時にガンが転移していた患者に対して有効な治療法はない。化学治療法は、特に老年の患者においては毒性の副作用がある。前立腺ガンの治療技術においては、特にアンドロゲン欠乏に対する不応性疾患のための新規の治療形態の開発が急務である。
【0003】
新規な細胞表面抗原である前立腺幹細胞抗原(PSCA)の同定については、例えば米国特許第5,856,136号(SCAH2)、国際公開第99/14328号(プロテインPRO232)、国際公開第98/40403号(PSCA)、国際公開第98/51805号(PS116)及びReiterら、Proc. Natl. Acad. Sci. 95:1735-1740(1998)に記載されている。PSCAは、最初、前立腺ガン患者からのLAPC-4キセノグラフトのcDNAライブラリからクローニングされた。
PSCAは前立腺及び膀胱腫瘍細胞を含む、多くの細胞型の表面で発現する、123アミノ酸のGPI-結合分子である。遺伝子は、80%の前立腺ガンで増幅された領域である8Q24.2のmyc座に位置している。PSCAはSCA-2と30%の相同性を示す。該タンパク質はN-末端の最初の20アミノ酸に疎水性シグナル配列を、C末端のアミノ酸100-123にGPI-アンカー配列を有する(Reiterら(1998)の1737頁の図2)。4つの予測グリコシル化部位がある。細胞表面タンパク質は、培養約10時間でt1/2になる。PSCAは、高度前立腺上皮内腫瘍形成(PIN)、及びアンドロゲン依存性と非依存性双方の前立腺腫瘍を含む前立腺ガンのあらゆる段階にわたって広く過剰発現されることが報告されている。インヴィボにおいてPSCA-発現腫瘍細胞を標的にし、細胞への結合時に内部移行可能な抗体は報告されていない。
抗体をベースとする治療法は、種々のガンの治療において非常に効果的であることは証明されている。例えば、ハーセプチン(HERCEPTIN)(登録商標)及びリツキサン(RITUXAN)(登録商標)(双方ともGenentech, S. San Francisco)は、それぞれ、乳ガン及び非ホジキンリンパ腫の治療に成功裏に使用されている。ハーセプチン(登録商標)はヒト上皮細胞増殖因子レセプター2(HER2)プロト-オンコジーンの細胞外ドメインに選択的に結合する組換えDNA誘導ヒト化モノクローナル抗体である。HER2タンパク質の過剰発現は、原発性乳ガンの25-30%で観察されている。リツキサン(登録商標)は、正常及び悪性Bリンパ球の表面で見出されるCD20抗原に対する遺伝子操作されたキメラマウス/ヒトモノクローナル抗体である。これらの抗体は双方ともCHO細胞において生産される。
本発明は、従来の治療方法の限界を克服し、また以下の詳細な記載から明らかになる付加的な利点を付与する、ガンの治療のための別法を提供するものである。
【0004】
(発明の概要)
本発明は、インヴィボで哺乳動物細胞上のPSCAへの結合時に内部移行する単離された抗PSCA抗体を提供する。これらの抗体はインヴィボにおいてPSCA-発現腫瘍細胞を標的とすることができる。特定の実施態様では、抗PSCA抗体は、前立腺ガン、尿道ガン(例えば膀胱ガン)及び肺ガンを含むガン細胞上のPSCAへの結合時に内部移行する。モノクローナル抗体である、内部移行する抗PSCA抗体が提供される。特定の実施態様では、抗体は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに受託番号PTA-717、PTA-718、PTA-719、PTA-720、PTA-880、PTA-2265及びPTA-2264で寄託されているハイブリドーマにより産生される10E3、6F8、8D11、5F2、6C3、6B8及び10C5である。6F8、8D11、5F2、6B8抗体のV領域配列を図12(配列番号:3-9)に示す。配列番号:10、配列番号:11、配列番号:12又は配列番号:13のアミノ酸配列を有するキメラマウス-ヒト抗体ポリペプチドが提供される。本発明は、配列番号:1-13の任意の一つのアミノ酸配列を含む抗PSCA抗体及び抗体融合ポリペプチドを提供する。
上述したモノクローナル抗体の任意のものが結合するエピトープと同じエピトープへの結合に対して競合する抗体がまた提供される。他の実施態様では、インヴィボでPSCA-発現ガン細胞の増殖を阻害し、又はこのような細胞及びこのような細胞を含む腫瘍に対してインヴィボで細胞障害性を有する単離された抗PSCAモノクローナル抗体が提供される。
【0005】
また本発明は、細胞障害剤又は成長阻害剤に結合している抗PSCA抗体を提供する。抗体は内部移行する、及び/又は成長阻害性の抗体である。細胞障害剤は、毒素、抗生物質、放射性同位体、又は核分解性(nucleolytic)酵素であり得る。好ましい実施態様では、毒素はメイタンシノイド(maytansinoids)、より好ましくは図22に示す構造を有するメイタンシノイドである。
上述した実施態様の抗PSCA抗体には、無傷(全長)抗体並びに抗体断片が含まれる。本発明の抗PSCA抗体には、ヒト抗体及びキメラ抗体並びに異種ポリペプチドに融合した抗体V領域配列を少なくとも含む抗体融合ポリペプチドが含まれる。好ましい実施態様では、上述した実施態様の任意のものの抗PSCA抗体は、キメラ又はヒト抗体である。好ましい実施態様では、キメラ抗体はヒト化抗体である。ヒト化抗PSCA抗体には、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに受託番号PTA-717、PTA-718、PTA-719、PTA-720、PTA-880、及びPTA-2265で寄託されているハイブリドーマにより生産される任意の抗体のヒト化型が含まれ、キメラ抗体には、図13に示す配列番号:10-13のアミノ酸配列を有するものが含まれる。本発明の抗体には、哺乳動物又は細菌細胞で生産されるものが含まれる。
【0006】
さらに本発明は、上述した実施態様の抗PSCA抗体の任意のものの一つと担体とを含有する組成物を包含する。一実施態様では、組成物中の抗体は、ATCC受託番号PTA-717、PTA-718、PTA-719、PTA-720、PTA-880、PTA-2265及びPTA-2264で寄託されているハイブリドーマの任意のものの一つにより生産されたモノクローナル抗体のヒト化形態、又はヒト抗体である。特定の一実施態様では、組成物中の抗体はメイタンシノイドに結合している。好ましい実施態様では、担体は製薬的に許容可能な担体である。これらの組成物は製造品又はキットにて提供することができる。
本発明の他の態様は、上述した実施態様の抗PSCA抗体の任意のものの一つをコードする単離された核酸、並びに発現調節配列に作用可能に結合した単離された核酸を含んでなる発現ベクターにある。
また本発明においては、上述した抗PSCA抗体を生産する細胞も提供される。一実施態様では、抗体生産細胞は、ATCC受託番号PTA-717、PTA-718、PTA-719、PTA-720、PTA-880、及びPTA-2265及びPTA-2264を有する特定のハイブリドーマ細胞を含むハイブリドーマ細胞である。他の実施態様では、細胞は細菌細胞である。上述したベクターを含む宿主細胞が特に提供される。
本発明は、上述した実施態様の細胞を培養し、細胞培養物から抗体を回収することを含む、上述した実施態様の抗PSCA抗体の生産方法をさらに含む。
【0007】
本発明の別の態様は、上述した何れかの実施態様の抗PSCA抗体とガン細胞を接触させ、ガン細胞を死滅させることを含む、PSCA-発現ガン細胞の死滅方法にある。他の態様は、哺乳動物に治療的有効量の本発明の抗PSCA抗体を投与することを含む、哺乳動物におけるPSCA-発現ガンを緩和し又は治療する方法にある。上述した2つの方法の好ましい実施態様では、ガンは、前立腺、膀胱又は肺ガン、より好ましくは前立腺ガン、特にアンドロゲン非依存性前立腺ガン細胞又は転移性前立腺ガンである。これらの方法の好ましい実施態様では、抗PSCA抗体はヒト又はヒト化抗体である。他の好ましい実施態様では、抗体は細胞障害剤、例えば毒素又は放射性同位体に結合している。好ましくは、毒素はカリケアマイシン(calicheamicins)又はメイタンシノイド、例えば図22の構造を有する「DM1」である。PSCA-発現性ガンを緩和する方法は、化学療法と組合せて抗PSCA抗体を投与することであると予想され、ここで哺乳動物は、少なくとも1つの化学療法剤を受けている。特定の実施態様では、化学療法剤はタキサン、例えばパクリタキセル(タキソール(TAXOL)(登録商標)又はドセタキセル、又はそれらの誘導体及び類似体である。
さらなる態様において、本発明は、容器と、そこに含まれる組成物を具備し、組成物が上述した実施態様の抗PSCA抗体を含有し、更に組成物がPSCA-発現ガン、特に前立腺ガンの緩和又は治療に使用可能であることを示すパッケージ挿入物を含んでなる製造品を提供する。
【0008】
(好ましい実施態様の詳細な説明)
I. 定義
ここで使用されるヒト「PSCA」又は「前立腺幹細胞抗原」とは、そのヌクレオチド及びアミノ酸配列が、例えば米国特許第5,856,136号(SCAH2;配列番号:4);国際公開第99/14328号(PRO232、配列番号:1のヌクレオチド配列、図1;図2;配列番号:2のアミノ酸配列);Reiterら, Proc. Natl. Acad. Sci.95:1735-1740(1998)の1737頁の図2(アミノ酸配列);国際公開第98/51805号(配列番号:12及び25);及び国際公開第98/40403号(図1A及び1B)に開示されている、グルコシルホスファチジルイノシトール(GPI)-アンカータンパク質として細胞表面で発現される123アミノ酸の単一サブユニット糖タンパク質を意味する。マウスPSCAのアミノ酸配列はReiterら, Proc. Natl. Acad. Sci.95:1735-1740(1998)の1737頁、図2に提供されている。タンパク質はアミノ末端にシグナル配列を有しており、GPI-アンカー配列はカルボキシ末端に存在する。ヒトPSCA配列において、アミノ酸1-20は成熟タンパク質で切断されるN末端シグナル配列を表し、アミノ酸位100-123はC末端GPI-アンカー配列を表す(Reiterら, 1998, 図2参照)。よって、アミノ酸21ないし約100はおそらく細胞表面に存在する。ここで使用されるPSCAには、PSCA生物学的活性を有するタンパク質の保存的置換変異体及び対立遺伝子変異体が含まれる。これらの対立遺伝子変異体及び保存的置換変異体は、タンパク質のGPI-結合又は分泌形態であってよい。
【0009】
ここで使用される場合の「抗体」という用語にはモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、及びそれらが所望の生物活性を示す限り抗体断片が含まれる。「免疫グロブリン」(Ig)という用語は、ここでは「抗体」と相互に交換可能に使用される。
「単離された抗体」とは、その自然環境の成分から同定され分離され及び/又は回収されたものである。その自然環境の汚染成分とは、抗体の診断又は治療への使用を妨害する物質であり、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質様又は非タンパク質様溶質が含まれる。好ましい実施態様において、抗体は、(1)ローリー法で測定して抗体の95重量%を越え、最も好ましくは99重量%を越えるまで、(2)スピニングカップシークエネーターを使ったN末端又は内在するアミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、又は(3)クーマシーブルー又は好ましくは銀染色を用いた還元又は非還元状態の下でのSDS-PAGEにより均一になるまで、精製される。単離された抗体は、抗体の自然な環境の少なくとも一成分が存在しないことから、組換え細胞のインサイツ抗体を含む。しかしながら、通常は、単離された抗体は少なくとも1つの精製段階によって調製される。
【0010】
塩基性4-鎖抗体ユニットは2つの同一の軽(L)鎖と2つの同一の重(H)鎖から構成されるヘテロ4量体の糖タンパクである(IgM抗体はJ鎖と称される付加的なポリペプチドと共に5つの塩基性ヘテロ四量体ユニットからなり、よって10の抗原結合を部位を有するが、分泌されたIgA抗体は重合して、J鎖と共に2-5の塩基性4-鎖を含む多価集合を形成可能である)。IgGの場合、4-鎖ユニットは一般的に約150000ダルトンである。それぞれのL鎖は1つの共有ジスルフィド結合によって重鎖に結合されるが、2つのH鎖はH鎖のアイソタイプに応じて一又は複数のジスルフィド結合により互いに結合している。それぞれのH及びL鎖はまた規則的な間隔を持った鎖内ジスルフィド結合を持つ。それぞれのH鎖は、α及びγ鎖の各々に対しては3つの定常ドメイン(CH)が、μ及びεアイソタイプに対しては4つのCHドメインが続く可変ドメイン(VH)をN末端に有する。それぞれのL鎖は、その他端に定常ドメイン(CL)が続く可変ドメイン(VL)をN末端に有する。VLはVHと整列し、CLは重鎖の第一定常ドメイン(CH1)と整列している。特定のアミノ酸残基が、軽鎖及び重鎖可変ドメイン間の界面を形成すると考えられている。VLとVHは共同して対になって、単一の抗原結合部位を形成する。異なるクラスの抗体の構造及び特性は、例えばBasic and Clinical Immunology, 8th edition, Daniel P. Stites, Abba I. Terr and Tristram G. Parslow(eds.), Appleton & Lange, Norwalk, CT, 1994, 71頁及び6章を参照のこと。
【0011】
任意の脊椎動物種からのL鎖には、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ及びラムダと呼ばれる2つの明確に区別される型の一つを割り当てることができる。また、その重鎖の定常ドメイン(CH)のアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンには異なったクラス又はアイソタイプを割り当てることができる。IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMという免疫グロブリンの5つの主要なクラスがあり、それぞれα、δ、ε、γ及びμと呼ばれる重鎖を有する。さらにγ及びαのクラスは、CH配列及び機能等の比較的小さな差異に基づいてサブクラスに分割され、例えば、ヒトにおいては次のサブクラス:IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1及びIgA2が発現する。
【0012】
「可変」という用語は、可変ドメインのある部分が抗体の間で配列が広範囲に異なることを意味する。Vドメインは抗原結合性を媒介し、その特定の抗原に対する特定の抗体の特異性を定める。しかし、可変性は可変ドメインの110-アミノ酸スパンを通して均等には分布されていない。代わりに、V領域は、それぞれ9-12アミノ酸長である「高頻度可変領域」と称される極度の可変性を有するより短い領域によって分離された15-30アミノ酸のフレームワーク領域(FR)と呼ばれる比較的不変の伸展からなる。天然重鎖及び軽鎖の可変ドメイン各々は、大きなβ-シート配置をとり、3つの高頻度可変領域により接続された4つのFR領域を含み、それはループ状の接続を形成し、β-シート構造の一部を形成することもある。各鎖の高頻度可変領域はFRにより他の鎖からの高頻度可変領域とともに極近傍に保持され、抗体の抗原結合部位の形成に寄与している(Kabat等, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th ED. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD. (1991))。定常ドメインは抗体の抗原への結合に直接は関係ないが、種々のエフェクター機能、例えば抗体依存性細胞障害(ADCC)における抗体の寄与を示す。
ここで使用される場合、「高頻度可変領域」なる用語は、抗原結合性の原因となる抗体のアミノ酸残基を意味する。高頻度可変領域は「相補性決定領域」又は「CDR」からのアミノ酸残基(すなわち、VLにおいては、およそ残基24-34(L1)、50-56(L2)及び89-97(L3)、及びVHにおいては、およそ1-35(H1)、50-65(H2)及び95-102(H3);Kabatら, Sequences of Proteins of Immunological Interest,5Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD.(1991))及び/又は「高度可変ループ」からの残基(すなわち、VLにおいては、およそ残基26-32(L1)、50-52(L2)及び91-96(L3)、及びVHにおいては、およそ26-32(H1)、53-55(H2)及び96-101(H3);Chothia及びLesk J.Mol.Biol. 196:901-917 (1987))を含んでなる。
【0013】
ここで使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を意味する、すなわち、集団に含まれる個々の抗体が、少量で存在しうる自然に生じる可能な突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、一つの抗原部位に対している。さらに、異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物と比べて、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基を対するものである。その特異性に加えて、モノクローナル抗体は、他の抗体によって汚染されずに合成される点で有利である。「モノクローナル」との修飾詞は、抗体を何か特定の方法で生産しなければならないことを意味するものではない。例えば、本発明において有用なモノクローナル抗体は、最初にKohlerら, Nature 256, 495 (1975)により記載されたハイブリドーマ法によって作ることができ、あるいは組換えDNA法によって、細菌、真核細胞動物又は植物細胞から作ることができる(例えば、米国特許第4,816,567号参照)。また「モノクローナル抗体」は、例えばClacksonら, Nature 352:624-628(1991)、及びMarksほか, J. Mol. Biol. 222:581-597(1991)に記載された技術を用いてファージ抗体ライブラリから単離することもできる。
ここで、モノクローナル抗体は、重鎖及び/又は軽鎖の一部が特定の種由来の抗体あるいは特定の抗体クラス又はサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一であるか相同であり、鎖の残りの部分が他の種由来の抗体あるいは他の抗体クラスあるいはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一であるか相同である「キメラ」抗体、並びにそれが所望の生物的活性を有する限りこのような抗体の断片を特に含む(米国特許第4,816,567号;及びMorrisonほか, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:6851-6855(1984))。ここで関心あるキメラ抗体には、非ヒト霊長類(例えば旧世界ザル、Ape(ヒトニザル)等)から由来する可変ドメイン抗原-結合配列及びヒト定常領域配列を含む「プリマタイズした(primatized)」抗体を含む。
【0014】
「無傷」の抗体は、抗原-結合部位、並びにCL及び少なくとも重鎖定常ドメイン、CH1、CH2及びCH3を含むものである。定常ドメインは天然配列定常ドメイン(例えば、ヒト天然配列定常ドメイン)又はそれらのアミノ酸配列変異体であってよい。好ましくは、無傷の抗体は一又は複数のエフェクター機能を有する。
「抗体断片」は、無傷の抗体の一部、好ましくは無傷の抗体の抗原結合又は可変領域を含む。抗体断片の例は、Fab、Fab’、F(ab')2、及びFv断片;ダイアボディ(diabodies);直鎖状抗体(米国特許第5,641,870号、実施例2;Zapata等, Protein Eng. 8(10): 1057-1062 [1995]);単鎖抗体分子;及び抗体断片から形成された多重特異性抗体を含む。
【0015】
抗体のパパイン消化は、「Fab」断片と呼ばれる2つの同一の抗体結合断片と、容易に結晶化する能力を反映して命名された残留「Fc」断片を産生する。Fab断片は全長L鎖とH鎖の可変領域ドメイン(VH)、及び一つの重鎖の第一定常ドメイン(CH1)からなる。各Fab断片は抗原結合性に関して一価である、すなわち単一の抗原-結合部位を有する。抗体のペプシン処理により、単一の大きなF(ab')2断片が生じ、これは2価の抗原結合部位を持つ2つのジスルフィド結合されたFab断片にほぼ対応し、抗原を交差結合させることができるものである。また、Fab'断片は、抗体ヒンジ領域からの一又は複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に幾つかの残基が付加されていることによりFab断片と相違する。Fab'-SHは、ここでは定常ドメインのシステイン残基(類)が遊離のチオール基を持つFab'を表す。F(ab')2抗体断片は、通常はFab'断片の対として生成され、それらの間にヒンジシステインを有する。抗体断片の他の化学的結合も知られている。
Fc断片はジスルフィドにより一緒に保持されている双方のH鎖のカルボキシル末端部位を含む。抗体のエフェクター機能は、Fc領域の配列により決定され、該領域は、所定の型の細胞に見出されるFcレセプター(FcR)によって認識される部位である。
【0016】
「Fv」は、完全な抗原-認識及び-結合部位を含む最小の抗体断片である。この断片は、密接に非共有結合した1本の重鎖と1本の軽鎖の可変領域の二量体からなる。これら2つのドメインの折り畳みから、抗原結合のためのアミノ酸残基に寄与し、抗体に対する抗原結合特異性を付与する6つの高頻度可変ループ(H及びL鎖から、それぞれ3つのループ)が生じる。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのCDRのみを含んでなるFvの半分)でさえ、結合部位全体よりは低い親和性であるが、抗原を認識し結合する能力を持つ。
「sFv」又は「scFv」と略称される「単鎖Fv」は、単一のポリペプチド鎖内に結合したVH及びVLドメインを含む抗体断片である。好ましくは、sFvポリペプチドはVH及びVLドメイン間にポリペプチドリンカーをさらに含み、それはsFVが抗原結合に望まれる構造を形成するのを可能にする。sFvの概説については、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg及びMoore編, Springer-Verlag, New York, pp. 269-315 (1994);Borrebaeck 1995, 以下を参照のこと。
【0017】
「ダイアボディ(diabodies)」という用語は、鎖間ではなく鎖内でVドメインを対形成させ、結果として二価の断片、すなわち2つの抗原-結合部位を有する断片が得られるように、VHとVLドメインとの間に、短いリンカー(約5-10残基)を持つsFv断片(前の段落を参照)を構築することにより調製される小型の抗体断片を意味する。二重特異性ダイアボディは2つの「交差」sFv断片のヘテロダイマーであり、そこでは2つの抗体のVH及びVLドメインが異なるポリペプチド鎖上に存在する。ダイアボディは、例えば、EP 404,097; WO 93/11161; 及びHollinger等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90: 6444-6448 (1993)により十分に記載されている。
「天然配列」ポリペプチドは、天然から誘導されたポリペプチド(例えば抗体)と同一のアミノ酸配列を有するものである。このような天然配列ポリペプチドは、天然から単離することもできるし、組換え又は合成手段により生産することもできる。よって、天然配列ポリペプチドは、自然に生じるヒトポリペプチド、マウスポリペプチド、又は任意の他の哺乳動物種からのポリペプチドのアミノ酸配列を有することができる。
「アミノ酸配列変異体」という用語は、天然配列ポリペプチドと或る程度異なっているアミノ酸配列を有するポリペプチドを意味する。通常、PSCAのアミノ酸配列変異体は天然配列PSCAと少なくとも約70%、好ましくは少なくとも約80%、さらに好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも95%の相同性を有している。アミノ酸配列変異体は、天然アミノ酸配列のアミノ酸配列内の或る位置において置換、欠失及び/又は挿入を有している。
【0018】
抗体の「機能的断片又は類似体」という語句は、全長抗体と共通した定性的生物学的活性を有する化合物である。例えば、抗IgE抗体の機能的断片又は類似体は、高親和性レセプターFcεRIに結合する能力を有するような分子の能力を防止し又は実質的に低減させるような形でIgE免疫グロブリンに結合可能なものである。
「相同性」とは、アミノ酸配列変異体において、最大のパーセント相同性を達成するために、必要ならば間隙を導入して、配列を整列させた後に同一である残基のパーセンテージとして定義される。アラインメントのための方法およびコンピュータープログラムは本技術分野においてよく知られているものである。そのようなコンピュータープログラムの一つは、ジェネンテック社により著作された「Align2」で、1991年12月10日にアメリカ合衆国著作権庁、Washington, DC 20559に利用者資料を付して提出されている。
【0019】
非ヒト(例えばマウス)抗体の「ヒト化」形とは、非ヒト抗体から得られた最小配列を含むキメラ抗体である。大部分において、ヒト化抗体は、レシピエントの高頻度可変領域の残基が、マウス、ラット、ウサギ又は非ヒト霊長類のような所望の抗体特異性、親和性及び能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)の高頻度可変領域の残基によって置換されたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ある場合には、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にもドナー抗体にも見出されない残基を含んでいてもよい。これらの修飾は抗体の特性をさらに洗練するために行われる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、全てあるいはほとんど全ての高頻度可変ループが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てあるいはほとんど全てのFRがヒト免疫グロブリン配列のものである。ヒト化抗体は、場合によっては免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的にはヒトの免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含んでなる。さらなる詳細は、Jones等, Nature 321, 522-525(1986);Reichmann等, Nature 332, 323-329(1988);及びPresta, Curr. Op. Struct. Biol. 2, 593-596(1992)を参照のこと。
【0020】
ここで使用される場合、「内部移行する」抗PSCA抗体とは、哺乳動物細胞上のPSCA(すなわち細胞表面PSCA)への結合時に細胞によって取り込まれる(すなわち入る)もののことである。もちろん、内部移入抗体には、抗体断片、ヒト又はヒト化抗体及び抗体コンジュゲートが含まれる。治療用途においてはインヴィボにおける内部移行が考慮される。内部移行した抗体分子の数はPSCA-発現細胞、特にPSCA-発現ガン細胞を死滅させるのに十分な、又は適切な数である。抗体又は抗体コンジュゲートの効能に応じて、ある例においては、細胞への単一の抗体分子の取込みが、抗体が結合する標的細胞を死滅させるのに十分である。例えば、ある毒素は高い殺傷効能を有しており、抗体に結合した一分子の毒素の内部移行で、腫瘍細胞を死滅させるのに十分である。
哺乳動物細胞においてPSCAへの結合時に抗PSCA抗体が内部移行したか否かは、以下の実施例に記載したものを含む種々のアッセイにより決定することができる。例えば、インヴィボにおける内部移行を試験するために、試験抗体を標識し、所定の細胞表面にPSCAが発現していることが分かっている動物に導入する。抗体は、例えば放射標識、又は蛍光もしくは金粒子で標識することができる。このアッセイに適した動物には、ヒトPSCA発現腫瘍移植片又は異種移植片を含むNCRヌードマウス、又はヒトPSCAで形質移入した細胞が導入されたマウス、又はヒトPSCA導入遺伝子を発現するトランスジェニックマウス等の動物が含まれる。適切なコントロールには、試験抗体を受容していない、又は関連のない抗体を受容した動物、及び関心ある細胞において他の抗原に対する抗体を受容した動物が含まれ、ここでその抗体は抗原への結合時に内部移行することが知られているものである(例えば、実施例3においてヒト乳房腫瘍株化細胞MCF-7に発現したHer2に結合するハーセプチン)。抗体は、例えば静脈注射により動物に投与することができる。適切な間隔をあけて、動物の組織切片は公知の方法を使用するか、又は以下の実施例に記載されているようにして調製することができ、光学顕微鏡又は電子顕微鏡により、内部移行度合い、並びに細胞内の内部移行した抗体の位置が分析される。インヴィトロにおける内部移行に対しては、細胞を、培養培地に添加された適切な抗体の存在又は不在下で組織培養皿にてインキュベートし、所定の時点で顕微鏡分析するためにプロセシングする。細胞内の内部移行した標識化抗体の存在は、顕微鏡、又は放射標識された抗体が使用されるならばオートラジオグラフィーにより、直接可視化することができる。あるいは、定量的生化学アッセイにおいては、PSCA-発現細胞を含有する細胞の個体群を、放射標識された試験抗体とインヴィトロ又はインヴィボで接触させ、細胞(インヴィボにおいて接触させたならば、次に適当な時間の後に細胞を単離する)をプロテアーゼで処理するか、又は酸洗浄にかけて、細胞表面上の内部移行していない抗体を除去する。細胞を粉砕し、プロテアーゼ耐性の量、各バッチの細胞に関連する1分当たりの放射性カウント(cpm)を、シンチレーションカウンターにホモジェネートを通して測定する。放射標識された抗体の公知の特定の活性に基づき、細胞当たりの内部移行した抗体分子の数は、粉砕した細胞のシンチレーションカウントから推定することができる。例えば培養皿又はフラスコの細胞培養培地に細胞を添加し、抗体に細胞が均一にさらされるように培地と抗体をよく混合することにより、好ましくは溶液形態で、細胞は抗体とインヴィトロで「接触させる」。培養培地に添加する代わりに、細胞を、所望の時間、テスト用チューブに入ったPBS等の等張液において抗体と接触させることもできる。インヴィボにおいては、患者に投与する場合、以下に記載する投与方法等の、試験抗体を投与するための任意の適切な方法により、細胞は抗体と接触させる。
【0021】
インヴィボでのPSCA発現細胞への結合時において抗体の内部移行の速度が速くなればなる程、例えば細胞障害性免疫コンジュゲートにより、標的とするPSCA-発現細胞での所望の死滅又は成長阻害効果をより早く達成することができる。好ましくは、抗PSCA抗体の内部移行の速度(キネティクス)は、PSCA-発現標的細胞の迅速な殺傷が望ましいようになされる。よって、抗PSCA抗体は、インヴィボで抗体を投与してから24時間以内、より好ましくは12時間以内、さらにより好ましくは30分ないし1時間以内、最も好ましくは30分以内に速やかな内部移行を示すことが望ましい。本発明はインヴィボにおいて抗PSCA抗体を導入した時間から約15分と、非常に早く内部移行する抗体を提供する。抗体は、好ましくは、細胞表面上のPSCAへの結合時に数時間以内、好ましくは1時間以内、より好ましくは15-30分内で細胞中に内部移行する。
【0022】
試験抗体が、ATCCに寄託されたハイブリドーマにより生産される抗体を含む本発明の抗PSCA抗体が結合したエピトープと同じエピトープへの結合に対して競合可能であるか否かを決定するために、交差ブロッキングアッセイ、例えば競合ELISAアッセイを実施することができる。例示的な競合ELISAアッセイにおいては、マイクロタイタープレートのウェルのコートしたPSCAを候補の競合抗体を伴い又は伴わないでプレインキュベートし、ついでビオチン標識された本発明の抗PSCA抗を添加する。ウェル中のPSCA抗原に結合した標識抗PSCA抗体の量は、アビジンペルオキシダーゼコンジュゲートと適切な基質を使用することで測定される。抗体は放射標識又は蛍光標識、又は検出可能で測定可能な他の標識で標識することができる。抗原に結合した標識された抗PSCA抗体の量は、同じエピトープへの結合に対して競合する候補競合抗体(試験抗体)の能力に間接的に相関している。すなわち同じエピトープに対する試験抗体の親和性が大きくなればなる程、標識された抗体の抗原コートウェルへの結合性は低下する。候補の競合抗体が存在しない状態(しかし、公知の非競合抗体は存在していてもよい)で平行して実施されたコントロールと比較して、候補抗体が、少なくとも20%、好ましくは少なくとも20-50%、さらに好ましくは少なくとも50%、PSCA抗体の結合をブロックできるならば、該候補競合抗体は本発明の抗PSCA抗体と同じエピトープに実質的に結合するか、又は同じエピトープへの結合に対して競合する抗体であると考えられる。このアッセイを変形して実施しても、同じ定量値に達することができることは理解されるであろう。
【0023】
モノクローナル抗体10E3、6F8、8D11及び5F2の何れかのように、指定された抗体の「生物学的特徴」を有する抗体は、同じ抗原PSCAに結合する他の抗体とは区別される抗体の生物学的特徴を一又は複数有するものである。例えば、6F8の生物学的特徴を有する抗体は、6F8が結合する同じエピトープに結合して(例えば、PSCAに対するモノクローナル抗体6F8の結合に競合するか、又はその結合をブロックする)、インヴィボにおいてPSCA発現腫瘍細胞を標的とし、インヴィボにおいて哺乳動物細胞上のPSCAへの結合時に内部移行する。同様に、5F2又は6B8抗体の生物学的特徴を有する抗体は、該抗体と同じエピトープ結合性、標的性、内部移行性、腫瘍成長阻害性及び細胞障害性を有する。
【0024】
「アンタゴニスト」抗体なる用語は最も広い意味で用いられ、ここに開示した天然PSCAタンパク質の生物学的活性を部分的又は完全に阻止、阻害、又は中和する抗体を含む。PSCAポリペプチドのアンタゴニストの同定方法は、PSCAポリペプチド又は細胞表面においてPSCAを発現している細胞を候補アンタゴニスト抗体と接触させ、PSCAポリペプチドに通常付随する一又は複数の生物学的活性の検出可能な変化を測定することを含みうる。
「PSCAを発現する腫瘍細胞の成長を阻害する抗体」又は「成長阻害」抗体という用語は、PSCAを発現又は過剰発現しているガン細胞に結合し、その結果として該ガン細胞の測定可能な成長阻害を生じるものである。好ましい成長阻害抗PSCA抗体は、適切なコントロールと比較して、20%以上、好ましくは約20%〜約50%、より好ましくは50%以上(例えば、約50%〜約100%)、PSCA-発現腫瘍細胞の成長を阻害するもので、ここでコントロールとは典型的には試験される抗体で処理されていない腫瘍細胞である。成長阻害度は、細胞培養中約0.1〜30μg/ml又は0.5nM〜200nMの抗体濃度で測定することができ、ここで成長阻害度は抗体に腫瘍細胞を暴露させて1-10日後に測定したものである。インヴィボにおける腫瘍細胞の成長阻害度は以下の実施例の項に記載するような、種々の方法により測定することができる。抗PSCA抗体を約1μg/kg体重〜約100mg/kg体重で投与した場合に、抗体の最初の投与から5日ないし3ヶ月内、好ましくは約5日〜30日以内に腫瘍サイズ又は腫瘍細胞の増殖が低減されていたならば、該抗体はインヴィボにおいて成長阻害性であるとされる。
【0025】
「アポトーシスを誘発する」抗体は、アネキシンVの結合、DNAの断片化、細胞収縮、小胞体の拡張、細胞断片化、及び/又は膜小胞の形成(アポトーシス体と呼ばれる)等により決定されるようなプログラム細胞死を誘発するものである。細胞は、通常、PSCAを過剰発現しているものである。好ましくは、細胞は腫瘍細胞、例えば前立腺、乳房、卵巣、胃、子宮内膜、肺、腎臓、結腸、膀胱細胞である。アポトーシスに伴う細胞のイベントを評価するために種々の方法が利用できる。例えば、ホスファチジルセリン(PS)転位置をアネキシン結合により測定することができ;DNA断片化はDNAラダーリングにより評価することができ;DNA断片化に伴う細胞核/染色質凝結は低二倍体細胞の何らかの増加により評価することができる。好ましくは、アネキシン結合アッセイにおいて、アポトーシスを誘発する抗体は、未処理細胞の約2〜50倍、好ましくは約5〜50倍、最も好ましくは約10〜50倍のアネキシン結合を誘発するという結果を生じるものである。
抗体の「エフェクター機能」とは、抗体のFc領域(天然配列Fc領域又はアミノ酸配列変異体Fc領域)に帰する生物学的活性を意味し、抗体のアイソタイプにより変わる。抗体のエフェクター機能の例には、C1q結合及び補体依存性細胞障害;Fc領域結合性;抗体依存性細胞媒介性細胞障害(ADCC);貪食作用;細胞表面レセプター(すなわち、B細胞レセプター)のダウンレギュレーション;及びB細胞活性化が含まれる。
【0026】
「抗体依存性細胞媒介性細胞障害」又は「ADCC」とは、ある種の細胞障害細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球及びマクロファージ)上に存在するFcレセプター(FcRs)と結合した分泌Igにより、これらの細胞障害エフェクター細胞が抗原-担持標的細胞に特異的に結合し、続いて細胞毒により標的細胞を死滅させることを可能にする細胞障害性の形態を意味する。抗体は細胞障害細胞を「備えて」おり、これはこのような死滅には絶対に必要なものである。ADCCを媒介する主要な細胞NK細胞はFcγRIIIのみを発現するのに対し、単球はFcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。造血細胞でのFcRの発現は、Ravetch and Kinet, Annu. Rev. Immunol 9:457-92 (1991) の464頁の表3に要約されている。関心ある分子のADCC活性をアッセイするために、米国特許第5,500,362号又は同5,821,337号に記載されているようなインヴィトロADCCアッセイを実施することができる。このようなアッセイにおいて有用なエフェクター細胞には、末梢血液単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー細胞(NK細胞)が含まれる。代わりとして、もしくは付加的に、関心ある分子のADCC活性は、例えば、Clynesら, PNAS (USA) 95:652-656 (1998)において開示されているような動物モデルにおいて、インヴィボで評価することが可能である。
【0027】
「Fcレセプター」又は「FcR」は、抗体のFc領域に結合するレセプターを記載するものである。好適なFcRは天然配列ヒトFcRである。さらに好適なFcRは、IgG抗体(ガンマレセプター)と結合するもので、FcγRI、FcγRII及びFcγRIIIサブクラスのレセプターを含み、これらのレセプターの対立遺伝子変異体、選択的にスプライシングされた形態のものも含まれる。FcγRIIレセプターには、FcγRIIA(「活性型レセプター」)及びFcγRIIB(「阻害型レセプター」)が含まれ、主としてその細胞質ドメインは異なるが、類似のアミノ酸配列を有するものである。活性型レセプターFcγRIIAは、細胞質ドメインにチロシン依存性免疫レセプター活性化モチーフ(immunoreceptor tyrosine-based activation motif ;ITAM)を含んでいる。阻害型レセプターFcγRIIBは、細胞質ドメインにチロシン依存性免疫レセプター阻害性モチーフ(immunoreceptor tyrosine-based inhibition motif ;ITIM)を含んでいる(Daeron, Annu. Rev. immunol. 15:203-234 (1997)を参照)。FcRsに関しては、 Ravetch and Kinet, Annu.Rev. Immunol. 9:457-92 (1991); Capel et al., Immunomethods 4:25-34 (1994); 及びde Haasら, J.Lab. Clin. Med. 126:330-41 (1995) に概説されている。他のFcRs、ここでは、将来的に同定されるものも含めて、「FcR」という言葉によって包含される。また、該用語には、母性IgGsが胎児に受け継がれる要因となっている新生児性レセプターFcRn(Guyerら, J. Immunol. 117:587 (1976) Kimら, J. Immunol.24:249 (1994))も含まれる。
【0028】
「ヒトエフェクター細胞」とは、一又は複数のFcRsを発現し、エフェクター機能を実行する白血球のことである。その細胞が少なくともFcγRIIIを発現し、ADCCエフェクター機能を実行することが望ましい。ADCCを媒介するヒト白血球の例として、末梢血液単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞障害性T細胞及び好中球が含まれるが、PBMCsとNK細胞が好適である。エフェクター細胞は天然源、例えば血液から単離してもよい。
「補体依存性細胞障害」もしくは「CDC」は、補体の存在下で標的を溶解することを意味する。典型的な補体経路の活性化は補体系(Clq)の第1補体が、同族抗原と結合した(適切なサブクラスの)抗体に結合することにより開始される。補体の活性化を評価するために、CDCアッセイを、例えばGazzano-Santoro等, J. Immunol. Methods 202:163 (1996)に記載されているように実施することができる。
【0029】
「ガン」及び「ガン性」という用語は、典型的には調節されない細胞成長を特徴とする、哺乳動物における生理学的状態を指すか記述する。ガンの例には、これらに限定されるものではないが、ガン腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病又はリンパ様悪性腫瘍が含まれる。このようなガンのより特定の例には、扁平細胞ガン(squamous cell cancer)(例えば扁平上皮細胞ガン)、小細胞肺ガン、非小細胞肺ガン、肺の腺ガン、及び肺の扁平ガン腫(squamous carcinoma)を含む肺ガン、腹膜ガン、肝細胞ガン、胃腸ガンを含む胃(gastric)又は腹部(stomach)ガン、膵臓ガン、神経膠芽細胞腫、子宮頸管ガン、卵巣ガン、肝臓ガン、膀胱ガン、尿道ガン、肝ガン、乳ガン、結腸ガン、直腸ガン、結腸直腸ガン、子宮内膜又は子宮ガン、唾液腺ガン、腎臓(kidney)又は腎(renal)ガン、前立腺ガン、産卵口ガン、甲状腺ガン、肝臓ガン、肛門ガン、陰茎ガン、黒色腫、多発性骨髄腫及びB-細胞リンパ腫、脳、並びに頭部及び頸部のガン、及び関連した転移が含まれる。
【0030】
「PSCA-発現細胞」は、細胞表面上の内因性の又は形質移入したPSCAを発現する細胞である。「PSCA-発現ガン」は、PSCAタンパク質が細胞表面に存在する細胞を含むガンである。「PSCA-発現ガン」はその細胞表面上に十分なレベルのPSCAを産生し、抗PSCA抗体はそこに結合して、ガンに対する治療効果を持つ。PSCAを「過剰発現させる」ガンは、その細胞表面におけるPSCAのレベルが、同じ組織型の非ガン細胞に比べて有意に高いもののことである。このような過剰発現は遺伝子増幅又は転写もしくは翻訳の増加に起因する。PSCA過剰発現は、細胞表面上に存在するPSCAタンパク質の増加したレベルを評価することにより、診断又は予後アッセイにおいて測定されうる(例えば、免疫組織化学的アッセイ;FACS分析)。あるいは、又は付加的に、蛍光インサイツハイブリッド形成;(FISH;1998年10月に公開された国際公開第98/45479号を参照のこと)、サザンブロット、ノーザンブロット、又はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術、例えば実時間定量PCR(RT-PCR)により、細胞内のPSCA-コード化核酸又はmRNAのレベルを測定してもよい。また、血清等の生体液の分断抗原を、例えば抗体-ベースアッセイを使用して測定することにより、PSCAの過剰発現を研究してもよい(例えば、1990年6月12日に発行された米国特許第4,933,294号;1991年4月18日に公開された国際公開第91/05264号;1995年3月28日に発行された米国特許第5,401,638号;及びSiasら, J. Immunol. Methods 132:73-80(1990)を参照のこと)。上述したアッセイの他に、種々のインヴィボアッセイが当業者に利用される。例えば、患者の体内で細胞を、例えば放射性同位体等の検出可能な標識で標識されていてもよい抗体にさらし、患者の細胞に対する抗体の結合性を、例えば放射性の外部スキャニング、又は抗体にさらされる前に患者から取り込んだバイオプシーの分析により評価することができる。PSCA-発現ガンには、前立腺、膀胱、肺、子宮及び乳房のガンが含まれる。
【0031】
ガンの治療又はガンの徴候の緩和の目的のための「哺乳動物」は、ヒト、家庭及び農業用動物、及び動物園、スポーツ、又はペット動物、例えばイヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウサギなどを含む任意の哺乳動物を称する。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
ここで使用される「治療する」又は「治療」又は「緩和」とは、治癒的療法、及び予防的又は防止的手段の両方を意味し、目的は標的とする病理学的状態又は疾患を防止又は遅延化させる(少なくする)ことにある。治療が必要なものとは、既に疾患に罹っているもの、並びに疾患に罹りやすいもの又は疾患が防止されるべきものを含む。患者又は哺乳動物は、本発明の方法で治療量の抗PSCA抗体を受けた後、患者が、次のものの一又は複数において観察可能及び/又は測定可能な低減又は消失が示されるならば、PSCA-発現ガンが成功裏に「治療」されている:PSAレベルの低減、ガン細胞数の低減又はガン細胞の消失;腫瘍サイズの低減;軟組織及び骨へのガンの拡大を含む末梢器官におけるガン細胞浸潤の阻害(すなわち、有る程度の拡散の遅延化、好ましくは停止);腫瘍転移の阻害(すなわち、有る程度の拡散の遅延化、好ましくは停止);ある程度、腫瘍成長の阻害;及び/又は特定のガンに関連した一又は複数の徴候のある程度の軽減;羅漢率及び死亡率の低減、及び人生の問題の質的改善。抗PSCA抗体がガン細胞の成長を防止し及び/又は存在するガン細胞を死滅させる限り、それは細菌増殖抑制性及び/又は細胞障害性である。これらの前兆又は徴候の低減は患者にも感じられるであろう。
【0032】
疾患の成功裏の治療及び改善を評価するための上述したパラメータは、医師によく知られている常套的な手段により、容易に測定可能である。ガン治療における効能は、例えば病状の進行時間(TTP)の評価、及び/又は応答速度(RR)の決定により測定され得る。前立腺ガンに対しては、治療の進行は血清PSA(前立腺特異的抗原)レベルを測定することによる常套的な方法で評価することができ;血中のPSAレベルが高くなればなる程、ガンが広がっている。PSAを検出するための市販のアッセイ、例えばHybitech Tandem-E及びTandem-R PSAアッセイキット、Yang ProsCheck polyclonal assay(Yang Labs, Bellevue, WA)、Abbott Imx(Abbott Labs, Abbott Park, IL)等を利用できる。転移はステージングテスト及び骨のスキャニングにより測定可能で、骨への広がりを測定するためには、カルシウムレベル及び他の酵素を試験する。またCTスキャンを実施して、領域内の骨盤及びリンパ節への広がりを探査することができる。胸部X線及び公知の方法による肝臓酵素レベルの測定が、肺及び肝臓へのそれぞれの転移を探査するために使用される。疾患のモニタリングのための他の常套的な方法には、経直腸的超音波検査(TRUS)及び経直腸的針バイオプシー(TRNB)が含まれる。
より局在化したガンである膀胱ガンに対しては、疾患の進行を測定するための方法には、膀胱鏡による泌尿細胞学的評価、尿中の血液の存在性のモニタリング、音波ホログラフィー又は静脈内腎盂像による尿路上皮管の可視化、コンピュータX線断層撮影法(CT)及び磁気共鳴映像法(MRI)が含まれる。遠位転移の存在は、腹部のCT、胸部X線、又は骨格の放射線核種映像法により評価することができる。
【0033】
「治療的有効量」という用語は、患者又は哺乳動物の疾患又は疾病を「治療」するのに効果的な抗体又は薬剤の量を意味する。ガンの場合には、治療的有効量の薬剤により、ガン細胞の数が減少し;腫瘍の大きさが小さくなり;末梢器官におけるガン細胞浸潤が阻害され(すなわち、ある程度の遅延化、好ましくは停止);腫瘍の転移が阻害され(すなわち、ある程度の遅延化、好ましくは停止);ある程度、腫瘍成長が阻害され;及び/又はガンに関連した一又は複数の徴候がある程度軽減される。上述の「治療する」の定義を参照。薬剤がガン細胞の成長を防止し、及び/又は存在するガン細胞を死滅させるならば、それは細胞成長抑制性及び/又は細胞障害性であり得る。
「慢性」投与とは、急性様式とは異なり連続的な様式で薬剤(類)を投与し、初期の治療効果(活性)を長時間に渡って維持することを意味する。「間欠」投与とは、中断無く連続的になされるのではなく、むしろ本質的に周期的になされる処置である。
一又は複数のさらなる治療薬と「組み合わせた」投与とは、同時(同時期)及び任意の順序での連続した投与を含む。
【0034】
ここで用いられる「担体」は、製薬的に許容可能な担体、賦形剤、又は安定化剤を含み、用いられる用量及び濃度でそれらに暴露される細胞又は哺乳動物に対して非毒性である。生理学的に許容可能な担体は、水性pH緩衝溶液であることが多い。生理学的に許容可能な担体の例は、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸塩のバッファー;アスコルビン酸を含む酸化防止剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質、例えば血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリン;疎水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン;アミノ酸、例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン又はリシン;グルコース、マンノース又はデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTA等のキレート剤;マンニトール又はソルビトール等の糖アルコール;ナトリウム等の塩形成対イオン;及び/又は非イオン性界面活性剤、例えばTWEENTM、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICSTMを含む。
【0035】
ここで用いられる「細胞障害剤」なる用語は、細胞の機能を阻害又は抑制する及び/又は細胞破壊を生ずる物質を称する。この用語は、放射性同位体(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32及びLuの放射性同位体)、化学療法剤、例えばメトトレキセート、アドリアマイシン、ビンカアルカノイド類(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブチル、ダウノルビシン又は他の挿入剤(intercalating agents)、酵素及びそれらの断片、例えば核分解性酵素、抗体、及び毒素、例えば細菌、真菌、植物又は動物由来の酵素的活性毒素小分子毒素、それらの断片及び/又は変異体を含む。他の細胞障害剤を以下に記載する。殺腫瘍性剤により腫瘍細胞の破壊が生じる。
ここで使用される場合の「成長阻害剤」とは、インヴィトロ又はインヴィボのいずれかにおいて、細胞、特にPSCA発現ガン細胞の成長を阻害する化合物又は組成物を称する。よって、成長阻害剤とは、S相におけるPSCA発現細胞のパーセンテージを有意に低減させるものである。成長阻害剤の例には、細胞分裂周期の進行をブロックする薬剤(S相以外の場所において)、例えばG1停止及びM相停止を誘発する薬剤が含まれる。伝統的なM相ブロッカーには、ビンカ(ビンクリスチン及びビンブラスチン)、タキサン、及びトポイソメラーゼIIインヒビター、例えばドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、エトポシド、及びブレオマイシンが含まれる。G1を停止させるこれらの薬剤、例えばDNAアルキル化剤、例えばタモキシフェン、プレドニソン、ダカーバジン、メクロレタミン、シスプラチン、メトトレキセート、5-フルオロウラシル、及びara-CがS相停止に溢流する。更なる情報は、Murakamiらにより「細胞分裂周期の調節、オンコジーン、及び抗新生物薬」と題された、ガンの分子的基礎、Mendelsohn及びIsrael編、第1章(WB Saunders;Philadelphia, 1995)、特に13頁に見出すことができる。タキサン(パクリタキセル及びドセタキセル)は、双方ともイチイ木から得られる抗ガン剤である。ヨーロッパイチイから得られるドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Rhone-Poulenc Rorre)は、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)の半合成類似体である。パクリタキセル及びドセタキセルはチューブリン二量体からの微小管のアセンブリを促進し、解重合を防止することで微小管を安定化し、結果として細胞の有糸分裂が阻害される。
【0036】
ここで使用される「標識」とは、「標識された」抗体を生じせしめるために、抗体に直接的に又は間接的に結合した検出可能な化合物又は組成物を称する。標識はそれ自体が検出可能(例えば、放射性標識又は蛍光標識)であり得、あるいは酵素標識の場合には、検出可能な基質化合物又は組成物の化学変化を触媒しうる。
「エピトープタグ」なる用語は、ここで用いられるときは、「タグポリペプチド」に融合した抗PSCA抗体ポリペプチドを含んでなるキメラポリペプチドを称す。タグポリペプチドは、その抗体が産生され得るエピトープを提供するに十分な残基を有しているが、その長さは、融合するIgポリペプチドの活性を阻害しないよう充分に短い。また、タグポリペプチドは、好ましくは、抗体が他のエピトープと実質的に交差反応をしないようにかなり独特である。適切なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6のアミノ酸残基、通常は約8〜約50のアミノ酸残基(好ましくは約10〜約20のアミノ酸残基)を有する。
「小分子」とは、ここで約500ダルトン未満の分子量を有するものと定義される。
「パッケージ挿入物」という用語は、指示、用法、用量、投与方法、禁忌及び/又はかかる治療製品の使用に関する警告についての情報を含む、治療製品の市販用パッケージに通常含まれる注意書きを指すために使用される。
【0037】
「単離された核酸」は、天然配列に自然に付随している、他のゲノムDNA配列並びにタンパク質又は複合体、例えばリボソーム及びポリメラーゼから実質的に分離された、核酸、例えばRNA、DNA又は混合ポリマーである。前記用語には、その自然に生じる環境から取り出された核酸配列が含まれ、組換え又はクローンされたDNA単離物、及び化学的に合成された類似体、又は異種系から生化学的に合成された類似体も含まれる。実質的に純粋な分子には分子の単離された形態が含まれる。
「ベクター」にはシャトル及び発現ベクターが含まれる。典型的には、プラスミド構築物は、細菌においてプラスミドの複製と選択のそれぞれのための複製開始点(例えばColE1複製起点)及び選択可能マーカー(例えばアンピシリン又はテトラサイクリン耐性)を含む。「発現ベクター」とは、細菌又は真核生物細胞において、本発明の抗体断片を含む抗体の発現に必要なコントロール配列又は調節エレメントを含むベクターを意味する。適切なベクターは以下に開示される。
本発明の抗PSCA抗体を産出する細胞には、親ハイブリドーマ細胞、例えばATCCに寄託されたハイブリドーマ、並びに抗体をコードする核酸が導入された細菌又は真核生物宿主細胞が含まれる。適切な宿主細胞を以下に開示する。
【0038】
II. 本発明の組成物及び方法
本発明は、抗PSCA抗体を提供する。好ましい実施態様では、抗PSCA抗体は哺乳動物細胞の細胞表面PSCAへの結合時に内部移行する。他の好ましい実施態様では、抗PSCA抗体はPSCAを担持する腫瘍細胞を破壊するか、又は破壊に至らしめる。
GPIアンカー分子の内部移行の経路及びキネティクスは、クラスリンをコートしたレセプター-媒介性内部移行経路のようには十分には研究されていない。また、PSCAが内部移行コンピテントであることも明らかではなかった。さらに、抗体の内部移行能力は、親和性、親和力及び抗体のアイソタイプ、及びそれが結合するエピトープを含む複数の因子に依存する。我々は、GPI-結合、細胞表面PSCAが、本発明の抗PSCA抗体による結合時に内部移行コンピテントであることをここに実証した。加えて、本発明の抗PSCA抗体が、インヴィボにおいてPSCA-発現腫瘍細胞を特異的に標的し、これらの細胞を阻害又は死滅させることができることを実証した。抗PSCA抗体のこれらのインヴィボでの腫瘍ターゲティング、内部移行及び成長阻害特性により、これらの抗体は、例えば前立腺、尿道及び肺のガンを含む種々のガンの治療における治療的使用に非常に適したものになる。抗PSCA抗体の内部移行は、抗体又は抗体コンジュゲートが細胞内の作用部位を有し、抗体に結合した細胞障害剤が原形質を容易に通過しない場合に好ましい(例えば、毒素、カリケアマイシン)。内部移行は、抗体又は抗体に結合した薬剤が細胞内作用部位を有さない場合、例えば抗体がADCCにより、又は他のメカニズムにより腫瘍細胞を殺傷可能な場合には必要ない。
また、本発明の抗PSCA抗体は種々の非治療的用途を有する。前立腺ガンのスクリーニング又は診断のための道具としてのPSAの使用が論議されているという事実を考慮すると、本発明の抗PSCA抗体はPSCA-発現ガンの診断及びステージング(例えば、放射映像)に有用である。また抗体は他の細胞の精製工程と同様、混合細胞の個体群からPSCA-発現細胞を殺傷及び除去するために、例えばELISA又はウエスタンブロット等のインヴィトロにおけるPSCAの検出及び定量のための、細胞からのPSCAの精製又は免疫沈降に有用である。
【0039】
本発明の内部移行する抗PSCA抗体とは、ここでの「抗体」の定義に含まれる種々の形態であってよい。よって、抗体には、全長又は無傷抗体、抗体断片、天然配列抗体又はアミノ酸変異体、ヒト化、キメラ又は融合抗体、免疫コンジュゲート、及びそれらの機能的断片が含まれる。融合抗体において、抗体配列は異種ポリペプチド配列に融合している。抗体はFc領域が修飾されて、所望のエフェクター機能を提供することができる。以下の段落に詳細に記載されているように、適切なFc領域を共に、細胞表面に結合したそのままの抗体は、例えば抗体-依存性細胞障害(ADCC)を介して又は補体依存性細胞障害において補体を補充することにより、又は他のいくつかのメカニズムにより、細胞障害性を誘発し得る。また、副作用及び治療による合併症を最小にするようにエフェクター機能を除去又は低減することが望まれている場合には、所定の他のFc領域が使用される。
一実施態様では、抗体は、本発明の抗体と同じエピトープへの結合に競合するか、又はこれに実質的に結合する。本発明の抗PSCA抗体の生物学的特徴を有する抗体、例えばATCC受託番号PTA-717、PTA-718、PTA-719、PTA-720、PTA-880、PTA-2265又はPTA-2264で寄託されているハイブリドーマにより生産されるモノクローナル抗体の生物学的特徴を有する抗PSCA抗体、特にインヴィボ腫瘍ターゲティング、内部移行及び任意の細胞増殖阻害又は細胞障害特性を含むものが考察される。
特に、配列番号:1に示すヒトPSCAのアミノ酸21-40、又は41-60、又は61-80、又は81-100に存在するエピトープに結合する抗PSCA抗体が提供される。
上述した抗体の産生方法を以下に詳細に記載する。
【0040】
本抗PSCA抗体は、PSCA-発現ガンの治療又は哺乳動物における一又は複数のガンの徴候の緩和に有用である。このようなガンには、前立腺ガン、尿道ガン、肺ガン、乳ガン、結腸ガン及び卵巣ガン、特に前立腺ガン腫(prostate adenocarcinoma)、腎細胞ガン腫、結腸直腸腺ガン、肺腺ガン、肺細胞の扁平ガン腫、及び胸膜中皮腫が含まれる。ガンには、上述した任意の転移性ガン、例えば前立腺ガン転移が含まれる。抗体は、哺乳動物においてPSCAを発現しているガン細胞の少なくとも一部に結合可能で、好ましくはHAMA反応を最小にするか、又は誘発しないものである。好ましい実施態様では、抗体は、インヴィボ又はインヴィトロにおいて細胞のPSCAに結合して、PSCA-発現腫瘍を破壊又は殺傷するか、又はこのような腫瘍細胞の成長を阻害するのに効果的である。このような抗体には、そのままの(ネーキッド)抗PSCA抗体(任意の薬剤に結合していない)が含まれる。インヴィボにおいて腫瘍成長阻害特性を有する裸の抗PSCA抗体には、以下の実施例に記載される抗体が含まれる。細胞障害又は細胞成長阻害特性を有するそのままの抗体は、細胞障害剤と併用すると、より強く腫瘍細胞を破壊する。細胞障害特性は、例えば細胞障害剤と抗体とを結合させ、以下に記載するような免疫コンジュゲート形成させることにより、抗PSCA抗体に付与することができる。細胞障害剤又は成長阻害剤は、好ましくは小分子である。毒素、例えばカリケアマイシン又はメイタンシノイド、及びそれらの類似物又は誘導体が好ましい。
本発明は、本発明の抗PSCA抗体と担体を含有する組成物を提供する。ガンのターゲティングの目的のために、組成物はこのような治療の必要性に応じて患者に投与することができ、ここで組成物は免疫コンジュゲート又はそのままの抗体として存在する一又は複数の抗PSCA抗体を含有し得る。さらなる実施態様においては、組成物は、他の療法剤、例えば化学療法剤を含む成長阻害剤又は細胞障害剤とこれらの抗体を組合せて含有することもできる。また本発明は、本発明の抗PSCA抗体と担体を含有する製剤も提供する。一実施態様において、製剤は製薬的に許容可能な担体を含有する治療用製剤である。
【0041】
本発明の他の態様は、内部移行する抗PSCA抗体をコードする単離された核酸分子にある。H及びL鎖、特に高頻度可変領域残基をコードする核酸、天然配列抗体及び変異体をコードする鎖、該抗体の修飾体及びヒト化形態を含む。
本発明は、内部移行する抗PSCA抗体を治療的有効量、哺乳動物に投与することを含む、PSCA-発現ガンの治療又はガンの一又は複数の徴候を緩和するのに有用な方法を提供する。抗体治療組成物は、医師により直接、短い期間(急性)又は慢性的に、又は間欠的に投与することができる。また、PSCA-発現細胞の成長を阻害し、該細胞を殺傷する方法も提供される。
最後に、本発明は少なくとも1つの内部移行する抗PSCA抗体を含有するキット又は製造品を提供する。抗PSCA抗体を含有するキットは、例えばPSCA細胞殺傷アッセイ、細胞からのPSCAの精製又は免疫沈降における用途が見出されている。例えば、PSCAの単離及び精製のためには、キットはビーズ(例えばセファロースビース)に結合した抗PSCA抗体を含有することができる。インヴィトロにおけるPSCAの検出及び定量、例えばELISA又はウエスタンブロットのための抗体を含有するキットを提供することもできる。検出に有用なこのような抗体は、蛍光又は放射標識などの標識が付されて提供され得る。
【0042】
III.抗PSCA抗体の産生
次に、本発明に有用な抗体の例示的な産生技術を記載する。これらの技術のいくつかを、さらに実施例1及び表2にAに記載する。抗体の生産に使用されるPSCA抗原は、例えば(ホスファチジルイノシトール-ホスホリパーゼで酵素的に切断することによって得ることができる)GPIアンカー配列を欠く可溶形態のPSCAを含む全長ポリペプチド又はその一部、又はタンパク質の選択部分に対して合成されたペプチドであってよい。また、細胞表面でPSCAを発現している細胞(例えば、PSCAを過剰発現するように形質転換されたCHO又はNIH-3T3細胞;前立腺又は他のPSCA発現腫瘍細胞系)、又はこのような細胞から調製された膜を抗体の産生のために使用することができる。ヒト及びマウスPSCAのヌクレオチド及びアミノ酸配列は、上述したようにして入手することができる。PSCAは、標準的な組換えDNA法を使用して、細菌又は真核生物細胞から組換えて生成し、単離することができる。PSCAはタグ(例えばエピトープタグ)又は他の融合タンパク質として発現させ、種々のアッセイにおける単離及び同定を容易にすることもできる。種々のタグ及び融合配列に結合する抗体又は結合タンパク質は、以下に詳細に述べるようにして入手できる。抗体の産生に有用なPSCAの他の形態は、当業者にとっては明らかであろう。
【0043】
タグ
種々のタグポリペプチド及びそれら各々の抗体はこの分野で良く知られている。例としては、ポリ-ヒスチジン(poly-his)又はポリ-ヒスチジン-グリシン(poly-his-gly)タグ;flu HAタグポリペプチド及びその抗体12CA5[Field等, Mol. Cell. Biol., 8:2159-2165 (1988)];c-mycタグ及びそれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7及び9E10抗体[Evan等, Molecular and Cellular Biology, 5:3610-3616 (1985)];及び単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)タグ及びその抗体[Paborsky等, Protein Engineering, 3(6):547-553 (1990)]を含む。FLAG-ペプチド[Hoppら, BioTechnology, 6:1204-1210(1988)]は抗-FRAG M2モノクローナル抗体により認識される(Eastman Kodak Co., New Haven, CT)。FLAGペプチドを含有するタンパク質の精製は、アガロースに共有結合した抗-FLAG M2モノクローナル抗体を含有するアフィニティーマトリックスを使用する免疫親和性クロマトグラフィーにより実施することができる(Eastman Kodak Co., New Haven, CT)。他のタグポリペプチドは、KT3エピトープペプチド[Martin等, Science, 255:192-194 (1992)];α-チューブリンエピトープペプチド[Skinner等, J. Biol. Chem., 266:15163-15166 (1991)];及びT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ[Lutz-Freyermuth等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:6393-6397 (1990)]を含む。
【0044】
(i) ポリクローナル抗体
ポリクローナル抗体は、好ましくは、関連する抗原とアジュバントを複数回皮下(sc)又は腹腔内(ip)注射することにより動物に産生される。免疫化される種において免疫原性であるタンパク質に関連抗原を結合させることが有用である(特に合成ペプチドが使用される)。例えば、抗原は、二官能性又は誘導体形成剤、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基による結合)、N-ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基による)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl2、又はRとR1が異なったアルキル基であるR1N=C=NRを使用し、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、又は大豆トリプシンインヒビターに結合させることができる。
動物を、例えば100μg又は5μg(それぞれウサギ又はマウスの場合)のタンパク質又はコンジュゲートを完全フロイントアジュバント3容量と併せ、この溶液を複数部位に皮内注射することによって、抗原、免疫原性コンジュゲート、又は誘導体に対して免疫化する。1ヶ月後、該動物を、完全フロイントアジュバントに入れた初回量の1/5ないし1/10のペプチド又はコンジュゲートを用いて複数部位に皮下注射することにより、追加免疫する。7ないし14日後に動物を採血し、抗体価について血清を検定する。動物は、力価がプラトーに達するまで追加免疫する。コンジュゲートはまたタンパク融合として組換え細胞培養中で調製することもできる。また、ミョウバンのような凝集化剤が、免疫反応の増強のために好適に使用される。
【0045】
(ii) モノクローナル抗体
モノクローナル抗体は、Kohlerら, Nature, 256:495 (1975)により最初に記載されたハイブリドーマ法を用いて作製でき、又は組換えDNA法(米国特許第4,816,567号)によって作製することができる。
ハイブリドーマ法においては、マウス又はその他の適当な宿主動物、例えばハムスターを上記したようにして免疫し、免疫化に用いられるタンパク質と特異的に結合する抗体を生産するか又は生産することのできるリンパ球を導き出す。別法として、リンパ球をインヴィトロで免疫することもできる。免疫化後、リンパ球を単離し、次にリンパ球を、ポリエチレングリコールのような適当な融剤を用いて骨髄腫細胞と融合させ、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice,590-103頁(Academic Press, 1986))。
このようにして調製されたハイブリドーマ細胞を、融合していない親の骨髄腫細胞(融合パートナーとも称される)の成長または生存を阻害する一又は複数の物質を好ましくは含む適当な培地に蒔き、成長させる。例えば、親の骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニジンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)を欠失するならば、ハイブリドーマのための選択的培養培地は、典型的には、HGPRT欠失細胞の成長を妨げる物質であるヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジンを含有するであろう(HAT培地)。
【0046】
好ましい融合親骨髄腫細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による抗体の安定な高レベルの生産を支援し、融合していない親細胞に対して選択される選択培地に対して感受性である。好ましい骨髄腫株化細胞は、マウス骨髄腫系、例えば、ソーク・インスティテュート・セル・ディストリビューション・センター、サンディエゴ、カリフォルニア、USAから入手し得るMOPC-21及びMPC-11マウス腫瘍、及びアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、ロックヴィル、メリーランド、USAから入手し得るSP-2又はX63-Ag8-653細胞から誘導されたものである。ヒト骨髄腫及びマウス-ヒトヘテロ骨髄腫株化細胞もまたヒトモノクローナル抗体の産生のために記載されている(Kozbor, J.Immunol., 133:3001 (1984);及びBrodeurら, Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,51-63頁(Marcel Dekker, Inc., New York, 1987))。
ハイブリドーマ細胞が生育している培地を、抗原に対するモノクローナル抗体の産生についてアッセイする。好ましくは、ハイブリドーマ細胞により産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降又はインヴィトロ結合検定、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)又は酵素結合免疫吸着検定(ELISA)によって測定する。
モノクローナル抗体の結合親和性は、例えばMunsonほか, Anal. Biochem., 107:220 (1980)のスキャッチャード分析法によって測定することができる。
【0047】
所望の特異性、親和性、及び/又は活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞が同定された後、該クローンを限界希釈法によりサブクローニングし、標準的な方法により成長させることができる(Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, 59-103頁(Academic Press, 1986))。この目的に対して好適な培地には、例えば、D-MEM又はRPMI-1640培地が包含される。加えて、該ハイブリドーマ細胞は、動物において腹水腫瘍としてインヴィボで、例えばマウスの細胞に注射することにより成長させることができる。
サブクローンにより分泌されたモノクローナル抗体は、例えばアフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインA又はプロテインG-セファロースを使用)、又はイオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析等のような従来からの抗体精製法により、培養培地、腹水、又は血清から好適に分離される。
モノクローナル抗体をコードしているDNAは、従来からの方法用いて(例えば、マウス抗体の重鎖及び軽鎖をコードしている遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブを用いることにより)即座に分離され配列決定される。ハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源となる。ひとたび分離されたならば、DNAを発現ベクター中に入れ、ついでこれを、そうしないと免疫グロブリンタンパク質を産生しない大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又は骨髄腫細胞のような宿主細胞中にトランスフェクトし、組換え宿主細胞中でモノクローナル抗体を合成させることができる。抗体をコードするDNAの細菌中での組換え発現に関する概説論文には、Skerraら, Curr. Opinion in Immunol., 5:256-262(1993)及びPlueckthum, Immunol. Revs., 130:151-188(1992)がある。
【0048】
さらなる実施態様では、モノクローナル抗体又は抗体断片は、McCaffertyら, Nature, 348:552-554 (1990)に記載された技術を使用して産生される抗体ファージライブラリから分離することができる。Clacksonら, Nature, 352:624-628 (1991)及び Marksら, J.Mol.Biol., 222:581-597 (1991)は、ファージライブラリを使用したマウス及びヒト抗体の単離を記述している。続く刊行物は、鎖混合による高親和性(nM範囲)のヒト抗体の生産(Marksら, Bio/Technology, 10:779-783[1992])、並びに非常に大きなファージライブラリを構築するための方策としてコンビナトリアル感染とインヴィボ組換え(Waterhouseら, Nuc.Acids.Res., 21:2265-2266(1993))を記述している。従って、これらの技術はモノクローナル抗体の単離に対する伝統的なモノクローナル抗体ハイブリドーマ法に対する実行可能な別法である。
抗体をコードするDNAはまた、キメラ又は融合抗体ポリペプチドを生産するために、例えば、ヒト重鎖及び軽鎖定常ドメイン(CH及びCL)配列を、相同的マウス配列に代えて置換することにより(米国特許第4,816,567号;Morrisonら, Proc.Nat.Acad.Sci.,USA,81:6851(1984))、又は免疫グロブリンコード配列に非免疫グロブリンポリペプチド(異種ポリペプチド)のコード配列の全部又は一部を融合させることで修飾できる。非免疫グロブリンポリペプチド配列は、抗体の定常ドメインに置換され、又は抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインに置換されて、抗原に対する特異性を有する1つの抗原結合部位と異なる抗原に対する特異性を有するもう一つの抗原結合部位とを含むキメラ二価抗体を作り出す。
【0049】
(iii) ヒト化抗体
非ヒト抗体をヒト化する方法は従来からよく知られている。好ましくは、ヒト化抗体には非ヒト由来の一又は複数のアミノ酸残基が導入されている。これら非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、典型的には「移入」可変ドメインから得られる「移入」残基と呼ばれる。ヒト化は、本質的にはヒト抗体の該当する配列を高頻度可変領域配列で置換することによりウィンターと共同研究者の方法(Jonesほか, Nature, 321:522-525 (1986)、Riechmannほか, Nature, 332:323-327 (1988)、Verhoeyenほか, Science, 239:1534-1536(1988))を使用して実施することができる。よって、このような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインより実質的に少ない分が非ヒト種由来の該当する配列で置換されたキメラ抗体(米国特許第4,816,567号)である。実際には、ヒト化抗体は、典型的にはいくらかの高頻度可変領域及び場合によってはいくらかのFR残基が齧歯類抗体の類似部位からの残基によって置換されているヒト抗体である。
【0050】
抗体がヒトの治療用途を意図している場合、抗原性及びHAMA反応(ヒト抗-マウス抗体)を低減するには、ヒト化抗体を生成する際に使用するヒトの軽重両方の可変ドメインの選択が非常に重要である。いわゆる「ベストフィット法」では、齧歯動物抗体の可変ドメインの配列を既知のヒト可変ドメイン配列のライブラリ全体に対してスクリーニングする。次に齧歯動物のものと最も近いヒトVドメイン配列を同定し、ヒト化抗体のヒトフレームワーク領域(FR)として受け入れる(Simsほか, J. Immunol., 151:2296 (1993);Chothiaら, J. Mol. Biol., 196:901(1987))。他の方法では、軽又は重鎖の特定のサブグループのヒト抗体全てのコンセンサス配列から誘導される特定のフレームワーク領域を使用する。同じフレームワークをいくつかの異なるヒト化抗体に使用できる(Carterほか, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:4285 (1992);Prestaほか, J. Immunol., 151:2623(1993))。
更に、抗体を、抗原に対する高親和性や他の好ましい生物学的性質を保持してヒト化することが重要である。この目標を達成するべく、好ましい方法では、親及びヒト化配列の三次元モデルを使用して、親配列及び様々な概念的ヒト化産物の分析工程を経てヒト化抗体を調製する。三次元免疫グロブリンモデルは一般的に入手可能であり、当業者にはよく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列の推測三次元立体配座構造を図解し、表示するコンピュータプログラムは購入可能である。これら表示を見ることで、候補免疫グロブリン配列の機能における残基のありそうな役割の分析、すなわち候補免疫グログリンの抗原との結合能力に影響を及ぼす残基の分析が可能になる。このようにして、例えば標的抗原に対する親和性が高まるといった、望ましい抗体特性が達成されるように、FR残基をレシピエント及び移入配列から選択し、組み合わせることができる。一般的に、高頻度可変領域残基は、直接かつ最も実質的に抗原結合性に影響を及ぼしている。
ヒト化抗PSCA抗体の種々の形態が考えられる。例えばヒト化抗体は、免疫結合体を生成するために一又は複数の細胞障害剤(類)と結合していてもよい抗体断片、例えばFabであってもよい。また、ヒト化抗体は無傷抗体、例えば無傷IgG1抗体であってもよい。
【0051】
(iv)ヒト抗体
ヒト化の別法として、ヒト抗体を生成することができる。例えば、内因性の免疫グロブリン産生がなくともヒト抗体の全レパートリーを免疫化することで産生することのできるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を作ることが今は可能である。例えば、キメラ及び生殖系列突然変異体マウスにおける抗体重鎖結合領域(JH)遺伝子の同型接合除去が内因性抗体産生の完全な阻害をもたらすことが記載されている。このような生殖系列突然変異体マウスにおけるヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子列の転移は、抗原投与時にヒト抗体の産生をもたらす。Jakobovitsら, Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 90:2551 (1993);Jakobovitsら, Nature 362:255-258 (1993); Bruggermanら, Year in Immuno., 7:33 (1993);米国特許第5,545,806号、同5,569,825号、同5,591,669号(全てGenPharm);同5,545,807号;及び国際公開第97/17852号を参照されたい。
【0052】
別法として、ファージディスプレイ技術(McCaffertyら, Nature 348:552-53[1990])を、非免疫化ドナーからの免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーから、インヴィトロでヒト抗体及び抗体断片を産出させるために使用することができる。この技術によれば、抗体Vドメイン遺伝子は、繊維状バクテリオファージ、例えばM13の大きい又は小さいコートタンパク質遺伝子のいずれかにおいてイン-フレームをクローンし、ファージ粒子の表面において機能的抗体断片として表示される。繊維状粒子がファージゲノムの単一ストランドのDNAコピーを含むので、抗体の機能特性に基づいた選択により、これらの特性を示す抗体をコードする遺伝子の選択がなされる。よって、ファージはB細胞の特性のいくつかを模倣している。ファージディスプレイは多様な形式で行うことができる;例えばJohnson, Kevin S. 及びChiswell, David J., Current Opinion in Structural Biology 3:564-571(1993)を参照のこと。V-遺伝子セグメントのいくつかの供給源がファージディスプレイのために使用可能である。Clacksonら, Nature, 352:624-628(1991)は、免疫化されたマウス脾臓から得られたV遺伝子の小ランダム組合せライブラリからの抗-オキサゾロン抗体の異なった配列を単離した。非免疫化ヒトドナーからのV遺伝子のレパートリーを構成可能で、抗原(自己抗原を含む)とは異なる配列の抗体を、Marksら, J. Mol. Biol. 222:581-597(1991)、又はGriffithら, EMBO J. 12:725-734(1993)に記載の技術に本質的に従って単離することができる。また、米国特許第5,565,332号及び同5,573,905号を参照のこと。
上述したように、ヒト抗体はインヴィトロ活性化B細胞により生産することができる(米国特許第5,567,610号及び同5,229,275号)。
【0053】
(iv) 抗体断片
ある状況においては、全抗体よりも抗体断片を使用する方が有利である。断片のサイズが小さいと迅速にクリアランスされ、固形腫瘍へのアクセス性が改善される。
抗体断片を生産するために様々な技術が開発されている。伝統的には、これらの断片は、無傷の抗体のタンパク分解性消化を介して誘導された(例えば、Morimotoら, Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107-117 (1992)及びBrennanら, Science, 229:81(1985)を参照されたい)。しかし、これらの断片は現在は組換え宿主細胞により直接生産することができる。Fab、Fv及びScFv抗体断片は、全て大腸菌中で発現し、そこから分泌されて、多量のこれら断片が容易に生成される。抗体断片は上において検討した抗体ファージライブラリから分離することができる。別法として、Fab'-SH断片は大腸菌から直接回収することができ、化学的に結合してF(ab')2断片を形成することができる(Carterら, Bio/Technology 10:163-167[1992])。他のアプローチ法では、F(ab')断片を組換え宿主細胞培養から直接分離することができる。サルベージレセプター結合エピトープ残基を含有し、インヴィボ半減期が増大したFab及びF(ab')2断片が米国特許第5,869,046号に記載されている。抗体断片を生産するための他の技術は、当業者には明らかである。他の実施態様において、選択された抗体は単鎖Fv断片((scFv)である。国際公開第93/16185;米国特許第5,571,894号;及び米国特許第5,587,458号を参照のこと。Fv及びsFvは定常領域を欠く無傷の結合部位を有する唯一の種であり;よってインヴィボ使用に際して非特異的結合の減少に適している、sFv融合タンパク質が構成されて、sFvのアミノ又はカルボキシ末端のいずれかにエフェクタータンパク質の融合体が生成される。上掲のAntibody Engineering, ed. Borrebaeckを参照のこと。また、抗体断片は、例えば米国特許第5,641,870号に記載されているような「直鎖状抗体」であってもよい。このような直鎖状抗体断片は単一特異性又は二重特異性であってよい。
【0054】
(vi) 二重特異性抗体
二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なるエピトープに対して結合特異性を有する抗体である。例示的な二重特異性抗体は、PSCAタンパク質の2つの異なるエピトープに結合しうる。他のこのような抗体では他のタンパク質に対する結合部位とPSCA結合部位とが結合しうる。あるいは、抗PSCAアームは、PSCA-発現細胞に細胞防御メカニズムを集中させ局在させるように、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)及びFcγRIII(CD16)等のIgG(FcγR)に対するFcレセプター、又はT細胞レセプター分子(例えばCD3)等の白血球上のトリガー分子に結合するアームと結合しうる。また、二重特異性抗体はPSCAを発現する細胞に細胞障害剤を局在化するためにも使用されうる。これらの抗体はPSCA結合アーム及び細胞障害剤(例えば、サポリン(saporin)、抗インターフェロン-α、ビンカアルカロイド、リシンA鎖、メトトレキセート又は放射性同位体ハプテン)と結合するアームを有する。二重特異性抗体は全長抗体又は抗体断片(例えばF(ab')2二重特異性抗体)として調製することができる。
国際公開第96/16673号には、二重特異性抗-ErbB2/抗-FcγRIII抗体が記載されており、米国特許第5,837,234号には、二重特異性抗-ErbB2/抗-FcγRI抗体が開示されている。二重特異性抗-ErbB2/Fcα抗体は国際公開第98/02463号に示されている。米国特許第5,821,337号は、二重特異性抗-ErbB2/抗-CD3抗体を教示するものである。
【0055】
二重特異性抗体を作成する方法は当該分野において既知である。全長二重特異性抗体の伝統的な産生は二つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の同時発現に基づき、ここで二つの鎖は異なる特異性を持っている(Millsteinら, Nature, 305:537-539(1983))。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖が無作為に取り揃えられているため、これらのハイブリドーマ(四部雑種)は10個の異なる抗体分子の可能性ある混合物を産生し、そのうちただ一つが正しい二重特異性構造を有する。通常、アフィニティークロマトグラフィー工程により行われる正しい分子の精製は、かなり煩わしく、生成物収率は低い。同様の方法が国際公開第93/08829号及びTrauneckerら、EMBO J. 10:3655-3659(1991)に開示されている。
異なったアプローチ法では、所望の結合特異性を有する抗体可変ドメイン(抗原-抗体結合部位)を免疫グロブリン定常ドメイン配列と融合させる。該融合は好ましくは、少なくともヒンジの一部、CH2及びCH3領域を含むIg重鎖定常ドメインである。軽鎖の結合に必要な部位を含む第一の重鎖定常領域(CH1)を、融合の少なくとも一つに存在させることが望ましい。免疫グロブリン重鎖の融合、望まれるならば免疫グロブリン軽鎖をコードしているDNAを、別個の発現ベクター中に挿入し、適当な宿主生物に同時トランスフェクトする。これにより、組立に使用される三つのポリペプチド鎖の等しくない比率が所望の二重特異性抗体の最適な収率をもたらす態様において、三つのポリペプチド断片の相互の割合の調節に大きな融通性が与えられる。しかし、少なくとも二つのポリペプチド鎖の等しい比率での発現が高収率をもたらすとき、又はその比率が所望の鎖の結合にあまり影響がないときは、2または3個全てのポリペプチド鎖のためのコード化配列を一つの発現ベクターに挿入することが可能である。
【0056】
このアプローチ法の好適な実施態様では、二重特異性抗体は、第一の結合特異性を有する一方のアームのハイブリッド免疫グロブリン重鎖と他方のアームのハイブリッド免疫グロブリン重鎖-軽鎖対(第二の結合特異性を提供する)とからなる。二重特異性分子の半分にしか免疫グロブリン軽鎖がないと容易な分離法が提供されるため、この非対称的構造は、所望の二重特異性化合物を不要な免疫グロブリン鎖の組み合わせから分離することを容易にすることが分かった。このアプローチ法は、国際公開第94/04690号に開示されている。二重特異性抗体を産生する更なる詳細については、例えばSureshら, Methods in Enzymology, 121:210 (1986)を参照されたい。
米国特許第5,731,168号に記載された他のアプローチ法によれば、一対の抗体分子間の界面を操作して組換え細胞培養から回収されるヘテロダイマーのパーセントを最大にすることができる。好適な界面はCH3ドメインの少なくとも一部を含む。この方法では、第1抗体分子の界面からの一又は複数の小さいアミノ酸側鎖がより大きな側鎖(例えばチロシン又はトリプトファン)と置き換えられる。大きな側鎖と同じ又は類似のサイズの相補的「キャビティ」を、大きなアミノ酸側鎖を小さいもの(例えばアラニン又はスレオニン)と置き換えることにより第2の抗体分子の界面に作り出す。これにより、ホモダイマーのような不要の他の最終産物に対してヘテロダイマーの収量を増大させるメカニズムが提供される。
【0057】
二重特異性抗体は、架橋した又は「ヘテロコンジュゲート」抗体もまた含む。例えば、ヘテロコンジュゲートの抗体の一方はアビジンに結合され、他方はビオチンに結合され得る。そのような抗体は、例えば、不要の細胞に対する免疫系細胞をターゲティングするため(米国特許第4,676,980号)、及びHIV感染の治療のために提案された(国際公開第91/00360号、同92/00373号、及び欧州特許第03089号)。ヘテロコンジュゲート抗体は、あらゆる簡便な架橋法を用いて作製することができる。好適な架橋剤は当該分野において良く知られており、幾つかの架橋技術と共に米国特許第4,676,980号に開示されている。
抗体断片から二重特異性抗体を産生する技術もまた文献に記載されている。例えば、化学結合を使用して二重特異性抗体を調製することができる。Brennanら, Science, 229:81 (1985) は無傷の抗体をタンパク分解性に切断してF(ab')2断片を産生する手順を記述している。これらの断片は、ジチオール錯体形成剤、亜砒酸ナトリウムの存在下で還元して近接ジチオールを安定化させ、分子間ジスルフィド形成を防止する。産生されたFab'断片はついでチオニトロベンゾアート(TNB)誘導体に転換される。Fab'-TNB誘導体の一つをついでメルカプトエチルアミンでの還元によりFab'-チオールに再転換し、他のFab'-TNB誘導体の等モル量と混合して二重特異性抗体を形成する。作られた二重特異性抗体は酵素の選択的固定化用の薬剤として使用することができる。
【0058】
最近の進歩により、大腸菌からのFab'-SH断片の直接の回収が容易になり、これは化学的に結合して二重特異性抗体を形成することができる。Shalabyら,J.Exp.Med., 175:217-225 (1992)は完全にヒト化された二重特異性抗体F(ab')2分子の製造を記述している。各Fab'断片は大腸菌から別個に分泌され、インヴィトロで定方向化学共役を受けて二重特異性抗体を形成する。このようにして形成された二重特異性抗体は、正常なヒトT細胞、及びErbB2レセプターを過剰発現する細胞に結合可能で、ヒト乳房腫瘍標的に対するヒト細胞障害性リンパ球の細胞溶解活性の誘因となる。
組換え細胞培養から直接的に二重特異性抗体断片を作成し分離する様々な方法もまた記述されている。例えば、二重特異性抗体はロイシンジッパーを使用して生産されている。Kostelnyら, J.Immunol. 148(5):1547-1553 (1992)。Fos及びJunタンパク質からのロイシンジッパーペプチドを遺伝子融合により二つの異なった抗体のFab'部分に結合させる。抗体ホモダイマーをヒンジ領域で還元してモノマーを形成し、ついで再酸化して抗体ヘテロダイマーを形成する。この方法はまた抗体ホモダイマーの生産に対して使用することができる。Hollingerら, Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 90:6444-6448 (1993)により記述された「ダイアボディ」技術は二重特異性抗体断片を作成する別のメカニズムを提供した。断片は、同一鎖上の2つのドメイン間の対形成を可能にするには十分に短いリンカーによりVLにVHを結合してなる。従って、一つの断片のVH及びVLドメインは他の断片の相補的VL及びVHドメインと強制的に対形成させられ、よって2つの抗原結合部位を形成する。単鎖Fv(sFv)ダイマーの使用により二重特異性抗体断片を製造する他の方策もまた報告されている。Gruberら, J.Immunol. 152:5368 (1994)を参照されたい。
二価より多い抗体も考えられる。例えば、三重特異性抗体を調製することができる。Tuttら J.Immunol. 147:60(1991)。
【0059】
(vii)多価抗体
多価抗体は、抗体が結合する抗原を発現する細胞により、二価抗体よりも早く内部移行(及び/又は異化)されうる。本発明の抗体は、3又はそれ以上の結合部位を有する多価抗体(IgMクラス以外のもの)であり得(例えば四価抗体)、抗体のポリペプチド鎖をコードする核酸の組換え発現により容易に生成することができる。多価抗体は二量化ドメインと3又はそれ以上の抗原結合部位を有する。好ましい二量化ドメインはFc領域又はヒンジ領域を有する(又はそれらからなる)。このシナリオにおいて、抗体はFc領域と、Fc領域のアミノ末端に3又はそれ以上の抗原結合部位を有しているであろう。ここで、好ましい多価抗体は3ないし8、好ましくは4の抗原結合部位を有する(又はそれらからなる)。多価抗体は少なくとも1つのポリペプチド鎖(好ましくは2つのポリペプチド鎖)を有し、ポリペプチド鎖(類)は2又はそれ以上の可変ドメインを有する。例えば、ポリペプチド鎖(類)はVD1-(X1)n-VD2-(X2)n- Fcを有し、ここでVD1は第1の可変ドメインであり、VD2は第2の可変ドメインであり、FcはFc領域のポリペプチド鎖の一つであり、X1及びX2はアミノ酸又はポリペプチドを表し、nは0又は1である。例えば、ポリペプチド鎖(類)は:VH-CH1-柔軟なリンカー-VH-CH1-Fc領域鎖;又はVH-CH1-VH-CH1-Fc領域鎖を有し得る。ここで多価抗体は、好ましくは少なくとも2つ(好ましくは4つ)の軽鎖可変ドメインポリペプチドをさらに有する。ここで多価抗体は、例えば約2〜約8の軽鎖可変ドメインポリペプチドを有する。ここで考察される軽鎖可変ドメインポリペプチドは軽鎖可変ドメインを有し、場合によってはCLドメインをさらに有する。
【0060】
(viii)他のアミノ酸配列の修飾
ここで記載する抗PSCA抗体のアミノ酸配列の修飾を考慮する。例えば、抗体の結合親和性及び/又は他の生物学的特性を改善することが望まれている。抗PSCA抗体のアミノ酸配列変異体は、抗PSCA抗体核酸に適当なヌクレオチド変化を導入することにより、又はペプチド合成により調製される。そのような修飾は、例えば、抗PSCA抗体のアミノ酸配列内の残基の欠失及び/又は挿入及び/又は置換を含む。欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせは、最終構造物に達するまでなされるが、その最終構造物は所望の特徴を有する。また、アミノ酸変化は、グリコシル化部位の数の変化などの、抗PSCA抗体の翻訳後過程を変更しうる。
突然変異誘発の好ましい位置である抗PSCA抗体の或る残基又は領域の同定のために有用な方法は、Cunningham及びWells, Science 244: 1081-1085 (1989)に記載されているように「アラニンスキャンニング突然変異誘発」と呼ばれる。ここで、標的残基の残基又は基が同定され(例えば、arg, asp, his, lys,及びglu等の荷電残基)、中性又は負荷電アミノ酸(最も好ましくはアラニン又はポリペプチドアニリン)に置換され、アミノ酸とPSCA抗原との相互作用に影響を及ぼす。次いで置換に対する機能的感受性を示すこれらのアミノ酸の位置は、置換部位において又はそれに対して更に又は他の置換を導入することにより精密にされる。即ち、アミノ酸配列変異を導入する部位は予め決定されるが、変異自体の性質は予め決める必要はない。例えば、与えられた部位における性能を分析するために、alaスキャンニング又はランダム突然変異誘発を標的コドン又は領域で実施し、発現された抗PSCA抗体変異体を所望の活性についてスクリーニングする。
【0061】
アミノ酸配列挿入は、1残基から100以上の残基を含むポリペプチドの長さの範囲のアミノ-及び/又はカルボキシル末端融合物、並びに一又は複数のアミノ酸残基の配列内挿入物を含む。末端挿入物の例は、N-末端メチオニル残基を持つ抗PSCA抗体又は細胞障害性ポリペプチドに融合した抗体を含む。抗PSCA抗体の他の挿入変異体は、抗体の血清半減期を向上させる酵素(例えばADEPT)又はポリペプチドに、抗PSCA抗体のN-又はC-末端への融合物を含む。
他の型の変異体はアミノ酸置換変異体である。これらの変異体は、抗PSCA抗体分子において少なくとも一つのアミノ酸残基が異なる残基で置換されている。置換突然変異について最も興味深い部位は高頻度可変領域を含むが、FR交互変化も考慮される。保存的置換は、「好ましい置換」と題して表1に示す。これらの置換が生物学的活性の変化をもたらす場合、表1に「例示的置換」と名前を付けた又はアミノ酸の分類を参照して以下に更に記載するような、より実質的な変化を導入し、生成物をスクリーニングしてよい。
【0062】
【0063】
抗体の生物学的活性における実質的な修飾は、(a)置換領域のポリペプチド骨格の構造、例えばシート又は螺旋配置、(b)標的部位の分子の電荷又は疎水性、又は(c)側鎖の嵩を維持しながら、それらの効果において実質的に異なる置換基を選択することにより達成される。天然発生残基は共通の側鎖特性に基づいて群に分けることができる:
(1)疎水性:ノルロイシン, met, ala, val, leu, ile;
(2)中性の親水性:cys, ser, thr;
(3)酸性:asp, glu;
(4)塩基性:asn, gln, his, lys, arg;
(5)鎖配向に影響する残基:gly, pro; 及び
(6)芳香族:trp, tyr, phe。
非保存的置換は、これらの分類の一つのメンバーを他の分類に交換することを必要とするであろう。
抗PSCA抗体の適切な配置の維持に含まれない任意のシステイン残基は、一般的にセリンで置換し、分子の酸化的安定性を向上させて異常な架橋を防止する。逆に、抗体にシステイン結合を付加して、その安定性を向上させてもよい(特に、抗体がFv断片などの抗体断片である場合)。
【0064】
特に好ましい型の置換変異体は、親抗体(例えば、ヒト化又はヒト抗体)の一又は複数の高頻度可変領域残基の置換を含む。一般的に、さらなる発展のために選択され、得られた変異体は、それらが生成された親抗体に比較して向上した生物学的特性を有している。そのような置換変異体を生成する簡便な方法は、ファージディスプレイを使用する親和性突然変異を含む。簡潔に言えば、高頻度可変領域部位(例えば6-7部位)を突然変異させて各部位における全ての可能なアミノ酸置換を生成させる。このように生成された抗体変異体は、繊維状ファージ粒子から、各粒子内に充填されたM13の遺伝子III産物への融合物として表示される。ファージディスプレイ変異体は、次いで、ここに開示されるようなそれらの生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングされる。修飾の候補となる高頻度可変領域部位を同定するために、アラニンスキャンニング突然変異誘発を実施し、抗原結合に有意に寄与する高頻度可変領域残基を同定することができる。あるいは、又はそれに加えて、抗原-抗体複合体の結晶構造を分析して抗体とヒトPSCAとの接点を同定するのが有利である場合もある。このような接触残基及び隣接残基は、ここに述べた技術に従う置換の候補である。そのような変異体が生成されたら、変異体のパネルにここに記載するようなスクリーニングを施し、一又は複数の関連アッセイにおいて優れた特性を持つ抗体を更なる開発のために選択する。
【0065】
抗体のアミノ酸変異の他の型は、抗体の元のグリコシル化パターンを変更する。変更とは、抗体に見られる一又は複数の炭水化物部分の欠失、及び/又は抗体に存在しない一又は複数のグリコシル化部位の付加を意味する。
抗体のグリコシル化は、典型的には、N-結合又はO-結合の何れかである。N-結合とは、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を指す。アスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-スレオニン、ここでXはプロリンを除く任意のアミノ酸であるが、該トリペプチド配列は、アスパラギン側鎖への炭水化物部分の酵素的結合のための認識配列である。したがって、ポリペプチド中にこれらのトリペプチド配列の何れかが存在すると、潜在的なグリコシル化部位が作出される。O-結合グリコシル化は、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリン又はスレオニンに、糖類N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又はキシロースの一つが結合することを称するが、5-ヒドロキシプロリン又は5-ヒドロキシリジンもまた用いられる。
【0066】
抗体へのグリコシル化部位の付加は、アミノ酸配列を、それが一又は複数の上述したトリペプチド配列(N-結合グリコシル化部位のもの)を含むように変化させることによって簡便に達成される。この変化は、元の抗体への一又は複数のセリン又はスレオニン残基の付加、又はこれによる置換によってもなされる(O-結合グリコシル化部位の場合)。
抗PSCA抗体のアミノ酸配列変異体をコードする核酸分子は、この分野で知られた種々の方法によって調製される。これらの方法は、限定するものではないが、天然源からの単離(天然発生アミノ酸配列変異体の場合)又はオリゴヌクレオチド媒介(又は部位指向性)突然変異誘発、PCR突然変異誘発、及びカセット突然変異誘発による初期調製された変異体又は抗PSCA抗体の非変異体の調製を含む。
【0067】
エフェクター機能、例えば抗体の細胞依存性細胞媒介性細胞障害(ADCC)及び/又は補体依存性細胞障害(CDC)を向上させるために、本発明の抗体を修飾することが望ましい。このことは、抗体のFc領域に一又は複数のアミノ酸置換を導入することで達成される。別に、又は付加的にシステイン残基をFc領域に導入し、それにより、この領域に鎖間ジスルフィド結合を形成させるようにしてもよい。そのようにして生成されたホモダイマーは、向上した内部移行能力及び/又は増加した補体媒介性細胞殺傷及び抗体-依存性細胞性細胞障害(ADCC)を有しうる。Caron等, J. Exp. Med. 176: 1191-1195 (1992)及びShopes, B. J. Immunol. 148: 2918-2922 (1992)参照。向上した抗腫瘍活性を持つホモダイマー抗体はまた、Wolff等, Cancer Research 53: 2560-2565 (1993)に記載されたような異種二官能性架橋を用いても調製しうる。あるいは、抗体は、2つのFc領域を有するように加工して、それにより補体溶解及びADCC能力を向上させることもできる。Stevenson等, Anti-Cancer Drug Design 3: 219-230 (1989)参照。
抗体の血清半減期を増大させるために、例えば米国特許第5,739,277号に記載されたようにして、抗体(特に抗体断片)にサルベージレセプター結合エピトープが導入される。ここで使用される場合の「サルベージレセプター結合エピトープ」なる用語は、IgG分子のインヴィボ血清半減期を増加させる原因であるIgG分子(例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4)のFc領域のエピトープを意味する。
【0068】
(ix) 所望の特性を有する抗体のスクリーニング
抗体を生産するための技術は上述している。所望されているような、所定の生物学的特徴を有する抗体がさらに選択される。
本発明の抗PSCA抗体の成長阻害効果は、当該分野において公知の方法、例えば内在的に又はPSCA遺伝子での形質移入に続いてPSCAを発現する細胞を使用して評価することができる。例えば、以下の実施例2で提供されるPSCA-形質移入細胞と腫瘍株化細胞を、種々の濃度で数日間(例えば2-7)、本発明の抗PSCAモノクローナル抗体で処理し、クリスタルバイオレット又はMTTで染色するか、又はいくつかの他の比色アッセイで分析する。増殖度合いを測定するための他の方法は、本発明の抗PSCA抗体の存在下又は非存在下で処理された細胞による3H-チミジンの取込を比較することでなされる。抗体で処理した後、細胞を収集し、DNAに取り込まれた放射性量をシンチレーションカウンターで定量する。適切な正のコントロールには、選択された株化細胞の成長を阻害することが知られている成長阻害抗体で該株化細胞を処理したものが含まれる。インヴィボにおける腫瘍細胞の成長阻害は、以下の実施例(例えば実施例6)に記載したような種々の方法で測定することができる。好ましくは、腫瘍細胞はPSCAを過剰発現するものである。好ましくは、抗PSCA抗体は、抗体濃度が約0.5-30μg/mlである場合に、インヴィトロ又はインヴィボにおいて、未処理の腫瘍細胞と比べて約25-100%、好ましくは約30-100%、さらに好ましくは約50-100%、又は70-100%のPSCA-発現腫瘍細胞の細胞増殖を阻害する。成長阻害度は、細胞培養中、約0.5〜30μg/ml又は約0.5nM〜200nMの抗体濃度で測定することができ、成長阻害度は抗体に腫瘍細胞をさらして1-10日後に測定される。体重当たり約1μg/kg〜約100mg/kgの抗PSCA抗体を投与した結果、最初に抗体を投与して5日〜3ヶ月以内、好ましくは約5〜30日以内に腫瘍の大きさ又は腫瘍細胞の増殖が低減した場合、該抗体はインヴィボにおける成長阻害性である。
【0069】
細胞死を誘発する抗体を選択するために、例えばヨウ化プロピジウム(PI)、トリパンブルー又は7AADの取込みにより示される膜インテグリティの損失度合いをコントロールと比較して評価する。PI取込アッセイは補体及び免疫エフェクター細胞の不在下で行うことができる。PSCA-発現腫瘍細胞を、例えば約10μg/mlの培地単独、又は適切なモノクローナル抗体を含有する培地と共にインキュベートする。細胞を3日間インキュベートする。各処理に続いて、細胞を洗浄し、細胞凝塊除去のために35mmのストレーナキャップ付き12x75チューブ(チューブ当たり1ml、処理グループ当り3チューブ)に等分する。サンプルをFACSCANTMフローサイトメータとFACSCONVERTTMセルクエスト(CellQuest)ソフトウエア(Becton Dickinson)を使用して分析する。PI取込みにより測定されるような、統計的に有意なレベルの細胞死を誘発する抗体が選択される。
関心のある抗体により結合したPSCA上のエピトープに結合する抗体をスクリーニングするため、Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Ed Harlow及びDavid Lane(1988)に記載されているような通常の交差ブロッキングアッセイを実施することができる。このアッセイは試験用抗体が本発明の抗PSCA抗体と同様の部位又はエピトープに結合する場合に使用することができる。別法として、又は付加的に、従来から公知の方法により、エピトープマッピングを実施することもできる。例えば、抗体配列をアラニンスキャンニング等により突然変異させ、接触残基を同定することもできる。最初、変異抗体をポリクローナル抗体との結合性についてテストし、確実に適切に折り畳みさせる。異なる方法では、PSCAの異なる領域に相当するペプチドを、試験用抗体類との、又は特徴付けられているか、既知のエピトープを有する抗体と試験用抗体との、競合アッセイに使用することができる。
【0070】
(x)免疫コンジュゲート
また本発明は、細胞障害剤又は成長阻害剤等の抗ガン剤に結合した抗体を含有する免疫コンジュゲートに関する。
このような免疫コンジュゲートの生成に有用な化学療法剤は上述している。
抗体のコンジュゲートと一又は複数の小分子毒素、例えばカリケアマイシン、メイタンシノイド、トリコセン(trichothene)及びCC1065、及び毒性活性を有するこれらの毒素の誘導体が、ここで考察される。
【0071】
A.メイタンシン及びメイタンシノイド
好ましい一実施態様では、本発明の抗PSCA抗体(全長又は断片)は一又は複数のメイタンシノイド分子と結合している。
メイタンシノイドは、チューブリン重合を阻害するように作用する分裂阻害剤である。メイタンシンは、最初、東アフリカシラブMaytenus serrataから単離されたものである(米国特許第3,896,111号)。その後、ある種の微生物がメイタンシノイド類、例えばメイタンシノール及びC-3メイタンシノールエステルを生成することが発見された(米国特許第4,151,042号)。合成メイタンシノール及びその誘導体及び類似体は、例えば米国特許第4,137,230号;同4,248,870号;同4,256,746号;同4,260,608号;同4,265,814号;同4,294,757号;同4,307,016号;同4,308,268号;同4,308,269号;同4,309,428号;同4,313,946号;同4,315,929号;同4,317,821号;同4,322,348号;同4,331,598号;同4,361,650号;同4,364,866号;同4,424,219号;同4,450,254号;同4,362,663号;及び同4,371,533号に開示されており、その開示は出典を明示してここに取り込まれる。
【0072】
B.メイタンシノイド-抗体コンジュゲート
治療指標を改善する試みにおいて、メイタンシン及びメイタンシノイドは、腫瘍細胞抗原に特異的に結合する抗体と結合している。メイタンシノイドを含有する免疫コンジュゲート及びそれらの治療用途は、例えば米国特許第5,208,020号、同5,416,064号、欧州特許第0425235B1号に開示されており、その開示は出典を明示してここに取り込まれる。Liuら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:8618-8623(1996)には、ヒト結腸直腸ガンに対するモノクローナル抗体C242に結合するDM1と命名されたメイタンシノイドを含有する免疫コンジュゲートが記載されている。前記コンジュゲートは培養された結腸ガン細胞に対して高い細胞障害性を有することが見出されており、インヴィボ腫瘍成長アッセイにおいて抗腫瘍活性を示す。Chariら, Cancer Research, 52:127-131(1992)には、メイタンシノイドが、ジスルフィド結合を介して、ヒト結腸ガン株化細胞の抗原に結合するマウス抗体A7、又はHER-2/neuオンコジーンに結合する他のマウスモノクローナル抗体TAに結合している免疫コンジュゲートが記載されている。TA.1-メイタンシノイドコンジュゲートの細胞障害性はヒト乳ガン株化細胞SK-BR-3におけるインヴィトロで試験され、細胞当たり3x105HER-2表面抗原が発現した。薬剤コンジュゲートにより、遊離のメイタンシノイド剤に類似した細胞障害度が達成され、該細胞障害度は、抗体分子当たりのメイタンシノイド分子の数を増加させることにより増加する。A7-メイタンシノイドコンジュゲートはマウスにおいては低い全身性細胞障害性を示した。
【0073】
C.抗PSCA抗体-メイタンシノイドコンジュゲート(免疫コンジュゲート)
抗PSCA抗体-メイタンシノイドコンジュゲートは、抗体又はメイタンシノイド分子のいずれの生物学的活性もほとんど低減することなく、メイタンシノイド分子に抗PSCA抗体を化学的に結合させることにより調製される。1分子の毒素/抗体は、裸抗体の使用において細胞障害性を高めることが予期されているが、抗体分子当たり、平均3-4のメイタンシノイド分子が結合したものは、抗体の機能又は溶解性に悪影響を与えることなく、標的細胞に対する細胞障害性を向上させるといった効力を示す。メイタンシノイドは当該技術分野でよく知られており、公知の技術で合成することも、天然源から単離することもできる。適切なメイタンシノイドは、例えば米国特許第5,208,020号、及び他の特許、及び上述した特許ではない刊行物に開示されている。好ましいメイタンシノイドは、メイタンシノール、及び種々のメイタンシノールエステル等の、メイタンシノール分子の芳香環又は他の位置が修飾されたメイタンシノール類似体である。
例えば、米国特許第5,208,020号又は欧州特許第0425235B1号、及びChariら, Cancer Research, 52:127-131(1992)に開示されているもの等を含む、抗体-メイタンシノイドコンジュゲートを作製するために、当該技術で公知の多くの結合基がある。結合基には、上述した特許に開示されているようなジスルフィド基、チオエーテル基、酸不安定性基、光不安定性基、ペプチターゼ不安定性基、又はエステラーゼ不安定性基が含まれるが、ジスルフィド及びチオエーテル基が好ましい。
【0074】
抗体とメイタンシノイドとのコンジュゲートは、種々の二官能性タンパク質カップリング剤、例えばN-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオナート(SPDP)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシラート、イミノチオラン(IT)、イミドエステル類の二官能性誘導体(例えばジメチルアジピミダートHCL)、活性エステル類(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル)、アルデヒド類(例えば、グルタルアルデヒド)、ビスアジド化合物(例えば、ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス-ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えば、トリエン-2,6-ジイソシアネート)、及び二活性フッ素化合物(例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン)を使用して作製することができる。特に好ましいカップリング剤には、及びジスルフィド結合により提供されるN-スクシンイミジル-4-(2-ピリジルチオ)プロピオナート(SPP)及びN-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオナート(SPDP)(Carlssonら, Biochem. J. 173:723-737[1978])が含まれる。例えば以下の実施例7を参照のこと。
リンカーは結合の種類に応じて、種々の位置でメイタンシノイド分子に結合し得る。例えば、従来からのカップリング技術を使用してヒドロキシル基と反応させることによりエステルリンカーを形成することができる。反応はヒドロキシル基を有するC-3位、ヒドロキシメチルで修飾されたC-14、ヒドロキシル基で修飾されたC-15位、及びヒドロキシル基を有するC-20位で生じる。好ましい実施態様において、結合はメイタンシノール又はメイタンシノールの類似体のC-3位で形成される。
【0075】
カリケアマイシン
関心ある他の免疫コンジュゲートには、一又は複数のカリケアマイシン分子と結合した抗PSCA抗体が含まれる。抗生物質のカリケアマイシンファミリーはサブ-ピコモルの濃度で二重ストランドDNA破壊を生じることができる。カリケアマイシンファミリーのコンジュゲートの調製については、米国特許第5,712,374号、同5,714,586号、同5,739,116号、同5,767,285号、同5,770,701号、同5,770,710号、同5,773,001号、同5,877,296号(全て、American Cyanamid Company)を参照のこと。使用可能なカリケアマイシンの構造類似体には、限定するものではないが、γ1 I、α2 I、α3 I、N-アセチル-γ1 I、PSAG及びθ1 I(Hinmanら, Cancer Research, 53:3336-3342(1993)、Lodeら. Cancer Research, 58:2925-2928(1998)及び上述したAmerican Cyanamidの米国特許)が含まれる。抗体が結合可能な他の抗腫瘍剤は、葉酸代謝拮抗薬であるQFAである。カリケアマイシン及びQFAは双方とも、細胞内に作用部位を有し、原形質膜を容易に通過しない。よって抗体媒介性内部移行によるこれらの薬剤の細胞への取込により、細胞障害効果が大きく向上する。
【0076】
他の細胞障害剤
本発明の抗PSCA抗体と結合可能な他の抗腫瘍剤には、BCNU、ストレプトゾイシン、ビンクリスチン及び5-フルオロウラシル、米国特許第5,053,394号、同5,770,710号に記載されており、集合的にLL-E33288複合体として公知の薬剤のファミリー、並びにエスペラマイシン(esperamicine)(米国特許第5,877,296号)が含まれる。
使用可能な酵素活性毒及びその断片には、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合性活性断片、外毒素A鎖(シュードモナス・アエルギノーサ(Pseudomonas aeruginosa))、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシン(modeccin)A鎖、アルファ-サルシン(sarcin)、アレウライツ・フォルディイ(Aleurites fordii)プロテイン、ジアンシン(dianthin)プロテイン、フィトラッカ・アメリカーナ(Phytolaca americana)プロテイン(PAPI、PAPII及びPAP-S)、モモルディカ・キャランティア(momordica charantia)インヒビター、クルシン(curcin)、クロチン、サパオナリア(sapaonaria)オフィシナリスインヒビター、ゲロニン(gelonin)、マイトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン、エノマイシン及びトリコセセンス(tricothecenes)が含まれる。例えば、1993年10月28日公開の国際公開第93/21232号を参照のこと。
本発明は、抗体と核分解活性(nucleolytic activity)を有する化合物(例えばリボヌクレアーゼ又はDNAエンドヌクレアーゼ、例えばデオキシリボヌクレアーゼ;DNアーゼ)との間に形成される免疫コンジュゲートをさらに考察する。
【0077】
腫瘍を選択的に破壊するため、抗体は高い放射性を有する原子を含有してよい。免疫コンジュゲートした抗PSCA抗体を生成するために、種々の放射性同位体が利用される。例には、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212及びLuの放射性同位体が含まれる。コンジュゲートが診断用に使用される場合、それはシンチグラフィー研究用の放射性原子、例えばtc99m又はI123、又は核磁気共鳴(NMR)映像(磁気共鳴映像、mriとしても公知)用のスピン標識、例えばヨウ素-123、ヨウ素-131、インジウム-111、フッ素-19、炭素-13、窒素-15、酸素-17、ガドリニウム、マグネシウム又は鉄を含有し得る。
放射-又は他の標識が、公知の方法でコンジュゲートに導入される。例えば、ペプチドは生物合成されるか、又は水素の代わりにフッ素-19を含む適切なアミノ酸前駆体を使用する化学的なアミノ酸合成により合成される。標識、例えばtc99m又はI123、Re186、Re188及びIn111は、ペプチドのシステイン残基を介して結合可能である。イットリウム-90はリジン残基を介して結合可能である。IODOGEN法(Frakerら(1978) Biochem. Biophys. Res. Commun. 80:49-57)は、ヨウ素-123の導入に使用することができる。他の方法の詳細は、「Monoclonal Antibodies in Immunoscintigraphy」(Chatal, CRC Press 1989)に記載されている。
【0078】
抗体と細胞障害剤のコンジュゲートは、種々の二官能性タンパク質カップリング剤、例えばN-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオナート(SPDP)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシラート、イミノチオラン(IT)、イミドエステル類の二官能性誘導体(例えばジメチルアジピミダートHCL)、活性エステル類(例えば、スベリン酸ジスクシンイミジル)、アルデヒド類(例えば、グルタルアルデヒド)、ビスアジド化合物(例えば、ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス-ジアゾニウム誘導体(例えば、ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)エチレンジアミン)、ジイソシアネート(例えば、トリエン-2,6-ジイソシアネート)、及び二活性フッ素化合物(例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン)を使用して作製することができる。例えば、リシン免疫毒素は、Vitettaら, Science 238:1098(1987)に記載されているようにして調製することができる。炭素-14標識1-イソチオシアナトベンジル-3-メチルジエチレン-トリアミン五酢酸(MX-DTPA)が抗体に放射性ヌクレオチドをコンジュゲートするためのキレート剤の例である。国際公開第94/11026号を参照されたい。リンカーは細胞中の細胞障害剤の放出を容易にするための「切断可能リンカー」であってよい。例えば、酸不安定性リンカー、ペプチターゼ過敏性リンカー、光不安定性リンカー、ジメチルリンカー又はジスルフィド含有リンカーが使用され得る(Chariら, Cancer Research, 52:127-131(1992);米国特許第5,208,020号)。
別法として、抗PSCA抗体及び細胞障害剤を含有する融合タンパク質は、例えば組換え技術又はペプチド合成により作製される。DNAの長さは、コンジュゲートの所望する特性を破壊しないリンカーペプチドをコードする領域により離間しているか、又は互いに隣接しているコンジュゲートの2つの部分をコードする領域をそれぞれ含有する。
他の実施態様において、腫瘍の事前ターゲティングに利用するために、「レセプター」(例えばストレプトアビジン)に抗体をコンジュゲートし、ここで抗体-レセプターコンジュゲートを患者に投与し、続いてキレート剤を使用し、循環から未結合コンジュゲートを除去し、細胞障害剤(例えば放射性ヌクレオチド)にコンジュゲートする「リガンド」(例えばアビジン)を投与する。
【0079】
(xi) 抗体依存性酵素媒介性プロドラッグ治療法(ADEPT)
また、本発明の抗体は、プロドラッグ(例えばペプチジル化学療法剤、国際公開第81/01145号を参照)を活性な抗ガン剤に転化させるプロドラッグ活性化酵素に抗体をコンジュゲートさせることにより、ADEPTにおいて使用することができる。例えば国際公開第88/07378及び米国特許第4,975,278号を参照されたい。
ADEPTに有用な免疫コンジュゲートの酵素成分には、より活性な細胞毒形態に転化するように、プロドラッグに作用し得る任意の酵素が含まれる。
限定するものではないが、この発明の方法に有用な酵素には、ホスファート含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なアルカリ性ホスファターゼ;スルファート含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なアリールスルファターゼ;非毒性5-フルオロシトシンを抗ガン剤5-フルオロウラシルに転化するのに有用なシトシンデアミナーゼ;プロテアーゼ、例えばセラチアプロテアーゼ、サーモリシン、サブチリシン、カルボキシペプチダーゼ及びカテプシン(例えば、カテプシンB及びL)で、ペプチド含有プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なもの;D-アミノ酸置換基を含有するプロドラッグの転化に有用なD-アラニルカルボキシペプチダーゼ;炭水化物切断酵素、例えばグリコシル化プロドラッグを遊離の薬剤に転化するのに有用なノイラミニダーゼ及びβガラクトシダーゼ;βラクタムで誘導体化された薬剤を遊離の薬剤に転化させるのに有用なβラクタマーゼ;及びペニシリンアミダーゼ、例えばそれぞれフェノキシアセチル又はフェニルアセチル基で、それらのアミン性窒素において誘導体化された薬剤を遊離の薬剤に転化するのに有用なペニシリンVアミダーゼ又はペニシリンGアミダーゼが含まれる。あるいは、「アブザイム」としてもまた公知の酵素活性を有する抗体を、遊離の活性薬剤に本発明のプロドラッグを転化させるために使用することもできる(例えば、Massey, Nature 328:457-458(1987)を参照)。抗体-アブザイムコンジュゲートは、ここで記載されているようにして、腫瘍細胞個体群にアブザイムを送達するために調製することができる。
この発明の酵素は、当該分野においてよく知られている技術、例えば上で検討したヘテロ二官能性架橋試薬を使用することにより、抗PSCA抗体に共有的に結合させることができる。あるいは、本発明の抗体の少なくとも抗原結合領域を本発明の酵素の少なくとも機能的に活性な部位に結合せしめてなる融合タンパク質を、当該技術においてよく知られている組換えDNA技術を使用して作成することができる(Neubergerら, Nature 312:604-608(1984))。
【0080】
(xii)他の抗体の修飾
抗体の他の修飾をここで考察する。例えば、抗体は種々の非タンパク質様ポリマー、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン、又はポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのコポリマーに結合してもよい。また抗体は、例えばコロイド状薬剤送達系(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフィア、マイクロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)、又はマクロエマルションにおいて、例えばコアセルベーション技術又は界面重合により調製されたマイクロカプセル(例えばヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン-マイクロカプセル及びポリ-(メチルメタクリラート)マイクロカプセル)に捕捉されている。このような技術はRemington's Pharmaceutical Sciences, 16th edition, Osal A.編 (1980)に開示されている。
また、ここに開示する抗PSCA抗体は、免疫リポソームとして調製されてもよい。「リポソーム」は哺乳動物への薬剤の送達に有用な、種々の種類の脂質、リン脂質及び/又は界面活性剤からなる小胞体である。リポソームの成分は、通常、生物膜の脂質配置に似た2層構造に配されている。抗体を含有するリポソームは、Epstein等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 82: 3688 (1985); Hwang等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77: 4030 (1980); 及び米国特許第4,485,045号及び第4,544,545号;及び1997年10月23日に公開された国際公開第97/38731号に記載されたような、この分野で知られた方法で調製される。向上した循環時間を持つリポソームは、米国特許第5,013,556号に開示されている。
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール及びPEG-誘導ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物での逆相蒸発法によって生成される。リポソームは、所定サイズのフィルターを通して押し出され、所望の径を有するリポソームが生成される。本発明の抗体のFab’断片は、Martin等, J. Biol. Chem. 257: 286-288 (1982)に記載されているように、ジスルフィド交換反応を介してリポソームにコンジュゲートされ得る。化学療法剤は、場合によってはリポソーム内に包含される。Gabizon等, J. National Cancer Inst. 81(19) 1484 (1989)参照。
【0081】
IV.ベクター、宿主細胞及び組換え方法
本発明はまた、ヒト化抗PSCA抗体をコードしている単離された核酸、該核酸を含むベクター及び宿主細胞、及び抗体の生産に対する組換え方法を提供する。
抗体の組換え生産のために、それをコードする核酸が単離され、さらなるクローニング(DNAの増幅)又は発現のために、複製可能なベクター内に挿入される。モノクローナル抗体をコードするDNAは直ぐに単離され、従来からの手法(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合可能なオリゴヌクレオチドプローブを使用するもの)を用いて配列決定される。多くのベクターが公的に入手可能である。ベクター成分としては、一般に、これらに制限されるものではないが、次のものの一又は複数が含まれる:シグナル配列、複製開始点、一又は複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列である。
【0082】
(i)シグナル配列成分
本発明の抗PSCA抗体は直接的に組換え手法によって生産されるだけではなく、シグナル配列あるいは成熟タンパク質あるいはポリペプチドのN末端に特異的切断部位を有する他のポリペプチドとの融合ペプチドとしても生産される。好ましく選択された異種シグナル配列は宿主細胞によって認識されプロセシングされる(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断される)ものである。天然抗PSCA抗体シグナル配列を認識せずプロセシングしない原核生物宿主細胞に対しては、シグナル配列は、例えばアルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lppあるいは熱安定なエンテロトキシンIIリーダーの群から選択される原核生物シグナル配列により置換される。酵母の分泌に関しては、天然シグナル配列は、酵母インベルターゼリーダー、アルファ因子リーダー(酵母菌属(Saccharomyces)及びクルイベロマイシス(Kluyveromyces)α因子リーダーを含む)、又は酸ホスフォターゼリーダー、白体(C.albicans)グルコアミラーゼリーダー、又は国際特許出願第90/13646号に記載されているシグナルにより置換されうる。哺乳動物細胞の発現においては、哺乳動物のシグナル配列並びにウイルス分泌リーダー、例えば単純ヘルペスgDシグナルが利用できる。
このような前駆体領域のDNAは、抗PSCA抗体をコードするDNAにリーディングフレームが結合される。
【0083】
(ii)複製開始点
発現及びクローニングベクターは共に一又は複数の選択された宿主細胞においてベクターの複製を可能にする核酸配列を含む。一般に、この配列はクローニングベクターにおいて、宿主染色体DNAとは独立にベクターが複製することを可能にするものであり、複製開始点又は自律的複製配列を含む。そのような配列は多くの細菌、酵母及びウイルスに対してよく知られている。プラスミドpBR322に由来する複製開始点は大部分のグラム陰性細菌に好適であり、2μプラスミド開始点は酵母に適しており、様々なウイルス開始点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VSV又はBPV)は哺乳動物細胞におけるクローニングベクターに有用である。一般には、哺乳動物の発現ベクターには複製開始点成分は不要である(SV40開始点が典型的には初期プロモーターを有しているため用いられる)。
【0084】
(iii)選択遺伝子成分
発現及びクローニングベクターは、典型的には、選択可能なマーカーとも称される選択遺伝子を含む。典型的な選択遺伝子は、(a)アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセートあるいはテトラサイクリンのような抗生物質あるいは他の毒素に耐性を与え、(b)栄養要求性欠陥を補い、(c)例えばバシリに対する遺伝子コードD-アラニンラセマーゼのような、複合培地から得られない重要な栄養素を供給する、タンパク質をコードする。
選択技術の一例においては、宿主細胞の成長を抑止する薬物が用いられる。異種性遺伝子で首尾よく形質転換した細胞は、抗薬物性を付与し、選択工程を生存するタンパク質を生産する。このような優性選択の例としては、薬物ネオマイシン、ミコフェノール酸又はハイグロマイシンが使用される。
哺乳動物細胞に適切な選択可能なマーカーの他の例は、抗PSCA抗体核酸を捕捉することのできる細胞成分を同定することのできるもの、例えばDHFR、チミジンキナーゼ、メタロチオネインI及びII、好ましくは、霊長類メタロチオネイン遺伝子、アデノシンデアミナーゼ、オルニチンデカルボキシラーゼ等々である。
例えば、DHFR選択遺伝子によって形質転換された細胞は、先ず、DHFRの競合的アンタゴニストであるメトトリキセート(Mtx)を含む培地において形質転換物の全てを培養することで同定される。野生型DHFRを用いた場合の好適な宿主細胞は、DHFR活性に欠陥のあるチャイニーズハムスター卵巣(CHO)株化細胞である(例えば、ATCC CRL-9096)。
【0085】
あるいは、抗PSCA抗体をコードするDNA配列、野生型DHFRタンパク質、及びアミノグリコシド3'-ホスホトランスフェラーゼ(APH)のような他の選択可能なマーカーで形質転換あるいは同時形質転換した宿主細胞(特に、内在性DHFRを含む野生型宿主)は、カナマイシン、ネオマイシンあるいはG418のようなアミノグリコシド抗生物質のような選択可能なマーカーの選択剤を含む培地における細胞増殖により選択することができる。米国特許第4,965,199号を参照。
酵母中での使用に好適な選択遺伝子は酵母プラスミドYRp7に存在するtrp1遺伝子である(Stinchcomb等, Nature, 282:39(1979))。trp1遺伝子は、例えば、ATCC第44076号あるいはPEP4-1のようなトリプトファン内で成長する能力に欠ける酵母の突然変異株に対する選択マーカーを提供する。Jones, Genetics, 85:12 (1977)。酵母宿主細胞ゲノムにtrp1破壊が存在することは、トリプトファンの不存在下における成長による形質転換を検出するための有効な環境を提供する。同様に、Leu2欠陥酵母株(ATCC 20,622あるいは 38,626)は、Leu2遺伝子を有する既知のプラスミドによって補完される。
さらに、1.6μmの円形プラスミドpKD1由来のベクターは、クルイヴェロマイシス(Kluyveromyces)酵母の形質転換に用いることができる。あるいは、組換え子ウシのキモシンの大量生産のための発現系がK.ラクティス(lactis)に対して報告されている。Van den Berg, Bio/Technology, 8:135 (1990)。クルイヴェロマイシスの工業的な菌株からの、組換えによる成熟したヒト血清アルブミンを分泌する安定した複数コピー発現ベクターも開示されている。Fleer 等, Bio/Technology,9:968-975 (1991)。
【0086】
(iv)プロモーター成分
発現及びクローニングベクターは、通常、宿主生物体により認識され、抗PSCA抗体核酸に作用可能に結合するプロモーターを含む。原核生物宿主での使用に好適なプロモーターは、phoAプロモーター、βラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系、アルカリホスファターゼプロモーター、トリプトファン(trp)プロモーター系、及びハイブリッドプロモーター、例えばtacプロモーターを含む。しかし、他の既知の細菌プロモーターも好適である。細菌系で使用するプロモータもまた抗PSCA抗体をコードするDNAと作用可能に結合したシャイン・ダルガーノ(S.D.)配列を有する。
真核生物に対してもプロモーター配列が知られている。実質的に全ての真核生物の遺伝子は、転写開始部位からおよそ25ないし30塩基上流に見出されるAT富化領域を有する。多数の遺伝子の転写開始位置から70ないし80塩基上流に見出される他の配列は、Nが任意のヌクレオチドであるCNCAAT領域である。大部分の真核生物遺伝子の3'末端には、コード配列の3'末端へのポリA尾部の付加に対するシグナルであるAATAAA配列がある。これらの配列は全て真核生物の発現ベクターに適切に挿入される。
酵母宿主と共に用いて好適なプロモーター配列の例としては、3-ホスホグリセラートキナーゼ又は他の糖分解酵素、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセレートムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオセリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼが含まれる。
【0087】
他の酵母プロモーターとしては、成長条件によって転写が制御される付加的効果を有する誘発的プロモーターであり、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロムC、酸ホスファターゼ、窒素代謝と関連する分解性酵素、メタロチオネイン、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、及びマルトース及びガラクトースの利用を支配する酵素のプロモーター領域がある。酵母の発現に好適に用いられるベクターとプロモータはEP 73657に更に記載されている。また酵母エンハンサーも酵母プロモーターと共に好適に用いられる。
哺乳動物の宿主細胞におけるベクターからの抗PSCA抗体転写は、例えば、ポリオーマウィルス、伝染性上皮腫ウィルス、アデノウィルス(例えばアデノウィルス2)、ウシ乳頭腫ウィルス、トリ肉腫ウィルス、サイトメガロウィルス、レトロウィルス、B型肝炎ウィルス及び最も好ましくはサルウィルス40(SV40)のようなウィルスのゲノムから得られるプロモーター、異種性哺乳動物プロモーター、例えばアクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーター、熱衝撃プロモーターにより調節され、このようなプロモーターが宿主細胞系に適合し得る限り、調節される。
SV40ウィルスの初期及び後期プロモーターは、SV40ウイルスの複製開始点をさらに含むSV40制限断片として簡便に得られる。ヒトサイトメガロウィルスの最初期プロモーターは、HindIIIE制限断片として簡便に得られる。ベクターとしてウシ乳頭腫ウィルスを用いて哺乳動物宿主でDNAを発現する系が、米国特許第4,419,446号に開示されている。この系の変更例は米国特許第4,601,978号に開示されている。また、単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼプロモーターの調節下でのマウス細胞におけるヒトβインターフェロンcDNAの発現について、Reyes等, Nature, 297:598-601(1982)を参照されたい。あるいは、ラウス肉腫ウィルス長末端反復をプロモーターとして使用することができる。
【0088】
(v)エンハンサーエレメント成分
より高等の真核生物による本発明の抗PSCA抗体をコードしているDNAの転写は、ベクター中にエンハンサー配列を挿入することによって増強され得る。哺乳動物の遺伝子由来の多くのエンハンサー配列が現在知られている(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン及びインスリン)。しかしながら、典型的には、真核細胞ウィルス由来のエンハンサーが用いられるであろう。例としては、複製開始点の後期側のSV40エンハンサー(100-270塩基対)、サイトメガロウィルス初期プロモーターエンハンサー、複製開始点の後期側のポリオーマエンハンサー及びアデノウィルスエンハンサーが含まれる。真核生物のプロモーターの活性化のための増強要素については、Yaniv, Nature, 297:17-18 (1982)もまた参照のこと。エンハンサーは、抗PSCA抗体コード配列の5'又は3'位でベクター中にスプライシングされ得るが、好ましくはプロモーターから5'位に位置している。
【0089】
(vi)転写終結成分
真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、又は他の多細胞生物由来の有核細胞)に用いられる発現ベクターは、また転写の終結及びmRNAの安定化に必要な配列を含む。このような配列は、真核生物又はウィルスのDNA又はcDNAの5'、時には3'の非翻訳領域から一般に取得できる。これらの領域は、抗PSCA抗体をコードしているmRNAの非翻訳部分にポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含む。一つの有用な転写終結成分はウシ成長ホルモンポリアデニル化領域である。国際公開第94/11026号とここに開示した発現ベクターを参照されたい。
【0090】
(vii)宿主細胞の選択及び形質転換
ここに記載のベクターにDNAをクローニングあるいは発現するために適切な宿主細胞は、上述の原核生物、酵母、又は高等真核生物細胞である。この目的にとって適切な原核生物は、真正細菌、例えばグラム陰性又はグラム陽性生物体、例えばエシェリチアのような腸内菌科、例えば大腸菌、エンテロバクター、エルウィニア(Erwinia)、クレブシエラ、プロテウス、サルモネラ、例えばネズミチフス菌、セラチア属、例えばセラチア・マルセスキャンス及び赤痢菌属、並びに桿菌、例えば枯草菌及びバシリ・リチェフォルミス(licheniformis)(例えば、1989年4月12日に公開された DD 266,710に開示されたバシリ・リチェニフォルミス41P)、シュードモナス属、例えば緑膿菌及びストレプトマイセス属を含む。一つの好適な大腸菌クローニング宿主は大腸菌294(ATCC31446)であるが、他の大腸菌B、大腸菌X1776(ATCC31537)及び大腸菌W3110(ATCC27325)のような株も好適である。これらの例は限定するものではなく例示的なものである。
全長抗体、抗体断片及び抗体融合タンパク質は、特にグルコシル化及びFcエフェクター機能が必要とされない場合、例えば治療用抗体が、それ自体で腫瘍細胞破壊における有効性を示すことにより、免疫コンジュゲート及び細胞障害剤(例えば毒素)に結合する場合に、細菌内で生成させることができる。全長抗体は循環においてより長い半減期を有する。大腸菌における生成は、より早くコスト的にも有効である。細菌における抗体断片及びポリペプチドの発現については、例えば翻訳開始領域(TIR)、及び発現及び分泌の最適化のためのシグナル配列について記載した米国特許第5,648,237号(Carterら)、米国特許第5,789,199号(Jolyら)及び米国特許第5,840,523号(Simmonsら)が参照され、これらの特許は出典を明示してここに取り込まれる。発現後、抗体を可溶性フラクションにおいて大腸菌の細胞ペレットから単離し、アイソタイプに応じて、例えばプロテインA又はGカラムを通して精製できる。最終精製は、例えばCHO細胞で発現した抗体の精製と類似したプロセスで実施することができる。
【0091】
原核生物に加えて、糸状菌又は酵母菌のような真核微生物は、抗PSCA抗体をコードするベクターのための適切なクローニング又は発現宿主である。サッカロミセス・セレヴィシア、又は一般的なパン酵母は下等真核生物宿主微生物のなかで最も一般的に用いられる。しかしながら、多数の他の属、種及び菌株も、一般的に入手可能でここで使用でき、例えば、シゾサッカロマイセスポンベ;クルイベロマイセス宿主、例えばK.ラクティス、K.フラギリス(ATCC12424)、K.ブルガリカス(ATCC16045)、K.ウィッケラミイ(ATCC24178)、K.ワルチイ(ATCC56500)、K.ドロソフィラルム(ATCC36906)、K.サーモトレランス、及びK.マルキシアナス;ヤローウィア(EP402226);ピチアパストリス(EP183070);カンジダ;トリコデルマ・リーシア(EP244234);アカパンカビ;シュワニオマイセス、例えばシュワニオマイセスオクシデンタリス;及び糸状真菌、例えばパンカビ属、アオカビ属、トリポクラジウム、及びコウジカビ属宿主、例えば偽巣性コウジ菌及びクロカビが使用できる。
グリコシル化抗PSCA抗体の発現に適切な宿主細胞は、多細胞生物から誘導される。無脊椎動物細胞の例としては植物及び昆虫細胞が含まれる。多数のバキュロウィルス株及び変異体及び対応する許容可能な昆虫宿主細胞、例えばスポドプテラ・フルギペルダ(毛虫)、アエデス・アエジプティ(蚊)、アエデス・アルボピクトゥス(蚊)、ドゥロソフィラ・メラノガスター(ショウジョウバエ)、及びボンビクス・モリが同定されている。トランスフェクションのための種々のウィルス株、例えば、オートグラファ・カリフォルニカNPVのL-1変異体とボンビクス・モリ NPVのBm-5株が公に利用でき、そのようなウィルスは本発明においてここに記載したウィルスとして使用でき、特にスポドプテラ・フルギペルダ細胞の形質転換に使用できる。
綿花、コーン、ジャガイモ、大豆、ペチュニア、トマト、及びタバコのような植物細胞培養を宿主として利用することができる。
【0092】
しかしながら、脊椎動物細胞におけるものが最も興味深く、培養(組織培養)中での脊椎動物細胞の増殖は常套的な手順になった。有用な哺乳動物宿主株化細胞の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株 (COS-7, ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓株(293又は懸濁培養での増殖のためにサブクローン化された293細胞、Grahamほか, J. Gen Virol., 36:59 (1977));ハムスター乳児腎細胞(BHK, ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO, Urlaub及びChasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980));マウスのセルトリ細胞(TM4, Mather, Biol. Reprod., 23:243-251 (1980));サルの腎細胞 (CVI ATCC CCL 70); アフリカミドリザルの腎細胞(VERO-76, ATCC CRL-1587); ヒト子宮頸ガン細胞 (HELA, ATCC CCL 2); イヌ腎細胞 (MDCK, ATCC CCL 34); バッファローラット肝細胞 (BRL 3A, ATCC CRL 1442); ヒト肺細胞 (W138, ATCC CCL 75); ヒト肝細胞 (Hep G2, HB 8065); マウス乳房腫瘍細胞 (MMT 060562, ATTC CCL51);TRI細胞(Matherほか, Annals N.Y. Acad. Sci., 383:44-68 (1982));MRC5細胞;FS4細胞;及びヒト肝ガン株(HepG2)である。
宿主細胞は、抗PSCA抗体生成のための上述した発現又はクローニングベクターで形質転換し、プロモーターを誘導し、形質転換体を選択し、又は所望の配列をコードしている遺伝子を増幅するために適当に修飾された従来からの栄養培地で培養する。
【0093】
(viii)宿主細胞の培養
本発明の抗PSCA抗体を生成するために用いられる宿主細胞は種々の培地において培養することができる。市販培地の例としては、ハム(Ham)のF10(シグマ)、最小必須培地((MEM),シグマ)、RPMI-1640(シグマ)及びダルベッコの改良イーグル培地((DMEM),シグマ)が宿主細胞の培養に好適である。また、Ham等, Meth. Enz. 58:44 (1979), Barnes等, Anal. Biochem. 102:255 (1980), 米国特許第4,767,704号;同4,657,866号;同4,927,762号;4,560,655号;又は同5,122,469号;国際公開第90/03430号;国際公開WO第87/00195号;又は米国特許再発行第30,985号に記載された任意の培地も宿主細胞に対する培養培地として使用できる。これらの培地はいずれも、ホルモン及び/又は他の成長因子(例えばインスリン、トランスフェリン、又は表皮成長因子)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム及びリン酸塩)、バッファー(例えばHEPES)、ヌクレオシド(例えばアデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えば、商品名ゲンタマイシン薬)、微量元素(最終濃度がマイクロモル範囲で通常存在する無機化合物として定義される)及びグルコース又は同等のエネルギー源を必要に応じて補充することができる。任意の他の必要な補充物質もまた当業者に知られている適当な濃度で含むことができる。培養条件、例えば温度、pH等々は、発現のために選ばれた宿主細胞について以前から用いられているものであり、当業者には明らかであろう。
【0094】
(ix)抗PSCA抗体の精製
組換え技術を用いる場合、抗体は細胞内、細胞膜周辺腔に生成され、又は媒質内に直接分泌される。抗体が細胞内に生成された場合、第1の工程として、粒子状の細片、宿主細胞又は溶解された断片のいずれかが、例えば遠心分離又は限外濾過によって除去される。Carter等, Bio/Technology 10: 163-167 (1992)は、大腸菌の細胞膜周辺腔に分泌された抗体の単離方法を記載している。簡単には、細胞ペーストを、酢酸ナトリウム(pH3.5)、EDTA、及びフェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)の存在下で約30分間解凍する。細胞細片は遠心分離で除去できる。抗体が媒質に分泌された場合、そのような発現系からの上清は、一般的には第1に市販のタンパク質濃縮フィルター、例えばAmicon又はMillipore Pelliconの限外濾過ユニットを用いて濃縮する。PMSFなどのプロテアーゼ阻害剤を上記の任意の工程に含めてタンパク質分解を阻害してもよく、抗生物質を含めて外来性の汚染物の成長を防止してもよい。
【0095】
細胞から調製した抗体組成物は、例えば、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及びアフィニティクロマトグラフィを用いて精製でき、アフィニティクロマトグラフィが好ましい精製技術である。アフィニティリガンドとしてのプロテインAの適合性は、抗体に存在する免疫グロブリンFcドメインの種及びアイソタイプに依存する。プロテインAは、ヒトγ1、γ2、又はγ4重鎖に基づく抗体の精製に用いることができる(Lindmark等, J. immunol. Meth. 62: 1-13 (1983))。プロテインGは、全てのマウスアイソタイプ及びヒトγ3に推奨されている(Guss等, EMBO J. 5: 1567-1575 (1986))。アフィニティリガンドが結合されるマトリクスはアガロースであることが最も多いが、他のマトリクスも使用可能である。孔制御ガラスやポリ(スチレンジビニル)ベンゼン等の機械的に安定なマトリクスは、アガロースで達成できるものより早い流速及び短い処理時間を可能にする。抗体がCH3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX(商品名)樹脂(J.T. Baker, Phillipsburg, NJ)が精製に有用である。イオン交換膜での分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上のクロマトグラフィー、アニオン又はカチオン交換樹脂(ポリアスパラギン酸カラム)上でのヘパリンSEPHAROSE(商品名)クロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、及び硫酸アンモニウム沈殿も、回収される抗体に応じて利用可能である。
任意の予備精製工程に続いて、関心ある抗体と汚染物とを含む混合物に、約2.5-4.5のpHでの溶離バッファーを用いて、低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーを施してもよく、好ましくは低い塩濃度(例えば、約0-0.25M塩)で実施される。
【0096】
V.製薬製剤
本発明の抗体の治療用製剤は、所定の純度を持つ抗体と、場合によっては製薬的に許容される担体、賦形剤又は安定化剤を混合することにより(Remington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. 編, (1980))、凍結乾燥製剤又は水溶液の形態で調製され貯蔵される。許容される担体、賦形剤又は安定化剤は、用いられる用量及び濃度で受容者に非毒性であり、酢酸塩、Tris、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸等のバッファー;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ヘキサメトニウムクロリド、ベンズアルコニウムクロリド、ベンズエトニウムクロリド;フェノール、ブチル又はベンジルアルコール、メチル又はプロピルパラベン等のアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール、及びm-クレゾール等);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン又はリシン等のアミノ酸;グルコース、マンノース、又はデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTA等のキレート化剤;トレハロース又は塩化ナトリウムなどの強壮剤(tonicifiers);スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトール等の糖;ポリソルバート等の界面活性剤;ナトリウム等の塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質複合体);及び/又はTWEEN(商品名)、PLURONICS(商品名)又はポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤を含む。抗体は、5-200mg/ml、好ましくは10-100mg/mlの濃度で含有される。
【0097】
ここでの製剤は、治療される特定の徴候のために必要ならば1以上の活性化合物も含んでよく、好ましくは互いに悪影響を与えない相補的活性を持つものである。例えば、内部移行する抗PSCA抗体に加えて、一つの製剤に付加的な抗体、例えばPSCAの異なるエピトープに結合する第2の抗PSCA抗体、又は特定のガンの成長に影響を与える成長因子等の他の標的に対する抗体を含むことが望ましい。別法として、又はこれに加えて、組成物は化学療法剤、細胞障害剤、サイトカイン、成長阻害剤、抗-ホルモン剤、及び/又は心臓保護剤をさらに含有してよい。このような分子は、意図する目的に有効な量でで組み合わされて存在する。
また活性成分は、各々例えばコアセルベーション技術又は界面重合により調製されたマイクロカプセル、例えばヒドロキシメチルセルロース又はゼラチンマイクロカプセル及びポリ-(メタクリル酸メチル)マイクロカプセル、コロイド状薬剤送達系(例えば、リポソーム、アルブミン微小球、マイクロエマルション、ナノ-粒子及びナノカプセル)又はマクロエマルションに捕捉させてもよい。このような技術は、Remington's Pharmaceutical Sciences 16th edition, Osol, A. 編, (1980)に開示されている。
【0098】
徐放性調合物を調製してもよい。徐放性調合物の好ましい例は、抗体を含む疎水性固体ポリマーの半透性マトリクスを含み、そのマトリクスは成形物、例えばフィルム又はマイクロカプセルの形態である。徐放性マトリクスの例は、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリラート)又はポリ(ビニルアルコール)、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号))、L-グルタミン酸及びγエチル-L-グルタマートのコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、分解性乳酸-グリコール酸コポリマー、例えばLUPRON DEPOT(商品名)(乳酸-グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドからなる注射可能な微小球)、及びポリ-D-(−)-3-ヒドロキシブチル酸を含む。
インヴィボ投与に使用される製剤は無菌でなければならない。このことは、滅菌濾過膜を通して濾過することにより容易に達成される。
【0099】
VI.抗PSCA抗体を用いた治療
本発明において、細胞表面のPSCAに結合して内部移行する抗PSCA抗体は、PSCA-発現ガン細胞、特に膀胱ガン及び前立腺ガン、例えばアンドロゲン非依存性前立腺ガン又はアンドロゲン依存性前立腺ガン、及び関連した転移を治療するために使用される。アンドロゲン非依存性前立腺ガンを患っている患者は抗アンドロゲン治療に対してもはや反応せず、アンドロゲン依存性前立腺ガンを患っている患者は抗アンドロゲン治療に反応する。ガンは一般的にPSCA-発現細胞を含有しており、抗PSCA抗体はそこに結合することができる。ガンはPSCA分子の過剰発現により特徴付けられるが、本出願はPSCA-過剰発現細ガンであると考えられないガンの治療方法もさらに提供する。
ガンにおけるPSCA発現を測定するために、種々の診断アッセイが利用できる。一実施態様では、PSCA過剰発現は免疫組織化学(IHC)により分析することができる。組織バイオプシーからのパラフィン埋設組織切片をIHCアッセイにかけ、次のようなPSCAタンパク質染色強度基準を設ける:
スコア0 染色が観察されないか、又は膜染色が腫瘍細胞の10%未満で観察される。
スコア1+ わずかに/弱く認知できる程度の染色が腫瘍細胞の10%を越えて検出される。細胞はそれらの膜の一部のみが染色される。
スコア2+ 弱いないしは中程度の完全な膜染色が腫瘍細胞の10%を越えて観察される。
スコア3+ 中程度から強い完全な膜染色が腫瘍細胞の10%を越えて観察される。
PSCA発現における0又は1+スコアの腫瘍はPSCAが過剰発現していないことを特徴付けるものであるのに対し、2+又は3+スコアの腫瘍はPSCAが過剰発現していることを特徴付ける。
【0100】
別に、又は付加的に、FISH分析、例えばINFORMTM(Ventana, Arizonaから販売)又はPATHVISIONTM(Vysis, Illinois)を、ホルマリン固定、パラフィン埋設された腫瘍組織で実施して、腫瘍におけるPSCA過剰発現の程度(生じているならば)を測定してもよい。
PSCA過剰発現又は増幅は、インヴィボ診断アッセイを使用して評価することができ、例えば検出される分子に結合し、検出可能な標識(例えば、放射性同位体又は蛍光標識)が付けられた分子(例えば抗体)を投与し、標識の局在化について患者を外部スキャニングする。
【0101】
現在、ガンの段階に応じて、前立腺ガンの治療には、次の治療:外科手術によるガン組織の除去、放射線治療、アンドロゲン欠乏(例えばホルモン治療)、及び化学治療の一つ、又はそれらを組合せたものが含まれる。抗PSCA抗体による治療は、特に、化学治療における副作用や毒素に対する耐性がない老年の患者、放射線治療の有用性に限界がある転移性疾患、及びアンドロゲン欠乏治療に耐性のある前立腺ガンの治療において所望されている。本発明の抗PSCA抗体は腫瘍をターゲティングし内部移行するので、疾患の初期診断時及び再発中におけるPSCA-発現ガン、例えば前立腺ガン及び膀胱ガンの緩和に有用である。治療用途において、抗PSCA抗体は、前立腺ガンが顕著で、分断細胞が達することができない場合に、ホルモン、抗血管形成(antiangiogen)、又は放射標識された化合物と共に、又は外科手術、寒冷療法、及び/又は放射線治療と組み合わせてもよく、単独で使用してもよい。抗PSCA抗体による治療は、従来的治療の前又は後のいすれかに連続させて、他の形態の従来的治療と共に実施することができる。化学療法剤、例えばタキソテレ(登録商標)(ドセタキセル)、タキソール(登録商標)(パクリタキセル)、エストラムスチン及びミトキサントロンは、転移性及びホルモン難治性前立腺ガン、特にかなりの危険性がある患者の治療に使用される。ガン、特にアンドロゲン非依存性及び/又は転移性前立腺ガンを治療又は緩和するための本発明の方法において、上述した一又は複数の化学療法剤との治療と組合せて、ガン患者に抗PSCA抗体を投与することができる。特に、パクリタキセル及びその誘導体との組合せ治療が考えられる(例えば、欧州特許第0600517号を参照のこと)。抗PSCA抗体は治療的有効量の化学療法剤と共に投与されるであろう。他の実施態様において、抗PSCA抗体は化学療法剤、例えばパクリタキセルの活性及び効力を高めるための化学治療と組合せて投与される。医師デスクレファレンス(Physicians' Desk Reference)(PDR)には、種々のガン治療に使用されるこれらの薬剤の用量が開示されている。治療的に有効な上述の化学療法剤の投薬計画及び用量は、治療される特定のガン、疾患の程度、及び当該技術の医師によく知られている他の因子に依存し、医師により決定することができる。
【0102】
特定の一実施態様では、細胞障害剤に結合した抗PSCA抗体を含有する免疫コンジュゲートを患者に投与する。好ましくは、PSCAタンパク質に結合した免疫コンジュゲートは細胞により内部移行し、結果として、それが結合したガン細胞の殺傷性における免疫コンジュゲートの治療的効果が向上する。好ましい実施態様では、細胞障害剤は、ガン細胞内の核酸を標的とするか、又はこれに干渉する。このような細胞障害剤の例は、上述されており、メイタンシノイド、カリケアマイシン、リボヌクレアーゼ及びDNAエンドヌクレアーゼが含まれる。
抗PSCA抗体又は免疫コンジュゲートは、公知の方法、例えばボーラス、もしくは一定時間にわたる連続注入による静脈内投与、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、皮下、関節内、滑液包内、くも膜下腔内、経口、局所的、又は吸入経路により、ヒトの患者に投与される。抗体の静脈内又は皮下投与が好ましい。
他の治療計画を抗PSCA抗体の投与と組合せてもよい。組合せ投与には、別々の調製物又は単一の医薬製剤を使用する同時投与、及び好ましくは両方(又は全ての)活性剤が同時にその生物学的活性を働かせる時間がある、いずれかの順での連続投与が含まれる。このような組合せ治療により、結果として相乗的治療効果が生じることが好ましい。
また、特定のガンに関連した他の腫瘍抗原に対する抗体の投与と共に、抗PSCA抗体又は抗体類の投与を組合せることが望ましい。
【0103】
他の実施態様では、本発明の抗体治療方法は、異なる化学療法剤の混合物の同時投与を含む、抗PSCA抗体(又は抗体類)と一又は複数の化学療法剤又は成長阻害剤との組合せ投与を含む。化学療法剤には、リン酸エストラムスチン、プレドニムスチン、シスプラチン、5-フルオロウラシル、メルファラン、シクロホスファミド、オキシ尿素及びオキシ尿素タキサン(hydroxyureataxanes)(例えばパクリタキセル及びドキセタキセル)及び/又はアントラサイクリン抗生物質が含まれる。このような化学療法剤の調製及び投与スケジュールは製造者の注意書きに従い使用されるか、又は熟練した実務者により経験的に決定される。このような化学療法の調製及び投与スケジュールは、Chemotherapy Service M.C.Perry編, Williams & Wilkins, Baltimore, MD(1992)に記載されている。
抗体は、抗ホルモン化合物、例えばタモキシフェン等の抗-エストロゲン化合物、例えば;抗プロゲステロン、例えばオナプリストン(onapristone)(欧州特許616812号を参照);又は抗アンドロゲン、例えばフルタミドを、このような分子に対して既知の用量で組合せてもよい。治療されるガンがアンドロゲン非依存性ガンである場合、患者は予め抗アンドロゲン治療を受け、ガンがアンドロゲン非依存性になった後、抗PSCA抗体(及び場合によってはここに記載した他の薬剤)を患者に投与してもよい。
しばしば、心臓保護剤(治療に関連する心筋の機能不全を防止又は低減するため)又は一又は複数のサイトカインを患者に同時投与することも有益なことである。上述した治療摂生に加えて、抗体治療の前、同時又は治療後に、外科的にガン細胞を取り除くか、及び/又は放射線治療を施してもよい。上述した任意の同時投与される薬剤の適切な用量は現在使用されている量であり、抗PSCA抗体と薬剤の組合せ作用(相乗作用)に応じてより少なくすることができる。
【0104】
疾患の予防又は治療のための投与量及び方式は、公知の基準に従い、医師により選択されるであろう。抗体の適切な用量は、治療される疾患の種類、疾患の重症度及び過程、抗体を防止目的で投与するのか治療目的で投与するのか、過去の治療、患者の臨床歴及び抗体の応答性、手当てをする医師の裁量に依存するであろう。抗体は一度に又は一連の処置にわたって患者に適切に投与される。好ましくは、抗体は静脈注入又は皮下注射により投与される。疾患の種類及び重症度に応じて、例えば一又は複数の別個の投与又は連続注入のいずれであれ、体重当たり約1μg/kgないし50mg/kg(例えば0.1-15mg/kg/用量)の抗体が患者への最初の投与量の候補である。投薬計画は、約4mg/kg、続いて1週間に約2mg/kgの抗PSCA抗体の維持用量で投与することを含む。しかしながら、他の投薬計画も有効であろう。上述した因子に応じて、典型的な一日の投与量は約1μg/kgから100mg/kgあるいはそれ以上の範囲である。数日間又はそれ以上の繰り返し投与の場合、状態によっては、疾患の徴候の望ましい抑制が生じるまで処置を維持する。この治療の進行状態は、医師又は他の当業者に公知の基準をベースにした通常の方法やアッセイで容易にモニターされる。
抗体タンパク質の患者への投与の他に、本出願は遺伝子治療による抗体の投与を考察する。抗体をコードする核酸の投与は「抗体を治療的有効量で投与する」という表現に含まれる。例えば、遺伝子治療を用いた細胞内抗体の生産に関する、1996年3月14日に公開された国際公開第96/07321号を参照のこと。
【0105】
核酸(場合によってはベクター内に含まれたもの)を患者の細胞に入れるために:インヴィボ及びエキソビボという2つの主要な方法がある。インヴィボ送達では、核酸は、通常は抗体が必要とされている部位に直接注入される。エキソビボ処理では、患者の細胞を取り出し、核酸をこれらの単離された細胞に導入し、修飾された細胞を患者に、直接、又は例えば患者に埋め込まれる多孔性膜にカプセル化して投与する(米国特許第4,892,538号及び第5,283,187号参照)。核酸を生細胞に導入するために利用可能な種々の技術がある。これらの技術は、核酸が培養された細胞にインヴィトロで移入されるか、又は対象とする宿主にインヴィボで移入されるかに依る。哺乳動物細胞にインヴィトロで核酸を移入するのに適した技術は、リポソーム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、細胞融合、DEAE-デキストラン、リン酸カルシウム沈降法などを含む。遺伝子のエキソビボ送達に通常用いられるベクターはレトロウイルスである。
現在インヴィボ核酸移入技術で好ましいのは、ウイルスベクター(例えば、アデノウイルス、単純ヘルペスIウイルス、又はアデノ関連ウイルス)、及び脂質ベースの系(例えば、遺伝子の脂質媒介移入に有用な脂質は、DOTMA、DOPE、及びDC-Cholである)での形質移入を含む。現在知られている遺伝子マーキング及び遺伝子治療プロトコールの概説については、Anderson等, Science, 256:808-813 (1992)を参照のこと。また、WO 93/25673及びそこに引用された参考文献も参照。
【0106】
VII. 製造品
本発明の他の実施態様では、抗PSCA発現ガン、特に前立腺ガン及び膀胱ガンの治療に有用な物質を含有する製造品である。この製造品は容器とラベル又は容器内に挿入されるか添付されるパッケージ挿入物を含んでなる。好適な容器は、例えば、ビン、バイアル、シリンジ等を含む。容器は、ガラス又はプラスチックなどの多様な材料から形成されてよい。容器は、ガンの状態の治療に有効な組成物を収容し、無菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針で貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってよい)。組成物中の少なくとも1つの活性剤は本発明の抗PSCA抗体である。ラベル又はパッケージ挿入物は、組成物が前立腺ガン、アンドロゲン非依存性前立腺ガン、又はアンドロゲン依存性前立腺ガン、又は膀胱ガンの治療のために使用されることを示す。ラベル又はパッケージ挿入物は、ガン患者に抗体組成物を投与する旨の注意書きをさらに具備する。製造品はさらに、製薬的に許容可能な希釈バッファー、例えば注射用の静菌水(BWFI)、リン酸緩衝塩水、リンガー液及びデキストロース溶液を含む第2の容器を具備してもよい。さらに、他のバッファー、希釈剤、フィルター、針及びシリンジを含む商業的及び使用者の見地から望ましい他の材料を含んでもよい。
【0107】
種々の目的、例えばPSCA細胞殺傷アッセイ、細胞からのPSCAの精製、又は免疫沈降に有用なキットが提供されている。PSCAの単離及び精製において、キットはビーズ(例えばセファロースビーズ)に結合した抗PSCA抗体を含み得る。インヴィトロにおけるPSCAの検出及び定量、例えばELISA又はウエスタンブロットのための抗体を含むキットを提供することもできる。製造品と同様、キットも容器とラベル又は容器内に挿入されるか添付されるパッケージ挿入物を含んでなる。容器には少なくとも1つの本発明の抗PSCA抗体を含有する組成物が収容されている。希釈液及びバッファー、コントロール抗体等を収容する付加的な容器を具備していてもよい。ラベル又はパッケージ挿入物は、組成物についての記載、並びにインヴィトロを意図することの注意書き又は診断用途を提供するものである。
【0108】
VIII.実験例
本発明の前述の特徴及びその他の特徴は、添付の図を参照してより詳しく説明され、また、請求項において示される。以下に記載される特定の実施態様は例示的に提示されるものであって、発明の範囲に対する限定と解釈されることを意味するものではない。本発明の理念又は本質的な特徴から逸脱することなく、本発明に対して多くの変更を行うことができることは当業者には明らかであろう。
【0109】
実施例1
抗PSCAモノクローナル抗体の調製及び特徴付けについて記述する。
I.材料及び方法
マウス及びヒトの抗PSCAモノクローナル抗体(Mabs)を産生するハイブリドーマが調製された。融合細胞はマウスミエローマのP3X63Ag8.653株(Kearney, J. F.等、J. Immunology 123:1548-1550, 1979)であった。
表2Aには、免疫計画が要約されており、免疫に使用された抗原の特徴、アジュバント、免疫量、抗原投与経路、免疫スケジュール、用いられた宿主動物が示されている。表2Bには、種々のアッセイにより決定された抗PSCASモノクローナル抗体の特徴が要約されている。ここでの抗体名は、抗体を産生するハイブリドーマクローンの最初の3−4文字に由来する(表2Bを参照のこと)。クローン名におけるピリオドの前の最初の3−4文字は、親クローン名を示し、さらにサブクローン名がある場合には、最初のピリオドの後に続く。あるいは、ここでの抗PSCA抗体は、それらの命名された腹水番号により参照されることもある。muPSCAが示される場合を除いて、ヒト(hu)PSCA自体、又はgDタグ(gDPSCA)もしくはヒスチジンタグ(his-PSCA)に融合されたヒト(hu)PSCAが用いられた。大腸菌で発現されたヒト又はマウスPSCAは、ヒスチジンタグ化された。特に示されない場合、大腸菌で発現されたPSCAは、免疫するにあたり以下に記載されるようにしてリフォールディングされた。gDPSCA−CHOは、CHO細胞内で発現され、CHO細胞から精製された可溶性PSCAを意味する。キセノマイス(Xenomice)(Abgenix, Fremont, California)から調製された抗体は、完全体ヒト抗体である。
huPSCA核酸及びアミノ酸配列については、国際公開第99/14328号(Genentech;PRO232タンパク質、図1中の核酸配列;図2中のアミノ酸配列);1999年1月5日発行の米国特許第5856136号(Incyte;SCAH2 配列番号4;又はReiter等によるProc. Natl. Acad. Sci. 95:1735-1740(1998)の1737頁)を参照のこと。便宜上、PSCAの123のアミノ酸配列とcDNAのコード配列を、それぞれ配列番号1及び配列番号2としてここに示す。ここで適用されるアミノ酸配列の番号付けは、配列番号1中に示されるReiter等(1998)と同じ番号付けに従う。
【0110】
細胞株及び形質移入
huPSCA又はgDPSCAをコードするプラスミドベクターは、以下に示す細胞に形質移入された;Rasを発現しているNIH3T3(Ras 3T3);及びCHO;HCT116。大腸菌での発現には、huPSCAのアミノ酸10−101をコードする配列(His タグに融合される)が、GPIアンカー配列が除去された状態で使用された。3T3細胞での発現には、PSCAのN末端シグナル配列(アミノ酸1-20)が成熟gDの25アミノ酸が後に続くgDタグのシグナル配列と置換された。
【0111】
結合アッセイ
抗PSCA抗体は、細胞上のPSCAとの結合に関し蛍光発色セルソーター(FACS)を用いて解析された。ハイブリドーマの培養上清から精製されたマウス抗PSCA抗体 6B8.1D7.2B3(#2761)及び完全体ヒト抗PSCA抗体10C5.6E4.6D1(#2910)は、FACSを用いて細胞表面との結合性について解析された。N末端にgDタグが付加されたhuPSCAで形質移入されたコンフルエントな接着安定CHO細胞は、PBSで洗浄され、Cell Dissociation Solution(Sigma)を用いて剥がされた。細胞は、種々の濃度(1-10μg/ml)の抗PSCA抗体とインキュベートされ、FITC結合二次抗体とインキュベートする前にPBSで洗浄した。細胞は、細胞固定のため、1% FBS又は1%ホルムアルデヒドを含むPBS中に再懸濁された。その後、抗体の細胞表面との結合性を、FACScanで解析した。
溶液中のPSCAを捕獲するMabsの能力を評価するために、各抗体が直接マイクロタイタープレート上にコートされるか、又は前もってプレートにコートされたFc領域に特異的な抗マウスIgGと結合される、アッセイ法が開発された。その後、ビオチン化されたPSCA抗原(1μg/ml)が、ストレプトアビジン-HRPとのインキュベーションの前にプレートへ添加された。OPDが基質として使用され、プレートは492 nmで読みとられた。
【0112】
形質移入された細胞表面に発現されたPSCAとのMab#2403の結合を確かめるために、125I-標識Mab #2403(ラクトペルオキシダーゼ法)を用いてコールド競合結合アッセイが実施された。PC3.gD.huPSCA細胞(1x105)が24ウェルディッシュにプレーティングされ、種々の濃度の非標識Mab 2403及び一定量の125I-Mab 2403と4℃で16時間培養液中でインキュベートされた。結合しなかった抗体は除去され、細胞は氷冷された培養液で洗浄された。8M 尿素/3M 氷酢酸中で細胞を可溶化後、結合した放射線量がγカウンターを用いて測定された。IC50値は、m3がIC50を示す曲線の4変数適合計算法により計算された。このアッセイ結果は図4にプロットされている。
ダイレクトELISA法は、#2761(6B8)抗体の結合活性を決定するために行われた。HuPSCAとマウスPSCA(mPSCA)は、1μg/mlの濃度で一晩かけてマイクロタイタープレート(Nunc)上にコートされた。抗PSCA Mabとコントロールは、抗原をコートしたウェルに添加され、室温でインキュベートされた。結合しなかった抗体は洗浄により除去し、西洋ワサビのペルオキシダーゼ(HRP)結合二次抗体がウェルに添加され、室温で抗体とインキュベートされた。OPDの基質溶液が最後に添加され、反応を停止させるために濃硫酸が使用された。プレートはマイクロタイタープレートリーダーを用い、492 nmで読み取られた。
エピトープの分類は、競合ELISAにより決定された。各抗体はビオチン化され、過剰量の非標識の各抗PSCA Mabの存在下又は非存在下で、プレート上にコートされたPSCAとの結合について調べられた。その後、ストレプトアビジン-HRPは、ペルオキシダーゼの基質が続いて添加されるプレートに添加された。ビオチン化されたMabsのPSCAとの結合性の減少(少なくとも50%)又は欠如は、コールドの抗体とビオチン化抗体の両方がPSCA上の同じ(又は近接した)エピトープに対して結合することを示した。
【0113】
大腸菌で産生されるHisタグタンパク質の精製及びリフォールディング
以下の方法は、Hisタグタンパク質を発現する大腸菌の0.5から1Lの発酵から生産されるタンパク質に対しての使用に適合された。
0.5から1L発酵からの大腸菌のペースト(6-10 mgのペレット)は、7Mグアニジン、20 mM トリス, pH 8のバッファーの10倍量(w/v)中に再懸濁された。固体の亜硫酸ナトリウム及び四チオン酸ナトリウムが、各々、最終濃度0.1 M 及び0.02 Mとなるように添加され、4℃で一晩撹拌された。このステップの結果、亜硫酸化により全てのシステイン残基がブロックされた変性タンパク質が生じる。この溶液をベックマンの超遠心機で30分間、40K rpm遠心した。上清は3-5倍量の金属キレートカラムバッファー(6 M グアニジン、20 mM トリス, pH7.4)で希釈し、浄化するために0.22ミクロンのフィルターを通して濾過した。所望のタンパク質の発現に依存して、30-50 mlの浄化された抽出液が金属キレートカラムバッファーで平衡化された5 mlのキアゲンNi-NTA金属キレートカラムに添加された。カラムは、50 mMイミダゾール(Calbiochem, Utrol grade), pH7.4を含む更なるバッファーで洗浄された。タンパク質は、250mM イミダゾールを含むバッファーで溶出された。所望のタンパク質を含む画分は、プールされ4℃で保存された。タンパク質濃度は、そのアミノ酸配列に基づいて計算された吸光係数を用いて、280 nmにおける吸収により見積もられた。
【0114】
通常、タンパク質は、以下のもので構成される、新たに調製されたリフォールディングバッファーでゆっくりと試料を希釈することによりリフォールディングされる:20mM トリス、pH8.6、0.3 M 塩化ナトリウム、2.5 M 尿素、5 mM システイン、20 mM グリシン及び1 mM EDTA。PSCAの場合、3.5 M 尿素及び1 mM システインが2.5 M 尿素及び5 mM システインの代わりに用いられた。リフォールディングの容量は、最終タンパク質濃度が50から100mg/mlの間になるように選択された。リフォールディング溶液は、4℃で12から36時間穏やかに撹拌された。リフォールディング反応は、トリフルオロ酢酸(TFA)を最終濃度0.4%(およそ3のpH)になるように添加して停止させた。タンパク質を更に精製する前に、タンパク質溶液は0.22ミクロンのフィルターを通して濾過され、アセトニトリルが2-10%の最終濃度になるように添加された。リフォールディングされたタンパク質は、0.1%のTFAの移動バッファーを用い、10%から80%のアセトニトリル濃度勾配の溶出によりVydac C4逆相カラムでクロマトグラフィーが行われた。A280における吸収を持つ画分の一定分量がSDSポリアクリルアミドゲル上で分析され、均一のリフォールディングタンパク質を含む画分がプールされた。一般に、大抵のタンパク質の適切にリフォールドされたものは、逆相レジンとの相互作用から遮蔽された疎水性の内部を有し最もコンパクトであるため、最も低いアセトニトリル濃度において溶出される。通常、凝集したものは、より高いアセトニトリル濃度で溶出される。誤ってフォールディングされたタンパク質の形態を所望の形態と分離することに加え、逆相カラム工程は、試料からエンドトキシンも除去する。
所望のフォールディングされたタンパク質を含む画分はプールされ、アセトニトリルは、溶液に向けられた窒素の穏やかな流れを用いて除去された。通常、タンパク質は、透析又は製剤化バッファーで平衡化されたG25スーパーファイン(Pharmacia)を用いたゲル濾過により20 mM Hepes、pH6.8、0.14 M 塩化ナトリウム、及び4%のマンニトール中に製剤化され、滅菌的に濾過された。時折、6から7.5のpH範囲に等電点を持つタンパク質は、溶解度を保つために1 mM 塩酸、0.14 M 塩化ナトリウムバッファー中に製剤化されることもある。製剤化されたタンパク質は等分され、凍結されて−80℃で保存された。続いて、タンパク質は、SDSゲル、タンパク定量のためのアミノ酸分析により特徴分析され、エンドトキシンアッセイによりエンドトキシンレベルが調べられ、タンパクの同一性を確立するためにN-末端タンパク配列決定が行われ、タンパクの整合性を確立するためにマススペクトロメトリーが行われ、他の必要な又は所望の分析方法が行われた。
【0115】
イムノグロブリンの配列及び構成
精製された抗体は、確立された方法によりアミノ酸配列決定が行われた。N-末端配列が得られ、その結果から、RT-PCRによりIg可変領域(V)をクローン化するためにプライマーが設計された。VL又はVH領域をコード化するDNA断片がベクター中にクローン化された。最初、ベクターに対するプライマーで、確立された方法によりシークエンシングが行われた。残りの配列を得るために、得られた抗体の最初の核酸配列から抗体の配列に特異的なプライマーが設計された。
配列が図13に示されるキメラのマウス−ヒト抗PSCA抗体全長及びFabは、マウスVL及びVH領域のドメイン配列をヒトCκ及びCγ1配列と結合させることにより構築された。マウス抗体V領域断片は、容易に切り出され得る制限酵素サイトカセットとしてベクターにクローン化され、PSCAに特異的なキメラをマウス−ヒト抗体を発現させるために、前もって構築された異なるアイソタイプのヒトL及びH定常領域を含むベクター中へ連結された。Fabキメラ鎖は、pRKベクター(EP307,247中に記載)であるpUC119:Igベクターに由来するvegfchimと呼ばれるベクターから発現された。
図12は、ハイブリドーマクローン、6F8.2F4、Asc#2395(配列番号3及び配列番号4);5F2.4H4.1E3、Asc#2403(配列番号5及び配列番号6);6B8.1D7.2B3、Asc#2761(配列番号7及び配列番号8)、から得られる抗体の軽鎖及び重鎖の可変領域ドメイン(VL及びVH)のアミノ酸配列、及びクローン8D11.2E9(Asc#2399(配列番号9))からのVHのアミノ酸配列を示す。図13は、シグナルペプチド配列を含む全長キメラ2403 IgGのアミノ酸配列(L鎖は配列番号10;H鎖は配列番号11)及びキメラ6B8Fabの配列(L鎖は配列番号12;H鎖は配列番号13)を示す。キメラ抗体2403は、ヒトイムノグロブリンのCκ及びCγ1配列とMab 5F2.4H4.1E3(#2403)のマウスのVL及びVH配列とを、哺乳動物細胞発現ベクター、pRK中で、それぞれ融合させることにより作製した。pRK5発現ベクターの構築は、1989年3月13日公開のEP307,247中に開示されている。キメラ2403のH鎖及びL鎖をコードするpRKベクターは、DNA pRK-2403H及びDNA pRK-2403LとしてATCCに寄託された(Xの項を参照のこと)。マウスVHはヒトCγ1と、配列残基#Pro122(図13の配列中の/により示す)の位置で連結された。マウスVLはヒトCLと配列残基#Arg113の位置で連結された。2403VHのインサートは、430bpのEcoRI-ApaI断片又はClaI-ApaI断片として、pRK-2403Hから切り出すことができる。2403VLは、pRK-2403L中に400bp断片のEcoRI-CpoI断片としてクローン化された。キメラ2761のH鎖及びL鎖をコードするpRKベクターは、DNA pRK-2761H及びDNA pRK-2761LとしてATCCに寄託された(Xの項を参照のこと)。同様に、2761VLは、pRK-2761L中に400bp断片のEcoRI-CpoI断片としてクローン化された。2761VHのインサートは、430bpのEcoRI-ApaI断片又はClaI-ApaI断片としてpRK-2761Hから切り出すことができる。
キメラ6B8FabのL鎖とH鎖は、Mab 6B8.1D7.2B3のマウスVL及びVH配列をIgG1配列のヒトイムノグロブリンCκ及びCH1ドメインと、vegf4chimと称するベクター中にそれぞれ融合させることにより作製され、大腸菌で発現された。vegf4chimは、ampR選択マーカーを持ち、抗体配列は、アルカリホスファターゼプロモーターの下、動作可能に連結され、発現される。
これらのV領域カセットは、切り出されることが可能で、異なるFc特性を有するキメラを生産するために異なるヒトイムノグロブリンアイソタイプの定常領域ドメインと連結され得る。ADCC、補体結合活性、又はFcレセプター結合などのエフェクター機能を欠く抗PSCA抗体を生産するために、マウスVH領域はヒトCγ2又はCγ4の定常領域配列と融合される。
【0116】
II.結果
表2Bには、ここでのアッセイにより決定された抗PSCA抗体の特徴が要約される。表2B中、huPSCA-E.coliは、大腸菌で発現させたhisタグPSCAを示す;タンパク質は、バクテリアより精製され、その後、上述したようにリフォールディングされる;+ホルマリンは、ホルマリン固定の細胞が免疫原として使用されたことを示す;prk5.huPSCAは、pRK5プラスミド中にhuPSCA遺伝子を有するネーキッドなcDNAを示す。ゼノマイス(Abgenix, Fremont, California)とは、内在性のマウスIg部位を、ヒト抗体を形成するようにヒト生殖系列のイムノグロブリン部位と置換するために遺伝学的に操作されたマウスのことである。PSCAに対するヒト抗体は、ゼノマイスを大腸菌で発現させたPSCAで、腹腔内(i.p.)又はフットパッドを経由して免疫することにより作製された。
テストされた全ての抗PSCA Mabsは、FACSによりアッセイするとPSCA形質移入細胞の染色において顕著なシフトを生じさせた。図1(Mab 5F2)及び図2(Mab 10C5)は、典型的な染色結果を示す。FITC結合二次抗体のみとインキュベートされた細胞は、ネガティブコントロールとして用いた;これらの細胞は、いずれの抗体結合活性も示さなかった。ポジティブコントロールとして用いた抗-gD Mab 1766 gDは、gD-huPSCAを発現させるCHO細胞と有意に結合することを示した。また、完全体ヒトMab 10C5.6E4.6D1を含むハイブリドーマの上清も細胞表面に対して強い結合性を示した。マウス抗PSCA Mab 5F2(#2403)は、本実験においてポジティブコントロールとして及びネガティブコントロールの媒体として使用された。
マウスMab 6B8(#2761)は、プレート上に固定化させたPSCAの種々の可溶性形態と結合する能力に関しテストされ、図3中に結果が示される。変性PSCAタンパク質に対して作られたMab 6B8は、リフォールディングされていないhuPSCAよりもリーフォールディングされたhuPSCAに対して強い親和性を示した。Mabは、gD-huPSCA CHO可溶性抗原に対しても結合することが示されたが、リフォールド又はリフォールドされていないhuPSCAと比較するとより低い親和性であった。しかしながら、無関連の抗原であるTGF-β及びマウスPSCAには結合せず、このことは抗体がhuPSCAに特異的であることを示している。
コールド競合結合アッセイ(図4及びすぐ下の表を参照のこと)から、Mab 2403に対する結合親和性は、12.9 nMであると決定された。
【0117】
【0118】
実施例2
この実施例は、抗PSCA抗体2395(6F8), 2399(8D11), 2403(5F2), 2761(6B8)[腹水番号の後に括弧内に抗体番号を示す;表2Bを参照のこと]の、PSCA発現腫瘍細胞(MCF-7Her2gdPSCA及びHCT-gdPSCA)におけるインヴィボでの結合及び局在を示した。抗体を蛍光色素Cy3で標識することにより、抗体の結合は蛍光顕微鏡により視覚化することができる。当該技術は、Her-2を発現させる腫瘍を持つマウスにおいて、Cy3で標識したハーセプチン(抗-Her2モノクローナル抗体)を用いることで充分に確立されていた。抗PSCA抗体のインヴィボでの結合は、ヒトgd連結PSCAで形質移入された腫瘍細胞においてテストされた。コントロールの抗体には、MCF-7Her2gdPSCA細胞に対するポジティブコントロールとしてCy3で標識したハーセプチンを含まれていた。また、非常に優れた結合活性を有するCy3標識抗gd抗体がPSCA抗体に対するポジティブコントロールとして使用された。形質移入されたPSCAにはgdが連結されており、その結果、gdタンパク質レベルがPSCAタンパク質の発現と直接相関する。gdPSCAで形質移入されていない細胞株は、ネガティブコントロールとして使用した。
【0119】
I.材料及び方法
細胞株
HCT-116(ATCC CCL-247)はヒト結腸腫瘍細胞株である;HCT-47は、親株のHCT-116を形質移入することに由来するPSCA発現クローンである。MCF-7(ATCC HTB-22;Soule, D.G.等、J.Natl.Cancer Inst., 51:1409-1416, 1973)は、以前に形質移入されたヒト乳ガン細胞株で、Her2を発現する(Benz等、Breast Cancer Research and Treatment 24:85-95 (1992))。PC3(ATCC CRL-1435)は、ヒト前立腺ガン腫細胞株(Kaign等、Invest. Urol., 17:16-23, 1979)である。これらの細胞は、ヒトPSCA(huPSCA)又はgD-huPSCAで形質移入された。gD又はgdは、ヘルペス単純ウィルスの糖タンパク質Dのエピトープタグを意味する。gD-huPSCAの構築する過程において、PSCAのシグナル配列はgDエピトープタグをコードする配列で置換された;gD-PSCA配列はpRKベクターへクローン化された。Her2抗体(HERCEPTINR)は、インヴィボにおいてHer2発現腫瘍細胞に局在することが知られているので、細胞表面上におけるHer2発現は、コントロールとして役立った。このような形質移入により、ヒトPSCA発現腫瘍細胞が得られた。
抗体の調製
ここでの実験において用いられたマウス抗PSCAモノクローナル抗体に関するリストについては表2Bを参照のこと。抗体名は、抗体を産生するクローンの最初の3-4文字に由来する。全ての抗体は、FluoroLink Cy3単官能色素(Amersham Pharmacia, PA23001)を用い製造者の説明書に従って標識された。標識化反応に対し抗体は0.1 M 炭酸ナトリウム pH9.3中、1 mg/mlの濃度であった。1 mg/mlの抗体ストックの1 mlがCy3標識混合物と共にチューブに添加され、完全に混合され、室温で30分間シェーカー上でインキュベートさせた。サンプルは、光に対する露光を抑えるためスズ箔でくるんだ。NAP10カラム(Amicon)がPBSで平衡化され、結合反応の終了時に反応溶液がカラムに添加された。1.5 ml PBSが添加され、未吸着画分が回収された。分光光度計の読み取りは、A552とA280で行われた。タンパク質濃度及びタンパクに対する色素の割合は以下に示すようにして計算された:
抗体の濃度:{[A280-(0.08 X A552)]X 希釈係数}/1.4= mg/ml
タンパクに対する色素の割合:[1.13 X (A552)]/[A280-(0.08 X A552)]
標識化の後、全ての抗体が結合性についてFACS解析によりチェックされた(表2B参照)。
【0120】
腫瘍の播種及び生育
NCRのヌードメスマウスは、エストロジェンのペレットが移植され、その後、MCF-7Her2gdPSCAの2 x 107細胞、又はネガティブコントロールとして形質移入されていないMCF-7細胞株の2 x 107細胞が皮下的に播種された。オスのNCRヌードマウスは、HCT-gdPSCAの5 x 106細胞が皮下的に播種された。腫瘍は皮下的に注射され、マウスの脇腹部に着床された。デジタル出力可能なキャリパー計を用い、腫瘍の測定が毎週2回、腫瘍の体積が100から500 mm3に達するまで行われた。
Cy3抗体のインジェクション及び組織の回収
腫瘍体積が少なくとも150 mm3に到達した段階で、マウスに3つのCy3標識化抗PSCA抗体(6F2, 8D11, 5F2)の一つ、Cy3抗gd抗体、又はCy3標識化HERCEPTINが10 mg/kgで腹腔内で注射された。24時間後、マウスは麻酔され、1 % パラホルムアルデヒドで灌流された。腫瘍組織と他の器官は回収され、蛍光顕微鏡による抗体の局在解析のためOCT凍結保護物質(Tissue-Tek O.C.T Compound, Sakura Finetek U.S.A. Inc., Torrance CA 90504)中で凍結された。同様の実験がCy3標識化6B8抗体でも実施された。
蛍光顕微鏡
凍結サンプルは、5μmの薄片に切片化され、ダピ(dapi)(Vectastatin)を含む蛍光マウント剤が加えられた。ダピは核を染色し、対比染色を提供する。
【0121】
II.結果
抗体へのCy3標識化が抗原に結合する抗体の能力に対して負の影響を与えなかったことを確認するために、抗体はFACS解析により結合特異性についてテストされた。表3中の「シフト」とは、蛍光でスクリーニングしたときの、細胞集団中におけるシフトを示し、Cy3標識化抗体が特異的な抗原に結合する能力を維持していることを示すものである。
表4中に要約された結果は、抗PSCA抗体がインヴィボにおいてPSCA発現腫瘍細胞に特異的に局在し結合することができることを示した。肺又は腎臓では染色は認められなかった。Cy3染色は、たいがい抗体を取り込む食細胞のKupffer細胞により、肝臓において全てのPSCA抗体、抗gd、及びハーセプチンに対して観察された。また、腫瘍関連で悪性ではない細胞では、たいがいマクロファージであるが、形質移入された細胞株及び形質移入されていない細胞株の双方において、全ての抗体に関しポジティブな染色が観察された。さらに、インヴィボにおいて抗体6B8はPSCA発現PC-3腫瘍細胞に局在し、コントロールの形質移入PC3腫瘍細胞には局在しないこともまた示された。染色パターンは、主に膜状であった。ポジティブな染色は、腫瘍内と腫瘍に隣接するマクロファージにも観察された。
【0122】
実施例3
この実施例は、PSCA発現細胞により内部移行される本発明の抗PSCAモノクローナル抗体の能力について記述する。これらの研究は、蛍光又は放射標識した抗体又は金が結合された抗体を用いて実施された。放射標識された抗体により、各細胞株中に内部移行した抗体の量の定量化が解析された。
I.材料及び方法
インヴィトロの研究
gD PSCA(HCT-47及びPC3-19細胞)を発現する形質移入細胞、及びPSCA/HER2を発現するMCF-7細胞(ここでは、MCF7/PSCA/HER2細胞とも称される)をカバースリップ上に増殖させ、一連の抗PSCAモノクローナル抗体(10μg/ml)と1時間(hr)インキュベートさせ、PBS中で洗浄し、PBS中の3%ホルムアルデヒドで固定し、PBS中1%トリトンで膜透過性にし、Cy3-蛍光標識化抗マウスIgGで標識化した。コントロール実験として、親株の形質移入されていない細胞が使用された。免疫標識された細胞は、モレキュラーダイナミクスの共焦点顕微鏡で観察された。
電子顕微鏡観察については、形質移入されたgD-PSCA発現NIH-3T3細胞が25μg/mlの抗gD抗体と共に1時間、4℃でインキュベートされた。他の組の実験において、PSCAを発現するCHO細胞は、20μg/mlの10E3及び6C3抗PSCA抗体と共に、4℃でインキュベートされた。一次抗体とのインキュベーションに続いて、細胞はヤギ抗マウスIgGの10 nm金付加物(gold adduct)で1時間処理された。細胞はカルノフスキー固定液で固定する前に、15分及び1時間37℃に移され、電子顕微鏡観察のために処理された。薄切片は、デジタル化GATANカメラを備えたPhilips CM12で観察された。
電子顕微鏡オートラジオグラフィーについては、10A1及び8D11抗PSCA抗体はIodo-Genに対する製造者の説明書に従ってヨウ素化された。125I-10A1及び125I-8D11抗PSCA抗体は、HCT116gD PSCA細胞(上述されたgDヒトPSCAで形質移入されたヒト大腸腫瘍株化細胞)と共に15分間、1時間及び6時間インキュベートされた。インキュベーション後、細胞は洗浄され、0.1 M カコジル酸バッファー, pH7.2中、2% ホルムアルデヒド、2.5 % グルタルアルデヒドで固定され、1 % オスミウム四酸化物でさらに固定された。脱水し、EPONATE12エポキシレジン中に包埋後、薄切片は切り出されIlford 1.4エマルジョンでコートされた。暴露後、切片はMicrodol X中で現像し、酢酸ウラニル及びクエン酸鉛で染色を行い、Philips CM12 電子顕微鏡で観察した。
【0123】
6B8抗PSCA抗体の内部移行はgD.huPSCAを発現するPC3細胞を用いて電子顕微鏡により結球された。6B8抗PSCA抗体はIodo-Genに関する製造者説明書に従ってヨウ素化された。125I-6B8抗体は、PC3.gDhuPSCAクローン4細胞と共に15分間及び24時間インキュベートされた。インキュベーション後、細胞は洗浄され、0.1 M カコジル酸バッファー, pH7.2中、2% ホルムアルデヒド、2.5 % グルタルアルデヒドで固定され、1 % オスミウム四酸化物でさらに固定された。脱水し、EPONATE12エポキシレジン中に包埋後、薄切片は切り出されIlford 1.4エマルジョンでコートされた。暴露後、切片はMicrodol X中で現像し、酢酸ウラニル及びクエン酸鉛で染色を行い、Philips CM12 電子顕微鏡で観察した。
定常状態内部移行研究は以下のように行われた:MCF7/Her2 細胞(図.11、右のパネル)はピューロマイシン選択マーカー(PurR)を含むベクターのみで形質移入される;この細胞株は、PSCA抗体の内部移行に対する負のコントロールとなった。MCF7/Her2/gD.PSCA細胞株は実施例2に記載されている。MCF7/Her2及びMCF7/Her2/gD.PSCA細胞は、37℃で5時間以下の抗体の一つとインキュベートされた:22 nM 125I標識抗PSCAモノクローナル抗体2395,2399,2403,及び0.8 nM 125I標識抗Her2抗体、ハーセプチン。非結合抗体は除去され、細胞は冷やした培地で洗浄された。細胞に結合した放射性の量は、酸洗浄液中(2 M 尿素、0.5 M 塩化ナトリウム、50 mM グリシン pH2.4)で10分間細胞をインキュベートした後、洗浄液を取り除きその放射性をカウントして定量した。その後、細胞は溶解バッファー(8 M 尿素、3 M 氷酢酸)で溶解後、内部に移行した放射性量を決定するために、生じた抽出液がカウントされた。放射性標識された抗体の比活性と各アッセイサンプル中の細胞数を用いて、cpmが分子/細胞に変換された。
インヴィボにおける研究
MCF7/HER2/PSCA異種移植片腫瘍を持つマウスにCy3標識された6F8,5F2,又は8D11 PSCA抗体が腹腔内経由で投与された。24時間後、腫瘍は除去され、5,10,20及び50μmに凍結切片化され、共焦点顕微鏡により観察された。
抗PSCA抗体は、前述のインヴィトロの実験で記述したように125Iでラベル化された。MCF-7/Her2/gdPSCA細胞が調製され、NCRヌードマウスに移植され、125I標識化抗PSCA抗体、125I抗gd 抗体、又は125I標識化HERCEPTINRが前述の実施例2に記載したようにマウスへインジェクトされた。腫瘍細胞は解析を行うために切片化される。
【0124】
II.結果
インヴィトロにおける研究では、免疫標識されたHCT47 gD PSCA, PC3-19 gD PSCA及びMCF7/HER2/PSCA細胞の共焦点顕微鏡観察により、これらの細胞が様々な度合いで以下の抗PSCAモノクローナル抗体、8D11, 10A1, 6C3, 6F8, 5F2, 7A6及び10E3に結合し内部移行することを示した(図5から8を参照のこと)。内部移行の染色パターンは、細胞質小胞及びゴルジ装置の近くにあるエンドソームに対応するような核周辺小器官の存在により特徴づけられた。
インヴィボにおける研究では、標識化は、ほとんどの凍結切片化された細胞の細胞表面上に観察され、細胞のわずかな割合において、細胞表面近くの小胞中に内部移行される。
10 nm金粒子で視覚化された抗gD抗体とインキュベートされた上述の3T3細胞を用いたEMによる内部移行研究は、gD-PSCAが内部移行されエンドソームの区画中に輸送されたことを示した。金粒子は小胞及び多小胞体において視覚化された。また、PSCA形質移入CHO細胞を用いたEMによる内部移行研究により、10E3及び6C3両抗体のどちらの内部移行においても同じ経路が関与したことが示された(図9Aから9Dを参照のこと)。PSCA内部移行のキネティクスは、速いようであった(細胞膜からエンドソームまで15分)。
125I-10AI及び125I-8D11抗PSCA抗体により、オートラジオグラフィーの銀粒子が細胞膜、特に微絨毛に結合して観察された。また、125I-標識10AI及び8D11抗体の添加後、オートラジオグラフィーの銀粒子は15分ほどの速さで細胞内に内部移行されることも観察された。図10の顕微鏡写真中に見られる内部移行は、本実験における結果の典型例である。ネオマーカーでは形質移入されたが、PSCAでは形質転換されていないコントロールのHCT116細胞は、内部移行を示さなかった。
6B8抗体の結果は、125I-10A1抗PSCA抗体で得られた結果と同様であった。抗体6B8の内部移行は、15分後から観察され、24時間後の時点まで続いた。オートラジオグラフィーの粒子は、最初、細胞膜小胞と結合して観察され、その後、エンドソーム中に内部移行された。
図11は、gD-PSCAで形質移入されたHer2発現MCF7細胞において5時間後における、3つの抗PSCA抗体[腹水番号 2395(6F8), 2399(8D11), 2403(5F2)]の内部移行の定常状態レベルを示す。細胞あたりの結合した抗PSCA抗体分子に対する溶解物中に遊離して存在する分子の数が定量化された。
【0125】
III.結論
PSCAに対して作製された抗体(6C3, 10E3, 10A1, 6F8, 5F2, 8D11, 6B8)はインヴィボ及びインヴィトロのどちらにおいても効率よくエンドサイトーシスされ内部移行された。6C3, 10E3, 及び6B8の内部移行が小胞を通して起こるらしいことが、超微細構造学的解析により示された。抗体は、ゴルジ装置に近接して存在する多小胞体中に蓄積する。従って、種々のアプローチにより、本発明の抗PSCA抗体は、細胞表面上のPSCAとの結合時に内部移行されることが示された。
【0126】
実施例4
種々の細胞及び腫瘍組織における豊富なPSCAの量が、cDNAライブラリーのデータベースから、異なる組織及び器官で発現される遺伝子を代表するcDNAライブラリー中に存在するPSCAヌクレオチド配列のコピー数を決定することにより評価された(図14を参照のこと)。図18(x軸)に示される各器官に対し、数ダースのcDNAライブラリーのプールが代表された。「全て(All)」とは、図に示される種々の器官を代表するDNAライブラリーだけでなく、骨、子宮、小腸、胸腺、胃、結合組織、及び分類されていない組織型を含む様々な組織から調製されたcDNAライブラリーの混合物を意味する。正常及び腫瘍器官における相対的な豊富さは、プールされたライブラリー中の全配列の数でライブラリー中のPSCA配列のコピー数を除した数により決定され、図14中、#hits/100,000ランダム配列として示される。絶対的な豊富さ(Absabu)から、PSCA発現が、前立腺及び膀胱腫瘍において高度に上方制御されていることは明らかである。
【0127】
実施例5
抗PSCA抗体の抗腫瘍活性が、インヴィボにおいて評価された。
I.材料及び方法
ヒト前立腺ガン細胞株であるPC3は、ATCC(ATCC CRL-1435)より得られたものである。株化細胞PC3.gDhuPSCAサブクローンは、親株PC3をpRK.gDPSCA.tkneoでFugene法(Roche Molecular Biochemical)を用いて形質移入させ、400μg/mlのG418(Life Technologies)中にプレートすることにより得られた。生育から2週間後、G418耐性サブクローンが選択され、それを増殖させ、gDPSCA発現に関しアッセイが行われた。細胞株PC3.Neoは親株PC3をベクターpRK.tkneoで形質移入し、400μg/mlのG418で選択することにより作製された。安定化コロニーをプールし、増殖させた。
NCRヌードマウス(Taconic Germantown, New York, USA)は、5 x 106 gDPSCAで形質移入されたPC-3細胞又はneoで形質移入されたPC-3細胞で皮下的にインジェクトされた。抗PSCAモノクローナル抗体2395(6F8), 2399(8D11), 2403(5F2), 及び2761(6B8)は10 mg/kgの投与量で細胞の播種一日前に腹腔内へ投与された。ネガティブコントロールとして、抗ブタクサ(ragweed)モノクローナル抗体、MARG2(Genentech)が、同じ投与計画で投与された。細胞の播種に続いて、動物は2週間毎に10 mg/kg 抗体で処理された。腫瘍の測定は2週間毎に行われた。これらの実験の結果は、図18-20に示される。
別の実験(処置後の)において、マウスが抗PSCA抗体で処置される前に腫瘍があるサイズになるまで放置されたが、前立腺ガンの患者の症状及び治療を模倣するものである。至適には、腫瘍サイズは、抗体処理前におよそ75-100 mm3であるべきである。この実験において、NCRヌードマウス(Taconic Germantown, New York, USA)は、皮下的に5 x 106のgDPSCA形質移入PC-3細胞でインジェクトされ、腫瘍を1週間増殖させた。その後、マウスは9匹のマウスの4つのグループに分けられ、各グループおよそ200 mm3の平均腫瘍体積である。その後、マウスは2週間毎に10 mg/kgの抗PSCAモノクローナル抗体2395(6F8), 2399(8D11), 2761(6B8), 及び2403(5F2)又は抗ブタクサ抗体MARG2(Genentech)で処理された。腫瘍の測定は2週間毎に行われた。これらの実験の結果は図21に示される。
【0128】
II.結果
テストされた4つの抗PSCA抗体、即ち2395(6F8), 2399(8D11), 2403(5F2), 及び2761(6B8)は、コントロールのブタクサ抗体と比較した場合、抗体そのもの(何も結合されていない状態)がインヴィボにおいてPSCA発現前立腺ガン細胞細胞を死滅させる細胞障害性活性を示した(図19-21を参照のこと)。p値は、図19中の2395及び2399、図20中の2399, 2403, 及び2761、及び図21中の2395に対してp<0.05でコントロールの集団の値とは著しく異なる。殺腫瘍性活性は、PSCA発現腫瘍細胞(図19-21)に特異的で、コントロール、PSCA非発現PC3腫瘍細胞には見られなかった(図18)。一旦マウスにインジェクトされるとPC3腫瘍細胞の生育速度を予測しコントロールすることは困難であり、適時に抗体処理を開始することは困難であった。その結果、これら最初の処置後実験において抗PSCA抗体の投与時には、腫瘍は至適サイズ(75-100 mm3)よりも大きく(150-200 mm3)なっていた。抗PSCA抗体を用いた治療は、腫瘍がより小さく、より典型的なサイズの時に開始される場合、及び抗体の投与量が10 mg/kg以上に増加された場合、腫瘍に対する細胞障害活性においてより大きな効果が期待できる。
【0129】
実施例6
カニクイザルのPSCA
本実験は、カニクイザルPSCAのクローニングについて記載し、当該抗ヒトPSCA抗体が高い相同性を持つカニクイザルPSCAとヒトPSCAに同等の親和性で結合することを示す。高い相同性に加え、カニクイザルの尿路上皮はヒトの尿路上皮で見られるのと同じ様式でPSCAを発現し、これにより、抗PSCA抗体細胞障害研究に対して当該霊長類が良好で適当な動物モデルとなることを見いだした。抗PSCAそのもの及び毒素を結合させた抗PSCA抗体がこのモデルにおいてテストされる。
I.材料及び方法
カニクイザルPSCAのクローニング
RNAは一匹のカニクイザルの膀胱から精製された。PSCAをクローン化するために、プライマーpsca.2F(AAGGCTGTGCTGCTTGCCCT-配列番号:14)及びpsca.1R(GAGTGGCACAAAGGCCTGGG-配列番号:15)を用いて、RT-PCRが実施された。2回の独立のPCR反応から得られる合成されたPCR産物は、PCRサブクローニングベクターpCR2.1-TOPO(Invitrogen)中にサブクローン化され、その後配列決定された。
細胞表面PSCA上の親和性測定
ヒト及びカニクイザルのPSCAに対する全コード配列は、発現ベクターpRK中にクローン化された。抗PSCAモノクローナル抗体5F2(腹水番号2403)はラクトペルオキシダーゼ法を用い、125Iで標識化された。PC3細胞又はCHO細胞は、Fugene Reagent (Roche)を用い、pRK.gD.human psca又はpRK.gD.cynomolgus pscaで一過的に形質移入された。形質移入2日後、細胞は、再度24ウェルプレート上に播かれ、種々の濃度の非標識Mab 2403と一定量の125I-Mab 2403を含む培地中、4℃で16時間インキュベートされた。非結合抗体は、除去され、細胞は氷冷した培地で洗浄された。結合した放射性量は、細胞を8 M 尿素/3 M 氷酢酸中で溶解させることにより決定された。Kd値は、NewLigandプログラムを用いてスキャッチャード解析により計算された。
FACS解析:
COS細胞(アフリカミドリザルの腎臓細胞)は、ベクターpRK.human.psca又はpRK.cynomolgus.pscaのいずれかにより一過的に形質移入された。形質移入2日後、細胞は培養皿から5 mM EDTAを用いて剥離させ、PBSで1回洗浄した。細胞は何本かのチューブに分配し、10μg/mlの抗体8D11(腹水#2399)又は6B8を用いて4℃で1時間 染色した。PBSで2回洗浄後、細胞はFITC抗マウス(ICN)抗体で染色され、フローサイトメトリーを用いて解析された。ゼノマウス(Xenomouse)抗体(10C5からのサブクローンである1D8, 3B8, 及び6D1)は反応あたり100μlのハイブリドーマ上清で用い、FITC抗ヒトカッパー鎖抗体で染色され、再度フローサイトメトリーで解析された。FACS解析の結果は以下の表5に示される。
【0130】
II.結果
サルPSCAの7つのサブクローンが配列決定され、それから2タイプの配列が得られた:タイプI(4つのサブクローン)とタイプII(3つのサブクローン)である。このDNA及び翻訳されたアミノ酸配列は、タイプI(配列番号16及び17)については図15に、タイプII(配列番号18及び19)については図16中に示される。RNAは個別のサルの膀胱から精製され、サルは野生種(純系種ではない)であったので、これら2つのタイプはおそらく同一遺伝子の異なる対立遺伝子を表すものである。タイプI及びタイプIIのカニクイザルPSCAは、DNAレベルで98.64%の同一性を示し、タンパク質レベルではアミノ酸119(セリン対グリシン)において唯一のアミノ酸の相違を持ち99.18%の同一性を示した。PSCAはGPI-アンカー表面タンパク質である。ヒトPSCAにおいて、GPI結合に関する切断位置はアミノ酸100の位置である。この切断及びGPI結合はカニクイザルPSCAにおいても同様に起こると考えられるので、成熟タイプI及びタイプIIのサルPSCAは、アミノ酸配列上100%の同一性を持つであろう。両タイプは、全コード配列においてヒトPSCAとおよそ94%の同一性を持つ。図17にヒト(配列番号1)とカニクイザルタイプIPSCA(配列番号17)のアミノ酸配列を比較する。
COS細胞表面上に発現されたヒト又はカニクイザルPSCAに結合する抗PSCA抗体についてのFACSシフトの平均値(FITCのユニットで示される)は、表5(マウス抗体)及び表6(ゼノマウス抗体)に示される。他の研究から、5F2, 8D11及び6F8抗体がヒトPSCAに対して非常に似た結合親和性を有することが知られていた。従って、これら3つの抗体のうち5F2が代表例としてコールド競合アッセイにおいて使用された。表7には、コールド競合アッセイで決定された抗体5F2及び6B8の細胞表面上のヒト及びカニクイザルPSCAに対する親和性を比較する。FACS解析及びコールド競合アッセイの結果は、マウスとゼノマウスヒト抗体が、天然の条件で細胞表面上に発現されたヒト及びカニクイザルPSCAと、同等の親和性(許容範囲内での誤差)で結合することを示した。
【0131】
【0132】
実施例7
抗PSCA抗体-DM1結合
本実施例は、抗PSCA抗体のメイタンシノイド(maytansinoid)、DM1との結合について記載する。DM1は、細胞中で活性化されるプロドラッグである;微小管構築の阻害剤であり、有糸分裂を中断させる。DM1の構造は図22に示される。DM1結合-抗PSCA抗体の構造は、図23に示される。以下の結合に関し、図22中のR基はSH又はその保護された誘導体である;特にジスルフィド誘導体が好ましい。例えばpH又は個々の抗体に対する試薬濃度を至適化させるために、この方法に対して変形が施されてもよい;これらの変形は本質的には常套的であり、タンパク質化学の当業者にとっては周知であろう。
SPPによる抗PSCA抗体の修飾
精製された抗PSCA抗体(例えば、表2Bに列挙される抗PSCA抗体の一つ)は、N-スクシニミジル-4-(2-ピリジルチオ)ペンタノエート(SPP)でジチオピリジル基を導入するために修飾された。塩化ナトリウム(50 mM)とEDTA(1 mM)を含むリン酸カリウムバッファー(PPB; 例えば、50 mM PPB pH6.5)中で抗体(例えば、約6-10 mg/mL)がSPP(例えば、2.3 mLのエタノール中5.3モル等量)で処理された。外界温度下、アルゴン存在下にて90分間インキュベーションした後、反応混合物は標準的な方法、例えば、35 mM クエン酸ナトリウム、154 mM 塩化ナトリウム、2 mM EDTAで平衡化させたSephadex G25カラムでゲル濾過することにより、濾過された。抗体を含む画分がプールされアッセイされた。抗体の修飾の程度は、上記のようにして決定される。
抗PSCA抗体-SPP-PyのDM1による結合
修飾された抗体(例えば、9.5μモルの遊離可能な2-チオピリジン基を持つ)は、上記の35 mM クエン酸ナトリウム緩衝液, pH6.5で最終濃度、例えば2.5 mg/mLになるように希釈される。その後、3.0 mM ジメチルアセトアミド(DMA、最終反応混合液中3% v/v )中、DM1(例えば、1.7等量、16.1μモル)が抗体溶液に添加される。アルゴン存在の下外界温度下で20時間反応が進行した。
反応産物は、ゲル濾過カラム、例えば、35 mM クエン酸ナトリウム、154 mM 塩化ナトリウム、pH6.5で平衡化されたSephacryl S300ゲル濾過カラム(5.0 cm x 90.0 cm, 1.77L)にかけられた。流速は、例えば、5.0 mL/minで65画分(各20.0 mL)が回収される。主たるピークが単体の抗PSCA抗体-DM1を含む。主たるピークの周辺の画分はプールされ、アッセイが行われる。抗体分子に対して結合されたDM1薬物分子の数は、例えば、252 nmと280 nmの吸収を測定することにより決定され、抗体分子あたり約3-5の薬物分子の結合が明らかにされた。
【0133】
実施例8
培養細胞上における抗PSCA-DM1結合体の細胞障害
抗PSCA抗体#2761(6B8)と#2399(8D11)が、上述したようにDM1と結合された。内部移行研究において、DM1結合抗体がPSCA発現細胞により効率的に取り込まれることが予想された。2つの抗ブタクサ抗体は抗原特異性及びイムノグロブリンアイソタイプに対するコントロールとして使用された。最初の4つのDM1結合体に関するインヴィトロにおける細胞障害の結果が報告される。細胞障害は、PC3.Neo細胞及びPC3.gDヒトPSCA clone4細胞上でのクローン原性アッセイにおいて測定された。これら2つの細胞株は、DM1非結合の抗体(図.24)と同等に感受性があることが示され、PC3.Neo細胞株はPC3.gDヒトPSCAclone4細胞に対する良好なネガティブコントロール抗原であることを示唆した。
I.方法
細胞は、テストされるべき抗体結合体を含んだ、又は含まない成長培地中、6ウェル組織培養用プレートに播かれた。コントロールの培養は、500 細胞/プレートで播かれた。結合抗体に暴露される培養は、500 から5000細胞/プレートの間の幾つかの密度でプレートされた。その後、細胞はコロニーを形成させるため37℃で5から7日インキュベートされた。細胞は固定され、クリスタルバイオレット色素で染色され、コロニー数が数値化された。播き効率(PE)は、コロニー/播かれた細胞数で計算された。生存率は、処理した細胞のPE/処理されない細胞のPEで計算された。コントロール培養物の播き効率は、コントロール株及びPSCA発現細胞株のいずれに対しても40%から60%の範囲内であった。
【0134】
結合抗体2399-DM1はPC3.gDヒトPSCAclone4細胞に対し、連続暴露においてIC10〜3 x10-10の細胞障害性を示した(図25)。アイソタイプの一致したコントロールである1429-DM1はテストされた最高濃度(3 x 10-9M)においても細胞に対して毒性を示さなかった。第二の結合抗体2761-DM1はPC3.gDヒトPSCAclone4細胞に対し、連続暴露においてIC10〜1 x 10-9の細胞障害性を示した(図26)。アイソタイプの一致したコントロールである1428-DM1はテストされた最高濃度(3 x 10-9M)においても細胞に対して毒性を示さなかった。4つのDM1結合抗体いずれもテストされた最高濃度(3 x 10-9M)においてPC3.Neoに対し毒性を示さなかった、図27を参照のこと。
結論
結合抗体2399-DM1及び2761-DM1は、PSCA抗原ポジティブ細胞に対し特異的に細胞障害性を示した。
【0135】
実施例9
インヴィボにおける腫瘍の成長に対するDM1結合抗体の影響
I.材料及び方法
6-8週齢のメスのNCRヌードマウス(Toconic, Inc)に、5 x 106PC-3gdPSCA細胞を1日目に0.2 ml容量で皮下的にインジェクトした。5日間腫瘍を生育させ、その後キャリパー計を用いて二次元的に測定された。腫瘍の体積は、以下の式を用いてmm3で表される:V=0.5a x b2, ここでa及びbはそれぞれ腫瘍の長径と短径である。マウスは、平均腫瘍体積160 mm3で7匹の6グループに分類された。6日目、抗体処理が開始された。抗体のみ(DM1非結合)の抗PSCA抗体2399(8D11), 2761(6B8)及び抗ブタクサネガティブコントロール抗体、1428が10 mg/kgの投与量で週に2回腹腔内注射された。本処置療法は実験全体にわたり続けられた。細胞毒素メイタンシノイド、DM1が結合された同一の抗体が、75μg/kgのDM1濃度で静脈内(IV)にインジェクトされた。DM1抗体は全8投与量に対して週2回投与された。腫瘍は、実験を通じて週2回測定された。以下の表8は投与計画を示す。
【0136】
結果
図28に示されるように、処置後26日までに、非結合抗PSCA抗体及びDM1結合抗ブタクサコントロール抗体のいずれと比較しても、DM1結合抗PSCA抗体(2399及び2761)で処理された動物においてヒト前立腺腫瘍(PSCA発現細胞)が実質的に除去されていた。DM1-2399又はDM1-2761で処置された7匹の動物の各グループ内では、4匹の動物は検出可能な腫瘍を有していなかった。残存する腫瘍を持つ3匹の動物については、DM1結合抗ブタクサコントロール抗体処置グループの約550 mm3の腫瘍体積に比して、平均腫瘍サイズがたったの6mm3であった。DM1処理は29日目に終了するまでにもう一回続ける。33日目、全グループのマウスが処理され、組織化学的解析のために腫瘍組織が回収される。肝臓、腎臓及び膀胱を含む他の組織は、回収され、抗体処置に関係する細胞障害の徴候に関し調べられた。
【0137】
実施例10
組織マイクロアレイを用いたPSCA発現解析
正常組織及び悪性腫瘍におけるヒトPSCAの発現は、複数組織アレイ上のアイソトピックインサイツハイブリダイゼーション(ISH)を用いて調べられた。組織マイクロアレイ(TMA)は、典型的には100から1000を超える範囲の個々の組織サンプルを含むパラフィンブロックである。TMAは、パラフィンブロックに包埋された「ドナー」組織から少量の生検サンプルを得、アレイを形成するように一つの「レシピエント」ブロック中に生検サンプルを一緒に再包埋することで構築される。
I.方法
PCRプライマー(上流- 5' ACCCACGCGTCCGGCTGCTT 3' [配列番号24]及び下流- 5'CGGGGGACACCACGGACCAGA 3' [配列番号25])がヒトPSCAの768bpを増幅させるように設計された。プライマーには、増幅産物から、センス又はアンチセンスプローブそれぞれのインヴィトロ転写を可能にするために、27ヌクレオチドのT7又はT3 RNAポリメラーゼ開始部位をコードする伸展部が含まれていた。腫瘍マイクロアレイのスライド板は、脱パラフィン化され、20μg/mlのプロテイネースK中で37℃15分間脱タンパク化され、さらにインサイツハイブリダイゼーションのために処理された。33P-UTP標識化センス及びアンチセンスプローブは、55℃で一晩切片に対してハイブリ化された。結合しなかったプローブは、20 mg/ml のRNase中でインキュベーションにより除去された。37℃での30分間の処理後、0.1 x SSC中、55℃で2時間の高緊縮性の洗浄、及び段階的エタノール濃度による脱水が行われた。このスライド板はNBT2 nuclear track emulsion(Eastman Kodak)中に浸され、乾燥剤を入れた密封スライドボックス中で4℃、4週間暴露され、現像後、ヘマトキシリンとエオシンで対比染色された。
【0138】
II.結果
正常前立腺及び前立腺腫瘍に対するISHアッセイの結果が表9にまとめられている。
原発性前立腺ガンのグループには、前立腺上皮内腫瘍(PIN;PSCAに対して1例はネガティブ、1例は弱いポジティブ、5例は強いポジティブを示した)の7例が含まれる。転移前立腺ガンのグループは、リンパ節転移の25例、肝臓転移の2例(両例はPSCAに強いポジティブを示す)、及び脳転移の1例(PSCAに対して弱いポジティブを示す)から構成される。別途の前立腺複組織アレイ(正常前立腺、原発性及び転移前立腺ガン)における予備的な結果は、これらの数値を実証する。他の腫瘍タイプ(肺及び大腸)に対する結果は、予備的であり、およそ10%の肺ガン及び5%の大腸ガンがPSCAを少量又は中程度のレベルで発現することを示すようである。
【0139】
実施例11
腫瘍及び正常組織におけるPSCA分布
実施例11では、ここでの抗PSCA mAbsを用いて免疫組織化学(IHC)により評価される腫瘍及び正常組織におけるPSCAの分布について記述する。一連の原発性の、器官に閉じこめられた前立腺ガンがPSCAの発現に関して評価される。また、PSCAの発現は、乳ガン、肺ガン、大腸ガン、及び腎臓ガンの凍結切片、及び大腸ガン腫細胞株においてもアッセイされる。別途、PSCAに対するTaqmanTM解析が本IHC研究に対して用いられる幾つかの同一の事例に対して実施されている。TaqManTMは、実時間での遺伝子増幅をモニターするためにTaq DNAポリメラーゼの5' エクソヌクレアーゼ活性を使用する蛍光PCRに基づく技術である。
凍結切片上でのPSCA染色法
5μ厚の凍結切片は、新鮮に凍結された腫瘍組織からLeicaクライオスタットで切断され、さらなる使用時まで-20℃で保存された。
切片は完全に乾燥させ、アセトン/エタノール中で5分間固定させる。その後切片は、リン酸バッファー(PBS)でそれぞれ5分間、2回リンスする。内在性のペルオキシダーゼ活性はグルコースオキシダーゼ/グルコース法を用いて37℃、60分間処理し失活させる。この後、PBSで2回、各々5分間毎に交換してリンスする。内在性のビオチンのブロッキングは、Vector Avidin/Biotin Blocking Kitを用いて行われる。内在性のイムノグロブリン結合サイトに対するブロッキングは、10 %通常ウマ血清で30分間行われる。ブロッキング血清は洗い流さない。
切片は、ブロッキング血清で10μg/mlに希釈された抗PSCAマウス抗体で、室温(RT)にて60分間インキュベートされる。マウスアイソタイプコントロール抗体(Zymed)はネガティブコントロールとして使用される。切片はPBSで各5分間2回洗浄される。特異的に結合した一次抗体の検出は、ビオチン化ウマ抗マウスIgで達成される。切片は、ブロッキング血清で1:200に希釈されたビオチン化ウマ抗マウスIgGと30分間インキュベートされる。切片はPBSで各5分間2回洗浄され、希釈されたABC試薬で30分間インキュベートされ、再度PBSで各5分間2回洗浄される。切片は、Pierce Metal Enhanced DABで5分間インキュベートされ、その後水道水で5分間リンスされ、Mayer's hematoxylinで1分間対比染色され、水でリンス後70%, 95%,100%のエタノール中に移し、キシレン処理後カバーグラスを載せる。その後、切片は脱水し、夾雑物を除去し、合成マウント剤でマウントする。
結果
悪性上皮細胞においてPSCAの発現が認められる。発現のレベルは、弱い発現から非常に強い発現にわたり、悪性の細胞でポジティブな集団は10%以下から>95%の範囲に及ぶ。PSCA mRNAについては、既に、結腸直腸腺ガンにおいてインサイツハイブリダイゼーションにより示されていた。
【0140】
実施例12
動物モデルは病原性のメカニズムを理解し新規治療法の開発に有用である。本研究は、インサイツハイブリダイゼーションによる胎児及び成体組織におけるマウスPSCAの発現パターンと、ヒト前立腺腺ガンに対するマウスモデルについて報告する。
構造学的に、PSCAは、Thy-1/ly-6ファミリータンパク質のメンバーと相同性を持つGPI結合膜糖タンパク質である。未成熟リンパ球に対する細胞表面マーカーであるSca2と極めて近い関連性を持つ(Noda S.等、Journal of Experimental Medicine 1996;183:2355-60)。正常組織でのヒトPSCA RNAの発現は、本来、組織特異的のみならず、前立腺基底細胞に本質的に限定されるものとして記述されていた。著者は後者の観察とSca2に対する構造上の相同性から、PSCAは「幹」細胞抗原であることを推測した。
マウスホモログは、核酸及びアミノ酸レベルでヒトPSCAと70%の同一性を示すことが示されていた(Reiter RE等、1998, Proc.Natl.Acad.Sci. 95:1735-40)。ヒト前立腺ガンに対するモデル動物として十分確立されたものの一つは、Transgenic Adenocarcinoma of the Mouse ProstateTM(TRAMPTM)(Greenberg NM, 1995, PNAS 92:3439-43)である。解剖学的に著しい相違がヒトの前立腺と比較した場合に存在するが、分泌機能及びホルモン制御を含む先天的な共通の特徴を持つ。TRAMPTMモデルにおいて、ラットのプロバシン遺伝子の最小プロモーターは、SV40ラージT抗原の発現を前立腺上皮に標的化する。全てのオスのTRAMPマウスが通常8-12週で前立腺ガンへと移行する(Gingrich JR等、1997 Cancer Reaserch 57:4687-91)。原産のTRAMPTMモデルは、ガンの発生が前立腺上皮に特異的で、初期にアンドロゲンにより制御される点でヒト前立腺腺ガンに特に関連がある。さらに、離れた部位への転移が最終的には生じる(Gingrich JR等、1996, Cancer Research 56:4096-102;Gingrich JR等, 1999, Prostate Cancer & Prostatic Diseases 2:70-75)。
【0141】
I.材料及び方法
マウス及び組織収集
10から24週齢の間のオスとメスの成体CD-1マウスはCharles River laboratoriesから得られた。妊娠中のマウスが胎児を集めるためにオーダーされた。膣栓による分離の日は、胎児期第1日と判断された。ISHで調べられる胎児組織には:E10, E13, E14, E15, E17及びE18が含まれた。調べられる成体組織には:オスの泌尿生殖器システムの組織、メスの膀胱及び腎臓、青年期の乳腺、妊娠14日の乳腺、授乳中の乳腺、肝臓、心臓、皮膚、及び腸が含まれた。全ての組織は、4%ホルマリンで固定され、パラフィンに包埋された。TRAMPTMのプリーダーペアー(Breeder pairs)の遺伝子組換えマウスはNorman Greenberg博士から供与頂いた(Baylor College of Medicine,Housotn, TX)。野生型の同腹仔C57BL/6からの泌尿生殖器組織は、週齢が一致した遺伝子組換えマウスTRAMPTMとの比較のために12及び24週齢で採取された。12週齢までに、TRAMPTMマウスは典型的にはPINに移行し、及び/又は十分に分化した腫瘍になる。12から39週齢の間の9匹のTRAMPTMオスマウスが処理され、常套的な組織学及びISH調査のため回収された。前立腺ガンの組織学的グレードが、TRAMPTMモデルにおける既刊の研究内容(Gingrich JR等、1999, Prostate Cancer & Prostatic Diseases 2:70-75)に従って決定された。
マウスPSCAのオーソログのクローニング
マウスPSCAに対する全長cDNAは、17日の胎児マウスからMarathon-Ready cDNA(Clontech)を用いて増幅された。プライマーは、Genbankに存在するEST配列に基づいて設計された。センスプライマー(5' ACTATGAAGCTTTGCAGCTCATCCCTTCACAATCG 3' (配列番号20))及び3'非翻訳領域におけるアンチセンスプライマー(5' GAATTCGGATCCACCATGAAGACCGTCTTCTTTCTCCTGCTG 3' (配列番号21))は、引き続きPCRサブクローニングベクターPCR2.1TOPO(Invitrogen)中にクローン化される420bp断片を作製するのに使用された。クローンはDNAシークエンシングによって確認された。
インサイツハイブリダイゼーション
PCRプライマー(上流-5' CCTGCTGGCCACCTACT 3' 及び 下流-5' CCTTCACAATCGGGCTAT 3'-各々配列番号22及び23)は、マウスPSCAの388bp断片を増幅させるために設計された。プライマーには、増幅産物から、センス又はアンチセンスプローブそれぞれのインヴィトロ転写を可能にするために、27ヌクレオチドのT7又はT3 RNAポリメラーゼ開始部位をコードする伸展部が含まれていた(Lu等、Cell Vision 1994, 1:169-176)。5μm厚の切片は、脱パラフィン化され、4μg/mlのプロテイネースK中で37℃30分間脱タンパク化され、さらにインサイツハイブリダイゼーションのために処理された。33P-UTP標識化センス及びアンチセンスプローブは、切片に対して55℃で一晩、ハイブリ化された。結合しなかったプローブは、20 mg/ml のRNaseAで37℃で30分間インキュベーションすることで除去され、0.1 x SSC中、55℃で2時間の高緊縮性の洗浄、及び段階的エタノール濃度による脱水が行われた。スライド板はNBT2 nuclear track emulsion(Eastman Kodak)中に浸され、乾燥剤を入れた密封スライドボックス中で4℃、4週間暴露され、現像後、ヘマトキシリンとエオシンで対比染色された。インサイツハイブリダイゼーションは、常套的にセンス及びアンチセンスによる2組の切片に対して実施された。センスプローブでハイブリダイズされた切片には顕著なハイブリダイゼーションシグナルは観察されなかった。
【0142】
結果
結果をまとめると、マウスPSCAは、尿生殖洞、皮膚、胃腸管において胎児の発達期に発現される。これらの組織における発現は最上層の細胞層に限定される。成体のマウスにおいては、その発現は尿路の粘膜の裏打ち中に最も高度である。正常成体の前立腺において、PSCAの発現は、分泌上皮中に排他的に検出される。TRAMPTMモデルにおけるマウス前立腺の発ガン期におけるPSCAの検査により、腫瘍形成領域における顕著な増加が示された。
これらの研究により、マウスPSCAの発現は、前立腺特異的でもなければ、幹細胞マーカーと一致しているわけでもないことが示される。本結果は、上皮表面中でのPSCA発現は、adluminal又は表層性の細胞層に限定されるのであって、ヒト遺伝子の報告にあるような基底細胞にはないことを明白に示すものである。adluminal外層の細胞は典型的には高度な分化を示すが、幹細胞とは異なり低い増殖性又は自己再生能を示す。従って、当該分子を「幹細胞抗原」と命名することには疑問が生じる。これらの結果は、正常組織及びマウス前立腺腺ガン組織におけるマウスPSCAの発現パターンが、ヒト前立腺腺ガンにおいて発表されているデータと異なることを示唆する。おそらく、TRAMPTMの腫瘍とヒト前立腺腺ガンとの間のPSCA発現における差違は、PSCA発現の種特異的制御を示すものか、又は進行中の発ガン事象のタイプに関連するものである。
PSCAの最も強い発現は、発育中の尿路上皮及び成熟尿路中に見いだされる。成体において、発現は腎盂から尿道全体にかけて生じる。前立腺での発現はパッチ状だが、大前立尿管と尿道との接合部において目立って増大する。この発見が排尿反射と関連するならば、このタンパク質の機能に関する潜在的な解決の糸口を提供するこれらの構造に考えを巡らすことは魅力的である。PSCAの発現を示す上皮表面の共通の特徴は、常に体液、粘膜、分泌物と接触状態にある構造に裏打ちしているという事実である。これは、明らかに尿路上皮の事例であるが、この知見は、顕著なPSCA発現が羊膜、肛門管、中咽頭、食道、及び発育中の胎児の皮膚に認められるとの観察に対しても当てはまる。いずれの仮説や機序によっても限定されるものではないが、胎児の気管支内ツリーのような他の体液に曝される上皮組織はPSCAを発現しないので、更なる共通の特徴が働いているようである。胎児の皮膚における発現が一過的に制御されるかどうかは、調べられた胎児の数が少ないので、現時点で決定づけることは困難である。しかし、皮膚におけるPSCAの発現は、出生後、つまり子宮外での生活においてはもはや必要とされないように思える。複数層の上皮表面内での発現パターンは、PSCAが外的な侵襲に対するバリア又はバッファーとして機能することを示唆する。PSCAノックアウトマウスの作製など、更なる研究が正常組織におけるPSCAの主要な機能を明らかにするのに役立つであろう。
胎児及び成体組織における多くのPSCAの選択的発現により、マウスがこのタンパク質の生理的な機能を決定するのに適するモデルに仕立てられる。PSCAは進行ガンの段階では消失するが、TRAMPTMモデルは、なお、前立腺ガンに対する標的としてPSCAを研究するために潜在的に有用なツールとなりうる。
【0143】
結論
上記の実施例は、本発明の抗PSCA抗体がインヴィボにおいてPSCA発現ガン細胞を効率よくに標的とすること、GPI結合PSCA分子及びそれに結合する抗体がPSCAを発現するガン細胞への抗体の結合時に速やかに内部移行されることを示した。抗PSCA抗体は、インヴィボにおけるガン細胞の破壊及び腫瘍増殖阻害において特異性及び効率性を示した。腫瘍細胞の細胞障害性は、毒素、特に細胞内で機能する毒素であるメイタンシノイド、DM1を結合させた抗体を用いることで、著しく増大された。DM1結合抗PSCA抗体での処理により、PSCAを発現するヒト前立腺腫瘍細胞がインヴィボにおいて完全に除去された(実施例9を参照のこと)。
【0144】
IX.文献
特許、公開出願及び他の刊行物を含む、この出願において引用した文献を出典明示よりここに取り込む。
本発明の実施には、特に他のものを示さない限り、当業者の技量内である分子生物学の一般的な技術等が使用される。そのような技術は文献に十分に説明されている。例えば、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, (J. Sambrook等, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989); Current Protocols in Molecular Biology (F. Ausubel等編, 1987改訂); Essential Molecular Biology (T. Brown編, IRL Press 1991); Gene Expression Technology (Goeddel編, Academic Press 1991); Methods for Cloning and Analysis of Eukaryotic Genes (A. Bothwell等編, Bartlett Publ. 1990); Gene Transfer and Expression (M. Kriegler, Stockton Press 1990); Recombinant DNA Methodology II (R. Wu等編, Academic Press 1995); PCR: A Practical Approach (M. McPherson等, IRL Press at Oxford University Press 1991); Oligonucleotide Synthesis (M. Gait編, 1984); Cell Culture for Biochemists (R. Adams編, Elsevier Science Publishers 1990); Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (J. Miller & M. Calos編, 1987); Mammalian Cell Biotechnology (M. Butler編, 1991); Animal Cell Culture (J. Pollard等編, Humana Press 1990); Culture of Animal Cells, 2版(R. Freshney等編, Alan R. Liss 1987); Flow Cytometry and Sorting (M. Melamed等編, Wiley-Liss 1990); シリーズ Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.); Wirth M.及びHauser H. (1993); Immunochemistry in Practice, 3版, A. Johnstone & R. Thorpe, Blackwell Science, Cambridge, MA, 1996; Techniques in Immunocytochemistry, (G. Bullock & P. Petrusz編, Academic Press 1982, 1983, 1985, 1989); Handbook of Experimental Immunology, (D. Weir & C. Blackwell編); Current Protocols in Immunology (J. Coligan等編, 1991); Immunoassay (E. P. Diamandis & T.K. Christopoulos編, Academic Press, Inc., 1996); Goding (1986) Monoclonal Antibodies: Principles and Practice (2版) Academic Press, New York; Ed Harlow及びDavid Lane, Antibodies A laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York, 1988; Antibody Engineering, 2版 (C. Borrebaeck編, Oxford University Press, 1995);及びシリーズAnnual Review of Immunology; シリーズAdvances in Immunologyを参照されたい。
【0145】
X.株化細胞とDNAの寄託
次のハイブリドーマ株化細胞を、アメリカ合衆国20110-2209バージニア州マナッサスのユニバーシティ・ブールバード10801に所在するアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)に寄託し、次の受託番号が与えられた:
ハイブリドーマ ATCC受託番号 寄託日
PSCA.10E3 PTA-717 1999年9月16日
PSCA.6F8 PTA-718 1999年9月16日
PSCA.8D11 PTA-719 1999年9月16日
PSCA.5F2 PTA-720 1999年9月16日
PSCA.6C3 PTA-880 1999年10月26日
PSCA.6B8 PTA-2265 2000年7月25日
PSCA.10C5 PTA-2264 2000年7月25日
次のベクターDNA(実施例1を参照)をATCCに寄託した
pRK-2403L PTA-2623 2000年10月24 日
pRK-2761L PTA-2620 2000年10月24 日
pRK-2403H PTA-2622 2000年10月24 日
pRK-2761H PTA-2621 2000年10月24 日
【0146】
上記の寄託されたハイブリドーマ株化細胞の名前は簡単にするために短縮されている;これらのハイブリドーマは表2Bに列挙した(その完全な名前が付されている)クローンに対応する。
この寄託は、特許手続き上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約及びその規則(ブダペスト条約)の規定に従って行われた。これは、寄託の日付から30年間、寄託の生存可能な培養が維持されることを保証するものである。寄託物はブダペスト条約の条項に従い、またジェネンテック社とATCCとの間の合意に従い、ATCCから入手することができ、これは、どれが最初であろうとも、関連した米国特許の発行時又は任意の米国又は外国特許出願の公開時に、寄託培養物の後代を永久かつ非制限的に入手可能とすることを保証し、米国特許法第122条及びそれに従う特許庁長官規則(特に参照番号886OG638の37CFR第1.14条を含む)に従って権利を有すると米国特許庁長官が決定した者に後代を入手可能とすることを保証するものである。
【0147】
本出願の譲受人は、寄託した培養物が、適切な条件下で培養されていた場合に死亡もしくは損失又は破壊されたならば、材料は通知時に同一の他のもの即座に取り替えることに同意する。寄託物質の入手可能性は、特許法に従いあらゆる政府の権限下で認められた権利に違反して、本発明を実施するライセンスであるとみなされるものではない。これらの寄託をなすことは、寄託が本発明の実施に必要であること認めるものでは決してない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 FACSによりアッセイされた、Mab 5F2によるgD-PSCA形質移入CH細胞への結合性及びその染色性を示す(実施例1を参照)。
【図2】 FACSによりアッセイされた、Mab 10C5によるgD-PSCA形質移入CH細胞への結合性及びその染色性を示す(実施例1を参照)。
【図3】 種々の可溶性FACS抗原に対する、6B8.1D7.2B3抗PSCAの結合活性を示す(実施例1を参照)。
【図4】 抗体腹水番号2403(5F2)に対する結合曲線を示す(実施例1を参照)。
【図5】 Cy3蛍光の強度により1時間内で測定した、3つの細胞型における種々の抗PSCAモノクローナル抗体(6C3;6F8;10A1;8D11;5F2;7A6)の内部移行を示すグラフである(実施例3を参照)。
【図6】 Cy3蛍光の強度により測定した、3つの細胞型における種々の抗PSCAモノクローナル抗体(6C3;6F8;10A1;8D11;5F2;7A6)によるPSCAの表面標識性を示すグラフである(実施例3を参照)。
【図7】 Cy3蛍光の強度により1時間内で測定した場合の、表面量対各抗体に対して内部移行した抗PSCAモノクローナル抗体を比較したグラフである。表面量及び内部移行した抗体は、図5及び6で使用した異なる細胞系の結果得られたものの平均である。
【図8】 図8A、図8B及び図8Cは共焦顕微鏡法で観察した場合の、PSCA発現細胞系HCT 47gD、MCF7/HER2/PSCA、及びPC3 19 gD PSCAのそれぞれ中の、蛍光標識された8D11抗PSCA抗体の分布を示す顕微鏡写真である(実施例3を参照)。
【図9】 図9A-Dは金付加生成物で標識された抗PSCA抗体を用いて処置されたPSCA発現CHO細胞の電子顕微鏡写真を示す。図9A及び9Bは、それぞれ15分及び1時間、抗体6C3とインキュベートした細胞を示す。図9C及び9Dは、それぞれ15分及び1時間、抗体10E3とインキュベートした細胞を示す。
【図10】 抗体と接触させて15分後の、HCT116gDPSCA細胞における125I-D11抗体の内部移行を示す顕微鏡写真である(実施例3を参照)。
【図11】 gD-PSCA又はベクター単独のいずれかで形質移入されたHer2-発現MCF7細胞における、37℃5時間後の、3つの抗PSCA抗体[腹水#2395(6F8)、#2399(8D11)、#2403(5F2)]の内部移行のレベルを示す(実施例3を参照)。ハーセプチンは抗-Her2抗体である。
【図12】 ハイブリドーマクローン6F8.2F4,Asc#2395;8D11.2E9,Asc#2399;5F2.4H4.1E3,Asc#2403;及び6B8.1D7.2B3,Asc#2761から得られた抗体の重鎖及び軽鎖可変領域ドメイン(VH及びVL)のアミノ酸配列を示す。
【図13】 シグナルペプチド配列を含む、全長キメラ2403IgGのアミノ酸配列、及びキメラ6B8 Fabの配列を示す。
【図14】 種々の腫瘍対正常組織におけるPSCAの相対発現レベルの比較を示す(実施例4を参照)。
【図15】 カニクイザルのI型PSCAのDNA及びタンパク質配列(それぞれ配列番号:16及び17)を示す。実施例6を参照。アミノ酸配列末端の「o」は、オーカー停止コドンを表す。
【図16】 カニクイザルのII型PSCAのDNA及びタンパク質配列(それぞれ配列番号:18及び19)を示す。実施例6を参照。アミノ酸配列末端の「o」は、オーカー停止コドンを表す。
【図17】 ヒトPSCA(配列番号:1)とカニクイザルのI型PSCA(配列番号:17)のアミノ酸配列を比較したものである。
【図18】 抗ブタクサのネガティブコントロール抗体と比較した場合の、3つの抗PSCA抗体(6B8、8D11及び5F2)で処理されたマウスにおけるコントロールPC-3腫瘍細胞(PSCA-ネガティブ)の成長を示す(実施例5を参照)。
【図19】 抗ブタクサのネガティブコントロール抗体と比較した場合の、3つの抗PSCA抗体(6B8、8D11及び5F2)で処理されたマウスにおけるPC-3.gDPSCA腫瘍の成長を示す。抗体はPSCA-形質移入PC-3細胞を播種する1日前に、腹膜内注射することにより投与し、続いて細胞播種に続いて隔週で注射を行った。矢印の下の「RX」はマウスへの抗体注射の時点(日)を示す(実施例5を参照)。
【図20】 図19に記載したようにして、抗体8D11、5F2、6B8及びコントロールブタクサ抗体で処置されたPC-3.gDPSCA腫瘍の成長を示す(実施例5を参照)。
【図21】 マウスにおけるPC-3.gDPSCA腫瘍の成長を示し、ここで抗PSCA抗体6B8、8D11又は5F2を用いた治療は、マウスにおいて腫瘍を1週間成長させ、マウスのグループ当たりの平均腫瘍体積が約200mm3に達した後に開始した。抗体投与は隔週で行った。矢印の下の「RX」はマウスへの抗体の腹膜内注射の時点(日)を示す(実施例5を参照)。
【図22】 「DM1」と称されるメイタンシノイドの構造を示す(実施例7を参照)。
【図23】 抗PSCA抗体-DM1結合体の構造を示す(実施例7を参照)。
【図24】 非結合DM1に対する、アッセイ細胞系、PC3.ネオ細胞及びPC3.gDヒトPSCAクローン4細胞の敏感度を示す(実施例8を参照)。
【図25】 アイソタイプコントロール1429-DM1と比較した、PC3.gDヒトPSCAクローン4細胞に対する抗体結合2399-DM1の細胞障害性を示す(実施例8を参照)。
【図26】 アイソタイプコントロール1428-DM1と比較した、PC3.gDヒトPSCAクローン4細胞に対する2761-DM1の細胞障害性を示す(実施例8を参照)。
【図27】 抗原-陰性PC3.ネオ細胞における抗体-MD1結合体の毒性の欠如を示す(実施例8を参照)。
【図28】 マウスモデルにおけるPSCA発現PC3ヒト前立腺腫瘍細胞の成長を示し、ここで、マウスはそのままの(無毒で結合していない)抗体又はDM1-結合抗体のいずれかで処置されたものである。抗PSCA抗体は2399又は6B8であり、抗ブタクサ抗体1428はコントロール抗体となっている(実施例9を参照)。
Claims (50)
- 配列番号:3及び配列番号:4に示されるアミノ酸配列、配列番号:5及び配列番号:6に示されるアミノ酸配列又は配列番号:7及び配列番号:8に示されるアミノ酸配列を含む抗前立腺幹細胞抗原(PSCA)抗体、若しくはアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション受託番号PTA-719で寄託されたハイブリドーマによって産生される抗PSCA抗体。
- アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション受託番号PTA-717、PTA-718、PTA-719、PTA-720、PTA-880又はPTA-2265で寄託されたハイブリドーマの群から選択されるハイブリドーマによって産生される抗PSCA抗体。
- 断片化された請求項1又は2に記載の抗体。
- キメラ又はヒト化された請求項1又は2に記載の抗体。
- 成長阻害剤に結合している請求項1又は2に記載の抗体。
- 細胞毒性剤に結合している請求項1又は2に記載の抗体。
- 細胞毒性剤が毒素、抗生物質、放射性同位元素及びヌクレオリティック酵素からなる群から選択される請求項6に記載の抗体。
- 細胞毒性剤が毒素である請求項7に記載の抗体。
- 毒素がメイタンシノイド又はカリケアマイシンからなる群から選択される請求項8に記載の抗体。
- 毒素がメイタンシノイドである請求項9に記載の抗体。
- 抗体がガン細胞上のPSCAへの結合時に内部移行する請求項1に記載の抗体。
- インヴィボで前立腺ガン細胞の成長を阻害する請求項1に記載の抗体。
- ヒト化された請求項12に記載の抗体。
- 細菌において生産される請求項14に記載の抗体。
- ガン細胞が、前立腺ガン及び膀胱ガンからなる群から選択されるガン由来である請求項12に記載の抗体。
- ガンが前立腺ガンである請求項16に記載の抗体。
- 配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9又は配列番号:10からなる群から選択されるアミノ酸配列からなるポリペプチドをコードする配列を含んでなる単離核酸。
- 発現制御配列に作用可能に結合した請求項18に記載の核酸を含んでなる発現ベクター。
- 請求項1又は2に記載の抗体を産生する細胞。
- 細胞が、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション受託番号PTA-717、PTA-718、PTA-719、PTA-720、PTA-880又はPTA-2265で寄託されたハイブリドーマ細胞の群から選択される請求項20に記載の細胞。
- 請求項19に記載のベクターを含んでなる宿主細胞。
- 細菌細胞である請求項22に記載の宿主細胞。
- 請求項20に記載の細胞を培養し、細胞培養物から抗体を回収することを含んでなる、請求項1又は2に記載の抗体の産生方法。
- 請求項1に記載の抗体と担体を含有する、前立腺ガン治療のための医薬組成物。
- 抗体が細胞毒性剤に結合している請求項25に記載の組成物。
- 細胞毒性剤がメイタンシノイドである請求項26に記載の組成物。
- 抗体がヒト化されており、担体が製薬的担体である請求項27に記載の組成物。
- ヒト化された抗体が、ATCC受託番号 PTA-718、PTA-719、PTA-720 又はPTA-2265を持つハイブリドーマの群から選択されるハイブリドーマにより産生される抗体のヒト化型である請求項28に記載の組成物。
- 前立腺ガン細胞を請求項1に記載の抗体に接触させ、それによって前記ガン細胞を死滅させる、前立腺ガン細胞を死滅させるインヴィトロ方法。
- 前立腺ガンがアンドロゲン非依存性である請求項30に記載の方法。
- ガン細胞が転移性前立腺ガン由来である請求項30に記載の方法。
- 抗体が断片化されている請求項30に記載の方法。
- 抗体がヒト化されている請求項30に記載の方法。
- 抗体が細胞毒性剤に結合している請求項34に記載の方法。
- 細胞毒性剤がメイタンシノイド又はカリケアマイシンらなる群から選択される毒素である請求項35に記載の方法。
- 細胞毒性剤がメイタンシノイドである請求項36に記載の方法。
- ATCC受託番号PTA-718、PTA-719、PTA-720 又はPTA-2265を持つハイブリドーマの群から選択されるハイブリドーマによって産生される抗体のヒト化型である請求項37に記載の方法。
- 細胞毒性剤が放射性同位元素である請求項35に記載の方法。
- 前立腺ガン治療方法での使用のための請求項12ないし17の何れか1項に記載の抗体。
- 前立腺ガンを軽減するための医薬の製造における、請求項12ないし17の何れか1項に記載の抗体の使用。
- 前立腺ガンがアンドロゲン非依存性又は転移性前立腺ガンである請求項41に記載の使用。
- 抗体がヒト化されている請求項41又は42に記載の使用。
- 抗体が細胞毒性剤に結合している請求項41ないし43の何れか1項に記載の使用。
- 細胞毒性剤がメイタンシノイドである請求項44に記載の使用。
- 抗体が少なくとも1種の化学療法剤と併用されて投与される請求項41ないし46の何れか1項に記載の使用。
- 化学療法剤がタキサンである請求項47に記載の使用。
- 化学療法剤がパクリタキセル又はその誘導体である請求項47に記載の使用。
- 容器とそこに含まれる前立腺ガン治療のための医薬組成物を含んでなる製造品において、医薬組成物が請求項1に記載の抗体を含み、医薬組成物を前立腺ガンを治療するために使用可能であることを示すパッケージ挿入物を更に含んでなる製造品。
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