JP2001511176A - 癒着の治療および予防 - Google Patents

癒着の治療および予防

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Abstract

(57)【要約】 特に当該領域における外科的介入後の、腹腔内の癒着を予防するのに使用することができる癒着形成の阻害剤。具体的には、本発明の最も好ましい化合物であるハロフギノンを用いて、そのような外科的介入後にコラーゲン沈積が腹膜内で起こるのを妨げ、それにより癒着形成を阻害することができる。ハロフギノンおよび関連化合物は、炎症性のおよび外科的に誘導された癒着双方の予防および治療、ならびに先天的癒着の治療に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 癒着の治療および予防 発明の分野および背景 本発明は、癒着の治療および子防のため、および創傷治癒の促進のための組成 物および方法、さらに詳しくは、腹腔−骨盤腔内の癒着の形成のように、創傷治 癒に関連する病理学的プロセスの治療および予防のための組成物および方法に関 する。 創傷治癒は細胞、細胞外マトリックス(ECM)成分および細胞ミクロ環境の ような因子を含めた複雑なプロセスである。本質的には、全ての創傷治癒は損傷 した組織の修復または置き換えを含む。かかる修復または置き換えの正確な性質 は関与する組織に依存するが、全てのかかるプロセスはある種の基本原理を含む 。これらの原理を説明するために、皮膚の創傷治癒を記載し、議論は全てのタイ プの創傷修復までも拡大し得ることが理解されるであろう。 皮膚は3つの層、ケラチン、表皮および真皮を有する。ほとんどの軽い負傷に おけるように、もし表皮のみが損傷すれば、ケラチノサイトが創傷の縁から移動 し、結局は、それを被覆し、表皮およびケラチンを再形成する[D.R.Knighton およびV.D.Fiegel、Invest.Radiol.、第26巻、604−611頁、199 1]。瘢痕形成の危険は、かくして、かかる軽い負傷では比較的低い。 もし全ての3つの皮膚層が損傷されるか破壊されると、顆粒化組織と呼ばれる 新しい結合組織が最初に創傷スペースを満たさなければならない。この組織は、 創傷スペースに移動する繊維芽細胞によるECM成分の沈積によって形成される [D.R.KnightonおよびV.D.Fiegel,Invest.Radiol.、第26巻、604−6 11頁、1991]。顆粒化組織の形成は明らかに重要な保護メカニズムであり 、かかる組織の形成は瘢痕の形成にもつながり得る。コラーゲンのようにECM 成分の生産は特に瘢痕形成に結び付けられてきた。皮膚上の瘢痕は化粧的お よび機能的問題双方であり得る。例えば、ひどい火傷による瘢痕形態は関節の運 動性を制限しかねない。細菌感染後の肺における、または外科的処理後の多くの 器官組織におけるように、他のタイプの組織内の瘢痕形成は極端に危険である。 器官組織内の瘢痕が非常に危険である1つの理由は、瘢痕は元の器官組織の機能 性を複製せず、従って、創傷の治癒は器官の能力および機能の完全な回復に至ら ないというものである。従って、明らかに、瘢痕形成は病理学的プロセスであり 得る。 しかしながら、コラーゲンのようなECM成分の沈積は、創傷の治癒でも重要 であると現在考えられている。事実、先行技術は、創傷治癒の強さは究極的には コラーゲン沈積に依存すると教示している[Haukipuro,K.ら、Ann.Surg.、第2 13巻、75−80頁、1991]。かくして、先行技術によれば、コラーゲン 沈積は、治癒している創傷に強度および支持体を与えるのに十分なレベルにて、 しかし瘢痕の形成を引き起こす高いレベルではなく存在させなければならない。 損傷した組織の修復に関与するもう1つの病理学的プロセスは癒着の形成であ る。腹腔内および骨盤腔の器官の間の癒着の形成は、腹部一骨盤外科的処理の頻 繁で望ましくない合併症である。組織に対する外科的外傷は漿液血液状滲出物の 放出を引き起こし、これは再中皮化に要する4−5日間にわたって執拗に存在す る繊維状ブリッジを形成する[Hill-West,J.L.ら、Obstet.Gynecol.、第83 巻、59−64頁、1994;Sawhney,A.S.ら、Macromolecules、第26巻、 581−587頁、1993]。もし滲出物がこの期間に吸収されるか溶解され なければ、それは繊維芽細胞と共に内に成長した状態となる。引き続いてのコラ ーゲン生産およびこれらの繊維芽細胞からの沈積は永久的瘢痕組織の形成を直接 的に引き起こし、これは外傷化組織を、例えばもう1つの器官に結合しかねない [Mahadevanら、Fertil Steril、第44巻、489−92頁、1985]。このよ うな永久的瘢痕組織は癒着と呼ばれている。癒着は後天性(90%)または先天 性(10%) のいずれかに分類できる。後天性タイプの癒着は、さらに、炎症性または外科的 処理後に分類され、大部分は外科的処理後である。 以後、「腹部癒着」なる用語は腹腔および骨盤腔双方における癒着を含めるで あろう。 例えば、複数の腹部外科的処理を受けている患者は93%までの癒着率を有し 得る[Weibel,M.A.およびG.Manjo,Am.J.Surg.、126巻、345−353 頁、1973]。手術後癒着は主要な婦人科外科的処理を受ける患者の60−9 0%で起こる[Monk,B.J.ら、Am.J.Obstet.Gynecol.、170巻、1396 −1403頁、1994]。従って、癒着は腹部領域で外科的処理を受けた患者 においてかなり高い率で起こる。 癒着は腸閉塞のようなさらなる多数の合併症を引き起こし得る。癒着からの腸 閉塞を発症する患者の約30−60%は外科的処理を要し、これらの患者のうち のさらに11−21%は再発閉塞を発症するであろう[Menzies,D.,Ann.Royal Col.Surg.Engl.、第75巻、147−153貞、1993]。かくして、これ らの合併症は重症であって、実質的なさらなる治療を必要とし、それにより患者 に対する外傷および外科的処理のコストを共に増大させる。事実、1つの外科的 処理単位において、全ての外科的アドミッションの1%および全ての開腹術の3 %が癒着の治療を必要とした[Menzies,D.,Am.Royal Col.Surg.Engl.、75 巻、147−153頁、1993]。さらに、癒着によって引き起こされた腸閉 塞の頻度は、1932年の7%から1993年の約60%まで着実に増加してき た[Vick,R.M.,Br.Med.J.、第2巻、546−548貞、1932;Menzies ,D.Ann.Royal Col.Surg.Engl.、第75巻、147−153頁、1993]。従 って、明らかに、癒着−関連の合併症の問題は増大しつつあり、癒着を治療し予 防する方法は明らかに必要とされる。 骨盤外科的処理後に生起し得る他の癒着−関連合併症は慢性的な骨盤疼痛を含 み、機能不全および不妊を無くする[Monk,J.B.ら、Am.J. Obstet Gynecol.、第170巻、1396−1403貞、1994]。また、癒着 は不妊の重要な原因である骨盤炎症病からも生起し得る[Monk,J.B.ら、Am.J .Obstet Gynecol.,第170巻、1396−1403頁、1994]。サイクロ スポリンのような薬物も癒着および腹膜後線維症を引き起こし得る[D.M.Davies 編、Textbook of Adverse Drug Reactions、第3版、Oxford University Press] 。従って、癒着は多くの原因を有し、深刻で広い範囲の結果を有し得る。 不運にも、癒着を治療し予防するための現在利用できる方法で、特に癒着形成 のメカニズムをブロックするのに成功しているものはない。例えば、ポビドン− ヨウ素はラットにおいて35%だけ外科的処理後に腹腔内癒着の数を低下させる ことが判明したが、この低下は癒着形成の直接的阻害よりもむしろ、ポビドン− ヨウ素の抗微生物効果に関係した[Gilmore,O.J.A.およびC.Reid.,J.Surg.Re s.、477−481頁、1978]。もう1つの薬物デキストランは、不妊外科的 処理における癒着予防のために婦人科外科医によって使用されたが、ほとんど成 功しなかった[Holtz,G.ら、Fertil.Steril.、第33巻、660頁、1980] 。 癒着形成に対するそれらの効果につき調べられた他の化合物は、種々のプラス ミノーゲンアクチベーターおよびフィブリン溶解剤を含む。これらの化合物は、 プラスミノーゲンアクチベーターの生産からの、腹膜の公知のフィブリン溶解特 性のために使用された。この生産は腹膜に対する外傷に続いて低下し、これはフ ィブリンが外傷化領域間で癒着を形成するのを可能とし得る[Raferty,A.T.,E ur.Surg.Res.、第13巻、397−401頁、1981]。しかしながら、プ ラスミノーケンアクチベーターおよび/またはフィブリン溶解剤でフィブリン沈 積をブロックしようとする試みはラツトではルーチン的に成功するものとは判明 しなかったが、ウサギでは幾分の成功が報告された[Rivkind,A.I.ら、Eur.Su rg.Res.、第17巻、254−258頁、1985;Mcnzies,D.およびH.Elli s,J.R.Soc.Med.、第82巻、 534−553頁、1989]。従って、現在入手できる薬理剤は明らかに癒着 の治療または予防に対して完全には成功していない。 癒着の潜在的予防につき調べられた非薬理剤は、外傷化領域を周囲の器官およ び他の腹腔組織から単離するためのポリマーまたは生物学的なメカニカルなバリ アーを含む。しかしながら、これらのバリアーは動物モデルで限定的に成功して いるに過ぎない[Sawhney,A.S.ら、J.Biomed.Mater.Res.、28巻、831−8 38頁、1994;Sawhney,A.S.ら、Macromolecules、第26巻、581−5 87頁、1993]。さらに、バリアー方法は全身投与されるというよりも外傷 の部位への直接的内部適用を要するという不利を有する。 前記で示したように、コラーゲン沈積は癒着形成のメカニズム、ならびに瘢痕 形成において重要な過程である。もしコラーゲン沈積が予防されると、癒着およ び永久的瘢痕は形成されないであろう。従って、これらの病理学的プロセスは、 少なくとも部分的には、過剰コラーゲンの合成によって引き起こされる。さらに 、線維症のような他の臨床的疾患におけるコラーゲンの決定的な役割は、その蓄 積を阻害する薬物を開発しようとする試みを促進した[K.I.Kivirikko,Annals of Medicine,第25巻、113−126頁(1993)]。 かかる薬物は、プロコラーゲンポリペプチド鎖の合成を変調することによって 、または、過剰細胞コラーゲン繊維の形成の低下または改変された特性を持つ繊 維の蓄積いずれかにつながるであろう特異的転移後事象を阻害することによって 、作用できる。不運にも、組織の一体性の保持および種々の障害におけるその関 与におけるこの蛋白質の重要性にも拘わらず、コラーゲンの合成および沈積の少 数の阻害剤のみが入手可能である。さらに、多くの入手可能な阻害剤は、コラー ゲンの代謝経路に対して特異性を欠く。従って、多くの現在入手可能な薬物は有 害な副作用を有する。 例えば、細胞外マトリックスへのコラーゲン分泌を遅延させるコルキシンのよ うな細胞傷害性薬物[D.Kershenobichら、N.Engl.J.Med., 第318巻、1709頁(1988)]が、コラーゲン産生繊維芽細胞の増殖を遅 延させようとする試みで用いられてきた[J.A.Casasら、Ann.Rhem.Dis.、第 46巻、763頁(1987)]。他の薬物は鍵となるコラーゲン代謝酵素の阻害 剤として作用する[K.Karvonenら、J.Biol.Chem.、第265巻、8414頁( 1990);C.J.Cunliffeら、J.Med.Chem.、第35巻、2652頁(199 2)]。しかしながら、これらの阻害剤のいずれも特異的タイプのコラーゲンの代 謝および沈積に対して特異的効果を有しない。また、これらの薬物は、古典的補 体経路におけるClq、神経−筋肉接合終板のアセチルコリンエステラーゼ、コ ングルチニンおよび肺界面活性剤アプロプロテインのような、他のウイルスコラ ーゲン様分子の生合成に干渉し得る。かかる干渉および特異性の欠如は潜在的に ひどい悪影響を有し得る。 ニフェジピンおよびフェニトインのような、コラーゲン合成を阻害できる他の 薬物は、同様に他の蛋白質の合成を阻害し、それにより、コラーゲン生合成経路 を非特異的にブロックする[T.Saloら、J.Oral Pathol.Med.、第19巻、40 4頁(1990)]。蛋白質合成の非特異的阻害の結果、薬物を患者に投与した場 合に、有害な副作用がもたらされかねない故に、再度、特異性の欠如はこれらの 薬物の臨床的用途をかなり低下させる。コラーゲン合成につき比較的より特異的 な薬物シアニダノールでさえ、多くのタイプのコラーゲンの合成に対するその効 果のため、および他のFe++イオン結合性酵素に対するその効果のため、ラッ トにおける外科的処理後癒着の数を減少させるその能力に拘わらず、毒性である ことが判明した[Rivkind,A.I.ら、Arch.Surg.、第118巻、1431−143 3頁、1983]。従って、単純に癒着形成を予防すること単独では、もし化合 物が十分に非特異的であって毒性の副作用を引き起こすならば、該化合物を有用 とはしない。 事実、β−アミノ−プロピオニトリルのようなコラーゲン架橋性阻害剤を含め た、臨床的に利用できる抗−繊維症薬物も非特異的である。 不運にも、これらのコラーゲン架橋性阻害剤の特異性の欠如は、結局は、長期間 の使用の後にひどい副作用の結果となる。これらの副作用は、ラスリティック( lathritic)症候群、ならびに破壊された染色体異常誘発性を含む。後者の副作 用は、エラスチン(もう1つの繊維状結合組織蛋白質)の架橋の破壊の結果であ る。加えて、これらの薬物のコラーゲン架橋阻害効果は二次的であり、従って、 コラゲナーゼによる分解前にコラーゲンがまず過剰生産されなければならない。 かくして、コラーゲン自体の合成のタイプ特異的阻害剤が明らかに要求される。 このようなタイプ特異的コラーゲン合成阻害剤は、極端に高レベルのコクシジ ウム抑制薬を摂取させたニワトリを観察することによって見出された。これらの ニワトリは、コラーゲン合成の阻害によって引き起こされた、皮膚発汗を増加さ せることによって証明させるように、脆くて弱化した皮膚を有することが判明し た[Granot,I.ら、Pouluy Sci.、第70巻、1559−1563、1991]。 ハロフギノンおよび関連化合物は、強皮症および移植片−対−受容者病のような ある種の繊維症疾患の治療用に、米国特許第5,449,678号に開示されて いる。これらの疾患は共に、ハロフギノンによって阻害され得る過剰コラーゲン 沈積に関連する。この特異的阻害剤は、医薬上有効量の式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニルおよ び低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメ ンバーであり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] の医薬上活性な化合物を含む組成物である。この群の化合物のうち、ハロフギノ ンがこのような治療に特に効果的であることが判明した。 PCT特許出願第96/06616号は、さらに、これらの化合物が、血管平 滑筋細胞の増殖を予防することによって再狭窄を効果的に治療できることを開示 している。再狭窄は、血管損傷に応答しての患部血管のルーメン内の平滑筋細胞 増殖および細胞外マトリックス蓄積によって特徴付けられる[Choiら、Arch.Sur g.、第130巻、257−261頁(1995)]。このような平滑筋細胞増殖の 他の1つの特質は、合成表現型に対する正常収縮性表現型からの表現型改変であ る。I形コラーゲンは、ハロフギノンによってブロックされ得る、かかる表現型 改変を支持することが示されている[Choiら、Arch.Surg.、第130巻、257 −261頁(1995);PCT特許出願第96/06616号]。従って、ハロ フギノンは、I型コラーゲンの合成をブロックすることによって、血管損傷後に 平滑筋のこのような異常再分化を防止し得る。 さらに、ハロフギノンはニワトリにおいて外科的に外傷化した鍵およびその鞘 の間の癒着の予防で効果的であることが示されている[Nyska,M.ら、Conn.Tiss ue Res.,第34巻、97−103頁、1996]。しかしながら、これらの研究 されたモデルのいずれも、多数の理由で、創傷治癒の促進において、または腹部 癒着の予防において、ハロフギノンの挙動を適切には予測していない。 まず、前記したように、先行技術はコラーゲンが創傷治癒に必要であると教示 しているので、先行技術は創傷治癒を促進するためのハロフギノンの使用に対し て反対に教示する。先行技術によれば、コラーゲンは創傷の強度に特に必要であ る。従って、瘢痕形成を減少させまたは予防するためのハロフギノンのいずれの 使用も、創傷の治癒も予 防することが予測され得る。 第2に、先行技術は、癒着の治療または阻害におけるハロフギノンの効率を教 示しない。というのは、鍵および腹部組織は非常に異なった構造および組成を有 するからである。鍵は主としてコラーゲンである。鍵を損傷すると、新しいコラ ーゲン合成が鍵を修復するために起こらなければならない。どのようにして過剰 のコラーゲン沈積が鍵とその鞘の間の癒着の形成に至り得るかを見るのは容易で ある。というのは、このような過剰の沈積は単純に鍵の修復の間のコラーゲンの わずかな過剰合成の結果であり得るからである。従って、コラーゲン合成の阻害 は、鍵がその鞘に付着することを防止すると予測されるべきである。 対照的に、腹部組織は複数の層を有する。これらの層は多くの異なるタイプの 細胞を含む。しかしながら、これらの細胞のいずれもコラーゲンを正常に合成す る。代わりに、癒着形成のメカニズムは、フィブリン、繊維芽細胞および腹腔の 組織の間の複雑な相互作用を要する。この相互作用の1つの部分を単純に阻害す ることが癒着の形成を予防するのに成功するということは自明ではない。という のは、これは前記したようにプラスミノーゲンアクチベーターおよびフィブリン 溶解剤で試みられたからである。また、これらの化合物は癒着形成のメカニズム の1部分を阻害するが、それらはそのような形成を予防するにおいては十分には 成功しなかった。成功がこのように欠如していることは驚くべきことである。と いうのは、成功のチャンスが比較的大きいと考えられる場合、これらの化合物は 該プロセスにおいて比較的初期段階を阻害するからである。従って、癒着形成の 1つの過程の単純な阻害は、かかる形成、または腸閉塞のごとき関連合併症を予 防するのに十分であるとは見えないようである。 次に、腹部癒着の形成におけるI型コラーゲンの関与は、先行技術では従来示 されていなかった。しかしながら、ハロフギノンのみがI型コラーゲンの合成を 阻害し、α2(I)、II型、III型またはX 型のような他のコラーゲンの合成を阻害しない[Granot,I.ら、Biochem.Biophys .Acta、第1156巻、107−112頁、1993;Choi,E.T.ら、Arch.Sur g.、第130巻、257−261頁、1995]。従って、腹部癒着の形成を予 防するハロフギノンの能力は先行技術からは予測できない。というのは、そのよ うな癒着は異なるタイプのコラーゲンのうちのいずれか1つから生起し得るから である。 最後に、ニワトリにおけるNyskaらの研究での投与経路[NyskaM.ら、Conn.Ti ssue Res.、第34巻、97−103頁、1996]は、カテーテルを介して局 所的にハロフギノンで処理された鍵を含む。同様に、前記したバリアー方法も癒 着部位におけるバリアー化合物の直接的投与を必要とする。しかしながら、その ような経路はハロフギノンでの治療を非現実的なものとする。というのは、該治 療は次いで外科的介入の間に起こるに過ぎないからである。骨盤炎症病によって 引き起こされるもののようにある種のタイプの癒着では、外科的介入は必ずしも 望ましくはない。対照的に、かなりより効果的な投与経路は全身治療、例えば、 経口または非経口投与を含む。このような経路はいずれもの先行する外科的介入 、ならびにもし合併症が外科的処理を実質的に変化させるならば特に決定的とな り得る、ハロフギノンでの手術前および後治療の双方無くして治療を可能とする であろう。さらに、全身治療はさらなる外科的介入の必要性を低下させまたは排 除するはずであるが、これは治療のバリアーまたはバリアー様(類似の)方法で は必ずしも当てはまらない。 従って、癒着形成のごとき病理学的プロセスを実質的に阻害する、手術前また は後、または双方で投与できる、あるいは先行する外科的介入が実質的に無くし て投与できる、および皮膚および他の器官における瘢痕の形成、ならびに非特異 的効果を引き起こすことなく、特に腹腔中での組織に対する外科的障害後の、腹 部内での癒着の形成を実質的に予防しまたは低下させる創傷治癒の促進剤に対す る広く認識された要求が存在し、該促進剤を有するのは高度に有利であろう。 発明の概要 本発明により、医薬上許容される担体と組み合わされた医薬上有効量の化合物 を含む、癒着を治療するための組成物が提供され、該化合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシよりなる群のメンバーである] を有する群のメンバーである。 本発明のもう1つの実施形態により、医薬上許容される担体に医薬上有効量の 化合物を配合する工程を含むことを特徴とする、癒着を治療するための医薬を製 造する方法が提供され、該化合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する群のメンバーである。 本発明のさらにもう1つの実施形態により、癒着の形成の阻害のための、外科 的手法の実行の実質的に前における、治療用の医薬の製造方法が提供され、該方 法は医薬上許容される担体に医薬上有効量の化合物を配合する工程を含み、該化 合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する群のメンバーである。 本発明のさらにもう1つの実施形態により、癒着の形成の阻害のための、外科 的手法の実行の実質的前における、治療用の組成物が提供され、該組成物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する化合物の医薬上有効量を含む。 本発明のもう1つの実施形態により、癒着の形成によって特徴付けられる炎症 性病の治療用の医薬の製造方法が提供され、該方法は医薬上許容される担体に医 薬上有効量の化合物を配合する工程を含み、該化合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する群のメンバーである。 好ましくは、炎症性病は骨盤炎症性病である。 本発明のさらにもう1つの実施形態により、医薬上有効量の式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェ ニル、および低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有するを有する化合物を含む、癒着の形成によって特徴付けられる炎症性病の 治療用組成物が提供される。 好ましくは、該炎症性病は骨盤炎症性病である。より好ましくは、該組成物は さらに抗生物質を含む。 本発明のさらにもう1つの実施形態により、医薬上許容される担体に医薬上有 効量の化合物を配台する工程を含むことを特徴とする、瘢痕の形成の予防用医薬 の製造方法が提供され、該化合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する群のメンバーである。 本発明のさらにもう1つの実施形態により、医薬上有効量の式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する化合物を含む、瘢痕の形成の予防用の組成物が提供される。 これらの実施形態の全てにおいて、好ましくは、該化合物はハロフギノンであ る。以後、「ハロフギノン」なる用語は式: を有する化合物およびその医薬上許容される塩として定義される。該組成物は、 好ましくは、当該化合物用の医薬上許容される担体を含む。 好ましくは、前記にて言及した化合物の全ては、該式によって記載された化合 物自体、および/またはその医薬上許容される塩いずれかであり得る。 図面の簡単な説明 添付の図面を参照し、例示としてのみ本発明をここに記載する。 図1Aおよび1Bは癒着におけるI型コラーゲン合成の存在を示す。 図2A−2Fは、ハロフギノンによるI型コラーゲン合成の阻害を示す。 図3A−3Cは、アルカリ性ホスファターゼ活性に対するハロフギノンの効果 を示す。 図4A−4Dは、子宮角組織のコラーゲン内容物に対するハロフギノンの効果 を示す。 図5A−5Dは、子宮角組織におけるコラーゲン遺伝子発現に対するハロフギ ノンの効果を示す。 図6A−6Hは創傷治癒に対するハロフギノンの効果を示す。 図7は創傷強度に対するハロフギノンの効果を示す。 好ましい実施形態の説明 予期せぬことに、本発明による組成物は、癒着および瘢痕形成のような、創傷 治癒から生起する病理学的プロセスの阻害剤として作用することが判明した。本 発明による組成物は、癒着形成の阻害剤であり、これを用いて、限定されるもの ではないが、当該領域における外科的介入に続く癒着、インスリンポンプのよう な外来体によって引き起こされた癒着、炎症、外傷、刺激および腫瘍から生起す る癒着、およびサイクロスポリンのような薬物によって引き起こされた癒着を含 めた、腹腔内の癒着を予防することができる。また、本発明は皮膚、心臓、肺、 肝臓および腎臓のような器官における瘢痕形成の阻害剤でもある。 具体的には、本発明の最も好ましい化合物であるハロフギノンを用いて、創傷 スペース内でコラーゲン沈積が起こるのを妨げることによって、瘢痕および癒着 の形成を阻害し、創傷治癒を促進することができる。後記にて詳説する実施例に おいて、ハロフギノンは外科的介入後に腹腔内でコラーゲン沈積を阻害し、それ により、癒着形成を阻害することが示される。前記で示したように、かかる阻害 剤は新規であって非自明である。何故ならば、フィブリン沈積を阻害する他の化 合物は効果的であることが示されていないからであり、これはフィブリ ン沈積が癒着形成のプロセスにおいてかなり初期の段階で起こるので特に驚くべ きことである。それにも拘わらず、イン・ビトロでのラットのモデルについての 実験において後記で示すように、ハロフギノンはこれらの他の処理が失敗した場 合に成功する。 後記にて与える他の実施例では、ハロフギノンは、創傷治癒に干渉しないこと が示される。そのような効果は特に予期せぬことである。何故ならば、ハロフギ ノンはコラーゲン沈積を減少させるからである。しかしながら、コラーゲン沈積 は治癒しつつある創傷を強化することが必要である。さらに、高レベルのハロフ ギノンは低下した皮膚強度および増大した皮膚の裂けにつながる。先行技術に基 づくと、ハロフギノンは創傷治癒を閉塞すると予測されよう。しかしながら、先 行技術の教示とは対照的に、ハロフギノンは創傷治癒を促進することが特に示さ れ、これは新規であって非自明な効果である。 これらの新規、非自明で完全に予測されない結果に基づき、ハロフギノンは創 傷治癒の促進のために多数の方法にて明らかに使用し得る。例えば、ハロフギノ ンを用いて外科的処理または炎症性病後の癒着のような形成された癒着を治療し 、あるいはそれらの癒着の形成を実質的に阻害し得る。ハロフギノンを用いて、 外科的介入または皮膚、心臓、肝臓および肺のような器官に対する外傷から生起 するもののように、瘢痕の形成を阻害することができる。 また、ハロフギノンは外科的処理前に対象に投与される予備的処置として使用 し、瘢痕または癒着の形成を実質的に防止することもできる。勿論、このような 予備的保護は計画された外科的処理で最も効果的であろう。というのは、ハロフ ギノンを外科的処理前に十分な期間投与して最も効果的とすることができるから である。 治療のもう1つの方法は、単独での、あるいは好ましくは炎症性病の治療用の 抗生物質と組み合わせてのハロフギノンの投与を含む。このような治療は、癒着 形成が婦人の生殖器官における細菌感染によって誘導される骨盤炎症性病の治療 で特に有用である。 以下の例示的実施例および図面を参照して、本発明はより容易に理解されるで あろう。専らハロフギノンに言及するが、引用してその教示を本明細書の一部と みなす米国特許第3,320,124号に記載され特許請求されている他のキナ ゾリノン誘導体は同様の特性を有するものと考えられることに注意されたい。 実施例1 癒着形成におけるコラーゲンの関与 ラットの腹部における外科的処理後癒着形成でのコラーゲンの関与を調べた。 略言すれば、コラーゲン特異的染色技術、ならびに標識コラーゲン特異的遺伝子 プローブとのハイブリダイゼーションは、図1Aおよび1Bに示すごとく、癒着 の成分としてのコラーゲンの重要性を証明した。 実験は以下の通りに行った。まず、ラットの腹部の毛を剃り、ヨウ素およびア ルコールで調製した。中線切開を通じて、腹腔に侵入した。毛細血管出血が起こ るまで、小腸を十二指腸下から掻いて、盲腸から約9ないし約10cmとした。 乾燥を避けるために、約37℃のハートマン溶液を場合によっては小腸上に滴下 した。腹腔への小腸の置き換え後、該腹部を、連続的00クローミック腸線縫合 にて2層に閉じた。この方法は、腹部癒着を引き起こすことが従前に示されてい る[Rivkind,A.ら、Eur.Surg.Res.、第17巻、254−258頁、1985 ]。21日後、ラットを犠牲にし、縫合を再度開いて、癒着形成のレベルを測定 し、組織のバイオプシーを採取した。 組織学的実験が行えるように該組織を切片化した。略言すれば、組織試料をリ ン酸緩衝化生理食塩水(PBS)に収集し、4℃のPBS中の4%パラホルムア ルデヒド中で一晩固定した。試料を次いで等級エタノール溶液中で脱水した後に 系列的5μm切片を調製し、クロロホルム中で清澄化し、パラプラスト(Parapl ast)中に包埋した。コラーゲン様および非コラーゲン様蛋白質の示差染色を、 ピクリン酸中の カウンター染色として0.1%シリアスレッドおよび0.1%ファストグリーン で行った。この手法はコラーゲンを赤色に染色する[Gascon-Barre,M.ら、J.Hi stochem.Cytochem.、第37巻、377−381頁、1989]。結果は図1A に示す。 遺伝子プローブとのハイブリダイゼーションでは、切片をキシレン中で脱パラ フィン化し、エタノール溶液の等級シリーズを介して再度脱水し、蒸留水中で5 分間すすぎ、次いで、2×SSC中、70℃で30分間インキュベートした。次 いで、切片を蒸留水中ですすぎ、50mM トリス−HCl、5mM EDTA 、pH7.5中のプロナーゼ0.125mg/mlで10分間処理した。浸出後 、スライドを蒸留水ですすぎ、PBS中の10%ホルマリン中で後固定し、0. 2%グリシン中でブロックした。ブロッキングの後、スライドを蒸留水中ですす ぎ、等級エタノール溶液を介して迅速に脱水し、数時間風乾した。次いで、切片 を遺伝子プローブとハイブリダイズさせた。 ハイブリダイゼーション前に、遺伝子プローブは、元のプラスミドpUC18 から1600bpのラット・コラーゲンα1(I)インサートを切り出すことに よって調製した。該1600bpインサートを次いでpSafyreプラスミド に挿入した。次いで、切片をジゴキシゲニン標識の後にこのプローブとハイブリ ダイズさせた。従前に記載されているようにアルカリ性ホスファターゼ活性を切 片中で検出した[Knopov,V.ら、Bone、第16巻、3295−3345頁、19 95]。結果を図1Bに示す。 図1Aは癒着のうちの1つから採取し、シリアスレッドで染色した組織の切片 を示す。2つの腸壁の間の癒着は点線および矢印によって示される。癒着はシリ アスレッドによって特異的に染色され、これはコラーゲンの存在を示す。図1B は、この癒着中の細胞が、I型コラーゲンの存在を示すコラーゲンα1(I)遺 伝子を特異的に発現していることを示す。各茶色のドットが、コラーゲンα1( I)遺伝子を示す細胞を表していることに注意されたい。かくして、明らかに、 I 型コラーゲンがラットで誘導された腹部癒着に存在する。 実施例2 コラーゲン遺伝子発現および含有量に対するハロフギノンの効果 ハロフギノンは、ラットにおいて外科的に損傷された腹部におけるI型コラー ゲンの蓄積および遺伝子の発現を特異的に阻害することが示され、結果を図2に 示す。実験は以下の通りに行った。腹部癒着は実施例1に記載したごとくにラッ トの2つの群で誘導した。外科的処理を受けなかったラットの群は対照として供 した。外科的処理を受けたラットの1つの群は21日間、手術後毎日、ハロフギ ノンの腹腔内注射を摂取させた。体重に応じてラットに投与し、25gの体重当 たり1μgのハロフギノンを与えた。外科的処理を受けたラットの他の群は21 日間生理食塩水注射を摂取させた。 21日後、組織試料を前記したごとくに組織学的分析から採取した。組織のI 型コラーゲン含有量およびコラーゲンα1(I)遺伝子発現のレベルを共に測定 した。結果を図2に示す。 図2Aは、ほとんどのコラーゲンα1(I)遺伝子発現は外科的処理を受けな かった対照ラットからの組織試料で観察されなかったことを示す。I型コラーゲ ン含有量の対応するレベルは図2Dに示すように低く、絨毛はいずれの損傷もな くしてよく組織化されている。 外科的処理を受けたが、生理食塩水のみを与えたラットからの組織試料は、図 2Bに示されるような高レベルのコラーゲンα1(I)遺伝子発現および図2E に示されるような対応する高レベルのI型コラーゲンのレベルを共に有した。こ れらの動物の絨毛は、恐らくは虚血の結果としてかなり損傷された。 対照的に、ハロフギノンは外科的に処置されたラットにおいてこれらの病理学 的プロセスを阻害した。外科的処理後にハロフギノンで処理したラットからの組 織試料は、図2Cに示されるような低レベルのコラーゲンα1(I)遺伝子発現 、および図2Fに示されるような低 レベルのI型コラーゲンを共に示す。事実、遺伝子発現のレベルおよびコラーゲ ン自体のレベルは、共に、外科的処理を受けなかった対照ラットから区別できた 。さらに、動物に対する損傷は、ほとんど観察されなかった。従って、明らかに 、ハロフギノンは、外科的介入を受けたラットにおいて、コラーゲン遺伝子発現 およびコラーゲン合成の病理学的過剰刺激を妨げた。 実施例3 癒着数に対するハロフギノンの効果 2つの異なる実験を行って、外科的処理を受けたラットにおける腹部癒着の数 およびひどさに対するハロフギノンの効果を評価した。両実験は、ハロフギノン が腹部癒着の数およびひどさを共に低下させたことを示した。実験方法は以下の 通りであった。第1のテストでは、実施例2で前記したように4つの群のラット を調製し、外科的処理を受けなかったが、ハロフギノンを与えたラットの1つの 実験群を付け加えた。ハロフギノンは2つの投与量のうちの1つにおいて、ダイ エット中にて、または腹腔内注射として投与した。21日の最後に、ラットを秤 量し、癒着の数およびひどさを、二重盲検法に従って測定した。 二重盲検法では、癒着は以下の評価:0=癒着無し;I=薄いフイルム状の容 易に分離される癒着;II=いくつかの薄い癒着;III=厚く広い癒着および IV=いくつかの厚い癒着、に従って分類した。明らかに、0は最も低いひどさ のグレードであって、IVは最もひどいグレードである。 表1は、外科的処理を受けたラットにおける癒着の数およびひどさに対するハ ロフギノン処理の結果を示す。略語「+Op、−H」は、ハロフギノン処理の無 い、外科的処理を受けたラットをいう。略語「+0p、+H」は、ハロフギノン 処理有りの、外科的処理を受けたラットをいう。略語「−Op、−H」は、外科 的処理を受けず、かつハロ フギノンを摂取しなかったラットをいう。略語「−Op、+H」は、外科的処理 を受けなかったが、ハロフギノンを摂取したラットをいう。ハロフギノンは腹腔 内(25μg/kg体重)およびダイエット中(5mg/kgダイエットまたは 10mg/kgダイエット)にて投与した。「体重増加(g)」とは、平均±SE としての、グラムで表した平均体重増加をいう。欄内の共通の上付き字の無い平 均は、ダンカンの多重範囲テスト(Duncan's Multiple Range Test)によると有 意に異なる。 経口投与する場合、ハロフギノンは、予備処置として、外科的処理前4日間、 ダイエット中にて与えた。2つの他の群のラットには通常のダイエットを摂食さ せ、対照群として供した。次いで、ハロフギノンを摂取したラットの群のうちの 1つおよび1つの対照群に、前記したように外科的処理を受けさせた。ハロフギ ノン処理は外科的処理に続いて21日間継続し、しかる後、ラットを犠牲とし、 癒着の数およびひどさを測定し、体重を測定した。 明らかに、外科的処理を受けなかった対照ラットでは癒着は見出せなかった。 癒着の数およびひどさは、共に、非処理ラットと比較して、ハロフギノン処理ラ ットでは、ほとんど、外科的処理を受けなかったラットで観察されたレベルまで 鋭く低下した。癒着の大部分は小腸のループの間に位置し、少なくとも1つの癒 着が小腸と網との間に存在した。外科的処理を受けたほとんど全てのラットで体 重増加の小さな減少が観察されたが、この低下はハロフギノン処理ラットでより 顕著であった。 従って、明らかに、ダイエット中にて投与されたハロフギノンは、コクシジウ ム抑制薬としてのニワトリへの投与と同様に、ラットにおいて外科的処理後癒着 形成を阻害することができた。さらに、異なる群のラットの全てによる体重増加 は実質的に同様であり、これはハロフギノンの効果が特異的であって、その結果 、ラットの総じての幸福においていずれの一般的な減少ももたらさないことを示 す。 表1 腹部癒着に対するハロフギノンの効果 実施例4 アルカリ性ホスファターゼ活性に対する ハロフギノンの効果 高レベルのアルカリ性ホスファターゼ活性が外科的処理を受けなかった対照ラ ットからの組織試料で観察された。アルカリ性ホスファターゼ活性は、外科的処 理を受けなかったラットからの組織で完全に無くなり、ハロフギノンはこの効果 を変化させなかった。実験は以下の通りに行った。 実施例2に記載されたように3つの群のラットを調製し、1つの対照群はハロ フギノンを摂取せず、外科的処理を受けず、1つの群は外科的処理を受けたが、 ハロフギノンを摂取せず、および1つの群は外科的処理を受け、かつハロフギノ ンを摂取した。21日後、組織試料を全ての3つの群のラットから採取し、組織 学的切片は実施例1で述べたように調製し、アルカリ性ホスファターゼ活性は実 施例1に記載したごとくに測定した。 図3Aに示すように、外科的処理も受けず、特にハロフギノンも摂取しなかっ た対照ラットは、より成熟し分化した細胞が有する絨毛の端部において、高レベ ルのアルカリ性ホスファターゼ活性を有した。対照的に、図3Bおよび3Cに示 すように、生理食塩水(図3B)またはハロフギノン(図3C)を注射したにも 拘わらず、外科的処理を 受けたラットで実質的にアルカリ性ホスファターゼ活性は観察されなかった。 アルカリ性ホスファターゼ活性の低下は、典型的には、外科的介入の間のよう に、外傷化された組織で観察される。外科的に誘導された外傷に続くTGFβ合 成の増加は、外傷化腹部組織で観察されたアルカリ性ホスファターゼ活性の減少 およびコラーゲン合成の増加双方に関係した。かくして、アルカリ性ホスファタ ーゼ活性に対するハロフキノンの効果の欠如は、再度、コラーゲン合成単独の阻 害の特異性、および他の外傷後事象に対するハロフギノンの効果の欠如を証明し た。 実施例5 外傷化子宮角組織に対するハロフギノンの効果 外科的介入によって外傷化された子宮角組織におけるコラーゲン含有量および コラーゲン遺伝子発現に対するハロフギノンの効果を調べた。実験は、小腸より もむしろ、子宮角組織を掻き取ることによって機械的に破壊した以外は実施例1 に実質的に記載されているように行った。結果は、子宮角のコラーゲン含有量に 対するハロフギノンの効果については図4A−4Dに、子宮角におけるコラーゲ ン遺伝子発現に対するハロフギノンの効果については図5A−5Dに示す。 外科的処理を受けなかったラットからの組織試料は、図4Aに示すように、高 レベルのI型コラーゲンを、図5Aに示すように、高レベルのコラーゲンα1( I)遺伝子発現を示さない。外科的処理を受けたが、生理食塩水のみが与えられ たラットからの組織試料は、図4Cに示すように高レベルのI型コラーゲン、お よび図5Cに示すように対応する高レベルのコラーゲンα1(I)遺伝子発現を 有する。 対照的に、ハロフギノンは外科的に処理したラットにおいてこれらの病理学的 プロセスを阻害した。外科的処理後にハロフギノンで処理したラットからのこれ らの試料は、図5Dに示すような低レベルのコラーゲンα1(I)遺伝子発現、 および図4Dに示すような低レベル のI型コラーゲンを共に示した。事実、遺伝子発現のレベルおよびコラーゲン自 体のレベルは、外科的処理を受けなかった対照ラットと区別できなかった。外科 的介入無くしてハロフギノン単独の投与は、コラーゲンのレベル(図4B)また はコラーゲン遺伝子発現のレベル(図5B)のいずれも有意に変化させなかった 。従って、明らかに、ハロフギノンは、外科的介入を受けたラットにおいて、コ ラーゲン遺伝子発現およびコラーゲン合成の病理学的過剰刺激を妨げた。 実施例3の手法に従って、子宮角癒着の数およびひどさに対するハロフギノン の効果も調べた。表2は外科的処理を受けたラットにおける癒着の数およびひど さに対するハロフギノン処理の結果を示す。略語「+Op、−H」はハロフギノ ン処理無くして外科的処理を受けたラットをいう。略語「+Op、+H」はハロ フギノン処理有りで外科的処理を受けたラットをいう。略語「−Op、−H」は 外科的を受けず、ハロフギノンを摂取しなかったラットをいう。略語「−Op、 +H」は外科的処理を受けなかったが、ハロフギノンを摂取したラットをいう。 ハロフギノンは1日置きの腹腔内注射(40μg/kg体重)として、または外 科的処理前1週間および外科的処理後の21日間ダイエット(10mg/kgダ イエット)中にて投与し、しかる後、ラットを犠牲とし、癒着の数およびひどさ 、ならびに体重を測定した。略語「n」はラットの数をいう。 明らかに、外科的処理を受けなかった対照ラットで癒着は見出されなかった。 癒着の数およびひどさは、共に、非処理ラットと比べて、ハロフギノン処理ラッ トにおいて、ほとんど、外科的処理を受けなかったラットで観察されたレベルま で鋭く低下した。従って、ハロフギノンは子宮角癒着の数およびひどさも低下さ せることができる。 表2 子宮角癒着に対するハロフギノンの効果 子宮角癒着の数およびひどさの低下の用量依存性を表3に示す。ハロフギノン は一日置きで示した用量にて腹腔内注射し、外科的処理の1週間前に開始し、外 科的処理後21日間継続した。略語「+Op、−H」はハロフギノン処理無くし て外科的処理を受けたラットをいう。略語「+Op、+H」はハロフギノン処理 有りで外科的処理を受けたラットをいう。略語「−Op、+H」は外科的処理を 受けなかったが、ハロフギノンを摂取したラットをいう。「体重増加(g)」とは 、平均±SEとしてグラム単位で表した平均体重増加をいう。略語「n」はラッ トの数をいう。欄内の共通の上付き文字の無い平均は、ダンカンの多重範囲テス トに従うと有意に異なる。 表3 子宮角癒着に対するハロフギノンの用量依存的効果 明らかに、表3の結果から、癒着の数およびひどさを減少させるハロフギノン の能力は用量依存的であり、ハロフギノンの用量が増加するにつれて癒着の数お よびひどさは減少する。平均体重増加は、ハロフギノン処理に拘わらず、外科的 処理を受けた全ての動物につき非常 に似ており、再度、ハロフギノンの効果は特異的であって、ラットの総じての幸 福のいずれの一般的低下ももたらさなかったことを示す。外科的処理を受けなか った動物につき小さな体重増加が観察された。従って、ハロフギノンは、明らか に、ラットの幸福のいずれの一般的低下も無くして、子宮角癒着の数およびひど さを低下させるのに高度に効果的である。 実施例6 創傷治癒に対するハロフギノンの効果 まず照射し、次いで創傷させたマウスを用いることによって、創傷治癒に対す るハロフギノンの効果を調べた。図6に示すように、ハロフギノン処理は創傷し 照射された皮膚のコラーゲン含有量の低下を引き起こしたが、創傷は依然として 治癒された。 実験は以下の通りに行った。まず、12−14週齢のCH3のはっきりとした 微生物叢で病原体フリーの雌マウスを60mg/kgペントバルビタールナトリ ウムで麻酔した。次いで、マウスの毛を剃った。次いで、1の群のマウスを以下 の通りに照射した。まず、約40mm長および約20mm幅の皮膚弁を、照射ジ グの鉛カバー中のスリットを通して引き、皮膚弁のみを露出させた。次いで、1 .0Gy/分の用量率にて、2mmCuフィルター付きの175kVp/20m Aオルトボルテージ(orthovoltage)X−線源を用いることによって、この露出 した皮膚を照射した。 次いで、背中下部の中線に沿って皮膚を約25mm長で全深切開することによ って、全てのマウスを創傷させた。照射動物については、照射の直後に、照射し た領域内に創傷を作成したことに注意されたい。全てのマウスにつき、2日後に 除去した3−4個の金属製創傷閉鎖クリップによって、切開を直ちに閉じた。 創傷後、マウス当たりハロフギノン1μgまたは対照としての生理食塩水いず れかにて、マウスに一日置きに腹腔内注射した。14日後、 最後の注射の2日後に、マウスを犠牲にし、皮膚試料をリン酸緩衝生理食塩水( PBS)に収集し、4℃にてPBS中の4%パラホルムアルデヒド中で固定した 。試料を等級エタノール溶液中で脱水した後に系列5μm切片を調製し、クロロ ホルム中で清澄化し、パラフィン中に包埋した。切片をキシレン中で脱パラフィ ン化し、エタノール溶液の等級シリーズを介して再度脱水し、蒸留水中ですすぎ 、50mMトリス−HCl、5mM EDTA中の0.125mg/mlプロナ ーゼで10分間処理した。浸出後、スライドを蒸留水中ですすぎ、PBS中の1 0%ホルマリン中で後固定し、0.2%グリシン中でブロックし、再度蒸留水中 ですすぎ、等級エタノール溶液を介して迅速に脱水し、数時間風乾した。次いで 、試料をヘマトキシリン−コジンで染色した(図6A−D)。免疫組織化学は、ラ ットI型コラーゲン(Laboratoire de Pathologie Cellulaire,Institut Pasteu r de Lyon,リヨン,フランス国)および二次ラット抗−ウサギFITCコンジュ ゲーテッドMcAbに対する特異的ウサギ免疫血清で行った(図6E−H)。 図6Aおよび6Eは、生理食塩水で処理したマウスの創傷から採取した組織を 示す。図6Bおよび6Fは、ハロフギノンで処理したマウスの創傷から採取した 組織を示す。図6Cおよび6Gは、生理食塩水で処理した照射マウスの創傷から 採取した組織を示す。図6Dおよび6Hは、ハロフギノンで処理した照射マウス の創傷から採取した組織を示す。本質的には、図6Gはコラーゲン含有量が照射 マウスの創傷でより高かったことを示す。しかしながら、図6Hはコラーゲン含 有量がハロフギノンでの処理によって有意に低下したことを示す。しかし、コラ ーゲン含有量に拘わらず、これらの創傷の全ては治癒した。 創傷強度は、ラット(照射せず)の1つの群のみが創傷作成後にハロフギノン の1つの注射を摂取した以外は、実質的に前記したようにラットを調製すること によって評価した。創傷の強度は以下の通りに測定した。まず、ほぼ20mm長 および16mm幅である、および創 傷の主要部分を含む皮膚の四角片は犠牲にしたラットから切り出した。次に、皮 膚を創傷に対して垂直に切断して、7片の皮膚が得られ、その各々は2mm幅で あった。皮膚片を紙補強フレームの間に固定し、25mm/分の一定速度で引っ 張るためのインストロン張力計に負荷した。次いで、破裂点を記録した。ハロフ ギノンを摂取しなかった非照射動物(第1欄)、ハロフギノンの1回(第2欄)ま たは6回(第3欄)注射を摂取した非照射動物、ハロフギノンを摂取しなかった 照射動物(第4欄)およびハロフギノンの6回注射を摂取した照射動物(第5欄 )につき、データを図7に示す。 図7は、明らかに、動物が照射されたか否かを問わず、ハロフギノンが創傷強 度を低下させなかったことを示す。しかしながら、前記したように、先行技術は 創傷強度についてのコラーゲンの重要性を教示し、従って、ハロフギノンはこの ような創傷強度を低下させることが予測されたであろう。従って、図6および7 に示された結果は、明らかに、新規であって非自明であり、ならびに先行技術と は反対の教示である。というのは、ハロフギノンは創傷強度を低下させないから である。 実施例7 ハロフギノンの投与についての適当な処方 ハロフギノンは当該分野でよく知られた多数の方法にて対象に投与することが できる。以後、「対象」なる用語は、ハロフギノンが投与されたヒトまたは下等 動物をいう。例えば、投与は、局所(眼内、膣内、直腸、鼻孔内を含む)、経口、 または非経口、例えば、静脈内点滴または腹腔内、皮下または筋肉内注射により 行うことができる。 局所投与用の処方は、ローション剤、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、滴剤、液 剤、スプレー剤および散剤を含むことができるが、それらに限定されるものでは ない。通常の医薬担体、水性、粉末もしくは油性基剤、増粘剤等は必要であるか 、あるいは望ましいであろう。 経口投与用の組成物は、散剤もしくは顆粒剤、水中もしくは非水媒体中の懸濁 剤もしくは溶液剤、カシェ剤、カプセル剤または錠剤を含む。増粘剤、希釈剤、 フレーバー剤、分散助剤、乳化剤または結合剤は望ましいであろう。 非経口投与用の処方は、緩衝剤、希釈剤および他の適当に添加剤も含有するこ とができる滅菌水性溶液を含むことができるが、これらに限定されるものではな い。 投与は、徴候のひどさに、およびハロフギノンに対する対象の応答性に依存す る。当業者であれば、最適用量、投与方法および反復速度を容易に決定できるで あろう。 実施例8 瘢痕および癒着の処置の方法 前記したように、ハロフギノンは、瘢痕および癒着の形成の効果的阻害剤であ ることが示された。以下の実施例は、瘢痕および癒着をハロフギノンで治療する 方法を例示するに過ぎず、限定的であることを意図するものではない。 該方法は、実施例7に記載された医薬上許容される担体中にてハロフギノンを 治療すべき対象に投与する工程を含む。ハロフギノンは、好ましくは、対象にお ける臨床的徴候の不存在のごとき、所定の終点に到達するまで、効果的な投与方 法に従って投与される。例えば、もし対象が既に癒着を有しているならば、終点 は癒着のサイズの低下またはその排除とすることができよう。 また、ハロフギノンは瘢痕および癒着の形成を実質的に防止するために外科的 処理前に対象に投与される予備処置としても使用することができる。勿諭、この ような予備処置は、計画された外科的処理に最も効果的であろう。というのは、 それはハロフギノンが外科的処理前に十分な時間で投与されて最も効果的となる のを可能とするからである。 以後、「処置」なる用語は、病理学的疾患が生起する前の予備処置、および疾 患が生起した後の処置を共に含む。例えば、癒着の処置は癒着の発生の前および 後双方におけるハロフギノンの投与を共に含むであろう。「処置する」なる用語 は、病理学的疾患が生起した後に対象を処置すること、および病理学的疾患の発 症を予防することを共に含む。 処置のもう1つの方法は、単独での、あるいは好ましくは炎症病の治療のため の抗生物質と組み合わせたハロフギノンの投与を含むであろう。このような処置 は、癒着形成が婦人の生殖器官における細菌感染によって誘導される骨盤炎症病 の治療で特に有用であろう。 処理のさらにもう1つの方法は、目中の瘢痕形成の予防のための、医薬上許容 される担体中にてのハロフギノンの投与を含むであろう。目中の瘢痕形成は患部 目からの視力の喪失に導き得るので特に問題である。しかしながら、瘢痕形成の 最も広く使用される阻害剤であるステロイドは、単純庖疹ウイルスによる感染の ような、ウイルスの視覚感染の存在下では使用することができない。ステロイド はこのようなウイルスの増殖を促進し、ウイルス視覚感染を有する目外科的処理 を受けている対照にとって該ウイルスを危険なものとする。従って、目中での瘢 痕形成を阻害できるが、ウイルス増殖を促進しない化合物に対する医療的要望が ある。ハロフギノンは瘢痕形成を阻害するがウイルス増殖を促進しないことが示 されたので、その要望を満足させる。 実施例9 ハロフギノン含有試薬の製造方法 以下はハロフギノンを製造する方法の例である。まず、良好な医薬製造プラク ティスに従ってハロフギノンを合成する。ハロフギノンおよび関連キナゾリノン 誘導体を合成する方法の例は米国特許第3,338,909号に与えられる。次 に、再度、良好な医薬製造プラクティスに従って、前記実施例7に記載したよう に、ハロフギノンを適当な医薬担体中に配合する。 限定された数の具体例に関して本発明を記載してきたが、本発明の多くの変形 、修飾および他の適用を施すことができるのは認識されよう。
【手続補正書】 【提出日】平成11年8月23日(1999.8.23) 【補正内容】 請求の範囲 1.医薬上許容される担体と組み合わせて医薬上有効量の化合物を含み、該化 合物が式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニルおよ び低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシよりなる群のメンバーである] を有する群のメンバーまたはその医薬上許容される塩であることを特徴とする、 癒着治療用の組成物。 2.該化合物がハロフギノンまたはその医薬上許容される塩である、請求項1 記載の組成物。 3.医薬上許容される担体に医薬上有効量の化合物を配合する工程を含み、該 化合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する群のメンバーまたはその医薬上許容される塩であることを特徴とする、 癒着を治療するための医薬の製造方法。 4.癒着の形成を阻害するための、外科的手法の実質的な実行前における治療 用の医薬の製造方法であって、当該方法は医薬上許容される担体に医薬上有効量 の化合物を配合する工程を含み、該化合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する群のメンバーまたはその医薬上許容される塩であることを特徴とする該 方法。 5.癒着の形成を阻害するための、外科的手法の実質的な実行前に治療するた めの組成物であって、当該組成物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する化合物またはその医薬上許容される塩の医薬上有効量を含むことを特徴 とする該組成物。 6.癒着の形成によって特徴付けられる炎症性病の治療用の医薬の製造方法で あって、当該方法は医薬上許容される担体に有効量の化合物を配合する工程を含 み、該化合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する化合物またはその医薬上許容される塩であることを特徴とする該方法。 7.該炎症性病が骨盤炎症性病である、請求項6記載の方法。 8.医薬上有効量の式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する化合物またはその医薬上許容される塩を含む癒着の形成によって特徴付 けられる炎症性病の治療のための組成物。 9.該炎症性病が骨盤炎症性病である、請求項8記載の組成物。 10.さらに抗生物質を含む、請求項9記載の組成物。 11.医薬上許容される担体に医薬上有効量の化合物を配合する工程を含み、 該化合物が式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する化合物またはその医薬上許容される塩であることを特徴とする瘢痕形成 の予防用の医薬の製造方法。 12.医薬上有効量の式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する化合物またはその医薬上許容される塩を含む瘢痕の形成を予防するため の組成物。 13.該組成物が創傷強度を低下させることなく瘢痕の形成を予防する、請求 項12記載の組成物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA, UG,UZ,VN (72)発明者 ネイグラー アーノン イスラエル エルサレム 74381 スデロ ット ヘルツル 46

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.医薬上許容される担体と組み合わせて医薬上有効量の化合物を含み、該化 合物が式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニルおよ び低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシよりなる群のメンバーである] を有する群のメンバーまたはその医薬上許容される塩であることを特徴とする、 癒着治療用の組成物。 2.該化合物がハロフギノンまたはその医薬上許容される塩である、請求項1 記載の組成物。 3.医薬上許容される担体に医薬上有効量の化合物を配合する工程を含み、該 化合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する群のメンバーまたはその医薬上許容される塩であることを特徴とする、 癒着を治療するための医薬の製造方法。 4.癒着の形成を阻害するための、外科的手法の実質的に実行前における治療 用の医薬の製造方法であって、当該方法は医薬上許容される担体に医薬上有効量 の化合物を配合する工程を含み、該化合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する群のメンバーまたはその医薬上許容される塩であることを特徴とする該 方法。 5.癒着の形成を阻害するための、外科的手法の実行の実質的前に治療するた めの組成物であって、当該組成物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する化合物またはその医薬上許容される塩の医薬上有効量を含むことを特徴 とする該組成物。 6.癒着の形成によって特徴付けられる炎症性病の治療用の医薬の製造方法で あって、当該方法は医薬上許容される担体に有効量の化合物を配合する工程を含 み、該化合物は式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する化合物またはその医薬上許容される塩であることを特徴とする該方法。 7.該炎症性病が骨盤炎症性病である、請求項6記載の方法。 8.医薬上有効量の式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する化合物またはその医薬上許容される塩を含む癒着の形成によって特徴付 けられる炎症性病の治療のための組成物。 9.該炎症性病が骨盤炎症性病である、請求項8記載の組成物。 10.さらに抗生物質を含む、請求項9記載の組成物。 11.医薬上許容される担体に医薬上有効量の化合物を配合する工程を含み、 該化合物が式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する化合物またはその医薬上許容される塩であることを特徴とする瘢痕形成 の予防用の医薬の製造方法。 12.医薬上有効量の式: [式中、R1は水素、ハロゲン、ニトロ、ベンゾ、低級アルキル、フェニル、お よび低級アルコキシよりなる群のメンバーであり、 R2はヒドロキシ、アセトキシおよび低級アルコキシよりなる群のメンバーで あり、 R3は水素および低級アルケノキシ−カルボニルよりなる群のメンバーである ] を有する化合物またはその医薬上許容される塩を含む瘢痕の形成を予防するため の組成物。
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