JP5719320B2 - 亜鉛めっき廃液からの亜鉛回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、亜鉛めっき廃液中の亜鉛を高濃度で収率良く分離回収する方法に関する。
亜鉛めっき廃液は鋼材表面への亜鉛めっきの工程で発生する高濃度亜鉛含有の廃液で国内では1〜2万トン/年発生していると想定される。液性は4〜6規定の高濃度塩酸もしくは硫酸酸性溶液中に、高濃度の亜鉛イオン及び鋼材から溶出した鉄イオンを含有する。亜鉛イオン濃度としては数%〜20wt%、鉄イオン濃度としては数%〜10wt%を含有する。亜鉛めっき廃液は強酸性で、中和には大量アルカリ剤が必要であり、また鉄は2価イオンで存在するのが特徴である。この廃液の殆どは産廃として処理され、鉄及び亜鉛は中和後、鉄及び亜鉛混合の水酸化物の脱水ケーキとして廃棄処分されている。したがって数千トン規模の亜鉛が廃棄されていると思われる。脱水ケーキの亜鉛濃度は高いので精錬原料として山元還元に供し再資源化することが必要とされているが、それを経済的に実施するためには、共存する鉄や塩の濃度を極力低減させて亜鉛濃度を40%以上に高めることが必要とされている。つまり亜鉛を鉄から効率よく分離回収する手段が必要となっている。複数の金属イオンを含む廃液からの分離回収技術としては多くの方法が知られている。例えば鉄−亜鉛系において特許文献1には、鋼板の酸洗廃液やめっき廃液など各種の重金属を含む廃液を各槽ごとに複数段階に分けてpH調整を行い、pHによる水酸化物生成傾向の差を利用し、金属種類別に水酸化物を析出させて分離回収する方法が提案されている。この中で二価鉄の酸化方法としては鉄酸化細菌を添加する方法が記載されている。特許文献2では鉄を含む複数の金属が混在する廃液から低含水率の鉄ケーキを得る方法が提案され、そこには、予め二価鉄を三価鉄に公知の方法で酸化させた後、中和剤を添加し、pH3〜5程度で水酸化鉄(三価)主体の粒子を生成させることが記載されている。特許文献3には、鉄、亜鉛等を含むめっき廃液スラッジからの金属回収のため、スラッジを酸に溶解した後、次いで液中の第1鉄(二価鉄)を過酸化水素等の酸化薬剤を使用して酸化後pH調整により、第二鉄沈殿物を得る方法が提案されている。
上記はいずれも鉄を何らかの方法で酸化して、二価鉄を三価鉄に酸化し、その後pH調整を行い、共存する他の金属成分との分離回収をはかるものである。非特許文献1には数mg/L程度の希薄濃度の二価鉄の三価鉄への空気酸化速度に与えるpHの影響を示し、酸化には中性付近が好適であることが記載されている。
特開2003−71201号公報 特開2005−296866号公報 特開2007−237054号公報
高井雄、中西弘著「用水の除鉄、除マンガン処理」、産業用水調査会、昭和62年 P41。
これらの方法はいずれも金属水酸化物の形成傾向において水酸化第二鉄がpH3以上で溶解度を激減する特徴を利用したものである。
化学的酸化には薬剤添加が必要で、多くは添加する薬剤の費用が有価金属回収のクレジットを損じ、経済的プロセスとしての成立を阻む結果となり、実用に至っていない。前記特許文献1において鉄酸化細菌を用いる方法では、酸化薬剤の投入はないが鉄イオン濃度が数10〜数100mg/L程度の希薄溶液への適用であり、本発明が対象とする亜鉛めっき廃液のような高濃度の鉄イオンを含有する廃液に適用した事例はないし、塩が高濃度であるため、菌の活性度も低くなることが想定され、亜鉛めっき廃液に適用するには膨大な希釈と費用が想定され、科学的には可能であっても工業的に成立しない。そこで、本発明者らは、亜鉛めっき廃液中の鉄と亜鉛のモル量の和に対して所定量のアルカリを添加し、特定のpHに調整した後、空気を吹込むことにより、2価鉄イオンを3価鉄イオンに酸化するとともに、水酸化第二鉄を析出させ、溶解している亜鉛と分離した後、次いで再度pH調整し、亜鉛を析出させることにより、亜鉛ケーキを有償譲渡可能な高濃度亜鉛含有組成物又は、山元還元に供し得る有価物として回収できることを見出し、この内容を特願2010−228243号として特許出願した。
しかし、亜鉛めっき廃液はカドミウムや鉛などの重金属を含んでいることが多く、これらは、水酸化第二鉄を分離して得た鉄ケーキ中に移行する。鉄ケーキは資源価値が低く、通常、産業廃棄物として埋立処分されるが、これらの重金属の溶出が埋立基準を超過して埋立処分ができなくなることがあるという課題が新たに見出された。
本発明は、このような課題を解決するべくなされたものであり、先の発明において、空気酸化して得た処理液にキレート剤を添加することにより、水酸化第二鉄とともに沈殿するこれらの重金属を不溶性の塩に変えて埋立処理における溶出を抑制したものである。
すなわち、本発明は、亜鉛イオンを10,000mg/L以上および2価の鉄イオンを3,000mg/L以上含有し、さらに重金属を含有する亜鉛めっき廃液にアルカリを添加してpHを4.5〜5.5の範囲に維持しながら、空気を吹き込み、2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化した後、水酸化第二鉄として析出させる空気酸化処理工程と、前記空気酸化処理工程で得られた処理液にキレート剤を添加した後、固液分離する第一固液分離工程と、前記第一固液分離工程で得られた分離液にアルカリを添加してpHを8〜11に調整し、水酸化亜鉛を析出させるpH調整処理工程と、前記pH調整処理工程で得られた処理液を固液分離する第二固液分離工程と、前記第二固液分離工程で得られた固形物を洗浄して、乾燥重量あたり亜鉛を40%以上含有する亜鉛組成物を回収する亜鉛回収工程を具備することを特徴とする亜鉛めっき廃液からの亜鉛回収方法と、亜鉛イオンを10,000mg/L以上および2価の鉄イオンを3,000mg/L以上含有し、さらに重金属を含有する亜鉛めっき廃液にアルカリを添加してpHを4.5〜5.5の範囲に維持しながら、空気を吹き込み、2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化した後、水酸化第二鉄として析出させる空気酸化処理工程と、前記空気酸化処理工程で得られた処理液にキレート剤を添加した後、固液分離する第一固液分離工程と、前記第一固液分離工程で得られた分離液にアルカリと硫化剤を添加してpHを8〜11に調整し、水酸化亜鉛および硫化亜鉛を析出させるpH調整処理工程と、前記pH調整処理工程で得られた処理液を固液分離する第二固液分離工程と、前記第二固液分離工程で得られた固形物を洗浄して、乾燥重量あたり亜鉛を40%以上含有する亜鉛組成物を回収する亜鉛回収工程を具備することを特徴とする亜鉛めっき廃液からの亜鉛回収方法を提供するものである。
本発明によれば低コスト、高回収率で亜鉛めっき廃液中の亜鉛を再資源化でき、副生する鉄ケーキは安定して埋立処分できる。また、亜鉛めっき廃液に限定されず、鉄と亜鉛を含有する廃液からの鉄あるいは亜鉛の分離に利用することが可能である。
本発明の方法を示すフローシートである。 液のpHとFe酸化率とZn回収率の関係を示すグラフである。 ゴムメンブレン式の散気装置の構造を示す図である。
本発明が適用される亜鉛めっき廃液は、鉄板、鋼板、その他各種の鉄鋼材を、電解めっき、溶融めっき等で亜鉛めっきした際に生じるめっき液、めっき工程の後処理や、洗浄工程で生じる廃液であり、1〜7規定程度、通常4〜6規定程度の塩酸、硫酸等の鉱酸中に亜鉛イオンを10,000mg/L以上、好ましくは50,000mg/L以上、より好ましくは100,000mg/L以上、2価の鉄イオンを3,000mg/L以上、特に10,000mg/L以上、そしてさらに重金属を含むものである。亜鉛イオンの上限は特に制限されないが、通常200,000mg/L以下、多くは150,000mg/L以下である。また、2価の鉄イオンの上限も特に制限されないが、通常100,000mg/L以下、多くは60,000mg/L以下である。重金属の例としては、カドミウム、鉛、等を挙げることができる。重金属の含有量は特に限定されないが、通常数10〜数100mg/L程度、特に50〜500mg/L程度である。
この亜鉛めっき廃液に、必要により水を加えて撹拌しながら、2〜6倍程度、好ましくは3〜5倍程度に希釈する。亜鉛めっき廃液の希釈は亜鉛ケーキの品位を向上させる。脱水ケーキ中の水分に付随する塩分が低下するためである。廃液中の高濃度の酸の中和の結果として存在する塩濃度を低減するため、2〜6倍程度に希釈する。希釈度を上げすぎると品位は向上するが処理のボリュームが大きくなり、能率が低下する。
次いで、この希釈廃液にアルカリを添加してpH4.5〜5.5に調整するとともに空気を吹き込み、2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化する。空気を吹き込む装置は特に限定されないが、ゴムメンブレン式の散気装置を使用することが望ましい。ゴムメンブレン式の散気装置(図3)は通気時には散気口が広がるが、停止時には散気口が閉じるので、生成した水酸価鉄粒子による閉塞が生じにくい。空気酸化のpH条件は4.5〜5.5好ましくは4.6〜5.4付近の比較的狭い範囲が好ましい。低濃度域での二価鉄の空気酸化についてはpH依存性が大きく、中性域が好ましいことが知られている(非特許文献1)。しかしながら、本発明が対象とする亜鉛めっき廃液の場合は鉄、亜鉛ともに高濃度であるため、pH6以上では、二価鉄の酸化は進行するものの、水酸化第二鉄の沈降に伴い亜鉛が共沈し、亜鉛の回収率が低下してしまう。また、pHが4以下では二価鉄の酸化が進行せず、二価鉄イオンが液中に残留し、亜鉛析出の際に同時に析出するため回収亜鉛の濃度を低下させてしまう。二価鉄の酸化速度と亜鉛回収率とを考慮すると、pHには最適域が存在し5付近であることを見出した(図2)。pHの調整に用いるアルカリの種類は問わないが、安価で大量に入手できるものがよく、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム等を例示することができる。なお、空気酸化反応の進行に伴いpHは低下し、低下に伴い酸化反応速度も低下するので酸化時においては液のpHを監視しながら中和用アルカリを連続的あるいは断続的に投入してpH4.5〜5.5付近を維持するのが良い。例えば、pH5を切ったらアルカリ溶液を添加するようにする。空気酸化しながら小まめにpH調整を行うことにより酸化の進行に伴うpH低下がもたらす酸化速度の低下を回避できるとともに過不足なくアルカリを添加することができる。このとき、あらかじめpH調整に必要なアルカリ溶液量を決めておき、空気酸化処理開始からの累積アルカリ溶液量があらかじめ決定したアルカリ量に達したらアルカリ添加を停止する方法がある。必要アルカリ量は、含有する鉄、亜鉛の和に対して1/2等量から等量までとする。なお、空気酸化は、溶液中の酸化還元電位をモニタリングしておき、酸化還元電位がプラスに転じるまで継続する。酸化時間に余裕がある場合には、酸化還元電位が+50mV程度になるまで継続することが望ましい。
空気酸化過程で生じる水酸化第二鉄の固相にある程度重金属が取り込まれ、不溶化するため、キレート剤は空気酸化処理工程の終段で加える。終段で加えることで、キレート剤添加量を極小化できる。キレート剤は、カドミウム、鉛などの重金属とキレートを形成するものであり、ジチオカルバミン酸系、ピペラジン系、ジエチルアミン系のものなどを使用できる。キレート剤の添加量は廃液重量に対して0.2〜2%程度、好ましくは0.5〜2%程度が適当である。
この空気酸化により、鉄は水酸化第二鉄として沈殿する。析出物の分離手段は、特に限定されず、各種の重力濾過機、加圧濾過機、真空濾過機の他、遠心分離機も利用できる。
分離したケーキは、水酸化第二鉄の他、カドミウムや鉛等の重金属もキレート剤で不溶化されているのでこれらの重金属も含まれる。
鉄ケーキ回収後の分離液は高塩濃度であるため、アルカリ添加前に希釈することで、アルカリ添加時に生成する亜鉛化合物を分離した際にケーキに付着する液中の塩濃度が低減されるとともに、固液分離性も向上する。
空気酸化終了後、固液分離した濾液は、次に、アルカリを添加し、pH8〜11程度、好ましくは9.5〜10.5程度にして亜鉛を水酸化物として沈殿させる。アルカリの添加は、pHを確認しながら一度に投入しても、沈殿の生成状況を確認しながら数回に分けて投入しても良い。いずれの場合においても、最終的に前記pH範囲内となるようにアルカリ添加量を調整する。pH調整に用いるアルカリは、このようなpHにすることができるものであればよいが、安価で入手が容易な点で水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等のナトリウム化合物が望ましい。水酸化カルシウムによる中和もできるがその場合は回収した亜鉛ケーキの含有量が低下する。また、水酸化物として沈殿させる方法以外に、硫化剤を添加して硫化物として回収することもできる。この場合、添加する硫化剤としては硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム等のナトリウム硫化物が好ましい。硫化水素ナトリウムを加える場合は、硫化亜鉛生成の際にpHが低下するため、上記アルカリと併用する。この場合、硫化剤の添加条件としては、上記のアルカリによる中和の後半において添加する方が好ましい。硫化亜鉛生成に伴うpH低下によって、硫化水素ナトリウム添加時に硫化水素ガスが発生しやすくなり、作業員に対して危険が及ぶ可能性があるためである。硫化剤の添加開始時期は、具体的には前記アルカリを加えて反応液中のpHが5〜6以上になった時点とする。硫化剤の添加量は、残存する溶解性亜鉛つまり未反応亜鉛の量に対しS当量で1〜1.2倍当量(モル比)程度が適当である。ここで、溶解性亜鉛とは、反応液を0.45μmフィルターでろ過して得られたろ液中の亜鉛であり、ろ液を原子吸光分析装置もしくはICP発光分光分析装置で測定した値を溶解性亜鉛と定義する。硫化剤添加後もアルカリの添加を続ける場合には、硫化剤とアルカリの合計量で残存する溶解性亜鉛の量の1〜1.2倍当量(モル比)程度が適当である。アルカリや硫化剤を必要量添加してから、30分〜1時間程度撹拌してから沈殿物を分離する。この際、高分子凝集剤等の凝集剤を添加すると分離を良好に進めることができるが、必ずしも必要ではない。
凝集剤を添加後は、靜置して、上澄水を除去して水を加えて攪拌し、これを繰返すことによって得られる水酸化亜鉛あるいは硫化亜鉛のケーキに含まれる塩分濃度を低下させることができる。分離した上澄水は別のタンクに移送した後にフィルタープレス等でろ過してもよく、別のタンクに移送する前にフィルタープレス等でろ過してもよい。
沈殿物の分離手段は、鉄ケーキ同様に、特に限定されず、各種の重力濾過機、加圧濾過機、真空濾過機の他、遠心分離機も利用できる。なおこの脱水工程において亜鉛ケーキへの直接水投入による洗浄操作は前述したメッキ原液の希釈と同様にケーキ中の塩分を低減できるので、亜鉛ケーキの純度向上には有効である。
本発明では、亜鉛ケーキ中の亜鉛濃度を乾燥重量で40重量%以上、好ましくは50重量%以上とする必要があり、そのために、(1)鉄の空気酸化前に水を加える希釈、(2)鉄ケーキを分離した液に水を加える希釈、(3)分離した亜鉛ケーキの脱水前の水による洗浄、(4)脱水時における水による洗浄を適宜組み合わせ、また、希釈水や線浄水の量をコントロールして亜鉛ケーキ中の塩分(NaCl等)濃度を低下させるようにする。これらの水には塩分濃度の高くないもの、例えば、工業用水、水道水、塩分濃度の高くない廃液の処理水などを用いる。尚、フィルタープレスで脱水した亜鉛ケーキの含水率は60〜70重量%程度である。
分離したケーキは、亜鉛を40重量%以上と高濃度に含有しており、山元にて公知の亜鉛回収プロセス、例えば、ばい焼して酸化亜鉛として更に精製した後、硫酸に溶解して硫酸亜鉛溶液とし、硫酸亜鉛溶液から電解によって金属亜鉛を得るプロセスなどに適用することが可能である。
固液分離した濾液は、必要により、さらに浄化して放流し、あるいは工業用水等として再利用できる。浄化方法としては、pH調整後、沈殿物除去を行う。再利用時に求められる水質によっては前記浄化方法に、逆浸透膜法などを組み合わせることができる。
Zn2+濃度96,000mg/L、Fe2+濃度27,000mg/L、Cd2+濃度57mg/L、Pb2+濃度270mg/Lの亜鉛めっき廃液10Lを工業用水で3倍に希釈して、Zn2+濃度32,000mg/L、Fe2+9,000mg/L、Cd2+濃度29mg/L、Pb2+濃度90mg/L、pH0.72、ORP448mVの希釈廃液を得た。この希釈廃液を200mlづつに分けて500mlトールビーカーに入れ、20(w/v)%のNaOHを表1の条件で加えて9時間空気酸化を行った。その間、空気はエアーポンプと曝気球を用いて供給し、スターラーは使用しなかった。(1)は、実験開始時にNaOHを添加してpHを調整し、その8.5時間後にNaOHを添加してpH5に調整した。(2)はマイクロピペットを使用して10分ごとに添加した。(3)は沈殿がないため、NaOH添加時のみスターラーを回して攪拌した。
Figure 0005719320
各空気酸化処理液をろ紙No.5Cでろ過し、初流約50mlは除いて集めたろ紙を標準添加法で分析して表2の結果を得た。
Figure 0005719320
次に、空気酸化処理した亜鉛めっき廃液にキレート剤を添加してカドミウムと鉛の挙動を調べた。供試廃液の組成は、Zn210,000mg/L、Fe68,000mg/L、Cd114mg/L、Pb540mg/Lであった。キレート剤には(エチレンアミノ)ジチオカルボキシナトリウム−エチレンベンジルアミン−エチレンアミン共重合体を使用した。実験条件と結果を表3に示す。
Figure 0005719320
本発明により、亜鉛めっき廃液から亜鉛を高い純度で回収して再利用でき、廃液の処理負担を軽減できるので亜鉛めっき廃液の処理に広く利用できる。

Claims (5)

  1. 亜鉛イオンを10,000mg/L以上および2価の鉄イオンを3,000mg/L以上含有し、さらに重金属を含有する亜鉛めっき廃液にアルカリを添加してpHを4.5〜5.5の範囲に維持しながら、空気を吹き込み、2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化した後、水酸化第二鉄として析出させる空気酸化処理工程と、前記空気酸化処理工程で得られた処理液に重金属を不溶性の塩に変えるキレート剤を添加した後、固液分離する第一固液分離工程と、前記第一固液分離工程で得られた分離液にアルカリを添加してpHを8〜11に調整し、水酸化亜鉛を析出させるpH調整処理工程と、前記pH調整処理工程で得られた処理液を固液分離する第二固液分離工程と、前記第二固液分離工程で得られた固形物を洗浄して、乾燥重量あたり亜鉛を40%以上含有する亜鉛組成物を回収する亜鉛回収工程を具備することを特徴とする亜鉛めっき廃液からの亜鉛回収方法。
  2. 前記亜鉛めっき廃液に水を加えて2〜6倍に希釈した後、前記空気酸化処理を施すことを特徴とする請求項1記載の亜鉛めっき廃液からの亜鉛回収方法。
  3. 亜鉛イオンを10,000mg/L以上および2価の鉄イオンを3,000mg/L以上含有し、さらに重金属を含有する亜鉛めっき廃液にアルカリを添加してpHを4.5〜5.5の範囲に維持しながら、空気を吹き込み、2価の鉄イオンを3価の鉄イオンに酸化した後、水酸化第二鉄として析出させる空気酸化処理工程と、前記空気酸化処理工程で得られた処理液に重金属を不溶性の塩に変えるキレート剤を添加した後、固液分離する第一固液分離工程と、前記第一固液分離工程で得られた分離液にアルカリと硫化剤を添加してpHを8〜11に調整し、水酸化亜鉛および硫化亜鉛を析出させるpH調整処理工程と、前記pH調整処理工程で得られた処理液を固液分離する第二固液分離工程と、前記第二固液分離工程で得られた固形物を洗浄して、乾燥重量あたり亜鉛を40%以上含有する亜鉛組成物を回収する亜鉛回収工程を具備することを特徴とする亜鉛めっき廃液からの亜鉛回収方法。
  4. 前記亜鉛めっき廃液に水を加えて2〜6倍に希釈した後、前記空気酸化処理を施すことを特徴とする請求項3に記載の亜鉛めっき廃液からの亜鉛回収方法。
  5. 前記キレート剤の添加量が前記空気酸化処理工程で得られた廃液重量に対して0.2〜2%であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の亜鉛めっき廃液からの亜鉛回収方法。
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