JP4021147B2 - 抗線維形成活性を発揮する低分子量ペプチドによる治療 - Google Patents
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Description
(発明の分野)
本発明は、抗線維形成活性を発揮する低分子量ペプチドによる哺乳動物の治療方法、及び、これによって哺乳動物の線維症を阻害、予防、より効果的には軽減する方法に関する。より特定的にはこのような治療は、動脈または気道の内腔に線維性病変を示す哺乳動物に対して、線維症の軽減によって示される内腔の再生(remodeling)効果を与える。
【0002】
(発明の背景)
傷害によって生じる内皮機能不全は代償応答を誘発し、内皮の正常ホメオスタシス的特性を変化させる。即ち、種々の形態の傷害は白血球または血小板に対する内皮の接着性及び透過性を強化する。傷害はまた、内皮に凝固阻止性の代わりに凝固促進性を獲得させ、血管作用分子、サイトカイン及び増殖因子を形成させる。
【0003】
炎症応答が攻撃物質を効果的に中和または除去しないとき、炎症応答は無期限に持続する。このような持続によって炎症応答は平滑筋細胞の遊走及び増殖を促進し、平滑筋細胞を炎症領域に混入させて中間病変を形成する。これらの応答がその勢力を弱めることなく持続すると、動脈壁が肥厚したり、気管支の気道狭窄または炎症を生じたその他の内腔の狭窄が生じたりする。
【0004】
アテローム性動脈硬化症では典型的に、内腔が緩やかな膨張によって調整され、従ってある一点までは内腔の変質が生じない。炎症細胞に関しては、じゅく腫形成のどの時期でも顆粒球はめったに存在しない。疾患のすべての時期で、応答に介在するのはむしろ、単球由来マクロファージ及びTリンパ球の特定サブタイプである。
【0005】
炎症持続の結果としてマクロファージ及びリンパ球の数が増加する。これらは双方とも血液から遊出して病変内部で増殖する。これらの細胞が活性化されると、加水分解酵素、サイトカイン、ケモカイン及び増殖因子の放出が誘発され、これらが更に損傷を誘発し、最終的に病巣の壊死に導く。即ち、単核細胞の蓄積、平滑筋細胞の遊走及び増殖、線維組織の形成などのサイクルによって病変が更に拡大されて病変の再構成が誘発され、その結果として病変は脂質及び壊死組織のコアを包囲する線維性キャップで被覆され、いわゆる進行した合併病巣となる。ある点に達すると、動脈がもはや膨張によって調整されることができない。次いで、病変が内腔に侵入し、血流を変化させる。
【0006】
じゅく腫形成中の細胞相互作用は、硬変、リューマチ様関節炎、糸球体硬化症、肺線維症及び慢性膵炎のような慢性の炎症性−線維増殖性疾患の細胞相互作用と基本的には違っていない。特定の組織または器官の各々の応答は、その固有の細胞及び構造、その血液及びリンパ液の供給、攻撃物質名に左右される。従って、動脈(アテローム性動脈硬化症)、肝臓(硬変)、関節(リューマチ様関節炎)、腎臓(糸球体硬化症)、肺(肺線維症)及び膵臓(膵炎)における細胞応答は同様の応答であるが組織または器官の各々に固有の特徴を示す。
【0007】
喘息の特徴は、気道好酸球増加、浮腫、粘液分泌過多、気管支上皮傷害及び反応性亢進を含む複合炎症応答である。アレルギー性喘息患者の吸入アレルゲン攻撃は即時型気道過敏応答、数時間後の遅延型気道反応を頻繁に伴う早期気道応答(EAR)、後期気道応答(LAR)を誘発する。
【0008】
喘息における慢性炎症のメカニズムは動物モデルのLARの研究から明らかになった。マウス、ラット、モルモット及びヒト以外の霊長類を含む多くの種の多数の動物モデルがLARの典型的な特徴を生じることが判明した。
【0009】
Balb/Cマウスは、反復攻撃後のオボアルブミン(OVA)による免疫感作に応答して気腔/間質性好酸球増加、粘液分泌、浮腫及び気道狭窄を含むヒトのアレルギー性肺疾患に酷似したアレルギー性肺疾患を生じると報告されている。ヒト肺の生検材料及び剖検材料では慢性喘息の肺組織の構造及び機能の変化が報告された。持続性炎症、線維形成性コラーゲンの間質沈着及び気道狭窄がこれらの構造変化の特徴である。慢性喘息に関連した機能変化の特徴は肺能力の低下である。Balb/CマウスをOVAによって3カ月以上免疫感作すると、線維症、気道狭窄及び持続的な炎症性浸潤を伴うヒト慢性喘息の病理学的異常と同様の病理学的異常を生じる。
【0010】
アテローム性動脈硬化症、特に硬変、糸球体硬化症及び慢性膵炎では顆粒球はめったに存在しない。顆粒球が存在するのはリューマチ様関節炎及び肺線維症の場合だけである。関節炎の場合には、初期応答は顆粒球から始まるが、顆粒球は主として関節腔に見出される。マクロファージ及びリンパ球は滑膜に多く存在し、軟骨及び骨が侵食され、線維症組織(パンヌス)に置き換えられる。肺線維症の場合には、顆粒球が最初に肺胞に出現する。しかしながら、線維症が最後に生じる肺実質はマクロファージ及びリンパ球によって浸潤される。従って、これらの炎症性疾患には類似性が存在する。異なるT細胞サイトカイン(インターフェロン−7、インターロイキン−2、インターロイキン−4及びインターロイキン−10)によって各々が調節される少なくとも3種類の異なるマクロファージが同定されている。
【0011】
慢性炎症応答はしばしば、特定種類の傷害性物質または肉芽腫誘発物質に関連している。1種または複数の傷害性物質が炎症応答によって除去または無効化されないで炎症が進行するとき、応答は防御応答から傷害応答に変化する。定常的または反復的なこの傷害は各組織を刺激し、線維増殖性応答によって損傷を修復または防御する。線維増殖性応答は、過剰になると組織または器官の機能的能力を低下させ疾患進行に加担することになる。
【0012】
線維症は慢性の炎症をもつ組織の顕著な特徴である。線維症は、線維芽細胞(間質コラーゲンの合成を担当する主要な間充織細胞)の増殖が亢進した結果として細胞外マトリックスコラーゲンの蓄積が進行し過剰蓄積が生じることを特徴とする。線維形成性肺疾患の患者の肺組織の特徴は、マスト細胞の数が増加しており、該マスト細胞の多くが増殖性線維芽細胞の極めて近傍に存在し部分的な脱顆粒状態にあることである。
【0013】
主要な間質コラーゲンを表すI、II、III、V及びXI型コラーゲンは、1−3本のα鎖から構成されており、各々が95−100kDの分子量をもつこれらのα鎖が結合して単一の三重らせん構造を形成している。I型コラーゲンは2:1の化学量論的割合のα1鎖とα2鎖とから成る非対称ヘテロ三量体構造を有しており、鎖組成(α1〔I〕2,α2〔I〕)で表されるが、III型コラーゲンは3本のα1鎖のホモ三量体であり、〔α1(I)〕3で表される。I型コラーゲンのα1鎖及びα2鎖は還元性条件下で多少異なる速度で移動する。トリプターゼ処理によって刺激されたコラーゲンはα鎖組成に基づいて及びI型コラーゲンに特異的な抗体を用いたイムノブロッティングによってI型と同定された。
【0014】
コラーゲンは細胞外マトリックスと一体的な部分を形成し、肺に沈着するコラーゲンの量は、生合成と分解との厳密なバランスを確保するように厳密に調節される。このバランスの調節が適正でないとき、コラーゲンの沈着が増進され、線維症に帰着する。現在では、急性呼吸障害症候群、突発性線維形成性肺胞炎、類肉腫症に報告されているようなコラーゲンの量の変化、または、実際にコラーゲンの型の変化が肺の細胞異常の原因となると理解されている。
【0015】
正常なヒト肺は65%のI型コラーゲンと30%のIII型コラーゲンとを含む。突発性慢性肺線維症、アテローム性動脈硬化症に伴う線維症及び肝硬変ではI型コラーゲンの量の特異的な増加及びこれに付随するIII型コラーゲンの減少が報告されている。一般に、コンプライアントな(応諾性の)組織ではI型コラーゲンとIII型コラーゲンとの比が小さい。肺線維症に見られる組織のようなより低度にコンプライアントな組織では上記の比が大きい。
【0016】
動脈の媒体及び病変に存在する平滑筋細胞は多様な種類の結合組織によって包囲されている。動脈媒体中のマトリックスは主としてI型及びIII型の線維性コラーゲンから構成されるが、アテローム性動脈硬化症の病変では、マトリックスが、まばらに散乱したコラーゲンフィブリルと混合したプロテオグリカンから主として構成される。
【0017】
種々の疾病状態、外傷または外科的処置によって生じる炎症を原因とする線維症の新規な治療方法は常に要望されている。
【0018】
(発明の概要)
抗線維形成活性を有する低分子量ペプチドを適当な薬理学的担体中に含有する医薬組成物を哺乳動物に投与することによって哺乳動物の線維症を治療できることが知見された。このような治療は線維症を阻害し得る。本発明の好ましい実施態様では、線維症を軽減または後退させ、これによって内腔の通路の狭窄及び該通路内の流体流の制流が殆ど生じないようにすることができる。
【0019】
従って本発明は、抗線維形成活性をもつN−ホルミル−メチオニル−ロイシル(“f−Met−Leu”)ペプチドを抗線維形成有効量で適当な薬理学的担体中に含有する医薬組成物を使用して哺乳動物の線維症を治療する方法を提供する。特に有効なペプチドは式f−Met−Leu−Xを有しており、式中のXがTyr、Tyr−Phe、Phe−Phe及びPhe−Tyrから成る群から選択されるペプチドである。
【0020】
本発明の方法は、例えば、肺線維症、アテローム性動脈硬化症、硬変、糸球体硬化症、慢性膵炎及び冠動脈疾患(例えばChlamydia pneumoniaeのような細菌感染が原因)などの哺乳動物の種々の線維形成性疾患の治療に有効である。外傷が原因の過剰線維症、あるいは、脊髄外科手術後の硬膜または神経根の術後神経周囲線維症、損傷または修復されて癒着した腱の腱組織崩壊(tenolysis)、損傷または修復されて癒着した末梢神経の神経組織崩壊(neurolysis)、婦人科及び腹部の外科手術後の術後癒着、男性または女性の不妊を取消すvas deferensもしくは卵管の修復手術後の術後癒着、尿道、腸もしくは食道のような別の管状構造の外科的修復後の術後癒着、などの外科的処置が原因の過剰線維症も本発明方法で治療できる。
【0021】
気道膜を治療するための好ましい投与モードは吸入である。表面病変を治療するための好ましい投与モードは適当な薬理学的担体を使用する表在性投与である。全身性治療には皮下注射または錠剤を使用し得る。
【0022】
本発明の幾つかの好ましい実施態様は、本発明のペプチドを第二の有効成分と組合せて投与し得るという利点を患者に与えることができる。本発明によるこのような組合せに特に有用な別の有効成分は例えば、抗ロイコトリエン、ベータ2アゴニスト、コルチコステロイドなどである。
【0023】
(図面の簡単な説明)
図1は、慢性喘息を誘発する免疫感作及び本発明方法によるその後の治療を示す日程表である。
【0024】
図2A及び2Bは、本発明による治療後(A)及び無治療(B)の慢性喘息マウスの肺組織の病理学的特徴の比較を示す写真である。
【0025】
図3A−3Cは、本発明による治療後(A)、無治療(C)及び対称(B)の線維形成性コラーゲンの蓄積を示すマウスの肺組織の比較を示す写真である。
【0026】
図4A−4Cは、本発明による治療後(B)、無治療(C)及び対称(A)の線維形成性コラーゲンの蓄積を示すマウスの肺組織比較を示す写真である。
【0027】
図5は、慢性喘息を誘発したマウスの気道粘液プラグ及び炎症細胞蓄積に対する本発明による治療の効果を示すグラフである。
【0028】
図6は、慢性喘息を誘発したマウスの気道の肺粘液細胞数に対する本発明による治療の効果を示すグラフである。
【0029】
図7は、慢性喘息を誘発したマウスの気道の好酸球及び好中球の数に対する本発明による治療の効果を示すグラフである。
【0030】
図8は、慢性喘息を誘発したマウスの肺の肉芽腫に対する本発明による治療の効果を示すグラフである。
【0031】
図9A−9Cは、慢性喘息を誘発したマウス体内で本発明の治療によって肝毒性が全く誘発されないことを示す本発明による治療後(A)、無治療(C)及び対照(B)の写真である。
【0032】
図10は慢性喘息を誘発するための免疫感作、その後に順次行う本発明方法による治療、追加の鼻孔内抗原投与の日程表を示す。
【0033】
図11A−11Cは、慢性喘息を誘発しその後に追加の鼻孔内抗原投与を行ったマウスの本発明による治療後(A)、無治療(C)及び対照(B)の肺組織の比較を示す写真である。
【0034】
図12A−12Cは、慢性喘息を誘発しその後に追加の鼻孔内抗原投与を行ったマウスの本発明による治療後(A)、無治療(C)及び対照(B)の肺組織中のコラーゲンの比較を示す写真である。
【0035】
図13A−13Cは、慢性喘息を誘発しその後に追加の鼻孔内抗原投与を行ったマウスの本発明による治療後(A)、無治療(C)及び対照(B)の肺組織中の粘液細胞の比較を示す写真である。
【0036】
図14は、慢性喘息を誘発しその後にアレルギー性抗原投与を繰り返したマウスの気道中の好酸球及び好中球の数に対する本発明治療の効果を示すグラフである。
【0037】
図15は、慢性喘息を誘発しその後にアレルギー性抗原投与を繰り返したマウスの気道粘液プラグ及び炎症細胞蓄積に対する本発明治療の効果を示すグラフである。
【0038】
図16は、慢性喘息を誘発しその後にアレルギー性抗原投与を繰り返したマウスの気道における粘液プラグ形成に対する本発明治療の効果を示すグラフである。
【0039】
図17は、慢性喘息を誘発しその後にアレルギー性抗原投与を繰り返したマウスの気道内の肺粘液細胞数に対する本発明治療の効果を示すグラフである。
【0040】
図18は、慢性喘息を誘発しその後にアレルギー性抗原投与を繰り返したマウスの肺の肉芽腫に対する本発明治療の効果を示すグラフである。
【0041】
(詳細な説明)
本発明によれば、式f−Met−Leu−X〔式中、XはTyr、Tyr−Phe、Phe−Phe及びPhe−Tyrから成る群から選択される〕を有するある種の低分子量ペプチドが線維症を阻害し、好ましい実施態様では線維性病変を縮小し内腔を再生する驚異的な活性を有していることが知見された。本発明に関連した“再生(remodeling)”なる用語は、内腔、例えば気道通路または動脈などが病理学的変化以前の初期状態に再構成されるという意味で使用されている。極めて好ましい実施態様によれば、内腔が疾患以前の初期状態を回復する。
【0042】
その結果としてこのようなペプチドは、例えば肺線維症、アテローム性動脈硬化症、硬変、糸球体硬化症、慢性膵炎及び冠動脈疾患によって生じた線維性病変を示す哺乳動物の治療に有効である。例えば、外傷が原因の過剰線維症、あるいは、脊髄外科手術後の硬膜または神経根の術後神経周囲線維症、損傷または修復された癒着のある腱の腱組織崩壊、損傷または修復された癒着のある末梢神経の神経組織崩壊、婦人科及び腹部の外科手術後の術後癒着、男性または女性の不妊を取消す精管もしくは卵管の修復手術後の術後癒着、尿道、腸もしくは食道のような別の管状構造の外科的修復後の術後癒着、などの外科的処置が原因の過剰線維症も本発明方法で治療できる。
【0043】
本発明のペプチドは慣用の低分子量ペプチド化学技術によって製造できる。投与に使用されるときにはペプチドが、医薬として許容される担体または希釈剤と共に無菌条件下で製造される。
【0044】
医薬組成物の用量は、患者次第及び使用される特定の投与経路次第で変更されるであろう。薬用量は1日あたり0.1〜100,000μg/kg、より好ましくは1〜10,000μg/kgの範囲にできる。
【0045】
より好ましい薬用量は、体重1kgあたり約1〜100μg/kg、より好ましくは約1〜10μg/kg、最も好ましくは1.0〜2.0μg/kgの範囲である。このような用量が典型的には、疾患の重篤度に従って1日1回から4〜6時間毎に投与される。急性疾患の場合には、ペプチドを4−6時間毎に投与するのが好ましい。維持治療に使用する場合には、1日1回だけまたは2回の投与が好ましい。投与経路及び疾患の重篤度に従って、1日あたり約0.18〜約16mgのペプチドを投与するのが好ましい。特定組成物の多数回投与の望ましい時間間隔は平均的な当業者が常套的実験法を使用して決定できる。
【0046】
投与経路には経口、非経口、直腸内、膣内、外用、鼻孔内、眼内、直接注入、などがある。好ましい実施態様では、本発明のペプチドを抗炎症有効量でまたはマスト細胞の脱顆粒を阻害する薬用量で患者に投与する。代表的な医薬組成物は、抗炎症効果を与えるかまたはマスト細胞の脱顆粒を阻害する治療有効量の本発明のペプチドを、典型的には医薬として許容される担体中に含有する。
【0047】
本文中で使用されより詳細に後述される“医薬として許容される担体”なる用語は、ヒトまたはその他の動物に投与するために適当な1種または複数の固体状または液体状の相溶性充填剤、希釈剤またカプセル形成物質を包含する。従って本発明の“担体”なる用語は、本発明分子を使用し易くするために本発明分子に組合せられる有機または無機の天然または合成の成分を意味する。“治療有効量”なる用語は、治療される特定の疾患に対して所望の結果を生じるかまたは所望の影響を与える本発明の医薬組成物の量を意味する。同一成分を含有する組成物を製造するとき、治療される患者の年齢、疾患の重篤度、治療の持続期間及び投与方式などの違いに対応して種々の濃度を使用し得る。
【0048】
担体はまた相溶性でなければならない。本文中で使用された“相溶性”なる用語は、医薬組成物の諸成分が所望の薬効を実質的に低下させない方法で本発明の低分子量ペプチドと混合しかつこれらの諸成分が互いに混合することを意味する。
【0049】
本発明の低分子量ペプチドは典型的にはそれ自体で(そのままで(neat))投与される。しかしながら、医薬として許容される塩の形態で投与されてもよい。医薬として許容されるこのような塩の非限定例は、以下の酸から製造される塩である:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p−トルエン−スルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸、ナフタレン−2−スルホン酸及びベンゼンスルホン酸。医薬として許容される塩はまた、カルボン酸基のナトリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩のようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩として調製され得る。従って本発明は、本発明のペプチドを1種または複数の医薬として許容される担体及び任意に他の任意の治療用成分と共に含む医療用薬剤組成物を提供する。
【0050】
組成物は、経口、直腸内、膣内、外用、鼻孔内、眼内または非経口投与に適した組成物を包含する。これらのすべての投与経路が本発明材料の投与経路として使用できる。本発明のペプチドを含有する医薬組成物はまた、1種または複数の医薬として許容される担体を含有でき、これらの担体は、安定剤(長期保存の促進)、乳化剤、結合剤、増粘剤、塩、保存剤、溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌剤及び殺真菌剤、等張剤、吸収遅延剤、などのような賦形剤を包含する。医薬活性物質にこのような媒体及び薬剤を使用することは当業者に公知である。慣用の任意の媒体または薬剤は、本発明のペプチドに不相溶性でない限り、本発明の医薬調製物に使用できると考えてよい。また、本発明の組成物に追加の有効成分を含有させてもよい。
【0051】
経口投与に適した組成物は喘息治療に好ましい。典型的には、このような組成物は吸入用エアロゾル、噴霧剤、シロップ剤または錠剤として調製される。関節炎の治療には経口組成物も便利であるが外用投与に適した組成物が好ましい。典型的にはこのような外用組成物はクリーム、軟膏また溶液として調製される。このような組成物中の有効成分となるペプチドの濃度は典型的には50μg/ml未満、より好ましくは30μg/ml未満、最も好ましくは約5〜10μg/mlである。
【0052】
組成物は単位量剤形で提供されるのが便利であり、このような剤形は製薬業界で公知の任意の方法で製造し得る。方法は典型的には、本発明の有効成分を1種または複数の補助成分を構成する担体に会合させる段階を含む。
【0053】
吸入投与に適した本発明の組成物は例えばエアロゾルまた吸入溶液剤の形態で提供され得る。典型的なエアロゾル組成物の一例は、トリクロロモノフルオロメタンとジクロロジフルオロメタンとオレイン酸との混合物に懸濁した所望量の微晶質ペプチドから成る。典型的な溶液の一例は、滅菌生理食塩水(溶解の場合には任意に約5%v/vのジメチルスルホキシド〔“DMSO”〕)、ベンズアルコニウムクロリド及び硫酸(pH調整用)に溶解または懸濁した所望量のペプチドから成る。
【0054】
経口投与に適した本発明の組成物はまた、カプセル剤、カシェ剤、錠剤またはドロップ剤のような各々が所定量の本発明のペプチドを含有する個別単位の形態であってもよく、リポソーム中に含まれていてもよく、または、シロップ剤、エリキシル剤のような水性液体もしくは非水性液体の懸濁液の形態であってもよく、または、エマルジョンであってもよい。錠剤の配合基剤の一例は、トウモロコシデンプン、ラクトース及びステアリン酸マグネシウムを不活性成分として含む。シロップ剤の配合基剤の一例は、クエン酸、着色剤、香味剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、サッカリン、安息香酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム及び純水を含む。
【0055】
非経口投与に適した組成物は、好ましくはレシピエントの血液と等張性の本発明分子の無菌水性調製物から成るのが便利である。この水性調製物は適当な分散剤または湿潤剤と懸濁化剤とを使用する公知の方法で製剤化され得る。無菌の注射用調製物はまた、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液のような非経口的に許容される無毒の希釈剤または溶媒中の無菌の溶液注射剤または懸濁液注射剤でもよい。使用し得る適格なビヒクル及び溶媒は、水、リンゲル液及び等張塩化ナトリウム溶液である。ある種のペプチドでは溶解度を維持するために水溶液中に約10%v/v以下のDMSOまたはTrappsolを使用し得る。また、溶媒または懸濁媒体として無菌の不揮発性油も便利に使用し得る。この目的では、合成のモノ−またはジグリセリドを含む多くの不揮発性油を使用し得る。更に、注射剤の調製に脂肪酸(例えば、オレイン酸または中性脂肪酸)を使用し得る。数週または数カ月の期間にわたって37℃で固体形態から徐放されるコンパウンド注射剤を調製するために4℃で脂質にプルロニックブロックコポリマーを配合してもよい。
【0056】
外用投与に適した組成物は、TrappsolもしくはDMSO中のペプチドの溶液の形態でもよく、または、クリーム、軟膏もしくはローションの形態でもよい。
【0057】
典型的には約0.1〜約2.5%の有効成分を基剤または担体に混入する。クリームの配合基剤の一例は、純水、ワセリン、ベンジルアルコール、ステアリルアルコール、プロピレングリコール、イソプロピルミリステート、ポリオキシル40ステアレート、carbomer 934、ラウリル硫酸ナトリウム、酢酸二ナトリウム、水酸化ナトリウム及び任意にDMSOを含む。軟膏の配合基剤の一例は、白色ワセリン及び任意に鉱油、ソルビタンセスキオレエート及びDMSOを含む。ローションの配合基剤の一例は、carbomer 940、プロピレングリコール、ポリソルベート40、プロピレングリコールステアレート、コレステロール及び近縁のステロール類、イソプロピルミリステート、ソルビタンパルミテート、アセチルアルコール、トリエタノールアミン、アスコルビン酸、シメチコーン及び純水を含む。
【0058】
OVA誘発気管支喘息マウスモデル
持続性喘息に対するf−Met−Leu−Phe−Phe(HK−X)の効果を試験するために慢性喘息マウスモデルを使用した。このマウス系は、気道基底板の外側境界に集まった炎症細胞の著しい浸潤が存在する慢性喘息のモデルである。5カ月間の免疫感作期間中の最初の1カ月間でマウスを初期免疫感作し、次いで週1回ずつOVAで鼻孔内抗原投与を行って、マウスの持続性喘息状態を成立させた。免疫マウスでは血管及び気道の周囲のコラーゲンの蓄積量が増加しており、これは線維形成性疾患の指標である。免疫マウスをHK−Xによって16日間で8回(即ち、1日おき)治療した。
【0059】
実施例1
材料及び方法
試薬:結晶質OVAはPierce Chem.Co.(Rockford,IL)から入手し、硫酸アルミニウムカリウム(明礬)はSigma Chem.Co.(St.Louis,MO)から入手し、発熱物質非含有の蒸留水はBaxter,Healthcare Corporation(Deerfield,IL)から入手した。OVA(500μg/ml)を等容量の明礬の10%(wt/vol)蒸留水溶液と混合した。混合物(10NのNaOHを使用してpH6.5に調整)を室温で60分間インキュベーション後、750gで5分間遠心した。ペレットを蒸留水に再懸濁させて初期容量に戻し、1時間以内に使用した。
【0060】
雌のBALB/cマウス(購入時点で6〜8週齢;D and K,Seattle WA)は慣用の試験条件下で飼育した。
【0061】
慢性喘息を誘発するためのアレルゲン免疫感作/抗原投与プロトコル:
マウスに対して、1日目に明礬中の0.2ml(100μg)のOVAを腹腔内注射(“i.p.”)で投与し、14日目にi.p.注射(明礬中の100μgのOVA)と鼻孔内投与(生理食塩水中の100μgOVA)とを組合せて行った。更に25、26及び27日目に、マウスにOVA(生理食塩水中に100μg)の鼻孔内抗原投与を行った。次いで、OVA(生理食塩水中に100μg)による週一回の鼻孔内抗原投与を更に5カ月間行った。図1参照。
【0062】
慢性喘息の治療
図1に示すように、50μgのHK−Xを16日間で合計8回鼻孔内(“IN”)投与した。最終HK−X投与の1日後に動物を殺した。
【0063】
投与するHK−Xの調製
50μgのHK−X(2.5%未満のDMSOを含有する50μlの生理食塩水中)。DMSOは、化合物を溶解させるに十分であるが2.5容量%以下となる量で使用する。レシピエントに麻酔をかけ、麻酔がきいているうちに溶液を鼻から肺に注入した。
【0064】
対照ビヒクルとしては、動物に麻酔をかけ、麻酔がきいているうちに同量の生理食塩水を鼻から(鼻孔内)投与した。
【0065】
組織学
最終HK−X治療または最終OVA抗原投与の後、麻酔薬を注射して動物を殺した。肺を摘出し、10%ホルマリンで固定した。免疫細胞化学検査のために1個の肺葉をCarnoyの固定剤で固定した。24時間の固定後、肺を脱水し、パラフィンブロックとした。ブラインド分析のために全部のパラフィンブロックに実験番号を付けてコード番号とした。
【0066】
パラフィンブロックを切開し、1mmの間隔を隔てる各肺の2つのレベルを選択し、各レベルから8個のスライドを作製した。細胞及び組織の全体構造を可視化するためにスライドをヘマトキシリン及びエオシンで染色した。粘液含有細胞の同定及び気道に放出された粘液の同定にはアルシアン(Alcian)ブルーを使用し、線維症中のコラーゲン沈着にはメーソン(Mason)トリクロム染色を使用し、肺組織中の好酸球の同定にはメチレンブルーを使用した。
【0067】
形態計測分析:アレルギー性慢性肺疾患の以下のパラメーターを分析した。
1.気道プラグスコア:+から++++までの評価方式を使用し、中サイズ及び大サイズの気道内への粘液分泌の程度を既発表の報告に従って測定した(Hendersonら,J.Exp.Medicine,vol.1〜84,pp.1483〜94,Oct.1996)。
2.粘液性顆粒を含有する上皮細胞の割合:中−大(直径600μm〜1,000μm)の気道内で100個の上皮細胞のうちで粘液含有上皮細胞の数を無作為にカウントすることによって評価した。種々の肺葉の合計10個のフィールドをカウントし、平均スコアの表を作成した。
3.浸潤細胞の細胞密度:+から++++までの評価方式を使用し、蓄積炎症細胞(好中球、好酸球、単球及びリンパ球)の細胞密度を気道に集まった細胞及び末梢血管区画に存在している細胞について評価した。評価+は5個未満例えば3個の細胞から成る炎症細胞層を表し、評価++は5〜10個の炎症細胞密度を表し、評価+++は10〜20個の炎症細胞密度を表し、評価++++は20〜40個の炎症細胞密度を表す。
4.種々の細胞型の数:気道に集まった好酸球及び好中球の数を2,200u2の面積の高倍率(40×)フィールドあたりの数をカウントすることによって定量した。
5.肉芽腫スコア:肉芽腫様構造を低倍率(5×)でカウントした。気道または血管に集まった細胞凝集を肉芽腫としてカウントした。
【0068】
組織形態計測データの統計分析:SigmaStatバージョン2.0を使用して実験グループと対照グループとを統計比較した。ANOVAによって差の有意性(p<0.05)を分析した。SigmaPlotバージョン4.0またはGraphPad Prismを使用してデータを表すグラフを作成した。
【0069】
結果:
マウスをOVAで免疫感作し次いでHK−Xで治療している期間中は副作用または病気の徴候は全く観察されなかった。全実験期間中、マウスは活動的であった。
【0070】
しかしながら、動物を殺した後、肺組織の組織学的検査を行うと、OVA単独で免疫した動物はヒトで観察された慢性喘息に一致する肺の重篤な病理学的変化を有していた。従ってこのマウス系は、気道基底板の外側境界に集まった炎症細胞が大量に浸潤している慢性喘息のモデルである(図2B参照)。
【0071】
動物を16日間にわたる8回のHK−X投与で治療すると、気道及び血管の周囲の炎症細胞の数は明らかに減少した(図2A参照)。
【0072】
図3に示すように、OVA免疫マウスは血管及び気道の周囲のコラーゲンの蓄積量(青色)が増加していた(図3C参照)。しかしながらHK−Xで治療した肺はコラーゲン沈着レベルの低下を示した(図3A参照)。対照マウス(生理食塩水中のHK−X投与)では、肺組織に炎症細胞及び線維形成性コラーゲンの沈着物は全く存在しなかった(図3B参照)。
【0073】
pH2.3のアルシアンブルーで粘液含有細胞を可視化したときにも同様の結果が観察された。OVA免疫マウスでは極めて高い割合の上皮細胞が粘液顆粒を含んでいた(図4C参照)。対照的に、HK−Xによる治療は気道の粘液含有細胞の数を劇的に減少させた(図4B参照)。実際、出現度数はHK−X含有生理食塩水だけを与えた対照即ち非免疫動物の出現度数と差はなかった(図4A参照)。
【0074】
これらの6月齢の慢性喘息マウスの50〜60%の気道は粘液で閉塞されていた(図5参照)。16日間にわたってHK−Xを8回鼻孔内投与したとき、気道の粘液蓄積及び粘液細胞は著しく減少した(図6)。また、単位面積あたりの好酸球及び好中球を含む浸潤性炎症細胞の数も減少した(図7)。OVA免疫動物及びHK−X治療動物の組織病理学的観察は、生理食塩水またはHK−Xだけを含有する生理食塩水で処置した動物の組織病理学的観察に類似していた。
【0075】
マウスモデルの慢性喘息の重要な特徴の1つは肺に肉芽腫性構造が出現することである。HK−Xで治療された動物の肺ではこれらの構造の数が減少し大きさが縮小している(図8)。
【0076】
HK−Xで治療した慢性喘息マウス及び普通の生理食塩水で処置した動物の双方を比較すると、肝臓の組織病理学に明らかな違いはない(図9)。従って、マウスにHK−Xの鼻孔内投与を頻繁に行っても肝毒性は全く生じないと判断できる。
【0077】
これらの試験は、HK−Xの投与がアレルゲンで慢性喘息を誘発させたマウスモデルの体内で気道の炎症及び粘液細胞の超活性を低下させるか否かを判断できるように設計した。このモデルでは、マウスをOVAに感作させ、OVAの鼻孔内投与を週一回の割合で5カ月間継続し、HK−Xを16日間にわたって8回鼻孔内投与した。このアレルゲン免疫感作と抗原投与の計画によって、好酸球及びその他の種類の炎症細胞の慢性気道浸潤、気道内の粘液蓄積、粘液分泌細胞の過形成が生じた。
【0078】
気道の分泌過多、粘液細胞の過形成、好酸球及び好中球の漸増はHK−Xの投与によって減少した。これらの結果は、アレルゲンで誘発したこの慢性喘息モデルで生じる気道の粘液分泌過多及び後期炎症を軽減するためにHK−Xが重要な役割を果たすことを示す。HK−Xによる肺炎症の軽減並びに粘液分泌及び粘液細胞分化の減少が観察された。
【0079】
更に重要な利点は、HK−Xが16日間の治療期間にわたって有効性を継続したことである。これは、このモデルにタキフィラキシー(過耐性)が生じなかったことを示す。更にHK−Xの鼻孔内投与の場合、体重1Kgあたり1mgの用量をより長期間にわたってマウスに投与しても検出可能な肝毒性を全く生じなかった。
【0080】
実施例2
慢性喘息のマウスモデルでは、病理学的変化がヒト疾患に酷似している。上記の実施例1は、本発明による治療が線維症を含む慢性喘息によって生じる病理学的変化を減少させることを示す。線維症、気道周囲の炎症細胞数、気道内の粘液細胞数及び粘液放出の顕著な減少が観察された。
【0081】
この実施例は、慢性喘息を誘発し本発明に従って治療したマウスに対して引き続いて更にOVAによる鼻孔内(“IN”)抗原投与を行った試験結果を報告する。材料は実施例1と同じである。
【0082】
方法:
Balb/cマウスを実施例1と同様に6カ月間にわたってOVAで繰り返し免疫感作した。その後、実施例1と同様に毎回50μgのHK−Xを16日間にわたって8回鼻孔内投与した。次に、追加の投与計画に従ってOVAによる鼻孔内抗原投与を行う15〜30分前に50μgのHK−Xを投与した。この投与計画を合計3日間繰り返した。最終処置の翌日にマウスを殺した。図10参照。
HK−Xは実施例1と同じ手順で調製した。
【0083】
HK−Xの投与:
HK−X/OVA動物グループに、体重1Kgあたり0.4mgの用量(1日あたり体重20gmあたり50μg)でHK−Xを投与し、生理食塩水グループにはOVA非投与で同じ用量のHK−Xを投与した。予め行った薬物動態試験は、マウス体内のHK−Xの血漿T1/2(半減期)が30分未満であることを示した。従って、アレルゲンで抗原投与を行う間の血漿レベルを維持するために、これらのマウスにはOVA抗原投与の直前に追加用量のHK−Xを投与した。
【0084】
肺組織学:
気管及び左肺(上葉及び下葉)を採集し、10%のホルマリンに入れて20℃で15時間固定した。パラフィンに封入後、組織を5μmの切片に切断した。肺組織中の好酸球を改質Discombe溶液で染色した。気道単位面積(2,000μm2)あたりの好酸球の数を、従来技術に記載されている形態計測分析によって測定した(Hendersonら,J.Exp.Medicine,vol.1〜84,pp.1483〜94,Oct.1996,Suら,American Review Repetitive Diseases,Vol.147,pp.448−56,1993)。気道粘液及び粘液細胞を以下の染色試験で同定した:メチレンブルー、ムシカルミン、トルイジンブルー及びアルシアンブルー。
【0085】
粘液による気道径の閉塞を0から5+までの半定量的段階で評価した。各マウスに対して、プロトコルデザインにブラインドな個人が左肺全体に無作為に分布した10個の気道切片について粘液による閉塞を形態計測分析によって評価した。各気道切片について粘液による気道径の閉塞を以下の判定基準に基づいて評価した:0,粘液無し;1+,−10%閉塞;2+,−30%閉塞;3+,−50%閉塞;4+,−80%閉塞;及び5+,−90−100%閉塞。
【0086】
結果:
アレルギー抗原を投与したマウスから採取した肺組織の光学顕微鏡写真:
OVAで6カ月間免疫感作し次いでOVAで繰り返し抗原投与した動物はヒトに観察された慢性喘息に一致する肺の重篤な構造変化を有していた。気道基底板の外側境界に集まった炎症細胞の著しい浸潤が観察された(図11C)。動物を16日間にわたる8回のHK−X投与及びアレルギー抗原投与の30分前のHK−X投与で治療すると、気道及び血管の周囲の炎症細胞の数が明らかに減少し(図11A参照)、生理食塩水で処置したマウスと同様のパターンが観察された(図11B参照)。
【0087】
OVA免疫マウスでは血管及び気道の周囲でコラーゲンの蓄積量(青色)が増加していた(図12C参照)。しかしながら、HK−Xで治療した肺は、コラーゲン沈着レベルの低下を示した(図12A参照)。生理食塩水中のHK−Xを投与した対照マウスでは、肺組織に炎症細胞及び線維形成性コラーゲン沈着物が存在しなかった(図12B参照)。
【0088】
pH2.3のアルシアンブルーで粘液含有細胞を可視化したときも同様の結果が観察された。OVA免疫マウスでは極めて高い割合の上皮細胞が粘液顆粒を含んでいた(図13C参照)。対照的に、HK−Xによる治療は気道の粘液含有細胞の数を劇的に減少させた(図13A参照)。実際、出現度数はHK−X含有生理食塩水だけを与えた対照即ち非免疫動物の出現度数と差はなかった(図13B参照)。
【0089】
肺の好酸球及び好中球の漸増に対するHK−Xの効果:
肺の好酸球及び好中球の漸増に対するHK−X治療の効果を図14に示す。HK−Xによる前処置は、OVA免疫マウス及び抗原投与マウスのそれぞれの肺組織の浸潤性好酸球の数を70%減少させ、浸潤性好中球の数を30%減少させた。生理食塩水で処置した肺で観察された好酸球の平均数は2,200μm2あたり0.3±0.1細胞であった。生理食塩水中のHK−X単独による治療後の肺組織中の好酸球の数は多少増加し、2,200μm2あたり0.75±0.18細胞であった。対照的に気道及び血管に関してはHK−X治療は浸潤した炎症細胞の総数を有意に減少させた(図15)。
【0090】
HK−X治療によって減少した肺の粘液蓄積:
アレルゲンによる鼻孔内抗原投与を3日間継続した後、気道粘液プラグスコア及び気道粘液細胞数を測定した。方法の項で前述したように気道粘液プラグスコアを0〜5の段階で評価した。実施例1に記載した手順で粘液細胞数を半定量的に測定した。生理食塩水で処置したグループでは、気道粘液蓄積の平均スコアは0.1±0.05であった(図16参照)。OVAで抗原投与したグループでは、気道プラグスコアが23.3倍になり、2.33±0.17のスコアになった(生理食塩水グループ対OVAグループ,p<0.001;マン・ホイットニーの順位和検定(Mann Whitney Rank Sum Test))。気道粘液プラグスコア即ち気道閉塞はOVA抗原投与の15〜30分前のHK−X治療によって78%減少した(p<0.001;マン・ホイットニーの順位和検定)。同様に、気道の粘液細胞の数も減少した(図17参照)。より特定的に、OVA抗原投与しHK−X治療しなかった肺では上皮細胞の34.66±6.45%が分化して粘液分泌したが、HK−X治療した肺では粘液を含む細胞は11.24±4.73%にすぎなかった(p<0.001;マン・ホイットニー順位和検定)。
【0091】
慢性喘息肺の肉芽腫様構造の形成レベル:
OVAで6カ月間免疫感作した動物の肺をOVAとHK−Xとの双方またはOVA単独で繰り返し抗原投与し、肺の肉芽腫形成を測定した。図18に見られるように、HK−Xで治療した肺では肉芽腫形成が1/3に減少していた(p<0.001;マン・ホイットニー順位和検定)。
【0092】
これらの試験は、HK−Xの投与がアレルゲンで慢性喘息を誘発させたマウスモデル体内で気道の炎症及び粘液細胞の超活性を低下させるか否かを判断できるように設計した。このモデルでは、マウスをOVAに感作し、次いでOVAの鼻孔内投与を週一回の割合で5カ月間継続し、更にOVAによる鼻孔内抗原投与を3日間継続した。このアレルゲン免疫感作と抗原投与との計画によって、好酸球及びその他の種類の炎症細胞の慢性気道浸潤、気道内の粘液蓄積、粘液分泌細胞の過形成が生じた。
【0093】
更にこのモデルでは、気道の分泌過多、粘液細胞の過形成、好酸球及び好中球の漸増がHK−Xの投与によって減少した。これらの結果は、アレルゲンで誘発したこの慢性喘息モデルで生じる気道の粘液分泌過多及び後期炎症を減少させるためにHK−Xが重要な役割を果たすことを示す。HK−Xによる肺炎症の軽減並びに粘液分泌及び粘液細胞分化の減少は、HK−Xがヒトの慢性喘息の治療に有効であることを示す。
【0094】
本発明をその好ましい実施態様について詳細に記載した。しかしながら、本明細書及び図面の詳細な考察から、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨及び範囲を逸脱しない修正及び改良が当業者に可能であることは理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 慢性喘息を誘発する免疫感作及び本発明方法によるその後の治療を示す日程表である。
【図2A】 本発明による治療後の慢性喘息マウスの肺組織の病理学的特徴を示す写真である。
【図2B】 本発明による無治療の慢性喘息マウスの肺組織の病理学的特徴を示す写真である。
【図3A】 本発明による治療後の線維形成性コラーゲンの蓄積を示すマウスの肺組織を示す写真である。
【図3B】 本発明による対称の線維形成性コラーゲンの蓄積を示すマウスの肺組織を示す写真である。
【図3C】 本発明による無治療の線維形成性コラーゲンの蓄積を示すマウスの肺組織を示す写真である。
【図4A】 本発明による対称の線維形成性コラーゲンの蓄積を示すマウスの肺組織を示す写真である。
【図4B】 本発明による治療後の線維形成性コラーゲンの蓄積を示すマウスの肺組織を示す写真である。
【図4C】 本発明による無治療の線維形成性コラーゲンの蓄積を示すマウスの肺組織を示す写真である。
【図5】 慢性喘息を誘発したマウスの気道粘液プラグ及び炎症細胞蓄積に対する本発明による治療の効果を示すグラフである。
【図6】 慢性喘息を誘発したマウスの気道の肺粘液細胞数に対する本発明による治療の効果を示すグラフである。
【図7】 慢性喘息を誘発したマウスの気道の好酸球及び好中球の数に対する本発明による治療の効果を示すグラフである。
【図8】 慢性喘息を誘発したマウスの肺の肉芽腫に対する本発明による治療の効果を示すグラフである。
【図9A】 慢性喘息を誘発したマウス体内で本発明の治療によって肝毒性が全く誘発されないことを示す本発明による治療後の写真である。
【図9B】 慢性喘息を誘発したマウス体内で本発明の治療によって肝毒性が全く誘発されないことを示す本発明による対照の写真である。
【図9C】 慢性喘息を誘発したマウス体内で本発明の治療によって肝毒性が全く誘発されないことを示す本発明による無治療の写真である。
【図10】 慢性喘息を誘発するための免疫感作、その後に順次行う本発明方法による治療、追加の鼻孔内抗原投与の日程表を示す。
【図11A】 慢性喘息を誘発しその後に追加の鼻孔内抗原投与を行ったマウスの本発明による治療後の肺組織を示す写真である。
【図11B】 慢性喘息を誘発しその後に追加の鼻孔内抗原投与を行ったマウスの本発明による対照の肺組織を示す写真である。
【図11C】 慢性喘息を誘発しその後に追加の鼻孔内抗原投与を行ったマウスの本発明による無治療の肺組織を示す写真である。
【図12A】 慢性喘息を誘発しその後に追加の鼻孔内抗原投与を行ったマウスの本発明による治療後の肺組織中のコラーゲンを示す写真である。
【図12B】 慢性喘息を誘発しその後に追加の鼻孔内抗原投与を行ったマウスの本発明による対照の肺組織中のコラーゲンを示す写真である。
【図12C】 慢性喘息を誘発しその後に追加の鼻孔内抗原投与を行ったマウスの本発明による無治療の肺組織中のコラーゲンを示す写真である。
【図13A】 慢性喘息を誘発しその後に追加の鼻孔内抗原投与を行ったマウスの本発明による治療後の肺組織中の粘液細胞を示す写真である。
【図13B】 慢性喘息を誘発しその後に追加の鼻孔内抗原投与を行ったマウスの本発明による対照の肺組織中の粘液細胞を示す写真である。
【図13C】 慢性喘息を誘発しその後に追加の鼻孔内抗原投与を行ったマウスの本発明による無治療の肺組織中の粘液細胞を示す写真である。
【図14】 慢性喘息を誘発しその後にアレルギー性抗原投与を繰り返したマウスの気道中の好酸球及び好中球の数に対する本発明治療の効果を示すグラフである。
【図15】 慢性喘息を誘発しその後にアレルギー性抗原投与を繰り返したマウスの気道粘液プラグ及び炎症細胞蓄積に対する本発明治療の効果を示すグラフである。
【図16】 慢性喘息を誘発しその後にアレルギー性抗原投与を繰り返したマウスの気道における粘液プラグ形成に対する本発明治療の効果を示すグラフである。
【図17】 慢性喘息を誘発しその後にアレルギー性抗原投与を繰り返したマウスの気道内の肺粘液細胞数に対する本発明治療の効果を示すグラフである。
【図18】 慢性喘息を誘発しその後にアレルギー性抗原投与を繰り返したマウスの肺の肉芽腫に対する本発明治療の効果を示すグラフである。
Claims (5)
- 抗線維形成有効量および抗炎症有効量の式f−Met−Leu−Phe−Pheで表されるペプチドを含んで成る哺乳動物投与用の薬用形態を含む、哺乳動物における肺線維症治療のための医薬組成物。
- 線維症が外傷及び外科的処置から成る群から選択された状態によって生じる病理学的変化に起因することを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
- 線維症が外傷によって生じる病理学的変化に起因することを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
- 線維症が外科的処置によって生じる病理学的変化に起因することを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
- 線維症が喘息状態によって生じる病理学的変化に起因することを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。
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