JP4025841B2 - 砒素および他の重金属類を含有する排水の処理法 - Google Patents
砒素および他の重金属類を含有する排水の処理法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,砒素および重金属類を含有する排水から砒素および重金属類を効率よく除去する排水の処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】
砒素含有排水の処理方法として例えば次の方法が知られている。
A).pH値を6〜9に調整してFe(III)塩を添加することにより,FeAsO4やFeAsO3の錯体とFe(OH)3等との共沈物として砒素を分離除去する鉄共沈法(例えば特開昭60−125292号公報)。
【0003】
B).消石灰,生石灰等を用いて排水のpH値を11以上に調整し,一段目で5価の砒素をCa(AsO4)2やCaHAsO4の形で他の中和沈澱物とともに濾別して除いた後,次いで過酸化水素等の酸化剤を用いて液中に残留した3価の砒素を5価に酸化し,同様の形で分離除去する方法。
【0004】
C).消石灰を用いて液のpHを11以上とし,高分子凝集剤を添加して澱物を沈降除去する方法(例えば特開昭51−26759号公報)。
【0005】
これらの方法はそれぞれ得失があるが,A法ではFe(OH)3と共沈しやすい形態の砒素に対しては除去効果が大きいが,亜鉛やカドミウム等の重金属については効果が小さい。また,この方法は砒素がg/Lオーダーの高濃度に含有する場合には多量のFe(III)塩等の薬剤を必要としてランニングコストの高いものとなる。したがって,この方法は低濃度(数+mg/L)で砒素を含有する排水に適用が限られる(Lはリットルを表す,以下同じ)。
【0006】
B法では,主に高濃度の砒素を含む排水の処理に利用されており,設備が大きく多段となっている。したがって工程数も多く,それに伴って反応槽,シックナー等の個々の数も多いのでイニシャルコストはもちろん,多段での薬剤使用等からランニングコストも高いものとなっている。
【0007】
C法では,排水中に無機塩が共存すると重金属の除去が難しくなり,この場合通常よりも高いpHで除去が行われる。そのため多量の消石灰,生石灰等アルカリ中和剤を必要とするとともに,中和殿物量も急増することから,シックナー等の設備も大きくなり,イニシャルコストが高くならざるを得ない。また処理水を放流するには中和に用いたアルカリ量とほぼ同量の酸で中和しなければならない等,薬剤の使用量が多くランニングコストも高いものとなり,また平成6年の排水基準の変更で提示された基準値(0.1mg/L以下)に対応し難い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は,砒素および他の重金属類例えばカドミウム,銅,亜鉛等を含む排水を経済的かつ効率良く除去して新排水基準値を満たす方法を確立し,前記のような問題を解決することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する手段として、本発明によれば、砒素および他の重金属類を含有する排水にpH7以上で硫化剤を添加し、引き続き、生成した硫化物系析出物が液中に存在したままの状態で第二鉄イオンを添加し、さらに該第二鉄イオンの添加と同時にまたは添加後に過酸化水素を添加し、生成した澱物を液から分離する、砒素および他の重金属類を含有する排水の処理法を提供する。
【0010】
また,本発明によれば,砒素および他の重金属類を含有する高As濃度排水を予備脱As処理したあと,その排水のpHを7以上に調整して硫化剤を添加し,生成した硫化物系析出物が液中に存在したままの状態で第二鉄イオンを添加し,生成した澱物を液から分離する,砒素および他の重金属類を含有する排水の処理法を提供する。ここで,予備脱As処理としては,高As濃度排水に消石灰を添加してpH10〜11.5で中和反応を行わせたあと,過酸化水素,第二鉄イオン,前記の澱物(硫化剤および第二鉄イオン添加で生成した澱物)の一種または二種以上を添加し,生成した澱物を濾別する処理を採用する。
【0011】
【発明の実施の形態】
砒素を数mg/Lから数10mg/L程度の低濃度で含有し,且つ他の重金属類例えばCd,Cu,Znなども低濃度で含有する排水から,新排水基準値の基準値0.1mg/L以下にまで砒素と重金属類を除去することは,低濃度であるが故に,これを経済的に行おうとすると困難を伴う。本発明者らはこのような低濃度の砒素および他の重金属類含有排水を対象として,種々の試験研究を重ねた結果,非常に経済的で且つ効率のよい処理法を見い出したもので,その特徴とする原理は,適切な硫化処理と適切な第二鉄イオンによる共沈処理とを一連の継続した処理として行う点にある。
【0012】
すなわち,まず,例えば砒素および他の重金属類の各成分の濃度が100mg/L以下であるような低濃度排水に対し,該排水が酸性側であるなら,アルカリを添加してそのpHを7以上に調整し,硫化剤を添加して攪拌する。pHが7未満の酸性側であると,硫化剤添加によってH2Sが発生して環境を悪化すると共に,防食・防爆設備が必要となる。
【0013】
硫化剤としては,硫化水素,硫化ソーダ,水硫化ソーダ等が使用できるが,水硫化ソーダ(NaHS)の使用が便宜である。この硫化剤の添加にさいしては,その添加量が過剰になると砒素の除去に悪い影響を与えるので,適切な量に調節することが必要である。本発明者らの経験によれば,液中の成分を硫化するに必要な当量の2倍を越える硫化剤の添加は,本発明法の実施にさいしては,砒素の除去効率を低下させることがわかった。したがって,硫化剤は液中成分を硫化するに必要な当量の2倍以下に抑えることが好ましい。また,硫化剤の添加量は液中成分を硫化するに必要な当量以下(例えば1/2当量)であっても,重金属類および砒素は十分に除去できることもある。
【0014】
液のpHを7以上,好ましくは9以上,さらに好ましくは10以上にした状態で,前記のような少量の硫化剤を添加すると,液中の重金属類は硫化物となって析出する。そのさい,反応温度は0〜60℃程度でよく,攪拌を行うことが望ましい。これにより,液中の重金属類はほぼ完全に硫化物として析出し,砒素もその一部は硫化砒素として析出する。この硫化物の析出により,液中に溶存する重金属類(砒素を除く)を,各成分とも0.1mg/L以下,好ましくは0.05mg/L以下にすることができる。この硫化物の添加処理によって液のpHは殆んど変わることなく,ほぼ添加前のpH値を維持したまま硫化物が析出した液が得られる。
【0015】
本発明においては,この硫化物系析出物を液から除去することなく,該析出物が存在するままの状態で第二鉄イオンをその液に添加する。前段の硫化剤の添加は一種の還元処理であり,これに対して第二鉄イオンの添加は一種の酸化処理であるとも言える。したがって,還元処理で生成したものをその状態で再び酸化処理することは一見したところ不都合であるが,本発明者らは,適切な条件でこれらの処理を実施すると,すなわち,硫化剤の添加量を適切に調節し且つ第二鉄イオンの添加時およびその後の液のpHを適切に調節すると,重金属類の硫化物は溶解させないで砒素を効率よく鉄塩に共沈させることができることがわかった。より具体的には,硫化剤の添加量については,前記のように液中成分を硫化するに必要な当量の2倍以下に抑えたうえ,第二鉄イオンの添加時およびその後のpHを7.5以上に維持すると,生成した重金属類の硫化物は溶解させることなく,砒素を効率よく鉄共沈させることができ,それらの澱物を液から分離すれば,新排水基準の0.1mg/L以下にまで砒素やカドミウムを液から除去できることがわかった。
【0016】
第二鉄イオンの添加は水溶性第二鉄塩を用いて行うことができるが,塩化第二鉄或いは硫酸第二鉄を用いるのが使用に便宜であり,その添加量については,砒素の含有量が100mg/L以下であるような低濃度の排水を対象とする場合,第二鉄イオンとして(鉄換算値で)50〜500mg/L,好ましくは100〜300mg/L,さらに好ましくは100〜250mg/L程度でよい。
【0017】
この第二鉄イオンの添加にともなって液のpHが低下する場合には,液のpHが7.5未満にならないようにアルカリを添加することが肝要である。すなわち第二鉄イオンの添加時またはその後の固液分離工程までの液のpHを設定範囲に維持することが望ましい。これは,pH検出器で検出される液のpH値が設定範囲となるようにアルカリ溶液の添加量を操作するアルカリ注入弁の制御(PID制御)によって自動的に行ない得る。望ましいpHの設定値は第二鉄イオンの添加量や砒素および重金属類の濃度によってpH≧7.5のうちの或る範囲に存在するが,あまり高いところに設定するとアルカリ量も多く必要となるので,pH7.5〜13,好ましくはpH7.5〜11,さらに好ましくはpH7.5〜10の範囲で設定するのがよい。添加するアルカリ剤としてはNaOHやCa(OH)2等が使用できる。
【0018】
このようにして第二鉄イオンの添加とpH調整により,硫化物系析出物の再溶解を起こすことなく,生成する水酸化第二鉄の沈殿生成に伴って砒素が共沈するので,これらの硫化剤添加,第二鉄イオン添加,pH調整等の一連の処理を攪拌下で行ったあと,反応が終結した時点を見計らって,固液分離工程に移行させ,液中の澱物を分離する。固液分離は実際にはシックナーを用いて澱物を沈降分離するのが便宜である。場合によっては濾別方式も適用可能である。澱物が分離された液はもはや排水基準を満足するまでに砒素および重金属類が除去されているのでそのまま系外に排出することができる。
【0019】
さらに,本発明者らは,前記の処理を実施するにさいし,分離された澱物は砒素の共沈用に再利用できることを見い出した。そして,この澱物の再利用にあたっては,第二鉄イオンの添加と同時に或いは添加後に過酸化水素(実際には過酸化水素水)を液に添加しておくと,得られた澱物は再利用のさいに砒素の共沈を促進する作用を有することを見い出した。
【0020】
したがって,本発明の実施にあたり,第二鉄イオンの添加時もしくは添加後に適量の過酸化水素水を添加し,生成した澱物を液から分離したあと,この澱物を次期の第二鉄イオンの添加と同時にまたはその前後に液に添加すると,新たに添加する第二鉄イオンによる砒素の共沈だけでは除去しきれない砒素分も該澱物によって除去できることになり,系に添加する第二鉄イオンによる砒素共沈機能を繰り返し無駄なく利用し尽くすことができる。この澱物の再利用添加および過酸化水素の添加時も液のpHが前記の設定範囲となるように自動調整することが望ましい。
【0021】
このような硫化剤と第二鉄イオンの一連の添加処理を行う排水は,前記のように砒素および各重金属類の濃度がそれぞれ100mg/L以下,場合によっては50mg/L以下,さらには20mg/L以下であるような低濃度排水である場合に有利である。したがって,このような低濃度排水が排出する場合には,本発明法をそのまま該排水に適用できる。これより高濃度で砒素を含有する排水の場合には,本発明法を適用する前に予備脱As処理を行なって低濃度の排水とすればよい。
【0022】
この予備脱As処理としては,砒素を高濃度で含有し且つ重金属類も含有する排水に対し,消石灰を添加してpH10〜11.5で中和反応を行わせたあと,過酸化水素,第二鉄イオン,または前記本発明に従って硫化剤および第二鉄イオン添加で生成した澱物の一種または二種以上添加し,生成した澱物を分離するという方法を採用することが,後続の硫化剤と第二鉄イオンの一連の添加処理を実施する上でも,非常に有利であることがわかった。以下にこの予備脱As処理について説明する。
【0023】
例えば,砒素と重金属類,例えばカドミウム,銅,亜鉛等を高濃度(例えば数g/Lオーダー)で含有する排水に対し(通常は酸性排水である場合が殆んどである),消石灰(例えば消石灰の10wt.%パルプ)をpH10〜11.5の範囲となるように添加し,さらに過酸化水素水,第二鉄イオンまたは該澱物の少なくとも一種を添加すると,砒素の大部分と重金属類の大部分が澱物として沈殿するので,この澱物を固液分離することにより,砒素および重金属類がそれぞれ100mg/L以下の低濃度排水とすることができる。
【0024】
ここで,pHを10未満とすると砒素の除去率が低下し,また,pHが12を越えると砒素の除去率は向上するが,澱物の発生量が非常に多くなり,固液分離の設備の負担が大きくなる。また,消石灰を添加し攪拌して澱物が生成した状態で少量の過酸化水素水,第二鉄イオン,または該澱物を添加すると,反応性が向上して,いっそう砒素および重金属類の除去率が向上する。従来より消石灰と過酸化水素を用いる砒素の除去法が知られているが,従来の方法では消石灰で中和後,澱物を分離し,その液に過酸化水素水を加え,再度pHを調整するものであり,固液分離は二段に分けて行うものであった。これに対し,本発明の予備脱As処理では,途中で固液分離は行わず,消石灰の添加によって生成した澱物が存在するパルプのままで(且つpHを10〜11.5の範囲に調整された状態で)過酸化水素水,或いは第二鉄イオンまたは該澱物を添加するものである。この予備脱As処理法によると,高濃度で砒素および重金属類を含有していても,必要最低限の澱物発生量で100mg/L以下の低濃度までこれらを除去できると共に,途中の固液分離工程が省略できるので,工程的および設備的にも有利である。
【0025】
そして,この澱物を分離した液は,高いpHを維持しており,且つ低濃度で砒素および重金属類を含有するものであるから,引き続き,前記した本発明の硫化剤および第二鉄イオンの添加処理にそのまま適用できる。なお,都合により,該予備脱As処理を経た排水が,硫化剤添加するときの好ましいpH値から外れている場合には,酸またはアルカリを添加して,当該排水の硫化剤添加時の好ましいpH値に調整することが望ましい。
【0026】
【実施例】
〔実施例1〕
本例は,硫化剤の添加量がどのように排水中の砒素および重金属類の除去に影響するかを示すものである。試験に供した排水は,排水中の砒素および重金属類の含有量が,As=12mg/L,Cu=15mg/L,Zn=8mg/L,Cd=4mg/Lの原液である。
【0027】
前記の原液排水に対し硫化剤添加処理と第二鉄イオン添加処理を行った。そのさい硫化剤として水硫化ソーダ(NaSH)を使用し,このNaSHの添加量を各試験毎に変えた以外は,下記の同一の条件とした。
【0028】
処理条件:該排水1リットルに苛性ソーダを加えてpHを10.8〜11.0の範囲に調整し,液温を45℃に保ち,NaSHを各試験毎の量で添加し,液温45℃のまま40分間攪拌し続ける(この間のpHは,どのNaSH添加量の場合も殆んど変化なくpH10.7〜11.0である)。この状態で,液温45℃のまま,塩化第二鉄溶液を各試験とも第二鉄イオン量(鉄換算値)として100mg/Lの量で添加する。この第二鉄イオンの添加時に瞬間的にpHは酸性側に振れる(pH≒5.8〜6.9になる)が,直ちに苛性ソーダを添加してpH=8.5に再調整し,45分間攪拌したあと,澱物を液から分離(濾別)する。
【0029】
各試験において,液中の全成分(Asを含む)を硫化するに必要なNaSHの当量を,0.5当量,0.8当量,1.0当量,1.5当量,2.3当量と変化させた場合の処理済液(澱物を濾別した液)中の各成分の含有量を測定し,表1の結果を得た。
【0030】
【表1】
【0031】
表1の結果から,硫化剤の添加量を変えるとAsの除去率に変化が現れるが,他の重金属類の除去には影響を及ぼすことなく全て0.02mg/L程度にまで除去されることがわかる。また表1の結果から,硫化剤の添加量は1.0当量以下であるのが望ましく,2.0当量以上の添加ではAsの除去率が低下することがわかる。
【0032】
〔実施例2〕
本例は,第二鉄イオンの添加量および液のpHがどのように排水中の砒素および重金属類の除去に影響するかを示すものである。試験に供した排水は,実施例1で用いた原液と同じ含有量で砒素および重金属類を含有するものである。
【0033】
該排水に対し硫化剤添加処理と第二鉄イオン添加処理を行った。そのさい第二鉄イオン添加剤としては塩化第二鉄を使用し,その添加量を各試験毎に変え且つ第二鉄イオン添加時のpHを変化させた以外は,下記の同一の条件とした。
【0034】
処理条件:該排水1リットルに苛性ソーダを加えてpHを10.8〜11.0の範囲に調整し,液温を45℃に保ち,硫化剤としてのNaSHを,どの試験でも液中の全成分(Asを含む)を硫化するに必要な当量分(1.0当量)を添加し,液温45℃のまま40分間攪拌し続ける(この間のpHは,NaSH添加前後で殆んど変化なくpH10.7〜11.0である)。この状態で,液温45℃のまま,塩化第二鉄溶液を第二鉄イオン量(鉄換算値)として100mg/L添加する場合と,200mg/L添加する場合の試験を行ない,各試験とも,第二鉄イオン添加直後のpHを,塩化第二鉄溶液と同時に硫酸または苛性ソーダを併添することにより,pH=6.5,7.7,8.5および9.7の4水準に調整し,45分間攪拌したあと,澱物を液から分離(濾別)する。
【0035】
各試験の処理済液(澱物を濾別した液)中の各成分の含有量を測定し,表2の結果を得た。
【0036】
【表2】
【0037】
表2の結果から,pHが7.5以上では第二鉄イオンの添加量に拘わらず重金属類は痕跡程度まで除去されると同時に砒素についても微量域まで除去されることがわかる。これに対しpHが6.5の場合には,硫化剤添加によって生成した硫化物が液中に再溶解する現象が一部発生して液中のカドミウムや亜鉛の濃度が若干高くなっている。また砒素についてもpHが6.5の場合には十分には除去されないことがわかる。
【0038】
〔実施例3〕
本例は,処理済液から分離した澱物が砒素共沈効果を有することを示すものである。試験に供した排水は,実施例1で用いた原液と同じ含有量で砒素および重金属類を含有する排水である。
【0039】
該原液排水に,実施例2と同じ条件で硫化剤(NaSH:1.0当量)を加えて硫化物が析出した液温45℃でpH10.7〜11.0の得た。この試験液を1リットルづつ4サンプル用意し,次の4試験に供した。
【0040】
No.1:該試験液に,塩化第二鉄溶液を第二鉄イオンとして100mg/Lおよび30%過酸化水素水を0.15mL加えると共に苛性ソーダを添加してpHを8.5に調整し,45分間攪拌後,澱物を濾別した。
【0041】
No.2:該試験液に,塩化第二鉄溶液を第二鉄イオンとして100mg/L,30%過酸化水素水を0.15mLおよびNo.1で濾別した澱物を全量加えると共に苛性ソーダを添加してpHを8.5に調整し,45分間攪拌後,澱物を濾別した。
【0042】
No.3:該試験液に,塩化第二鉄溶液を第二鉄イオンとして100mg/L,30%過酸化水素水を0.15mLおよびNo.2で濾別した澱物の全量を加えると共に苛性ソーダを添加してpHを8.5に調整し,45分間攪拌後,澱物を濾別した。
【0043】
No.4:該試験液に,塩化第二鉄溶液を第二鉄イオンとして100mg/L,30%過酸化水素水を0.15mLおよびNo.3で濾別した澱物の2/3を加えると共に苛性ソーダを添加してpHを8.5に調整し,45分間攪拌後,澱物を濾別した。
【0044】
各試験において澱物を濾別した処理済液中の砒素および重金属類濃度を測定したところ,表3の結果を得た。
【0045】
【表3】
【0046】
表3の結果から,処理済液から分離した澱物を再添加すると砒素が一層除去されることがわかる。また,該澱物の繰り返し利用により,処理済液の砒素濃度は痕跡程度にまで除去できることがわかる。さらに,該澱物の再添加はカドミウムの除去にも効果があることがわかる。
【0047】
〔実施例4〕
本例は,処理済液から分離した澱物を再利用するさいに,過酸化水素を添加して得た澱物は共沈作用に優れることを示すものである。試験に供した排水は実施例1で用いた原液と同じ含有量で砒素および重金属類を含有する排水である。
【0048】
該原液排水に,実施例2と同じ条件で硫化剤(NaSH:1.0当量)を加えて硫化物が析出した液温45℃でpH10.7〜11.0の得た。この試験液を1リットルづつ4サンプル用意し,次の4試験に供した。また,各試験に供する澱物を次のようにして得た。
【0049】
前記の実施例3のNo.1の処理を2回行ない,この処理で得た各澱物(過酸化水素水を添加して得た澱物)を以下の試験No.1とNo.3にそれぞれ使用した。また,過酸化水素水を添加しない以外は前記の実施例3のNo.1と同じ処理を2回行ない,この処理で得た各澱物(過酸化水素水を添加しないで得た澱物)を以下の試験No.2とNo.4に使用した。
【0050】
No.1:該試験液に,塩化第二鉄溶液を第二鉄イオンとして100mg/L,30%過酸化水素水を0.15mLおよび前記の過酸化水素水を添加して得た澱物全量を加えると共に,苛性ソーダを添加してpHを7.5に調整し,45分間攪拌後,澱物を濾別した。
【0051】
No.2:該試験液に,塩化第二鉄溶液を第二鉄イオンとして100mg/L,30%過酸化水素水を0.15mLおよび前記の過酸化水素水を添加しないで得た澱物全量を加えると共に,苛性ソーダを添加してpHを7.5に調整し,45分間攪拌後,澱物を濾別した。
【0052】
No.3:pHを8.5に調整した以外は,前記の本例No.1を繰り返した。
No.4:pHを8.5に調整した以外は,前記の本例No.2を繰り返した。
【0053】
各試験において澱物を濾別した処理済液中の砒素および重金属類濃度を測定したところ,表4の結果を得た。
【0054】
【表4】
【0055】
表4の結果から,過酸化水素を添加して得た澱物は,添加しないで得たものよりも,砒素の除去効果が高いことがわかる。
【0056】
〔実施例5〕
本例は高濃度で砒素および重金属類を含有する排水を予備脱As処理してから本発明法を実施する例を示すものである。
【0057】
As=2.6g/L,Cd=1.2g/L,Cu=0.7g/L,Zn=0.4g/L含有する排水を原液とし,この原液10.0リットルを以下の試験に供した。該原液に対し,消石灰を10%含むパルプを加えてpHを11.4とし,液温50℃で55分間攪拌後,その懸濁液に30%過酸化水素水を1.60mL添加し5分間攪拌した。得られた液を1時間,45℃で放置して澱物を沈降させ,その上澄み液を2.0リットルづつ2サンプル分取し,それぞれ試験液(イ)および試験液(ロ)とした。
【0058】
該試験液(イ)に,水硫化ソーダ(NaSH)を,想定される砒素および重金属類含有量の1.0当量分を添加し,45℃に保持しながら40分間攪拌し,引き続き塩化第二鉄を第二鉄イオンとして100mg/L相当分を加えて,30%過酸化水素水を0.3mLを加え,苛性ソーダでpHを8.5に調整して45分間攪拌したあと,1時間静置し,澱物を濾別した。
【0059】
該試験液(ロ)に,水硫化ソーダ(NaSH)を,想定される砒素および重金属類含有量の1.0当量分を添加し,45℃に保持しながら40分間攪拌し,引き続き,前記の試験液(イ)の処理で得られた澱物の全量および塩化第二鉄を第二鉄イオンとして100mg/L相当分を加え,さらに,30%過酸化水素水を0.3mLを加え,苛性ソーダでpHを8.5に調整して45分間攪拌したあと,1時間静置した。その上澄み液を採取し,液中の砒素および重金属類濃度を測定したところ,表5の結果を得た。
【0060】
【表5】
【0061】
表5の結果から,本発明に従う予備脱As処理を経ることにより,高濃度で砒素および他の重金属類を含有する排水から新排水基準を満足する値にまで砒素および重金属類が除去できることがわかる。
【0062】
〔実施例6〕
本例は高濃度で砒素および重金属類を含有する排水を予備脱As処理してから本発明法を実施する場合の,本発明に従う予備脱As処理法の効果を示すものである。
【0063】
実施例5と同じ排水,すなわちAs=2.6g/L,Cd=1.2g/L,Cu=0.7g/L,Zn=0.4g/L含有する排水を原液とし,この原液10.0リットルを以下の試験A〜Eに供した。まず,いずれの試験A〜Eでも,各原液に対し,消石灰を10%含むパルプを加えてpHを11.4とし,液温50℃で55分間攪拌した。
【0064】
得られた懸濁液に対して,次の試験A〜Eの予備脱As処理を行った。
〔試験A〕:該懸濁液に30%過酸化水素水を1.60mL添加し5分間攪拌する。
〔試験B〕:該懸濁液に塩化第二鉄溶液を,第二鉄イオンとして200mg/L相当量添加し,5分間攪拌する。
〔試験C〕:実施例1の処理で得られる澱物(第二鉄イオン添加後pH調整して生成する澱物)に相当するもののストックから,該澱物を,第二鉄イオンとして200mg/L相当量採取し,これを該懸濁液に添加して5分間攪拌する。
〔試験D〕:該懸濁液に,塩化第二鉄溶液を,第二鉄イオンとして200mg/L相当量添加し,且つ試験Cと同じ澱物を第二鉄イオンとして200mg/L相当量添加し,5分間攪拌する。
〔試験E〕:該懸濁液をそのまま(何も添加せず)静置する。
【0065】
いずれの試験A〜Eでも,各試験後の液を1時間45℃で静置して沈殿を沈降させた時点の上澄み液をサンプリングしてAsおよび重金属類の濃度分析に供した。さらに引き続き10時間45℃で静置した後, その上澄み液をサンプリングしてAs濃度を分析した。その結果を表6に示した。
【0066】
【表6】
【0067】
表6の結果から,試験A〜Dでは,試験Eの無添加の場合に比べて,液中の砒素量が非常に低減していることがわかる。すなわち,高濃度で砒素および重金属類を含有する排水の予備脱As処理において,中和反応を行わせたあと,過酸化水素,Fe3+, 鉄系澱物のいずれの添加によっても,液中の砒素量を低減することができる。また,試験B〜DのようにFe3+および/または鉄系澱物の添加の場合には,10時間静置したあとでも砒素の再溶解が殆んど生じないことがわかる。
【0068】
このようにして予備脱As処理したあとは,例えば前記の実施例5のように本発明に従って,この液をpH7以上で硫化剤を添加し,引き続き,生成した硫化物系析出物が液中に存在したままの状態で第二鉄イオンを添加し,生成した澱物を液から分離すればよい。この澱物は,再び前記の予備脱As処理用の澱物として再利用できる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,低濃度で砒素および他の重金属類を含有する排水を対象として,経済的に且つ効率よく排水基準を満足する値にまで砒素および重金属類を同時に除去することができる。また,高濃度で砒素および他の重金属類を含有する排水を対象とする場合にも,これに本発明の予備脱As処理を施すことにより,経済的に且つ効率よく排水基準を満足する値にまで砒素および他の重金属類を同時に除去することができる。
Claims (8)
- 砒素および他の重金属類を含有する排水にpH7以上で硫化剤を添加し、引き続き、生成した硫化物系析出物が液中に存在したままの状態で第二鉄イオンを添加し、さらに該第二鉄イオンの添加と同時にまたは添加後に過酸化水素を添加し、生成した澱物を液から分離する、砒素および他の重金属類を含有する排水の処理法。
- 硫化剤は、前記砒素および他の重金属類を含有する排水中の成分を硫化するに必要な当量の2倍以下とする請求項1に記載の排水の処理法。
- 第二鉄イオン添加時および添加後の液のpHを7.5以上に調整する請求項1または2に記載の排水の処理法。
- 硫化剤を添加する前の排水は、砒素および他の重金属類の各元素をそれぞれ100mg/L以下の量で含有するものである請求項1、2または3に記載の排水の処理法。
- 前記の分離された澱物を前記の第二鉄イオンの添加と同時にまたはその前後に該液に添加する請求項1、2、3または4に記載の排水の処理法。
- 砒素および他の重金属類を含有する高As濃度排水を予備脱As処理したあと、その排水のpHを7以上に調整して硫化剤を添加し、引き続き、生成した硫化物系析出物が液中に存在したままの状態で第二鉄イオンを添加し、生成した澱物を液から分離する、砒素および他の重金属類を含有する排水の処理法であって、前記予備脱As処理は、前記高As濃度排水に消石灰を添加してpH10〜11.5で中和反応を行わせたあと過酸化水素を添加し、生成した澱物を分離する処理である排水の処理法。
- 砒素および他の重金属類を含有する高As濃度排水を予備脱As処理したあと、その排水のpHを7以上に調整して硫化剤を添加し、引き続き、生成した硫化物系析出物が液中に存在したままの状態で第二鉄イオンを添加し、生成した澱物を液から分離する、砒素および他の重金属類を含有する排水の処理法であって、前記予備脱As処理は、前記高As濃度排水に消石灰を添加してpH10〜11.5で中和反応を行わせたあと第二鉄イオンを添加し、生成した澱物を分離する処理である排水の処理法。
- 砒素および他の重金属類を含有する高As濃度排水を予備脱As処理したあと、その排水のpHを7以上に調整して硫化剤を添加し、引き続き、生成した硫化物系析出物が液中に存在したままの状態で第二鉄イオンを添加し、生成した澱物を液から分離する、砒素および他の重金属類を含有する排水の処理法であって、前記予備脱As処理は、前記高As濃度排水に消石灰を添加してpH10〜11.5で中和反応を行わせたあと、前記澱物を添加し、生成した澱物を分離する処理である排水の処理法。
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