JP3775097B2 - 楽音発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)等の通信機能により楽音制御情報及び演奏情報を入力して楽音信号を発生する楽音発生装置に関し、特に操作子操作に基づいて楽音制御情報を修正して楽音信号の楽音特性を制御すると共に修正済みの楽音制御情報以外の楽音制御情報及び演奏情報を送信又は記憶することによりユーザ毎に好みの楽音制御態様を簡単に設定可能としたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、MIDI等の通信機能及び記憶媒体からの情報読取機能を有する電子楽器としては、通信機能を用いて受信したMIDI情報(楽音制御情報及び演奏情報)に基づいて楽音信号を発生することにより楽曲の自動演奏を行なったり、情報読取機能を用いて読取った楽音制御情報及び演奏情報に基づいて楽音信号を発生することにより楽曲の自動演奏を行なったりするものが知られている。
【0003】
この種の電子楽器において、鍵盤演奏に基づくマニアル演奏音発生の際には、図14に示すような音量制御処理が用いられる。すなわち、レジスタR11、R12、R13には、押鍵速度に対応するベロシティ値と、音色(例えばピアノ音色)に関連した音量制御値と、操作子(例えばボリュームスイッチ、イクスプレッションペダル等)操作に基づく音量制御値とをそれぞれ格納する。そして、レジスタR11、R12、R13の格納値を乗算手段MP1により乗算し、乗算結果として得られた値を音量変換テーブルVTB1により音源装置TSの制御に適した音量制御情報に変換する。音源装置TSでは、所定の楽音発生チャンネルから楽音信号を発生する際に該楽音信号の音量特性をテーブルVTB1からの音量制御情報に応じて制御する。従って、マニアル演奏音の音量は、押鍵の際のベロシティ値と、音色に基づく音量制御値と、操作子操作に基づく音量制御値とに応じて決定される。
【0004】
また、読取再生音(読取情報に基づく自動演奏音)発生の際には、図14のものに類似した音量制御処理が例えば16トラックのうちの各トラック毎に用いられる。この場合、レジスタR14には、パネルに設けられたトラックボリュームの操作に基づく設定値が格納される。この格納値は、演奏情報中から音量制御データが読出されるたびに該音量制御データに応じて書換えられると共にトラックボリュームの再操作に応じて書換えられる。従って、読取再生音の音量は、演奏情報中から読出したベロシティ値及び音量制御値と、演奏情報中から読出した音色情報に基づく音量制御値と、ボリュームスイッチ等の操作子設定に係る音量制御値と、トラックボリューム設定に係る音量制御値とに応じて決定される。
【0005】
一方、MIDI演奏音(MIDI情報に基づく自動演奏音)発生の際には、図15に示すような音量制御処理が例えば16個のMIDIチャンネルのうちの各MIDIチャンネル毎に用いられる。すなわち、レジスタR21、R22、R23には、MIDI規格に従って定められたベロシティ値と、MIDI規格に従って定められた音量制御値(例えばボリューム値と、イクスプレッション値等)と、MIDI音色に関連した音量制御値とをそれぞれ格納する。そして、レジスタR21、R22、R23の格納値を乗算手段MP2により乗算し、乗算結果として得られた値を音量変換テーブルVTB2により音源装置TSの制御に適した音量制御情報に変換する。音源装置TSでは、所定の楽音発生チャンネルから楽音信号を発生する際に該楽音信号の音量特性をテーブルVTBからの音量制御情報に応じて制御する。従って、MIDI演奏音の音量は、MIDI受信されたベロシティ値及び音量制御値と、MIDI受信された音色情報に基づく音量制御値とに応じて決定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図15に示した音量制御処理を用いてMIDI演奏音を発生する場合は、マニアル演奏音発生の場合や読取再生音発生の場合とは異なり、ユーザが操作子の操作に応じてMIDI演奏音の音量を任意に変更制御することができない。換言すれば、MIDI演奏音発生の場合には、MIDI情報に忠実に対応することが望まれており、ユーザが好みの楽音制御態様を設定できないという問題点がある。
【0007】
近年、電子楽器は、鍵盤操作に基づいてマニアル演奏音を発生するのみならず、これに並行してMIDI演奏音や読取再生音を発生可能になっており、異なる発音オーナー間にあっては、音量バランス、音像定位バランス、音色の明るさのバランス等をとりたい要望がある。しかし、上記のようにMIDI情報についてはユーザが楽音制御態様を設定できないので、上記のような要望に応えることができない。
【0008】
1つの方策として、送信側で音量バランス等に応じた音量制御情報を入力できる構成にすることが考えられる。しかしながら、このようにしても、演奏中に送信側の都合で音量制御情報を変更されたのでは受信側のユーザが不満足となるのを免れない。
【0009】
ユーザが好みのMIDI音量を設定可能にするには、公知のMIDIエフェクタを用いることが考えられる。図16には、MIDIエフェクタを用いる音量制御処理を示す。MIDIインターフェースMFを介して受信されたMIDI情報MSは、MIDIエフェクタEFに供給される。エフェクタEFには、パネル操作子PNの操作に基づいて音量修正情報VSが供給される。エフェクタEFは、MIDI情報中の音量制御情報を音量修正情報VSに応じて修正して音源装置TS、他のMIDI機器MD、外部記憶装置MN等に供給する。
【0010】
音源装置TSでは、修正済みの音量制御情報に応じて楽音信号の音量特性が制御される。MIDI機器MDでも、修正済みの音量制御情報に応じて楽音信号の音量特性が制御される。外部記憶装置MNでは、修正前の音量制御情報の代りに修正済みの音量制御情報を含むMIDI情報が記憶媒体に記憶され、記憶媒体からMIDI情報を読取って自動演奏を行なう際には、修正済みの音量制御情報に応じて楽音信号の音量特性が制御される。
【0011】
図16に関して上記した音量制御処理によれば、パネル操作子の操作に基づいてMIDI演奏音の音量を適宜変更制御することができる。しかしながら、MIDI機器MDや外部記憶装置MNに修正済みの音量制御情報を含むMIDI情報が供給されるので、MIDI機器MD又は外部記憶装置MNのユーザとしては、修正済みの音量制御情報を考慮して音量設定を行なう必要があり、好みの設定を行なうのが容易でない。
【0012】
また、MIDIエフェクタによる音量制御は、MIDI規格に従うため、0〜127の範囲(128段階)でしか音量レベルを設定できない。音源装置としては、128レベルより多くのレベルで音量設定が可能なものが存在するから、この種の音源装置では、MIDIの音量レベル分解能が低すぎて音量制御機能を十分に発揮できないことがある。
【0013】
図14の音量制御処理を用いて読取再生音を発生する場合には、操作子の操作に応じて読取再生音の音量を変更制御可能であるが、MIDI機器には、演奏情報及び修正済みの音量制御情報が送信される。従って、MIDI機器のユーザとしては、修正済みの音量制御情報を考慮して音量設定を行なう必要があり、好みの設定を行なうのが容易でない。
【0014】
この発明の目的は、ユーザ毎に好みの楽音制御態様を簡単に設定することができる新規な楽音発生装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る楽音発生装置は、
情報通信手段を用いて楽音制御情報及び演奏情報を入力する入力手段であって、前記楽音制御情報としては、予め定められた第1の多段階の制御値のうちいずれかの制御値を指示する情報を入力するものと、
前記演奏情報に基づいて演奏をなすべく楽音信号を発生する楽音発生手段であって、該楽音信号の楽音特性を制御するための楽音特性制御値としては、前記第1の多段階の制御値より段階数が多い第2の多段階の制御値のうちいずれかの制御値が使用されるものと、
楽音制御用の操作子と、
前記楽音制御情報の指示する制御値に対する相対的な変更量を前記操作子の操作に基づいて設定し、設定に係る相対的な変更量を指示する修正情報を送出する設定手段と、
前記第2の多段階の制御値のうち、前記楽音制御情報の指示する制御値と前記修正情報の指示する相対的な変更量とに対応する制御値を前記楽音特性制御値として決定し、決定に係る制御値を指示する修正楽音制御情報に応じて前記楽音信号の楽音特性を制御する制御手段と、
前記修正楽音制御情報以外の前記楽音制御情報及び前記演奏情報を出力端子に供給する供給手段と
を備えたものである。
【0016】
この発明の楽音発生装置によれば、入力手段からは、予め定められた第1の多段階の制御値のうちいずれかの制御値を指示する楽音制御情報が入力される。楽音発生手段は、演奏情報に基づいて演奏をなすべく楽音信号を発生するもので、該楽音信号の楽音特性を制御するための楽音特性制御値としては、第1の多段階の制御値より段階数が多い第2の多段階の制御値のうちいずれかの制御値が使用される。楽音制御用の操作子を操作すると、設定手段では、楽音制御情報の指示する制御値に対する相対的な変更量が操作子の操作に基づいて設定され、設定に係る相対的な変更量を指示する修正情報が設定手段から送出される。制御手段は、第2の多段階の制御値のうち、楽音制御情報の指示する制御値と修正情報の指示する相対的な変更量とに対応する制御値を楽音特性制御値として決定し、決定に係る制御値を指示する修正楽音制御情報に応じて楽音信号の楽音特性を制御する。従って、ユーザは、操作子の操作に基づいて簡単に好みの楽音制御態様を設定することができる。楽音制御態様を設定する際には、第1の多段階の制御値より段階数が多い第2の多段階の制御値のうち、楽音制御情報の指示する制御値と修正情報の指示する相対的な変更量とに対応する制御値を用いて楽音信号の楽音特性を制御するようにしたので、MIDIの分解能に制約されず、音源装置の高い分解能に適合するように設定を行なうことができる。
【0017】
供給手段は、入力手段から入力される楽音制御情報及び演奏情報を出力端子に供給するが、修正楽音制御情報を出力端子に供給しない。従って、出力端子につながる他機のユーザとしては、修正楽音制御情報を考慮することなく簡単に好みの楽音制御態様を設定することができる。
【0018】
この発明の楽音発生装置においては、修正楽音制御情報以外の楽音制御情報及び演奏情報を記憶する記憶手段を供給手段の代りに設けてもよい。このようにすると、記憶手段の記憶情報に基づいて自動演奏を楽しむユーザとしては、修正楽音制御情報を考慮することなく簡単に好みの楽音制御態様を設定することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施形態に係る電子楽器の回路構成を示すものである。この電子楽器は、パーソナルコンピュータ等の小型コンピュータによってマニアル演奏音発生、読取再生音発生、MIDI演奏音発生等の各種の楽音発生が制御されるようになっている。
【0020】
バス10には、CPU(中央処理装置)12、ROM(リード・オンリィ・メモり)14、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)16、検出回路18,20、表示回路22、音源装置24、外部記憶装置26、MIDIインターフェース28、通信インターフェース30、タイマ32等が接続されている。
【0021】
CPU12は、ROM14にストアされたプログラムに従って各種の楽音発生のための各種処理を実行するもので、これらの処理については図6〜13を参照して後述する。ROM14には、上記したプログラムの他に、図4に示すようなテーブル類が記憶されているが、このテーブル類については後述する。
【0022】
RAM16は、CPU12による各種処理に際してフラグ、レジスタ等として使用される多数の記憶領域を含むもので、これらの記憶領域については後述する。
【0023】
検出回路18は、鍵盤34から鍵操作情報を検出するものである。鍵操作情報としては、鍵が押されるたびに押鍵ありを示すキーオンイベント情報と、押された鍵に対応するノートナンバと、押された鍵のベロシティ値とが検出され、鍵が離されるたび離鍵ありを示すキーオフイベント情報と、離された鍵に対応するノートナンバとが検出される。鍵盤34は、図2に示すように楽器本体48の上面に設けられている。
【0024】
検出回路20は、操作子群36から各種操作子の操作情報を検出するものである。操作子群36は、この発明の実施に関係する操作子として、図2に示すようなパネル操作子群36A及びテンキー36Bを含んでいる。これらの操作子の詳細については後述する。
【0025】
表示回路22は、表示器38の表示動作を制御することにより各種の表示を可能にするものである。表示器38は、図2に示すように楽器本体48のパネル面に設けられている。
【0026】
音源装置24は、例えば64個の楽音発生チャンネルを有するものである。これらの楽器発生チャンネルで発生される楽音信号は右及び左のオーディオ出力端子24R及び24Lに適宜振り分けられて出力される。出力端子24R,24Lは、図3に示すように楽器本体48の背面に設けられている。出力端子24R及び24Lには、それぞれ右及び左のサウンドシステム40R及び40Lが接続される。サウンドシステム40R,40Lは、出力端子24R,24Lから供給される楽音信号をそれぞれ音響に変換する。
【0027】
音源装置24において、楽音発生方式としては、波形メモリ方式、FM方式、物理モデル方式、高調波合成方式、フォルマント合成方式、VCO,VCF,VCA等を用いるアナログシンセサイザ方式等の任意のものを採用することができる。また、音源装置24としては、専用のハードウェアを用いるものに限らず、DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)とマイクロプログラムを組合せたもの、CPUとソフトウェアを組合せたものであってもよい。さらに、複数の楽音発生チャンネルは、対応する複数の回路で構成してもよく、あるいは1つの回路を時分割的に使用することによって形成してもよい。
【0028】
外部記憶装置26は、HD(ハードディスク)、FD(フロッピーディスク)、CD(コンパクトディスク)、DVD(ディジタル多目的ディスク)、MO(光磁気ディスク)等のうち1又は複数種類の記憶媒体を着脱可能なものである。外部記憶装置26に所望の記憶媒体を装着した状態では、記憶媒体からRAM16へデータを転送可能である。また、装着した記憶媒体がHDやFDのように書込可能なものであれば、RAM16のデータを記憶媒体に転送可能である。この実施形態では、多数の楽曲の演奏データを記憶した記憶媒体から所望の楽曲の演奏データを選択して読出して自動演奏を行なうことができる。
【0029】
MIDIインターフェース28は、自動演奏装置等の他のMIDI機器42との間で楽音制御情報、演奏情報等の情報通信を行なうために設けられたもので、図3に示すように楽器本体48の背面に設けられたMIDI入力端子28A、MIDI出力端子28B及びMIDIスルー端子28Cを有する。スルー端子28Cは、入力端子28Aと電気的に接続されている。なお、楽器本体48の背面には、電源スイッチPSが設けられている。
【0030】
通信インターフェース30は、通信ネットワーク44(例えばLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、インターネット、電話回線等)を介してサーバコンピュータ46と情報通信を行なうために設けられたものである。この発明の実施に必要なプログラムや各種データは、サーバコンピュータ46から通信ネットワーク44及び通信インターフェース30を介してRAM16または外部記憶装置26へダウンロード要求に応じて取込むようにしてもよい。
【0031】
プログラム記憶手段としては、ROM14の代りに外部記憶装置26の記憶媒体(前述のHD,FD,CD,DVD,MO等)を用いることができる。この場合、記憶媒体に記憶したプログラムは、外部記憶装置26からRAM16へ転送する。そして、RAM16に記憶したプログラムに従ってCPU12を動作させる。このようにすると、プログラムの追加やバージョンアップ等を容易に行なうことができる。
【0032】
タイマ32は、与えられるテンポデータに対応する周期でテンポクロック信号TCLを発生するもので、テンポクロック信号TCLは、割込命令としてCPU12に供給される。テンポクロック信号TCLとしては、例えば4分音符長に相当する時間内に96個のクロックパルスが発生され、各クロックパルスの発生のたびに図13の割込処理が開始される。この割込処理により記憶情報に基づく自動演奏音発生が可能となる。
【0033】
図2は、電子楽器のパネル面における操作子配置を示すものである。楽器本体48のパネル面において表示器38の左側にはパネル操作子群36Aが設けられると共に表示器38の右側にはテンキー36Bが設けられている。
【0034】
パネル操作子群36Aは、受信スイッチS、送信スイッチS、記憶スイッチS、再生スイッチS、スタート/ストップスイッチS、MIDI音量操作子VL、MIDIピッチ操作子PT、ソング音量操作子SV、MIDI音階選択スイッチTS〜TS等が設けられている。
【0035】
スイッチS,S,S,Sは、それぞれ受信モード、送信モード、記憶モード、再生モードを設定するためのものである。スイッチSは、再生モードが設定された状態において演奏再生(記憶情報に基づく自動演奏)のスタート又はストップを指示するためのものである。操作子VL及びPTは、それぞれMIDI演奏音の音量及びピッチを変更制御するためのものである。この実施形態では、操作子VL又はPTの操作に基づく音量又はピッチの制御効果は、例えば16個のMIDIチャンネルのすべてに及ぶようになっている。操作子SVは、演奏再生に用いられる例えば16トラックのうちの1つに対応したもので、対応するトラックの再生音の音量を変更制御するのに用いられる。スイッチTS,TS,TSは、それぞれ平均律音階、純正調音階、ミーントーン音階を選択するためのものである。
【0036】
テンキー36Bは、演奏再生の際に楽曲選択等の操作を行なうために用いられる。また、操作子VL,PTの代りにテンキー36Bを用いるようにしてもよい。
【0037】
図4は、ROM14に記憶されるテーブル類を示すものである。このテーブル類には、音量変換テーブルVTBL、ピッチ変換テーブルPTBL、チューニングテーブルTB〜TB等が含まれる。
【0038】
音量変換テーブルVTBLは、入力値VMP1,VMP2…を出力値VOL1,VOL2…にそれぞれ変換するものである。VMP1等の各入力値としては、図5のレジスタVMPRの格納値が供給される。VOL1等の各出力値は、音源装置24の制御に用いられる。ピッチ変換テーブルPTBLは、入力値PMP1,PMP2…を出力値PIT1,PIT2…にそれぞれ変換するものである。PMP1等の各入力値としては、図5のレジスタPMPRの格納値が供給される。PIT1等の各出力値は、音源装置24の制御に用いられる。
【0039】
チューニングテーブルTB,TB2,TBは、それぞれ平均律音階、純正調音階、ミーントーン音階に対応するもので、各テーブル毎に対応する音階に従って各ノートナンバ対応の楽音をチューニングするためのピッチ制御値が記憶されている。各ノートナンバは、MIDI規格に従って定められる。
【0040】
図5は、RAM16に設けられるレジスタ類を示すものである。このレジスタ類には、音量関係のレジスタVR〜VR,VMPR、ピッチ関係のレジスタPR〜PR,PMPR等が含まれる。
【0041】
レジスタVR,VR2,VR3,VRには、MIDI規格に従って定められたベロシティ値と、MIDI規格に従って定められた音量制御値(例えばボリューム値、イクスプレッション値等)と、MIDI音色に関連した音量制御値と、操作子VLで設定された音量制御値とがそれぞれ格納される。操作子VLで設定される音量制御値は、レジスタVR〜VR3の格納値に基づいて決定される音量に対する相対的な変更量(例えば何dB上げる又は下げる)に相当するものであり、音源装置24の分解能に合わせて設定可能である。レジスタVMPRには、レジスタVR〜VRの格納値を乗算した結果としての値が格納される。
【0042】
レジスタPR,PR,PR,PR,PRには、MIDI規格に従って定められたノートナンバ(ピッチデータ)と、MIDI規格に従って定められたピッチ制御値(例えばピッチベンド値、コースチューン値、ファインチューン値等)と、MIDI音色に関連したピッチ制御値と、操作子PTで設定されたピッチ制御値と、チューニング用ピッチ制御値とがそれぞれ格納される。操作子PTで設定されるピッチ制御値は、レジスタPR〜PR,PRの格納値に基づいて決定されるピッチに対する相対的な変更量(例えば何Hz又は何セント上げる又は下げる)に相当するものであり、音源装置24の分解能に合わせて設定可能である。レジスタPMPRには、レジスタPR〜PRの格納値を乗算した結果としての値が格納される。
【0043】
RAM16には、図5に示したレジスタの他に、図1に示すように受信フラグRCV、送信フラグTRN、記憶フラグREC、再生フラグPLY、ランフラグRUN、レジスタMR,TR等が設けられている。フラグRCV,TRN,REC,PLYは、それぞれ1で受信モード、送信モード、記憶モード、再生モードであることを表わし、それぞれ0でこれらのモードでないことを表わす。フラグRUNは、1で演奏再生中であることを表わし、0で演奏再生中でないことを表わす。
【0044】
レジスタMRは、外部記憶装置26から選択して読出した楽曲演奏データを格納するものである。レジスタTRは、ROM14から選択して読出したチューニングテーブルを格納するものである。
【0045】
図6は、メイン処理の流れを示すもので、この処理は、電源スイッチPSのオンに応じて開始される。ステップ50では、初期設定処理を行なう。すなわち、フラグRCV,TRN,REC,PLY,RUNにはいずれも0をセットし、各種レジスタには初期値をセットする。図5のレジスタVR,PRには、それぞれ操作子VL,PTの操作位置に対応した制御値をセットする。
【0046】
次に、ステップ52では、図7を参照して後述するようにフラグ処理を行なう。そして、ステップ54では、図8を参照して後述するように変更操作処理を行なう。
【0047】
次に、ステップ56では、図9を参照して後述するように鍵盤処理を行なう。そして、ステップ58では、図10を参照して後述するようにMIDI処理を行なう。
【0048】
次にステップ60では、図12を参照して後述するように再生関連処理を行なう。そして、ステップ62では、その他の処理(例えば演奏データ編集処理等)を行なう。
【0049】
この後、ステップ64では、メイン処理の終了を指示する操作(例えば電源スイッチPSのオフ)ありか判定する。この判定の結果が否定的(N)であればステップ52に戻り、ステップ52以降の処理を繰返す。ステップ64の判定結果が肯定的(Y)になると、メイン処理を終了する。
【0050】
図7は、フラグ処理の流れを示すもので、ステップ70では、受信スイッチSの操作ありか判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ72に移り、受信フラグRCVの内容を反転(1ならば0に、0ならば1に)する。
【0051】
ステップ70の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ72の処理が終ったときはステップ74に移り、送信スイッチSの操作ありか判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ76に移り、送信フラグTRNの内容を反転する。
【0052】
ステップ74の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ76の処理が終ったときはステップ78に移り、記憶スイッチS3の操作ありか判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ80に移り、記憶フラグRECの内容を反転する。
【0053】
ステップ78の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ80の処理が終ったときはステップ82に移り、再生スイッチS4の操作ありか判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ84に移り、再生フラグPLYの内容を反転する。
【0054】
ステップ82の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ84の処理が終ったときはステップ86に移り、スタート/ストップスイッチS5の操作ありか判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ88に移り、ランフラグRUNの内容を反転する。ステップ86の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ86の処理が終ったときはフラグ処理を終了する。
【0055】
図8は、変更操作処理の流れを示すもので、ステップ90では、操作子VLによる音量制御値の変更操作ありか判定する。この判定の結果が(Y)であればステップ92に移り、変更操作に基づく音量制御値をレジスタVRに格納する。
【0056】
ステップ90の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ92の処理が終ったときはステップ94に移り、操作子PTによるピッチ制御値の変更操作ありか判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ96に移り、変更操作に基づくピッチ制御値をレジスタPRに格納する。
【0057】
ステップ94の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ96の処理が終ったときはステップ98に移り、スイッチTS〜TSのいずれかによる音階選択操作ありか判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ100に移り、音階選択操作で選択された音階に対応するチューニングテーブルをROM14から選択し、レジスタTRに読出す。ステップ98の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ100の処理が終ったときは変更操作処理を終了する。
【0058】
図8の処理によれば、ユーザは、操作子VLの操作により所望の音量制御値をレジスタVRにセットすることができる。また、図2のスイッチTS〜TSのいずれかの操作により所望の音階を選択した後、操作子PTの操作により所望のピッチ制御値をレジスタPRにセットすることができる。
【0059】
図9は、鍵盤処理の流れを示すもので、ステップ110では、鍵盤34においてキーイベントありか判定する。検出回路18でキーオンイベント情報又はキーオフイベント情報が検出されたときはステップ110の判定結果が肯定的(Y)となり、ステップ112でキーオンイベントか判定する。
【0060】
ステップ112の判定結果が肯定的(Y)であればステップ114に移り、発音処理を行なう。発音処理では、音源装置24において空きの楽音発生チャンネルの1つを発音チャンネルとして決定し、この発音チャンネルに対して押された鍵に対応するノートナンバと、押された鍵のベロシティ値に対応する音量制御情報と、発音命令信号とを供給する。音量制御情報は、図14に関して前述したと同様にして作成することができる。音源装置24からは、押された鍵に対応した音高を有する楽音信号が発生され、この楽音信号の音量は、押された鍵のベロシティ値、音色関連の音量制御値、操作子設定の音量制御値等に応じて決定される。
【0061】
ステップ112の判定結果が否定的(N)であったときはキーオフイベントであったことになり、ステップ116で消音処理を行なう。消音処理では、離された鍵に対応するノートナンバと、消音命令信号とを音源装置24に供給し、離鍵に係る楽音信号の減衰を開始させる。
【0062】
ステップ110の判定結果が否定的(N)であったとき、あるいはステップ114又は116の処理が終ったときはステップ118に移り、送信フラグTRNの値が1か(送信モードか)判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ120に移り、送信処理を行なう。送信処理では、鍵操作情報に基づいて作成したMIDI情報をMIDIインターフェース28に供給する。MIDI情報としては、図示しない処理により音量、音色、効果等の楽音制御情報も送信される。
【0063】
ステップ118の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ120の処理が終ったときはステップ122に移り、記憶フラグRECの値が1か(記憶モードか)判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ124に移り、記憶処理を行なう。記憶処理では、鍵操作情報に基づいて作成された演奏情報をRAM16内の所定の記憶領域に記憶する。演奏情報に関連して、図示しない処理により音量、音色、効果等の楽音制御情報も記憶される。1曲分の演奏が終ると、1曲分の演奏情報及び楽音制御情報をRAM16から外部記憶装置26に転送することができる。ステップ122の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ124の処理が終ったときは鍵盤処理を終了する。
【0064】
図9の処理によれば、ユーザは、マニアル演奏音を発生することができると共に、マニアル演奏に基づく演奏情報及び楽音制御情報をMIDI送信したり、記憶媒体に記憶したりすることができる。
【0065】
図10は、MIDI処理の流れを示すもので、ステップ130では、受信フラグRCVの値が1か(受信モードか)判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ132で受信処理を行なう。受信処理では、MIDIインターフェース28を介して送られてくるMIDIデータをRAM16内の所定領域に取込む。そして、ステップ134では、受信データかキーイベントデータか判定する。
【0066】
ステップ134の判定結果が肯定的(Y)であればステップ138に移り、図11について後述するように発音処理を行なう。ステップ134の判定結果が否定的(N)であればステップ140で消音処理を行なう。消音処理では、キーオフイベントに係る楽音信号の減衰を開始させる。
【0067】
ステップ134の判定結果が否定的(N)であったときは、受信データがキーイベントデータ以外の例えば楽音制御データであったことになり、ステップ142で受信データに応じた処理を行なう。例えば、受信データがMIDI音量制御データであれば図5のレジスタVRに格納し、MIDIピッチ制御データであれば図5のレジスタPRに格納する。また、受信データがMIDI音色制御データであれば該音色制御データ中の音色データを音色レジスタ(図示せず)に格納すると共に、該音色制御データ中の音量制御値及びピッチ制御値をそれぞれ図5のレジスタVR及びPRに格納する。
【0068】
ステップ138、140又は142の処理が終ったときはステップ144に移り、送信モード(TRN=1)か判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ146で送信処理を行なう。送信処理では、受信データをMIDI出力端子28Bに供給する。
【0069】
ステップ144の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ146の処理が終ったときはステップ148に移り、記憶モード(REC=1)か判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ150で記憶処理を行なう。記憶処理では、受信データをRAM16内の所定領域に記憶する。1曲分のMIDIデータの記憶が終ると、1曲分のMIDIデータをRAM16から外部記憶装置26に転送することができる。
【0070】
ステップ148の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ150の処理が終ったときはMIDI処理を終了する。なお、ステップ130の判定結果が否定的(N)であったとき(受信モードでなかったとき)は、ステップ132以降の処理を行なわずにMIDI処理を終了する。
【0071】
図11は、発音処理の流れを示すもので、ステップ152では、キーオンイベントデータ中のベロシティ値及びノートナンバを図5のレジスタVR及びPRにそれぞれ格納する。そして、ステップ154では、レジスタPRのノートナンバに対応するチューニング用ピッチ制御値を図1のレジスタTRから抽出して図5のレジスタPRに格納する。
【0072】
次に、ステップ156では、レジスタPR〜PRの格納値を乗算し、乗算結果としての値を図5のレジスタPMPRに格納する。そして、ステップ158では、図5のレジスタVR〜VR4の格納値を乗算し、乗算結果としての値を図5のレジスタVMPRに格納する。
【0073】
次に、ステップ160では、音源装置24において空きの楽音発生チャンネルの1つを発音するチャンネルとして決定する。そして、ステップ162では、図4のピッチ変換テーブルPTBLにてレジスタPMPRの格納値に対応する出力値を求めて決定に係る発音チャンネルに供給すると共に、図4の音量変換テーブルVTBLにてレジスタVMPRの値に対応する出力値を求めて決定に係る発音チャンネルに供給し、決定に係る発音チャンネルには発音命令信号も供給する。この結果、決定に係る発音チャンネルからは、レジスタPMPRの格納値(テーブルPTBLの出力値)に対応した音高を有する楽音信号がレジスタVMPRの格納値(テーブルVTBLの出力値)に対応した音量で発生される。ステップ162の後は、発音処理を終了する。
【0074】
図10,11の処理は、例えば16個のMIDIチャンネルのうちの各MIDIチャンネル毎に行なわれる。従って、レジスタPMPR又はVMPRの格納値に基づくピッチ又は音量の制御効果はすべてのMIDIチャンネルに及ぶ。ユーザは、どのMIDIチャンネルに演奏情報が入力されているのかわからない場合が多いが、全チャンネルに制御効果を及ぼすことでチャンネル間のバランスを維持したままチャンネルを意識することなく操作子VL又はPTを操作することができる。なお、レジスタPMPR又はVMPRの格納値は、全チャンネルに同じ値を供給するのではなく、チャンネル毎に異なる係数を乗算するなどして異なる値を供給することにより16個のMIDIチャンネルに音量カーブ又はピッチカーブを持たせるようにしてもよい。
【0075】
図10,11の処理によれば、ユーザは、MIDI受信した演奏情報及び楽音制御情報に基づいてMIDI演奏音を発生することができ、しかも操作子VL又はPTの操作によりMIDI演奏音の音量又はピッチを変更制御することができる。また、MIDI情報をMIDI出力端子28Bを介して送信したり、記憶媒体に記憶したりすることもできる。この場合、操作子VL又はPTの操作に基づいて修正された楽音制御情報は、送信又は記憶されないので、出力端子28Bから受信するユーザ又は記憶媒体の記憶情報を利用するユーザとしては、修正楽音制御情報に煩わされずに簡単に楽音制御態様を設定することができる。
【0076】
図12は、再生関連処理の流れを示すもので、ステップ170では、フラグPLYの値が1か(再生モードか)判定する。この判定結果が肯定的(Y)であればステップ172に移り、楽曲選択操作ありか判定する。一例として、楽曲選択操作は、外部記憶装置26に記憶した複数の楽曲演奏データのリストを表示器38の画面に表示した状態でテンキー36Bにより楽曲番号を指示することにより行なうことができる。ステップ172の判定結果が肯定的(Y)であったときはステップ174に移り、選択楽曲の楽曲演奏データを外部記憶装置26から図1のレジスタMRに読出す。
【0077】
ステップ172の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ174の処理が終ったときはステップ176に移り、フラグRUNの値が0から1に変化したか判定する。この判定結果が肯定的(Y)であればステップ178に移り、レジスタMR内の先頭位置に読出位置をセットする。
【0078】
ステップ176の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ178の処理が終ったときはステップ180に移り、フラグRUNの値が1から0に変化したか判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ182に移り、発音中の再生音をすべて消去し、フラグRUNに0をセットする。この結果、演奏再生はストップ状態となる。ステップ170又は180の判定結果が否定的(N)であったとき、あるいはステップ182の処理が終ったときは再生関連処理を終了する。
【0079】
図13は、割込処理の流れを示すもので、ステップ190では、フラグRUNの値が1か(演奏再生中か)判定する。この判定結果が肯定的(Y)であればステップ192に移り、タイミングデータとペアになっているイベントデータを読出すべきタイミングか判定する。この判定は、イベントデータとペアになっているタイミングデータと、テンポクロック信号TCLを計数するカウンタ(図示せず)の計数値とを比較し、両者が一致すれば肯定的(Y)となり、一致しなければ否定的(N)となる。
【0080】
ステップ192の判定結果が肯定的(Y)であればステップ194に移り、ステップ192での判定に係るタイミングデータとペアになっているイベントデータをレジスタMRから読出す。そして、ステップ196では、読出データがキーイベントデータか判定する。
【0081】
ステップ196の判定結果が肯定的(Y)であればステップ198に移り、読出データがキーオンイベントデータか判定する。この判定結果が肯定的(Y)であればステップ200に移り、発音処理を行なう。発音処理では、音源装置24において空きの楽音発生チャンネルの1つを発音チャンネルとして決定し、この発音チャンネルに対してキーオンイベントデータ中のノートナンバと、キーオンイベントデータ中のベロシティ値に対応する音量制御情報と、発音命令信号とを供給する。音量制御情報は、図14及び読取再生音に関して前述したと同様にして作成することができる。音源装置24からは、ノートナンバに対応した音高を有する楽音信号が発生され、この楽音信号の音量は、キーオンイベントデータ中のベロシティ値、演奏データ中の音量制御値、演奏データ中の音色データに基づく音量制御値、操作子設定(例えば操作子SVによる設定)に係る音量制御値等に応じて決定される。
【0082】
ステップ198の判定結果が否定的(N)であったときは、キーオフイベントデータであったことになり、ステップ202で消音処理を行なう。消音処理では、キーオフイベントデータ中のノートナンバに対応する楽音信号の減衰を開始させる。
【0083】
ステップ196の判定結果が否定的(N)であったときは、読出データがキーイベントデータ以外の例えば楽音制御データであったことになり、ステップ204で読出データに応じた処理を行なう。例えば、読出データが音量制御データであれば図14のR14に対応するレジスタに格納する。また、読出データが音色制御データであれば該音色制御データ中の音色データを音色レジスタ(図示せず)に格納すると共に、該音色制御データ中の音量制御データ図14のR12に対応するレジスタに格納する。
【0084】
ステップ200、202又は204の処理が終ったときはステップ206に移り、送信モード(TRN=1)か判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ208で送信処理を行なう。送信処理では、読出データに基づいて作成したMIDIデータをMIDI出力端子28Bに供給する。
【0085】
ステップ206の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ208の処理が終ったときはステップ210に移り、記憶モード(REC=1)か判定する。この判定の結果が肯定的(Y)であればステップ212で記憶処理を行なう。記憶処理では、読出データをRAM16内の所定の記憶領域(レジスタMRとは別の記憶領域)に記憶する。1曲分の演奏データの記憶が終ると、1曲分の演奏データをRAM16から外部記憶装置26に転送することができる。このとき、外部記憶装置26では、レジスタMRの演奏データを記憶した記憶媒体(例えば第1のFD)とは別の記憶媒体(例えば第2のFD)に演奏データを記憶することができ、演奏データのコピー取りが可能になる。
【0086】
ステップ210の判定結果が否定的(N)であったとき又はステップ212の処理が終ったときは割込処理を終了し、図6のメイン処理に戻る。なお、ステップ190又は192の判定結果が否定的(N)であったとき(演奏再生中でないか又は読出すべきタイミングないとき)は、ステップ194以降の処理を行なわずに割込処理を終了する。
【0087】
図13の処理は、例えば16トラックのうちの各トラック毎に行なわれる。図2のSVのような操作子と、図14のR14に対応するレジスタとは、各トラック毎に設けられているので、各トラック毎に操作子操作に応じて再生音の音量を変更制御することができる。また、パネルのボリュームスイッチの操作により図14のR13に対応するレジスタの値を変更すると、トラック間の音量バランスを維持したまま再生音の音量を変更制御することができる。
【0088】
図13の処理によれば、ユーザは、記憶媒体から読取った演奏情報及び楽音制御情報に基づいて再生音を発生することができ、しかも操作子操作により再生音の音量を変更制御することができる。また、演奏情報及び楽音制御情報をMIDI送信したり、記憶媒体に記憶したりすることもできる。この場合、操作子操作に応じて修正された楽音制御情報は、送信又は記憶されないので、送信情報又は記憶情報を利用するユーザとしては、修正楽音制御情報に煩わされずに簡単に楽音制御態様を設定することができる。
【0089】
この発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の改変形態で実施可能なものである。例えば、次のような変更が可能である。
【0090】
(1) MIDI用の操作子としては、図2に示すようにMIDIブライトネス操作子BRTを設け、MIDI音量又はMIDIピッチに関して上記したと同様にして操作子BRTの操作に基づいてMIDI演奏音のブライトネス(音色の明るさ)を変更制御可能にしてもよい。また、同様にしてMIDI演奏音の音像定位等の他の楽音特性を操作子操作に応じて変更制御可能にしてもよい。
【0091】
(2) VL,PT,BRT等の操作子は、例えば16個のMIDIチャンネルのうち各チャンネル毎に設け、各チャンネル毎に操作子操作に応じてMIDI演奏音の楽音特性を変更制御するようにしてもよい。
【0092】
(3) MIDI用の操作子としては、MIDI専用の操作子を設ける例を示したが、他の操作子をMIDI用操作子と兼用にするようにしてもよい。例えば、図2に示したようなソング音量操作子SVをMIDI音量操作子VLと兼用にするようにしてもよい。操作子SVは、記憶情報に基づく自動演奏において例えば16トラックのうちの1つのトラックに対応するものであるから、操作子SVを操作子VLと兼用にすると、操作子SVの操作に応じて対応するトラックの音量が変更制御されると共に該トラックの音量変更に連動してMIDI演奏音の音量が変更制御される。この場合、操作子SVを例えば16個のMIDIチャンネルのうちの1つに対応させておき、操作子SVに対応するトラックの音量変更に連動して操作子SVに対応するMIDIチャンネルの音量を変更制御するようにしてもよい。
【0093】
(4) この発明は、MIDI通信に限らず、通信インターフェース30等の通信手段を用いる場合にも適用可能である。
【0094】
(5) この発明は、楽曲の自動演奏に限らず、コード、ベース、リズム等の自動演奏にも適用可能である。
【0095】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、情報通信手段を用いて楽音制御情報及び演奏情報を入力して演奏を行なう際に操作子操作に基づいて楽音制御情報を修正して楽音信号の楽音特性を制御すると共に修正済みに楽音信号制御情報以外の楽音制御情報及び演奏情報を送信又は記憶するようにしたので、ユーザ毎に好みの楽音制御態様を簡単に設定可能になる効果が得られる。また、楽音制御態様を設定する際には、第1の多段階の制御値より段階数が多い第2の多段階の制御値のうち、楽音制御情報の指示する制御値と修正情報の指示する相対的な変更量とに対応する制御値を用いて楽音信号の楽音特性を制御するようにしたので、音源装置の高い分解能に適合した設定が可能になる効果が得られる。
【0096】
また、マニアル演奏音や読取再生音の他にMIDI演奏音についても操作子操作に基づく楽音特性制御が可能になるので、異なる発音オーナー間で音量、ピッチ等の楽音特性のバランスをとるのが容易になる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態に係る電子楽器の回路構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の電子楽器のパネル面における操作子配置を示す配置図である。
【図3】 図1の電子楽器の背面における端子配置を示す配置図である。
【図4】 ROM14に記憶されるテーブル類を示す図である。
【図5】 RAM16内に設けられるレジスタ類を示す図である。
【図6】 メイン処理を示すフローチャートである。
【図7】 フラグ処理を示すフローチャートである。
【図8】 変更操作処理を示すフローチャートである。
【図9】 鍵盤処理を示すフローチャートである。
【図10】 MIDI処理を示すフローチャートである。
【図11】 発音処理を示すフローチャートである。
【図12】 再生関連処理を示すフローチャートである。
【図13】 割込処理を示すフローチャートである。
【図14】 マニアル演奏音発生の際に用いられる従来の音量制御処理を示すブロック図である。
【図15】 MIDI演奏音発生の際に用いられる従来の音量制御処理を示すブロック図である。
【図16】 MIDIエフェクタを用いる音量制御処理を示すブロック図である。
【符号の説明】
10:バス、12:CPU、14:ROM、16:RAM、18,20:検出回路、22:表示回路、24:音源装置、26:外部記憶装置、28:MIDIインターフェース、28A:MIDI入力端子、28B:MIDI出力端子、30:通信インターフェース、32:タイマ、34:鍵盤、36:操作子群、38:表示器、40R,40L:サウンドシステム、42:MIDI機器、44:通信ネットワーク、46:サーバコンピュータ、48:楽器本体、VL:MIDI音量操作子、PT:MIDIピッチ操作子、TS〜TS3:MIDI音階選択スイッチ。

Claims (2)

  1. 情報通信手段を用いて楽音制御情報及び演奏情報を入力する入力手段であって、前記楽音制御情報としては、予め定められた第1の多段階の制御値のうちいずれかの制御値を指示する情報を入力するものと、
    前記演奏情報に基づいて演奏をなすべく楽音信号を発生する楽音発生手段であって、該楽音信号の楽音特性を制御するための楽音特性制御値としては、前記第1の多段階の制御値より段階数が多い第2の多段階の制御値のうちいずれかの制御値が使用されるものと、
    楽音制御用の操作子と、
    前記楽音制御情報の指示する制御値に対する相対的な変更量を前記操作子の操作に基づいて設定し、設定に係る相対的な変更量を指示する修正情報を送出する設定手段と、
    前記第2の多段階の制御値のうち、前記楽音制御情報の指示する制御値と前記修正情報の指示する相対的な変更量とに対応する制御値を前記楽音特性制御値として決定し、決定に係る制御値を指示する修正楽音制御情報に応じて前記楽音信号の楽音特性を制御する制御手段と、
    前記修正楽音制御情報以外の前記楽音制御情報及び前記演奏情報を出力端子に供給する供給手段と
    を備えた楽音発生装置。
  2. 情報通信手段を用いて楽音制御情報及び演奏情報を入力する入力手段であって、前記楽音制御情報としては、予め定められた第1の多段階の制御値のうちいずれかの制御値を指示する情報を入力するものと、
    前記演奏情報に基づいて演奏をなすべく楽音信号を発生する楽音発生手段であって、該楽音信号の楽音特性を制御するための楽音特性制御値としては、前記第1の多段階の制御値より段階数が多い第2の多段階の制御値のうちいずれかの制御値が使用されるものと、
    楽音制御用の操作子と、
    前記楽音制御情報の指示する制御値に対する相対的な変更量を前記操作子の操作に基づいて設定し、設定に係る相対的な変更量を指示する修正情報を送出する設定手段と、
    前記第2の多段階の制御値のうち、前記楽音制御情報の指示する制御値と前記修正情報の指示する相対的な変更量とに対応する制御値を前記楽音特性制御値として決定し、決定に係る制御値を指示する修正楽音制御情報に応じて前記楽音信号の楽音特性を制御する制御手段と、
    前記修正楽音制御情報以外の前記楽音制御情報及び前記演奏情報を記憶する記憶手段と
    を備えた楽音発生装置。
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