JP4016469B2 - カラオケ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、カラオケ演奏の音量やエコーレベルなど利用者がボリュームで調整できる設定内容のイニシャル値をオンラインで変更できるカラオケ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラオケ装置は、マイクから入力される歌唱音声信号とカラオケ演奏音をアンプで増幅しミキシングしたのちスピーカから出力する。この増幅やミキシングをするミキシングアンプには、ボリュームが設けられており、歌唱音声、演奏音の音量や音質、エコーの大きさなどを自分の好みにあうように調整することができる。
【0003】
このボリュームは、通常センタクリックを有するものが用いられており、センタクリックの位置に摘まみを設定しておけば、標準的で無難な設定になるような調整がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、カラオケ装置をどこに設置する場合でも標準的で無難な設定が全て同じわけではなく、設置される場所によって異なっている。すなわち、地理的な地域地域(たとえば関東・関西)や設置形態(カラオケボックス,酒場など)によって設定の好みが異なり、また、設置場所の広さなどによって好ましい設定値が異なるものである。たとえば、関西地方では低音を強調した音質が好まれ、関東地方ではヌケの良い音質が好まれるなどである。また、利用者の好みも時間とともに変化してゆく。
【0005】
そこで、従来は、カラオケ装置を設置するときに係員がその地域,設置形態などの条件に合わせて上記ボリュームをセンタクリックに調整したときの音量,エコーなどの設定がベストになるように調整していた。
【0006】
このため、係員の作業が面倒になる問題点があり、時間とともに変化してゆく利用者の好みに対応するためには、係員が逐次設置場所に赴いて設定しなおしする必要があり面倒であった。
【0007】
この発明は、オンラインでアンプの標準的な設定内容を変更できるカラオケ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この出願の請求項1の発明は、カラオケ演奏音信号または歌唱音声信号を調整するための調整データを発生する調整操作子と、センタと通信し、前記カラオケ演奏音信号または歌唱音声信号の調整量を補正する複数の補正データのうち、カラオケ装置の設置場所に対応する補正データを受信する通信手段と、前記調整データを前記補正データで補正したデータを用いて前記カラオケ演奏音信号または歌唱音声信号を調整する調整手段と、前記調整操作子が発生する調整データを蓄積記録するログ記録手段と、該ログ記録手段が記録した内容を前記センタに送信するログ送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この出願の請求項2の発明は、カラオケ演奏音信号または歌唱音声信号を調整するための調整データを発生する調整操作子と、前記カラオケ演奏音信号または歌唱音声信号の調整量を補正する補正データを記憶する補正データ記憶手段と、前記調整データを前記補正データで補正したデータを用いて前記カラオケ演奏音信号または歌唱音声信号を調整する調整手段と、前記調整操作子が発生する調整データを蓄積記録するログ記録手段と、該ログ記録手段の記録内容に基づいて前記補正データを割り出し、前記補正データ記憶手段の記憶内容を更新する補正データ更新手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
この発明のカラオケ装置では、歌唱や演奏の音量やエコーレベルがボリュームなどの調整操作子を用いて利用者に調整可能になっている。調整操作子は利用者が操作しない場合には標準的な状態に設定されており、この状態で標準的な音量やエコーレベルになるような補正データがセンタからダウンロードされる。この補正データをカラオケ装置の設置場所(地域,設置形態など)に合わせたものにすることにより、カラオケ装置がどのような場所に設置されても、そのままの調整状態で最適のカラオケ歌唱をすることができるようになる。
【0012】
また、この発明のカラオケ装置では、前記調整操作子の調整の状態を示す調整データをログに記録しておき、これをセンタに送信する。調整データはたとえば各曲毎に記録すればよい。センタにおいては、この調整データのログを読み取ることにより、好みの変化や先に設定した補正データのずれを割り出すことができ、これに基づいて精度の良い補正データを決定することができる。また、ログをカラオケ装置で分析して独自に補正データを割り出すようにしてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の実施形態であるカラオケ装置のブロック図である。このカラオケ装置は、カラオケ装置本体1、ミキシングアンプ2、メインアンプ3および背景映像再生装置5のコンポーネントで構成されており、このコンポーネントにスピーカ4、モニタ6、マイク7がケーブルで接続され、さらに赤外線リモコン装置であるコマンダ8が付属している。また、このカラオケ装置は電話回線を介して配信センタ9と接続される。
【0014】
カラオケ装置全体を制御するCPU10には、ROM11,RAM12、ハードディスク13,通信制御部14、コマンダ受信部15,操作部14、表示部16、パターン展開部17、表示制御部20、カラオケ演奏部21が接続されているほか、前記コンポーネントを構成する装置であるミキシングアンプ2,背景映像再生装置5も接続されている。前記ミキシングアンプにはメインアンプ3およびマイク7が接続されている。また、表示制御部20にはモニタ6が接続されている。
【0015】
ROM11にはこのカラオケ装置を起動するためのプログラムなどが記憶されている。ハードディスク13にはカラオケ曲を演奏するための楽曲データやシステムプログラム,カラオケ演奏プログラム,ローダなどのプログラムおよび文字パターンデータが記憶されている。また、ハードディスク13には後述のログを記録するログ記録エリア13aが設定されている。上記システムプログラムは、この装置の基本動作を制御するプログラムであり、カラオケ装置の起動時にRAM12に読み込まれる。カラオケ演奏プログラムは、楽曲データに基づいてカラオケ演奏部21を制御するためのプログラムである。ローダは配信センタ9から楽曲データや後述のアンプ設定データをダウンロードするためのプログラムである。文字パターンデータはコード情報として与えられる歌詞,曲名などのテキスト情報などを文字パターンに展開するためのデータである。RAM12には上記プログラムを読み込むエリアや現在演奏中の楽曲データおよび次に演奏する楽曲データを読み出すための楽曲データバッファが設定される。
【0016】
通信制御部14は通信回線を介して配信センタ9と交信し、楽曲データ,アンプ設定データなどをダウンロードするためのコントローラである。通信制御部14はDMA回路を内蔵しており、ダウンロードされた楽曲データなどをCPU10を介さずに直接ハードディスク13に書き込むことができる。
【0017】
コマンダ受信部15はコマンダ8から送られてくる赤外線信号を受信してデータを復元する。コマンダ8は、曲番号を入力するためのテンキーや曲番号をセットするためのセットキーなど複数のキースイッチを備えている。利用者がこれらのキースイッチを操作すると、コマンダ8は操作されたキースイッチに対応する赤外線のコード信号を送信する。コマンダ受信部15はこの赤外線のコード信号を受信してデータに復元し、CPU10に入力する。CPU10はこのデータに基づいてカラオケ曲の予約やキーチェンジなど種々の処理を実行する。操作部16はカラオケ装置本体のフロントパネルに設けられており、上記コマンダ8と同様のキースイッチを備えている。表示部17も上記操作部16と同様カラオケ装置本体のフロントパネルに設けられており、現在演奏中の曲番号や予約曲数などを表示するLEDマトリクス表示器を含んでいる。
【0018】
パターン展開部18はVRAMを有し、楽曲データの歌詞トラックから読み出された歌詞表示データに基づいて文字パターンを展開して映像信号化する回路部である。背景映像再生装置5は、たとえばDVDチェンジャやCD−ROMチェンジャで構成されており、CPU10の指示に対応して所定の背景映像を再生する。この背景映像信号および上記パターン展開部18が生成した文字パターンの映像信号は表示制御部20に入力される。表示制御部20は、これらの映像信号の同期をとってスーパーインポーズで合成し、モニタ6に出力する。
【0019】
カラオケ演奏部21は、楽曲データに基づいてカラオケ演奏音を発生する回路部であり、音源,PCMデコーダなどを含んでいる。音源は楽曲データ中の楽音トラックに基づいて楽音を発生する。PCMデコーダは楽曲データの音声データに基づいてバックコーラスなどの音声を再生する。上記回路で発生されたカラオケ演奏音信号はミキシングアンプ2に入力される。ミキシングアンプ2は、このカラオケ演奏音信号およびマイク7から入力される歌唱音声信号に対して所定の効果を付与したのちミキシングしてメインアンプ3に出力する。メインアンプ3は入力された音声信号を増幅してスピーカ4に出力する。
【0020】
図2は前記ミキシングアンプ2の概略構成を示す図である。
【0021】
ミキシングアンプ2はカラオケ演奏部21から入力されるカラオケ演奏音信号とマイク7から入力される歌唱音声信号を増幅しエコーなどの効果を付与するとともに、これらの信号をミキシングしてメインアンプ3に出力する。歌唱音声信号はアンプ40で増幅されたのちエコー回路41に入力され、エコー回路41でエコー効果を付与されたのちミキサ44に入力される。一方、カラオケ演奏音信号はアンプ42で増幅されたのちエコー回路43に入力され、エコー回路43でエコー効果を付与されたのちミキサ44に入力される。ミキサ44はこれらの信号をミキシングしてアンプ45に出力する。アンプ45はこの信号を増幅してメインアンプ3に出力する。ここで、アンプ40,42,45のゲインはゲイン制御信号(歌唱ゲイン制御信号、演奏ゲイン制御信号、マスタゲイン制御信号)で制御される。また、エコー回路41,43が付与するエコーの態様は、エコー制御信号によって制御される。エコー制御信号はエコーレベル制御信号(歌唱エコーレベル制御信号、演奏エコーレベル制御信号)およびエコー音質制御信号(歌唱エコー音質制御信号、演奏エコー音質制御信号)からなっている。エコーレベル制御信号は信号のフィードバックレベルを設定する。エコー音質制御信号はフィードバックする信号のフィルタ特性を決定する。このフィルタ特性を調整することにより、エコーの音質を柔らかくしたり華やかにしたりすることができる。
【0022】
上記歌唱ゲイン制御信号、演奏ゲイン制御信号、歌唱エコーレベル制御信号、演奏エコーレベル制御信号およびマスタゲイン制御信号は、それぞれ加算器33,34,35,36,37からアンプ40,41、エコー回路41,43およびアンプ45に入力される。また、エコー音質制御信号は、レジスタ39からエコー回路41,43に直接入力される。
【0023】
ミキシングアンプ2のフロントパネルには、複数個(実施形態では5個)のボリューム31が設けられている。各ボリューム31は、それぞれ歌唱ゲイン、演奏ゲイン、歌唱エコーレベル、演奏エコーレベル、マスタゲインに対応している。このボリューム31は一般的な回転型の可変抵抗器で構成することができ、回転範囲の中央にセンタクリックを有するものを使用する。このボリューム31の出力(抵抗値)はA/Dコンバータ32でディジタルデータに変換されたのち、前記加算器33,34,35,36,37に供給される。
【0024】
一方、ミキシングアンプ2はインタフェース30を介してカラオケ装置本体1のバスと接続されている。インタフェース30にはレジスタ39が接続されている。カラオケ装置本体1が、配信センタ9からアンプ設定データを受信すると、インタフェース30を介してこのレジスタ39にそのデータが書き込まれる。アンプ設定データは、歌唱ゲインバイアスデータ、演奏ゲインバイアスデータ、歌唱エコーレベルバイアスデータ、歌唱エコー音質設定データ、演奏エコーレベルバイアスデータ、歌唱エコー音質設定データ、マスタゲインバイアスデータからなっており、このうち、歌唱ゲインバイアスデータ、演奏ゲインバイアスデータ、歌唱エコーレベルバイアスデータ、演奏エコーレベルバイアスデータ、マスタゲインバイアスデータが、それぞれ前記加算器33,34,35,36,37に供給される。
【0025】
したがって、前記アンプ40,42,45には、利用者がボリューム31を操作して出力される値(調整データ)にレジスタ39に記憶されているバイアスデータを加算した値がゲイン制御信号として入力される。また、エコー回路41,43には、利用者がボリューム31を操作した調整データにレジスタ39に記憶されているバイアスデータがエコーレベル制御信号として入力される。一方、エコー回路41,43に入力されるエコー音質制御信号は利用者に調整が開放されておらず、配信センタ9からダウンロードされたエコー音質設定データがそのままエコー音質制御信号として出力される。
【0026】
なお、前記バイアスデータは、正値、負値のいずれをとることもできる。また、ボリューム31をセンタクリックの位置にしたときの調整データを0とし、バイアスデータをイニシャル状態の制御信号と同じ値になるようにしてもよい。
【0027】
また、この回路では、調整データとバイアスデータ(アンプ設定データ)とを加算して制御信号に変換しているが、乗算するなど他の変換方法で制御信号を生成してもよい。
【0028】
そして、上記調整データは、インタフェース30を介してカラオケ装置本体1に取り込まれる。CPU10はこの調整データをログとして蓄積記録してゆく。記録するタイミングは1曲のカラオケ曲の演奏中に1回(曲の途中)である。このタイミングにこの設定値をチェックすることにより、各曲における調整データを収集することができる。
【0029】
図3は前記配信センタ9に設定される稼働カラオケ装置登録リストおよびアンプ設定データテーブルの構成を示す図である。同図(A)は稼働カラオケ装置登録リストを示す。このリストは配信センタ9に現在稼働していると通知があったカラオケ装置のID番号を登録するリストであり、同時にそのカラオケ装置が設置されている地域や設置形態が登録されている。地域は、カラオケ装置が設置されている地理的な場所であり、関西,関東などの区分で登録される。また、設置形態は、カラオケ装置が設置されている店舗の営業形態などを示すデータであり、カラオケボックス,酒場,宴会場などの区分で登録される。
【0030】
同図(B)はアンプ設定データテーブルを示す図である。このテーブルには、歌唱ゲインバイアスデータ、演奏ゲインバイアスデータ、歌唱エコーレベルバイアスデータ、歌唱エコー音質設定データ、演奏エコーレベルバイアスデータ、歌唱エコー音質設定データ、マスタゲインバイアスデータからなるアンプ設定データが、上記の地域,設置形態毎に記憶されている。このテーブルの内容は、上記登録されているカラオケ装置から収集されるログを参考にして定期的に更新される。また、上記登録されているカラオケ装置の定期メンテナンス時に更新されたアンプ設定データがダウンロードされ、該カラオケ装置のコントロールアンプ2(レジスタ39)に設定される。
【0031】
図4は同カラオケ装置の動作を示すフローチャートである。同図(A)はカラオケ装置が利用される場所に設置されたときの動作を示すフローチャートである。同図(B)は同カラオケ装置がカラオケ曲を演奏するのときの動作を示すフローチャートである。同図(C)は同カラオケ装置が配信センタから定期的にメンテナンスを受けるときの動作を示すフローチャートである。
【0032】
同図(A)において、係員がこのカラオケ装置を設置する店舗等にこのカラオケ装置を持ち込んで所定場所に設置し、電話線を接続して、配信センタ9に電話をかける操作を行うとこの動作がスタートする。まず、上記係員の指示に従って配信センタ9に電話をかける(s1)。そして、このカラオケ装置のID番号と現在このカラオケ装置のメディアに記憶している楽曲データのバージョンを配信センタ9に送信する(s2)。配信センタは、このID番号を稼働カラオケ装置リストに登録する。配信センタ9は、上記受信したバージョンに応じて追加のデータをダウンロードする(s3)。追加のデータは、上記バージョン以後のバージョンの新曲の楽曲データなどである。次に、このカラオケ装置が設置されている地域や設置形態などのデータを配信センタ9に送信し、配信センタ9からこの地域や設置形態などの条件に対応するアンプ設定データをダウンロードし(s5)。前記ミキシングアンプ2のレジスタ39にこれを設定する(s6)。
【0033】
同図(B)は演奏時の処理動作を示すフローチャートである。カラオケ装置の利用者からリクエストがあると、リクエストされた曲の楽曲データ,背景映像データを読み出してカラオケ演奏の準備を行う(s11)。準備が完了するとカラオケ曲の演奏をスタートする(s12)。演奏スタートののち、一定時間が経過すると(s13)、上記ボリューム31の調整内容をチェックする(s14)。すなわち、インタフェース30を介してボリューム31の調整データを読み込む。演奏スタートののち、一定時間を待って設定内容をチェックするのは、利用者は曲がスタートしたのち演奏を聞きながら歌唱者や聴衆の好みにあうようにエコーや音量を調整することが多いため、この調整が決定してからその調整データをチェックしたほうが正確な値を取り込むことができるからである。上記一定時間は30秒程度が適当である。このチェックで読み込んだ調整データをハードディスク13に設定されているログ記録エリア13aに書き込む(s15)。このログは、次のメンテナンス時に配信センタ9に吸い上げられるまで蓄積記憶される。曲が終了するまでカラオケ曲の演奏を継続する(s16)。
【0034】
同図(C)は、配信センタ9が定期的に行うメンテナンス時の動作を示すフローチャートである。このメンテナンスは配信センタ9からの電話を受信して実行される。配信センタ9からメンテナンスのための電話を受信すると(s21)、楽曲データの現在のバージョンを送信する(s22)。このバージョンの送信に対応して新たなバージョンの追加データがダウンロードされる(s23)。次に上記ボリューム31の調整データログやカラオケ曲のリクエスト履歴などのログを配信センタ9に対してアップロードし(s24)、ログ記録エリア13aをクリアする(s25)。つぎに配信センタ9から新たなアンプ設定データがダウンロードされてくるため(s26)、これをミキシングアンプ2のレジスタ39に設定する(s27)。
【0035】
上記実施形態では、各カラオケ装置からログを収集した配信センタ9がこのログに基づいてミキシングアンプ2の標準的な設定値を決定し、この設定値がボリューム31の中央(センタクリックの位置)になるようにアンプ設定データを生成してオンラインで設定するようにしているが、各カラオケ装置が利用者のボリューム操作の状態に応じて独自にアンプ設定データ(バイアスデータ)をメンテナンスできるようにしてもよい。図5は同機能を実現したカラオケ装置の動作を示すフローチャートである。この動作は1か月に1回程度の間隔で実行される。まず、ハードディスク13に蓄積したログを読み出し(s51)、この内容を分析する(s52)。たとえば蓄積したデータの平均値を算出したり、ログ記録期間における設定値の変化傾向を関数化するなどの処理を行う。そして、この分析結果に基づいて新たなアンプ設定データを算出し(s53)、この新たな設定データをレジスタ39に設定する(s54)。
【0036】
以上の動作により、カラオケ装置が配信センタ9からアンプ設定データのダウンロードを受けなくても、自装置のログのみでローカルに設定データの更新を行うことができる。また、このローカル処理は1台のカラオケ装置毎に行ってもよく、複数台のカラオケ装置がLANなどのネットワークで接続されたカラオケボックスなどのネットワークで一括して行ってもよい。また、このローカルのメンテナンスと配信センタ9からのダウンロードで行うオンラインのメンテナンスとを併用してもよい。
【0037】
また、上記アンプ設定データは直接ミキシングアンプ2のレジスタ39に設定しているが、この場合レジスタはフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリにしておけばよい。また、アンプ設定データをハードディスク13に記憶しておき、装置の電源オン時にレジスタ39に書き込むようにするようにしてもよい。この場合において、ハードディスク13に複数種類のアンプ設定データを記憶しておき、場面に応じて設定を変更するようにしてもよい。たとえば、時間帯によって客層が変わる店舗であれば客層に合わせて複数種類のアンプ設定データを記憶しておき、その客層に合ったデータを設定するようにすればよい。
【0038】
また、調整データのログにその調整されたカラオケ曲の曲番号を対応して記録しておくようにしてもよい。これにより、各曲毎にどのような設定が好まれているかを知ることができ、曲毎の設定変更や今後の楽曲データ作成時の参考にすることができる。
【0039】
なお、上記実施形態では、調整操作子をアナログのボリューム31で構成し、これをディジタル変換した値を制御に用いているが、ボリューム31の端子から取り出される電位をそのまま用いるアナログ回路で構成してもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、ボリューム31の操作データにアンプ設定データをバイアス値として加算しているが、アンプ設定データでボリューム31を直接操作し、操作データそのものを変更するようにしてもよい。すなわち、ボリュームそのものをパルスモータなどで回転させて設定を変更してもよい。
【0041】
また、アナログのボリューム31は回転式のものであってもスライド式のものであってもよい。さらに、調整操作子を、操作量をパルス数などで検出できるエンコーダで構成してもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、ボリューム31で調整でき、アンプ設定データでそのイニシャル設定値を変更するものを歌唱ゲイン、演奏ゲイン、歌唱エコーレベル、演奏エコーレベル、マスタゲインとしているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、イコライザアンプなどの音質調整などに適用することができる。また、利用者に調整操作を開放していないが配信センタ9からオンラインで設定できる内容はエコー音質のみに限定されるものではない。
【0043】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、補正データをセンタからダウンロードし、調整操作子の調整データをこの補正データで補正してカラオケ演奏音信号や歌唱音声信号を調整するため、カラオケ装置の設置場所に合わせた補正データをダウンロードすることにより、係員が手作業でカラオケ装置の設置場所に合わせた調整をする必要がなくなり、カラオケ装置設置時の作業を軽減することができるとともに、定期的なメンテナンスもオンラインで容易に行うことができるようになる。
【0044】
請求項2の発明によれば、各カラオケ装置で調整操作子の調整データをログとして記録し、これをセンタに送信するようにしたことにより、センタにおいて各カラオケ装置の調整操作子の調整状態を容易に把握することができ、以後の補正データの割り出しの精度を向上することができる。
【0045】
請求項3の発明によれば、調整操作子の調整データをログとして記録し、これに基づいて新たな調整データを割り出して再設定するようにしたことにより、利用者の好みの変化に追従することができるとともに、最初の調整データにずれがあった場合でもこれを自動的に的確に変更することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態であるカラオケ装置のブロック図
【図2】同カラオケ装置のプリアンプ部の構成を示すブロック図
【図3】同カラオケ装置をメンテナンスする配信センタに設定される稼働カラオケ装置登録リストおよびアンプ設定データテーブルの構成を示す図
【図4】同カラオケ装置の動作を示すフローチャート
【図5】同カラオケ装置がローカルにアンプ設定データのメンテナンスを行う場合の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
2…ミキシングアンプ、9…配信センタ、13…ハードディスク、
31…ボリューム、39…レジスタ、33〜37…加算器、
40,42,45…アンプ、41,43…エコー回路
Claims (2)
- カラオケ演奏音信号または歌唱音声信号を調整するための調整データを発生する調整操作子と、
センタと通信し、前記カラオケ演奏音信号または歌唱音声信号の調整量を補正する複数の補正データのうち、カラオケ装置の設置場所に対応する補正データを受信する通信手段と、
前記調整データを前記補正データで補正したデータを用いて前記カラオケ演奏音信号または歌唱音声信号を調整する調整手段と、
前記調整操作子が発生する調整データを蓄積記録するログ記録手段と、
該ログ記録手段が記録した内容を前記センタに送信するログ送信手段と、
を備えたことを特徴とするカラオケ装置。 - カラオケ演奏音信号または歌唱音声信号を調整するための調整データを発生する調整操作子と、
前記カラオケ演奏音信号または歌唱音声信号の調整量を補正する補正データを記憶する補正データ記憶手段と、
前記調整データを前記補正データで補正したデータを用いて前記カラオケ演奏音信号または歌唱音声信号を調整する調整手段と、
前記調整操作子が発生する調整データを蓄積記録するログ記録手段と、
該ログ記録手段の記録内容に基づいて前記補正データを割り出し、前記補正データ記憶手段の記憶内容を更新する補正データ更新手段と、
を備えたことを特徴とするカラオケ装置。
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