JP4020019B2 - ガスセンサの異常検出装置 - Google Patents

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    • G01N27/417Systems using cells, i.e. more than one cell and probes with solid electrolytes
    • G01N27/4175Calibrating or checking the analyser

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスセンサの異常検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスセンサは種々の分野で用いられており、例えば、内燃機関の排気管に設けられて、内燃機関本体から排出される排気ガス中の酸素等のガス濃度を検出して、その検出信号を機関本体各部の制御に供するようになっている。
【0003】
内燃機関用のガスセンサは、今日、ジルコニア等の酸素イオン導電性の固体電解質材を用いたものが一般的である。例えば、被測定ガスが存在するガスセンサ外部とガスセンサ内部とで酸素が行き来可能にチャンバーを形成し、固体電解質材に1対の電極を形成したセルによりチャンバー内の酸素を汲み出し又は汲み込む構造のものがある。このものでは、電極間に、電極と接続された信号線を介して電圧を印加して固体電解質材の内部にキャリアとしての酸素イオンを移動させることで、酸素を汲み出し又は汲み込むようになっている。そして、電極間にチャンバー内の酸素濃度に応じた限界電流を流し、前記信号線を流れる電流を検出することで酸素濃度が知られるようにしている。また、このような構成のセルを複数設けて、NOx やCO、HCを検出可能としたものもある。
【0004】
ところで、今日の内燃機関等では、実働状態等において、各種の異常の有無の自己診断を行うことがなされている。下記特許文献1には、ガスセンサの故障を判定する装置が開示されている。この装置では、特にガスセンサに内蔵されるヒータの通電故障を判定するようにしており、ヒータ通電時の電圧や電流をその大きさで二値判定して断線等の異常の有無を判断している。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−6812号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1の技術を応用して、セルの電極と信号線との間や、信号線の途中での断線を検出して、正常なガス濃度の検出が不可能な状態であることが速やかに知られるようにするのが望ましい。例えば、セルの電極間に電圧を印加して電流の有無を検出することが考えられる。
【0007】
しかしながら、ガスセンサは小型化や多セル化が進んでおり、一体に設けられるヒータやセルの干渉で、得られた検出電流から必ずしも正確には断線の有無を検出することができない。
【0008】
本発明は前記実情に鑑みなされたもので、ガスセンサの断線の有無を正確に検出することのできるガスセンサの異常検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明では、固体電解質材に1対の電極が形成されたセルを有し、前記電極の表面における被測定ガスの組成に応じた信号を、前記電極と接続された信号線から出力するガスセンサの異常の有無を検出するガスセンサの異常検出装置において、
異常検出対象のセルについて、前記信号線を介して一時的に交流成分を含む試験信号を入力する信号入力手段と、
前記試験信号入力に応答して、前記信号線に生じる応答信号を検出するとともに前記応答信号の検出において前記試験信号に対して所定のタイムディレイを設定した応答信号検出手段と、
前記応答信号の検出値を規定値と比較して、前記検出値が前記規定値で画された領域のうち予め設定した一方の領域にある場合には、前記異常検出対象のセルについて断線異常と判ずる判定手段とを具備せしめる。
【0010】
セルの電極は固体電解質材を移動する酸素量を確保すべく平面的な広がりをもっているため、セルの等価回路は比較的大きな寄生容量を有している。したがって、交流成分に対するインピーダンスは、セルに断線異常が生じたときの断線部におけるインピーダンスに比してごく小さい。したがって、応答信号は、断線の有無で、大きな差を有することになる。これにより、他のセル等の干渉により定常的に信号線に流れる電流による信号と明確に区別することができ、判定の確度が高いものとなる。
【0011】
また、断線の有無で応答信号が大きな差を生じるので、固体電解質材がある程度昇温してインピーダンスがある程度小さくなっていれば断線検出が可能であり、早期に断線を知ることができる。
【0013】
ガスセンサの小型化、複数セル化のため、複数のセルの電極が同一固体電解質材に形成されている構造等では、検出対象のセルとその他のセルとが近接し、セル間に寄生容量が存在している。このため、一方の電極で断線が生じていても、断線の生じていない電極と前記その他のセルの電極間の寄生容量を介して試験信号に応答して電流が流れる。応答信号の検出で試験信号に対して所定のタイムディレイを設定して、かかる信号線上の信号における、セル間の寄生容量の影響が小さくなった状態で断線検出を行うことで、さらに断線検出の確度を高めることができる。
【0014】
請求項記載の発明では、固体電解質材に1対の電極が形成されたセルを有し、前記電極の表面における被測定ガスの組成に応じたガス検出信号を、前記電極と接続された信号線から出力するガスセンサであって、複数のセルについて1対の電極のうち一方の電極が共通のチャンバーに面して設けられる構造のガスセンサを検出対象として、異常の有無を検出するガスセンサの異常検出装置において、
前記複数のセルのうちの所定のセルについて、信号線を介して一時的に交流成分を含む試験信号を入力する試験信号入力手段と、
前記試験信号入力に応答して、前記複数のセルのうちの前記所定セル以外の異常検出対象のセルに対応する信号線に生じる応答信号を検出する応答信号検出手段と、
前記応答信号の検出値を規定値と比較して、前記検出値が前記規定値で画された領域のうち予め設定した一方の領域にある場合には、異常検出対象のセルについて断線異常と判ずる判定手段とを具備せしめる。
【0015】
ガスセンサの小型化、複数セル化のため、複数のセルの電極が同一固体電解質材に形成されている構造等では、検出対象のセルとその他のセルとが近接し、セル間に寄生容量が存在している。したがって、交流成分に対するインピーダンスは、セルに断線異常が生じたときの断線部におけるインピーダンスに比してごく小さい。したがって、応答信号は、断線の有無で、大きな差を有することになる。これにより、他のセル等の干渉により定常的に信号線に流れる電流による信号と明確に区別することができ、判定の確度が高いものとなる。
【0016】
また、試験信号の出力期間を長めにとって時間をかけて断線検出を行うことが許容される場合、所定セルについて試験信号を入力すると、その分の酸素汲み出し若しくは汲み込み作用により、所定セルの電極が面しているチャンバーの酸素濃度が変化する。これにより、同じチャンバーに面している検出対象セルの電極に接続された信号線に断線がなければ、酸素濃度変化に応じてガス検出信号に変化が生じ、これが応答信号となる。これにより、断線の有無を検出することができる。応答信号が、実際のチャンバー内の酸素濃度の変化に基因したものであるから、他のセル等の干渉により定常的に信号線に流れる電流による信号と明確に区別することができ、判定の確度が高いものとなる。
【0017】
当該検出対象セルについて試験信号入力手段を設けないので、設計の自由度が拡大する。
【0018】
請求項記載の発明では、請求項の発明の構成において、前記所定のセルについて、前記試験信号入力に応答して、前記所定セルに対応する信号線に生じる応答信号を検出する別の応答信号検出手段と、
前記応答信号の検出値を規定値と比較して、前記検出値が前記規定値で画された領域のうち予め設定した一方の領域にある場合には、前記所定セルについて断線異常と判ずる別の判定手段とを具備せしめる。
【0019】
所定セルの断線異常判定用の試験信号を検出対象セルの断線検出用に兼用することができるので、構成を簡略化することができる。
【0020】
請求項記載の発明では、請求項の発明の構成において、前記所定のセルについて、前記試験信号入力に応答して、前記所定セルに対応する信号線に生じる応答信号を検出する応答信号検出手段と、
前記試験信号と前記応答信号とに基づいて前記所定セルの電極間のインピーダンスを求めるインピーダンス算出手段と、
得られたインピーダンスに基づいて、前記セルとともに前記ガスセンサに一体に設けられたヒータを制御するヒータ制御手段とを具備せしめる。
【0021】
ヒータ制御に供されるインピーダンス検出用の試験信号を検出対象セルの断線検出用に兼用することができるので、構成を簡略化することができる。
【0022】
請求項記載の発明では、請求項1ないしの発明の構成において、前記固体電解質材の温度状態を検出する温度状態検出手段と、
前記温度状態が固体電解質材の所定温度域に到達するまで、前記判定手段の異常判定処理を禁止する禁止手段とを具備せしめる。
【0023】
固体電解質材が冷えている状態では電極間のインピーダンスが高く、前記寄生容量は小さい。かかる状態で断線検出を行っても、十分な大きさの応答信号が得られない。したがって、固体電解質材の温度状態が固体電解質材の所定温度域に到達するまで異常判定がなされないようにすることで、断線の判定確度を高めることができる。
【0024】
請求項記載の発明では、請求項の発明の構成において、前記温度状態検出手段は、前記試験信号と前記応答信号とに基づいて前記電極間のインピーダンスを求め、前記温度状態は、前記インピーダンスをパラメータとする。
【0025】
固体電解質材は、温度状態を活性温度域に向けて昇温するほど電極間のインピーダンスが小さくなるから、電極間のインピーダンスにより好適に固体電解質材の温度状態を知ることができる。別途、センサ類を設ける必要がないから構成を簡略化することができる。
【0026】
請求項記載の発明では、請求項1ないしの発明の構成において、
前記試験信号入力手段は、前記試験信号として一時的な電圧変化を前記信号線に入力し、
前記応答信号検出手段は、前記応答信号として前記信号線を流れる電流変化を検出し、
前記判定手段は、前記予め設定した一方の領域を前記規定値よりも小側の領域として、前記検出値が前記規定値を下回る場合には、前記異常検出対象のセルについて断線異常と判ずる構成とする。
【0027】
試験信号として交流電圧を与え、電流変化で断線検出する場合、前記寄生容量により、電極と接続された信号線に断線がなければ、交流電流が電極間を流れる。この交流電流による電流応答信号は比較的大きなものとなる。断線していれば、前記交流電流は実質的に0である。したがって、前記一方の領域を規定値よりも小側の領域にとることで断線を判定することができる。
【0028】
請求項記載の発明では、請求項1ないしの発明の構成において、
前記試験信号入力手段は、前記試験信号として一時的な電流変化を前記信号線に入力し、
前記応答信号検出手段は、前記応答信号として前記信号線の電圧変化を検出し、
前記判定手段は、前記予め設定した一方の領域を前記規定値よりも大側の領域として、前記検出値が前記規定値を上回る場合には、前記異常検出対象のセルについて断線異常と判ずる構成とする。
【0029】
試験信号として交流電流を与え、電圧変化で断線検出する場合、前記寄生容量により、電極と接続された信号線に断線がなければ、交流電流が電極間を流れる。前記のごとくセルの交流成分に対するインピーダンスは小さいので、前記交流電流による電圧応答信号は比較的小さなものとなる。前記セルの小さなインピーダンスが小さいので、断線していれば、断線部でのインピーダンスにより、大きな電圧応答信号となる。したがって、前記一方の領域を規定値よりも大い側の領域にとることで断線を判定するとができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
図1に本発明のガスセンサの異常検出装置を適用したガス濃度検出装置を示す。本実施形態は例えば自動車の内燃機関用に適用したものである。
【0045】
ガスセンサ1は例えばエンジンから排出される排気ガスが流通する排気管に設けられ、車室側に設けられたガスセンサ1の制御回路2と配線用のケーブルにより接続される。制御回路を構成するマイクロコンピュータ28では、ガスセンサ1からの各信号に基づいて排気ガス中の酸素濃度およびNOx 濃度(以下、適宜、ガス濃度という)を演算処理し、その結果を出力する。
【0046】
ガスセンサ1は図2、図3、図4に示すように、ジルコニア等の酸素イオン導電性の固体電解質材である固体電解質層111,112、アルミナ等の絶縁材料からなる絶縁層113,114、アルミナ等の絶縁材料やジルコニア等の固体電解質材からなる層115等が板厚方向に積層する積層構造を有し、面方向に細長の全体形状が与えられている。固体電解質層111,112で挟まれた絶縁層114は一部が板厚方向に打ち抜かれており、固体電解質層111,112の間に、絞り部103を介して互いに連通する2つのチャンバー101,102が形成される。チャンバー101,102はガスセンサ1の長手方向に配置され、ガスセンサ1の先端側の第1のチャンバー101よりもガスセンサ1の基端側の第2のチャンバー102は2倍程度幅広である。
【0047】
各固体電解質層111,112をそれぞれ挟んでチャンバー101,102と反対側には各固体電解質層111,112をダクト壁の一部とする大気ダクト104,105がそれぞれ形成されている。各大気ダクト104,105はガスセンサ1の基端で大気に開放している。第1の大気ダクト104は固体電解質層112を挟んで第1チャンバー101と対向する位置まで伸びており、第2のダクト105は固体電解質層111を挟んで第2チャンバー102と対向する位置まで伸びている。ガスセンサ1が内燃機関に適用される場合には、ガスセンサ1はこれを保持するホルダ部材等とともに排気管の管壁を貫通して設けられて、大気ダクト104,105は排気管外部と連通し、基準酸素濃度の空間となる。
【0048】
第1のチャンバー101位置で、図2中、上側の固体電解質層111には、これを板厚方向に貫通するピンホール106が形成されており、ピンホール106を介して当該ガスセンサ1の周囲の排気ガスが第1チャンバー101内に導入される。ピンホール106の開口端は多孔質アルミナ等の多孔質拡散層116により覆われており、排気微粒子のチャンバー101内への侵入を防止している。
【0049】
第1チャンバー101位置で固体電解質層112の上下面には固体電解質層112を挟んで対向する1対の電極121,122が形成されており、固体電解質層112と電極121,122とでポンプセル1aが構成される。ポンプセル1aを構成する電極121,122のうち、チャンバー101に面した電極121はNOx の分解(還元)に不活性なAu−Pt等の貴金属により構成されている。以下、適宜、チャンバー101に面した電極121をチャンバー側ポンプ電極121といい、大気ダクト104に面した電極122を大気側ポンプ電極122という。
【0050】
第2チャンバー102位置で固体電解質層111の上下面には、大気ダクト105に面した電極125を共通として、固体電解質層112を挟んで対向する2組の1対の電極123,125、電極124,125が形成されている。固体電解質層111と電極123,125とでモニタセル1bが構成される。また、固体電解質層111と電極124,125とでセンサセル1cが構成される。チャンバー102に面した電極123,124のうち、モニタセル1bの電極123がNOx の分解(還元)に不活性なAu−Pt 等の貴金属により構成され、センサセル1cの電極124がNOx の分解(還元)に活性なPt 等の貴金属により構成される。以下、適宜、モニタセル1bのチャンバー102に面した電極123をチャンバー側モニタ電極123といい、センサセル1cのチャンバー102に面した電極124をチャンバー側センサ電極124という。また、モニタセル1bとセンサセル1cとに共通の大気ダクト105に面した電極125を大気側センサ/モニタ電極125という。
【0051】
また、固体電解質層112とともに大気ダクト104のダクト壁をなす層115には、Pt等の線パターンが埋設されて、ガスセンサ1全体を加熱するヒータ13としてある。ヒータ13は通電によりジュール熱を発生する電気式のものである。
【0052】
ガスセンサ1において、ガスセンサ1の周囲を流れる排気ガスが多孔質拡散層116およびピンホール106を通って第1チャンバー101に導入されるが、ポンプセル1aに大気側ポンプ電極122側を正として電極121,122間に電圧を印加すると、排気ガス中の酸素がチャンバ側ポンプ電極122で分解、イオン化して固体電解質層111を通り大気ダクト104へと排出される。このとき、第1チャンバー101内への酸素の流入はピンホール106と多孔質拡散層116の流通抵抗が支配的となっている。ポンプセル1aの電極121,122間への印加電圧を限界電流域に設定すればその電流値から排気ガス中の酸素濃度が知られる。チャンバ側ポンプ電極121がNOx の分解に不活性であるからNOx は第1チャンバー101内に残留する。
【0053】
排気ガスは第1チャンバー101から絞り部103を介して第2チャンバー102へと拡散するから、第2チャンバー102には酸素濃度が低下した排気ガスが存在している。モニタセル1b、センサセル1cに、大気側センサ/モニタ電極125側を正として、電極123,125間および電極124,125間に電圧を印加すると、各セル1b,1cではチャンバー102内の余剰酸素が大気ダクト105へと排出され、限界電流が流れる。ここで、第2チャンバー102に面した電極123,124のうち、チャンバ側センサ電極124のみがNOx の分解に対して活性であるから、センサセル1cに流れる電流の方がモニタセル1bに流れる電流よりも、チャンバ側センサ電極124においてNOx が分解することで生じる酸素イオンの分、多くなる。モニタセル1bに流れる電流とセンサセル1cに流れる電流との差に基づいて排気ガスのNOx 濃度が得られることになる。
【0054】
次にガス濃度検出装置の電気的構成について説明する。制御回路2は、CPU、A/Dコンバータ(A/D0〜A/D5)、D/Aコンバータ(D/A0〜D/A4)、I/Oポート(I/O0,I/O1)等を備えた一般的な構成のマイクロコンピュータ28を有している。マイクロコンピュータ28はポンプセル1a、モニタセル1bの電源を構成し、ポンプセル1a、モニタセル1bへの印加電圧の指令電圧をD/A1,D/A0より適宜、出力する。また、マイクロコンピュータ28は、各セル1a〜1cに流れる電流を検出すべく、ガス検出信号をA/D0〜A/D5から取り込む。そして、セル1a〜1cでの検出電流に基づいて排気ガス中の酸素濃度やNOx 濃度を演算し、その結果をD/A4,D/A3より外部出力する。また、マイクロコンピュータ28はI/O0,I/O1から制御信号を出力する。
【0055】
詳細には、ポンプセル1aの大気ポンプ電極122には基準電圧源211の出力が入力する電圧フォロア用のオペアンプ212から基準電圧Va が印加され、チャンバ側ポンプ電極121には、マイクロコンピュータ28のD/A1からの指令電圧がローパスフィルタ(以下、適宜、LPFという)231を介して入力するオペアンプ232から電流検出用の抵抗器233を介して、電圧Vb が印加される。電圧Vb およびオペアンプ232の出力電圧Vd はマイクロコンピュータ28のA/D2、A/D3で取り込まれる。これにより、ポンプセル1aの電極121,122間には電圧(Va −Vb )が印加され(以下、適宜、この印加電圧を、ポンプセル電圧Vp という)、電極121,122間に電流(以下、適宜、ポンプセル電流という)Ip が流れると、これが抵抗器233の電圧降下(Vb −Vd )として検出されることになる。前記LPF231は、例えば抵抗器およびコンデンサからなる一次フィルタとして構成される。離散値をとるマイクロコンピュータ28からの指令電圧の波形がLPF231によりなまされてオペアンプ232に入力する。
【0056】
モニタセル1b、センサセル1cに対しても同様の検出回路が設けられている。すなわち、モニタセル1b、センサセル1cの共通の電極125には基準電圧源221の出力が入力する電圧フォロアのオペアンプ222から基準電圧Vf が印加されている。モニタセル1bのチャンバ側モニタ電極123には、マイクロコンピュータ28のD/A0からの指令電圧がLPF241を介して入力するオペアンプ242から電流検出用の抵抗器243を介して、電圧Vc が印加される。電圧Vc およびオペアンプ242の出力電圧Ve はマイクロコンピュータ28のA/D0、A/D1で取り込まれる。これにより、モニタセル1aの電極123,125間には電圧(Vf −Vc )が印加され(以下、適宜、この印加電圧を、モニタセル電圧Vm という)、電極123,125間に電流(以下、適宜、モニタセル電流という)Im が流れると、これが抵抗器243の電圧降下(Vc −Ve )として検出されることになる。
【0057】
一方、センサセル1cのチャンバ102に面した電極124には、マイクロコンピュータ28のD/A2からの指令電圧がLPF251を介して入力するオペアンプ252から電流検出用の抵抗器253を介して、電圧Vgが印加される。オペアンプ252の出力電圧Vh、および電圧Vgはマイクロコンピュータ28のA/D4、A/D5を介してCPUに取り込まれる。これにより、センサセル1cの電極124,125間には電圧(Vf −Vg)が印加され(以下、適宜、この印加電圧を、センサセル電圧Vs という)、電極124,125間に電流(以下、適宜、センサセル電流という)Is が流れると、これが抵抗器253の電圧降下(Vg−Vh)として検出されることになる。
【0058】
また、制御回路2では、セル1a〜1cのインピーダンスが検出されるようになっている。インピーダンスの検出は、代表としてモニタセル1bを対象としてなされ、検出されるインピーダンスは両電極123,125間のインピーダンスである(以下、適宜、モニタインピーダンスという)。すなわち、インピーダンス検出時には、D/A0からの指令電圧が正側または負側に瞬間的に変化せしめられる。この電圧変化はLPF241でなまされて、モニタセル1bのチャンバ側モニタ電極123への印加電圧Vc 、したがってモニタセル電圧Vm に、正弦波状の交流成分が含められる。この交流成分は、1kHz以上が望ましく、LPF241の時定数は15μsec程度に設定される。マイクロコンピュータ28では、この時のモニタセル電圧Vm の電圧変化およびモニタセル電流Im の電流変化に基づいてインピーダンスが求められる。
【0059】
なお、モニタセル電流Im 検出用の抵抗器243と並列に別のモニタセル電流Im 検出用の抵抗器244が設けられている。抵抗器244はスイッチ245により断接切り換え自在である。スイッチ245はマイクロコンピュータ28のI/O1からの制御信号でオンオフし、オン時にはモニタセル電流Im 検出用の抵抗器の抵抗値を小さくすることができる。スイッチ245のオンによりモニタセル電流Im 検出用の抵抗器の抵抗値を小さくするのは、インピーダンスの検出時であるが、これは、濃度検出時に比してモニタセル電流Im が大きくなるため、インピーダンスの検出時とガス濃度検出時とで電流検出電圧(Vc −Ve )がアンバランスにならないようにしたものである。
【0060】
次にヒータ13の駆動系について説明する。ヒータ13はバッテリ26から通電されるようになっており、通電はMOSFET272によりオンとオフとに切り換えられるようになっている。MOSFET272のゲートには、マイクロコンピュータ28のI/O0からMOSFETドライバ271を介して駆動信号が入力して、前記オンとオフとを切り換えられる。ヒータ13の通電制御はパルス状に電圧を印加するPWM制御でなされ、駆動電流(駆動電力)の調整が、所定周期内の前記パルスのオン期間の長さ(駆動デューティ)を増減することでなされる。
【0061】
次にマイクロコンピュータ28で実行される制御プログラムとともに本ガス濃度検出装置の作動について説明する。先ず、図5、図6のフローチャートにより、ガス濃度を検出する基本的な制御について説明する。
【0062】
図5はメインルーチンの概要を示すもので、制御回路2の電源オンにより起動する。先ずステップS101では前回のガス濃度の検出時から所定時間Ta が経過したか否かを判定する。所定時間Ta はガス濃度検出の周期に相当する時間であり、例えば4ms程度に設定される。
【0063】
ステップS101が肯定判断されるとステップS102に進み、ガス濃度の検出処理を実行する。ガス濃度の検出処理では、その時々のポンプセル電流Ip に応じた指令電圧を設定するとともに、その指令電圧出力時のポンプセル電流Ip を検出する。指令電圧の設定はマイクロコンピュータ28の図示しないROMに格納された印加電圧マップにしたがって設定される。そして、ポンプセル電流Ip を酸素濃度に換算する。さらに、その時々のモニタセル電流Im 、センサセル電流Is を検出する。そして、モニタセル電流Im 、センサセル電流Is をNOx 濃度に換算する。
【0064】
続くステップS103では、前回のインピーダンスの検出時から所定時間Tb が経過したか否かを判定する。所定時間Tb はインピーダンス検出の周期に相当する時間であり、例えばエンジン運転状態に応じて128msec、2sec等の時間が選択的に設定される。
【0065】
ステップS103が肯定判断されるとステップS104に進んでインピーダンスの検出処理を実行し、ステップS105で検出インピーダンスに基づいてヒータ13の通電制御を実行する。
【0066】
インピーダンスの検出処理(ステップS104)は、温度状態検出手段としての処理であり、図6に示すように、ステップS201で、D/A0からの指令電圧を例えば正側にごく短時間(数十〜数百μsec)シフトし、モニタセル電圧Vm を変化させるとともに、ステップS202で、このときのモニタセル電圧Vm の変化ΔVm と、モニタセル電流Im の変化ΔIm とを計測する。なお、ステップS201実行前にI/O1によりインピーダンス検出用に抵抗器244が接続される。ステップS203はインピーダンス算出手段としての処理で、計測結果に基づいてインピーダンスを算出する。すなわち、モニタセル電流変化ΔIm とモニタセル電圧変化ΔVm との比(ΔVm /ΔIm )を算出して、これをインピーダンスとする。モニタセル電圧Vm の変化はLPF241の作用で波形の立ち上がりと立ち下がりがなまされたものとなり、モニタセル1bのリアクタンス成分の影響でモニタセル電流Im に過大な尖頭成分が現れるのを防止し、インピーダンスの検出精度を高めている。このインピーダンスは、図7に示すように、固体電解質層111,112の温度状態を示しており、温度が高いほど小さくなる。固体電解質の活性温度域まで上昇すると、良好に酸素イオンが流れることになる。
【0067】
ヒータ通電制御(ステップS105)はヒータ制御手段としての処理であり、例えば、検出インピーダンスが目標インピーダンスの75%になるまでは、駆動デューティを100%に固定する固定デューティ制御を実行し、目標インピーダンスの75%を越えると、PI制御を実行し、目標インピーダンスに収束せしめる。
【0068】
次にガスセンサ1の信号線の断線を検出する制御について説明する。
【0069】
〈ポンプセル断線〉
図8、図9はポンプセル1aを検出対象とする断線検出処理を示すもので、ステップS301では前記インピーダンス検出処理(ステップS104)で検出されたインピーダンスZACを予め設定した規定値と比較し、規定値以下か否かを判定する。ステップS301は禁止手段としての処理である。インピーダンスZACが規定値以上で否定判断されるとリターンに抜ける。肯定判断されると、ステップS302に進み、ポンプセル断線検出を実行する。
【0070】
ポンプセル断線検出処理(ステップS302)では、先ずステップS401で断線検出のタイミングか否かを判定する。肯定判断されるとステップS402に進み、否定判断されるとリターンに抜ける。ステップS401は、マイクロコンピュータ28の所定の制御周期ごとに肯定判断され、ステップS402以降の処理が実行される。
【0071】
ステップS402は試験信号入力手段としての処理で、ポンプセル電圧Vp を強制変化する。ごく短時間、LPF231に入力するD/A1の指令電圧を直前の電圧値から正側に電圧をややシフトし、その状態から今度は前記直前電圧値よりも負側に僅かにシフトする。これにより、ポンプセル電圧Vp が直前の電圧値を中心に正負に振れる電圧変化を生じることになる。指令電圧の変化、すなわち、試験信号であるポンプセル電圧Vp の変化は、LPF231の作用で波形の立ち上がりと立ち下がりがなまされたものとなる。
【0072】
ステップS403は応答信号検出手段としての処理で、ポンプセル電圧Vp の強制変化に応答して流れる応答信号であるポンプセル電流Ip の変化ΔIp をインピーダンス検出処理(ステップS104)の場合と同様に取り込む。
【0073】
ステップS404〜S408は判定手段としての処理で、先ずステップS404では、検出されたポンプセル電流変化ΔIp を予め設定された規定値と比較し、規定値以下か否かを判定する。肯定判断されると、ステップS405に進み、ポンプセル断線カウンタを「1」インクリメントする。
【0074】
ステップS404はポンプセルが断線していると肯定判断される。これを以下に説明する。ポンプセル1aには、図10に模式的に示すように、電極間に寄生容量が存在し、ポンプセル1aの等価回路は図11のように表せる。電極は個体電解質材を移動する酸素の量を確保するため、ある程度の広さをもっており、この寄生容量は比較的大きな値を示す。したがって、この寄生容量に基因したインピーダンス成分はごく小さい。したがって、ポンプセル電圧Vp の強制変化により、ポンプセル1aについて断線がなければ図12に示すように、前記等価回路のインピーダンスに応じた比較的大きな電流変化ΔIp が生じることになる。
【0075】
一方、ポンプセル1aの電極121,122について断線があれば、断線部にけるインピーダンスの分、ポンプセル電流変化ΔIp は断線非発生時に比して減少するが、前記のごとく前記寄生容量に基因したインピーダンス成分がごく小さいため、減少幅は大きく、図13に示すように、ポンプセル電流変化ΔIp は実質的に生じない。
【0076】
したがって、ポンプセル電流変化ΔIp の規定値を、ポンプセル電流変化ΔIp が実質的に0であるとみなせる値に設定することで、ポンプセル1aの断線の有無を判定することができる。
【0077】
本発明では、ポンプセル電圧Vp をごく短時間に一時的に変化させているので、その交流成分が、ポンプセル1aの寄生容量で、大きなポンプセル電流変化ΔIp を生じさせる。一体に設けられた他のセル1b,1cやヒータ13の干渉や接地電位の変動等があっても、これらに基因した電流変化は、ポンプセル電流Ip のレベルを緩やかに変動させる程度のものである。ポンプセル電圧Vp の強制変化に応答した電流変化ΔIp に比べれば僅少である。したがって、単に電流の有無をみるだけのものに比して、正確にポンプセル1aの断線の有無を判定することができる。また、このため、ポンプセル1aの寄生容量が、十分なポンプセル電流変化ΔIp を生じさせるレベルに達すれば、固体電解質層111,112が活性温度に到達するのを待たずに断線検出を行い得る。したがって、前記ステップS301におけるインピーダンスの規定値は必ずしも活性温度域に対応するインピーダンス値に設定する必要はなく、活性温度域に対応するインピーダンス値より高めに設定すればよい。また、ポンプセル電圧Vp の変化による交流成分を利用するため、LPF231および後述するモニタセル1bの断線検出におけるLPF241はスパイク性のノイズを除去して波形整形し、検出したい周波数のインピーダンスを考慮してカットオフ周波数を設定することになる。
【0078】
ポンプセル電流変化ΔIp が規定値以下で、ポンプセル断線カウンタがカウントアップされると(ステップS404,S405)、ステップS406でポンプセル断線カウンタのカウント値を予め設定した規定値と比較して、規定値に達しているか否かを判定し、否定判断されると、リターンに抜ける。肯定判断されると、ステップS407でポンプセル1aが断線した旨を確定させる。例えば、ポンプセル断線を示すフラグをセットしリターンに抜ける。これにより、燃料噴射制御等の他の制御において、ガスセンサ1に異常が生じたことが知られることになる。ポンプセル断線カウンタの規定値は、例えば数回に設定され、ポンプセル断線の判定の確度を高めている。
【0079】
なお、ポンプセル電流変化ΔIp が規定値以上でステップS404が否定判断されると、ステップS408でポンプセル断線カウンタをクリアしリターンに抜ける。したがって、ポンプセル断線カウンタのカウント値は、ポンプセル電流変化ΔIp が規定値以下となる結果(ステップS404)が連続して現出した場合にのみカウントアップし、突発的にポンプセル電流変化ΔIp が規定値以下となることがあっても、これをポンプセル断線と誤判定することが回避される。
【0080】
また、ポンプセル断線検出処理(ステップS302)はインピーダンスが規定値を下回ったときにのみ実行されるようにしている。すなわち、図14に示すように、固体電解質層111,112の温度が低いと、インピーダンスが高く、前記寄生容量も小さいから、ポンプセル電圧Vp の強制変化に対して十分な大きさのポンプセル電流変化ΔIp が得られず、断線時との差が明瞭ではない。また、S/Nが十分ではない場合がある。そこで、ポンプセル断線検出処理(ステップS302)をインピーダンスが規定値を下回ったときにのみ実行されるようにすることで、ポンプセル断線の判定確度を高めている。
【0081】
また、ポンプセル電圧Vp の強制変化(ステップS402)では電圧変化の時間をごく短時間に設定するのがよい。図15がごく短時間に設定した場合のポンプセル電圧Vp 、ポンプセル電流Ip 、モニタセル電流Im 、センサセル電流Is で、図16が電圧変化の時間を長めにとったものである。長めにとると、ガス濃度検出処理(ステップS102)のように、ポンプセル電流Ip に応じてポンプセル電圧Vp を調整したときのように、ポンプセル電圧Vp が静的に変化する傾向が現れる。このため、チャンバー101,102内の酸素濃度が変化し、モニタセル電流Im 、センサセル電流Is が変動して、NOx 濃度の検出精度に影響する。これに対して、ポンプセル電圧Vp の強制変化をごく短時間のうちに行えば、実質的にチャンバー101,102内の酸素濃度の変化は生じず、NOx 濃度の検出精度に影響することはない。
【0082】
ここで、ポンプセル電圧Vp の強制変化に対して酸素濃度に変化が現れる応答時間はピンホール106と多孔質拡散層116の流通抵抗等に依存し、これらを考慮して、ポンプセル電圧Vp の強制変化の時間を設定するのがよい。
【0083】
また、本実施形態では、ポンプセル電圧Vp の電圧変化を相前後して正負に切り換えるようにしており、正方向または負方向にのみ変化させる場合に比して、次の効果を有する。すなわち、図17に示すように、正方向または負方向(図例では負方向)にのみ変化させると、その電圧変化に伴ってポンプセル1aの寄生容量に応じて充電された電荷の放電はポンプセル1aを含む回路の時定数に応じたものとなり、放電中は、酸素濃度の検出信号であるポンプセル電流Ip に誤差が含まれることになる。
【0084】
これに対して、本実施形態のポンプセル電圧Vp の電圧変化では、電圧を一方向にシフトすると、電圧変化の直前の電圧値に対して最初にシフトした方向とは逆方向にシフトするようにしているから、最初の電圧シフトに基因した寄生容量の充電が次の逆方向の電圧シフトで速やかに解消され、速やかに正常なガス濃度の検出に復帰することができる。
【0085】
勿論、ポンプセル電圧Vp の強制変化が一方向にのみ電圧をシフトするものであるものも、本発明の実施形態として排除するものではなく、要求される仕様によっては、採用することができる。
【0086】
なお、本実施形態ではポンプセル電圧Vp を強制変化させて、そのときのポンプセル電流変化ΔIp に基づいて断線の有無を判定しているが、ポンプセル電流Ip を強制変化させて、そのときのポンプセル電圧Vp の変化ΔVp に基づいて断線の有無を判定するようにしてもよい。前記図9に則して説明すると、ステップS402でポンプセル電流Ip を強制変化させる。これは試験信号入力手段としての処理である。次いで、ステップS403で、このポンプセル電流Ip の強制変化に応答して発生する、応答信号であるポンプセル電圧変化ΔVp を取り込む。ステップS404では、ポンプセル電圧Vp を強制変化させる場合とは逆に、ポンプセル電圧変化ΔVp が規定値よりも大きいか否かを判定する。この規定値がポンプセル電圧を強制的に変化させる場合のものと異なるのは勿論である。ステップS404が肯定判断されるのは、ポンプセル1aが断線している場合である。すなわち、断線がなければ、検出されるポンプセル電圧変化ΔVp は、ポンプセル1aにおける電圧降下分だけであり、前記のごとくポンプセル1aの交流成分に対するインピーダンスが低いことから、図18のように、ポンプセル電圧変化ΔVp が低く抑えられる。
【0087】
一方、断線していると、断線部でのインピーダンスの分、電圧降下が大きなものとなるので、図19のようにポンプセル電圧変化ΔVp が大きなものとなる。前記ポンプセル1aのインピーダンスは前記のごとく小さいから、断線時には、ポンプセル電圧変化ΔVp の、非断線時に対する上昇度合いは極めて大きなものとなる。
【0088】
これにより、他のセル1b,1cの干渉電流等の影響を受けることなく、ポンプセル1aの断線の検出を正確になし得る。
【0089】
〈モニタセル断線検出〉
図20、図21は、モニタセル1bを検出対象とする断線検出処理を示すもので、ステップS501ではヒータ13の通電時間(以下、適宜、ヒータ通電時間という)を予め設定した規定値と比較し、規定値以上か否かを判定する。ヒータ通電時間は、ヒータ13の通電開始からの経過時間をカウントする温度状態検出手段であるタイマによりカウントする。ヒータ通電時間が規定値以下で否定判断されるとリターンに抜ける。肯定判断されると、ステップS502に進み、モニタセル断線検出を実行する。ステップS501は禁止手段としての処理である。
【0090】
モニタセル断線検出処理(ステップS502)では、ポンプセル断線検出処理(ステップS302)と同様の処理がなされる。先ず、ステップS601で断線検出のタイミングが否かを判定する。肯定判断されるとステップS602に進み、否定判断されるとリターンに抜ける。ステップS601は、ポンプセル断線処理の場合と同様に、マイクロコンピュータ28の所定の制御周期ごとに肯定判断され、ステップS602以降の処理が実行される。
【0091】
ステップS602は試験信号入力手段としての処理で、モニタセル電圧Vm を強制変化する。その際、I/O1からの制御信号でスイッチ245をオンし、抵抗器244が接続される。ごく短時間、D/A0の指令電圧を直前の電圧値から正側に僅かにシフトし、その状態から今度は前記直前電圧値よりも負側に僅かにシフトする。これにより、モニタセル電圧Vm が直前の電圧値を中心に正負に振れる電圧変化を生じることになる。
【0092】
ステップS603は応答信号検出手段としての処理で、モニタセル電圧Vm の強制変化に応答して流れるモニタセル電流Im の変化ΔIm を取り込む。ここでは、電圧変化開始後、所定の規定時間後のモニタセル電流変化ΔIm を検出する。規定時間については後述する。
【0093】
ステップS604〜S608は判定手段としての処理で、先ず、ステップS604では、検出されたモニタセル電流変化ΔIm を予め設定された規定値と比較し、規定値以下か否かを判定する。肯定判断されると、ステップS605に進み、モニタセル断線カウンタを「1」、インクリメントする。
【0094】
ステップS604はモニタセル1bが断線していると肯定判断される。モニタセル1bにはポンプセル1aと同様に電極123,125間に寄生容量が存在するが、ポンプセル1aのように単純ではない。すなわち、モニタセル1bは大気ダクト105に面した電極125がセンサセル1cと共通であり、さらに、他方の電極123がセンサセル1cの電極124とともに同じチャンバー102に面して近接して配置されている。このため、モニタセル1bおよびセンサセル1cについて、図22に模式的に示すように、モニタセル1bの電極123,125間の寄生容量CMの他、センサセル1cの電極124,125間の寄生容量CS、および、チャンバー側モニタ電極123とチャンバー側センサ電極124との間の寄生容量(以下、適宜、センサ−モニタ寄生容量という)CSMが存在する。したがって、モニタセル電圧Vm の強制変化により、モニタセル1bに断線がなければ図23に示すように、前記寄生容量CM、CS、センサ−モニタ寄生容量CSMに応じたモニタセル電流変化ΔIm が生じることになる。これは、センサ寄生容量CSおよびセンサ−モニタ寄生容量CSMが、モニタ寄生容量CMを増大させるので、その分、モニタセル電流変化ΔIm も大きな値が得られる。
【0095】
一方、モニタセル1bに断線があれば、チャンバー側モニタ電極123側の信号線で断線が生じていた場合、大気側センサ/モニタ電極125側の信号線で断線が生じていた場合のそれぞれに応じて、図24に示すような挙動が生じる。すなわち、モニタセル電圧Vm はD/A0の指令電圧を変化させて、これをLPF241、オペアンプ242、抵抗器243および抵抗器244を介してチャンバー側モニタ電極123に伝送することになるが、チャンバー側モニタ電極123側の信号線が断線の場合は、D/A0の指令電圧を変化させても、モニタセル電流変化ΔIm は生じない。この場合には、前記規定値は、モニタセル電流変化ΔIm が0とみなせる上限値に設定すればよいことになる。
【0096】
一方、大気側センサ/モニタ電極125側の信号線で断線が生じていた場合には、チャンバー側モニタ電極123とチャンバー側センサ電極124とが容量結合することで、モニタセル電流変化ΔIm が生じる。これは、センサ−モニタ間寄生容量CSMがモニタセル寄生容量CM等に比して容量が小さいことから、断線のない状態で検出されるモニタセル電流変化ΔIm よりも小さく、電流変化時間も短いものとなる。
【0097】
したがって、前記規定時間のとり方により、モニタセル電流変化ΔIm の規定値が異なる。すなわち、図24のA点やC点でモニタセル電流変化ΔIm を求めるとすれば、モニタセル電流変化ΔIm にセンサ−モニタ間寄生容量CSMの影響が現れるので、前記上限値よりも大きな値に規定値を設定する必要がある。また、モニタセル電流変化ΔIm にセンサ−モニタ間寄生容量CSMの影響が現れないB点でモニタセル電流変化ΔIm を求めるとすれば、チャンバ側モニタ電極123断線時と同様、規定値は0とみなせる上限値となる。
【0098】
なお、本発明では、モニタセル電圧Vm の強制変化に応答した電流変化ΔIm をみているので、ポンプセル1aの断線の場合と同様に、単に電流の有無をみるだけのものに比して、正確にモニタセル1bの断線の有無を判定することができる。
【0099】
さて、モニタセル電流変化ΔIm が規定値以下で、モニタセル断線カウンタがカウントアップされると(ステップS604,S605)、ステップS606でモニタセル断線カウンタのカウント値を予め設定した規定値と比較して、規定値に達しているか否かを判定し、否定判断されると、リターンに抜ける。肯定判断されると、ステップS607でモニタセル1bが断線した旨を確定させる。この一連の処理は、ポンプセル1aの断線検出処理におけるステップS405〜S407と実質的に同じであり、モニタセル断線について、確度の高い判定ができる。
【0100】
なお、モニタセル電流変化ΔIm が規定値以下でステップS604が否定判断されると、ステップS608でモニタセル断線カウンタをクリアしリターンに抜ける。したがって、ポンプセル1aの断線検出処理におけるステップS408と同様に、突発的にモニタセル電流変化ΔIm が規定値以下となることがあっても、これをモニタセル1bの断線と誤判定することが回避される。
【0101】
また、モニタセル断線検出処理(ステップS502)はヒータ通電時間が規定値を越えたときにのみ実行されるようにしている。すなわち、図25に示すように、ヒータ通電時間に応じて固体電解質層111,112の温度が上昇してインピーダンスが低くなり、前記寄生容量CM,CS,CSMも大きくなっていくから、ヒータ通電時間が短い間は寄生容量CM,CS,CSMも小さく、モニタセル電圧Vm の強制変化に対して十分な大きさの電流変化ΔIm が得られず、断線時との差が明瞭ではない。また、S/Nが十分ではない場合がある。そこで、モニタセル断線検出処理(ステップS502)をヒータ通電時間が規定値を越えたときにのみ実行されるようにすることで、モニタセル1bの断線の判定確度を高めている。
【0102】
なお、本実施形態ではモニタセル断線検出処理(ステップS502)を実行するか否かをヒータ通電時間により判定しているが、正確にはヒータ13に投入された総投入電力量により判定するのがよい。これには、例えば、断線検出タイミングになる(S601)ごとに電力を検出するとともに検出電力を積算して積算値を投入電力量とする。あるいは、電源投入時にヒータ13の電源であるバッテリ26の電圧を検出し、検出電圧に前記ヒータ通電時間を乗じたものにより、固体電解質層111,112の昇温が進んだか否か、すなわちモニタセル断線検出処理(ステップS502)を実行すべき時期か否かを判定するようにしてもよい。これらの他、ヒータ13への投入電力量に応じて単調増加するものであれば、モニタセル断線検出処理(ステップS502)の実行条件となるパラメータとし得る。
【0103】
また、検出対象であるモニタセル1b以外のセルについて、S201〜S203のごときインピーダンス検出処理を実行して固体電解質層111,112の温度状態を検出するものも、本発明の実施形態として排除するものではないが、例えばセンサセル1cについてインピーダンスを検出しようとすると、センサセル電圧を変化させるための回路が、モニタセル1b等のように必要になり、構成は複雑化し、また、制御負担が大きくなるので、本実施形態のものが実用的である。
【0104】
なお、本実施形態では、モニタセル1bの断線の有無のみを判定しているが、モニタセル1bの電極123,125のうち、いずれの信号線が断線しているか否かを区別することもできる。すなわち、前掲図24において、A点やC点でモニタセル電流変化ΔIm をサンプリングすると、断線時のモニタセル電流変化ΔIm でも、チャンバー側モニタ電極123が断線したときと、大気側センサ/モニタ電極125が断線したときとで、大きさが異なるから、大小2種類の規定値を設定し、モニタセル電流変化ΔIm が小さい方の規定値以下であれば、チャンバー側モニタ電極123が断線と判じ、モニタセル電流変化ΔIm が小さい方の規定値以上で大きい方の規定値以下であれば、大気側センサ/モニタ電極125が断線と判じるようにする。
【0105】
なお、図24において、A点とC点とでモニタセル電流変化ΔIm が異なるのは、後のC点の方がモニタセル電圧Vm の電圧変化ΔVm の幅が大きいためである。
【0106】
また、モニタセル電流変化ΔIm で断線の有無を判じるのではなく、モニタセル電圧変化ΔVm をモニタセル電流変化ΔIm で除したインピーダンスにより、断線の有無を判じてもよい。インピーダンスが規定値以上の場合に、断線と判じることになる。この場合、インピーダンスはインピーダンス検出処理(ステップS104)のものが用いられ得る。勿論、アドミタンスにより判じてもよい。
【0107】
また、ポンプセル断線検出のところで説明したように、セルに流す電流を強制的に変化させて電圧の変化をみてもよい。すなわち、モニタセル電流Im を強制的に変化させてそのときのモニタセル電圧変化ΔVm に基づいて断線の有無を判定するようにしてもよい。前記図21に則して説明すると、ステップS602でモニタセル電流Im を強制変化させる。これは試験信号入力手段としての処理である。次いで、ステップS603で、このモニタセル電流Im の強制変化に応答して発生する、応答信号であるモニタセル電圧変化ΔVm を取り込む。ステップS604では、モニタセル電圧Vm を強制変化させる場合とは逆に、モニタセル電圧変化ΔVm が規定値よりも大きいか否かを判定する。ステップS604が肯定判断されるのは、モニタセル1bが断線している場合である。すなわち、断線がなければ、検出されるモニタセル電圧変化ΔVm は、モニタセル1bにおける電圧降下分だけであり、前記のごとくモニタセル1bの交流成分に対するインピーダンスが低いことから、図26のように、モニタセル電圧変化ΔVm が低く抑えられる。
【0108】
一方、断線していると、断線部でのインピーダンスの分、電圧降下が大きなものとなるので、図27のようにモニタセル電圧変化ΔVm が大きなものとなる。前記モニタセル1bのインピーダンスは前記のごとく小さいから、断線時には、モニタセル電圧変化ΔVm の、非断線時に対する上昇度合いは極めて大きなものとなる。なお、チャンバ側モニタ電極123の断線時と、大気側センサ/モニタ電極125の断線時とで、寄生容量CSMの影響でモニタセル電圧変化ΔVm が異なる。
【0109】
これにより、他のセル1a,1cの干渉電流等の影響を受けることなく、モニタセル1bの断線の検出を正確になし得る。
【0110】
〈センサセル断線検出〉
図28、図29はセンサセル1cを検出対象とする断線検出処理を示すもので、ステップS701では、ポンプセル断線検出の場合(ステップS301)と同様に前記インピーダンス検出処理(ステップS104)で検出されたインピーダンスZACを予め設定した規定値と比較し、規定値以上であればリターンに抜け、規定値以下であればステップS702に進む。ステップS702では、センサセル電流Is が規定値以下か否かを判定し、否定判断されるとリターンに抜け、肯定判断されると、ステップS703でセンサセル断線検出を実行する。なお、ステップS702は、センサセル電流Is が余り大きいと後述する断線検出を実行とした時の電流変化(図30参照)が、A/D入力のダイナミックレンジを外れてしまうため、かかる状況での断線検出を排除する趣旨である。
【0111】
センサセル断線検出処理(ステップS703)では、先ず、ステップS801で断線検出のタイミングか否かを判定する。肯定判断されるとステップS802に進み、否定判断されるとリターンに抜ける。ステップS801は、ポンプセル断線検出処理の場合と同様に、マイクロコンピュータ28の所定の制御周期ごとに肯定判断され、ステップS802以降の処理が実行される。
【0112】
ステップS802は試験信号入力手段としての処理で、モニタセル電圧Vm を強制変化する。これはモニタセル断線検出処理(ステップS602)の場合と同様にD/A0で指令電圧を変化させることでなされる。
【0113】
ステップS803は応答信号検出手段としての処理で、モニタセル電圧Vm の強制変化開始後、所定の規定時間経過後のセンサセル電流変化ΔIs を検出する。規定時間については後述する。
【0114】
ステップS804〜S808は判定手段としての処理で、先ず、ステップS804では、検出されたセンサセル電流変化ΔIs を予め設定された規定値と比較し、規定値以下か否かを判定する。肯定判断されると、ステップS805に進み、センサセル断線カウンタを「1」インクリメントする。
【0115】
ステップS804はセンサセル1cがチャンバー側センサ電極124に対応した信号線で断線していると肯定判断される。センサセル1cとモニタセル1bとは同じチャンバー102に面して電極123,124が設けられているため、モニタセル電圧Vm の強制変化により、チャンバー102内の酸素の汲み出し又は汲み込み能力が変化すると、これがセンサセル1cに影響する。すなわちチャンバー102内の酸素濃度が変化することで、センサセル1cに断線がなければ、図30に示すように、直前のセンサセル電流Is に対して電流変化ΔIs が生じる。
【0116】
一方、センサセル1cに断線があれば、図31に示すように、センサセル電流変化ΔIs は生じない。この場合、センサセル1cの大気ダクト105に面した電極125はモニタセル1bと共通であるから、電極125について断線なしと判断されていれば、断線が生じているのは、チャンバ側センサ電極124ということになる。
【0117】
センサセル電流変化ΔIs が規定値以下で、センサセル断線カウンタがカウントアップされると(ステップS804,S805)、ステップS806でセンサセル断線カウンタのカウント値を予め設定した規定値と比較して、規定値に達しているか否かを判定し、否定判断されると、リターンに抜ける。肯定判断されると、ステップS807でセンサセル1cが断線した旨を確定させる。この一連の処理は、ポンプセル1aの断線検出処理におけるステップS405〜S407と実質的に同じであり、センサセル1cの断線について、確度の高い判定ができる。
【0118】
なお、センサセル電流変化ΔIs が規定値以上でステップS804が否定判断されると、ステップS808でセンサセル断線カウンタをクリアしリターンに抜ける。したがって、センサセル断線カウンタのカウント値は、ポンプセル1aの断線検出処理におけるステップS408と同様に、突発的にセンサセル電流変化ΔIs が規定値以下となることがあっても、これをセンサセル断線と誤判定することが回避される。
【0119】
また、センサセル断線検出処理(ステップS703)はインピーダンスが規定値を下回ったときを条件としているので、ポンプセル断線検出処理の場合(ステップS301)と同様に、インピーダンスが低く、十分な大きさのセンサセル電流変化ΔIs が得られるときにのみ実行され、センサセル1cの断線の判定確度が高められる。
【0120】
センサセル1cの断線は、このように検出されるようになっている。センサセル電圧Vs は強制変化させる必要がない。また、モニタセル電圧Vm はモニタセル1bの断線検出処理(ステップS502)やインピーダンス検出処理(ステップS104)のときに、ステップS802と同様に強制変化させられる(ステップS602,S201)ので、試験信号入力手段がこれらの処理と兼用となる。これにより構成が簡単となる。
【0121】
なお、モニタセル電圧強制変化の時間が余り長ければチャンバー102内の酸素濃度変化が大きくなり、それだけ大きなセンサセル電流変化ΔIs が生じることになるが、酸素濃度が元に復するまでに要する時間ΔTが長くなり、正常なNOx 濃度の検出ができなくなる時間が長引くため、断線の有無を正確に判定し得るセンサセル電流変化ΔIs が得られる範囲内で、可及的にモニタセル電圧強制変化の期間の長さは短くとるのが望ましい。
【0122】
また、モニタセル電圧Vm の電圧変化ΔVm の時間が逆に短い場合でも、モニタセル1bとセンサセル1cとの間の寄生容量CSMにより、図30に示すようにセンサセル電流Is の電流変化ΔIs が生じるので、これを利用して、断線検出を行うのもよい。
【0123】
また、モニタセル断線検出のところで、セルに流す電流を強制的に変化させて電圧の変化をみることにより断線検出を行うことを説明したが、モニタセル電流Im の強制的な変化を利用して、センサセル断線検出を行うこともできる。前記図29に則して説明すると、ステップS802でモニタセル電流Im を強制変化させる。これは試験信号入力手段としての処理である。ステップS803以降は同じである。すなわち、モニタセル電流Im を強制変化させることで、チャンバー102内の酸素濃度が変わり、センサセル電流Is が変化するから、この大きさを二値判断する。
【0124】
また、本実施形態では、ポンプセル1a、モニタセル1bのそれぞれの、電流検出と、電圧変化とを同じ電極121,123側で行っているが、図32に示すように、電流検出側のオペアンプには基準電圧源を接続し、他方のオペアンプには電圧変化手段を接続するのもよい。
【0125】
なお、本実施形態では、ポンプセル電圧Vp をポンプセル電流Ip に基づいて印加電圧マップにしたがって設定する図33に示す制御方式をとっているが、図34に示すように、モニタセル電流Im に基づいて、モニタセル電流Im が所定値をとるようにポンプセル電圧Vp をフィードバック制御するものにも本発明は適用することができる。
【0126】
また、センサ構造についても図例のものに限られない。図35は本発明を適用し得るガスセンサの別の例を示すもので、このガスセンサ1Aは、ジルコニア等の固体電解質材である固体電解質層151,152,153、多孔質アルミナ等の絶縁材料からなる律速層154、アルミナ等の絶縁材料からなる絶縁層やジルコニア等で構成される層155等が板厚方向に積層する積層構造を有し、面方向に細長の全体形状が与えられている。
【0127】
固体電解質層152および律速層154は固体電解質層151と固体電解質層153とで挟まれた同じ層を形成しており、ガスセンサの先端側に律速層154が位置し、基端側に固体電解質層152が位置する。固体電解質層152および律速層154は、一部が板厚方向に打ち抜かれており、固体電解質層151,152の間に、ガスセンサ1Aの長手方向に配置された2つのチャンバー141,142が形成される。律速層154は、ガスセンサの先端側で第1のチャンバー141にガスセンサ1A外部の被測定ガスを導入するとともに、第1のチャンバー141と第2のチャンバー142との境界部で両チャンバー141,142を連通せしめている。
【0128】
固体電解質層153を挟んでチャンバー141,142と反対側には固体電解質層153をダクト壁の一部とする大気ダクト143が形成されている。大気ダクト143は先端側が固体電解質層153を挟んで第1チャンバー141と対向する位置まで伸び、ガスセンサ1Aの基端で大気に開放している。ガスセンサ1Aが内燃機関に適用される場合には、ガスセンサ1Aがこれを保持するホルダ部材等とともに排気管の管壁を貫通して設けられて、大気ダクト143が排気管外部と連通する。
【0129】
第1チャンバー141位置で固体電解質層151の上下面には固体電解質層151を挟んで対向する1対の電極161,162が形成されており、固体電解質層151と電極161,162とでポンプセル1dが構成される。ポンプセル1dを構成する電極161,162のうち、チャンバー141に面した電極161はNOx の分解(還元)に不活性なAu−Pt等の貴金属により構成されている。
【0130】
また、第1チャンバー141および大気ダクト143位置で固体電解質層153の上下面には固体電解質層153を挟んで対向する1対の電極163,165が形成されており、固体電解質層153と電極163,165とでモニタセル1eが構成される。モニタセル1eを構成する電極163,165のうち、チャンバー141に面した電極163はNOx の分解(還元)に不活性なAu−Pt等の貴金属により構成されている。なお、大気ダクト143に面した電極165は第2チャンバー142位置まで伸びる、電極163よりも長い電極であり、後述するセンサセル1f、別のポンプセル1gと共通の電極となっている。
【0131】
第2チャンバー142位置で固体電解質層153の上下面には、固体電解質層153を挟んで対向する1対の電極164,165が形成されている。固体電解質層153と電極164,165とでセンサセル1fが構成される。
【0132】
また、第2チャンバー142に面して固体電解質層151には、電極166が形成されており、固体電解質層151〜153と電極166,165とで別のポンプセル1gが構成される。この別のポンプセル1gはセンサセル1fと同様に、一方の電極166が第2チャンバー142に面し、他方の電極165が大気ダクト143に面した構造となっている。
【0133】
第2チャンバー142に面した電極164,166のうち、センサセル1fの電極164はNOx の分解(還元)に活性なPt等の貴金属により構成され、別のポンプセル1gの電極166がNOx の分解(還元)に不活性なAu−Pt等の貴金属により構成される。
【0134】
また、固体電解質層153とともに大気ダクト143のダクト壁をなす層155には、Pt等の線パターンが埋設されて、ガスセンサ1A全体を加熱するヒータ17としてある。ヒータ17は通電によりジュール熱を発生する電気式のものである。
【0135】
このガスセンサ1Aでは、モニタセル1eで発生する起電圧に基づいて、該起電圧が基準電圧となるように、すなわち、第1チャンバー141内の酸素濃度が一定かつ低濃度となるように、ポンプセル1dの印加電圧がフィードバック制御され、第1チャンバー141内の酸素が排出される。第1チャンバー141と連通する第2チャンバー142内の酸素も同程度に排出される。
【0136】
そして、第2チャンバー142内に残った酸素が別のポンプセル1gにより排出される。センサセル1fには、第2チャンバー142に面した電極164におけるNOx の分解に基因した電流が流れる。この電流は第2チャンバー142内のNOx の濃度に応じたものとなる。
【0137】
かかる構造のガスセンサ1Aにおいても、セルの電極間に電圧変化を与えて電極間の寄生容量に応じた電流変化を生じさせることで、セルの断線を他のセル等の影響をうけることなく検出することができる。
【0138】
あるいは、図36に示すガスセンサにも適用することができる。ガスセンサ1Bは、電極の構成以外は図35のものと同じである。電極は、図35の電極163を省略した構成となっている。そして、固体電解質層151とこれを挟む電極161,162とにより第1のポンプセル1dが構成され、固体電解質層151〜153と電極161,165とにより第1のモニタセル1hが構成される。第1のモニタセル1hで発生する起電圧に基づいて、該起電圧が基準電圧となるように、すなわち、第1チャンバー141内の酸素濃度が一定かつ低濃度となるように、第1ポンプセル1dの電極161,162間への印加電圧がフィードバック制御され、第1チャンバー141内の酸素が排出される。
【0139】
また、固体電解質層151とこれを挟む電極166,162とにより第2のポンプセル1iが構成され、固体電解質層151〜153と電極166,165とにより第2のモニタセル1jが構成される。第2のモニタセル1jで発生する起電圧に基づいて、該起電圧が基準電圧となるように、すなわち、第2チャンバー142内の酸素濃度が一定かつ低濃度となるように、第2ポンプセル1iの電極166,162間への印加電圧がフィードバック制御され、第2チャンバー142内の酸素が排出される。
【0140】
固体電解質層153とこれを挟む電極164,165とによりセンサセル1fが構成され、第2チャンバー142に面した電極164におけるNOx の分解に基因した電流が流れる。この電流は第2チャンバー142内のNOx の濃度に応じたものとなる。
【0141】
かかる構造のガスセンサ1Bにおいても、セルの電極間に電圧変化を与えて電極間の寄生容量に応じた電流変化を生じさせることで、セルの断線を他のセル等の影響をうけることなく検出することができる。
【0142】
また、セルの電極間に印加する電圧を変化させているが、信号線に流す電流を変化させてもよい。
【0143】
また、断線検出は必ずしも周期的に実行するのではなく、セルが制御不能になった場合や、検出ガス濃度が供される燃料噴射制御等において異常な挙動を呈した場合等に、実行するのでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスセンサの異常検出装置を適用したガス濃度検出装置の構成図である。
【図2】前記ガスセンサの要部断面図である。
【図3】図2におけるIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2におけるIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】前記ガス濃度検出装置を構成するマイクロコンピュータで実行されるガス濃度検出の制御内容を示す第1のフローチャートである。
【図6】前記ガス濃度検出装置を構成するマイクロコンピュータで実行されるガス濃度検出の制御内容を示す第2のフローチャートである。
【図7】前記ガス濃度検出の制御内容を説明するグラフである。
【図8】前記ガス濃度検出装置を構成するマイクロコンピュータで実行されるガスセンサの異常検出の制御内容を示す第1のフローチャートである。
【図9】前記ガス濃度検出装置を構成するマイクロコンピュータで実行されるガスセンサの異常検出の制御内容を示す第2のフローチャートである。
【図10】前記ガスセンサの異常検出の制御内容を説明する第1のセルの図である。
【図11】前記ガスセンサを構成するセルの等価回路図である。
【図12】前記ガスセンサの異常検出の制御内容を説明する第1のタイミングチャートである。
【図13】前記ガスセンサの異常検出の制御内容を説明する第2のタイミングチャートである。
【図14】前記ガスセンサの異常検出の制御内容を説明する第1のグラフである。
【図15】前記ガスセンサの異常検出の制御内容を説明する第3のタイミングチャートである。
【図16】前記ガスセンサの異常検出の制御内容を説明する第4のタイミングチャートである。
【図17】前記ガスセンサの異常検出の制御内容を説明する第5のタイミングチャートである。
【図18】前記ガスセンサの異常検出の変形例の制御内容を説明する第1のタイミングチャートである。
【図19】前記ガスセンサの異常検出の変形例の制御内容を説明する第2のタイミングチャートである。
【図20】前記ガス濃度検出装置を構成するマイクロコンピュータで実行されるガスセンサの異常検出の制御内容を示す第3のフローチャートである。
【図21】前記ガス濃度検出装置を構成するマイクロコンピュータで実行されるガスセンサの異常検出の制御内容を示す第4のフローチャートである。
【図22】前記ガスセンサの異常検出の制御内容を説明する第2のセルの図である。
【図23】前記ガスセンサの異常検出の制御内容を説明する第6のタイミングチャートである。
【図24】前記ガスセンサの異常検出の制御内容を説明する第7のタイミングチャートである。
【図25】前記ガスセンサの異常検出の制御内容を説明する第2のグラフである。
【図26】前記ガスセンサの異常検出の別の変形例の制御内容を説明する第1のタイミングチャートである。
【図27】前記ガスセンサの異常検出の別の変形例の制御内容を説明する第2のタイミングチャートである。
【図28】前記ガス濃度検出装置を構成するマイクロコンピュータで実行されるガスセンサの異常検出の制御内容を示す第5のフローチャートである。
【図29】前記ガス濃度検出装置を構成するマイクロコンピュータで実行されるガスセンサの異常検出の制御内容を示す第6のフローチャートである。
【図30】前記ガスセンサの異常検出の制御内容を説明する第8のタイミングチャートである。
【図31】前記ガスセンサの異常検出の制御内容を説明する第9のタイミングチャートである。
【図32】前記ガス濃度検出装置の変形例を示す要部の構成図である。
【図33】図1のガス濃度検出装置におけるガスセンサの断面、および該ガスセンサの制御方式を示す図である。
【図34】図1のガス濃度検出装置におけるガスセンサの断面、および該ガスセンサの制御方式の変形例を示す図である。
【図35】前記ガスセンサの変形例の断面、および該ガスセンサの制御方式を示す図である。
【図36】前記ガスセンサの別の変形例の断面、および該ガスセンサの制御方式を示す図である。
【符号の説明】
1,1A,1B ガスセンサ
1a,1d,1g,1i ポンプセル
1b,1h,1j モニタセル
1c,1f センサセル
13,17 ヒータ
101,102,104,105 チャンバー
111,112,151,152,153 固体電解質層(固体電解質材)
121,122,123,124,125,161,162,163,164,165,166 電極
28 マイクロコンピュータ(試験信号入力手段、応答信号検出手段、判定手段、インピーダンス算出手段、ヒータ制御手段、温度状態検出手段、禁止手段)

Claims (8)

  1. 固体電解質材に1対の電極が形成されたセルを有し、前記電極の表面における被測定ガスの組成に応じた信号を、前記電極と接続された信号線から出力するガスセンサの異常の有無を検出するガスセンサの異常検出装置において、
    異常検出対象のセルについて、前記信号線を介して一時的に交流成分を含む試験信号を入力する信号入力手段と、
    前記試験信号入力に応答して、前記信号線に生じる応答信号を検出するとともに前記応答信号の検出において前記試験信号に対して所定のタイムディレイを設定した応答信号検出手段と、
    前記応答信号の検出値を規定値と比較して、前記検出値が前記規定値で画された領域のうち予め設定した一方の領域にある場合には、前記異常検出対象のセルについて断線異常と判ずる判定手段とを具備せしめたことを特徴とするガスセンサの異常検出装置。
  2. 固体電解質材に1対の電極が形成されたセルを有し、前記電極の表面における被測定ガスの組成に応じたガス検出信号を、前記電極と接続された信号線から出力するガスセンサであって、複数のセルについて1対の電極のうち一方の電極が共通のチャンバーに面して設けられる構造のガスセンサを検出対象として、異常の有無を検出するガスセンサの異常検出装置において、
    前記複数のセルのうちの所定のセルについて、信号線を介して一時的に交流成分を含む試験信号を入力する試験信号入力手段と、
    前記試験信号入力に応答して、前記複数のセルのうちの前記所定セル以外の異常検出対象のセルに対応する信号線に生じる応答信号を検出する応答信号検出手段と、
    前記応答信号の検出値を規定値と比較して、前記検出値が前記規定値で画された領域のうち予め設定した一方の領域にある場合には、異常検出対象のセルについて断線異常と判ずる判定手段とを具備せしめたことを特徴とするガスセンサの異常検出装置
  3. 請求項2記載のガスセンサの異常検出装置において、前記所定のセルについて、前記試験信号入力に応答して、前記所定セルに対応する信号線に生じる応答信号を検出する別の応答信号検出手段と、
    前記応答信号の検出値を規定値と比較して、前記検出値が前記規定値で画された領域のうち予め設定した一方の領域にある場合には、前記所定セルについて断線異常と判ずる別の判定手段とを具備せしめたガスセンサの異常検出装置。
  4. 請求項3記載のガスセンサの異常検出装置において、前記所定のセルについて、前記試験信号入力に応答して、前記所定セルに対応する信号線に生じる応答信号を検出する応答信号検出手段と、
    前記試験信号と前記応答信号とに基づいて前記所定セルの電極間のインピーダンスを求めるインピーダンス算出手段と、
    得られたインピーダンスに基づいて、前記セルとともに前記ガスセンサに一体に設けられたヒータを制御するヒータ制御手段とを具備せしめたガスセンサの異常検出装置。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載のガスセンサの異常検出装置において、前記固体電解質材の温度状態を検出する温度状態検出手段と、
    前記温度状態が固体電解質材の所定温度域に到達するまで、前記判定手段の異常判定処理を禁止する禁止手段とを具備せしめたガスセンサの異常検出装置。
  6. 請求項5記載のガスセンサの異常検出装置において、前記温度状態検出手段は、前記試験信号と前記応答信号とに基づいて前記電極間のインピーダンスを求め、前記温度状態は、前記インピーダンスをパラメータとするガスセンサの異常検出装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか記載のガスセンサの異常検出装置において、
    前記試験信号入力手段は、前記試験信号として一時的な電圧変化を前記信号線に入力し、
    前記応答信号検出手段は、前記応答信号として前記信号線を流れる電流変化を検出し、
    前記判定手段は、前記予め設定した一方の領域を前記規定値よりも小側の領域として、 前記検出値が前記規定値を下回る場合には、前記異常検出対象のセルについて断線異常と判ずるガスセンサの異常検出装置。
  8. 請求項1ないし6いずれか記載のガスセンサの異常検出装置において、
    前記試験信号入力手段は、前記試験信号として一時的な電流変化を前記信号線に入力し、
    前記応答信号検出手段は、前記応答信号として前記信号線の電圧変化を検出し、
    前記判定手段は、前記予め設定した一方の領域を前記規定値よりも大側の領域として、前記検出値が前記規定値を上回る場合には、前記異常検出対象のセルについて断線異常と判ずるガスセンサの異常検出装置。
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