JP4021065B2 - インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置 Download PDF

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を介して圧電素子を設け、この圧電素子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
【0003】
前者は圧電素子の端面を振動板に当接させることにより圧力発生室の容積を変化させることができて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】
これに対して後者は、圧電材料のグリーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難であるという問題がある。
【0005】
一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消すべく、特開平5−286131号公報に見られるように、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案されている。
【0006】
これによれば圧電素子を振動板に貼付ける作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、かつ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばかりでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能になるという利点がある。
【0007】
また、この場合、圧電材料層は振動板の表面全体に設けたままで少なくとも上電極のみを各圧力発生室毎に設けることにより、各圧力発生室に対応する圧電素子を駆動することができるが、単位駆動電圧当たりの変位量および圧力発生室に対向する部分とその外側とを跨ぐ部分で圧電体層にかかる応力の問題から、圧電体層及び上電極からなる圧電体能動部を、圧力発生室に対向する領域内に設けるか、少なくとも一端部以外は圧力発生室に対向する領域外に出ないように形成するのが望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圧電体層上に上電極パターンを形成した圧電体能動部を駆動すると、特に圧電体能動部の端部にクラックが発生しやすく、圧電体能動部に致命的なダメージを引き起こす虞がある。
【0009】
また、圧電体層の端部を圧力発生室外の周壁上まで延設すると、圧力発生室内と周壁との境界近傍に対向する部分からクラックが発生するという問題がある。
【0010】
これらの問題は、特に、圧電材料層を成膜技術で形成した場合に生じ易い。これは、成膜技術で形成した圧電材料層は非常に薄いため、圧電素子を貼付したものに比較して剛性が低いためである。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑み、圧電体能動部端部及び圧力発生室と周壁との境界近傍で、応力集中によるクラックの発生、疲労破壊等を防止することができるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室の一部を構成する振動板を介して下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子を備えたインクジェット式記録ヘッドにおいて、前記圧電素子の圧電体能動部の長手方向の少なくとも一方の端部が前記圧力発生室に対向する領域の端部より内側にあり、その端部の外側には、前記圧電体層と前記下電極及び前記上電極とを有するが少なくとも当該圧電体層の幅が前記圧電体能動部の幅より幅狭で前記振動板を実質的に駆動しない圧電体非能動部が連続的に設けられていると共に、前記圧電素子の駆動時に、前記圧電体能動部の長手方向の前記一方の端部近傍に対向する領域の前記振動板が前記圧力発生室の端部から長手方向内側に亘って前記圧電素子側に凸になった状態から前記圧電素子非形成面側に凸に変形しており、且つ前記圧電体能動部の長手方向の端部は、当該振動板の曲がりの曲率中心が前記圧電素子形成面側にある凸領域に位置していることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0013】
かかる第1の態様では、駆動時に圧電体能動部の端部が振動板から引張り応力を受けることがなく、応力集中が低減される。また、圧力発生室と周壁の境界部分に対向する領域近傍での破壊が防止され、また圧電体非能動部を介して電圧の印加を行うことができる。
【0014】
本発明の第2の態様は、前記圧電体非能動部は、前記圧力発生室の周壁まで延設されていることを特徴とする第1の態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0015】
かかる第2の態様では、圧電体能動部への印加は、圧力発生室外に引き出された圧電体非能動部を介して行うことができる。
【0016】
本発明の第3の態様は、前記圧電体能動部の端部近傍に対向する領域の前記振動板は、前記圧電素子の駆動時に前記圧電素子非形成面側に凸になり、非駆動時には前記圧電素子形成面側に凸になることを特徴とする第1又は2の態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0017】
かかる第3の態様では、少なくとも駆動時の圧電体能動部への応力集中が回避される。
【0018】
本発明の第4の態様は、前記圧電体能動部の端部近傍に対向する領域の前記振動板の前記圧電体層側の表面近傍には、前記圧電素子の駆動時に圧縮方向の応力がかかることを特徴とする第3の態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0019】
かかる第4の態様では、駆動時に圧電体能動部の端部近傍に対向する振動板が圧縮され、圧電体能動部の端部には引張り応力がかからない。
【0030】
本発明の第の態様は、前記圧電体能動部の上面には絶縁体層が形成され、前記上電極とリード電極との接続部であるコンタクト部が当該絶縁体層に形成されたコンタクトホール内に形成されていることを特徴とする第1〜4の何れか一つの態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0031】
かかる第の態様では、圧電体能動部への電圧の印加は絶縁体層に形成されたコンタクトホール内のコンタクト部を介して行われる。
【0032】
本発明の第6の態様は、前記圧電体能動部及び前記圧電体非能動部の上面に絶縁体層が形成され、前記上電極とリード電極との接続部であるコンタクト部が前記圧力発生室の周壁上の前記絶縁体層に形成されたコンタクトホール内に形成されていることを特徴とする第1〜4の何れか一つの態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0033】
かかる第の態様では、圧電体能動部への電圧の印加は、圧力発生室外に設けられたコンタクト部を介して行われる。
【0034】
本発明の第の態様は、前記圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングにより形成され、前記振動板及び前記圧電素子の各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたものであることを特徴とする第1〜6の何れか一つの態様のインクジェット式記録ヘッドにある。
【0035】
かかる第の態様では、高密度のノズル開口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ比較的容易に製造することができる。
【0036】
本発明の第の態様は、第1〜の何れか一つの態様のインクジェット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0037】
かかる第の態様では、ヘッドの信頼性を向上したインクジェット式記録装置を実現することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0039】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、平面図およびその1つの圧力発生室の長手方向における断面構造を示す図である。
【0040】
図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなる。流路形成基板10としては、通常、150〜300μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは180〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるからである。
【0041】
流路形成基板10の一方の面は開口面となり、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成されている。
【0042】
一方、流路形成基板10の開口面には、シリコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、ノズル開口11、圧力発生室12が形成されている。
【0043】
ここで、異方性エッチングは、シリコン単結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面と、この第1の(111)面と約70度の角度をなし且つ上記(110)面と約35度の角度をなす第2の(111)面とが出現し、(110)面のエッチングレートと比較して(111)面のエッチングレートが約1/180であるという性質を利用して行われるものである。かかる異方性エッチングにより、二つの第1の(111)面と斜めの二つの第2の(111)面とで形成される平行四辺形状の深さ加工を基本として精密加工を行うことができ、圧力発生室12を高密度に配列することができる。
【0044】
本実施形態では、各圧力発生室12の長辺を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板10をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングすることにより形成されている。なお、弾性膜50は、シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵される量がきわめて小さい。
【0045】
一方、各圧力発生室12の一端に連通する各ノズル開口11は、圧力発生室12より幅狭で且つ浅く形成されている。すなわち、ノズル開口11は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中までエッチング(ハーフエッチング)することにより形成されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時間の調整により行われる。
【0046】
ここで、インク滴吐出圧力をインクに与える圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズル開口11の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノズル開口11は数十μmの溝幅で精度よく形成する必要がある。
【0047】
また、各圧力発生室12と後述する共通インク室31とは、後述する封止板20の各圧力発生室12の一端部に対応する位置にそれぞれ形成されたインク供給連通口21を介して連通されており、インクはこのインク供給連通口21を介して共通インク室31から供給され、各圧力発生室12に分配される。
【0048】
封止板20は、前述の各圧力発生室12に対応したインク供給連通口21が穿設された、厚さが例えば、0.1〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックスからなる。なお、インク供給連通口21は、図3(a),(b)に示すように、各圧力発生室12のインク供給側端部の近傍を横断する一のスリット孔21Aでも、あるいは複数のスリット孔21Bであってもよい。封止板20は、一方の面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たす。また、封止板20は、他面で共通インク室31の一壁面を構成する。
【0049】
共通インク室形成基板30は、共通インク室31の周壁を形成するものであり、ノズル開口数、インク滴吐出周波数に応じた適正な厚みのステンレス板を打ち抜いて作製されたものである。本実施形態では、共通インク室形成基板30の厚さは、0.2mmとしている。
【0050】
インク室側板40は、ステンレス基板からなり、一方の面で共通インク室31の一壁面を構成するものである。また、インク室側板40には、他方の面の一部にハーフエッチングにより凹部40aを形成することにより薄肉壁41が形成され、さらに、外部からのインク供給を受けるインク導入口42が打抜き形成されている。なお、薄肉壁41は、インク滴吐出の際に発生するノズル開口11と反対側へ向かう圧力を吸収するためのもので、他の圧力発生室12に、共通インク室31を経由して不要な正又は負の圧力が加わるのを防止する。本実施形態では、インク導入口42と外部のインク供給手段との接続時等に必要な剛性を考慮して、インク室側板40を0.2mmとし、その一部を厚さ0.02mmの薄肉壁41としているが、ハーフエッチングによる薄肉壁41の形成を省略するために、インク室側板40の厚さを初めから0.02mmとしてもよい。
【0051】
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.5μmの下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体膜70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体膜70、及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体膜70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体膜70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部320という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここで、圧電素子300と該圧電素子300の駆動により変位を生じさせる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。なお、上述した例では、弾性膜50及び下電極膜60が振動板として作用するが、下電極膜が弾性膜を兼ねるようにしてもよい。
【0052】
そして、かかる各上電極膜80の上面の少なくとも周縁、及び圧電体膜70の側面を覆うように電気絶縁性を備えた絶縁体層90が形成されている。絶縁体層90は、成膜法による形成やまたエッチングによる整形が可能な材料、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、有機材料、好ましくは剛性が低く、且つ電気絶縁性に優れた感光性ポリイミドで形成するのが好ましい。
【0053】
ここで、シリコン単結晶基板からなる流路形成基板10上に、圧電体膜70等を形成するプロセスを図4を参照しながら説明する。
【0054】
図4(a)に示すように、まず、流路形成基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約1100℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性膜50を形成する。
【0055】
次に、図4(b)に示すように、スパッタリングで下電極膜60を形成する。下電極膜60の材料としては、Pt等が好適である。これは、スパッタリング法やゾル−ゲル法で成膜する後述の圧電体膜70は、成膜後に大気雰囲気下又は酸素雰囲気下で600〜1000℃程度の温度で焼成して結晶化させる必要があるからである。すなわち、下電極膜60の材料は、このような高温、酸化雰囲気下で導電性を保持できなければならず、殊に、圧電体膜70としてPZTを用いた場合には、PbOの拡散による導電性の変化が少ないことが望ましく、これらの理由からPtが好適である。
【0056】
次に、図4(c)に示すように、圧電体膜70を成膜する。この圧電体膜70の成膜にはスパッタリング法を用いることもできるが、本実施形態では、金属有機物を溶媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥してゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物からなる圧電体膜70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用いている。圧電体膜70の材料としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の材料がインクジェット式記録ヘッドに使用する場合には好適である。
【0057】
次に、図4(d)に示すように、上電極膜80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料であればよく、Al、Au、Ni、Pt等の多くの金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態では、Ptをスパッタリングにより成膜している。
【0058】
次に、図5に示すように、下電極膜60、圧電体膜70及び上電極膜80をパターニングする。
【0059】
まず、図5(a)に示すように、下電極膜60、圧電体膜70及び上電極膜80を一緒にエッチングして下電極膜60の全体パターンをパターニングする。次いで、図5(b)に示すように、圧電体膜70及び上電極膜80のみをエッチングして圧電体能動部320のパターニングを行う。次に、図5(c)に示すように、各圧力発生室12(図5では圧力発生室12は形成前であるが、破線で示す)の幅方向両側に対向した領域である圧電体能動部320の両側の振動板の腕に相当する部分の下電極膜60を除去することにより、下電極膜除去部350を形成する。このように下電極膜除去部350を設けることにより、圧電体能動部320への電圧印加による変位量の向上を図るものである。
【0060】
なお、下電極除去部350は、下電極膜60を完全に除去せずに、厚さを薄くしたものでもよい。また、圧電体能動部320の腕部に相当する部分に下電極除去部350を形成しているが、これに限定されず、例えば、圧電体能動部320の両端部よりも長手方向外側まで形成するようにしてもよいし、圧力発生室12の周縁部ほぼ全体に亘って形成してもよい。勿論、この下電極除去部350は、必ずしも設ける必要はない。
【0061】
以上のように、下電極膜60等をパターニングした後には、好ましくは、各上電極膜80の上面の少なくとも周縁、及び圧電体膜70および下電極膜60の側面を覆うように電気絶縁性を備えた絶縁体層90を形成する(図1参照)。
【0062】
そして、絶縁体層90の各圧電体能動部320の一端部に対応する部分の上面を覆う部分の一部には後述するリード電極100と接続するために上電極膜80の一部を露出させるコンタクトホール90aが形成されている。そして、このコンタクトホール90aを介して各上電極膜80に一端が接続し、また他端が接続端子部に延びるリード電極100が形成されている。
【0063】
このような絶縁体層及びリード電極の形成プロセスを図6に示す。
【0064】
まず、図6(a)に示すように、上電極膜80の周縁部、圧電体膜70および下電極膜60の側面を覆うように絶縁体層90を形成する。この絶縁体層90の好適な材料は上述した通りであるが、本実施形態ではネガ型の感光性ポリイミドを用いている。
【0065】
次に、図6(b)に示すように、絶縁体層90をパターニングすることにより、各圧力発生室12のインク供給側の端部近傍に対応する部分にコンタクトホール90aを形成する。このコンタクトホール90aは、後述するリード電極100と上電極膜80との接続をするためのものである。なお、コンタクトホール90aは、圧力発生室12の圧電体能動部320に対応する部分に設ければよく、例えば、中央部やノズル側端部に設けてもよい。
【0066】
次に、例えば、Cr−Auなどの導電体を全面に成膜した後、パターニングすることにより、リード電極100を形成する。
【0067】
以上が膜形成プロセスである。このようにして膜形成を行った後、図6(c)に示すように、前述したアルカリ溶液によるシリコン単結晶基板の異方性エッチングを行い、圧力発生室12等を形成する。
【0068】
また、このようなインクジェット式記録ヘッドでは、上述の一連の膜形成及び異方性エッチングで、一枚のウェハ上に多数のチップを同時に形成し、プロセス終了後、図1に示すような一つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割する。また、分割した流路形成基板10を、封止板20、共通インク室形成基板30、及びインク室側板40と順次接着して一体化し、インクジェット式記録ヘッドとする。
【0069】
このように構成したインクジェット式記録ヘッドは、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口42からインクを取り込み、共通インク室31からノズル開口11に至るまで内部をインクで満たした後、図示しない外部の駆動回路からの記録信号に従い、リード電極100を介して下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体膜70をたわみ変形させることにより、圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口11からインク滴が吐出する。
【0070】
このように形成された圧力発生室12と圧電体能動部320との位置関係及び圧電体能動部320を駆動させた際の圧力発生室12端部付近の拡大断面を図7に示す。
【0071】
図7(a)に示すように、圧電体膜70および上電極膜80からなる圧電体能動部320は、圧力発生室12に対向する領域内に帯状に設けられている。また、弾性膜50及び下電極膜60は、圧電体能動部320に電圧を印加による変形に伴い、図7(b)に示すように、圧電体能動部320から見て、圧力発生室12の周壁近傍では上に凸状に変形し、圧力発生室12の大部分では下に凸状(凹状)に変形する。そして、圧電体能動部320の端部Eは、このように変形した際に、弾性膜50及び下電極膜60が凹状に変形している範囲、すなわち、曲がりの曲率中心が圧電体膜70形成側にある範囲Sに位置する。この範囲Sは、弾性膜50が圧電体能動部320が設けられている側とは反対方向に凸に変形する範囲であり、圧電体能動部が弾性膜の下側に設けられている場合には、上に凸に変形した領域に圧電体能動部の端部が存在するようにすればよい。
【0072】
このような構造にすることにより、圧電体能動部320を駆動した際に、圧電体能動部320の端部に引張り応力が発生しなくなり、また圧力発生室12の周壁近傍での応力集中が緩和されるため、これらの部分での剥がれ、クラックの発生等を抑制することができる。なお、上述した範囲Sの条件は、少なくとも駆動時に満たせばよく、非駆動時には反対方向に変形していても上述した効果を奏する。
【0073】
ここで、本実施形態の圧電体能動部320のパターニング形状は、特に限定されず、例えば、図8に示すように、圧電体能動部320Aの端部形状は圧力発生室12と略同一形状であってもよい。この場合、圧電体能動部320Aの端部は、圧力発生室12の端部に向かって突出している隅部E1であり、この隅部E1が上述の範囲Sに位置するように形成される。さらに、例えば、図9に示すように、圧電体能動部320Bの端部形状は略円弧形状としてもよく、この場合、圧電体能動部320Bは、円弧の先端部E2が上述の範囲Sに位置するように形成する。
【0074】
また、圧電体能動部320の端部及び圧力発生室12の端部近傍でのクラック等の発生をさらに効果的に抑えるために、本実施形態の構造に加え、例えば、図10〜図12に示すような構造を採るようにしてもよい。
【0075】
すなわち、図10に示すように、圧電体能動部320Cの長手方向端部の外側に、上電極膜80が除去されて圧電体膜70のみが形成された圧電体非能動部330を形成して、圧電体能動部320Cの長手方向端部での振動を抑制するようにしてもよい。この圧電体非能動部330は圧電体能動部320Cへの電圧印加によっても駆動されることがないため、圧電体能動部320Cの端部近傍での振動を抑制し、この部分での剥がれ、クラックの発生等を効果的に抑えることができる。この場合、圧電体能動部320Cの端部は、圧電体非能動部330との境界部E3であり、この境界部E3が上述の範囲Sに位置するように形成される。なお、圧電体非能動部330は、両端部外側に設けてもよいが、例えば、リード電極100とコンタクト部となるコンタクトホール90aに近い端部のみに設けてもよい。
【0076】
また、図11に示すように、図10の構造と同様に、圧電体能動部320Dの長手方向端部の外側に、圧電体非能動部330Aを圧力発生室12の端部を越えて周壁上まで延設、すなわち、圧電体非能動部330Aが圧力発生室12に対向する領域から周壁に対向する領域まで両者の境界を跨ぐように形成するようにしてもよい。この場合も、上述と同様に、圧電体能動部320Dは、圧電体非能動部330Aとの境界部E4が上述の範囲Sに位置するように形成される。このような構造とすることにより、圧電体能動部320Dの端部及び圧力発生室12の周壁近傍において、電圧印加による振動が実質的になくなり、これらの部分での剥がれ及びクラックの発生等を効果的に抑えることができる。さらに、圧力発生室12とその周壁との境界部分近傍では、一般的には繰り返し変位によりに圧電体膜70等に割れが発生しやすいが、この部分の圧電体膜70が圧電体非能動部330Aであるので、この部分での割れの発生が抑えられる。
【0077】
またさらに、図12に示すように、圧電体能動部320Eを圧力発生室12の端部を越えて周壁上まで延設して、圧力発生室12と周壁とを跨ぐ領域に、圧電体能動部320Eと同一の層構造を有するが幅狭であり実質的に駆動部ではない圧電体非能動部330Bを設けてもよい。この場合、実質的な駆動部は圧電体能動部320Eであるので、圧電体能動部320Eと圧電体非能動部330Bとの境界部E5が上述の範囲Sに位置するように形成される。このような構造にすることにより、電圧を印加した際に、圧電体能動部320Eの端部及び圧力発生室12の周壁近傍での剥がれ、クラックの発生等が効果的に抑えられる。なお、この構造では、上述したリード電極とのコンタクトを圧力発生室外で行うことができる。
(実施形態2)
実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの要部平面を図13に示す。本実施形態の基本的構成は実施形態1と同一であるが、圧電体能動部320の長手方向の端部の短辺320a、320bと、これらに対向する圧力発生室12の周壁の短辺12a、12bとの間のクリアランスΔyを所定の範囲になるように設定したものである。
【0078】
かかる所定の範囲は、以下の知見に基づいて決定される。すなわち、このクリアランスΔyを一定値より大きくすると、圧電体能動部320の短辺320a、320b近傍に対向する領域の弾性膜50が、上述した実施形態1と同様に下に凸に変位しており、応力集中による弾性膜50及び圧電体能動部320の破壊が防止される。一方、クリアランスΔyを一定値を越えて大きくすると、弾性膜50の剛性が低くなり、製造工程で弾性膜50の圧電体能動部320が存在しない領域に皺が生じてインク滴の吐出が不安定になる上、圧電体能動部320の面積が小さくなるため、駆動時の性能が低下する。また、クリアランスΔyは、圧力発生室12の幅Xに依存する。
【0079】
最適なクリアランスΔyを求めるため、クリアランスΔyを変化させて、例えば、駆動周波数14.4kHzの駆動信号を1時間印加して、クリアランスΔyと、圧電能動部320の破壊の有無との関係を調査した結果を表1に示す。下記表1に示すように、クリアランスΔyが圧力発生室12の幅Xの0.3倍以上であれば破壊が生じないことが判明した。
【0080】
また、この範囲では、圧電体能動部320の端部に対向する領域の弾性膜50は、下に凸に変形していることが確認された。従って、実施形態1に詳細に示したように、圧電体能動部320の端部の位置を弾性膜50が下に凸に変形している領域存在するようにするためには、例えば、上述したクリアランスΔyを圧力発生室12の幅Xの0.3倍以上にすればよいことが確認された。
【0081】
【表1】
Figure 0004021065
【0082】
さらに、クリアランスΔyをさらに大きい範囲で変化させて、クリアランスΔyと、流路形成基板10をエッチングして圧力発生室12を形成した後の弾性膜50における皺の発生率との関係を調査した結果を表2に示す。下記表2に示すように、クリアランスΔyが圧力発生室12の幅Xの5倍以下の場合には皺は発生しなかった。
【0083】
【表2】
Figure 0004021065
【0084】
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
【0085】
例えば、上述した封止板20の他、共通インク室形成板30をガラスセラミックス製としてもよく、さらには、薄肉膜41を別部材としてガラスセラミックス製としてもよく、材料、構造等の変更は自由である。
【0086】
また、上述した実施形態では、ノズル開口を流路形成基板10の端面に形成しているが、面に垂直な方向に突出するノズル開口を形成してもよい。
【0087】
このように構成した実施形態の分解斜視図を図14、その流路の断面を図15にぞれぞれ示す。この実施形態では、ノズル開口11が圧電素子とは反対のノズル基板120に穿設され、これらノズル開口11と圧力発生室12とを連通するノズル連通口22が、封止板20,共通インク室形成板30及び薄肉板41A及びインク室側板40Aを貫通するように配されている。
【0088】
なお、本実施形態は、その他、薄肉板41Aとインク室側板40Aとを別部材とし、インク室側板40に開口40bを形成した以外は、基本的に上述した実施形態と同様であり、同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0089】
ここで、この実施形態においても、実施形態1及び2と同様に、電圧印加による振動板の変形の際、曲率中心が圧電体膜側にある範囲に圧電体能動部の端部が位置するように形成することにより、圧電体能動部の端部及び圧力発生室の周壁近傍での応力集中を低減させ、割れ等の発生を防止することができる。
【0090】
また、勿論、共通インク室を流路形成基板に形成したタイプのインクジェット式記録ヘッドにも同様に応用できる。
【0091】
また、以上説明した各実施形態は、成膜及びリソグラフィプロセスを応用することにより製造できる薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、基板を積層して圧力発生室を形成するもの、あるいはグリーンシートを貼付もしくはスクリーン印刷等により圧電体膜を形成するもの、又は結晶成長により圧電体膜を形成するもの等、各種の構造のインクジェット式記録ヘッドに本発明を採用することができる。
【0092】
また、上述の各実施形態においては、基本的には上述したコンタクトホール90aを介してリード電極と接続を図るが、リード電極のパターン形状は特に限定されない。
【0093】
さらに、圧電素子とリード電極との間に絶縁体層を設けた例を説明したが、これに限定されず、例えば、絶縁体層を設けないで、各上電極に異方性導電膜を熱溶着し、この異方性導電膜をリード電極と接続したり、その他、ワイヤボンディング等の各種ボンディング技術を用いて接続したりする構成としてもよい。
【0094】
このように、本発明は、その趣旨に反しない限り、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドに応用することができる。
【0095】
また、勿論、共通インク室を流路形成基板内に形成したタイプのインクジェット式記録ヘッドにも同様に応用できる。
【0096】
また、以上説明した各実施形態は、成膜及びリソグラフィプロセスを応用することにより製造できる薄膜型のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これに限定されるものではなく、例えば、基板を積層して圧力発生室を形成するもの、あるいはグリーンシートを貼付もしくはスクリーン印刷等により圧電体膜を形成するもの等、各種の構造のインクジェット式記録ヘッドに本発明を採用することができる。
【0097】
このように、本発明は、その趣旨に反しない限り、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドに応用することができる。
【0098】
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図16は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
【0099】
図16に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
【0100】
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
【0101】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、電圧印加による振動板の変形の際に、圧電体能動部の端部に対応する部分を含んだ領域が圧電素子とは反対方向に凸に変形するように形成することにより、圧電体能動部の端部及び圧力発生室の周壁近傍での応力集中を低減させることができ、割れ等の発生を防止することができる。さらに、応力の低減により、圧電体能動部に印加する駆動電圧を増加することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す図であり、図1の平面図及び断面図である。
【図3】図1の封止板の変形例を示す平面図である。
【図4】本発明の実施形態1の薄膜製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1の薄膜製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態1の薄膜製造工程を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの要部を示す平面図及び断面図である。
【図8】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの変形例の要部を示す平面図である。
【図9】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの変形例の要部を示す平面図である。
【図10】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの変形例の要部を示す平面図である。
【図11】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの変形例の要部を示す平面図である。
【図12】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドの変形例の要部を示す平面図である。
【図13】本発明の実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドの要部を示す平面図である。
【図14】本発明の他の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドの断面図である。
【図16】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板
11 ノズル開口
12 圧力発生室
50 弾性膜
60 下電極膜
70 圧電体膜
80 上電極膜
90 絶縁体層
100 リード電極
320、320A〜320E 圧電体能動部
330、330A、330B 圧電体非能動部
350 下電極除去部

Claims (8)

  1. ノズル開口に連通する圧力発生室の一部を構成する振動板を介して下電極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子を備えたインクジェット式記録ヘッドにおいて、
    前記圧電素子の圧電体能動部の長手方向の少なくとも一方の端部が前記圧力発生室に対向する領域の端部より内側にあり、その端部の外側には、前記圧電体層と前記下電極及び前記上電極とを有するが少なくとも当該圧電体層の幅が前記圧電体能動部の幅より幅狭で前記振動板を実質的に駆動しない圧電体非能動部が連続的に設けられていると共に、
    前記圧電素子の駆動時に、前記圧電体能動部の長手方向の前記一方の端部近傍に対向する領域の前記振動板が前記圧力発生室の端部から長手方向内側に亘って前記圧電素子側に凸になった状態から前記圧電素子非形成面側に凸に変形しており、且つ前記圧電体能動部の長手方向の端部は、当該振動板の曲がりの曲率中心が前記圧電素子形成面側にある凸領域に位置していることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  2. 前記圧電体非能動部は、前記圧力発生室の周壁まで延設されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  3. 前記圧電体能動部の端部近傍に対向する領域の前記振動板は、前記圧電素子の駆動時に前記圧電素子非形成面側に凸になり、非駆動時には前記圧電素子形成面側に凸になることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  4. 前記圧電体能動部の端部近傍に対向する領域の前記振動板の前記圧電体層側の表面近傍には、前記圧電素子の駆動時に圧縮方向の応力がかかることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  5. 前記圧電体能動部の上面には絶縁体層が形成され、前記上電極とリード電極との接続部であるコンタクト部が当該絶縁体層に形成されたコンタクトホール内に形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  6. 前記圧電体能動部及び前記圧電体非能動部の上面に絶縁体層が形成され、前記上電極とリード電極との接続部であるコンタクト部が前記圧力発生室の周壁上の前記絶縁体層に形成されたコンタクトホール内に形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  7. 前記圧力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングにより形成され、前記振動板及び前記圧電素子の各層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のインクジェット式記録ヘッド。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載のインクジェット式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェット式記録装置。
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