JP5200434B2 - 音響設定支援装置 - Google Patents
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Description
音響プラン図は、入力チャンネルにどの楽器を割り当ててどのマイクロフォンを使用するか、出力チャンネルにどの信号を割り当てるか、どこのスピーカを使用するか、どのアンプを使用するかなど、入出力の各チャンネルとそれに割り当てられる入出力機器との対応を記載したものであり、重要な属性はほとんどその中に記載されている。この音響プラン図を用いることにより、事前に破綻のないプランを立てたり、他のスタッフと情報を共有することができる。
音響調整卓には複数のフェーダ等の操作子が設けられており、チャンネルごとに、信号処理に関する種々のパラメータ(例えば、ヘッドアンプやイコライザー、コンプレッサー等のパラメータ)が設定されるが、その設定は、ユーザーが現場においてゼロから設定していくのが通常であった。
例えば、アナログミキサーの場合、チャンネルごとに、ヘッドアンプのレベル、PEQ(パラメトリックイコライザ)の周波数とレベル、MIXバスヘの送り、フェーダーレベル、パンなどの設定をオペレータがマニュアルで行っていた。
したがって、アーティストの入れ替えがあるときなどは、設定値のメモを一つ一つ取ったり、カメラで撮影したりして設定を記録しておき、再度それを見ながら再設定していたため、大変煩雑であった。
また、デジタルミキサー本体に接続したパーソナルコンピュータから、デジタルミキサー本体の設定をコントロールしたり、デジタルミキサー本体における設定データをパーソナルコンピュータに保存し、該保存したデータをデジタルミキサー本体に設定(リコール)することも知られている(非特許文献2)。
また、デジタルミキサーのシーンメモリ機能は、ミキサー上のある瞬間の設定をまとめて保存し再現することができるものであるが、どのようなイベントか、どのチャンネルに何の楽器が入力されたか、どの出力チャンネルにどんなスピーカが割り当てられていたかなどの属性(使用状況)の情報は保存されていなかった。
さらに、デジタルミキサーのライブラリ機能には楽器ごとのイコライザーやコンプレッサーの推奨プリセットが入っているものがあるが、これはあくまで大まかな想定値であって、個別楽器の特性、各オペレータの嗜好、イベントごとの最適値、現場のノウハウなどが反映されたものではなかった。
さらにまた、コンサートなどのイベントを開催するときには音響プランが作成されていたが、この音響プランと音響調整装置の設定値はリンクされていなかった。
しかし、例えばある楽器とマイクロフォンに対してはいつも同じような設定値を初期値として入れることが多いため、楽器とマイクロフォンを指定することにより過去に使った設定値等を簡単に呼び出すことができれば、初期設定などの手間を大幅に削減することができる。
また、本発明の他の音響設定支援装置は、マイクロフォンからの入力信号に対して所定の信号処理を行ってスピーカに出力信号を供給する音響調整装置に関する設定作業を支援する音響設定支援装置であって、前記音響調整装置を使用するイベントにおける少なくとも前記マイクロフォン又は前記スピーカのいずれかの割り当て内容を示す音響プランデータ及び前記音響調整装置における前記信号処理の内容を示す信号処理データを、前記設定作業に関連する前記イベントの属性情報とともに記憶する記憶手段と、前記記憶手段から、選択された前記属性情報に対応する前記音響プランデータ及び前記信号処理データを取得する手段と、前記記憶手段から取得した前記音響プランデータ又は該音響プランデータを改変した音響プランデータに基づいて音響プランを出力する手段と、前記記憶手段から取得した前記信号処理データ又は該信号処理データを改変した信号処理データに基づいて前記音響調整装置に設定する設定データを作成する手段であって、前記選択された属性情報に対応する信号処理データが複数得られたときには、該複数の信号処理データを平均化することにより前記設定データを作成する手段と、前記設定データに基づいて前記音響調整装置を設定する手段とを有するものである。
さらに、本発明のさらに他の音響設定支援装置は、マイクロフォンからの入力信号に対して所定の信号処理を行ってスピーカに出力信号を供給する音響調整装置に関する設定作業を支援する音響設定支援装置であって、前記音響調整装置を使用するイベントにおける少なくとも前記マイクロフォン又は前記スピーカのいずれかの割り当て内容を示す音響プランデータ及び前記音響調整装置における前記信号処理の内容を示す信号処理データを、前記設定作業に関連する前記イベントの属性情報とともに記憶する記憶手段と、前記記憶手段から、選択された前記属性情報に対応する前記音響プランデータ及び前記信号処理データを取得する手段と、前記記憶手段から取得した前記音響プランデータ又は該音響プランデータを改変した音響プランデータに基づいて音響プランを出力する手段と、前記記憶手段から取得した前記信号処理データ又は該信号処理データを改変した信号処理データに基づいて前記音響調整装置に設定する設定データを作成する手段であって、前記選択された属性情報に対応する信号処理データが複数得られたときには、該複数の信号処理データのうちの直近の信号処理データほど大きい重みを付けて平均化することにより前記設定データを作成する手段と、前記設定データに基づいて前記音響調整装置を設定する手段とを有するものである。
さらにまた、前記記憶手段は、複数の前記音響設定支援装置からアクセスすることができるデータベースとされているものである。
イベント属性情報(イベント日時、名称、施設名称等)は、ユーザーにとって検索しやすいキーワードであるため、イベント属性情報を用いて検索することにより音響プランや信号処理データを容易に取得することができる。例えば、毎年開催されるイベントで、昨年使った設定値を呼び出して参考にしたり、初めての会場でのイベントで、他のユーザーが過去に設定した内容を呼び出して参考にすることができる。
さらに、キーワード検索により該当する複数のデータから最適なデータを任意に絞り込むことができる。例えば、同一イベント名称でも最新のデータや特定の条件(オペレータをさらに限定する等)を追加してデータを取得することができる。これに対して、従来技術ではシーンメモリをリコールすることで、一つの設定データを直接取得するだけなので、本発明のような、直感的、機能的、あるいは曖昧な検索を絞り込むような使い方ができなかった。
さらにまた、前記記憶手段が、複数の音響設定支援装置からアクセスすることができるデータベースである場合には、いろいろな人がデータベースにアクセスしてデータを蓄積することにより、いろいろな人のノウハウを設定に反映させることが可能となり、また、遠隔地から利用することも可能となる。
この図において、1は、マイクロフォン、音響調整卓(デジタルミキサー)及びスピーカなどが含まれている音響システム、11は前記音響システム1とネットワーク12に接続されたパーソナルコンピュータなどのコンピュータ、12はインターネットなどのネットワーク、13は前記ネットワーク12に接続されたサーバー装置、14は前記サーバー装置に接続されたデータベースである。図示するように、複数の音響システム1及びコンピュータ11が前記ネットワーク12を介してデータベース14にアクセスすることができる。
ここで、前記コンピュータ11は音響システム1における音響調整卓に接続されており、該音響調整卓の設定を行う機能、前記音響調整卓における各種設定値のデータ(信号処理パラメータのデータ、信号処理データ)を取得するとともに、コンピュータ11に内蔵するメモリに記憶されている設定データで前記音響調整卓を設定する機能、前記ネットワーク12及び前記サーバー13を介して前記データベース14にアクセスする機能、音響プランや音響プラン図を出力(表示又は印刷)する機能などの各種機能を有している。
また、前記データベース14は、後述するように、イベントが開催されたときに前記コンピュータ11から登録される、そのイベントで使用された音響プランのデータ(音響プランデータ)、当該音響システム1における音響調整卓の各種操作子の操作状態を示す信号処理データ及び開催されたイベントの属性情報(施設名称、イベントの種別、名称、開催日時、出演者名、オペレータ名などの情報)がリンクして格納されるものである。また、コンサートなどのイベントの会場となる施設の音響設備などに関する情報、各施設又は音響調整卓に対応した音響プラン図のテンプレート(ひな型)のデータの情報などもデータベース14に格納されている。
この図において、2はステージ上に設置されたマイクロフォン、3は複数チャンネル分の入力信号をまとめる入力ボックス(いわゆるマルチボックス)、4は前記複数の入力ボックス3からの信号が入力される入力部、5は前記入力部4からの信号が入力される前述した音響調整卓、6はイコライザ、コンプレッサー、リミッタなどを含む周辺機器、7は前記音響調整卓5から複数の出力系統の出力信号が供給される出力部、8は前記出力部7からの複数の出力系統の信号をそれぞれ電力増幅する電力部、9は該電力部8でそれぞれ電力増幅された複数系統の出力信号を放音するスピーカである。なお、ここでは、イコライザ、コンプレッサー、リミッタなどは、周辺機器6として前記音響調整卓5の外部に接続されているものとして記載したが、前記音響調整卓5に内蔵されている場合もある。
ここで、前記音響調整卓5は前述したデジタルミキサーであり、フェーダ等の操作子にエンコーダ及びアクチュエータが装着されており、自動的に操作状態の検出及び設定が可能とされている。そして、各操作子の操作状態(設定値)を音響調整卓5に内蔵されたシーンメモリに保存し、呼び出して設定(リコール)することができる。また、前記コンピュータ11に搭載されているコントロールプログラムの制御により、シーンメモリに記憶されている設定データ(信号処理データ)を前記コンピュータ11に転送したり、あるいは、前記コンピュータ11から設定データを受け取って、シーンメモリからのリコール時と同様に各操作子に設定することができる。
この図に示す音響プラン図の例では、入力チャンネルに対して割り当てる機器の内容を記述した表31、出力チャンネルに対して割り当てる機器の内容を記述した表32、FB(Fold Back:跳ね返り)チャンネルに対して割り当てる機器の内容を記述した表33で構成される。具体的には、入力チャンネルにどの楽器や音源(INST.)を割り当ててどのマイクロフォン(MIC)やどのマイクスタンド(STAND)を使用するかを示す表(INPUT MULTI)31、出力チャンネルにどの信号(SIGNAL)を割り当てるか、どこのスピーカか、どのアンプかなどを示す表(OUTPUT MULTI)32及びFBチャンネルをどのように割り当て、どのスピーカ(SP.)やどのアンプ(AMP.)を使用するかを示す表(FB OUTPUTS)33の3つの表が記載されており、さらに、当該イベントの名称(種類)、いつ(開催日)、どの会場で(施設名称)、プランナー名などの属性情報34も記載されている。
音響プランデータは、例えば、上述のような各種の表形式のデータであり、例えば、表計算ソフトウェアなどを用いて前記音響プラン図を出力することができる。
また、出力チャンネルに対する割り当てを記述した表32には、16系統の出力チャンネルそれぞれに割り当てられている信号が記述されており、例えば、出力チャンネル1にはFOH(Front of House:客席向けのメインスピーカ)のLチャンネルの信号が割り当てられることが指示されている。なお、表32中の「In.Fill」とは、前記メインスピーカを補助するスピーカのことであり、「Cluster」とは、施設に既存のクラスタースピーカのことである。
さらに、FBチャンネルに対する割り当てを記述した表33には、12系統のFBチャンネルとCUEチャンネルそれぞれに対する演奏者の割り当てとインサートの有無及び使用するアンプとスピーカの情報が記述されており、例えば、FBチャンネル8はサックスのプレーヤーに対するフォールバックに割り当てられ、Q1131というグラフィックイコライザを介して、FM1202というモニタースピーカ3本に出力されることが指示されている。
さらに、当該イベントの属性情報34の領域には、そのイベントのタイトル、種類、開催日、施設名称、プランナーの名前などの属性情報が記載されている。なお、この図には示していないが、出演者又はアーティスト名、各出演者又はアーティストの出演時間など、その他の音響システムや音響調整卓の設定作業に関連するイベントの属性情報が記載されている。
前記音響調整卓5の設定は、音響調整卓5そのものを操作することにより実行することもできるし、前記コンピュータ11に搭載された音響調整卓のコントロールプログラムを用いて設定することもできる。イベントのリハーサル時及び本番時には、前述のように、前記音響調整卓5の各操作子を操作することにより、各チャンネル(入力チャンネル及び出力チャンネル)における各種信号処理パラメータの設定が行われる。
図4は、前記音響調整卓のコントロールプログラムを使用して前記コンピュータ11から設定を行う場合の前記コンピュータ11の表示画面の一例を示す図であり、選択した一つの入力チャンネルにおける信号処理パラメータの設定を行っているときの画面を示している。
図中41は操作の対象として選択された入力チャンネルの番号と名称を表示する領域であり、ここでは、チャンネル1が選択されている様子が示されている。オペレータは、SELECTボタン又は左右の三角ボタンを使用してチャンネルを切り替えることができる。また、PATCHはこのチャンネルに割り当てる入力ソースを選択するものであり、この例では、入力端子#1(IN 1)が選択されている。
43は、ヘッドアンプ(HA)のゲイン、信号の位相(φ)の反転の有無、ハイパスフィルター(HPF)のオン/オフ及びカットオフ周波数の設定を行う領域である。
44は、現在選ばれている入力チャンネルからステレオバス/モノバスへのセンドの設定及びパン(PAN)の設定を行う領域である。
45は、現在選ばれているチャンネルのイコライザ(EQ)に関する設定表示を行う領域であり、イコライザの特性の表示やLOW、LO-MID、HI-MID及びHIGHの4バンドのQ、中心周波数、ブースト/カット量などの調節が行われる。
46と47は、2系統のダイナミクスプロセッサーに関する設定を行う領域である。この例では、46のダイナミックスプロセッサーはゲート(GATE)処理(設定したレベルより高い信号だけを発音させる)、47のダイナミックスプロセッサーはコンプレッサー(COMPRESSOR)処理(設定したレベルを超える信号を減衰させる)が選択されており、それぞれの処理の特性曲線の表示やスレッショルドレベルなどの各種パラメータの設定が行われる。
48は、インサートイン/アウトの有効/無効、ダイレクト出力のオン/オフ、リコールセーフ/ミュートセーフの有効/無効の設定を行う領域である。
49は、この入力チャンネルが所属するDCAグループ及びミュートグループをそれぞれ1〜8の中から選択する領域である。
50は、この入力チャンネルのオン/オフの切り替え、及び、入力レベル(フェーダーレベル)の調整を行うフェーダー領域である。
このように、入力系のチャンネルに対する設定値のデータ(信号処理データ)には、各チャンネルごとに、チャンネル名、フェーダーレベル、MIXへの送りレベル、MATRIXへの送りレベル、ヘッドアンプ(HA)のゲイン、HPFのオン/オフとカットオフ周波数)、PAN、ゲートの設定値、コンプレッサーの設定値、EQ(イコライザー)の周波数とレベルなどのパラメータが含まれている。
また、出力系のチャンネルに対する信号処理データには、各チャンネルごとに、PEQ(Lo、Mid、Hi、LPF、HPF)、GEQ、コンプレッサー/リミッター、フェーダー位置、ディレイ、スピーカプロセッシングなどのパラメータが含まれている。
このような入力系及び出力系の各チャンネルごとの信号処理データを、パラメータセットとして前記データベース14に登録する。この各レコードには「チャンネル名」の名前を付して保存する。ミキサーの使用時には、使うチャンネルには必ず「チャンネル名」を使用するものであるから(例えば、ピアノHi/Lo、ヴォーカル、アナウンス・・・など)、オペレータ(ユーザー)は特に追加の手間無しにこのレコードを登録することができる。
そこで、本発明においては、イベントが開催されるごとに、そのイベントに関する音響プランデータ及び信号処理データを属性とリンクして前記データベース14に蓄積していき、、新たな本番時(リハーサルも含む。)において、該属性で前記データベース14を検索して対応する音響プランデータや信号処理データを呼び出し、これを利用することで音響プランの作成や音響調整卓の初期設定などの作業の手間を大幅に削減するようにしている。また、オペレータ名や音響プランナー名でも検索可能で、これら操作者や創作者の製作意図やクセなども音響調整装置に関する設定作業に利用することが可能となる。
図示するように、施設という属性については、各施設(Aホール、○○会館、○○アリーナなど)ごとに、システムの規模やスピーカ数、配置、アンプレベルなどのパラメータが決定される。
イベント種別という属性については、各イベントの種別(ロックコンサート、ミュージカル、講演会など音響システムが異なる形態となるカテゴリ)ごとに、使用するマイクの種類、入力チャンネル数、アンプレベルなどのパラメータが決まってくる。
出演者及びミュージシャンという属性については、各出演者(アナウンサーA、ミュージシャンBなど)ごとに入力チャンネルのゲイン、PEQ、モニターセンドレベルなどのパラメータが決まってくる。
ピアノ、ギター、バスドラム・・・といった楽器ごとに、入力チャンネルのゲイン、PEQ、コンプレッサー、リミッター等のパラメータも決まってくる。
使用するマイクロフォンの機種(SM58、C−414、CMC65・・・など)によって、ファンタムのON/OFF、ゲイン、PEQなどのパラメータが決まってくる。
また、この図には示していないが、オペレータにより、PEQの設定値(Aオペレータはハウリングには神経質)、アンプレベル調整値(Bオペレータは高域を下げ目に設定)などが決まってくることがある。
さらに、イベントの種類ごとに、コンプレッサーやリミッターの設定値(音楽物ではコンプレッサー/リミッターが深め/高め、Cイベントでは安全側の設定とする必要あり)が決まってくることがある。
このように、属性をキーとして前記データベース14を検索することにより、その属性に最適な設定値や他のひとのノウハウが含まれた信号処理データを取得することができる。
図6はコンサートなどのイベントを開催するときの処理の全体を示している。
音響プラン図を作成するときは(S1がYES)、ステップS2の音響プラン図作成処理に進む。
図7は、音響プラン図作成処理の流れを示すフローチャートである。
音響プラン図作成処理では、まず、前記コンピュータ11を用いて、前記データベース14にアクセスし、今回開催するイベントに対応する属性を有する音響プランデータが登録されているか否かを検索する(S11)。例えば、同じ施設を使用する同種類のイベントの音響プランデータがあるか否かを検索する。
検索条件に合致する音響プランデータが登録されているときには(S12がYES)、対応する音響プランデータをダウンロードし(S13)、該ダウンロードした音響プランデータを必要に応じて修正して、今回のイベント用の音響プラン図を作成し、表示又は印刷する(S14)。
会場となる施設又は使用する音響調整卓に対応した音響プラン図のテンプレートを前記データベース14からダウンロードし、それを用いて音響プラン図を作成することで、共通のフォーマットを有する音響プラン図を作成することができるようになる。なお、各施設又は使用する音響調整卓に対応する音響プラン図のテンプレートは、前記データベース14からのダウンロード以外の方法であらかじめコンピュータ11に保存してあっても良い。
このように、例えば、毎年開催されるイベントでは、昨年使った音響プランデータを呼び出して参考にしたり、初めての会場でのイベントで、他のユーザーが過去に設定した内容を呼び出して参考にすることができる。
図8は、前記音響調整卓の設定データ作成処理の流れを示すフローチャートである。
音響調整卓の設定データ作成処理においては、まず、開催するイベントに関する属性情報をキーとして選択し、前記データベース14中の信号処理データを検索する(S21)。このとき、イベント種類(オペラ、ロックコンサート、講演会など)などの前述したイベントの属性情報だけではなく、使用される楽器の種類、使用されるマイクロフォンの種類などの情報もキーとして、前記データベース14を検索し、同様の条件を有する信号処理データがあるか否かを検索する。
その結果、検索条件に合致する信号処理データが見つかった場合には(S22がYES)、その信号処理データをダウンロードし(S23)、ダウンロードした信号処理データに基づいて前記音響調整卓5に設定する設定データを作成する(S24)。すなわち、ダウンロードした信号処理データそのもの、あるいは、必要に応じて修正した信号処理データを、前記音響調整卓5に設定する設定データとしてコンピュータ11中のメモリに記憶する。
なお、例えば、属性としてあるボーカルマイクを選択した際、ゲイン設定やEQはどの場所でもほとんど同じ値をプリセットとして与えてよいが、リバーブのかかり具合はずいぶん異なるという場合がある。そのため、前記ステップS23において、全ての設定値を呼び出せるだけでなく、あるパラメータの設定値は呼び出さない、という選択もできるようにされている。
上記(2)及び(3)の場合には、オペレーション技術の変化や、時代の流れに伴う音楽性の変化、オペレータの習熟度、施設の老朽化・経年変化等の時間的な変化を反映させることができる。
そして、全てのチャンネルについて設定データの作成が終了したか否かを判定し(S25)、終了していないときは前記ステップS21に戻り、さらに、設定データの作成を行う。
また、検索条件を変更しないときは(S26がNO)、コンピュータ11で前記コントロールプログラムを用いて音響調整卓5の設定データを作成するか否かを判断し(S27)、作成しないときは、そのまま前記ステップS25に進む、
コンピュータ11で設定データを作成するときは(S27がYES)、ステップS28に進み、前記図4に示したように、前記コントロールプログラムを用いて、音響調整卓5の設定用データを作成し、前記メモリに記憶する。そして、前記ステップS25に進む。
このようにして、音響調整卓5の設定データが作成され、前記コンピュータ11のメモリに記憶される。
そして、当該イベント又はそのリハーサルが開始される(S8)。
公演中の各種の舞台状況ごとに(例えば、アーティストの変更がある前など)、音響調整卓5の各操作子の設定値などのデータ(信号処理データ)を取得し、前記コンピュータ11内のメモリに記憶する(S9)。なお、このとき、取得した時刻を示す情報及びオペレータの名前などの属性情報も同時に記憶させておく。
そして、公演が終了した後、あるいは、所望のタイミングで、前記ステップS2で作成した音響プランデータ、前記ステップS9で取得した信号処理データを、そのイベントの属性情報(施設名称、イベントの名称又は種別、イベントの開催日、アーティストや出演者が出演した時刻を示す情報、信号処理データを取得した時刻を示す情報、及び、オペレータの名前などの情報)とともに、前記データベース14に登録する(S10)。
これにより、公演などのイベントを開催するごとに、その音響プランデータと信号処理データをそのイベントの属性情報とともにデータベース14に蓄積することができる。
また、上記においては、ネットワークに接続されたデータベース14に音響プランデータ及び信号処理データを蓄積するようにしているが、これに限られることはなく、単なる大容量記憶装置に蓄積するようにしてもよい。
Claims (4)
- マイクロフォンからの入力信号に対して所定の信号処理を行ってスピーカに出力信号を供給する音響調整装置に関する設定作業を支援する音響設定支援装置であって、
前記音響調整装置を使用するイベントにおける少なくとも前記マイクロフォン又は前記スピーカのいずれかの割り当て内容を示す音響プランデータ及び前記音響調整装置における前記信号処理の内容を示す信号処理データを、前記設定作業に関連する前記イベントの属性情報とともに記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から、選択された前記属性情報に対応する前記音響プランデータ及び前記信号処理データを取得する手段であって、前記属性情報に対応する信号処理データが前記記憶手段中に存在しなかったときに、選択された前記属性情報に近似する属性情報に対応する信号処理データを取得することができる手段と、
前記記憶手段から取得した前記音響プランデータ又は該音響プランデータを改変した音響プランデータに基づいて音響プランを出力する手段と、
前記記憶手段から取得した前記信号処理データ又は該信号処理データを改変した信号処理データに基づいて前記音響調整装置に設定する設定データを作成する手段と、
前記設定データに基づいて前記音響調整装置を設定する手段と
を有することを特徴とする音響設定支援装置。 - マイクロフォンからの入力信号に対して所定の信号処理を行ってスピーカに出力信号を供給する音響調整装置に関する設定作業を支援する音響設定支援装置であって、
前記音響調整装置を使用するイベントにおける少なくとも前記マイクロフォン又は前記スピーカのいずれかの割り当て内容を示す音響プランデータ及び前記音響調整装置における前記信号処理の内容を示す信号処理データを、前記設定作業に関連する前記イベントの属性情報とともに記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から、選択された前記属性情報に対応する前記音響プランデータ及び前記信号処理データを取得する手段と、
前記記憶手段から取得した前記音響プランデータ又は該音響プランデータを改変した音響プランデータに基づいて音響プランを出力する手段と、
前記記憶手段から取得した前記信号処理データ又は該信号処理データを改変した信号処理データに基づいて前記音響調整装置に設定する設定データを作成する手段であって、前記選択された属性情報に対応する信号処理データが複数得られたときには、該複数の信号処理データを平均化することにより前記設定データを作成する手段と、
前記設定データに基づいて前記音響調整装置を設定する手段と
を有することを特徴とする音響設定支援装置。 - マイクロフォンからの入力信号に対して所定の信号処理を行ってスピーカに出力信号を供給する音響調整装置に関する設定作業を支援する音響設定支援装置であって、
前記音響調整装置を使用するイベントにおける少なくとも前記マイクロフォン又は前記スピーカのいずれかの割り当て内容を示す音響プランデータ及び前記音響調整装置における前記信号処理の内容を示す信号処理データを、前記設定作業に関連する前記イベントの属性情報とともに記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から、選択された前記属性情報に対応する前記音響プランデータ及び前記信号処理データを取得する手段と、
前記記憶手段から取得した前記音響プランデータ又は該音響プランデータを改変した音響プランデータに基づいて音響プランを出力する手段と、
前記記憶手段から取得した前記信号処理データ又は該信号処理データを改変した信号処理データに基づいて前記音響調整装置に設定する設定データを作成する手段であって、前記選択された属性情報に対応する信号処理データが複数得られたときには、該複数の信号処理データのうちの直近の信号処理データほど大きい重みを付けて平均化することにより前記設定データを作成する手段と、
前記設定データに基づいて前記音響調整装置を設定する手段と
を有することを特徴とする音響設定支援装置。 - 前記記憶手段は、複数の前記音響設定支援装置からアクセスすることができるデータベースであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の音響設定支援装置。
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JP2009017334A (ja) | 2009-01-22 |
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