JP4015447B2 - マッサージ体及びマッサージ機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気圧により動作されて、人体の被施療部例えば肩部等を繰返し押圧してマッサージするマッサージ体、及びこのマッサージ体を備えた椅子式などのマッサージ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
椅子式やベッド式等のマッサージ機に設けられて空気圧により動作するマッサージ体の中には、人体の被施療部を局所的に限定して押圧できるものがある。この種のマッサージ体として、給排気により膨縮するエアーバッグと、表面に硬質な半球状の押圧凸部が設けられてエアーバッグの膨張により押されて回動する回動板とを備えたもの、或いは、給排気により膨縮するエアーバッグ自体で形成され、その膨張の頂部に位置する押圧凸部を一体に有したものが知られている。
【0003】
前者の例では、回動板及びその回動支点を作るための構成が必要であり、場合によっては、エアーバッグの収縮動作に回動板を追従させるためのばね等も必要とすることがある。そのため、構成的に複雑で、かつ、コスト高である。
【0004】
後者の例では、構成が簡単で低コストである点で前者のマッサージ体より優れている。しかし、一体成形されるが故に、エアーバッグの膨縮性能を維持しつつ、その押圧凸部のみを硬く成形することは困難である。特に、ブロー成形の場合になお更である。そのため、局所的に限定した押圧ができるにも拘らず、押圧凸部の硬さが不足し勝ちで、マッサージ感が弱い。
【0005】
この硬さ不足は、エアーバッグと別の硬質材料で作られた押圧凸部を、エアーバッグの表面に接着すれば改善できるように考えられる。しかし、エアーバッグの一般的な材料であるポリエチレン樹脂は、接着剤の収納容器として用いられていることから理解できるように、硬質材料製の押圧凸部との接着性が悪い。そのため、エアーバッグの膨張に伴って押圧凸部がエアーバッグから簡単に剥れてしまうことが、本発明者の実験の結果判明した。そこで、このようなことがない耐久性に優れるマッサージ体の提供が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、簡単な構成でありながら、人体の被施療部を局所的に限定して押圧するのに好適で、かつ耐久性に優れるマッサージ体、及びこのマッサージ体を備えたマッサージ機を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、互いに平行な二つの縁を有し、これらの縁の夫々に係止凸部が一体に突設されていて、給排気により膨縮するエアーバッグと、このエアーバッグより硬質な材料の一体成形品で形成されるとともに、前記エアーバッグの膨張方向に突出する半球状の押圧凸部、前記係止凸部を有した前記縁を回り込んで覆うように曲がるとともに前記係止凸部が引掛けられる係止孔が形成された取付け端部を有して、前記押圧凸部の径方向両側に夫々一体に延出して形成された取付け腕、及びこれら取付け腕の夫々に前記取付け端部と前記押圧凸部との間に設けられて前記エアーバッグの膨縮に追従して変形する可撓変形部を備え、前記係止孔に前記係止凸部を夫々引掛けて前記エアーバッグの表面に重ねられた押圧部材と、を具備している。
【0008】
本発明において、押圧部材は、エアーバッグより硬いものであればよく、エアーバッグと同一材料又はエアーバッグとは別の材料で形成されていてもよい。又、本発明のマッサージ体は、椅子式マッサージ機やベッド式マッサージ機のマッサージ機本体の所定位置に固定的に配置して使用できる他、マッサージ機本体に対して移動可能なマッサージユニットに取付けて使用できる。
【0009】
本発明では、マッサージ体を構成する部品数が少ない。その上、押圧部材が硬質であるにも拘らず、エアーバッグの膨張時には、押圧部材がその可撓変形部で容易に変形してエアーバッグの膨張を妨げることがなく、このエアーバッグの膨張に押圧部材を容易に追従させることができる。そのため、充分な硬さが確保されている押圧部材の押圧凸部で、人体の被施療部を局所的に限定して押圧できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図8を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0011】
図1及び図2中符号1は例えば椅子式のマッサージ機を示しており、そのマッサージ機本体として機能する椅子本体2は、座部3と、この座部3の後側に配置された背もたれ4と、後部支柱5aを有して肘掛を兼ねる左右のフレーム5とを備えている。図2(B)等に示すように一対のフレーム5は、前部横架材6、後部横架材7、及び複数の底部横架材8を介して連結されている。これら各横架材6〜8と両フレーム5とはフレーム体を形成する。
【0012】
図2(B)に示すように座部3は、前記フレーム体に支持された座部フレーム3aと、このフレーム3a上に取付けられた座部クッション3bとを備え、座部クッション3bの表面は柔軟性を有した図示しない表カバーで覆われている。背もたれ4は、背部フレーム4aの前面に比較的硬質な背部ベースクッション4bを取付けるとともに、図4及び図5に示すように前面を薄手で柔軟性を有した表部クッション4cで覆い、更に前から柔軟性を有した表カバー4dで覆われている。
【0013】
背もたれ4はリクライニングできるように設けられている。そのために、図2(B)に示すように座部フレーム3aから斜め上後方に向けて突設された背もたれ支持部3cに、背部フレーム4aの下部に前向きに突設された連結部4eを枢軸9により連結している。枢軸9の下方に配置されたガススプリング10の前端を座部フレーム3aに枢軸11を介して連結し、ガススプリング10の後端を背部フレーム4aの下端に枢軸12を介して連結している。
【0014】
図1(A)に示すリクライニングレバー13を操作して背もたれ4に体重を掛けることにより、ガススプリング10を縮めながら背もたれ4を図2(B)中時計まわりに枢軸9を中心に回動させて倒すことができる。そして、同レバー13の操作下で背もたれ4から背中を離すことによりガススプリング10が伸びるので、背もたれ4を図2(B)中反時計まわりに枢軸9を中心に回動させて起こすことができる。
【0015】
図1及び図2に示すように背もたれ4の上部には、マッサージ装置例えば肩部マッサージ装置15が取付けられている。背もたれ4の下部には一対の腰部マッサージ装置16が取付けられ、更に、背もたれ4の幅方向中央部には前記両装置15、16間に位置して背中部用マッサージ子例えばエアーバッグ17が配置されている。
【0016】
椅子本体2に着座した人体の肩部ないしは首肩部をマッサージする肩部マッサージ装置15は、背部フレーム4aの上部に固定された装置フレーム21に、マッサージユニット22を例えば移動不能に設けている。図3〜図5に示すようにマッサージユニット22は、ユニットベース24と、肩マッサージ部25と、このマッサージ部25の位置を着座者の厚み方向に変更させるための前後位置調整体26とを備えている。
【0017】
平板で形成されたユニットベース24は、背部フレーム4aの上端に両側に夫々固定されたベース支持板4fに連結され両端支持されている。肩マッサージ部25は、ユニットベース24の前方に配置されたマッサージ体支持板例えば横長形状の回動板28と、この板28の表面に椅子本体2の幅方向に並べて取付けられた一対の肩部用マッサージ体29とを有している。
【0018】
図6及び図7に示すようにマッサージ体29は、エアーバッグ31と、押圧部材32とを組合わせて形成されている。詳しくは、エアーバッグ31は、容易に膨縮変形ができる低硬度の合成樹脂材料、具体的にはポリエチレン樹脂のブロー成形品である。給排気により膨縮するエアーバッグ31は、略四角形状であって、その一側縁に、一対の取付け部33及びこれらの間に配置された給排気口34が一体に突設されている。
【0019】
このエアーバッグ31の互いに平行な二つの縁の長手方向中央には夫々係止凸部35が一体に突設されている。互いに逆向きに突出する係止凸部35は、根元よりも先端の頭部が広がった形状、例えばT字形状をなしているが、これはL字形状であってもよい。取付け部33及び係止凸部35は、いずれも非膨張部であって、容易に変形しないように膨縮する袋部分よりも肉厚を厚くして形成されている。
【0020】
押圧部材32は、エアーバッグ31よりも高硬度の材料、例えば硬質合成樹脂、具体的にはポリプロピレン樹脂の一体成形品である。押圧部材32は、例えば中空略半球状の硬質押圧凸部36の径方向両側に夫々取付け腕37を一体に延出して形成されている。取付け腕37の先端部は、エアーバッグ31の係止凸部35を有した縁を回り込んで覆うように例えばL字形状(尚、コ字形状でもよい。)に曲がった取付け端部37aをなしている。取付け腕37の夫々には、その取付け端部37aと押圧凸部36との間に位置して可撓変形部38が設けられている。可撓変形部38は、取付け腕37にその幅方向に横切る溝を設けることによって形成された薄肉なセルフヒンジからなる。そのため、硬質な押圧部材32は、その2箇所の可撓変形部38を中心に自在に曲がって変形できる。
【0021】
両取付け腕37の取付け端部37aには、L字状に曲った係止孔39が形成されている。係止孔39の幅は、係止凸部35の根元の幅より大きく、かつ、係止凸部35の頭部の幅より小さい。さらに、係止孔39の対角線長さは係止凸部35の頭部の幅より大きい。
【0022】
そのため、エアーバッグ31の係止凸部35を捩りながら係止孔39に通すことにより、図6及び図7(A)に示すように係止孔39に係止凸部35を引掛けて、エアーバッグ31の表面に押圧部材32を重ねて取付けることができる。このように接着剤を用いることなくマッサージ体29を組立てることができ、組立て状態では押圧部材32の押圧凸部36はエアーバッグ31の略中央部に配置されている。係止孔39と係止凸部35との引っ掛かりは、押圧部材32が可撓変形部38を介してエアーバッグ31の膨張に追従する変形をしても外れることはない。
【0023】
図3に示すように前記構成の一対のマッサージ体29は、互いに寄せてかつ重ね合わされた取付け部33を通って回動板28にねじ込まれたねじ等の取付け具40によって、回動板28の前面に片持ちの状態に固定されている。回動板28は、マッサージ体29のエアーバッグ31がその背部に向けて膨張することを妨げる壁として機能する。
【0024】
図4及び図5に示すように回動板28の一側部例えば下側部は一対のヒンジ23を介してユニットベース24に取付けられている。そのため、これらヒンジ23が有するヒンジ軸を支点として肩マッサージ部25は上下方向に回動可能に設けられている。ヒンジ23にはコイル状のばね23a(図3参照)が取付けられている。このばね23aによって、回動板28はその自由端側がユニットベース24に近づけられる方向に付勢されている。
【0025】
前後位置調整体26は例えば給排気により膨縮するエアーバッグで形成されている。この調整体26はユニットベース24と回動板28との間に配置されて、その例えば下側部がユニットベース24に固定されている。このように配置された前後位置調整体26には、ばね23aの付勢力で回動板28の裏面が押し付けられている。ユニットベース24は前後位置調整体26がその背部に向けて膨張することを妨げる壁として機能する。したがって、肩マッサージ部25は、前後位置調整体26が膨張されるに伴ってヒンジ23を支点に前傾し、前後位置調整体26が収縮されるに伴って起立するようにばね23aの力で押し戻される。
【0026】
前記一対の腰部マッサージ装置16の構成は、図2(A)に示すように背部ベースクッション4bの正面に接着剤などで止められた支持板41と、この板41の表面に椅子本体2の幅方向に並べて取付けられた一対の腰部用マッサージ体例えばエアーバッグ42とを有している。給排気により膨縮するエアーバッグ42は給気により半球状に膨張する。エアーバッグ42は、その外周の一部に突設された取付け部43を通って支持板41にねじ込まれたねじ等の取付け具44によって、片持ちの状態に支持板41に固定されている。この場合、一対のエアーバッグ42は、その取付け部43を互いに寄せて夫々の支持板41に取付けられている。
【0027】
給排気により膨縮する背中部用エアーバッグ17は縦長に形成されていて、その給排気口を有した固定端部(図2では上端部)のみが、背部ベースクッション4bの正面に接着剤などで止められている。エアーバッグ17の他端部は単に背部ベースクッション4bの正面に重なっている自由端部である。このエアーバッグ17は、その自由端部側が固定端部に寄るように膨張する。
【0028】
なお、表部クッション4c及び表カバー4dは、マッサージユニット22の上下動及び前傾動作、並びにエアーバッグ42、17の膨張動作に追従して容易に変形できる自由度を有している。
【0029】
座部3の下側には駆動装置50が配置されている。この装置50は、図8に示すように制御装置51と、例えば電磁駆動によりダイアフラムを動かしてポンプ動作をするエアーポンプ52と、このポンプ52の吐出し口にエアーチューブ53を介して接続されたロータリー弁等のエアー分配装置54と、エアーチューブ53から分岐されたチューブ53aに接続された電磁弁55とを備えている。
【0030】
エアー分配装置54が有する第1の分配口にはエアーチューブ57の一端が接続され、このチューブ57の他端は図2(A)に示した三叉状の給排気口体58の一端部に接続されている。給排気口体58が有した他の二つの端部は夫々腰部用のエアーバッグ42に連通されている。エアー分配装置54が有する第2の分配口はエアーチューブ59を介して背中部用エアーバッグ17に連通されている。エアー分配装置54が有する第3の分配口にはエアーチューブ60の一端が接続され、このチューブ60の他端は図示しない三叉状の給排気口体の一端部に接続されている。この図示しない給排気口体が有した他の二つの端部は夫々マッサージ体29が有する一対のエアーバッグ31の給排気口34に接続されている。
【0031】
エアー分配装置54をなすロータリー弁は、図示しない排気口を有しており、一つの分配口への送気を選択しているとき、他の分配口は排気口に連通されるものであり、又、図示しないロータがステップモータで回転されるに従い各分配口が順番に選択されるようになっている。
【0032】
電磁弁55にはエアーチューブ61を介して前後位置調整体26が連通されている。この電磁弁55は、排気ポートを有しており、給気ポジションと、閉止ポジションと、排気ポジションとを選択できる。電磁弁55は、吸気ポジションでは前後位置調整体26をなすエアーバッグへの給気を許し、閉止ポジションでは流路を閉じて前後位置調整体26用エアーバッグの膨張状態を保持し、排気ポジションでは前後位置調整体26用エアーバッグから流出された空気を排気ポートより外部に排出できる。このように電磁弁55は、前後位置調整体26の膨張保持要素として使用されるため、前後位置調整体26及び電磁弁55は、着座者の厚み方向に関して肩マッサージ部25の位置を変更する前後位置調整手段を構成している。
【0033】
制御装置51は、エアーポンプ52、エアー分配装置54、及び電磁弁55を制御するもので、マイクロコンピュータ等で形成されている。この制御装置51には、着座者により操作される操作部例えばリモートコントローラ70(図1、図2参照)が接続され、このコントローラ70により運転指令が与えられる。
【0034】
リモートコントローラ70は、マッサージユニット22の肩マッサージ部25の人体肩部に対する角度を変更させるための一対の角度調整釦と、肩部、背中部、又は腰部のいずれかのマッサージ位置を選択するためのポイント釦と、コース運転を行なわせるコース釦と、膨縮させるエアーバッグに対して脈動を伴う給気を行なわせるパルス釦、エアーバッグ膨張程度を変更させてマッサージの強さを変える強さ釦と、全ての動作を終了させる停止釦等(いずれも図示しない)を備えている。
【0035】
前記構成のマッサージ機1を使用するとき、着座者は、はじめにマッサージユニット22を人体肩部に合わせる前後位置調整を行なう。この調整は、リモートコントローラ70の角度調整釦を操作することで、肩マッサージ部25を回動させて行なわれる。
【0036】
つまり、前傾用の角度調整釦の押圧操作が継続している間は、エアーポンプ52の運転が継続されるとともに、電磁弁55が給気ポジションを維持する。そのため、前後位置調整体26をなすエアーバッグへの給気が継続され、この給気は前記前傾用の角度調整釦の押圧操作を解除することで停止される。この押圧解除と同時に、エアーポンプ52の運転が停止されるとともに、電磁弁55が閉止ポジションを維持して、前後位置調整体26が膨張状態に保持される。
【0037】
又、戻し用の角度調整釦の押圧操作が継続している間は、エアーポンプ52の運転を停止させたままで、電磁弁55が排気ポジションとなる。そのため、前後位置調整体26をなすエアーバッグ内の空気が排気され、この排気は前記戻し用の角度調整釦の押圧操作を解除することで停止される。この押圧解除と同時に電磁弁55が閉止ポジションを維持する。
【0038】
そのため、リモートコントローラ70の一対の角度調整釦の少なくとも一方を操作して、肩マッサージ部25のマッサージ体29を、背もたれ4の厚み方向、言いかえれば、人体の厚み方向の変位を伴って無段階に回動させることにより、マッサージ体29の硬質な押圧凸部36が首肩部に当たる感触などに基づき、着座者が所望とする前後方向任意位置にマッサージ体29を配置できる。以上のように前後位置調整体26の膨張により、肩マッサージ部25は、ヒンジ23を支点に前に倒れるように回動されて、人体肩部に斜め後上方から覆い被さるように配置される。
【0039】
以上の調整状態は電磁弁55が閉止ポジションとなることにより保持される。この調整の最終段階として、制御装置51に予め組まれたプログラムにしたがって試運転が行なわれる。つまり、エアーポンプ52の運転が開始されてエアー分配装置54を介してマッサージ体29の一対のエアーバッグ31に対する同時給排気が、1回以上、例えば数回繰返して行なわれる。それにより、一対のマッサージ体29のエアーバッグ31が膨張して人体肩部にマッサージ力を与えるので、押圧凸部36による人体首肩部への局所的に限定された指圧点が前記調整状態によって所望の位置になっているかどうかということを体感できる。この試運転でエアーバッグ31が膨張した状態を図5(A)及び(B)に例示する。そして、前記体感に基づいて必要がある場合には、以上の調整操作を繰返して人体肩部に対して所望とする指圧が適正に行なわれるように調整をし直せばよい。
【0040】
以上の手順により、着座者の肩の厚み等で異なる人体首肩部のマッサージポイントに、マッサージ体29の押圧凸部36を合わせることができる。そして、この調整後にはリモートコントローラ70で指定する各種マッサージができる。
【0041】
このマッサージで肩マッサージ部25が動作される時、及び前記調整の最終段階での肩マッサージ部25の動作時には、既述のように肩マッサージ部25が人体肩部に斜め後上方から覆い被さるように配置された状態下で行なわれるので、押圧凸部36のマッサージ方向は人体を単純に前側に押すのとは異なる。具体的には、人体肩部の斜め上後方から、斜め下前方へ向けて人体肩部を指圧するマッサージが行なわれる。しかも、この場合、回動板28に片持ち状態に固定されている一対のエアーバッグ31は、互いに背もたれ4の幅方向中央に寄りながら膨張するので、人体肩首部の両側から一対の押圧凸部36を互いに首部の根元部に向けて移動させつつ人体肩部を指圧できる。したがって、人体首肩部に対するマッサージを良好に実施できる。
【0042】
以上のマッサージにおいて、肩マッサージ部25のエアーバッグ31が収縮した状態は図5(A)に示され、エアーバッグ31が膨張した状態は図5(B)に示されている。こうしたエアーバッグ31の膨縮に従い硬質な押圧部材32による既述の指圧が行なわれる。この場合、硬い押圧部材32はその複数の可撓変形部38を中心に容易に変形できる。そのため、押圧部材32がエアーバッグ31の表面に重ねられているにも拘らず、エアーバッグ31の膨張を押圧部材32が妨げることがないとともに、エアーバッグ31の膨張に追従させて硬質な押圧部材32を人体首肩部に向けて押し出すことができる。
【0043】
それにより、硬質な押圧部材32の押圧凸部36で、しかも、この凸部36の大きさに応じた局所的で限定した指圧を人体首肩部に作用させて、ポイントマッサージを効果的に行なうことができる。その上、押圧部材32の押圧凸部36の突出方向とエアーバッグ31の膨張方向とが一致していて、押圧凸部36の動きが膨張するエアーバッグ31の頂部の動きに実質的に追従するので、押圧凸部36の変位が大きい。よって、更に効果的なポイントマッサージができる。
【0044】
なお、肩部マッサージ装置15は、リモートコントローラ70での指示に従い、前後位置調整体26を収縮状態に保持したままで、肩マッサージ部25のエアーバッグ31を繰返し膨縮させて使用することもできる。この場合に、エアーバッグ31が膨張した状態を図4中2点鎖線に示す。この使用形態では、押圧凸部36の人体肩部に対する押圧部材32の硬質な押圧凸部36の当たり方が弱くなり、それに応じてマッサージ力を弱くできる。
【0045】
以上のように動作する一対の肩マッサージ部25では、膨縮するエアーバッグ31と、この膨縮に追従できる硬質な押圧部材32とが接着を要することなく連結されている。そのため、エアーバッグ31の繰返し膨縮に拘らず剥れを生じる対象箇所がないので、接着剤を用いて肩マッサージ部25を形成する場合に比較して、耐久性に優れる。しかも、エアーバッグ31と押圧部材32の連結を、それらの係止凸部35と係止孔39との引っ掛かりにより実現したので、特別に工具や連結部品を要することがなく、簡単な作業でマッサージ部25を組立てることができる。
【0046】
前記構成のマッサージ機1では、肩部マッサージユニット22を回動させる要素にエアーバッグからなる前後位置調整体26を用いているとともに、肩マッサージ部25を動作させる要素にも膨縮するエアーバッグ31を用いたので、これらを、椅子本体2に組み込まれた各エアーバッグ17、32、42と、共通の駆動装置50により駆動できる。
【0047】
しかも、前記構成のマッサージ機1は、肩マッサージ部25が表カバー4dで覆われているので、体裁のよい椅子とできる。その上、肩マッサージ部25を使用しない時には、図4に示すようにエアーバッグからなる前後位置調整体26及びマッサージ体29のエアーバッグ31はいずれも収縮した状態にあって、肩マッサージ部25は、立った姿勢で装置フレーム21内に邪魔にならないように格納されている。そのため、通常の背もたれ付き椅子と同様に使用できる。
【0048】
なお、前記実施形態において、前後位置調整体26には、蛇腹状をなす伸縮自在なエアーバッグを使用できる他、エアーバッグに代えて電動モータ及びこれによって往復動されて、先端が回動板28に回動可能に接続された連結部材などを有して形成され、ユニットベースに搭載される前後位置調整体等を用いることができる。
【0049】
又、本発明の肩マッサージ部25の構成は、腰部マッサージ装置等に適用できる。
【0050】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、簡単な構成であるとともに、押圧部材が硬質であるにも拘らず、エアーバッグの膨張時には、押圧部材がその可撓変形部で容易に変形してエアーバッグの膨張を妨げることがなく、このエアーバッグの膨張に押圧部材を容易に追従させることができるため、充分な硬さが確保されている押圧部材の押圧凸部で、人体の被施療部を局所的に限定して押圧するのに好適であり、かつ、膨縮するエアーバッグと、この膨縮に追従できる硬質な押圧部材とが接着を要することなく連結されていて、エアーバッグの繰返し膨縮に拘らず剥れを生じる対象箇所がないので、耐久性に優れたマッサージ体を提供できる。
【0051】
請求項4の発明によれば、人体の被施療部を局所的に限定して押圧するのに好適で、かつ耐久性に優れた請求項1のマッサージ体を備えるマッサージ機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)は本発明の一実施形態に係るマッサージ機を夫々異なる方向から示す斜視図。
【図2】(A)は図1のマッサージ機を背もたれの表カバー及び表部クッションを省略して示す正面図。
(B)は図2(A)中Z−Z線に沿って示す断面図。
【図3】図1のマッサージ機の背もたれの表カバー及び表部クッションを省略して肩部マッサージ装置付近を示す正面図。
【図4】図1のマッサージ機の背もたれの背部カバー及び背部クッションを省略して肩部マッサージ装置付近を示す断面図。
【図5】(A)及び(B)は図4の肩部マッサージ装置の夫々異なる状況を示す断面図。
【図6】図4の肩部マッサージ装置が備えるマッサージ体を示す平面図。
【図7】(A)は図6のマッサージ体を示す斜視図。
(B)は図6のマッサージ体を分解して示す斜視図。
【図8】図1のマッサージ機の給排気の制御系統を示すブロック図。
【符号の説明】
1…マッサージ機
2…椅子本体(マッサージ機本体)
15…肩部マッサージ装置
21…装置フレーム
22…マッサージユニット
25…肩マッサージ部
28…回動板(マッサージ体支持板)
27…肩マッサージ部
29…マッサージ体
31…エアーバッグ
32…押圧部材
33…取付け部
34…給排気口
35…係止凸部
36…押圧凸部
37…押圧部材の取付け腕
37a…取付け腕の取付け端部
38…可撓変形部
39…係止孔
Claims (4)
- 互いに平行な二つの縁を有し、これらの縁の夫々に係止凸部が一体に突設されていて、給排気により膨縮するエアーバッグと、
このエアーバッグより硬質な材料の一体成形品で形成されるとともに、前記エアーバッグの膨張方向に突出する半球状の押圧凸部、前記係止凸部を有した前記縁を回り込んで覆うように曲がるとともに前記係止凸部が引掛けられる係止孔が形成された取付け端部を有して、前記押圧凸部の径方向両側に夫々一体に延出して形成された取付け腕、及びこれら取付け腕の夫々に前記取付け端部と前記押圧凸部との間に設けられて前記エアーバッグの膨縮に追従して変形する可撓変形部を備え、前記係止孔に前記係止凸部を夫々引掛けて前記エアーバッグの表面に重ねられた押圧部材と、
を具備したマッサージ体。 - 請求項1に記載のマッサージ体において、前記押圧部材が硬質合成樹脂の一体成形品であって、前記可撓変形部が薄肉なセルフヒンジで形成されている。
- 請求項1又は2に記載のマッサージ体において、前記エアーバッグの取付け部と給排気口が、前記係止凸部間であってこれらの係止凸部を有した前記縁とは異なる位置で前記エアーバッグの縁に突設されている。
- マッサージ機本体と、
このマッサージ機本体に設けられた請求項1から3の内のいずれか1項に記載のマッサージ体と、
このマッサージ体のエアーバッグにエアーを給排気する駆動装置と、
を具備したマッサージ機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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