JP4027165B2 - 植栽設置構造 - Google Patents

植栽設置構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4027165B2
JP4027165B2 JP2002181859A JP2002181859A JP4027165B2 JP 4027165 B2 JP4027165 B2 JP 4027165B2 JP 2002181859 A JP2002181859 A JP 2002181859A JP 2002181859 A JP2002181859 A JP 2002181859A JP 4027165 B2 JP4027165 B2 JP 4027165B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
planting
tray
space
ventilation space
ventilation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002181859A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004024045A (ja
Inventor
平野  竜行
淳 長谷川
三輪  隆
良三 澤西
隆司 井上
裕正 野元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Corp
Original Assignee
Takenaka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Corp filed Critical Takenaka Corp
Priority to JP2002181859A priority Critical patent/JP4027165B2/ja
Publication of JP2004024045A publication Critical patent/JP2004024045A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4027165B2 publication Critical patent/JP4027165B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植栽形成対象の下地(例えば、屋上や屋根やバルコニー等)上に、植栽用培地部を備えた多数の植栽トレーを、前記下地面に沿って敷き並べた状態に設置してある植栽設置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
屋上緑化においては、緑化作業性やメンテナンス性等の点で優れた植栽設置方式として、下地上に直に土を盛り上げることに替えて、例えば、図23に示すように、弁当箱形状のトレー本体30aの内空部に、土を入れて植栽物2を植え付けた植栽トレー30を多数用意し、それら植栽トレー30を、予め屋上Rに固定した下地板r1の上に並べ、下地板r1に形成された固定用膨出部r2にネジ固定する方式が近年実施されつつある(例えば、特開2001−54321号公報参照)。
この種の植栽設置構造としては、限られた範囲により多くの植栽物を生育させるために、図23に示すように、隣接する前記植栽トレー30どうしを、できるだけ詰めて密接させ、より多くの植栽トレー30を並べて植栽部表面に隙間ができないようにしてあった。また、下地板r1と植栽トレー30との間には、トレー本体30aに形成された排水孔30bから流出した水を屋上勾配に沿って流すための排水溝空間31が形成してあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の植栽設置構造によれば、各植栽トレーは、平面的に隙間なく配置して植栽を構成してあるから、表面に露出した植栽部分は連続して美観性に富んでいるものの、その反面、炎天下に曝された状況が続くと、太陽熱を受けて植栽部そのものの温度上昇をまねき易い。特に、前記下地板と植栽トレーとの間の排水溝空間は、植栽トレーの熱を下地側に伝わり難くする断熱層の役目を果たすことにもなり、植栽トレーの温度上昇をより促進する結果となっている。
太陽熱による温度上昇に関して同様の例としては、アスファルト舗装の道路で見られるように、舗装材に太陽熱がどんどん吸収され、遂にはアスファルトが軟化してしまうと言った現象が挙げられる。
このように、炎天下に曝される部分では、温度上昇は避け難く、当該植栽設置構造による植栽部も、大気温度に比べて相当に高い温度になり易い。特に、植栽トレーの厚みが小さい所謂「薄層緑化」においてはこれらの傾向が著しい。その結果、植栽部に植え付けられている植栽物も、当然の事ながらこのような温度上昇の影響を受けることとなり、発育不全を起こしたり、最悪の場合は枯れてしまうこともあり得る。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、炎天下に曝されても温度上昇が少ない植栽設置構造を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の特徴構成は、植栽形成対象の下地上に、植栽用培地部を備えた多数の植栽トレーを、前記下地面に沿って敷き並べた状態に設置してある植栽設置構造において、前記植栽トレーは、矩形形状で、被固定部を備えた面取り部を四隅に形成してあり、前記各植栽トレーと、前記下地との間に、横方向に連通する第一通気空間を形成し、前記植栽トレーの表面側空間と前記第一通気空間とを連通させる第二通気空間を、隣接配置した各植栽トレーの面取り部で囲まれた縦空間で構成し、前記第二通気空間を囲んでいる各面取り部の被固定部に各別に係止する押さえ部を備えた押さえ部材を、その第二通気空間に配置して、前記第一通気空間と第二通気空間との連通を維持した状態に、前記押さえ部材によって植栽トレーを前記下地に固定してあるところにある。
【0006】
請求項1の発明の特徴構成によれば、各植栽トレーと下地との間に、横方向に連通する第一通気空間を形成し、前記植栽トレーの表面側空間と前記第一通気空間とを連通させる第二通気空間を設けてあるから、前記第二通気空間によって、植栽トレーの表面側空間と植栽トレー裏面の連通空間である前記第一通気空間とが連通する状態に構成され、前記第一通気空間に表面側空間の新鮮空気が流通できるようになる。従って、太陽熱を植栽トレーが受けても、植栽トレーの表裏面の空間では常に新鮮空気が植栽トレーに接触して熱交換することができ、従来に比べて植栽トレーの温度上昇を低く保つことが可能となる。
その結果、日射がきついときでも、植栽トレーの温度上昇を比較的低く抑制でき、植え付けてある植栽物への悪影響を少なくすることが可能となる。
また、第二通気空間は、隣接する植栽トレー間に形成してあるので、第二通気空間は、第一通気空間より高い位置に設けられた縦空間となるから、日射を受けることで第一通気空間内の温度が上昇するに伴って、比重が小さくなった空気は自然に上昇して第二通気空間から植栽部表面側空間へと流出すると共に、それに見合った新鮮空気が第二通気空間から第一通気空間に入り込むと言う自然対流が生じ易く、植栽トレー周りの排熱効果を期待することが可能となる。また、上述のように自然対流を利用できるから、特別に空気の循環装置を用いなくても空気の流通を図ることが可能となる。
その結果、安価にして温度上昇しにくい植栽物に優しい植栽を形成することが可能となる。
更に、植栽トレーは、矩形形状で、四隅に面取り部を形成してあり、隣接配置した各植栽トレーどうしの面取り部間の縦空間で第二通気空間を構成してあるので、植栽トレーそのものが取り扱い易い形となり、植栽形成作業の効率を向上させることができると共に、各植栽トレーを縦横に整列する状態に設置するだけで、隣接する植栽トレーどうしの面取り部間には縦空間が形成され、わざわざ第二通気空間を形成することを意識しなくても簡単に形成することが可能となる。また、植栽トレーの面取り部分は、第二通気空間を形成する上で、目立ち難い部位であるから、植栽部全体としての美観性を低下させにくい効果もある。
【0007】
【0008】
【0009】
請求項2の発明の特徴構成は、前記第一通気空間における外部との開口部は、横方向に開口した横開口として形成してあり、前記第二通気空間における外部との開口部は、縦方向に開口した縦開口として形成してあるところにある。
【0010】
請求項2の発明の特徴構成によれば、第一通気空間と第二通気空間とのそれぞれの外部との開口部の開口方向を異ならせてあるから、例えば、吹き下ろしの風が吹けば、縦向きの縦開口から風が第二通気空間内に入り、第一通気空間を経て横開口から外部に出るし、横向きの風が吹けば、横向きの横開口から風が第一通気空間内に入り、第二通気空間を経て縦開口から外部に出るといった具合に、換気の促進を図ることが可能となる。風の入口と出口の方向を変えてあることによって、色々な方向から吹く風に対して、常により抵抗少ない状態で前記第一・第二通気空間の空気を通過させることができ、より換気効果を向上させることが可能となる。
更には、台風等の強風が吹く場合にも、上述のように前記第一・第二通気空間は風の抵抗になり難いから、強風をそのまま逃がし、風の揚力を抑制することが可能となり、吹き上げ等の被害を最小限に止めることが可能となる。
【0011】
請求項3の発明の特徴構成は、前記植栽トレー内の水を排水自在な排水孔を、前記植栽トレーに設けてあり、前記排水孔は、前記第一通気空間に面して設けてあるところにある。
【0012】
請求項3の発明の特徴構成によれば、請求項1又は2の何れかの発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記排水孔が、植栽トレー内の土粒子間隙と前記第一通気空間とを連通させる架け橋となり、土粒子内への新鮮空気の流通を図ることが可能となる。
従って、植栽トレー内の土の通気性を向上させ、植え付けてある植栽物の根腐り防止効果や発育促進効果を発揮することが可能となる。
【0013】
請求項4の発明の特徴構成は、前記植栽トレーは、脚部によって前記下地面上に離間させてあり、その離間空間が前記第一通気空間であるところにある。
【0014】
請求項4の発明の特徴構成によれば、請求項1〜3の何れかの発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、植栽トレーの裏面側の前記第一通気空間をより広い範囲にわたって確保し易くなり、上述の各効果を、より好ましい状態で実現することが可能となる。
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
【0018】
図1は、当該発明の植栽設置構造の一実施形態を採用して植栽を形成してある建物Bを示すものである。
本実施形態の建物Bは、鉄筋コンクリート造で、その屋上(下地に相当)Rは、陸屋根として構成してある。
そして屋上Rには、植栽ゾーンSを設けて屋上緑化を図ってある。
【0019】
屋上Rの説明をすると、図1、図2に示すように、屋上スラブR1上に防水層R2を設けて構成してある。
前記防水層R2は、例えば、シート防水等によって施工された防水層で、前記屋上スラブR1と一体的に設けられている。
【0020】
そして、前記植栽ゾーンSは、防水層R2上に、植栽物(例えば、草や木、及び、乾燥状態や貧栄養状態でも生育するセダム類等)2を生育させる植栽部(植栽用培地部に相当)3を備えた複数の植栽トレー(以後、単にトレーと言う)Aを縦横に並設して構成してある。
前記植栽部3は、前記植栽物2の植付層となる土によって構成してある。土は、火山砂利やセラミックス系のもの等を使用すれば、乾燥・貧栄養条件を維持しやすく、雑草の侵入を抑制した状態で前記セダム類の生育環境を最適化することが可能となる。
【0021】
前記トレーAは、合成樹脂の射出成形によって製造してあり、図3〜6に示すように、前記植栽部3を形成するトレー本体部4を設け、前記トレー本体部4の下面側に、前記屋上R上に接地自在な複数の脚部5を設け、隣接する前記脚部5の接地部5aにわたって、前記屋上R上に接地自在な梁部6を設けて構成してある。これら、トレー本体部4、脚部5、梁部6は、一体に形成されている。
【0022】
前記トレー本体部4は、平面視での形状が略正方形で、正方形の四隅には、面取り部4cが形成してある。そして、前記植栽部3を支持する状態の底面部4aと、この底面部4aの外周から壁状に立設された側面部4bとを備えて構成してある。従って、前記底面部4a、側面部4bとで前記土が保持されて、植栽部3が構成されている。
【0023】
前記底面部4aには、前記植栽部3からの水をトレー下方に排出する排水孔hを形成してある。この排水孔hは、図に示すように、平面視で長四角形状で、底面部4aの平面視での縦横格子状に配置されている。縦横格子状の縦横交点部分は、前述の脚部5が設けてあり、排水孔hは、隣接する脚部5間に形成してある。そして、この排水孔hの外周縁部は、底面部4aの平面部分より少し高くなるように堰7が形成してあり、底面部4aの平面部分上に適度な水分を保持して、植栽部3が乾燥するのを防止できるようにしてある(図7参照)。
また、底面部4aには、植栽部3の土が、前記排水孔hを通して下方へ流出するのを防止するためのフィルタシート8を取り付けてある。このフィルタシート8は、例えば、合成樹脂繊維等から形成された不織布や織布等で構成してあり、前記底面部4aの大きさとほぼ同じ寸法に形成してある。複数個所を、固定ピン9で前記底面部4aに固定してある。具体的には、前記底面部4aの複数個所に固定穴10が形成してあり、前記フィルタシート8を底面部4a上に載置した状態で、前記固定ピン9を、フィルタシート8の上から前記固定穴10に嵌入することで、フィルタシート8の被固定部を前記固定穴10と固定ピン9とで挟む状態に固定されている。
当然の事ながら、前記フィルタシート8は、前記土が流出しない程度の網目寸法に形成してある。尚、植物の生育に伴って多少の根がらみ効果も期待できる。
【0024】
前記側面部4bは、前述の通り、四隅が面取り形状の底面部4aの外周縁部を壁状に立ち上げた形状に構成されており、例えば、図8に示すように、複数のトレー本体部4を屋上Rの表面に沿って並設することによって、四つのトレー本体部4の各面取り部分が、隣接状態に位置するように配置することができ、これらの各面取り部に囲まれた縦空間(第二通気空間に相当)K1は、トレー本体部4の上方空間と、裏面空間(第一通気空間に相当)K2とを連通させることができ、トレー本体部4の裏面空間K2の換気作用を促進することが可能となる。
一方、側面部4bの内周面には、例えば、図3に示すように、前記植栽部3を仕切る場合に用いる仕切り板11を取付自在な嵌合溝12を、内周面での対向する位置にそれぞれ設けてある。これらの嵌合溝12に仕切り板11の両端部を嵌合させることで、前記植栽部3を仕切ることができ、例えば、種類の異なる植物を生育させる場合や、傾斜した屋上R上に当該トレーAを設置するに際して土の偏りを防止するような場合に有効である。
また、側面部の外周面には、当該トレーAと隣接させた別のトレーAとを連結する連結ピン13を取り付けるための連結ピン取付部14を形成してある。一方、トレー本体部4の四隅の側面部(面取り部分)には、後述の押さえ部材16を係止させる被固定部18を形成してある。
【0025】
前記連結ピン13は、合成樹脂の一体成形品であり、図9、図10に示すように、断面形状が逆「U」字形のピン本体13Aと、ピン本体13Aの頂部に形成された操作部13Bとを設けて構成してある。
前記ピン本体13Aの両下端部は、内側へ屈曲させて形成してあり、この部分が、前記トレー本体部4への係止部Gとなる。そして、ピン本体13Aは、弾性を備えているから、外力を受けると弾性的に撓んで、両係止部Gが、相対的に近接したり離間したりできるように形成してある。
また、前記操作部13Bについても、前記ピン本体13Aと同様に弾性を備えさせてある。そして、形状は、ピン本体13Aに類似した形状に形成してあるから、前記連結ピン取付部14への連結ピン13の着脱時に指で摘みやすい。また、前記操作部13Bは、前記トレー本体部4に取り付けた状態で両端部が側面部4bに当接するように寸法設定してあり、前記係止部Gを上方から覆うことで、前記係止部G、及び、ピン本体13Aに直射日光が当たるのを防止し、紫外線劣化が生じ難いように構成してある。前記操作部13Bによって日射隠蔽部Nが構成されている。
【0026】
この連結ピン取付部14は、前記側面部4bの平面視での中央部と両端部とにそれぞれ形成してあり、図9、図10に示すように、外面に縦方向に形成された溝状部14Aと、溝状部14Aの下端部で溝縁部間にわたって設けられた被係止部14Bとを設けて構成してある。
そして、それぞれの連結ピン取付部14が対向する状態に二つのトレーAを配置し、前記連結ピン13の係止部Gが、対向する溝状部14A内に進入するようにピン本体13Aを上方から挿入すると、係止部Gが前記被係止部14Bを乗り越える際にその被係止部14Bが内側へ弾性変形し、乗り越えた後の弾性復元力で係止部Gが、被係止部14Bの下方へ回り込み、抜け止め状態に係合させることができる。以上の手順で、隣接するトレーA間に対向する他の連結ピン取付部14に対して連結ピン13を取り付けることで、両トレーAは、安定した状態に連結される。但し、両トレーAに外力が作用した場合、弾性変形が可能な範囲内で、両係止部Gは近接したり離間することが可能である。
【0027】
因みに、当該トレーAの屋上Rへの固定は、図11、図12に示すように、予め屋上Rに取り付けられた固定具本体15に対して、前記押さえ部材16を用いてトレーAの前記被固定部18を押さえ固定することで実施される。
【0028】
前記固定具本体15は、ベース部分15aと、本体部分15bと、係止ナット部材15cとを備えて構成してある。
前記ベース部分15aは、円板で構成してあり、前記本体部分15bは、前記円板の中央部分に一体的に且つ立設状態に設けられた樹脂ボルトによって構成してある。そして、係止ナット部材15cは、本体部分15bに螺合自在に形成してある。また、前記ベース部分15aは、その下面を前記防水層R2に固定されている。
【0029】
前記押さえ部材16は、前記固定具本体15の本体部分15bに外嵌自在な縦筒部16Aを中央に備え、縦筒部16Aの下端外周部から斜め上方への放射状に取り付けられた四つの押さえ部16Bを設けて構成してある。押さえ部16Bの先端部は、下方へ屈曲させてあり、前記被固定部18に挿入することで嵌合し、押さえ部材16をトレーAに係止させることができる。また、前記押さえ部16Bの形状を、上述の通り縦筒部16Aから斜め上方に傾斜姿勢に形成してあることで、固定具本体15と押さえ部材16とで固定してある各トレーどうしが横方向に相対移動するような場合にその移動を押さえ部16Bの弾性変形で許容することが可能となる(図22参照)。従って、例えば、炎天下の日射熱を受けてトレーAが膨張するような場合でも、その熱膨張によるトレーAの若干の移動は許容したまま固定状態を維持することが可能となる。
【0030】
以上のように、トレー本体部4間の前記縦空間K1に位置する状態に固定された固定具本体15に、前記縦筒部16Aを挿通させて、トレー本体部4の被固定部18に前記押さえ部16Bが挿入係止する状態に押さえ部材16を配置し、前記縦筒部16Aから上に突出した固定具本体15の本体部分15bに係止ナット部材15cを螺合させながらその螺合位置を下方に移動させ、押さえ部材16の縦筒部16A周囲部分を抜け止め状態に規制することでトレー本体部4を固定することが可能となる。
【0031】
前記脚部5は、図6に示すように、四角柱で構成してあり、前記トレー本体部4の底面部4a裏面に、平面視で縦横格子状の縦横交差部分に基端部が固定されている。そして、脚部5の下端部が、前記屋上Rに直に触れる接地部5aとして構成されている。
また、前記梁部6は、前記各脚部5の下端部間に一体的に設けられ、屋上R上に接地するように構成されている。従って、トレーAからの重量は、前記脚部5、及び、前記梁部6とで構成される格子状部17の接地面17aすべての範囲に分散された状態で、前記屋上Rに伝達される。従って、防水層R2の局部に大きな荷重が集中するのを防止することができ、防水層に優しい植栽作りを実現することができる。
一方、各梁部6の直上に位置するトレー本体部4の底面部分には、前述のように、排水孔hが位置しており、前記植栽部3の土粒子間隙4aと、トレー本体部4と屋上Rとの間に形成される裏面空間K2とは、前記排水孔hを通して連通しているから、前記植栽部3の土の通気を図ることが可能となる。
因みに、前記裏面空間K2は、各トレーAの面取り部間に形成された縦空間K1とも連通しているから、前記縦空間K1を通して裏面空間K2の換気を図ることが可能となる。
また、当該トレーは、先にも説明したが、合成樹脂の射出成形によって形成してあるわけであるが、前記排水孔hは、上側金型の抜け空間となる。
【0032】
本実施形態の植栽設置構造によれば、前記縦空間K1を裏面空間K2と連通させてあることによって、トレーAの表裏面の空間では常に新鮮空気がトレーAに接触して熱交換すると共に入れ替わり、日射がきついときでも、トレーA及び植栽部3の温度上昇を比較的低く抑制でき、植え付けてある植栽物2への悪影響を少なくすることが可能となる。また、空気の入れ替わりは自然対流を利用できるから、特別に空気循環装置を用いなくても空気の流通を図ることが可能となり、安価にして温度上昇しにくい植栽物2に優しい植栽を形成することが可能となる。
また、前記排水孔hを通して植栽部3の土粒子間隙の通気を図ることが可能となるから、植え付けてある植栽物の根腐り防止効果や発育促進効果をも発揮することが可能となる。そして、前記縦空間K1は形成してあるものの、トレーの面取り部4cに配置されていることで目立ち難く、植栽部全体としての美観性を低下させにくい効果もある。
【0033】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0034】
〈1〉 下地の構造は、先の実施形態で説明した鉄筋コンクリート造に限るものではなく、例えば、鉄骨造や、鉄骨鉄筋コンクリート造、又は、木造、及び、それらの複合構造等、公知の建築構造を採用することが可能である。
また、屋上スラブR1と防水層R2との間に、断熱性能の高い多孔質合成樹脂パネル等を使用した断熱下地R3を採用してあってもよい。
また、前記植栽形成対象は、先の実施形態で説明した陸屋根の屋上に限るものではなく、例えば、ベランダやバルコニー、傾斜屋根等で構成してあるものであってもよい。
〈2〉 前記植栽用培地部3は、先の実施形態で説明した土のみを充填して構成するものに限らず、例えば、土の中に植栽物の発育に伴って根がらみ出来るようなネットを配置しておけば、植栽物が発育するに伴って根がらみ効果が発揮されるようになり、植栽用培地部の一体性が向上して風で土や植栽物がとばされてしまうことを防止し易くなる。このような効果は、前記ネットを、トレー本体に固定しておけば、より確実なものとなる。また、植栽用培地部3の別の実施形態としては、合成樹脂の繊維材をマット状に絡ませて隙間に土を充填した植栽マットを使用した構成であっても良い。それらを総称して、植栽用培地部と言う。
〈3〉 下地への固定形式は、先の実施形態で説明した固定具本体15と押さえ部材16とを使用するものに限らず、他の公知の手段を採用することも可能である。また、トレーどうしの連結具についても同様に、先の実施形態で説明した固定ピン9を使用するものに限らず、他の公知の手段を採用することも可能である。
〈4〉 植栽用培地部に生育させる植栽物は、先の実施形態で説明したようにセダム類の植物に限るものではなく、他の草木であってもよい。
〈5〉 前記トレーAの形状は、先の実施形態で説明したように隅部を面取りした矩形形状に限るものではなく、四角形以外の多角形や円形等の形状を基本形状とするものであっても良い。
〈6〉 前記第一通気空間K2は、先の実施形態で説明したようにトレー本体部4の底面部4aが脚部5によって下地Rから全体に離間した状態で底面部4aと下地Rとの間に形成される裏面空間であることに限らず、例えば、トレーAの下面を、図13に示すように、下方に膨出する形状に構成してある場合には、その膨出部20は、トレー本体部4の底面部4aでありながら脚部5をも兼ねることとなり、各膨出部20間に形成される空間が、前記第一通気空間K2となる。
〈7〉 前記第二通気空間K1は、先の実施形態で説明した各トレーAの四隅面取り部4cに形成される縦空間に限るものではなく、例えば、図14に示すように、各トレーAの辺部を切り欠いて構成するものであったり、図15に示すように、隣接するトレーAどうしを離間した状態に設置できるスペーサ手段19を設けて、隣接するトレーA間に、確実に第二通気空間K1となる隙間ができるようにしてあっても良い。また、並設した多数のトレーAの内、例えば、図16に示すように、局部のトレーAを設けない配列とすることで、その空いたトレー空間を前記第二通気空間K1として構成するものであっても良い。
また、図17に示すように、縦空間をトレーAより上方まで立ち上げる筒部材21を設置する構成を採用すれば、その筒部材21による煙突効果により、前記第一通気空間K2に対する換気効果をより促進することが可能となる。更には、その筒部材21は、図に示すように、複数個所に設けて隣接するものどうしを連結棒状部材22で連結すると、手摺りとして利用することができ、植栽ゾーンSのメンテナンス時等に歩行の助けとなる。
また、図21に示すように、トレーAの底面部4aに、第二通気空間K1を形成する筒部材21を設けてあってもよい。また、この実施形態によれば、前記筒部材21に着脱自在な穴あき蓋部材21aを設けてある。この穴あき蓋部材21aは、高さ寸法の異なるものを用意してあり、植栽物の丈に応じて上方が塞がらない高さのものを取り付けることで、第二通気空間K1の開口部を確保して、トレーA裏面側の換気を図ることができるように構成してある。尚、第二通気空間K1の開口上端部が植物より上方に位置する箇所と、植物の陰になる箇所とを設けておけば、相互の空気抵抗が異なることで、空気の流入用・流出用とに使い分けできる効果がある。
一方、トレーA上を歩行する場合には、図18〜20に示すような、踏み面部材23をトレーAに取り付けてあると、植栽部3を直に踏まずに踏み面部材23上を歩行することができ、植栽物への悪影響を防止することができる。
この踏み面部材23は、前記トレーAと同様に合成樹脂によって形成してあり、複数のトレーAにわたって前記縦空間K1上に被さる状態に設けられている。
具体的には、図18、図20に示すように、トレーAへの係止用突起24が裏面側に設けてある。この係止用突起24は、前記トレーAの前記被固定部18の両側に形成された縦溝形状の踏み面部材固定部25に挿入することで係合状態に取り付けることができるように構成してある。前記踏み面部材23の係止用突起24の数は、この実施形態においては、前記縦空間K1で対向する二つのトレーAに各別に係合するように二つ設けられているが、この数は、縦空間K1に位置するトレーAのすべてに相当するものであってもよいし、一つだけであってもよい。係止用突起24を一つ設ける場合には、踏み面部材23は一つのトレーAにのみ位置が拘束されるだけであるから、各トレーAどうしの相対移動が発生してもその動きを許容することができる。
また、踏み面部材23は、図に示すように、上下に貫通する貫通孔26を多数設けてあり、踏み面部材23の上面に水滴等が溜まり難くすると共に、歩行時の摩擦を確保し、滑り防止効果を発揮できるように構成されている。この貫通孔26は、前記裏面空間K2、縦空間K1を通した空気の流れを阻害し難いから裏面換気の役割も担っている。
更には、貫通孔26の孔の長さは、図20に示すように、上方からの日射が、貫通孔26を通過することで下方空間全面に到達するのを防止し、紫外線遮蔽効果を発揮できるように設定してある。当該実施形態においては、踏み面部材23の厚みを増加することで、貫通孔26の径に対して充分大きな孔長を確保してあると共に、踏み荷重を支持できる強度を確保できるように構成してある。従って、踏み面部材23を、例えば金属等の高強度材料で構成する場合には、そのものの厚み寸法は薄くできるが、前記貫通孔26に関しては、長さを確保するために筒形状とすることも可能である。
このように、踏み面部材23は、トレー裏面空間の換気促進による植栽物の生育環境の良好化を阻害することなく、植栽ゾーンS上を歩行しても植栽物2を傷めない効果、及び、トレー固定部分に対する紫外線劣化防止の効果を叶えることが可能である。
【0035】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 植栽設置状況を示す要部の斜視図
【図2】 植栽設置状況を示す側面視の要部断面図(図1のX−X断面図)
【図3】 植栽トレーを斜め上方から見た斜視図
【図4】 植栽トレーの側面図
【図5】 植栽トレーの上面図
【図6】 植栽トレーの斜め下方から見た斜視図
【図7】 植栽トレーの側面視による要部断面図
【図8】 植栽トレーの設置状況を示す要部上面図
【図9】 連結ピンの設置状況を示す植栽トレー要部斜視図
【図10】 連結ピンの設置状況を示す植栽トレー要部断面図
【図11】 固定具本体による植栽トレー固定状況を示す要部断面図
【図12】 固定具本体を示す分解斜視図
【図13】 別実施形態の植栽トレーを示す側面視断面図
【図14】 別実施形態の植栽トレー設置状況を示す斜視図
【図15】 別実施形態の植栽トレー設置状況を示す斜視図
【図16】 別実施形態の植栽トレー設置状況を示す斜視図
【図17】 別実施形態の植栽トレー設置状況を示す斜視図
【図18】 別実施形態の植栽トレーを示す要部斜視図
【図19】 別実施形態の植栽トレーを示す要部斜視図
【図20】 踏み面部材を示す一部切欠き側面図
【図21】 別実施形態の植栽トレーを示す斜視図
【図22】 固定具本体の弾性変形状況を示す要部断面図
【図23】 従来の植栽設置構造を示す側面視断面図
【符号の説明】
3 植栽用培地部
4c 面取り部
5 脚部
16 押さえ部材
16B 押さえ部
18 被固定部
A 植栽トレー
h 排水孔
K1 第二通気空間
K2 第一通気空間
R 下地

Claims (4)

  1. 植栽形成対象の下地上に、植栽用培地部を備えた多数の植栽トレーを、前記下地面に沿って敷き並べた状態に設置してある植栽設置構造であって、
    前記植栽トレーは、矩形形状で、被固定部を備えた面取り部を四隅に形成してあり、
    前記各植栽トレーと、前記下地との間に、横方向に連通する第一通気空間を形成し、
    前記植栽トレーの表面側空間と前記第一通気空間とを連通させる第二通気空間を、隣接配置した各植栽トレーの面取り部で囲まれた縦空間で構成し、
    前記第二通気空間を囲んでいる各面取り部の被固定部に各別に係止する押さえ部を備えた押さえ部材を、その第二通気空間に配置して、前記第一通気空間と第二通気空間との連通を維持した状態に、前記押さえ部材によって植栽トレーを前記下地に固定してある植栽設置構造。
  2. 前記第一通気空間における外部との開口部は、横方向に開口した横開口として形成してあり、前記第二通気空間における外部との開口部は、縦方向に開口した縦開口として形成してある請求項1に記載の植栽設置構造。
  3. 前記植栽トレー内の水を排水自在な排水孔を、前記植栽トレーに設けてあり、前記排水孔は、前記第一通気空間に面して設けてある請求項1又は2の何れか一項に記載の植栽設置構造。
  4. 前記植栽トレーは、脚部によって前記下地面上に離間させてあり、その離間空間が前記第一通気空間である請求項1〜3の何れか一項に記載の植栽設置構造。
JP2002181859A 2002-06-21 2002-06-21 植栽設置構造 Expired - Fee Related JP4027165B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002181859A JP4027165B2 (ja) 2002-06-21 2002-06-21 植栽設置構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002181859A JP4027165B2 (ja) 2002-06-21 2002-06-21 植栽設置構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004024045A JP2004024045A (ja) 2004-01-29
JP4027165B2 true JP4027165B2 (ja) 2007-12-26

Family

ID=31178588

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002181859A Expired - Fee Related JP4027165B2 (ja) 2002-06-21 2002-06-21 植栽設置構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4027165B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4698315B2 (ja) * 2005-07-15 2011-06-08 積水化成品工業株式会社 屋上緑化で用いる保水排水基盤材を屋上に固定するための固定構造とそれを用いた屋上緑化設備
JP2010007407A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Otis:Kk 折板屋根の屋上緑化用トレイ取付構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004024045A (ja) 2004-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5172688B2 (ja) 屋上緑化システムにしようする複数の容器及び該容器を使用した屋上緑化システム
JPH06209655A (ja) 建築構造物の緑化用床構造
JP4593459B2 (ja) 屋上緑化施工用パネル、及びその屋上緑化施工用パネルを用いた屋上緑化の施工システム
JP4027165B2 (ja) 植栽設置構造
KR101471062B1 (ko) 벽면 녹화용 블록 및 이를 이용하는 벽면 녹화 구조물
JP3828051B2 (ja) 植栽トレー連結具
KR101996068B1 (ko) 잔디를 이용한 모듈형 옥상녹화 시스템의 판 구조 및 이를 포함하는 모듈형 옥상녹화 시스템
JP4097554B2 (ja) 植栽装置とドレインパン。
KR20110051711A (ko) 옥상녹화용 식재 구조
KR200458027Y1 (ko) 건축물의 녹화용 식물식재 유닛 및 이를 이용한 옥상면 녹화구조
KR100853728B1 (ko) 조립형 벽면녹화 장치
JP3790757B2 (ja) 緑化屋根構造
JP2905852B2 (ja) コンクリート壁面の緑化装置
KR20090001622U (ko) 인공지반녹화용 컨테이너 및 이를 갖는 인공지반녹화용모듈
JP3862618B2 (ja) 植栽用トレー
JP3286753B2 (ja) 植栽装置における端部処理構造と端部処理部材
JP3782728B2 (ja) 緑化屋根
KR20100055039A (ko) 녹화 장치
KR102447523B1 (ko) 수분 공급이 용이한 담쟁이 화분
KR20200144922A (ko) 등반매트와 격자가 조합된 덩굴식물류를 이용한 벽면 녹화 프레임
JP2006197865A (ja) 緑化ユニット
JP2007143438A (ja) 屋上緑化保水パレット及び緑化構造体
JP2004344143A (ja) 屋上緑化装置
JP3874896B2 (ja) 植栽基盤および植栽基盤の利用方法
JP2005198529A (ja) 緑化用植栽ユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070719

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070920

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071009

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131019

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees