JP4023058B2 - オレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの組成物を有機過酸化物の存在下に動的に熱処理してオレフィン系熱可塑性エラストマーを製造するにおいて、表面外観に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマーを効率的に製造することができるオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ゴム的な軟質材料であって、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様の成形加工性を有する、スチレン系、オレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系等の熱可塑性エラストマーが、工程合理化やリサイクル等の観点から注目され、自動車部品、家電部品、医療用機器部品、電線、及び雑貨等の分野で広汎に使用されており、中で、結晶性プロピレン系重合体樹脂とエチレン−プロピレン共重合体ゴム又はエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム等のオレフィン系共重合体ゴムとの混合物、或いはそれを有機過酸化物の存在下に動的に熱処理して後者ゴムを架橋せしめて部分架橋物となしたオレフィン系熱可塑性エラストマーは、比較的安価であるため経済的に有利な材料として注目され、例えば、後者の部分架橋物のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、適度の柔軟性を有すること、及び、熱成形等によるシボ模様の消失がないこと等から、従来の軟質塩化ビニル樹脂に替わる自動車内装材の表皮材として積極的な検討がなされている。
【0003】
しかしながら、このオレフィン系熱可塑性エラストマーは、混合物であるが故、更に部分架橋物であるが故に、架橋ゴムの粗大分散又は不均一分散等が生じ易く、それがフィッシュアイ又はブツ等となって得られるシート等の表面外観を低下させるという問題を内在していた。
【0004】
これに対して、このオレフィン系熱可塑性エラストマーにおける表面外観等の問題に解決を与えるべく、例えば、特開昭58−25340号公報には、二軸押出機を用いて溶融混練して動的に架橋せしめる方法が、又、特開平9−95540号公報には、スクリューに、特定の平均厚さのニーディングディスクの複数枚により順送り能力を有するように構成した混練部を設けた二軸押出機を用いて溶融混練して動的に架橋せしめる方法が、提案されている。
【0005】
ところが、本発明者等の検討によれば、これらの方法は、得られるオレフィン系熱可塑性エラストマーの表面外観が依然として劣るか、或いは、吐出量を落とさなければ表面外観の改良が得られないものであって、表面外観に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマーの効率的製造について、未だ充分に満足できるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの組成物を有機過酸化物の存在下に動的に熱処理してオレフィン系熱可塑性エラストマーを製造するにおいて、表面外観に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマーを効率的に製造することができるオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの組成物を有機過酸化物の存在下に動的に熱処理してオレフィン系熱可塑性エラストマーを製造するにおいて、噛合い型同方向又は異方向回転二軸スクリューを備えた二軸押出機を用いて、該スクリューの、少なくとも前記有機過酸化物の押出機への供給後の位置に、回転直径〔d(mm)〕に対する1枚当たりの平均厚さ〔l(mm)〕の比〔l/d〕が0.5以下のニーディングディスクの複数枚により順送り能力も逆送り能力もないように構成した直交タイプと、更にそれに続いて逆送り能力を付与するように構成した逆送りタイプの混練部を設けると共に、該二軸押出機のバレル半径〔R(mm)〕とスクリュー回転数〔N(rpm)〕と吐出量〔Q(kg/時)〕との間に下記式の関係を保って押し出すオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法、を要旨とする。
3.0<(N×Q)/R3 <20.0
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において、オレフィン系熱可塑性エラストマーの組成物を構成する一方の成分の結晶性プロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、或いは、プロピレンと、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数2〜10程度の他のα−オレフィンとの共重合体、具体的には、例えば、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体等が挙げられる。尚、前記共重合体における他のα−オレフィン含有量は、ランダム共重合体の場合、10重量%以下であるのが好ましく、7重量%以下であるのが更に好ましい。又、ブロック共重合体の場合、40重量%以下であるのが好ましく、15重量%以下であるのが更に好ましい。
【0009】
尚、本発明における結晶性プロピレン系樹脂は、チーグラー系触媒によって重合されたものでもメタロセン系触媒によって重合されたものでも、いずれでもよく、これら触媒の存在下にスラリー法、気相法、バルク法、溶液法等の従来公知の重合法によって製造されたものである。
【0010】
又、前記結晶性プロピレン系樹脂は、JIS K7210に準拠して230℃、2.16kg荷重で測定したメルトフローレートが0.01〜100g/10分であるのが好ましく、0.05〜80g/10分であるのが更に好ましく、0.1〜60g/10分であるのが特に好ましい。メルトフローレートが前記範囲未満では、熱可塑性エラストマーとして成形加工性が劣る傾向となり、一方、前記範囲超過では、充分な機械的性質を得ることが困難な傾向となる。
【0011】
又、前記結晶性プロピレン系樹脂は、JIS K7112に準拠して測定した密度が0.870〜0.920g/cm3 であるのが好ましく、0.880〜0.915g/cm3 であるのが更に好ましく、0.885〜0.910g/cm3 であるのが特に好ましい。密度が前記範囲未満では、熱可塑性エラストマーとして充分な機械的強度及び耐油性等を得ることが困難な傾向となり、一方、前記範囲超過では、成形加工性が劣る傾向となる。
【0012】
又、本発明において、オレフィン系熱可塑性エラストマーの組成物を構成する他方の成分のオレフィン系共重合体ゴムとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数2〜10程度のα−オレフィン同士の共重合体、或いは、更に、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、1,4−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン等の非共役ジエンを共重合させた共重合体、具体的には、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体等が挙げられる。
【0013】
以上の中で、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体、又は、エチレンと他のα−オレフィンと非共役ジエンとの共重合体が好ましく、その場合、他のα−オレフィンの含有量は、5〜70重量%であるのが好ましく、10〜60重量%であるのが更に好ましい。又、非共役ジエンを共重合させたオレフィン系共重合体が好ましく、その場合、非共役ジエンの含有量は、0.5〜12重量%であるのが好ましく、1〜10重量%であるのが更に好ましい。非共役ジエンの含有量が前記範囲未満では、熱可塑性エラストマーとして充分な機械的強度及び耐油性等を得ることが困難な傾向となり、一方、前記範囲超過では、ゴム弾性が劣る傾向となる。
【0014】
尚、本発明におけるオレフィン系共重合体ゴムも、バナジウム化合物等のチーグラー系触媒の存在下に共重合されたものでも、メタロセン系触媒の存在下に共重合されたものでも、いずれでもよい。
【0015】
又、前記オレフィン系共重合体ゴムは、ASTM D1646に準拠して100℃で測定したムーニー粘度〔ML1+4 (100℃)〕が30〜450であるのが好ましく、50〜420であるのが更に好ましく、80〜400であるのが特に好ましい。ムーニー粘度が前記範囲未満では、熱可塑性エラストマーとして充分な機械的強度及び耐油性等を得ることが困難な傾向となり、一方、前記範囲超過では、成形加工性が劣る傾向となる。
【0016】
本発明において、前記結晶性プロピレン系樹脂と前記オレフィン系共重合体ゴムとの組成物における両者の組成割合は、前者樹脂が5〜80重量%、後者ゴムが95〜20重量%であるのが好ましく、前者樹脂が10〜65重量%、後者ゴムが90〜35重量%であるのが更に好ましく、前者樹脂が10〜50重量%、後者ゴムが90〜50重量%であるのが特に好ましい。前者樹脂が前記範囲未満で後者ゴムが前記範囲超過では、熱可塑性エラストマーとして成形加工性が劣る傾向となり、一方、前者樹脂が前記範囲超過で後者ゴムが前記範囲未満では、熱可塑性エラストマーとしてゴム弾性、柔軟性等が劣る傾向となる。
【0017】
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法は、前記結晶性プロピレン系樹脂と前記オレフィン系共重合体ゴムとの組成物を有機過酸化物の存在下に動的に熱処理することよりなる。
【0018】
ここで、動的に熱処理するとは、後述する二軸押出機を用いて、前記組成物を溶融状態で混練することであり、この動的熱処理により前記オレフィン系共重合体ゴムにおいて有機過酸化物による架橋反応が進行し、部分架橋物である熱可塑性エラストマーとなる。
【0019】
その際用いられる有機過酸化物としては、従来の部分架橋オレフィン系熱可塑性エラストマーの製造に通常用いられる有機過酸化物、具体的には、例えば、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−又は1,4−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロビル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のジアルキルパーオキシド類、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル類、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド類等が挙げられ、中で、ジアルキルパーオキシド類が好ましく、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、又は、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が特に好ましい。
【0020】
尚、これらの有機過酸化物の使用量は、前記プロピレン系樹脂と前記オレフィン系共重合体ゴムとの組成物100重量部に対して、0.005〜3重量部とするのが好ましく、0.05〜2重量部とするのが特に好ましい。
【0021】
又、本発明においては、前記有機過酸化物と共に、架橋助剤を用いてもよく、その架橋助剤としては、具体的には、例えば、硫黄、p−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニシン、m−フェニレンビスマレイミド等の有機過酸化物架橋用助剤類、アリル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物類等が挙げられる。
【0022】
尚、これらの架橋助剤の使用量は、前記プロピレン系樹脂と前記オレフィン系共重合体ゴムとの組成物100重量部に対して、0.005〜4重量部とするのが好ましく、0.05〜3重量部とするのが更に好ましい。
【0023】
又、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマーには、通常、熱可塑性エラストマーに加工性や柔軟性等を付与するために配合されるゴム用軟化剤が配合されてもよく、その配合量は、前記オレフィン系共重合体ゴム100重量部に対して20〜200重量部とするのが好ましく、30〜150重量部とするのが更に好ましい。尚、このゴム用軟化剤の熱可塑性エラストマーへの配合は、前記オレフィン系共重合体ゴムの製造時の後処理工程で予め添加する、所謂、油展ゴム方式でなされてもよい。
【0024】
このゴム用軟化剤としては、特に、鉱物油系のものが好ましく、これは、一般に、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖の三者の混合物であって、パラフィン鎖の炭素数が全炭素数中の50%以上を占めるパラフィン系と、ナフテン環の炭素数が全炭素数中の30〜40%を占めるナフテン系と、芳香族環の炭素数が全炭素数中の30%以上を占める芳香族系とに区分されているが、本発明においては、パラフィン系のものが特に好ましく、その数平均分子量は、200〜2,000、特に300〜1,600のものが好ましい。
【0025】
又、本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマーには、更に、各種樹脂やゴム、ガラス繊維、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、マイカ、クレー等の充填材、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、滑剤、分散剤、中和剤、難燃剤、着色剤等の各種添加剤等が、必要に応じて配合されてもよい。
【0026】
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法は、前記結晶性プロピレン系樹脂と前記オレフィン系共重合体ゴム、或いは、更にゴム用軟化剤等を配合した組成物を、有機過酸化物、或いは更に架橋助剤の存在下に動的に熱処理するにおいて、噛合い型同方向又は異方向回転二軸スクリューを備えた二軸押出機を用いて、該スクリューの、少なくとも前記有機過酸化物の押出機への供給後の位置に、回転直径〔d(mm)〕に対する1枚当たりの平均厚さ〔l(mm)〕の比〔l/d〕が0.5以下のニーディングディスクの複数枚により順送り能力も逆送り能力もないように構成した混練部を設けると共に、該二軸押出機のバレル半径〔R(mm)〕とスクリュー回転数〔N(rpm)〕と吐出量〔Q(kg/時)〕との間に下記式の関係を保って押し出すことを必須とする。
2.6<(N×Q)/R3 <22.6
【0027】
高混練機能を有する二軸押出機は、通常、原料供給口とベント口、及びジャケットを備えたバレル、その内部に配され、表面に複数条の溝が刻設され、同方向又は異方向に回転する二本のスクリュー、並びに押出機先端に取り付けられたダイから構成され、そのスクリュー途中には、複数枚のニーディングディスクによって構成される混練部が、相互に噛み合う形態又は相互に噛み合わない形態で設けられており、例えば、日本製鋼所(株)より「TEXα」シリーズとして、又、東芝機械(株)より「TEM−SS」シリーズとして市販されており、これらは、スクリュー回転数を従来のものの数倍の2,000rpm程度の高速とすることが可能である。
【0028】
この複数枚のニーディングディスクによって構成される混練部は、例えば、楕円形状、三角形状、四角形状等のニーディングディスクの複数枚を、二本のスクリュー間で噛み合うように、又は噛み合わないように、規則的に方向をずらせて重列させることにより構成されており、例えば、楕円形状のニーディングディスクの4枚を用いて噛み合い型に構成した場合について説明すると、一方のスクリューの各ニーディングディスクをスクリューの送り方向に45度ずつずらせて4枚を重列させ、他方のスクリューの各ニーディングディスクを同じく送り方向に、一方のスクリューに対して位相を90度ずらせて4枚を重列させた順送り能力を付与したタイプ、一方のスクリューの各ニーディングディスクをスクリューの反送り方向に45度ずつずらせて4枚を重列させ、他方のスクリューの各ニーディングディスクを同じく反送り方向に、一方のスクリューに対して位相を90度ずらせて4枚を重列させた逆送り能力を付与したタイプ、及び、一方のスクリューの各ニーディングディスクを90度ずつずらせて2枚を2重に重列させ、他方のスクリューの各ニーディングディスクを、一方のスクリューに対して位相を90度ずらせて2枚を2重に重列させた順送り能力も逆送り能力も有しない直交タイプに分類される。
【0029】
そして、本発明においては、噛合い型同方向又は異方向回転二軸スクリューを備えた二軸押出機であって、複数枚のニーディングディスクによって構成される混練部を、順送り能力も逆送り能力もないように、前述した直交タイプに構成すると共に、そのニーディングディスクを、回転直径〔d(mm)〕に対する一枚当たりの平均厚さ〔l(mm)〕の比〔l/d〕を0.5以下としたものである。
【0030】
この比〔l/d〕は、0.05〜0.4とするのが好ましく、0.05〜0.3とするのが更に好ましい。この比〔l/d〕が前記範囲未満では、ニーディングディスクの機械的強度の低下の問題が生じる傾向となり、一方、前記範囲超過では、剪断による発熱が大きくなって外観不良の原因となるブツ等が発生し易い傾向となる。
【0031】
又、本発明において、一つの混練部を構成する前記ニーディングディスクの枚数は、3〜200枚とするのが好ましく、5〜50枚とするのが更に好ましい。そして、それを1ユニットとして、混練部を好ましくは1〜20ユニット程度、更に好ましくは2〜18ユニット程度、特に好ましくは3〜15ユニット程度で構成し、その各ユニット間は、組成物を搬送するための例えばフルフライトスクリューとする。一つの混練部当たりのニーディングディスクの枚数が前記範囲未満では混練効果が小さい傾向となり、一方、前記範囲超過では、剪断による発熱が大きくなって外観不良の原因となるブツ等が発生し易い傾向となる。
【0032】
又、本発明において、前記混練部の設置位置は、当然のことながら、少なくとも前記有機過酸化物の押出機への供給後の位置とする必要があり、この混練部での混練により、前記オレフィン系共重合体ゴムの円滑な架橋を進行させることができる。
【0033】
更に、本発明においては、二軸押出機のバレル半径〔R(mm)〕とスクリュー回転数〔N(rpm)〕と吐出量〔Q(kg/時)〕との間に下記式の関係を保って押し出すことが必要である。
2.6<(N×Q)/R3 <22.6
【0034】
又、下記式の関係を保って押し出すことが好ましい。
3.0<(N×Q)/R3 <20.0
【0035】
二軸押出機のバレル半径〔R(mm)〕とスクリュー回転数〔N(rpm)〕と吐出量〔Q(kg/時)〕との間の前記関係が前記範囲以下では、オレフィン系熱可塑性エラストマーの効率的な製造が困難となり、一方、前記範囲以上では、剪断による発熱が大きくなって外観不良の原因となるブツ等が発生し易いこととなる。
【0036】
又、本発明においては、前記混練部における最大剪断速度を、1,000/秒以上、10,000/秒未満とするのが好ましく、1,300/秒以上、8,000/秒以下とするのが更に好ましい。最大剪断速度が前記範囲未満では混練が不十分となり、又、前記範囲超過では剪断による発熱が大きくなって、いずれの場合も外観不良を来す傾向となる。
【0037】
尚、前記最大剪断速度〔γmax (/秒)〕は、バレル内径〔D(mm)〕、バレル内壁とスクリュー混練部との最小間隙〔t(mm)〕、及びスクリュー回転数〔N(rpm)〕から、下記式により求めることができる。
γmax =〔(πDN)/t〕×(1/60)
【0038】
又、本発明の製造方法における前記組成物の混練温度は、170〜290℃とするのが好ましく、180〜280℃とするのが更に好ましい。
【0039】
本発明において、前記結晶性プロピレン系樹脂と前記オレフィン系共重合体ゴム、或いは更に前記ゴム用軟化剤、前記有機過酸化物或いは更に前記架橋助剤等の前記二軸押出機への供給順序は、特に限定されるものではなく、例えば、二軸押出機の原料供給口からこれらを一括して供給し、溶融混練する方法、結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴム、或いは更にゴム用軟化剤を二軸押出機の第1原料供給口から供給し、これらを溶融混練した後、第2原料供給口からプランジャーポンプ等により有機過酸化物或いは更に架橋助剤を供給して、更に混練する方法、結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴム、或いは更にゴム用軟化剤を二軸押出機の第1原料供給口から供給し、これらを溶融混練した後、第2原料供給口から結晶性プロピレン系樹脂又は/及びオレフィン系共重合体ゴムによる有機過酸化物或いは更に架橋助剤のマスターバッチを供給して、更に混練する方法、結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムを二軸押出機の第1原料供給口から供給し、これらを溶融混練した後、第2原料供給口以降の供給口から、ゴム用軟化剤と、有機過酸化物或いは更に架橋助剤を、同時に又は逐次に供給し、更に混練する方法等、いずれの方法によってもよいが、中で、少なくとも結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムを二軸押出機の第1原料供給口から供給して予め溶融混練した後、第2原料供給口から有機過酸化物或いは更に架橋助剤を供給して、更に混練する方法が好適である。
【0040】
本発明の製造方法によって製造されるオレフィン系熱可塑性エラストマーは、前記プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムからなる組成物を前記有機過酸化物の存在下に動的に熱処理し、この動的熱処理によりオレフィン系共重合体ゴムにおいて架橋反応を行わしめて該オレフィン系共重合体ゴム中のゲル分が5〜95%となった部分架橋物である。このゲル分が前記範囲未満では、成形加工性と機械的特性のバランスが劣る傾向となり、一方、前記範囲超過では耐衝撃性等の機械的強度が劣る傾向となる。
【0041】
本発明の製造方法によって製造されるオレフィン系熱可塑性エラストマーは、成形加工性に優れると共に、表面外観に優れたものであり、熱可塑性エラストマーに用いられている押出成形、射出成形、圧縮成形等の各種の成形法により、単体として、又は他材料との積層体等として、所望の形状に賦形されて成形体とされる。中で、自動車内装材の表皮材として好適に用いられる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、以下の実施例及び比較例で用いた結晶性プロピレン系樹脂、オレフィン系共重合体ゴム、ゴム用軟化剤、有機過酸化物、及び架橋助剤、並びに、二軸押出機、スクリューの混練部形状、及び各原料の供給順序を以下に示す。
【0043】
結晶性プロピレン系樹脂
▲1▼エチレン含有量2.8重量%、メルトフローレート0.7g/10分、密度0.890g/cm3 のプロピレン−エチレンランダム共重合体(日本ポリケム社製「ノバテックPP EG8」)。
【0044】
オレフィン系共重合体ゴム
▲1▼プロピレン含有量30重量%、5−エチリデン−2−ノルボルネン含有量5.5重量%、ムーニー粘度〔ML1+4 (100℃)〕390のエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体。(但し、後記ゴム用軟化剤50重量%配合の油展ゴムを使用。)
▲2▼プロピレン含有量34重量%、5−エチリデン−2−ノルボルネン含有量4.5重量%、ムーニー粘度〔ML1+4 (100℃)〕289のエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体。(但し、後記ゴム用軟化剤43重量%配合の油展ゴムを使用。)
▲3▼プロピレン含有量34重量%、5−エチリデン−2−ノルボルネン含有量4.5重量%、ムーニー粘度〔ML1+4 (100℃)〕88のエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体。
【0045】
ゴム用軟化剤
▲1▼パラフィン系オイル(出光興産社製「PW380」)。
有機過酸化物
▲1▼2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(珪酸カルシウムによる40重量%希釈物、化薬アクゾ社製「カヤヘキサAD40C」)。
架橋助剤
▲1▼ジビニルベンゼン(三共化成工業社)。
▲2▼トリメチロールプロパントリメタクリレート(三共化成工業社)。
【0046】
二軸押出機
▲1▼上流側に第1原料供給口、中間にプランジャーポンプを備えた第2原料供給口、及び下流側にベント口を有し、ジャケットを備えたバレル、先端に取り付けられたダイから構成された二軸押出機(スクリュー溝2条、バレル内径(D)47mm、L/D52.5、日本製鋼所社製「TEX44α−II」)。
▲2▼上流側に第1原料供給口、中間にプランジャーポンプを備えた第2原料供給口、及び下流側にベント口を有し、ジャケットを備えたバレル、先端に取り付けられたダイから構成された二軸押出機(スクリュー溝2条、バレル内径(D)32mm、L/D52.5、日本製鋼所社製「TEX30α」)。
【0047】
スクリューの混練部形状、及び各原料の供給順序
▲1▼楕円形状であって、その回転直径〔d(mm)〕に対する1枚当たりの平均厚さ〔l(mm)〕の比〔l/d〕が0.2のニーディングディスク5枚を直交させて重列させた直交タイプと、それに続いて比〔l/d〕が0.1のニーディングディスク5枚をスクリューの逆送り方向に重列させた逆送りタイプを1ユニットとし、その8ユニットをそれらの間にフルフライトスクリューを配して構成した混練部を、上流側に設けたスクリュー。
結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系ゴム用軟化剤(油展ゴムの場合はその中のゴム用軟化剤を含む)、及び有機過酸化物と架橋助剤を第1原料供給口から、残余のゴム用軟化剤を第2供給口から、それぞれ供給。
【0048】
▲2▼楕円形状であって、その回転直径〔d(mm)〕に対する1枚当たりの平均厚さ〔l(mm)〕の比〔l/d〕が0.1のニーディングディスク10枚を直交させて重列させた直交タイプと、それに続いて比〔l/d〕が0.1のニーディングディスク5枚をスクリューの逆送り方向に重列させた逆送りタイプを1ユニットとし、その6ユニットをそれらの間にフルフライトスクリューを配して構成した混練部を、上流側に設けたスクリュー。
結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系ゴム用軟化剤(油展ゴムの場合はその中のゴム用軟化剤を含む)、及び有機過酸化物と架橋助剤を第1原料供給口から、残余のゴム用軟化剤を第2供給口から、それぞれ供給。
【0049】
▲3▼楕円形状であって、その回転直径〔d(mm)〕に対する1枚当たりの平均厚さ〔l(mm)〕の比〔l/d〕が0.1のニーディングディスク15枚を直交させて重列させた直交タイプと、それに続いて比〔l/d〕が0.1のニーディングディスク5枚をスクリューの逆送り方向に重列させた逆送りタイプを1ユニットとし、その6ユニットをそれらの間にフルフライトスクリューを配して構成した混練部を、上流側に設けたスクリュー。
結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系ゴム用軟化剤(油展ゴムの場合はその中のゴム用軟化剤を含む)、及び有機過酸化物と架橋助剤を第1原料供給口から、残余のゴム用軟化剤を第2供給口から、それぞれ供給。
【0050】
▲4▼楕円形状であって、その回転直径〔d(mm)〕に対する1枚当たりの平均厚さ〔l(mm)〕の比〔l/d〕が0.1のニーディングディスク10枚を直交させて重列させた直交タイプと、それに続いて比〔l/d〕が0.1のニーディングディスク5枚をスクリューの逆送り方向に重列させた逆送りタイプを1ユニットとし、その6ユニットをそれらの間にフルフライトスクリューを配して構成した混練部を、下流側に設けたスクリュー。
結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系ゴム用軟化剤(油展ゴムの場合はその中のゴム用軟化剤を含む)を第1原料供給口から、有機過酸化物と架橋助剤、及び残余のゴム用軟化剤を第2供給口から、それぞれ供給。
【0051】
▲5▼(比較例用)楕円形状であって、その回転直径〔d(mm)〕に対する1枚当たりの平均厚さ〔l(mm)〕の比〔l/d〕が0.5のニーディングディスク10枚をスクリューの順送り方向に重列させた順送りタイプと、それに続いて比〔l/d〕が0.1のニーディングディスク5枚をスクリューの逆送り方向に重列させた逆送りタイプを1ユニットとし、その3ユニットをそれらの間にフルフライトスクリューを配して構成した混練部を、上流側に設けたスクリュー。
結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系ゴム用軟化剤(油展ゴムの場合はその中のゴム用軟化剤を含む)、及び有機過酸化物と架橋助剤を第1原料供給口から、残余のゴム用軟化剤を第2供給口から、それぞれ供給。
【0052】
▲6▼(比較例用)楕円形状であって、その回転直径〔d(mm)〕に対する1枚当たりの平均厚さ〔l(mm)〕の比〔l/d〕が0.1のニーディングディスク15枚をスクリューの順送り方向に重列させた順送りタイプと、それに続いて比〔l/d〕が0.1のニーディングディスク5枚をスクリューの逆送り方向に重列させた逆送りタイプを1ユニットとし、その6ユニットをそれらの間にフルフライトスクリューを配して構成した混練部を、上流側に設けたスクリュー。
結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系ゴム用軟化剤(油展ゴムの場合はその中のゴム用軟化剤を含む)、及び有機過酸化物と架橋助剤を第1原料供給口から、残余のゴム用軟化剤を第2供給口から、それぞれ供給。
【0053】
実施例1〜18、比較例1〜11
表1に示す結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムを、或いは、更に有機過酸化物と架橋助剤と共に、酸化防止剤としてテトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(チバガイギー社製「イルガノックス1010」)及び紫外線吸収剤として2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール(チバガイギー社製「チヌビン326」)とを、結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの合計量100重量部に対して各0.1重量部添加して、ヘンシェルミキサーで混合した後、表1に示すスクリュー混練部形状を有する二軸押出機に、ゴム用軟化剤の供給も併せて前述した供給順序で供給し、表1に示す諸条件で動的に熱処理し、押し出すことによりオレフィン系熱可塑性エラストマーを製造した。
【0054】
尚、表1中の結晶性プロピレン系樹脂及びオレフィン系共重合体ゴムの数値は、両者の合計量に対する重量%を、ゴム用軟化剤の数値は、オレフィン系共重合体ゴム100重量部に対する重量部を、有機過酸化物及び架橋助剤の数値は、結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの合計量100重量部に対する重量部を、それぞれ表す。
【0055】
得られた各オレフィン系熱可塑性エラストマーについて、以下に示す方法で、メルトフローレート、ゲル分率を測定し、更に、表面外観を観察し、結果を表1に示した。
【0056】
メルトフローレート
JIS K7210に準拠し、温度230℃、荷重5.0kg又は10.0kgで測定した。
【0057】
ゲル分率
得られた熱可塑性エラストマーを沸騰シクロヘキサンで12時間のソックスレー抽出を行い、熱可塑性エラストマー中のオレフィン系共重合体ゴムに対する抽出後の不溶分として算出した。
【0058】
表面外観
得られた熱可塑性エラストマーを、バレル径45mm、L/D28で、Tダイを装着した押出機(武蔵野機械社製)を用いて220℃でシート状に溶融押出し、30℃に設定したシボ付け用ロールと圧着ロールの間を2m/分の速度で引き取ってシボ付けし冷却固化させることにより、平均シボ深さ100μm、厚み0.35mmのシボ付けシートを成形し、そのシート表面を目視観察して、ブツの数を数え、又、表面外観を以下の基準に従って評価した。
◎;優れる。
○;良好。
△;やや粗れあり。
×;粗れが目立つ。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの組成物を有機過酸化物の存在下に動的に熱処理してオレフィン系熱可塑性エラストマーを製造するにおいて、表面外観に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマーを効率的に製造することができるオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法を提供することができる。
Claims (4)
- 結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの組成物を有機過酸化物の存在下に動的に熱処理してオレフィン系熱可塑性エラストマーを製造するにおいて、噛合い型同方向又は異方向回転二軸スクリューを備えた二軸押出機を用いて、該スクリューの、少なくとも前記有機過酸化物の押出機への供給後の位置に、回転直径〔d(mm)〕に対する1枚当たりの平均厚さ〔l(mm)〕の比〔l/d〕が0.5以下のニーディングディスクの複数枚により順送り能力も逆送り能力もないように構成した直交タイプと、更にそれに続いて逆送り能力を付与するように構成した逆送りタイプの混練部を設けると共に、該二軸押出機のバレル半径〔R(mm)〕とスクリュー回転数〔N(rpm)〕と吐出量〔Q(kg/時)〕との間に下記式の関係を保って押し出すことを特徴とするオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法。
3.0<(N×Q)/R3 <20.0 - 混練部が、3枚以上のニーディングディスクにより構成されている請求項1に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法。
- 混練部の最大剪断速度を、1,000/秒以上、10,000/秒未満とする請求項1又は2に記載のオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法。
- 結晶性プロピレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの組成物における両者の組成割合が、前者樹脂5〜80重量%、後者ゴム95〜20重量%である請求項1乃至3のいずれかに記載のオレフィン系熱可塑性エラストマーの製造方法。
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