JP4014321B2 - メガネにおけるレンズ及びリムの連結構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は縁なしメガネにおける両レンズと連結部材との連結構造、及びレンズ外側に取り付けするヨロイとの連結構造に関するものである。一方レンズを嵌めたリムと連結部材及びヨロイとの連結構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は従来の一般的な縁なしメガネを表わしている。同図に示すように縁なしメガネはレンズ(イ) を保持するためのリムを持たないで、両レンズ(イ) 、(イ) を連結部材(ロ) により直接連結し、またレンズ外側にはヨロイ(ハ) を取着している。そして、該ヨロイ(ハ) には蝶番(ニ) を介してツル(ホ) が折畳み出来るように取り付けされている。レンズ(イ) と連結部材(ロ) とはネジ止めにて連結されているが、連結部材(ロ) の両サイドに止着片(ヘ) を延ばし、この止着片先端にネジを設け、レンズ(イ) に形成した穴を挿通するとともに、裏面にてナットを螺合して締付けされている。
【0003】
図11はレンズ(イ) との連結構造を示す断面図であるが、レンズ(イ) に形成した穴には樹脂製のブッシュ(ト) を嵌着し、このブッシュ穴にネジ(チ) を挿通することで金属接触を防止し、また裏面にはワッシャ(リ) を介在してナット(ヌ) を螺合している。しかし、レンズ(イ) と連結部材(ロ) が一本のネジにて締め付けても該ネジ(チ) を中心とした回転を防止できないために、連結部材(ロ) には当り片(ル) を有し、この当り片(ル) はレンズ外周に当接することで、レンズ(イ) を固定することが出来る。
【0004】
ところで、縁なしメガネではこのような構造にてレンズ(イ) と連結部材(ロ) 並びにレンズ(イ) とヨロイ(ハ) の連結がなされているが、湾曲したレンズ面の所定位置にブッシュ穴を加工することは容易でなく、僅かに位置ズレするならば、当り片(ル) がレンズ外周に当接することが出来なくなり、その結果レンズ(イ) のガタ付きを生じる。または逆に当り片(ル) が嵌まらずしてレンズ取付けが出来ないこともある。
【0005】
そこで、レンズの回り止め手段として上記当り片(ル) を用いることなく、レンズ穴及びネジを多角形断面とすることにより、レンズ(イ) を固定することは出来、このようなレンズの連結構造とした縁なしメガネは多用されている。しかし、別の問題としてレンズ裏面にはナット(ヌ) 及びネジ先端が突出することである。このような構造では、メガネに物が当った際にネジ先端が顔に当たり、ケガをするといった危険性が伴っている。一方リムを備えているメガネにあっては、両リムは連結部材とロウ付けされ、更に、リム外側にはヨロイがロウ付けされた構造となっている。リムの裏側に突出部は存在しないが、ロウ付け作業は面倒であり、熟練のいる作業となっている。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】
このように従来のメガネには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であって、極めて簡単な構造でもってレンズの取付けを可能とした縁なしメガネの連結構造を提供する。また一方においては、ロウ付けすることなくリムを連結し、リム外側にヨロイを取付ける連結構造を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の縁なしメガネにおけるレンズ連結構造ではネジ締めすることなく、一本のピンを介して連結した構造としている。レンズ穴にはブッシュが回転することなく嵌着し、そして該ブッシュのピン穴には同じくピンが回転することなく嵌っている。嵌着したピンは多角形断面をして回らないようになっているだけであるが、上記ブッシュはゴムとプラスチックを一体化した性質を有し、容易に抜けないように固定される。
【0008】
縁なしメガネのレンズ穴に嵌着している従来のブッシュは、ナイロン又はポリカーボネートが使用され、本発明にて用いるブッシュは耐熱老化性、耐候性、耐金属接触劣化性、耐熱性、耐寒性、耐油性、耐薬品性、強靭性、成形性に優れている。そして、この構造はリムの場合もそのまま適用することが出来、レンズを嵌めるリムを備えた一般のメガネフレームのリム連結構造として採用可能である。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
【実施例】
図1は縁なしメガネを示しているが、両レンズ1、1は連結部材2によって連結され、そしてレンズ外側にはヨロイ3が取着され、このヨロイ3にはツル4が折畳み出来るように取付けされている。縁なしメガネとしての基本形態は従来同様であるが、レンズ1、1の連結構造は大きく違っていて、本発明ではネジを使用しない。
【0010】
図2はレンズ1とヨロイ3との連結構造を示している展開図であり、レンズ1にはレンズ穴5を設け、このレンズ穴5に嵌るブッシュ6を有し、そしてブッシュ6の穴にはピン7が嵌着される。レンズ穴5には嵌着したブッシュ6が回転しないように一部に切り欠き溝8を形成し、ブッシュ外周にはこの切欠き溝8に嵌る突片9を有している。ブッシュ6の穴に嵌るピン7はヨロイ3と一体化して形成され、該ヨロイ3が回転しないようにピン7の断面は概略長方形を成して該ブッシュ6の中心軸部に形成した穴に嵌る。この構造は連結部材2とレンズ1間も同じであり、連結部材2の両端にはピン7、7が一体化して形成されていて、このピン7がレンズ穴5に嵌着したブッシュ6の穴に嵌って連結している。
【0011】
ところで、上記ブッシュ6はレンズ穴5に嵌着し、そしてブッシュ6の穴にはピン7が嵌っているだけの構造であって、従来のようなネジ止めした連結構造とはなっていない。すなわち、ブッシュ6はレンズ穴5から簡単に抜けることはなく、しかもヨロイ3のピン7並びに連結部材2のピン7はブッシュ6の穴から外れないように挟持される。
【0012】
このブッシュ6の材質は樹脂であるが、従来の縁なしメガネのブッシュとして使用されているナイロンやポリカーボネートではなく、ゴムとプラスチックを一体化した性質を有し、一旦嵌ったブッシュ6はレンズ穴5から抜けにくく、またピン7を外さない性質を備えている。従来のナイロンやポリカーボネートに比較して引張り強さに大きな違いはないが、ヤング率は比較的小さくなっている。表1はこのブッシュ6の一般的な性質を示している。
【0013】
図3は縁なしメガネにおけるレンズ1とヨロイ10の別形態を示している実施例であり、ヨロイ10には2本のピン11a、11bが設けられ、レンズ1にはこの2本のピン11a、11bが嵌っている2個のブッシュ12a、12bを嵌着する2個のレンズ穴を有している。2本のピン11a、11bで連結するために、レンズ1との間で回転することはなく、ピン11及びブッシュ12は円形断面であっても何ら問題はない。
【0014】
図4は更に本発明の別実施例であり、このメガネは縁なしメガネではなく、リム13を備え、レンズ1は該リム13に嵌っている。そこで、連結部材14は両リム13、13を連結し、ヨロイ15はリム外側に取付けられているが、この連結構造は前記実施例で説明した縁なしメガネの場合と同じである。リムには穴が形成されていて、この穴にブッシュ16が嵌着し、このブッシュ16の穴に連結部材14に形成したピン17、ヨロイ15に形成したピン17が嵌っている。ブッシュ16が嵌着される穴がリム13であっても、レンズ1の場合と同じように抜けることはなく、またピン17が外れることもない。
【0015】
これら実施例では、ブッシュに嵌るピンはレンズの裏面側へ突出しない程度の長さとなっており、またピンは連結部材やヨロイと一体化して形成することなく、独立部品としてブッシュの穴に嵌めてレンズを連結することも可能である。すなわち、図5に断面を示しているように、頭18を有すピン19を使用し、連結部材20に形成した穴を挿通してブッシュ21の穴に嵌着することで、レンズ1と連結部材20を連結することが出来る。ヨロイの場合も同じである。ただし、この場合、ピン19を中心とした回転を阻止する為に、ピンを角型断面としたり、頭18を角型として連結部材20に形成した座に一部嵌るようにする。
【0016】
図6は本発明のレンズ連結構造の別形態であり、この場合には特別に止着具22を使用し、該止着具22の裏側に突出している2本のブッシュ23a、23bをレンズ穴に嵌着して取り付けしている。止着具22には連結穴24が形成され、この連結穴24にヨロイ25が嵌ることが出来る。ヨロイ25は概略L型をなし、一端を連結穴24に嵌めるだけの簡単な構造と成っているが、前記実施例のブッシュと同じ材質が用いられて外れることはない。ここでヨロイ25は概略L型をした単純な形状である為に、その一端部を適度に切断してメガネフロント部の幅が調整出来、同じく連結部材の場合であれば、両止着具22、22に嵌る両端を切断することで両レンズ間の間隔は小さくなる。
【0017】
図7は更に別の実施例であり、レンズ1に取り付けした止着具22の連結穴に連結部材26を嵌めた場合である。止着具22は上記実施例と同じく、2本のブッシュ23a、23bを有し、このブッシュ23a、23bはレンズ穴に嵌って取り付けされている。そして、ブッシュ23の穴を利用して鼻当てパット27が取着される。すなわち、鼻当てパット27から延びる脚28の先端に形成しているピン29がブッシュ23の穴に嵌って取り付けされる。
【0018】
図8は止着具30のブッシュ34をレンズ穴に嵌め、該止着具30には穴31をレンズ面に平行して設け、ヨロイ32の一端はこの穴31に嵌ると共に、屈曲してレンズ後方へ延びる部分は切り欠き溝33に嵌り、該ヨロイ32は回転することなく固定される。図9は上記止着具30a、30b、30c、30dを利用してヨロイ35a、35b、35c、35dを取り付けている具体例である。
【0019】
以上述べたように、本発明のメガネにおけるレンズ及びリムの連結構造は、レンズ穴又はリム穴にブッシュを嵌着するとともに、このブッシュの穴にピンを嵌めたものであり、又止着具に形成したブッシュをレンズ穴又はリム穴に嵌め、この止着具を介して連結部材及びヨロイを取り付けしたものであり、次のような効果を得ることが出来る。
【0020】
【発明の効果】
本発明のレンズ及びリムの連結は、形成した穴に樹脂製ブッシュを嵌着し、このブッシュ穴に連結部材及びヨロイに設けたピンを嵌めただけの構造であり、極めて簡単となり、メガネの組立作業は省力化され、低コストのメガネを提供出来る。このようにピンを嵌めただけの連結構造であるが、ブッシュはゴムとプラスチックを一体化したもので、一旦嵌めたブッシュは簡単に抜けることはなく、またピンも外れない。したがって、ネジ止め構造の場合のように、レンズ裏面にナットとネジ先端が突出することがなく、メガネに物が当っても金属製の突出部がないことで、ケガを防止する上で大きな効果がある。
【0021】
一方、ブッシュを裏側に突出した止着具を介してレンズ又はリムに取り付けし、該止着具の穴に連結部材及びヨロイ端を嵌めて連結することも出来るが、この場合も該止着具がレンズやリムから簡単に外れることはなく、さらに止着具の穴から連結部材及びヨロイは離脱しない。そして連結部材の場合であれば、止着具のブッシュ穴に鼻当てパットの脚ピンを嵌めることで簡単に取り付け出来る。更に上記止着具を用いることで連結部材及びヨロイの形状を多様化することが出来、更に連結部材及びヨロイの端部を適当に切断して止着具の穴に嵌めることでメガネフロント部の幅調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縁なしメガネにおけるレンズ連結構造。
【図2】レンズとヨロイの連結構造を示す詳細。
【図3】他の縁なしメガネにおけるレンズ連結構造。
【図4】リムの連結構造。
【図5】独立ピンを使用した連結構造。
【図6】レンズに取り付けした止着具を介してヨロイを繋ぐ連結構造。
【図7】レンズに取り付けした止着具を介して連結部材を連結すると共に、止着具のブッシュ穴に鼻当てパットの脚ピンを嵌める構造。
【図8】別の止着具を使用したヨロイの取り付け構造。
【図9】止着具を利用して取り付けされるヨロイの形態。
【図10】従来の縁なしメガネ。
【図11】従来の縁なしメガネにおけるネジ止め構造。
【符号の説明】
1 レンズ
2 連結部材
3 ヨロイ
4 ツル
5 レンズ穴
6 ブッシュ
7 ピン
8 切り欠き溝
9 突片
10 ヨロイ
11 ピン
12 ブッシュ
13 リム
14 連結部材
15 ヨロイ
16 ブッシュ
17 ピン
18 頭
19 ピン
20 連結部材
21 ブッシュ
22 止着具
23 ブッシュ
24 連結穴
25 ヨロイ
26 連結部材
27 鼻当てパット
28 脚
29 ピン
30 止着具
31 穴
32 ヨロイ
33 切り欠き溝
34 ブッシュ
35 ヨロイ
【表1】
Claims (1)
- レンズを保持するリムを持たないでレンズを連結部材にて直接連結し、レンズ外側にはヨロイを直接取付けて成る縁なしメガネにおける上記レンズと連結部材又はレンズとヨロイとの連結構造において、レンズには2個のレンズ穴を設けると共に、このレンズ穴にはゴムとプラスチックを一体化した性質の樹脂製ブッシュを嵌着し、そしてブッシュの穴にはヨロイ又は連結部材に形成した2本のピンを嵌めて連結したことを特徴とするメガネにおけるレンズの連結構造。
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