JP4018452B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技領域に向けて遊技球を打ち出し、該遊技球が遊技領域内の所定位置に設けられた受球口に入球することで賞球を得る遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、貯留皿に貯留された複数の遊技球が発射装置に一球ずつ供給され、該供給された遊技球を発射装置により遊技領域内に打ち出し、該遊技領域内に設けられた所定の受球口に入球することで、賞球を得られたり、抽選が行われた結果、特別遊技モードに突入して賞球を得られたりする遊技機(いわゆる、パチンコ機)が周知である。
【0003】
かかるパチンコ機は、獲得した前記賞球や、遊技者が遊技を行うべく購入した所定球数の遊技球が、パチンコ機内部に設けられた機構盤から貯留皿に供給されるように構成されている。
【0004】
前記機構盤は、複数のパチンコ機が設置される遊技機設置台(いわゆる、遊技島)に設けられた遊技球供給装置から供給された遊技球を貯留する貯留タンクと、該貯留タンクに接続されて賞球を払い出す賞球払出経路と、遊技者が購入した遊技球を、購入金額に対応した数量の遊技球を払い出す貸球払出経路とを備えている。
【0005】
前記賞球払出経路及び貸球払出経路は、略同一の構成を有しており、賞球払出経路及び貸球払出経路のそれぞれは、貯留タンクに接続されて当該貯留タンクに対して下流側に先下りに傾斜した真っ直ぐな傾斜路と、傾斜路の下流側に設けられた遊技球払出装置と、該遊技球払出装置と前記貯留皿とを接続する角管からなる払出路とを備えている。なお、賞球払出経路の遊技球払出装置は、受球口に入球した遊技球の球数に対し、予め設定された遊技球一球当たりの球数を乗じた賞球が払い出されるように構成される一方、貸球払出経路の遊技球払出装置は、遊技者が投入した金額に対応した球数の遊技球が払い出されるように構成されており、この点において賞球払出経路と貸球払出経路とが相違する。
【0006】
前記賞球払出経路及び貸球払出経路のそれぞれの傾斜路は、遊技球払出装置が所定球数の遊技球を払出路に向けて円滑に払い出せるように、遊技球払出装置の上流側となる所定位置で一列に整列させるガイド体を備えている。
【0007】
該ガイド体は、傾斜路上の所定位置で一球の遊技球のみを通過させる通過部を形成するとともに、通過部の上流側で遊技球の移動方向に対して交差方向で重なり合う遊技球の球数を漸減させつつ、該重なり合う遊技球のそれぞれを通過部に向けて案内するように、重なり合う遊技球を当接させて通過部に向けて移動させる傾斜面を備えている。これにより、傾斜路上で重なり合った遊技球が、傾斜路の傾斜、及びガイド体の傾斜面に沿って順次通過部へと導かれ、当該通過部を通過した遊技球を一列に整列させることができる。したがって、遊技球払出装置に大きな負荷がかかるのを防止した状態で、遊技球が遊技球払出装置に供給されるので、該遊技球払出装置は、払出路を介して所定球数の遊技球を円滑に貯留皿へと払い出すことができる。
【0008】
しかしながら、傾斜路上の遊技球は、真っ直ぐな傾斜路上で数珠繋ぎな状態となっているため、通過部近傍で重なり合う遊技球に、傾斜路の傾斜角に対応した上流側に位置する遊技球の重量の分力の全て(大きな力)が作用し、通過部に向けて案内されるはずの遊技球と、通過部を通過しようとする遊技球とが干渉して傾斜路上の当該部分で球詰まりが発生する場合がある。
【0009】
そこで、通過部近傍で重なり合う遊技球による球詰まりを防止すべく、例えば、特開平7−96077号公報所載のものや、特開平8−71212号公報所載のものが提案されている。
【0010】
前記特開平7−96077号公報所載の発明は、傾斜路(タンクレール)上で球詰まりが発生した際に、遊技球が供給されない遊技球払出装置(景品球遊技球払出装置)から球切れ信号が発信され、該信号により傾斜路(タンクレール)に設けた振動手段で、当該傾斜路を振動させて球詰まりを解消するように構成されている。
【0011】
一方、特開平8−71212号公報所載の発明は、傾斜路上で重なり合う遊技球を、傾斜路(タンクレール)の上方に設けた揺動自在な球ならしに接触させることで、該遊技球の重なりを解除し、球詰まりを防止した状態にするように構成されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報所載の発明の何れもが、傾斜路に振動手段や球ならし等の可動部品を要するため、機構盤の構造が複雑になるとともに、生産コストの高騰を招いてしまう。
【0013】
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、可動部品を用いることなく容易な構成で、傾斜路上で重なり合う遊技球の球詰まりを防止し、且つ該重なり合った遊技球を一列に整列させることができる機構盤を備えた遊技機を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる画像処理装置は、請求項1記載の如く、遊技球を貯留する貯留タンクと、該貯留タンクから供給された遊技球を下流に向けて案内すべく、下流側に先下りに傾斜した傾斜路と、前記傾斜路から転動してきた遊技球を一列に整列させて下流側に供給する整列部と、該整列部から供給される遊技球を所定球数ずつ払い出す遊技球払出装置とを備え、前記整列部は、移動方向に対して交差方向で重なり合う遊技球の球数が下流側に向うほど漸減するように、遊技球の通過する内部空間が下流側ほど小さくなる管路が形成されるとともに、該管路の下流側に一球のみの遊技球が通過し得る通過部が形成され、遊技球が前記通過部を順次通過することで一列に整列して遊技球払出装置に供給されるように構成された遊技機であって、前記遊技球払出装置が左右対称に一対設けられるとともに、貯留タンクから供給される遊技球を一対の遊技球払出装置に振り分けるべく、前記傾斜路が左右対称に一対設けられ、各傾斜路は、少なくとも一カ所で遊技球の移動方向を上方から見て略180度変換する屈曲部を有し、しかも屈曲部の外縁部には、上流側から転動してくる遊技球の重量の分力を受けつつ該遊技球を下流側に向けて案内する緩衝ガイド体が立設されてなることを特徴とする
【0015】
かかる遊技機によれば、供給された遊技球が傾斜路の傾斜により下流側(屈曲部)に向けて転動し、該遊技球が屈曲部に設けられた緩衝ガイド体に一旦当接する。その後、屈曲部に対して下流側の傾斜路の傾斜により、緩衝ガイド体に当接した遊技球が通過部に向けて転動することとなる。
【0016】
このように、傾斜路上を転動する遊技球を緩衝ガイド体に一旦当接させることで、通過部近傍に位置する遊技球に対し、該通過部から貯留タンクまでの間の傾斜路上の全ての遊技球の重量(正確には傾斜路の傾斜角に対応した遊技球の重量(垂直方向に作用する力)に対する分力)が生じなくなる。換言すれば、通過部近傍に位置する遊技球に対し、屈曲部から下流側の傾斜路上に位置する少数の遊技球の重量の分力のみが作用することとなる。
【0017】
したがって、ガイド体によって通過部に案内される重なりあった遊技球のそれぞれに、通過部近傍の球詰まりの原因となる大きな押圧力(全傾斜路上の複数の遊技球の重量の分力の合計と略同等の大きな力)が作用しないため、可動部材を用いることなく、通過部近傍での球詰まりを防止して、通過部で遊技球を整列させることができる。これにより、傾斜路の下流側に所定球数の遊技球を計量して払い出す遊技球払出装置を設けても、該遊技球払出装置に遊技球を円滑に導くことができ、遊技球の未払い出しを防止し、遊技の中断などを防止することができる。
【0018】
また、請求項2記載の如く、前記傾斜路は、前記屈曲部に接続される上流側、及び下流側の部分が真っ直ぐな直線部で構成され、前記直線部を複数形成するように前記屈曲部が複数形成されてもよい。
【0019】
このようにすれば、遊技球が供給される傾斜路の上流部と通過部との間に複数の屈曲部を形成することで、傾斜路の傾斜角に対応する遊技球の重量の分力の作用方向の異なる複数の直線部を形成することができ、しかも、各直線部における遊技球の移動方向の長さを短くすることができる。これにより、通過部に接続された最下流に位置する傾斜路の直線部上に位置する遊技球の球数を極めて少数にすることができ、通過部近傍で重なり合う遊技球に、最下流の直線部上の極めて少数の遊技球の重量の分力(極めて小さな力)のみが作用することとなり、いっそう通過部近傍での球詰まりを防止を行うことができる。
【0020】
さらに請求項3記載の如く、前記複数の直線部のそれぞれが、上方から見て並設されるように、前記複数の屈曲部のそれぞれが、上方から見てU字状に湾曲するとともに、緩衝ガイド体が、屈曲部の外縁部の曲率半径に対応した湾曲面を備えれば、傾斜路が上方から見て折り返えされた状態をなすこととなる。したがって、傾斜路上に供給された遊技球は、各屈曲部の緩衝ガイド体の湾曲面に沿って移動して移動方向が略180度変換される。
【0021】
これにより、各直線部内での遊技球の重量の分力の作用方向も変換されるので、通過部に接続された最下流に位置する直線部上に位置する極めて少数の遊技球の重量のみが、通過部近傍で重なり合う遊技球に作用することとなる。
【0022】
その上、遊技球が供給される傾斜路の上流部(従来の貯留タンク)と通過部との高低差間に、折り返された複数の直線部を形成して傾斜路の全長を長くすることで、複数の直線部の傾斜角度を小さくすることができるので、傾斜路の傾斜角度に対応する遊技球の重量の分力を小さくすることができ、いっそう通過部近傍での球詰まりを防止することができる。
【0023】
また、請求項4記載の如く、前記直線部は、遊技球の傾斜路からの離脱を防止する離脱防止ガイド体が、直線部における遊技球の移動方向に対して直交方向の両端に立設されれば、屈曲部に向かって転動する遊技球が、直線部で外部に離脱するのを防止することができ、遊技球を円滑に供給することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる遊技機の一実施形態としてのパチンコ遊技機について図面を参酌しつつ説明する。
【0025】
本実施形態にかかるパチンコ遊技機は、図1及び図2に示す如く、複数のパチンコ遊技機を所定間隔で設置するパチンコ店(ホール)内に適宜設置された設置台(いわゆる遊技島(図示せず))に固定される略矩形状の設置枠1と、該設置枠1に開閉自在に取り付けられるベース枠2と、当該パチンコ遊技機の前面に位置するように、ベース枠2に着脱自在に取り付けられる前面枠3と、前記ベース枠2内に着脱自在に嵌め込まれる機構盤4とで構成されている。
【0026】
前記設置枠1は、横方向に長尺な天板5と、該天板5に対して対向配置された天板5より奥行幅が広い底板6と、天板5及び底板6の長手方向の一端部同士を接続した前記天板5及び底板6より長尺な起立した側板7と、天板5及び底板6の他端部同士を接続した起立状態にある金属ロッド8とで構成されている。天板5及び底板6の一端部には、前方に向かって突出したブラケット9が設けられ、ブラケット9のそれぞれには、互いに同心で対向するように突出した第一支持軸10が設けられている。
【0027】
ベース枠2は、設置枠1の内部空間に嵌め込まれるベース枠本体11と、該ベース枠本体11の背面から後方に向かって方形状に膨出した収容部12とを備えており、該収容部12は、遊技の内容や当該パチンコ遊技機を動作させる制御部(図示せず)を構成する回路基板等の電気機器を収容できるように構成されている。
【0028】
前記ベース枠本体11における収容部12の上方位置には、横長の矩形状をなす角穴13が形成されており、該角穴13は、ベース枠2内に機構盤4を嵌め込んだ際に、後述する貯留タンク14をベース枠2の裏面から後方に臨出させるべく設けられている。
【0029】
また、ベース枠本体11の下部前面には、遊技の演出効果を高める音楽等の音響を発する一対のスピーカーSが、後述する化粧枠26及び装飾カバーCと面一となるように設けられている。
【0030】
さらに、ベース枠本体11の横方向の一端部(左端部)には、上下一対のブラケット15a,15b(以下、上位のブラケットを第一上ブラケット15aといい、下位のブラケットを第一下ブラケット15bという)が設けられている。
【0031】
第一上ブラケット15aは、ベース枠本体11から前方に突出したブラケットベース16と、該ブラケットベース16に垂設されたサブブラケット17とで構成されいる。
【0032】
前記ブラケットベース16には、前記設置枠1の上位のブラケット9の第一支持軸10を嵌め込むべく前方に開部を有し、且つ上下方向に貫通した平面視L型の貫通溝18が形成され、サブブラケット17には、ブラケットベース16の貫通溝18に設置枠1の第一支持軸10を嵌め込んだ際に、該第一支持軸10と略同軸をなす第二支持軸19が垂設されている。
【0033】
一方、第一下ブラケット15bには、設置枠1の下位のブラケット9の第一支持軸10が内挿される上下方向に貫通した貫通穴20が穿設されている。
【0034】
そして、第一上ブラケット15a及び第一下ブラケット15bとの間であって、第一下ブラケット15b寄りの位置には、前方に向かって突出した別のブラケット21(以下、第一中ブラケットという)が設けられており、該第一中ブラケット21には、第一上ブラケット15aの第二支持軸19と同心で対向する第三支持軸22が上方に向かって立設されている。
【0035】
このように構成されたベース枠2は、設置枠1の下位のブラケット9の第一支持軸10を第一下ブラケット15bの貫通穴20に内挿し、設置枠1の上位のブラケット9の第一支持軸10を第一上ブラケット15aの貫通溝18に嵌め込むことで、第一支持軸10,10周りに回動して、設置枠1内に収容された収容姿勢と、設置枠1から引き出された引出姿勢との間で姿勢変更可能になる。換言すれば、ベース枠2は、設置枠1から取り外し可能、且つ引出可能に前記設置枠1に取り付けられている。
【0036】
前記前面枠3は、前記ベース枠2に開閉自在に取り付けられる遊技盤保持枠23と、該遊技盤保持枠23に開閉自在に取り付けられるガラス扉24と、該ガラス扉24の窓枠25を覆い得るように、遊技盤保持枠23に開閉自在に取り付けられる化粧枠26とで構成されている。
【0037】
前記遊技盤保持枠23は、ベース枠本体11の前面開口の大きさに対応して形成された正面視略矩形状の遊技盤保持枠本体27と、遊技盤保持枠本体27の前面の下方に形成された貯留・操作部28と、遊技盤保持枠本体27に貯留・操作部28の上方に位置して形成された正面視略方形状の開口に嵌め込まれ、前面側に遊技を行う遊技領域Pを形成する遊技盤29とで構成されている。
【0038】
前記遊技盤保持枠本体27の幅(短手)方向の一端部(正面視左端部)には、上下一対のブラケット30a,30b(以下、上位のブラケットを第二上ブラケット30aといい、下位のブラケットを第二下ブラケット30bという)が前方に向けて突出して設けられている。
【0039】
前記第二上ブラケット30aには、第一上ブラケット15aの第二支持軸19を嵌め込むべく、前方に開部を有し、且つ上下方向に貫通する平面視L型の貫通溝31が形成されており、第二下ブラケット30bには、ベース枠本体11の第一中ブラケット21の第三支持軸22を内挿する貫通穴32が穿設されている。
【0040】
そして、前記遊技盤保持枠本体27の第二上ブラケット30a及び第二下ブラケット30b間であって、第二下ブラケット30bよりの位置に別のブラケット33(以下、第二中ブラケットという)が前方に突出して設けられており、該第二中ブラケット33には、化粧枠26の後述する第四支持軸34を内挿する貫通穴35が穿設されている。
【0041】
さらに、前記遊技盤保持枠本体27は、遊技盤29を嵌め込む開口を形成する上端部における幅方向の一端部(左端部)に、板材がL字状に曲げられた金具36が、一方の片を当該遊技盤保持枠本体27の前面側に位置させるとともに、他方の片を開口を形成した内周面に当設させて取り付けられており、該他方の片には、窓枠25の上端に設けられた軸37を内挿する穴(図示しない)が穿設されている。また、前記開口を形成する幅方向の起立した左端部の下部には、ブラケット38(以下、窓用ブラケットという)が開口内部に向けて突設されており、該窓用ブラケット38には、窓枠25に設けられた軸(図示しない)を内挿する穴が穿設されている。なお、金具36の穴と窓用ブラケット38の穴とは、互いに同心で対向している。
【0042】
前記貯留・操作部28は、複数の遊技球を貯留する貯留皿39と、遊技盤保持枠本体27に取り付けられ、貯留皿39から順次供給される遊技球を一球ずつ遊技盤29の遊技領域Pに向けて打ち出す発射装置(図示しない)と、遊技盤保持枠本体27の前面から延出して設けられ、前記発射装置を動作させるハンドル40とで構成されている。なお、貯留・操作部28の前面には、化粧枠26のデザインに対応した装飾カバーCが取り付けられており、貯留皿39の開口内部、及びハンドル40のみが外部に露呈している。
【0043】
前記遊技盤29は、前記遊技盤保持枠本体27に形成された開口の内寸に対応した略正方形状の板材で構成されており、前記遊技盤保持枠本体27の開口に嵌め込まれた際に、当該パチンコ遊技機の前面側に位置する一方の面には、遊技装飾領域Pdが形成されている。
【0044】
該遊技装飾領域Pdは、実際に遊技を行う遊技領域Pと、前記化粧枠26に覆われて装飾される装飾領域Dとで構成されている。
【0045】
かかる遊技領域Pは、前記発射装置によって打ち出される遊技球を確実に遊技領域P内へと導くべく、発射装置近傍を始点にして帯状のレールが円形渦巻き状に取り付けられ、平面視略円形状に形成されている。さらに、遊技領域Pには、打ち出された遊技球の落下方向性を変化させる複数の釘(図示せず)、回転体T(いわゆる、風車)、及び遊技球が入球することで賞球が得られたり、特別な遊技モードへの突入の可否の抽選が実行される受球口I等が適宜設けられている。かかる受球口Iは、遊技球が入球することにより、制御部に抽選を行うように指示する指示信号が発信されるように構成されており、遊技領域Pの略中央には、制御部の抽選結果を表示する表示部Bが形成されている。このように構成された遊技盤29は、遊技盤保持枠本体27の開口に嵌め込まれ、当該遊技盤保持枠本体27の裏面側から固定されている。
【0046】
また、遊技盤29の下部には、当該遊技盤29の表裏に貫通した角筒状の払出管44が、一方の面から延出して設けられている。該払出管44は、遊技盤29の一方の面から延出した一端開口が貯留皿39の底部と対向するように、一端部をL字状に屈曲させて形成され、他端開口が機構盤4の後述する払出経路の他端口に接続可能となるように、遊技盤29の裏面と略面一に位置している。
【0047】
前記ガラス扉24は、遊技盤29の形状及び大きさに対応した平面視略方形状の上述した金属製の窓枠25と、該窓枠25内に嵌め込まれた板ガラスGとで構成されいる。窓枠25の横方向の一端(左端)部における上下端部のそれぞれには、上述した軸37(下端部の軸は窓枠25で隠れている)が軸方向に出退自在に設けられている。該ガラス扉24は、上下の軸37のそれぞれを、遊技盤保持枠本体27の金具36及び窓用ブラケット38の穴に内挿することにより、上記構成のガラス扉24は、軸37回りに正逆回動して、遊技盤29の遊技領域Pを視認可能に遊技装飾領域Pdの前面を覆った保護姿勢と、遊技装飾領域Pdの前面を開放した開放姿勢との間で姿勢変更可能となる。
【0048】
前記化粧枠26は、前記遊技盤保持枠本体27における貯留・操作部28より上方を覆い得るように、正面視略正方形状をなしており、遊技盤29の遊技領域Pに対応する円形窓41が形成され、遊技盤29の装飾領域Dを覆った状態でガラス扉24を介して遊技領域Pを視認可能とされ、該化粧枠26の前面には、色とりどりのレンズ体L内にランプ(図示せず)が設けられた、いわゆる電飾Eが適宜配置されている。
【0049】
そして、化粧枠26は、横方向の一端部(左端部)には、上下一対のブラケット42a,42b(以下、上位のブラケットを第三上ブラケット42aといい、下位のブラケットを第三下ブラケット42bという)が前方に突出して設けられている。該第三上ブラケット42aには、第二上ブラケット30aを介して下方に突出する第一上ブラケット15aの第二支持軸19を嵌め込むべく、前方に開部を有し、上下方向に貫通した平面視L型の貫通溝43が形成されており、第三下ブラケット42bには、遊技盤保持枠本体27の第二中ブラケット33の貫通穴35に内挿する上述した第四支持軸34が下方に向けて垂設されている。
【0050】
該化粧枠26は、遊技盤保持枠本体27の第二中ブラケット33の貫通穴35に、第三下ブラケット42bの第四支持軸34を内挿し、第二上ブラケット30aの下面から突出するベース枠2の第一上ブラケット15の第二支持軸19を、第三上ブラケット42aの貫通溝43に嵌め込むことにより、第二支持軸19及び第四支持軸34の軸周りに回動して、ガラス扉24を介して遊技領域Pを視認可能に装飾領域D等の前面を覆った装飾姿勢と、ガラス扉24から離間した開放姿勢との間で姿勢変更可能に取り付けられる。
【0051】
上記構成された前記前面枠3は、遊技盤保持枠本体27の第二下ブラケット30bの貫通穴32に、ベース枠2の第一中ブラケット21の第三支持軸22を内挿し、第二上ブラケット30aがベース枠2のサブブラケット17と化粧枠26の第三上ブラケット42aとの間に介在するように、当該第二上ブラケット30aの貫通溝31にベース枠2の第二支持軸19を嵌め込むことにより、第二支持軸19及び第三支持軸22の軸周りに正逆回動して、ベース枠2の前面開口を塞ぐ閉鎖姿勢と、該前面開口を開放する開放姿勢との間で姿勢変更可能に取り付けられる。なお、前記化粧枠26は、前面枠3(遊技盤保持枠本体27)をベース枠2に取り付けた後に取り付けてもよい。
【0052】
前記機構盤4は、前記ベース枠2内に嵌め込み可能に正面視略矩形状に形状設定されている。具体的には、機構盤4は、図3に示す如く、外形四角形状で環状の枠板45と、枠板45の外周縁部から前方に突出した状態で帯状に形成された外周縁堰条46と、枠板45の内周縁部から前方に突出した状態で帯状に形成された内周縁堰条47とからなる合成樹脂製の環状構造体48に、各種の部材がマウントされることによって構成され、環状構造体48が、遊技盤29の裏面側に装着された各種部材との緩衝を回避すべく、中央部に逃窓49を形成している。
【0053】
該環状構造体48の背面側には、図4に示す如く、遊技島に設けられた遊技球供給装置(図示しない)から供給される遊技球を貯留する貯留タンク14と、該貯留タンク14から流入してくる(供給される)遊技球を環状構造体48の左右両側に振り分け、該左右両側に振り分けられた遊技球を一列に整列させた状態で左右両側に形成された一対の供給部50a,50bから下流側に送球する振分整列部51と、該振分整列部51の一対の供給部50a,50bのそれぞれから送球されてくる遊技球を所定の球数で下流側に送球する一対の払出経路52a,52bと、前記一対の払出経路52a,52bに並設された一対の逃路53a,53bと、一対の逃路53a,53bの上流側の一端開口部に設けられ、遊技球を払出経路52a,52b及び逃路53a,53bの何れかに導入するように経路を切り替える切替ダンパー54とが設けられている。
【0054】
前記貯留タンク14は、平面視略矩形状をなす上部が開口状態にある箱状体であり、該箱状体の底部の内面は、該底部の略中央に形成された略矩形状の供給口55に向けて先下りに傾斜した傾斜面を形成している。このように構成された貯留タンク14は、環状構造体48の枠板45の背(裏)面上部に着脱自在に固定されている。
【0055】
前記振分整列部51は、前記貯留タンク14の真下に設けられており、前記貯留タンク14の供給口55から供給される遊技球を左右方向に振り分けて、環状構造体48の左右両側のそれぞれに導く振分部56と、該振分部56により左右に振り分けられた遊技球のそれぞれを一列に整列させる一対の整列部57とで構成されている。
【0056】
前記振分部56は、左右対称に形成された一対の傾斜路58a,58bを備えている。一対の傾斜路58a,58bは、それぞれの最上流端同士が接続されて稜線BLを形成するように左右対称に下流に向けて(稜線BLを基準に機構盤4の横方向両側に向けて)先下りに形成されており、該稜線BLが前記貯留タンク14の供給口55の中央部と対向している。なお、一対の傾斜路58a,58bについてより具体的に説明するが、該一対の傾斜路58a,58bのそれぞれは、同一構成により形成されているので、一方の傾斜路58aについてのみ具体的に説明する。
【0057】
かかる一方の傾斜路58aは、図5(図4のA−A断面拡大図)に示す如く、他方の傾斜路58bと接続される上流端側が、貯留タンク14の供給口55と対向する直線部である第一直線傾斜部59aと、該第一直線傾斜部59aの下流端に接続された屈曲部である第一屈曲傾斜部60aと、前記第一直線傾斜部59aと並列をなすように、前記第一屈曲傾斜部60aの下流端に接続された直線部である第二直線傾斜部59bと、該第二直線傾斜部59bの下流端に接続された第二屈曲傾斜部60bと、前記第一直線傾斜部59a、及び第二直線傾斜部59bと並列をなすように、前記第二屈曲傾斜部60bの下流端に接続され、下流端に上述した供給部50aを形成する直線部である第三直線傾斜部59cとで構成されている。
【0058】
換言すれば、傾斜路58aは、真っ直ぐな直線傾斜部(直線部)59a,59b,59cと、所定位置で平面方向に屈曲する屈曲傾斜部(屈曲部)60a,60bとで構成され、該屈曲傾斜部60a,60bが複数(二つ)形成されて真っ直ぐな直線傾斜部(第一直線傾斜部59a、第二直線傾斜部59b、及び第三直線傾斜部59c)が複数(三列)形成されたものである。
【0059】
前記第一直線傾斜部59aは、稜線BLから機構盤4の他端側(右側端)に向けて先下りに傾斜しており、該第一直線傾斜部59aの傾斜による遊技球の移動方向に対して直交方向(以下、幅方向という)の一方の縁部には、第一直線傾斜部59a上を転動する遊技球が、当該第一直線傾斜部59aから離脱するのを防止する所定高さに設定された離脱防止ガイド体である板状の第一ガイド板61aが立設されている。また、幅方向の他方の縁部には、供給口55から供給される遊技球を第一直線傾斜部59a上に導く案内傾斜板62が、第一直線傾斜部59aの反対側に延出して設けられている。
【0060】
前記第一屈曲傾斜部60aは、前記第二直線傾斜部59bが第一直線傾斜部59aと並列となるように平面方向U字状に形成されている。換言すれば、第一屈曲傾斜部60aは、第二直線傾斜部59b上を転動する遊技球の移動方向が、第一直線傾斜部59a上を転動する遊技球の移動方向に対して平面方向で略180度変換されるように、U字状に形成されている。
【0061】
また、該第一屈曲傾斜部60aの外周縁部には、第一屈曲傾斜部60a側の内周面が、第一屈曲傾斜部60aの曲率半径に対応して凹状の湾曲面をなす緩衝ガイド体である第一案内ガイド部63aが起立状態で設けらており、該第一案内ガイド部63aは、上流側の一端が前記案内傾斜板62の近傍に接続され、下流側の他端が後述する第二ガイド板61bの一端部に接続されている。該第一案内ガイド部63aは、前記湾曲面の頂点と前記第一ガイド板61aの他端部と対向するように配置されており、第一ガイド61aの一端部と湾曲面の上流側の一端との間に、第一直線傾斜部59aの下流端部を接続する第一接続部78aを形成するとともに、第一ガイド61aの一端部と湾曲面の下流側の他端との間に、第二直線傾斜部59bの上流端部を接続する第二接続部78bを形成している。
【0062】
前記第二直線傾斜部59bは、上流側の一端部が第一屈曲傾斜部60aの第二接続部78bに接続され、機構盤4の内部に向けて(第一直線傾斜部59aの傾斜方向とは反対方向(下流側)に)先下りに傾斜している。第二直線傾斜部59bは、当該第二直線傾斜部59bの傾斜による遊技球の移動方向に対して直交方向の一方の縁部が、前記第一直線傾斜部59aの一方の縁部に立設された第一ガイド板61aに接続されている。つまり、第一直線傾斜部59aと第二直線傾斜部59bとは、第一ガイド板61aによって仕切られ、且つ第一屈曲傾斜部60aに接続されることで形成されている。また、第二直線傾斜部59bの幅方向の他方の縁部には、第二直線傾斜部59b上を転動する遊技球が、当該第二直線傾斜部59bから離脱するのを防止する所定高さに設定された離脱防止ガイド体である板状の第二ガイド板61bが立設されている。
【0063】
前記第二屈曲傾斜部60bは、前記第三直線傾斜部59cが第一直線傾斜部59a(及び第二直線傾斜部59b)と並列となるように平面方向U字状に形成されている。換言すれば、第二屈曲傾斜部60bは、第三直線傾斜部59c上を転動する遊技球の移動方向が、第二直線傾斜部59b上を転動する遊技球の移動方向に対して平面方向略180度変換される(第一直線傾斜部59aと同方向に移動する)ように、平面方向でU字状に形成されている。
【0064】
また、該第二屈曲傾斜部60bの外周縁部には、第二屈曲傾斜部60b側の内周面が、第二屈曲傾斜部60bの曲率半径に対応して凹状の湾曲面をなす緩衝ガイド体である第二案内ガイド部63bが起立状態で設けらており、該第二案内ガイド部63bは、上流側の一端が第一ガイド板61a他端部に接続され、下流側の他端が後述する第三ガイド板61cの上流端に接続されている。該第二案内ガイド部63bは、前記湾曲面の頂点と前記第二ガイド板61bの他端部と対向するように配置されており、第二ガイド板61bの他端部と湾曲面の上流側の一端との間に、第二直線傾斜部59aの下流端部を接続する第一接続部79aを形成するとともに、第二ガイド板61bの他端部と湾曲面の下流側の他端との間に、第三直線傾斜部59cの上流端部を接続する第二接続部79bを形成している。
【0065】
前記第三直線傾斜部59cは、上流側の一端が第二屈曲傾斜部60bの第二接続部79bに接続され、第二直線傾斜部59bの傾斜方向とは反対方向(下流)に向けて先下りに傾斜している。第三直線傾斜部59cは、当該第三直線傾斜部59cの幅方向の一方の縁部は、前記第二直線傾斜部59bの他方の縁部に立設された第二ガイド板61bに接続されている。
【0066】
つまり、第二直線傾斜部59bと第三直線傾斜部59cとは、第二ガイド板61bによって仕切られ、且つ第二屈曲傾斜部60bに接続されることで形成されている。また、第三直線傾斜部59cの幅方向の他方の縁部には、第三直線傾斜部59c上を転動する遊技球が、当該第三直線傾斜部59cから離脱するのを防止する所定他kさに設定された離脱防止ガイド体である板状の第三ガイド板61cが立設されている。このように一端が第二屈曲傾斜部60bに接続された第三直線傾斜部59cの下流端は、上述した供給部50aを形成し、該供給部50aが整列部57に接続されている。
【0067】
上記構成の傾斜路58aは、上部が開放状態にされており、所定高さに設定された第一ガイド板61a、第二ガイド板61b及び第三ガイド板61cによって、各直線傾斜部59a,59b,59c上で遊技球が上下方向に重なりあった状態で多くの遊技球が移動できるように構成されている。換言すれば、傾斜路58a,58b(振分部56)は、多数の遊技球を貯留しつつ下流側に移動(供給)することができるように構成されている。また、本実施形態にかかるパチンコ遊技機における貯留タンク14と、整列部57との高低差を、従来のものと略一致させ、且つ第一直線傾斜部59a、第二直線傾斜部59b、及び第三直線傾斜部59cの合計長さを従来の傾斜路に比して長くしているので、第一直線傾斜部59a、第二直線傾斜部59b、及び第三直線傾斜部59cのそれぞれの傾斜角が、従来の傾斜路における傾斜角に比して小さくなっている。
【0068】
上記構成の振分部56によれば、貯留タンク14の供給口55から供給される(流れ込んだ)遊技球が、第一直線傾斜部59a及び案内傾斜板62上に落下し、第一直線傾斜部59a上に落下した遊技球は、当該第一直線傾斜部59aの傾斜により第一屈曲傾斜部60a(下流)に向けて移動(転動)し、案内傾斜板62上に落下した遊技球は、当該案内傾斜板62の傾斜によって第一直線傾斜部59aに案内された後、第一直線傾斜部59a上を転動して第一屈曲傾斜部60aに向けて移動する。これにより、第一直線傾斜部59a上で数珠繋ぎな状態をなした遊技球のうち下流側の遊技球が、第二屈曲傾斜部60bに到達すると、該第二屈曲傾斜部60bに到達した遊技球は、後続(上流側)で数珠繋ぎとなった複数の遊技球に押されて第二屈曲傾斜部60bの第一案内ガイド部63aの湾曲面に当接するとともに、該湾曲面によって案内されて第二直線傾斜部59bに案内される。この際、第一案内ガイド部63aには、第一直線傾斜部59aの傾斜角に対応した第一直線傾斜部59a上の複数の遊技球の重量(垂直方向の力)の分力が、第一直線傾斜部59aの傾斜方向(第一直線傾斜部59a上での遊技球の移動方向)で当接した遊技球を介して作用することとなる。
【0069】
その後、第一案内ガイド部63aにより第二直線傾斜路59b上に案内された遊技球は、第二直線傾斜路59bの傾斜により第二屈曲傾斜部60bに向けて移動して、第二直線傾斜部59b上で数珠繋ぎな状態となる。これにより、遊技球が第一案内ガイド部63aに到達した際と同様に、第二直線傾斜部59b上の複数の遊技球のうち下流側の遊技球が、第二屈曲傾斜部60bに到達すると、該第二屈曲傾斜部60bに到達した遊技球は、第二直線傾斜部59b上における後続(上流側)で数珠繋ぎとなった複数の遊技球に押され、第二屈曲傾斜部60bの第一案内ガイド部63aの湾曲面に当接するとともに、該湾曲面によって案内されて第三直線傾斜部59cに案内される。
【0070】
この際に、第二案内ガイド部63bには、第一直線傾斜部59a上での遊技球の移動方向が第二直線傾斜部59bで略180度変換されているので、第二直線傾斜部59bの傾斜角に対応した第二直線傾斜部59b上の複数の遊技球の重量の分力の合計と略同等に力が、第二直線傾斜部59bの傾斜方向(第二直線傾斜部59b上での遊技球の移動方向)で当接した遊技球を介して第二案内ガイド部63bに作用する(吸収される)こととなる。
【0071】
そして、第二案内ガイド部63bにより第三直線傾斜路59c上に案内された遊技球は、第三直線傾斜路59bの傾斜により下流側に設けられた整列部57に向けて転動して、第三直線傾斜部59c上で数珠繋ぎな状態となる。
【0072】
つまり、上記構成の振分部56の傾斜路58a,58bは、第一案内ガイド部63aを備えた屈曲した第一屈曲傾斜部60a、及び第二案内ガイド部63bを備えた屈曲した第二屈曲傾斜部60bを形成することで、遊技球の移動(力の作用)方向を変換させるとともに、第一直線傾斜路59a、及び第二直線傾斜路59b上の複数の遊技球の各重量の分力の合計と略同等の力を吸収させ、第三直線傾斜部59cの下流側に遊技球(整列部57内の遊技球)に、第三直線傾斜部59cの小さな傾斜角に対応した第三直線傾斜部59c上の極めて少ない遊技球の重量における分力の合計と略同等の力(小さな力)のみが作用するように構成されている。
【0073】
図4に戻り、前記整列部57,57のそれぞれは、一端が前記第三直線傾斜部59cの下流端に接続され、第三直線傾斜部59cと均一な経路を形成する帯状の傾斜板64と、前記第三直線傾斜部59cに接続される上流側に比して下流側ほど、前記傾斜板64との間隔が狭くなるように傾斜して、前記傾斜板64の上方に対向配置されたガイド体である整列板65と、該傾斜板64及び整列板65のおく奥行き方向の端部同士を接続する接続板66とで構成され、前記第三直線傾斜部59cの供給部50a,50bに接続されて、第三直線傾斜部59cとともに傾斜路を形成している。
【0074】
前記傾斜板64、整列板65、及び接続板66は、下流側ほど内部空間が小さい管路を形成している。傾斜板64と整列板65の互いの下流端間には、下方に向けて開放した横方向に並列状態にある一対の開口が形成されており、一方の開口(傾斜板64側の開口)には、前記切替ダンパー54を介して逃路53a,53bが接続され、他方の開口(整列板65側の開口)には、払出経路52a,52bが接続されるように構成されている。
【0075】
より具体的には、切替ダンパー54は、傾斜板64側の開口を開閉可能なように、傾斜板64に沿って移動可能に当該傾斜板64の下方に設けられており、切替ダンパー54で傾斜板64側の開口を閉じている際(整列板65側の開口のみが開放されている際)に、切替ダンパー54及び整列板65により、一球のみの遊技球が通過し得る通過部67を形成し、該通過部67を通過した遊技球が一列に整列して払出経路52a,52b内に導かれるように構成されている。
【0076】
このように通過部67に遊技球が導かれる際に、整列板65は、傾斜板64及び切替ダンパー54上で上下方向に重なり合う遊技球のうち、上方側に位置する遊技球を整列板65の傾斜面に沿って移動させ、通過部67に向かうほど遊技球の球数(遊技球の移動方向に対して上下方向で重なり合う遊技球の球数)を漸減させつつ、通過部67に案内するように構成されている。
【0077】
前記一対の払出経路52a,52bのそれぞれは、前記整列部57の整列板65側の開口部に接続される上流側角管体68a,68bと、該上流側角管体68a,68bに接続された遊技球払出装置69a,69bと、該遊技球払出装置69a,69bに接続された下流側角管体70a,70bとで構成されている。
【0078】
一方の払出経路52aは、受球口Iに遊技球が入球したりした際に、所定球数の賞球を払い出す賞球払出用の経路であり、環状構造体48の左右両側に形成された起立部分の一方(図4における右側の起立部分)に形成されている。
【0079】
他方の払出経路52bは、遊技者による遊技球の購入金額に対応した球数を払い出す貸球払出用の経路であり、環状構造体48の左右両側に形成された起立部分の他方(図4における左側の起立部分)に形成されている。
【0080】
前記一対の払出経路52a,52bのそれぞれの上流側角管体68a,68bは、起立状態で形成された角管であり、上端開口が前記整列部57の整列板65側の開口71a,71bに接続されている。
【0081】
前記一対の払出経路52a,52bのそれぞれの遊技球払出装置69a,69bは、それぞれ左右対称形状であるが同一構成であり、環状構造体48の左右両側の起立部分に形成された開口に着脱自在に嵌め込まれている。
【0082】
具体的には、遊技球払出装置69a,69bのそれぞれは、上流側角管体68の下流端(下端開口)に接続されて該上流側角管体68aから供給される遊技球を一球ずつ取り込んで送り出す球送出機構を備えている
【0083】
該球送出機構は、パルスモータ72a,72bに接続されたスプロケットにより、上流側管体68a,68b内の遊技球の下流側角管体70a,70b内への通過を規制(落下が静止)し、パルスモータ72a,72bを駆動してスプロケットを回転させすることで、上流側角管体68a,68b内の遊技球がスプロケットのピッチ内に一球ずつ取り込まれるとともに、ピッチ内に取り込まれた遊技球をスプロケットの回転により移動させて下流側角管体70a,70b内に順次落下させるように構成されたものである。なお、賞球払出用の払出経路52aの遊技球払出装置69aは、上述した遊技盤29の遊技領域P内に設けられた受球口Iへの遊技球の入球に応じ、遊技盤29に設けられた払出管44を介して貯留皿39に払い出すように構成されており、受球口Iに設けられた所定のセンサーが入球した遊技球を検出すると、パルスモータ72a(スプロケット)が検出信号に応じた回転角度(所定球数の遊技球を払い出せる回転角度)で回転して、所定球数の賞球が払い出されるようになっている。
【0084】
他方、貸球払出用の払出経路52bの遊技球払出装置69bは、遊技者の要望に応じて遊技球を貸し出しべく、前記払出管44を介して貯留皿39に払い出すように構成されており、例えば、並設されたパチンコ遊技機間に介設された台間球貸機に、貨幣或いは貨幣と等価の有価価値データが記憶されたプリペイドカード等が投入されると、パルスモータ72b(スプロケット)が貸し出し金額に応じた回転角度(所定球数の遊技球を払い出せる回転角度)で回転して、該金額に応じた球数の遊技球が払い出されるようになっている。
【0085】
前記下流側角管体70a,70bは、上流側角管体68a,68bと同様に角管で構成されており、各上流側の一端開口が各遊技球払出装置69a,69bの下流側に接続されるとともに、該接続部分に対して下流側に部分が適宜曲げられ、他端開口73a,73bがパチンコ遊技機の前面側となる環状構造体48の表面側で、且つ遊技盤4の払出管44の他端開口と対応する位置に配置されている。つまり、遊技盤保持枠23を閉じた際に、下流側角管体70a,70bの他端開口73a,73b(図3参照)と、遊技盤4の下部に設けられた払出管44の他端開口とが接続され、遊技球を貯留皿39に供給できるように、下流側角管体70a,70bの他端開口73a,73b(図3参照)が配置されている。
【0086】
前記一対の逃路53a,53bのそれぞれは、パチンコ遊技機の交換、払出経路52a,52b内での遊技球の球詰まりの解消や、遊技球払出装置69a,69bの故障によるメンテナンス時に、環状構造体48の前面側に突出して切替ダンパー54に連結されたレバー74a,74b(図3参照)を操作して、切替ダンパー54を移動させて整列部57の傾斜板64側の開口を開放することで、貯留タンク14及び振分整列部51内の遊技球を外部に取り出すためのものである。
【0087】
かかる一対の逃路53a,53bのそれぞれは、環状構造体48の左右両側の起立部分に起立状態で形成された角管であり、上端開口が整列部57の傾斜板64側の開口に切替ダンパー54を介して接続され、環状構造体48の下部における左右方向(正面視幅方向)の略中央部で合流し、該合流部分でパチンコ遊技機の前面側にそれぞれの下端開口75(図3参照)が配置されている。
【0088】
このようにパチンコ遊技機の前面側に下端開口75が配置されているのは、遊技盤保持枠23を閉じた際に、該下端開口75が、貯留皿39と連通した接続穴(図示しない)と接続され、貯留タンク14及び振分整列部51内に遊技球を逃路53a,53bを介して貯留皿39に排出できるようにするためである。
【0089】
また、この一対の逃路53a,53bの合流部分の内部には、合流部分の開口75(逃路53a,53bの下端開口)を開閉自在とする開放ダンパー76が設けられている。該開放ダンパー76は、遊技盤保持枠23を閉じた際に、環状構造体48の前面側に突出し、且つ開放ダンパー76に連結された作動部77が、遊技盤保持枠23により押圧されることで、当該開放ダンパー76が傾動して開口75が開放されるように構成されている。つまり、遊技盤保持枠23を開いた状態にすると、作動部77の押圧が解除されているので、開口75が閉鎖した状態となる。
【0090】
したがって、貯留タンク14及び振分整列部51の遊技球を外部に排出すべく、切替ダンパー54を移動させても、遊技球が開口75から流れ出ず、遊技盤保持枠23を閉じた際に貯留皿39を介して遊技球を排出することができる。
【0091】
上記構成にパチンコ遊技機によれば、貯留タンク14から供給される遊技球を整列させる整列部57に導く振分部56の傾斜路58a,58bが、第一屈曲傾斜部60a、第二屈曲傾斜部60b、第一直線傾斜部59a、第二直線傾斜部59b、及び第三直線傾斜部59cにより構成されるとともに、第一屈曲傾斜部60a、及び第二屈曲傾斜部60bの外周縁部に第一案内ガイド部63a及び第二案内ガイド部63bを設けたので、遊技球の移動方向を平面方向で変換することができる。
【0092】
したがって、平面方向の遊技球の移動方向の変換により、第一直線傾斜部59a、第二直線傾斜部59b、及び第三直線傾斜部59cのそれぞれで、傾斜角に対応する数珠繋ぎ状態の遊技球の重量の分力の合計に対応する力の作用方向が、第一屈曲傾斜部60a(第一案内ガイド部63a)、及び第二屈曲傾斜部60b(第二案内ガイド部63b)を境に変わるので、第一直線傾斜部59a、第二直線傾斜部59b、及び第三直線傾斜部59c(各直線傾斜路)毎に、遊技球の重量の分力が独立した方向に作用する。
【0093】
これにより、振分部56の下流側で、遊技球を整列させるべく先細りに形成された整列部57(通過部67近傍)で、遊技球が重なりあっても、貯留タンク14から供給される通過部67より上流側の遊技球の重量の分力の全てが作用しないため、通過部67近傍での球詰まりを防止することができる。すなわち、通過部67近傍で、遊技球同士が重なりあっても、第三直線傾斜部59c上の極めて少ない球数の遊技球の分力のみが作用するので、通過部67近傍の遊技球に大きな力が作用せず、当該場所で球詰まりが発生するのを防止することができる。
【0094】
また、第一屈曲傾斜部60a、第二屈曲傾斜部60b(複数の屈曲傾斜部)を形成するとともに、第一直線傾斜部59a、第二直線傾斜部59b、及び第三直線傾斜部59c(複数の直線傾斜部)を平面方向に並列状態で形成したので、各直線傾斜部59a,59b,59cのそれぞれの傾斜角を小さくすることができ、傾斜角に対応した遊技球の重量に分力を小さなものとすることができ、下流側(整列部57側)の遊技球に作用する力をいっそう小さなものとすることができ、通過部67近傍での球詰まりをいっそう確実に防止することができる。
【0095】
尚、本発明の遊技機は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0096】
本実施形態において、第一屈曲傾斜部60a及び第二屈曲傾斜部60bのそれぞれを平面方向にU字状をなすように形成したが、これらの屈曲傾斜部(屈曲部)は、必ずしもU字状に形成する必要はなく、例えば、V字型に屈曲してものであってもよいこの場合、各屈曲部に本実施形態における第一案内ガイド部63a、第二案内ガイド部63bのような、上流側から転動してくる遊技球が当接する緩衝ガイド体を設けることは勿論のことである。
【0097】
本実施形態において、傾斜路58a,58bに屈曲部(第一屈曲傾斜部60a、及び第二屈曲傾斜部60b)を二カ所形成したが、屈曲部60a,60bが二カ所形成されたものに限定されるものではなく、遊技球の移動方向を変換し得る屈曲部を一箇所以上に形成すればよい。したがって、直線傾斜部も、該屈曲部を形成した数に対応して形成すればよい。この場合においても、屈曲部に前記緩衝ガイド体を設けることは勿論のことである。
【0098】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる遊技機によれば、傾斜路上で重なり合う遊技球を整列させるべく案内するガイド体が形成した一球の遊技球のみを通過させる通過部に対して上流側の傾斜路が、少なくとも一箇所で平面方向に屈曲した屈曲部を形成し、屈曲部の外縁部には、少なくとも上流側から転動してきた遊技球が順次当接する緩衝ガイド体が立設されたので、屈曲部に対して上流側の傾斜路上を転動する遊技球を緩衝ガイド体に一旦当接させて、下流側の傾斜路上で転動する遊技球に当該上流側の傾斜路上の遊技球の重量の分力が作用するのを防止することができる。
【0099】
これにより、通過部近傍に位置する遊技球に対し、屈曲部から下流側の傾斜路上に位置する少数の遊技球の重量の分力のみが作用することとなり、通過部近傍で重なりあう遊技球に、通過部近傍の球詰まりの原因となる全傾斜路上の複数の遊技球の重量の分力の合計と略同等の大きな力が作用するのを防止することができ、可動部材を用いることなく通過部近傍での球詰まりを防止して、通過部で遊技球を整列させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるパチンコ遊技機の正面図を示す。
【図2】同実施形態にかかるパチンコ遊技機の分解斜視図を示す。
【図3】同実施形態にかかる機構盤の斜視図を示す。
【図4】同実施形態にかかる機構盤の背面図を示す。
【図5】図4のA−A断面図であって、同実施形態にかかる振分部の平面図を示す。
【符号の説明】
1…設置枠、2…ベース枠、3…前面枠、4…機構盤、5…天板、6…底板、7…側板、8…金属ロッド、9…ブラケット、10…第一支持軸、11…ベース枠本体、12…収容部、13…角穴、14…貯留タンク、15a…ブラケット(第一上ブラケット)、15b…ブラケット(第一下ブラケット)、16…ブラケットベース、17…サブブラケット、18…貫通溝、19…第二支持軸、20…貫通穴、21…ブラケット(第一中ブラケット)、22…第三支持軸、23…遊技盤保持枠、24…ガラス扉、25…窓枠、26…化粧枠、27…遊技盤保持枠本体、28…貯留・操作部、29…遊技盤、30a…ブラケット(第二上ブラケット)、30b…ブラケット(第二下ブラケット)、31…貫通溝、32…貫通穴、33…ブラケット(第二中ブラケット)、34…第四支持軸、35…貫通穴、36…金具、37…軸、38…ブラケット(窓用ブラケット)、39…貯留皿、40…ハンドル、41…円形窓、42a…ブラケット(第三上ブラケット)、42b…ブラケット(第三下ブラケット)、43…貫通溝、44…払出管、45…枠板、46…外周縁堰条、47…内周縁堰条、48…環状構造体、49…逃窓、50a…供給部、50b…供給部、51…振分整列部、52a…払出経路、52b…払出経路、53a…逃路、53b…逃路、54…切替ダンパー、55…供給口、56…振分部、57…整列部、58a…傾斜路、58b…傾斜路、59a…第一直線傾斜部(直線部)、59b…第二直線傾斜部(直線部)、59c…第三直線傾斜部(直線部)、60a…第一屈曲傾斜部(屈曲部)、60b…第二屈曲傾斜部(屈曲部)、61a…第一ガイド板(離脱防止ガイド体)、61b…第二ガイド板(離脱防止ガイド体)、61c…第三ガイド板(離脱防止ガイド体)、62…案内傾斜板、63a…第一案内ガイド部(緩衝ガイド体)、63b…第二案内ガイド部(緩衝ガイド体)、64…傾斜板、65…整列板(ガイド体)、66…接続板、67…通過部、68a…上流側角管体、68b…上流側角管体、69a…遊技球払出装置、69b…遊技球払出装置、70a…下流側角管体、70b…下流側角管体、71a…開口、71b…開口、72a…パルスモータ、72b…パルスモータ、73a…開口、73b…開口、74a…レバー、74b…レバー、75…開口、76…開放ダンパー、77…作動部、78a…第一接続部、78b…第二接続部、79a…第一接続部、79b…第二接続部、C…装飾カバー、D…装飾領域、E…電飾、G…板ガラス、I…受球口、L…レンズ体、P…遊技領域、Pd…遊技装飾領域、S…スピーカー、T…回転体(風車)、B…表示部

Claims (4)

  1. 遊技球を貯留する貯留タンクと、該貯留タンクから供給された遊技球を下流に向けて案内すべく、下流側に先下りに傾斜した傾斜路と、前記傾斜路から転動してきた遊技球を一列に整列させて下流側に供給する整列部と、該整列部から供給される遊技球を所定球数ずつ払い出す遊技球払出装置とを備え、前記整列部は、移動方向に対して交差方向で重なり合う遊技球の球数が下流側に向うほど漸減するように、遊技球の通過する内部空間が下流側ほど小さくなる管路が形成されるとともに、該管路の下流側に一球のみの遊技球が通過し得る通過部が形成され、遊技球が前記通過部を順次通過することで一列に整列して遊技球払出装置に供給されるように構成された遊技機であって、前記遊技球払出装置が左右対称に一対設けられるとともに、貯留タンクから供給される遊技球を一対の遊技球払出装置に振り分けるべく、前記傾斜路が左右対称に一対設けられ、各傾斜路は、少なくとも一カ所で遊技球の移動方向を上方から見て略180度変換する屈曲部を有し、しかも屈曲部の外縁部には、上流側から転動してくる遊技球の重量の分力を受けつつ該遊技球を下流側に向けて案内する緩衝ガイド体が立設されてなることを特徴とする遊技機。
  2. 前記傾斜路は、前記屈曲部に接続される上流側、及び下流側の部分が真っ直ぐな直線部で構成され、前記直線部を複数形成するように前記屈曲部が複数形成されてなる請求項1記載の遊技機。
  3. 前記複数の直線部のそれぞれが、上方から見て並設されるように、前記複数の屈曲部のそれぞれが、上方から見てU字状に湾曲するとともに、緩衝ガイド体が、屈曲部の外縁部の曲率半径に対応した湾曲面を備えてなる請求項2記載の遊技機。
  4. 前記直線部は、遊技球の傾斜路からの離脱を防止する離脱防止ガイド体が、直線部における遊技球の移動方向に対して直交方向の両端に立設されてなる請求項2又3は記載の遊技機。
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