JP4019509B2 - 小型直流モータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、小型直流モータに関するものであり、特に、ブラシターミナルの取付け強度を向上させた小型直流モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来の技術を図8及び図9に従って説明する。図8において1は小型直流モータ、2は固定子であるマグネット、3はロータ、4はロータのコア、5は巻線、6はコンミテータであり、コンミテータ6の外周面にブラシ7が接触している。ブラシ7の基端部はブラシターミナル8に溶接されていて、ブラシターミナル8は樹脂製のターミナルホルダ9に嵌着されてリアカバー10の穴から外側に突出している。
【0003】
図9はブラシターミナル8とブラシターミナル9の嵌合状態を示し、T字形に成形されているブラシターミナル8の脚部8aの両側面には外側へ突出する楔形の抜止め爪部8bが設けられている。
【0004】
ブラシターミナル8の脚部8aをターミナルホルダ9のターミナル挿入穴9aに圧入して先端を貫通させると、抜止め爪部8bがターミナル挿入穴9aの壁面に食い込んで固定される。しかし、ターミナル挿入穴9aを貫通して外側へ突出する脚部8aに電源電線をハンダ付けする際に、ブラシターミナル8に伝導される熱によりターミナルホルダ9のターミナル挿入穴9aの壁面が軟化して、ブラシターミナル8の抜止め爪部8bとターミナルホルダ9との嵌合が緩み、ブラシターミナル8が動揺してコンミテータ6とブラシ7との接触が不良となる場合がある。
【0005】
そこで、ブラシターミナル8の動揺を防止してモータの故障の虞れを軽減するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は上記課題を解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、モータの絶縁性ターミナルホルダのターミナル挿入穴にブラシターミナルを圧入して固定した小型直流モータにおいて、
前記ブラシターミナルの頭部並びに脚部の両側面には外側へ突出する下向き楔形の抜止め爪部が設けられ、且つ脚部の中央にも爪部が設けられるとともに、更にターミナル挿入穴を貫通して外側へ突出する前記抜け止め爪部と同じ面である前記ブラシターミナルの側面の脚部に爪部を形成し、前記爪部を外側横方向に折曲げてターミナルホルダへ固定した小型直流モータを提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を図に従って詳述する。図1はブラシターミナル11を示し、ブラシターミナル11は、鋼板を打抜いてメッキした端子部品であり、左右へ長い頭部12の中央から下方へ延びる脚部13の先端部位に電線を挿通するための円穴14が打ち抜かれている。
【0008】
頭部12並びに脚部13の両側面には外側へ突出する下向き楔形の抜止め爪部15,16が設けられていて、脚部13の中央にも爪部17が切り起こされている。脚部13は下端から上方へ向かう中間で幅を一旦縮小したのちに拡大し、拡大部の両側から下方へ向けて延びる爪部18が形成されている。
【0009】
図2に示すように、ブラシターミナル11の頭部12には洋白製のブラシ19の基部がスポット溶接され、ブラシ19の三条に切断された先端部がブラシターミナル11の頭部12から水平に突出している。
【0010】
図3はブラシターミナル11の取付け工程を示し、同図(a)に示すように樹脂製のターミナルホルダ20のターミナル挿入穴20aへブラシターミナル11の脚部13を圧入して先端を貫通させると、抜止め爪部15,16がターミナル挿入穴20aの壁面に食い込んで固定され、下側の爪部18がターミナル挿入穴20aから下方へ突出する。そして、(b)に示すように爪部18を外側横方向へ折曲げてかしめると、ターミナルホルダ20はブラシターミナル11の頭部12と爪部18とによって上下から挟まれて、ブラシターミナル11とターミナルホルダ20が強固に結合される。
【0011】
かしめ工程においては、図4に示すように、楔の先端中央に溝21aを形成した専用のダイ21を使用すれば、二個の爪部18を一工程で外側へかしめることができる。
【0012】
爪部の折り曲げ方法は、上記の横方向のみに限定するものではなく、図5に示すように、二個の爪部18を前または後ろに折曲げたり、図6に示すように一方の爪部18を前側へ折曲げ、他方を後ろ側へ折曲げてもよい。また、図7に示すように、ブラシターミナル22の脚部23の中央に切り抜き加工により爪部24を形成し、この爪部24を折曲げてターミナルホルダへ固定してもよい。
【0013】
尚、この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、この発明の技術的範囲内において種々の改変が可能であり、この発明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の小型直流モータは、縁性ターミナルホルダのターミナル挿入穴に圧入したブラシターミナルの頭部並びに脚部の両側面には外側へ突出する下向き楔形の抜止め爪部が設けられ、且つ脚部の中央にも爪部が設けられるとともに、更にターミナル挿入穴を貫通して外側へ突出する前記抜け止め爪部と同じ面である前記ブラシターミナルの側面の脚部に爪部を形成し、前記爪部を外側横方向に折曲げてターミナルホルダへ固定した構成を採用したものであるところ、上記ターミナルホルダは、ブラシターミナルの頭部と爪部とによって上下から挟まれるので両々相俟って、ブラシターミナルとターミナルホルダが一層強固に結合される。
したがって、本発明は、ブラシターミナルに外力が加わったり、脚部に電源電線をハンダ付けする際の熱によりターミナルホルダのターミナル挿入穴部分が軟化したりしたとしてもブラシターミナルが動揺することがなく、コンミテータとブラシとの接触に異常を来す虞れを解消することができ、小型直流モータの信頼性の向上に寄与する発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、(a)はブラシターミナルの正面図、(b)は側面図である。
【図2】ブラシを取り付けたブラシターミナルを示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図3】(a)(b)はブラシターミナルの取付け工程を示す解説図である。
【図4】専用かしめ治具を使用したブラシターミナルの取付け工程を示す解説図である。
【図5】他の実施形態を示し、ブラシターミナルの取付け状態を示す解説図である。
【図6】他の実施形態を示し、ブラシターミナルの取付け状態を示す解説図である。
【図7】他の実施形態を示し、ブラシターミナルの正面図である。
【図8】従来例を示し、小型直流モータの一部切欠側面図である。
【図9】従来のブラシターミナルの取付け状態を示す解説図である。
【符号の説明】
11 ブラシターミナル
12 頭部
13 脚部
18 爪部
20 ターミナルホルダ
20a ターミナル挿入穴
21 ダイ

Claims (1)

  1. モータの絶縁性ターミナルホルダのターミナル挿入穴にブラシターミナルを圧入して固定した小型直流モータにおいて、
    前記ブラシターミナルの頭部並びに脚部の両側面には外側へ突出する下向き楔形の抜止め爪部が設けられ、且つ脚部の中央にも爪部が設けられるとともに、更にターミナル挿入穴を貫通して外側へ突出する前記抜け止め爪部と同じ面である前記ブラシターミナルの側面の脚部に爪部を形成し、前記爪部を外側横方向に折曲げてターミナルホルダへ固定したことを特徴とする小型直流モータ。
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