JP2003504412A - IgEをダウンレギュレーションするための小ペプチドおよび方法 - Google Patents

IgEをダウンレギュレーションするための小ペプチドおよび方法

Info

Publication number
JP2003504412A
JP2003504412A JP2001510474A JP2001510474A JP2003504412A JP 2003504412 A JP2003504412 A JP 2003504412A JP 2001510474 A JP2001510474 A JP 2001510474A JP 2001510474 A JP2001510474 A JP 2001510474A JP 2003504412 A JP2003504412 A JP 2003504412A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ige
phe
cells
mice
tyr
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001510474A
Other languages
English (en)
Inventor
クラゲツト,ジエイムズ
Original Assignee
ヒスタテツク・エル・エル・シー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ヒスタテツク・エル・エル・シー filed Critical ヒスタテツク・エル・エル・シー
Publication of JP2003504412A publication Critical patent/JP2003504412A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/04Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • A61K38/07Tetrapeptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/04Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • A61K38/06Tripeptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • A61P11/06Antiasthmatics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/08Antiallergic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 IgEレベルをダウンレギュレーションするための方法が記載される。この方法は、IgEをダウンレギュレーションするのに効果的な量の、式f−Met−Leu−X(式中、Xは、Tyr、Tyr−Phe、Phe−PheおよびPhe−Tyrからなる群から選択される)を有するペプチドを患者に投与することを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、IgEのダウンレギュレーション活性を有する小ペプチド(特に、
N−ホルミル−メチオニルペプチド)に関し、そしてIgE媒介応答から生じる
適応症を処置するための方法に関する。より詳細には、本発明のペプチドは、コ
ルチコステロイドが使用されている適用のいずれかにおいてコルチコステロイド
の代用として使用することができる。
【0002】 (発明の背景) 免疫グロブリンE(IgE)は、ヒトに存在する5種類の抗体クラスの1つで
あり、そして免疫グロブリンEはアレルギー反応を引き起こす免疫グロブリンで
あることが30年以上も前から知られている。IgEは、抗原が侵入したときに
B細胞により産生され、そして分泌される。しかし、IgEは、ヒト血清におい
て抗体全体の小さい割合(IgGの10mg/mlと比較して50〜300ng
/ml)を構成するにすぎず、従って、抗原を直接中和するのに十分な量で存在
していない。その代わり、その作用は細胞の標的受容体によって増幅され、そし
て抗原に対する広範囲の細胞応答を誘発し、それにより、炎症、かゆみ、咳、流
涙、気管支収縮、粘液分泌、嘔吐および下痢をもたらす。これらのすべての症状
は、一般に、アレルギー性疾患に関連している。
【0003】 即時的な過敏性反応は、マスト細胞および好塩基球に見出される高親和性Ig
E受容体(FcεRI)によって開始される。FcεRIに結合したIgEに対
してアレルゲンが結合することにより、受容体分子の架橋が細胞膜上で引き起こ
される。これにより、細胞の脱顆粒が開始され、そしてアレルギー応答の即時期
に関連する様々なヒスタミンおよび他の媒介因子のその後の放出が開始される。
マスト細胞脱顆粒のこれらの産生物は炎症性細胞の活性化を引き起こし、さらに
、CD23としても知られている低親和性のIgE受容体(FcεRII)を誘
導する。FcεRIIは、活性化されたB細胞;様々な炎症性細胞(マクロファ
ージ、好酸球、血小板、ナチュラルキラー細胞)、T細胞、濾胞樹状細胞(FD
C)、骨髄および胸腺のランゲルハンス細胞および上皮細胞に見出され得る(D
elespesse他、Adv.Immun.49:149〜190、1991
;Delespesse他、Immunol.Rev.125:78〜97、1
992)。B細胞の表面において、FcεRIIは、T細胞に対するIgE依存
的な抗原提示における役割を果たし、そしてB細胞を架橋することにおける役割
もまた果たしている。FDC上において、FcεRIIは大量に発現し、従って
、リンパ節および脾臓における二次濾胞の胚中心へのB細胞の動員に関与してい
る。FcεRIIが炎症性細胞に発現した場合、FcεRIIは、単球による免
疫複合体の食作用などのIgEに依存した細胞傷害的活性を生じさせると考えら
れている。可溶性のFcεRII(sFcεRII)もまた、形質細胞、T細胞
および好塩基球の前駆体の成長および分化を開始させることによって、ホルモン
および細胞により媒介される免疫応答を開始させることができる。
【0004】 B細胞のIgE分泌形質細胞への分化は、リンパ節および脾臓における二次濾
胞の胚中心において主として生じていると考えられる、様々なサイトカインおよ
び表面分子の複雑なシグナル伝達カスケードを伴う。表面分子は、IgEの産生
を開始させるために必要な、B細胞とT細胞およびマスト細胞との物理的な相互
作用を生じさせるために必須である。これらの表面分子は、CD40リガンド(
CD40L)およびFcεRIIである。2型Tヘルパー細胞(Th)が抗原
提示細胞(APC)にさらされたときに活性化された場合、2型Tヘルパー細胞
はCD40Lを一時的に発現する。CD40LはB細胞上のCD40と相互作用
し、この結果、B細胞が活性化される。活性化されたTh細胞は、IL−4お
よびIL−13などの様々なサイトカインを分泌し、これらのサイトカインが活
性化されたB細胞に作用して、IgE産生に切り替える。さらに、IL−4がB
細胞および炎症性細胞におけるFcεRII発現をアップレギュレーションし、
これにより接触刺激および可溶性増殖因子のさらなる供給源がもたらされる。
【0005】 マスト細胞および好塩基球もまたIL−4を分泌し、CD40Lを発現し、従
って、IL−4の存在下でB細胞と物理的に相互作用したときにB細胞によるI
gE合成を、Th細胞と同様な様式で誘導し得る。IgE産生に関与する様々
なタイプの細胞の組織分布を考慮すれば、IgE合成は、皮膚、肺および腸にお
いても生じ得ることが考えられる。
【0006】 IgE合成のアップレギュレーションおよびアポトーシスからの胚中心B細胞
の救援が、B細胞の膜に結合したIgEおよび補体受容体2(CR2)(これは
またCD21とも呼ばれている)をsFCεRIIにより架橋することによって
媒介される。CR2は、B細胞、FDCならびにいくつかのT細胞および好塩基
球に見出される高度にグリコシル化された膜タンパク質である。sFCεRII
は、B細胞上のCR2を始動させて、IgE合成を高めることによってIgE合
成の正のフィードバック制御に関与することができ、同時に、IgEで感作され
たB細胞の生存をも促進することができる。
【0007】 IgE産生の活性化は2つの異なる状況をもたらし得る。アレルゲンにされさ
れたことによる急性の炎症が、ヒスタミン類、エイコサノイド類、血小板活性化
因子、酸素フリーラジカル、神経ペプチドおよびサイトカイン類を含む前炎症性
媒介因子を放出するマスト細胞、気道マクロファージおよび気管支上皮細胞の迅
速な活性化を伴う初期反応とともに開始される。これらの媒介因子は、気道平滑
筋の収縮、粘液の分泌および血管拡張を誘導し得る。気道の炎症は、微小血管か
らの漏出を増大させ、気道への血漿滲出をもたらす。気道壁の厚壁化および気道
内腔の狭小化が生じる。
【0008】 後期反応において、末梢血液細胞が気道内に動員され、慢性型の炎症が確立さ
れる。そのような細胞には、好酸球、リンパ球および単球が含まれ、動員は、I
L−5および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMC−SF)などのサ
イトカインに依存している。RANTESおよびエオタキシンなどのケモカイン
もまた好酸球の動員を増強すると考えられる。炎症部位において、これらの細胞
が活性化され、そしてそれらの生存が、GMC−SFなどの因子により媒介され
る低下したアポトーシスによって増大する。
【0009】 喘息に対する処置は、従来は疾患の重症度および持続性に基づいている。急性
の断続的な症状の場合、処置は、一般に、気管支拡張剤を伴う。気管支拡張剤に
は、β−アドレナリン作動性アゴニスト、メチルキサンチン類および抗コリン作
動薬が含まれる。これらの薬剤は、喘息患者の気道閉塞を改善し得るが、気道の
炎症または気管支の反応亢進性を低下させることにおいては効果的でないようで
ある。より近年には、ロイコトリエン阻害剤が、軽度〜中程度の喘息を処置する
ために利用できるようになっている。様々なロイコトリエンが5−リポキシゲナ
ーゼ代謝経路によってアラキドン酸から生成し、そしてこれらは強力な気管支収
縮性を有することが以前から知られている。アナフィラキシーのこれらのいわゆ
る遅速反応性物質(「SRS−A」)もまた、様々な白血球の血管への遊走、接
着および凝集を誘導し、肺における毛細管透過性、間質性水腫の形成、白血球の
走化性、粘液産生、粘膜線毛の機能不全、および気管支痙攣を増大させる。特に
、ロイコトリエンD(LTD)が、気道でのこの活性に主に関わっているよ
うであり、気道の平滑筋細胞における特定の受容体を介して作用している。シス
テイニルロイコトリエン類を含む様々なロイコトリエンが、IgEによって媒介
されるマスト細胞の脱顆粒のときに放出される。
【0010】 ロイコトリエン阻害剤は2つのクラスから構成される:1つは、ロイコトリエ
ンの合成に必要な5−リポキシゲナーゼ(5−LO)の活性を阻害することによ
ってロイコトリエン類の合成を阻止する阻害剤であり、もう1つは、平滑筋細胞
におけるLTD受容体を競合的に阻止する阻害剤である。ジロイチン(zil
eutin)は、利用可能になった最初の5−LO阻害剤である。ザフィルルカ
スト(zafirlukast)は、承認されようとしている最初のLTD
容体アンタゴニスであり、同時にモネルカスト(monelukast)および
プランルカスト(pranlukast)などの他の阻害剤が現在臨床試験中で
ある。これらのロイコトリエン阻害剤は、これまでのところ軽度の持続性喘息を
処置するために使用されているが、より重症な形態の喘息には有効性が未だ証明
されていない。
【0011】 抗炎症剤が、現在、より重症で持続性の形態の喘息を処置するために用いられ
ている。抗炎症剤として分類される薬剤には、テオフィリン、様々なコルチコス
テロイド、クロモリンナトリウムおよびネドクロミルナトリウムが含まれる。特
に、コルチコステロイドは、気管支の亢進性反応性および重症な悪化状態を低下
させることにおいてより効果的であると考えられる。コルチコステロイドは、好
酸球の動員を抑制することによって、サイトカインおよびケモカインの産生を阻
害することによって、そして好酸球のアポトーシスを誘導することによって作用
する。コルチコステロイドはまた、気道の水腫および気管支漏を妨げるように作
用し、従って、吸入コルチコステロイドは、慢性の喘息患者に対する最も一般的
な処置である。吸入コルチコステロイドには、ベクロメタゾン、フルニソリド、
トリアムシノロン、フルチカゾンおよびブデソニドが含まれる。慢性的な喘息の
場合、β−アゴニストが気管支の閉塞を一時的に改善し得る場合を除き、β −アゴニストは効果的でない。従って、最適な処置は、吸入コルチコステロイド
および長期間作用するβ−アゴニストの両方を組み合わせることであり得る。
しかし、コルチコステロイドの潜在的な副作用には、口腔咽頭カンジダ症、発声
障害、副腎抑制、小児における生育遅延、皮膚の薄化、骨粗鬆症、緑内障および
白内障が含まれる。さらに、これらのコルチコステロイドの「有効対毒性」用量
の関係は、現時点では不明である。
【0012】 IgEシグナル伝達経路の下流の事象を標的化することに加えて、いくつかの
新しい治療方法が、IgEおよびその合成に直接介入するために開発されつつあ
る。アレルギー反応を導く複雑なネットワークにおいてIgEが果たす中心的な
位置により、IgEを除くか、または受容体に対するIgEの結合を阻止するこ
とを標的とする治療は、実際にはアレルギー応答を完全に妨げることが示唆され
る。依然としてその初期段階にあるが、ある程度の成功が、IgEに対するモノ
クローナル抗体を使用することによって示されている。Fahy他(Am.J.
Respir.Crit.Care med.155:1828〜1834、1
997)は、IgEに対して開発されたヒト化ネズミモノクローナル抗体は遊離
のIgEを低下させ、そしてアレルゲン刺激に対する初期応答および後期応答の
両方を阻止することに成功したことを報告している。FcεRIに対する結合に
必要なIgEの一部の領域を標的とする抗IgE抗体は、IgEがその受容体に
結合することを阻止するだけでなく、好塩基球およびマスト細胞においてFcε RIに結合したIgEが架橋されることにより誘導されるマスト細胞の脱顆粒お
よびアナフィラキシーをも妨げる。2つのそのような抗IgE抗体が現在試験中
である(MacGlashan他、J.Immunol.158:1438〜1
445、1997;Corne他、J.Clin.Invest.99:879
〜887、1997)。今までのところ、それらは血清中のIgE濃度を低下さ
せ、そしてまた好塩基球におけるFcεRIのレベルを低下させているようであ
る。このことは、IgEに依存する応答を、循環しているIgEのレベルを調節
することによって変化させることができることを示唆している。
【0013】 今までの処置は、典型的には、IgEの活性化から生じる下流の事象に集中し
ている。従って、IgEによって媒介される応答を処置するために、IgEレベ
ルを調節する処置を開発することが望ましい。N−ホルミル−メチオニル−ロイ
シル−フェニルアラニンおよびペプスタチンなどの走化性ペプチドがマスト細胞
の脱顆粒を阻害することが報告されている(Inflammation、第5巻
第1号、13頁〜16頁、1981)。本発明のペプチドは、IgEレベルをダ
ウンレギュレーションし、従って、様々なIgE媒介応答を調節するために使用
することができる。
【0014】 (発明の開示) 本発明は、IgEダウンレギュレーション活性を有するN−ホルミル−メチオ
ニル−ロイシル(「f−Met−Leu」)ペプチドを好適な薬理学的キャリア
中に含有する薬学的組成物を使用して、IgE媒介応答から生じる様々な適応症
を処置するための方法を提供する。特に有用なペプチドは、式f−Met−Le
u−X(式中、Xは、Tyr、Tyr−Phe、Phe−PheおよびPhe−
Tyrからなる群から選択される)を有するペプチドである。本発明のペプチド
は、コルチコステロイドが使用されている適用のいずれかにおいてコルチコステ
ロイドの代用として使用することができる。
【0015】 本発明により、哺乳動物におけるIgE媒介応答を処置するための方法は、I
gEをダウンレギュレーションするのに効果的な量の、式f−Met−Leu−
X(式中、Xは、Tyr、Tyr−Phe、Phe−PheおよびPhe−Ty
rからなる群から選択される)を有するペプチドを哺乳動物に投与することを含
む。
【0016】 本発明はまた、IgEに対する膜結合型受容体または可溶性受容体をダウンレ
ギュレーションするための方法を提供する。この方法は、IgE受容体をダウン
レギュレーションするのに効果的な量の、式f−Met−Leu−X(式中、X
は、Tyr、Tyr−Phe、Phe−PheおよびPhe−Tyrからなる群
から選択される)を有するペプチドを患者に投与することを含む。
【0017】 本発明はさらに、形質細胞によるIgE分泌を阻害するための方法を提供する
。この方法は、IgE分泌を阻害するのに効果的な量の、式f−Met−Leu
−X(式中、Xは、Tyr、Tyr−Phe、Phe−PheおよびPhe−T
yrからなる群から選択される)を有するペプチドを患者に投与することを含む
【0018】 別の実施形態により、本発明は、CD40Lの発現をダウンレギュレーション
するための方法を提供する。この方法は、CD40Lをダウンレギュレーション
するのに効果的な量の、式f−Met−Leu−X(式中、Xは、Tyr、Ty
r−Phe、Phe−PheおよびPhe−Tyrからなる群から選択される)
を有するペプチドを患者に投与することを含む。
【0019】 本発明のいくつかの好ましい実施形態において、患者は、本発明のペプチドを
もう1つの有効成分と組み合わせて投与することによって利益を受けることがで
きる。本発明によるそのような組合せに対する特に有用な他の有効成分は、例え
ば、抗ロイコトリエン剤、β−アゴニストおよびコルチコステロイドなどであ
る。
【0020】 (図面の簡単な説明) 図1は、急性喘息マウスにおけるOVA特異的な血清IgEレベルに対するH
K−Xの様々な投薬量の効果を例示する対数用量応答曲線である。
【0021】 図2は、50μgのHK−Xが投与された急性喘息マウスに由来する肺切片を
示す。限定された細胞浸潤が(A)および(B)に存在し、限定された粘液蓄積
が(C)に存在した。
【0022】 図3は、10μgのHK−Xが投与された急性喘息マウスに由来する肺切片を
示す。非常に少数の細胞が気道に結合し(A)および(B)、粘液は気道上皮細
胞層(C)の表面に限定されていた。
【0023】 図4は、1μgのHK−Xが投与された急性喘息マウスに由来する肺切片を示
す。治療効果は、細胞浸潤の増大(A)、および気道への粘液分泌の増大(B)
および(C)により損なわれた。
【0024】 図5は、生理食塩水(A)またはビヒクル(0.05%DMSO)(B)のい
ずれかで抗原刺激されたOVA免疫化マウスに由来する肺切片を示す。粘液分泌
は気道で検出されなかった(C)。
【0025】 図6は、慢性喘息マウスモデルを確立する際に使用された免疫化および処置法
の概略図である。
【0026】 図7は、慢性喘息マウスの肺における肉芽腫の数を例示するヒストグラムであ
る。
【0027】 図8は、6ヶ月にわたってOVAで毎週免疫化され、そしてHK−Xまたは生
理食塩水のいずれかで処置されたマウスに由来する慢性的な喘息マウスの肺切片
の組織学を示す。(A)はコントロールマウスの肺組織学を示し、(B)は、H
K−Xで処置されたマウスの組織学を示し、(C)は、OVAで抗原刺激された
未処置マウスの組織学を示す。
【0028】 図9は、コラーゲンフィブリルの慢性的な喘息のマウス肺組織蓄積の光学顕微
鏡写真を示す。(A)は、生理食塩水が投与されたコントロールマウスの肺切片
を示し、(B)は、HK−Xで処置されたマウスの肺切片を示し、(C)は、O
VAで抗原刺激された未処置マウスの肺切片を示す。
【0029】 図10は、OVAで慢性的に免疫化され、かつ生理食塩水で処置されたマウス
の肺切片を示す。
【0030】 図11は、OVAで慢性的に免疫化され、かつビヒクル(0.5%DMSO)
で処置されたマウスの肺切片を示す。
【0031】 図12は、慢性喘息における組織形態測定を例示するヒストグラムである。
【0032】 図13は、様々な処置の後における慢性喘息マウスの気道における粘液含有細
胞の頻度を例示するヒストグラムである。
【0033】 図14は、慢性喘息マウスの肺における好酸球および好塩基球の浸潤に対する
様々な処置の効果を例示するヒストグラムである。
【0034】 図15は、急性喘息マウスモデルにおけるHK−Xおよびデキサメタゾンによ
る免疫化および処置プロトコルの概略図である。
【0035】 図16は、OVA特異的なIgEレベルに対するデキサメタゾンおよびHK−
Xの鼻内投与の効果を比較するヒストグラムである。
【0036】 図17は、急性喘息マウスモデルにおけるHK−Xおよび対照ペプチドよる免
疫化および処置プロトコルの概略図である。
【0037】 (発明の詳細な説明) 本発明により、式f−Met−Leu−X(式中、Xは、Tyr、Tyr−P
he、Phe−PheおよびPhe−Tyrからなる群から選択される)を有す
るいくつかの小ペプチドが、IgEのレベルをダウンレギュレーションすること
に関して驚くべき活性を有していることが見出された。その結果、そのようなペ
プチドは、IgE媒介応答から生じる様々な適応症を処置するために有用である
。本発明のペプチドは、コルチコステロイドが使用されている適用のいずれかに
おいてコルチコステロイドの代用として使用することができる。
【0038】 好ましいペプチドは、本発明により、血中IgEレベルを低下させ、そして例
えば、マクロファージ、単球、好酸球、好中球、TNFなどのリンパ球のIgE
活性化を阻止する。
【0039】 好ましい実施形態において、本発明のペプチドによる処置の後では、持続した
マスト細胞の脱顆粒、およびロイコトリエン類、ヒスタミン類および他のサイト
カイン類のその放出もまた低下するか、または完全に停止させられる。本発明の
好ましい実施形態により、ペプチドはまた、好酸球、好塩基球および好中球の炎
症組織への浸潤を低下させることができる。リンパ球、好酸球および好中球は、
本発明の好ましいペプチドに応答して走化性を示さない。その結果、リンパ球、
好酸球および好中球の炎症部位への走化的な接着、遊走および凝集が、炎症部位
における血管透過性が低下するように著しく低下する。さらに、本発明の好まし
い化合物は、心臓、肝臓および肺などの生命に必要な器官に対する毒性を示さな
い。
【0040】 本発明のペプチドは、従来の小ペプチド化学技術によって調製することができ
る。ペプチドが投与のために使用される場合、ペプチドは、薬学的に受容可能な
キャリアまたは希釈剤を用いて無菌条件のもとで調製される。
【0041】 薬学的組成物は、好都合には、単位投薬形態で提供されてもよく、そして処置
され得るIgE媒介応答から生じるそれぞれのタイプの適応症に対して調製され
得る。組成物は、薬学の分野でよく知られている方法のいずれかによって調製さ
れ得る。方法は、典型的には、本発明の有効成分を、1つまたは2つ以上の補助
成分を構成するキャリアと一緒にする工程を含む。
【0042】 例えば、薬学的組成物の用量は、対象者、処置すべき適応症のタイプに依存し
て、そして使用される特定の投与経路に依存して変化する。活性なペプチドの投
薬量は、急性のIgE媒介応答を処置する場合には、1日あたり0.1μg/k
g〜100,000μg/kgであり、より好ましくは1μg/kg〜10,0
00μg/kgであり得る。最も好ましい投薬量は、約1μg/kg体重〜10
0μg/kg体重の範囲であり、より好ましくは約1μg/kg〜20μg/k
gの範囲であり、最も好ましくは10μg/kg〜20μg/kgの範囲である
。活性なペプチドの投薬量は、慢性のIgE媒介応答を処置する場合には、1日
あたり0.1μg/kg〜100,000μg/kgであり、より好ましくは1
μg/kg〜10,000μg/kgであり得る。最も好ましい投薬量は、約1
μg/kg体重〜1000μg/kg体重の範囲であり、より好ましくは約1μ
g/kg〜100μg/kgの範囲であり、最も好ましくは50μg/kg〜7
0μg/kgの範囲である。投薬は、状態の重篤度に依存して、典型的には、1
日に1回から、4時間〜6時間毎に行われる。急性状態の場合には、ペプチドを
4時間〜6時間毎に投与することが好ましい。維持する場合には、1日に1回ま
たは2回だけ投与することが好ましいと考えられる。好ましくは、約0.18m
g〜約16mgのペプチドが、投与経路および状態の重篤度に依存して、1日あ
たり投与される。特定の組成物の多回用量を送達するために所望される時間間隔
は、日常的にすぎない実験を用いて当業者によって決定され得る。
【0043】 投与経路には、経口的、非経口的、直腸的、膣内、局所的、鼻的、眼的、直接
的な注射などが含まれる。好ましい実施形態において、本発明のペプチドは、I
gEをダウンレギュレーションするのに効果的な量で患者に投与される。例示的
な薬学的組成は、IgEをダウンレギュレーションする効果をもたらす本発明に
よるペプチドのIgE調節有効量である。これは、典型的には薬学的に受容可能
なキャリアに含まれる。
【0044】 本明細書中で使用され、そしてより詳しくは下記に記載されている用語「薬学
的に受容可能なキャリア」には、ヒトまたは他の動物への投与に好適な、1つま
たは2つ以上の適合し得る固体または液体の賦形希釈剤またはカプセル化物質が
含まれる。従って、本発明において、用語「キャリア」は、適用を容易にするた
めに本発明の分子が一緒にされる有機成分または無機成分(天然物または合成物
)を意味する。用語「IgE調節有効量(IgE modulating−ef
fective amount」は、IgEをダウンレギュレーションする効果
を処置されている特定の状態に対して生じさせる本発明の薬学的組成物のそのよ
うな量である。様々な濃度を、処置される患者の年齢、状態の重篤度、処置の継
続期間および投与様式における変動に備えるために、同じ成分が配合されている
組成物を調製する際に使用することができる。
【0045】 キャリアはまた相容性でなければならない。本明細書中で使用されている用語
「相容性」は、所望する薬学的効力を実質的に損なわないような様式で、薬学的
組成物の構成成分が、本発明の小ペプチドと、そして相互に混合し得ることを意
味する。
【0046】 本発明の小ペプチドは、典型的には、それ自体(そのまま)で投与される。し
かし、本発明の小ペプチドは、薬学的に受容可能な塩の形態で投与することがで
きる。そのような薬学的に受容可能な塩には、下記の酸から調製される塩が含ま
れるが、そのような塩に限定されない:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸
、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸
、メタンスルホン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸、ナフタレン−2−スルホン酸
およびベンゼンスルホン酸。また、薬学的に受容可能な塩は、カルボン酸基のナ
トリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩などのアルカリ金属塩またはアルカ
リ土類金属塩として調製することができる。従って、本発明は、本発明のペプチ
ドを、1つまたは2つ以上のその薬学的に受容可能なキャリアおよび必要に応じ
て任意の他の治療成分とともに含む薬学組成物を医学的使用のために提供する。
【0047】 組成物には、経口投与、直腸投与、膣内投与、局所投与、鼻投与、眼投与また
は非経口投与に好適なものが含まれる。これらの経路はすべて、本発明の材料を
使用する投与経路として使用することができる。本発明のペプチドを含有する薬
学的組成物はまた、1つまたは2つ以上の薬学的に受容可能なキャリアを含有す
ることができる。このようなキャリアには、安定化剤(長期間の貯蔵を促進する
)、乳化剤、結合剤、増粘剤、塩、保存剤、溶媒、分散媒体、コーティング剤、
抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などの賦形剤が含まれ得る。薬
学的に活性な物質に対するそのような媒体および薬剤の使用は、当業者に十分に
知られている。何らかの従来的な媒体または薬剤が本発明のペプチドとの相容性
を有しない場合を除いて、薬学的調製物におけるその使用は本明細書中において
考えられる。補助的な有効成分もまた、本発明の組成物に配合することができる
【0048】 経口投与に好適な組成物は、典型的には、吸入エアロゾル、噴霧剤、シロップ
または錠剤として調製される。局所投与に好適な組成物は、典型的には、クリー
ム、軟膏または溶液として調製される。急性のIgE媒介応答を処置する場合、
そのような組成物におけるペプチド有効成分の濃度は、典型的には1000μg
/ml未満であり、より好ましくは500μg/ml未満であり、最も好ましく
は約200μg/ml〜400μg/mlである。慢性のIgE媒介応答を処置
する場合、そのような組成物におけるペプチド有効成分の濃度は、典型的には3
mg/ml未満であり、より好ましくは2mg/ml未満であり、最も好ましく
は約1mg/ml〜1.5mg/mlである。
【0049】 吸入投与に好適な本発明の組成物は、例えば、エアロゾル剤または吸入溶液剤
として調製され得る。急性のIgE媒介応答を処置するための典型的なエアロゾ
ル組成物の一例は、用量あたり、トリクロロ−モノフルオロメタンおよびジクロ
ロジフルオロメタン+オレイン酸の混合物に懸濁された約0.1μg〜100μ
gの微結晶性ペプチドから構成される。組成物における微結晶性ペプチドのより
好ましい量は1μg〜50μgであり、最も好ましくは、エアロゾル組成物の用
量あたり10μg〜20μgである。慢性のIgE媒介応答を処置するための典
型的なエアロゾル組成物の一例は、用量あたり、トリクロロ−モノフルオロメタ
ンおよびジクロロジフルオロメタン+オレイン酸の混合物に懸濁された約0.1
μg〜1000μgの微結晶性ペプチドから構成される。組成物における微結晶
性ペプチドのより好ましい量は1μg〜100μgであり、最も好ましくは、エ
アロゾル組成物の用量あたり50μg〜70μgである。典型的な溶液剤の一例
は、無菌の生理食塩水(必要に応じて、溶解させるための約5%v/vのジメチ
ルスルホキシド(「DMSO」))に溶解または懸濁させたペプチドの所望する
量、ベンザルコニウム塩化物および硫酸(pH調節用)からなる。
【0050】 経口投与に好適な本発明の組成物はまた、カプセル剤、サッシェ剤、錠剤また
はトローチ剤などの分離したユニット物として提供され得る。これらはそれぞれ
が、処置されるIgE媒介応答のタイプに依存して、所定量の本発明のペプチド
を含有する。あるいは、経口投与に好適な本発明の組成物はリポソームに含有さ
れ得るか、または、シロップ、エリキシル剤もしくはエマルション剤などの水性
液体もしくは非水性液体での懸濁物として含有され得る。錠剤配合基剤の例には
、不活性な成分として、トウモロコシデンプン、ラクトースおよびステアリン酸
マグネシウムが含まれる。シロップ配合基剤の例には、クエン酸、着色色素、風
味剤、ヒドロキシルプロピルセルロース、サッカリン、安息香酸ナトリウム、ク
エン酸ナトリウムおよび精製水が含まれる。
【0051】 非経口投与に好適な組成物は、好都合には、受容者の血液と等張であることが
好ましい本発明の分子の滅菌された水性調製物を含む。この水性調製物は、その
ような好適な分散剤または湿潤化剤および懸濁剤を使用して知られている方法に
従って配合され得る。滅菌された注射可能な調製物はまた、例えば、1,3−ブ
タンジオールにおける溶液のような、非毒性の非経口的に受容可能な希釈剤また
は溶剤における滅菌された注射可能な溶液または懸濁剤であり得る。用いること
ができる受容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル溶液および等張
の塩化ナトリウム溶液が含まれる。水溶液において、約10%v/vまでのDM
SOまたはTrappsolを、いくつかのペプチドの溶解性を維持するために
使用することができる。また、滅菌された不揮発性油を、好都合には、溶媒また
は懸濁媒体として用いることができる。この目的のために、合成モノグリセリド
または合成ジグリセリドを含む多数の不揮発性油を使用することができる。さら
に、脂肪酸(オレイン酸または中性脂肪酸など)を注射剤の調製において使用す
ることができる。さらに、プルロニック(Pluronic)ブロックコポリマ
ーを、数週間または数ヶ月の期間にわたって37℃での固体形態からの時間放出
に基づく複合注入のために4℃で脂質と配合することができる。
【0052】 局所投与に好適な組成物は、TrappsolまたはDMSOにおけるペプチ
ドの溶液として、あるいはクリーム、軟膏またはローションで提供され得る。典
型的には、約0.1%〜約2.5%の有効成分が基剤またはキャリアに配合され
る。クリーム配合基剤の例には、精製水、ワセリン、ベンジルアルコール、ステ
アリルアルコール、プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、ポリオ
キシル40ステアラート、カルボマー934、ラウリル硫酸ナトリウム、アセタ
ート二ナトリウム、水酸化ナトリウム、および必要に応じてDMSOが含まれる
。軟膏配合基剤の例には、白色ワセリンおよび必要に応じてミネラルオイル、ソ
ルビタンセスキオレアートならびにDMSOが含まれる。ローション配合基剤の
例には、カルボマー940、プロピレングリコール、ポリソルベート40、プロ
ピレングリコールステアラート、コレステロールおよび関連するステロール、ミ
リスチン酸イソプロピル、パルミチン酸ソルビタン、アセチルアルコール、トリ
エタノールアミン、アスコルビン酸、シメチコーンならびに精製水が含まれる。
【0053】 本明細書中に記載されている本発明をより詳しく理解するために、下記の実施
例が示される。これらの実施例は例示目的のためだけであり、本発明を限定する
ものとして決して解釈され得ないことを理解しなければならない。
【0054】 アレルゲンに特異的な急性肺疾患に対するマウスモデル ヒト疾患の重要な形態学的特徴および生理学的特徴を模倣する喘息のインビボ
マウスモデルが確立されている(Henderson他、J.Exp.Med.
184:1483〜1494、1996)。特異的な治療試薬が入手できるため
に、肺の炎症を誘導する前に、その誘導中に、そしてその誘導後に一貫した様式
でマウスモデルのさらなる実験的操作が可能である。
【0055】 オバルブミン(OVA)をモデルアレルゲンとして投与するプロトコルが、正
常なBalb/Cマウスにおいてアレルゲンに特異的な急性肺疾患を誘導するた
めに開発されている。このプロトコルには、ミョウバンアジュバントにおける1
00μgのオバルブミン(OVA)による1日目および14日目のマウスの腹腔
内(i.p.)免疫化、ならびに規定生理食塩水における50μg〜100μg
のOVAの14日目、25日目、26日目および27日目の単回鼻内(i.n.
)投薬が含まれる。コントロールマウスには、i.p.注射によるミョウバンだ
け、そしてi.n.投与による規定生理食塩水だけが与えられる。28日目に、
OVA免疫化マウスは、アレルゲンによって誘導されたヒト喘息に著しく類似す
る疾患を示す。この動物モデルを、アレルギー性の急性肺疾患における薬物効力
を評価するために使用した。
【0056】 アレルゲンに特異的な後期慢性肺疾患のマウスモデル 正常なBalb/Cマウスにおけるアレルゲンに特異的な後期慢性肺疾患を誘
導するためにオバルブミン(OVA)をモデルアレルゲンとして投与するプロト
コルは、ミョウバンアジュバントにおける100μgのオバルブミン(OVA)
による1日目および14日目のマウスの腹腔内(i.p.)免疫化、ならびに規
定生理食塩水における50μg〜100μgのOVAの14日目、25日目、2
6日目および27日目の単回鼻内(i.n.)投薬、そしてその後、6ヶ月間に
わたる毎週の鼻内投薬を含む。コントロールマウスには、i.p.注射によるミ
ョウバンだけ、そしてi.n.投与による規定生理食塩水だけが与えられる。2
8日目に、OVA免疫化マウスは、アレルゲンによって誘導されたヒト喘息に著
しく類似する疾患を示す。この動物モデルもまた、慢性のアレルギー性肺疾患に
おける薬物効力を評価するために有用である。
【0057】 材料および方法 特別な試薬:結晶性OVAをPierce Chem.Co.(Rockfo
rd、IL)から入手し、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)をSigm
a Chemical(St.Louis、MO)から入手した。OVA(50
0ug/ml)を蒸留水における10%(重量/容量)ミョウバンの等容量と混
合した。混合物を10NのNaOHでpH6.5に調節し、室温で60分間イン
キュベーションした。この材料を750gで5分間遠心分離し、ペレットを蒸留
水で最初の容量に再懸濁して、1時間以内に使用した。
【0058】 免疫化プロトコル:免疫化プロトコルは、ミョウバンにおける100μgのO
VAを1日目に腹腔内投与し、その後、生理食塩水における100μgのOVA
を14日目に鼻内投与することと組み合わせたミョウバンにおける100μgの
OVAを腹腔内投与することからなった。25日目、26日目および27日目に
、マウスは、鼻内OVA(生理食塩水において100μg)で抗原刺激された。
急性喘息の研究の場合には、動物を28日目に安楽死させ、肺を取り出した。慢
性喘息の研究の場合には、マウスは、その後、6ヶ月間にわたって毎週免疫化さ
れた。
【0059】 分析 血清IgEに対するELISAプロトコル:Immulon2マイクロタイタ
ープレート(Dynex Technologies)を、50mM炭酸塩−重
炭酸塩緩衝液(pH9.4)のOVA溶液を用いて4℃で一晩コーティングし、
そして0.1%カゼインを用いて室温(RT)で2時間ブロッキングした。すべ
ての試験血清を、0.1%カゼインを含有するTris−NaCl緩衝液(pH
8.0)で1:100に希釈し、その後、OVAコーティングプレートを用いて
インキュベーションした。OVAに対するIgE抗体を含有することが知られて
いる陽性の血清サンプル、および非免疫化マウスに由来する正常な血清サンプル
が、コントロールとしてそれぞれのアッセイに含まれた。血清サンプルをプレー
トにおいて室温で2時間インキュベーションし、そしてPBSで6回洗浄した。
適切に希釈された二次抗体(ヒツジ、抗マウスIgEビオチン(Binding
Site、カタログ番号PB284、ロット番号026917)をRTで2時
間加え、そしてプレートをPBSで6回洗浄した。OPD溶液、尿素溶液および
ペルオキシド溶液をRTで30分間加えた。反応を2.5M硫酸で停止させた。
ODを490/630nmで読み取った。すべてのサンプルを二連で処理した。
陽性コントロールのサンプル内変動およびサンプル間変動は平均値の10%未満
であった。
【0060】 肺の組織学:肺および気管を取り出し、10%中性緩衝化ホルマリンで固定し
た。組織をパラフィンに包埋し、7μmの切片に切断した。脱パラフィンおよび
水和を行った後、切片を好酸球染色液で染色して、メチレンブルーで対比染色し
た。アルシアンブルー、トルイジンブルーおよび過ヨウ素酸シッフの染色により
、気道内の粘液が同定された。組織を光学顕微鏡で検査した。
【0061】 気管支肺胞洗浄検査(BAL):左肺を主気管支のところで結紮した。右肺を
0.4mlの規定生理食塩水で3回洗浄し、洗浄液をまとめた。総細胞数を、血
球計算器を使用して測定した。残りの細胞を遠心分離によってペレット化し、細
胞を10%BSA溶液に入れて再懸濁した。細胞を顕微鏡のスライドガラスに載
せ、好酸球染色液で染色した(メチレンブルー対比染色を伴うエオシン)。
【0062】 肺の組織形態測定分析:アレルギー性肺疾患の下記のパラメーターを本明細書
に報告される実験で測定した: 1.気道栓スコアを以前に報告されたように評価した(Henderson他
、J.Exp.Med.184:1483〜1494、1996)。粘液分泌の
重症度を反映して、+から++++までの評価システムを使用した。
【0063】 2.総粘液細胞を、中気道〜大気道(600μm〜1,000μmの直径)に
おける100個の上皮細胞あたり、粘液を含有する上皮細胞の数を無作為に計数
することによって推定した。10視野を種々の肺葉において計数した。
【0064】 3.血管周辺区画または気道隣接領域のいずれかに存在する浸潤細胞(好中球
、好酸球、単球およびリンパ球)の細胞密度を、oから++++までの範囲の評
価システムを使用することによって概算した。+のスコアは、3細胞で、5細胞
未満の炎症性細胞層を示す;++は、5細胞〜10細胞の炎症密度を示す;++
+は、10細胞〜20細胞の炎症密度を示す;++++は、20細胞〜40細胞
の炎症密度を示す。
【0065】 4.多数の様々な細胞タイプを、高倍率(10X、40X)でその数を計数す
ることによって定量した。
【0066】 5.水腫の程度を、血管を取り囲む流体の蓄積度合いを推定する評価システム
を使用することによって計算した。
【0067】 組織形態測定データの統計学的分析:SigmaStat(バージョン2.0
)を使用して、統計学的分析を行った。差を、独立した平均値に対する適切な事
後検定(posthoc test)を使用するANOVAによって有意性(p
<0.05)について分析した。SigmaPlot(バージョン4.0)また
はGraphPad Prismを用いて、データのグラフ表示を行った。
【0068】 実施例1:急性喘息マウスのHK−Xに対する治療的用量応答 理想的には、治療的効力が薬物投薬量と相関することを明らかにする実験は、
3つの異なる領域の挙動を示す:1)低用量では治療効果がない;2)それより
も高い投薬量では、治療的効力は用量依存的である;3)用量の第3範囲(最大
量)は、中間範囲内の最も大きな用量で認められる治療的効力よりも大きな治療
的効力を示さない。
【0069】 用量応答曲線は、ヒトにおける使用に対する安全な投薬量に関する重要な情報
源である。ときには、最適な治療的投薬量を超える薬物用量が投与された場合に
、毒性応答が認められ得る。これは、薬物が鼻内などのその場に投与された場合
には特に当てはまる。
【0070】 OVAによる反復的な免疫化によって誘導される25日目、26日目および2
7日目の気管支喘息の急性エフェクター期のときにおけるf−met−Leu−
Phe−Phe(HK−X)の様々なの用量の治療的有効性を明らかにするため
に、0.1μg、1.0μg、10μgおよび50μgの鼻内HK−Xの用量が
選ばれた。HK−Xは、OVA抗原刺激の30分前に投与された。コントロール
群は、OVAで免疫化され、かつOVAで抗原刺激されたマウス、ならびに生理
食塩水におけるミョウバンで免疫化され、かつ生理食塩水だけで抗原刺激された
動物からなった。すべての動物は最後のOVA抗原刺激の翌日(28日目)に屠
殺された。血清IgEレベルが測定され、そして血清および肺組織がさらなる分
析のために採取された。
【0071】 急性喘息モデルにおいて血清IgEレベルを効果的にダウンレギュレーション
する最適な用量を最初に確立するために、0.1μg、1.0μg、10μgお
よび50μgの各用量のHK−X(40μLの生理食塩水において)を、25日
目、26日目および27日目の抗原刺激の15分前〜30分前に肺に注入した。
血清IgEレベルの用量応答曲線が図1に示されている。
【0072】 急性のアレルギー性抗原刺激に対する肺組織の応答に対するHK−Xの様々な
用量の効果が図2A〜図4Cに示されている。急性喘息マウスに鼻内投与された
50マイクログラムのHK−Xは、急性喘息の作用に対するある程度の保護をも
たらした(図2A〜図2C)。炎症性細胞の限定された血管周辺および気管支周
辺の蓄積があった(図2Aおよび図2B)。図2Cは、粘液の蓄積が存在したが
、限定されていたことを明らかにしている。
【0073】 10マイクログラムのHK−Xは最も効果的な用量であると考えられる(図3
A〜図3C)。図3Aおよび図3Bは、血管および気道を取り囲む最小の炎症性
浸潤を示している。気道における粘液分泌の程度が図3Cに例示されている。粘
液は気道上皮細胞の表面に限定されている。
【0074】 HK−Xの用量を1/10の1μgに低下させたとき、治療的効果は損なわれ
た。血管周辺および気道の炎症量は増大した(図4A)。気道上皮細胞による粘
液分泌はそれに対応して増大していた(図4Bおよび図4C)。
【0075】 対比およびコントロールのために、図5A〜図5Cは、生理食塩水またはHK
−Xビヒクル(0.05%DMSO)の投与に対する免疫化マウスの良性応答を
例示している。図5Aおよび図5Bに示されているように、肺の血管周辺域また
は気道周辺域における炎症性浸潤はほとんど検出できなかった。これに対応して
、気道内腔内または気道上皮細胞表面には粘液が蓄積していなかった(図5C)
【0076】 急性喘息の重症度の重要な組織学的測定値の中で、粘液栓、好酸球の数、およ
び粘液を分泌する気道細胞の割合は、0.1μg〜10μgのHK−Xによる処
置の後で用量に依存した改善を示し、粘液栓スコアを70%低下させた(p<0
.05)。興味深いことに、50μgのHK−Xは、粘液栓の著しく小さい低下
(p<0.05)をもたらした。応答性のこの同じパターンが、好酸球の数、お
よび粘液を分泌する気道細胞の割合について認められた。10μg用量のHK−
Xは、間質性好酸球の数における57%の低下を示した。これは、0.1μg用
量の効果よりも著しく大きかった(p<0.05)。50μgの用量による好酸
球の低下は、10μgのHK−Xにより得られる低下の1/2よりも小さかった
(p<0.05)。
【0077】 粘液を分泌する気道細胞の割合もまた、0.1μgから10μgまでの用量依
存的な様式で阻害された(37%の低下、p<0.05)。50μgの用量は少
量の低下(11%)をもたらした。これは、0.1μg用量のHK−Xよりも著
しく小さいものではなかった。血管を取り囲む流体の蓄積に対するHK−Xの効
果は、10μgおよび50μgの用量であまり大きくない低下を示した。しかし
、これらの用量はいずれも、0.1μg用量のHK−Xとは異なっていなかった
。炎症性細胞スコアまたは炎症性細胞の蓄積における最大の低下を示すHK−X
の用量は10μgであった。
【0078】 これらのデータは、下記のパラメーターが用量応答効果を示したことを明らか
にしている:血清IgEレベルおよび組織病理学的特徴(細胞浸潤、粘液栓形成
、および間質組織における総好酸球)。鼻内投与された10マイクログラムのH
K−Xは、低用量および高用量(50μg)と比較して、最も効果的な投薬量で
あった。コントロールと比較した場合、10μgのHK−Xで処置された動物は
、血清IgEレベルにおける60%の低下、肺の細胞浸潤における50%の低下
、粘液栓形成における70%の低下、および好酸球数における67%の低下を示
した。
【0079】 実施例2:HK−X介入およびHK−X非介入による慢性喘息 動物モデルはまた、慢性のアレルギー性肺疾患における薬物効力を評価するた
めにも有用である。この研究において、6ヶ月の免疫化期間により、OVAを用
いた毎週の鼻内抗原投与で維持される持続性の炎症が誘導された。マウスは、肺
に生じる変化を評価するために、20日の期間にわたって生理食塩水で8回処置
された。慢性喘息マウスのHK−X処置を図6に示されているように行った。5
0μgのHK−X(2.5%未満のDMSOを含有する50μLの生理食塩水に
おいて)を、16日の期間にわたって送達された合計で8回の投薬についてi.
n.投与した。動物を、最後の生理食塩水またはHK−Xが投与された4日後に
屠殺した。実験結果を、HK−X処置マウスとHK−X未処置マウスとの間で比
較した。
【0080】 OVAの存在下または非存在下で抗原刺激されたマウスマウスの血液における
OVAに対する抗体のIgEレベルを表1に示す。すべての動物が最初の6ヶ月
間はOVAで免疫化され、しかし、「生理食塩水」と示される群は生理食塩水が
鼻内投与され、最後の20日の期間はOVAで抗原刺激されなかったことに留意
することは重要である。従って、これらのIgEレベルは免疫化期間から引き継
がれ、そしてすべての比較が補正されるバックグラウンド値として使用された。
例えば、生理食塩水またはDMSOのいずれかおよびOVAによる抗原刺激で処
置された動物は、HK−XおよびOVAによる抗原刺激で処置された動物におけ
るIgEレベルの14%の増大と比較して、IgEレベルの36%の増大を有し
ていた。HK−XによるIgEレベルの抑制量は〜60%であると計算された。
【0081】
【表1】
【0082】 ネズミモデルにおける慢性喘息の重要な特徴の1つは、肺における肉芽腫的構
造の出現である。効果的なIgEダウンレギュレーション用量の50μgのHK
−Xは、コラーゲン沈着を自発的に低下させることができる動物と比較して、処
置された動物の肺におけるこれらの構造体の数およびサイズを著しく低下させた
(p<0.05)[生理食塩水またはDMSO](図7)。
【0083】 さらに、OVAによるマウスの免疫化、および20日の期間にわたって合計で
8回の50μgの投薬量でのHK−Xによるその後の処置を行っているときに、
有害な反応または病気の適応症は何ら認められなかった。マウスは、実験期間を
通して活動的であった。OVAのみで免疫化された動物群に由来する肺組織の検
査により、ヒトにおいて認められる慢性喘息の特徴と一致する肺の重大な病理学
的変化が明らかにされた。気道基底膜の外側領域(間質領域)および血管に関連
した炎症性細胞の著しい浸潤があった(図8C)。動物が20日の期間にわたっ
て処理あたり50μgのHK−Xの8回の投薬で処置された場合、炎症性細胞の
数は、気道および血管の回りで明らかに低下した(図8B)。生理食塩水による
偽免疫化マウスまたはコントロール免疫化マウスによる生理食塩水吸入は、正常
な外見を有する開存的な気道および血管をもたらした(図8A)。OVA免疫化
マウスは、血管および気道の回りにコラーゲンの増大した蓄積(青色)を含んで
いた(図9C)。しかし、HK−Xで処置された肺は、低下したレベルのコラー
ゲン沈着を示していた(図9B)。(生理食塩水においてHK−Xが投与された
)コントロールマウスでは、肺組織は炎症性細胞および線維症的なコラーゲン沈
着を有していなかった(図9A)。対照的に、OVAで感作され、そして生理食
塩水(図10A〜図10C)または0.5%DMSO溶液(図11A〜図11C
)のいずれかでのみ処置されたマウスでは、粘液を可視化するためにアルシアン
ブルー(pH2.3)が使用されたときに、気道は粘液を含み、粘液分泌細胞を
有していた。血管周辺および気道の炎症性細胞浸潤の量は類似していた。これら
の6月齢の慢性喘息マウスの気道の60%以上が粘液で詰まっていた(それぞれ
、図10A〜図10Bおよび図11A〜図11B)。
【0084】 慢性喘息における肺組織の変化もまた、持続性炎症、線維症的なコラーゲン沈
着、および構造的な変化を伴う気道の狭小化の程度を定量するために形態測定的
な方法で評価された。図12〜図14には、OVAで6ヶ月間にわたって免疫化
され、かつ様々な薬剤で処置された動物の応答が図の左側に示され、一方、偽免
疫化され、かつ生理食塩水で処置された動物が右側に示されている。20日の期
間にわたって生理食塩水のみが与えられた動物に対するHK−X処置動物におけ
る粘液栓形成の程度には著しい違いがあった(p<0.05)(図12)。HK
−Xの代わりにビヒクル(0.5%DMSO)で処置された動物もまた、HK−
Xと比較して、粘液栓スコアの改善を全く示さなかった。これらの結果は、生理
食塩水で処置された場合と同じであった。気道内および気道周辺における炎症性
細胞の蓄積に対する応答パターンは、様々な実験的処置に対する粘液栓データと
一致していた(図12)。それぞれが40μLのビヒクルにおいて50μgのH
K−Xの8回の用量が16日の期間にわたって鼻内投与された場合、気道におけ
る粘液蓄積および粘液細胞出現は著しく低下した(図13)。再度ではあるが、
生理食塩水による処置は単独では何ら治療的効果を示さなかったが、HK−Xは
、気道内における粘液含有細胞の数を著しく低下させた(p<0.05)。この
観測結果は、OVAにより誘導される慢性喘息が確立された後では自発的な修復
がないということをさらに立証している。気道に関連して浸潤した炎症性細胞の
数の分析において、データは、単位面積あたりの好酸球および好中球もまた低下
していることを示した(図14)。鼻内に生理食塩水を吸入させた動物は、DM
SOで処置された動物が維持したように高レベルの好酸球を維持した(p>0.
05);しかし、HK−Xによる処置は、2つのコントロール群と比較して、好
酸球の数を著しく低下させた(p<0.05)。
【0085】 これらの研究は、HK−Xが投与されない限り、アレルゲンにより誘導される
慢性喘息のこのモデルにおける気道炎症または粘液細胞分泌が自発的にほとんど
低下しなかったことを示している。このモデルにおいて、マウスはOVAに感作
され、そして5ヶ月間にわたって毎週、鼻内経路によりOVAにさらされ、20
日の期間にわたって8回、鼻内的にHK−Xで処置された。このアレルゲン免疫
化および抗原刺激法は、好酸球および他のタイプの炎症性細胞の慢性的な気道浸
潤、粘液の気道内蓄積、ならびに粘液分泌細胞の過形成をもたらした。効果的な
IgEダウンレギュレーション用量の50μgのHK−Xを投与することにより
、気道の過剰分泌、粘液細胞の過形成、ならびに好酸球および好中球の動員が低
下した。これらの結果は、効果的な量のHK−Xを投与して、IgEレベルをダ
ウンレギュレーションすることによって、HK−Xは、喘息のこのアレルゲン誘
導モデルにおいて生じる、気道の粘液過剰分泌およびコラーゲンの沈着などのI
gE媒介応答をもダウンレギュレーションし得ることを示している。
【0086】 実施例3:急性のネズミ喘息におけるHK−Xおよびデキサメタゾンの効果 グルココルチコイドは、T細胞、マスト細胞、単球、樹状細胞および好酸球を
含む様々な細胞タイプによって産生される炎症性媒介因子の強力な阻害剤である
。グルココルチコイドは、吸入または全身的に使用された場合にヒト喘息の処置
において効果的である。グルココルチコイドは、炎症性細胞の浸潤を抑制し、そ
して粘液分泌および肺水腫を低下させることが明らかにされている。これらの応
答は、気管支上皮細胞に対するグルココルチコイドの直接的な効果に関連してい
る。同等に重要なことに、ステロイドは気管支の過剰応答性を低下させる。それ
らの明らかにされた効力のために、グルココルチコステロイドは、喘息の処置に
おける主要な治療装備の1つであり、そしてその価値を時間とともに制限する十
分に示されている累積的な毒性を別にすれば、無条件で使用することができる。
グルココルチコイドは喘息に対する効力の現在の標準として有益であるので、喘
息を処置する新しい化合物をグルココルチコイドと比較して評価することは望ま
しい。
【0087】 この実験では、このマウスモデルにおける粘液放出、好酸球数、水腫、および
アレルゲンに特異的なIgEレベルを調節するHK−Xの有効性が、広く使用さ
れているグルココルチコイドのデキサメタゾンと比較された。10μgおよび5
0μgのHK−Xおよびデキサメタゾンの比較される投薬量がこの研究では使用
された。鼻内投与が、両方の薬物についてすべての用量で使用された。50マイ
クログラムのHK−Xは、慢性喘息モデルから得られた以前の結果に基づく高用
量として選ばれた。免疫化および処置プロトコルの概略を図15に示す。
【0088】 実験パラメーターは、10μgの鼻内HK−Xが、血清IgEレベルを低下さ
せることにおいて、10μgまたは50μgのいずれかのデキサメタゾンよりも
効果的であることを示した(図16)。10マイクログラムのHK−Xは、血清
IgEレベルを28%低下させた。HK−Xはまた、間質組織における細胞浸潤
および好酸球総数の2つの組織病理学的特徴を改善することにおいてデキサメタ
ゾンよりも効果的であった。10μgおよび50μgの両用量のHK−Xは、O
VAコントロールと比較して、炎症性浸潤を54%と著しく低下させ(p<0.
05)、そして10μg(13%)および50μg(13%)のデキサメタゾン
よりも著しく効果的であった(p<0.05)。10μgおよび50μgの両用
量のHK−Xは、10μgのデキサメタゾンよりも効果的であった(p<0.0
5)。10μgのHK−Xは好酸球細胞数を57%低下させたが、同じ用量のデ
キサメタゾンは好酸球細胞数を13%低下させた。
【0089】 鼻内投与された50マイクログラムの高用量のHK−Xは、下記の組織病理学
的特徴を低下させることにおいてデキサメタゾンのいずれかの用量と同じくらい
効果的であった:気管支肺胞洗浄検査(BAL)における好酸球の数、粘液栓形
成、気道粘液分泌細胞の割合、間質組織における好酸球の数、および水腫。これ
らの結果により、ネズミの喘息モデルにおけるHK−Xおよびグルココルチコイ
ド(デキサメタゾン)の相対的な効力が明らかにされる。
【0090】 実施例4:ネズミの急性喘息におけるHK−Xおよび関連する対照ペプチドの
効果 この実験では、下記の尺度に関連して、HK−Xの有効性が、関連する多数の
ペプチドファミリーf−Met−Met(対照ペプチドと呼ばれる)と比較され
た:急性喘息マウスモデルにおける粘液放出、細胞浸潤、好酸球数、水腫、およ
びアレルゲンに特異的なIgEレベル。比較される投薬量の50μgのHK−X
および対照ペプチドがこの研究では使用された。鼻内投与が両方の化合物につい
て使用された。免疫化および処置法は図17に概略される。
【0091】 対照ペプチドは、化学化合物の同じファミリーに属し、そして分子サイズが非
常に関連しているが、HK−Xの治療的特性をどれも示さなかった。最も重要な
ことは、50μgのHK−Xは、アレルゲンOVAに対する血清における血清I
gEレベルの7%の低下を生じさせた(p>0.05)。50μgの対照ペプチ
ドは血清IgEレベルに影響を及ぼさなかった(p>0.05)。さらに、ビヒ
クルで送達され、コントロール動物に投与された対照ペプチドは、下記のパラメ
ーターにおける明瞭な前炎症的な増大を促進した:粘液栓形成、粘液を分泌する
気道細胞の数、および間質組織の炎症性細胞の程度。以前の実験において、HK
−Xは、測定された組織学的パラメーターにおける前炎症的変化を何ら示さなか
った。従って、HK−Xの特徴的な組成物は、IgEレベルおよびIgE媒介応
答をダウンレギュレーションする際にその効力を生じさせると考えられる。
【0092】 実施例5:高治療レベルのHK−Xの長期間投薬に対する肺組織応答 治療的な用量範囲の高用量限界でHK−Xに長期間鼻内曝露されることの潜在
的な毒性作用があるかどうかを明らかにするために、マウスを3ヶ月間にわたっ
て20μgの用量の鼻内HK−Xに毎週さらした。最後の2週間は、HK−Xの
鼻内投薬を50μgに増大させた。肺組織を、組織学的分析のために最後のHK
−X投与の24時間後に集めた。
【0093】 3ヶ月間にわたる20μgのHK−Xの毎週の鼻内投与、その後の50μgの
2週間の投与は、肺組織の病理学的変化を生じさせなかった。粘液栓形成および
炎症性浸潤に関して、生理食塩水投与とHK−X投与との間には差(p>0.0
5)がなかった。気道細胞による粘液分泌は、HK−Xを投与した後に上昇した
が、これは生物学的に有意であるとは判断されなかった。類似した現象が、間質
組織における好酸球の数に関して認められた。HK−Xで処置された動物は2,
200μあたり約2倍の好酸球を有していたが、生理食塩水で処置された動物
は単位面積あたり1個未満(p<0.05)であることが明らかにされた。肝臓
、脾臓および腎臓が病理学的変化について調べられた。コントロール群および処
置群に由来する動物の肝臓における炎症性細胞の偶発的な病巣を除いて、病理学
的な変化は認められなかった。これらのデータは、治療的用量を超えたHK−X
のマウスにおける寛容性を明らかにしている。
【0094】 実施例6:HK−Xの免疫原性および抗原性 この研究の目的は、HK−Xが、いくつかの異なる経路によってマウスに投与
されたときに、抗体産生によって評価されるような免疫応答を生じさせるかどう
かを明らかにすることである。従って、免疫原性および抗原性がともに、この研
究においてHK−Xに関連して評価された。
【0095】 HK−Xは小さなテトラペプチドである。ほとんどの場合、そのような小ペプ
チドは免疫原性が低い。しかし、生体内では、小分子は、より大きいなタンパク
質に結合または吸着して(ハプテンになり)得るか、あるいは血液細胞(キャリ
ア)に結合または吸着し得る。ペニシリン、キニジンおよびα−メチルドーパの
アレルギー性応答はハプテンによるそのような応答の例である。ハプテンに対す
る抗体は、赤血球(キャリア)の破壊のために貧血および免疫複合体疾患を生じ
させ得る。
【0096】 実験的に使用されているジニトロフェノール(DNP)またはトリニトロフェ
ノール(TNP)などの多数のハプテンがキャリア分子に共有結合させられる。
キャリア分子の抗原性が大きいほど、ハプテンに対する免疫応答が誘発される可
能性が大きくなる。キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)は、広く使用
されているキャリアであり、DNPまたはTNPのようなハプテンに対する強力
な抗体応答を一般に助ける。
【0097】 アジュバントの使用は、潜在的な免疫原が免疫応答を誘発する可能性を大きく
増大させる。完全フロイントアジュバント(CFA)または細菌のペプチドグリ
カンが、免疫原性が悪いハプテンに対する免疫応答を刺激するために広く使用さ
れている。
【0098】 従って、(抗HK−X反応性を伴わない)通常の薬物曝露経路に由来する抗体
の利用性を最初に明らかにした後、HK−XをKLHに結合して、細菌アジュバ
ントにおいて投与したときに、HK−Xの潜在的な免疫原性を調べた。これらの
極端な条件により、HK−Xが免疫原性であり得るかどうかが明らかにされた。
【0099】 材料および方法 HK−Xの免疫原性結合体:HK−Xを、カルボキシ末端に付加された12個
〜20個の炭素スペーサーを介してKLHに結合させた。結合は、KLHにおけ
るリシン残基を介して完成した。United Biochemical(Se
attle、WA)により結合体が調製された。
【0100】 免疫原の調製:PBSに0.1mg/mlで懸濁させたHK−X−KLH結合
体を、1.0mg/mlのウシ結核菌(Mycobacterium tube
rculosis)を含有する完全フロイントアジュバント(CFA)において
1:1の比で乳化した。
【0101】 アジュバント免疫化プロトコル:Balb/C雌性マウスを0.1mlのエマ
ルションで皮内に免疫化し、4週間後に追加免疫し、6週間目に採血した。
【0102】 可溶性免疫化プロトコル:Balb/C雌性マウスに、0.1ml〜0.2m
lの容量で、アジュバントを使用することなく100μgの結合体を腹腔内注射
した。マウスは21日後に採血された。
【0103】 通常の薬物曝露経路:血清を、治療的な喘息研究において鼻内経路によりHK
−Xが投与された動物から採取した。
【0104】 抗体の測定:ELISAにより、結合型HK−Xおよび非結合型HK−Xに対
する抗体を分析した。Immulon2マイクロタイタープレート(Dynex
Technologies、カタログ番号3455)を、PBSにおける10
μg/mlの下記のHK−XまたはHK−X結合体を用いて4℃で一晩コーティ
ングした: ・HK−X、ペプチド単独 ・HK−X−KLH、KLHに結合させたペプチド ・HK−XLISA、BSAに結合させたペプチド ・HK−Xスペーサー、12個の炭素の直鎖スペーサーを有するペプチド。 翌日、ウエルをPBSで洗浄し、その後、0.1MTris−0.15MNaC
l緩衝液(pH8.0)および0.1%カゼイン(ICNカタログ番号9028
96、ロット99333)からなる同じ希釈緩衝液を用いて室温で30分間ブロ
ッキングした。マウスの血清サンプルを同じ希釈緩衝液で1:100または1:
200のいずれかに希釈し、ウエルに加えて、室温で2時間インキュベーション
した。その後、ウエルをPBSで洗浄し、ヤギ抗マウスIgGペルオキシダーゼ
を結合させた二次抗体(Cappelカタログ番号55554、ロット番号39
714)を用いて室温で2時間インキュベーションした。PBSで洗浄した後、
ウエルをOPD発色源(SIGMAカタログ番号P−9187、ロット18H8
2111)と室温で30分間反応させた。反応を50μlの2.5M硫酸で停止
させた。その後、ODを、BIO−TEK EL800読み取り装置を使用して
490/630で測定した。
【0105】 結果 通常の薬物曝露経路に由来するHK−Xの測定:下記のマウス群に由来する血
清を抗HK−X反応性について調べた:OVA誘導喘息およびHK−X処置、O
VA誘導喘息およびDMSO(ビヒクル)処置コントロール、生理食塩水免疫化
およびDMSO(ビヒクル)処置。マウスを50μgのHK−Xまたはビヒクル
で16日間にわたって1日おきに鼻内処置した。
【0106】 IgG反応性は、12−Cスペーサーに結合させたHK−X(HK−X+スペ
ーサー)、KLHに結合させたHK−X(KLH−HK−X)またはBSAに結
合させたHK−X(BSA−HK−X)のいずれに対しても認められなかった。
OVAに対するIgG反応性が、すべてのOVA免疫化マウスおよび1匹の生理
食塩水免疫化コントロールマウスで認められ、ELISAのコントロールとして
役に立った。KLH−HK−XおよびBSA−HK−Xに対するIgG反応性が
、アジュバントにおけるKLH−HK−Xで免疫化された動物から得られた血清
で認められ、これらの抗原がELISAプレートにコーティングされていること
に対するコントロールとして役に立った。
【0107】 キャリアに結合させた可溶性免疫化HK−X:マウスを可溶性のKLH−HK
−Xで免疫化し、21日後に採血した。ELISAの結果は、4/5の血清サン
プルがKLHおよびKLH−HK−Xに反応したが、BSA−HK−XまたはH
K−X+スペーサーに対する反応性は認められなかったことを示している。この
ことは、抗体が、HK−Xに結合させた可溶性キャリアによる免疫化の後に、K
LHに結合させたHK−Xに対して生じなかったことを示している。
【0108】 キャリアに結合させたアジュバント免疫化HK−X:HK−Xに対する抗体を
生じさせるために、マウスを、完全フロイントアジュバントにおいてKLHまた
はKLH−HK−Xで免疫化し、一回追加免疫して、6週間後に採血した。EL
ISAの結果は、抗体がKLHに対して生じたことを示している。抗体は、HK
−Xに対して生じていた。このことは下記により裏付けられた:1)KLH−H
K−Xに由来するKLH−HK−Xに対する抗体反応性は、KLHのみの免疫血
清に由来する場合よりも2倍大きかった;そして2)KLH−HK−X免疫化の
HK−X免疫化マウスに由来する血清はBSA−HK−Xに反応したが、BSA
単独には反応しなかった。しかし、抗体反応性は、12Cスペーサーに結合させ
たHK−Xに対しては認められなかった。
【0109】 これらの研究の結果から、HK−Xペプチドの免疫原性および抗原性に関する
いくつかの結論を得ることができる。第1に、マウスは、16日間にわたるペプ
チドの治療的な鼻内投与の後、HK−Xに対する抗体を生じさせなかった。第2
に、マウスは、免疫原性キャリアのKLHに結合させた可溶性ペプチドで免疫化
されたときには抗体を生じさせなかった。第3に、マウスは、KLHに結合し、
かつ完全アジュバントにおいて免疫化されたときに、極端な条件のもとでHK−
Xに対する抗体を生じさせることができる。しかし、この場合でさえ、12Cス
ペーサーに結合させたHK−Xに対しては抗体反応性が検出できないため、抗体
反応性は、HK−XおよびKLHの結合によって生じたネオエピトープに対して
生じたと考えられる。この結論は、試験抗原HK−X−KLHとインキュベーシ
ョンする前に遊離のHK−Xを抗血清に少なくとも30分間加えることによって
、HK−X−KLHに対する抗体反応性が低下しなかったという観測結果から支
持される。
【0110】 従って、HK−Xに対する臨床的に関連する抗体応答または他の免疫応答が臨
床的環境で誘発される可能性はないと考えられる。そのような考えを裏付ける5
つの観測結果が存在する。これらの観測結果を下記に示す: 1.HK−Xはサイズが4アミノ酸にすぎず(600ダルトン未満であり)、こ
れにより、免疫原性になるとは考えられない; 2.HK−X内のアミノ酸はすべて疎水性であり、その性質は免疫原性との関連
がない; 3.免疫原性になるためには、HK−Xは、より大きな免疫原性キャリアとイン
ビボで共有結合的または静電的に結合しなければならない; 4.HK−Xに対して産生された抗体は、キャリアおよびHK−Xの組合せによ
って形成されたエピトープ(ネオ抗原)に対すると考えられる; 5.ネオ抗原に対する抗体は、遊離のHK−Xに対して仮に反応するとしても弱
く反応するにすぎない(親和性が低い)。
【0111】 実施例7:HK−Xの霊長類における毒物学 この研究は、BIOSUPPORT(Redmond(Washington
)にある動物研究施設)においてGLP基準に従って行われた。Charles
Riverから入手した6頭の成体の雌雄マカクサルを調べた。コントロール
群と見なされるグループAは、5日間にわたって毎日、ビヒクル(3%DMSO
を含む緩衝化生理食塩水)がIV投与された2頭の動物からなった。CBCおよ
び化学的性質のための血液サンプリングが0日目〜4日目および7日目に行われ
た。グループBは、5日間にわたって毎日、20μg/kgのHK−Xがビヒク
ル(3%DMSOを含む緩衝化生理食塩水)でIV投与された3頭の動物からな
った。CBCおよび化学的性質のための血液サンプリングが0日目〜4日目およ
び7日目に行われた。グループCは、同一の方法で毎日、150μg/kgがI
V投与された別の3頭の動物からなった。グループDは、グループBおよびグル
ープCに由来する6頭のすべての動物からなり、グループCの動物がその処置を
完了した5日後に同じ方法を使用して1000μg/kgが毎日IV投与された
。すべての動物は、体重および全身的な健康状態および行動を記録するために、
研究期間中、毎日観察された。グループDの処置が終了したときに、すべての動
物を安楽死させ、解剖して、下記の器官に由来する代表的な組織サンプルを組織
学的分析のために採取した:肝臓、腎臓、脾臓、肺、心臓、リンパ節および脳。
組織病理学的な評価が、BIOSUPPORTに関係する委員会認定動物病理学
者によって、そしてそれとは別にHistatekに関係する組織病理学者によ
って行われた。
【0112】 HK−Xのこれらの投薬量は、マウスの喘息モデルにおける10μg/kgお
よび50μg/kgのHK−Xの効果的な治療的投薬量に基づいて選ばれた。
【0113】 白血球、ヘマトクリット/ヘモグロビンまたは血小板数の著しい異常は、すべ
ての日数またはすべての用量レベルで認められなかった。同様に、化学的測定値
の著しい異常は、3つの投与レベルのいずれにおいても認められなかった。組織
学的異常は、脾臓の代表的な組織サンプルにおいて、そして20μg/kgまた
は150μg/kgのHK−Xのいずれかに、そしてその後、1000μg/k
gに毎日さらされた動物から得られたリンパ節において、あるいはビヒクルコン
トロール群において認められなかった。最小の多病巣的なリンパ球浸潤が、処置
された動物およびコントロール動物の両方に由来する肝臓、腎臓、心臓および肺
の組織サンプルで認められ、従って、これは処置に関連しないと判断された。糸
球体の軽度の病変(これは老化したマカクには一般的である)が、処置に従って
分離せず、従って、これもまた処置に関連しないと見なされた。他の小さな組織
学的変化は有意とは見なされなかった。
【0114】 治療的と見なされる投薬量よりも著しく大きな投薬量レベルのHK−Xにさら
された6頭のマカクサルから得られる血液数または化学的性質には、認識される
ほどの毒性は認められなかった。肝臓、腎臓、脾臓、リンパ節、心臓および肺で
認められた小さな組織病理学的変化は、処置に従って分離せず、背景の病理学ま
たは安楽死に関連する人為的な変化の発現と見なされた。
【0115】 霊長類のこの試験は、HK−Xの治療的な量は、見かけの毒性または副作用を
伴うことなくヒトの処置において有用であり得ることを示唆している。
【0116】 本発明が、その好ましい実施形態を参照して詳しく記載されている。しかし、
本明細書および図面を検討したとき、当業者は、請求項によって規定される本発
明の精神および範囲に含まれる様々な改変および改善を行い得ることが理解され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 急性喘息マウスにおけるOVA特異的な血清IgEレベルに対するHK−Xの
様々な投薬量の効果を例示する対数用量応答曲線である。
【図2A】 50μgのHK−Xが投与された急性喘息マウスに由来する肺切片を示す。限
定された細胞浸潤が(A)および(B)に存在し、限定された粘液蓄積が(C)
に存在した。
【図2B】 50μgのHK−Xが投与された急性喘息マウスに由来する肺切片を示す。限
定された細胞浸潤が(A)および(B)に存在し、限定された粘液蓄積が(C)
に存在した。
【図2C】 50μgのHK−Xが投与された急性喘息マウスに由来する肺切片を示す。限
定された細胞浸潤が(A)および(B)に存在し、限定された粘液蓄積が(C)
に存在した。
【図3A】 10μgのHK−Xが投与された急性喘息マウスに由来する肺切片を示す。非
常に少数の細胞が気道に結合し(A)および(B)、粘液は気道上皮細胞層(C
)の表面に限定されていた。
【図3B】 10μgのHK−Xが投与された急性喘息マウスに由来する肺切片を示す。非
常に少数の細胞が気道に結合し(A)および(B)、粘液は気道上皮細胞層(C
)の表面に限定されていた。
【図3C】 10μgのHK−Xが投与された急性喘息マウスに由来する肺切片を示す。非
常に少数の細胞が気道に結合し(A)および(B)、粘液は気道上皮細胞層(C
)の表面に限定されていた。
【図4A】 1μgのHK−Xが投与された急性喘息マウスに由来する肺切片を示す。治療
効果は、細胞浸潤の増大(A)、および気道への粘液分泌の増大(B)および(
C)により損なわれた。
【図4B】 1μgのHK−Xが投与された急性喘息マウスに由来する肺切片を示す。治療
効果は、細胞浸潤の増大(A)、および気道への粘液分泌の増大(B)および(
C)により損なわれた。
【図4C】 1μgのHK−Xが投与された急性喘息マウスに由来する肺切片を示す。治療
効果は、細胞浸潤の増大(A)、および気道への粘液分泌の増大(B)および(
C)により損なわれた。
【図5A】 生理食塩水(A)またはビヒクル(0.05%DMSO)(B)のいずれかで
抗原刺激されたOVA免疫化マウスに由来する肺切片を示す。粘液分泌は気道で
検出されなかった(C)。
【図5B】 生理食塩水(A)またはビヒクル(0.05%DMSO)(B)のいずれかで
抗原刺激されたOVA免疫化マウスに由来する肺切片を示す。粘液分泌は気道で
検出されなかった(C)。
【図5C】 生理食塩水(A)またはビヒクル(0.05%DMSO)(B)のいずれかで
抗原刺激されたOVA免疫化マウスに由来する肺切片を示す。粘液分泌は気道で
検出されなかった(C)。
【図6】 慢性喘息マウスモデルを確立する際に使用された免疫化および処置法の概略図
である。
【図7】 慢性喘息マウスの肺における肉芽腫の数を例示するヒストグラムである。
【図8A】 6ヶ月にわたってOVAで毎週免疫化され、そしてHK−Xまたは生理食塩水
のいずれかで処置されたマウスに由来する慢性的な喘息の肺切片の組織学を示す
。(A)はコントロールマウスの肺組織学を示し、(B)は、HK−Xで処置さ
れたマウスの組織学を示し、(C)は、OVAで抗原刺激された未処置マウスの
組織学を示す。
【図8B】 6ヶ月にわたってOVAで毎週免疫化され、そしてHK−Xまたは生理食塩水
のいずれかで処置されたマウスに由来する慢性的な喘息の肺切片の組織学を示す
。(A)はコントロールマウスの肺組織学を示し、(B)は、HK−Xで処置さ
れたマウスの組織学を示し、(C)は、OVAで抗原刺激された未処置マウスの
組織学を示す。
【図8C】 6ヶ月にわたってOVAで毎週免疫化され、そしてHK−Xまたは生理食塩水
のいずれかで処置されたマウスに由来する慢性的な喘息の肺切片の組織学を示す
。(A)はコントロールマウスの肺組織学を示し、(B)は、HK−Xで処置さ
れたマウスの組織学を示し、(C)は、OVAで抗原刺激された未処置マウスの
組織学を示す。
【図9A】 コラーゲンフィブリルの慢性的な喘息のマウス肺組織蓄積の光学顕微鏡写真を
示す。(A)は、生理食塩水が投与されたコントロールマウスの肺切片を示し、
(B)は、HK−Xで処置されたマウスの肺切片を示し、(C)は、OVAで抗
原刺激された未処置マウスの肺切片を示す。
【図9B】 コラーゲンフィブリルの慢性的な喘息のマウス肺組織蓄積の光学顕微鏡写真を
示す。(A)は、生理食塩水が投与されたコントロールマウスの肺切片を示し、
(B)は、HK−Xで処置されたマウスの肺切片を示し、(C)は、OVAで抗
原刺激された未処置マウスの肺切片を示す。
【図9C】 コラーゲンフィブリルの慢性的な喘息のマウス肺組織蓄積の光学顕微鏡写真を
示す。(A)は、生理食塩水が投与されたコントロールマウスの肺切片を示し、
(B)は、HK−Xで処置されたマウスの肺切片を示し、(C)は、OVAで抗
原刺激された未処置マウスの肺切片を示す。
【図10A】 OVAで慢性的に免疫化され、かつ生理食塩水で処置されたマウスの肺切片を
示す。
【図10B】 OVAで慢性的に免疫化され、かつ生理食塩水で処置されたマウスの肺切片を
示す。
【図10C】 OVAで慢性的に免疫化され、かつ生理食塩水で処置されたマウスの肺切片を
示す。
【図11A】 OVAで慢性的に免疫化され、かつビヒクル(0.5%DMSO)で処置され
たマウスの肺切片を示す。
【図11B】 OVAで慢性的に免疫化され、かつビヒクル(0.5%DMSO)で処置され
たマウスの肺切片を示す。
【図11C】 OVAで慢性的に免疫化され、かつビヒクル(0.5%DMSO)で処置され
たマウスの肺切片を示す。
【図12】 慢性喘息における組織形態測定を例示するヒストグラムである。
【図13】 様々な処置の後における慢性喘息マウスの気道における粘液含有細胞の頻度を
例示するヒストグラムである。
【図14】 慢性喘息マウスの肺における好酸球および好塩基球の浸潤に対する様々な処置
の効果を例示するヒストグラムである。
【図15】 急性喘息マウスモデルにおけるHK−Xおよびデキサメタゾンによる免疫化お
よび処置プロトコルの概略図である。
【図16】 OVA特異的なIgEレベルに対するデキサメタゾンおよびHK−Xの鼻内投
与の効果を比較するヒストグラムである。
【図17】 急性喘息マウスモデルにおけるHK−Xおよび対照ペプチドよる免疫化および
処置プロトコルの概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/08 A61P 43/00 105 43/00 105 111 111 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES ,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU, ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,K R,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV ,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,S I,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA ,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C084 AA02 AA19 BA01 BA08 BA15 BA16 BA23 BA31 CA59 DA39 DA58 MA02 NA14 ZA591 ZA612 ZB071 ZB072 ZB111 ZB131 ZB212 ZC012 ZC412 ZC751 ZC752

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物におけるIgE媒介応答から生じる適応症を処置す
    るための方法であって、IgEをダウンレギュレーションするのに効果的な量の
    、式f−Met−Leu−X(式中、Xは、Tyr、Tyr−Phe、Phe−
    PheおよびPhe−Tyrからなる群から選択される)を有するペプチドを前
    記哺乳動物に投与することを含む方法。
  2. 【請求項2】 抗ロイコトリエン剤、β−アゴニストおよびコルチコステ
    ロイドからなる群から選択される別の有効成分が前記ペプチドと一緒に投与され
    る、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 IgEに対する受容体をダウンレギュレーションするための
    方法であって、IgE受容体をダウンレギュレーションするのに効果的な量の、
    式f−Met−Leu−X(式中、Xは、Tyr、Tyr−Phe、Phe−P
    heおよびPhe−Tyrからなる群から選択される)を有するペプチドを投与
    することを含む方法。
  4. 【請求項4】 前記IgE受容体は、FcεRI、FcεRIIおよび可溶
    性FcεRIIからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 CD40リガンドをダウンレギュレーションし、それにより
    IgE産生におけるそのさらなる関与を妨げるための方法であって、CD40リ
    ガンドをダウンレギュレーションするのに効果的な量の、式f−Met−Leu
    −X(式中、Xは、Tyr、Tyr−Phe、Phe−PheおよびPhe−T
    yrからなる群から選択される)を有するペプチドを投与することを含む方法。
  6. 【請求項6】 形質細胞によるIgE分泌を阻害するための方法であって、
    前記形質細胞を、IgE分泌を阻害するのに効果的な量の、式f−Met−Le
    u−X(式中、Xは、Tyr、Tyr−Phe、Phe−PheおよびPhe−
    Tyrからなる群から選択される)を有するペプチドと接触させることを含む方
    法。
JP2001510474A 1999-07-16 2000-07-14 IgEをダウンレギュレーションするための小ペプチドおよび方法 Pending JP2003504412A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14453999P 1999-07-16 1999-07-16
US60/144,539 1999-07-16
PCT/US2000/019496 WO2001005420A1 (en) 1999-07-16 2000-07-14 Small peptides and methods for downregulation of ige

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003504412A true JP2003504412A (ja) 2003-02-04

Family

ID=22509041

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001510474A Pending JP2003504412A (ja) 1999-07-16 2000-07-14 IgEをダウンレギュレーションするための小ペプチドおよび方法

Country Status (13)

Country Link
EP (1) EP1303290A4 (ja)
JP (1) JP2003504412A (ja)
KR (1) KR20020040750A (ja)
CN (1) CN1367700A (ja)
AU (1) AU6351500A (ja)
BR (1) BR0012495A (ja)
CA (1) CA2379323A1 (ja)
EA (1) EA200200169A1 (ja)
IL (1) IL147525A0 (ja)
MX (1) MXPA02000531A (ja)
NO (1) NO20020224L (ja)
PL (1) PL352837A1 (ja)
WO (1) WO2001005420A1 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999025372A1 (en) * 1997-11-13 1999-05-27 Histatek, Llc Small peptides and methods for treatment of asthma and inflammation

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4749685A (en) * 1986-08-01 1988-06-07 Dnax Research Institute Of Molecular And Cellular Biology, Inc. Immunosuppressive peptides
JP2003504304A (ja) * 1998-12-03 2003-02-04 ヒスタテツク・エル・エル・シー 小ペプチドならびに喘息および炎症の治療方法
CA2367048A1 (en) * 1999-03-22 2000-09-28 James Clagett Treatment with small peptides to effect antifibrotic activity

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999025372A1 (en) * 1997-11-13 1999-05-27 Histatek, Llc Small peptides and methods for treatment of asthma and inflammation

Also Published As

Publication number Publication date
BR0012495A (pt) 2002-06-11
MXPA02000531A (es) 2002-07-02
EP1303290A1 (en) 2003-04-23
NO20020224L (no) 2002-03-04
CA2379323A1 (en) 2001-01-25
AU6351500A (en) 2001-02-05
EA200200169A1 (ru) 2002-06-27
EP1303290A4 (en) 2004-12-08
PL352837A1 (en) 2003-09-08
NO20020224D0 (no) 2002-01-15
KR20020040750A (ko) 2002-05-30
WO2001005420A8 (en) 2001-04-12
WO2001005420A1 (en) 2001-01-25
IL147525A0 (en) 2002-08-14
CN1367700A (zh) 2002-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101058467B1 (ko) 부신피질 자극 호르몬 유사체 및 관련 방법
JP3122139B2 (ja) 後期段階炎症反応の治療用組成物
JP2001519815A (ja) アレルゲン誘発性障害の治療におけるラクトフェリンの使用
EP4003327A1 (en) Dosing regimens for oral complement factor d inhibitors
JP2010539243A (ja) 喘息、肺及び気道の炎症、呼吸器、間質性、肺性および線維性疾患の処置のためのlight阻害剤
CN116459253A (zh) 多激酶抑制剂及其在生殖道和消化道纤维化中的用途
US9539221B2 (en) Method of treating airway diseases with β-adrenergic inverse agonists
JP2007131635A (ja) 抗線維形成活性を発揮する低分子量ペプチドによる治療
JP2005512946A (ja) 選択的免疫調節法
KR100629546B1 (ko) 소형 펩타이드 및 천식 및 염증을 치료하기 위한 방법
US7115574B2 (en) System and method for support legacy operating system booting in a legacy-free system
JP2012509848A (ja) 環状ペプチドおよびその使用
KR100596136B1 (ko) 소형 펩타이드 및 천식 및 염증을 치료하기 위한 방법
US20200188379A1 (en) Use of a glutarimide derivative to treat diseases related to the aberrant activity of cytokines
JP2003504412A (ja) IgEをダウンレギュレーションするための小ペプチドおよび方法
EP3897633A1 (fr) Utilisation d'un antagoniste de par-1 pour le traitement d'une maladie inflammatoire chronique intestinale
AU2007237181A1 (en) Small peptides and methods for downregulation of IgE
AU2004203599A1 (en) Small peptides and methods for downregulation of IgE
CN111163793A (zh) 血管紧张素受体激动剂及其用途
JPH0930973A (ja) 腎炎治療もしくは予防薬
AU2004214552A1 (en) Treatment with small peptides to effect antifibrotic activity
JPWO2004073740A1 (ja) 組織内アンジオテンシンii産生亢進制御剤並びに動脈硬化症、心・脳血管疾患及び/若しくは糖尿病合併症の発症予防又は治療剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100727

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110111