JP4014210B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
LCD(Liquid Crystal Display)等の製造工程においては、LCD用のガラス基板上にITO(Indium Tin Oxide)の薄膜や電極パターンを形成するために、半導体デバイスの製造に用いられるものと同様のフォトリソグラフィ技術が利用される。フォトリソグラフィ技術では、フォトレジストをガラス基板に塗布し、これを露光し、さらに現像する。
【0003】
このような加熱処理を行う基板処理装置では、熱板上に基板を直接載置すると基板に静電気が帯電して製品不良の原因になるため、熱板上にプロキシミティピンを配置して熱板と載置される基板との間にわずかなギャップを設けて加熱するプロキシミティベークが行われている(例えば、特許文献1参照。)。プロキシミティピンはガラス基板が撓んで直接熱板に触れないように所定の間隔で設けられる。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−97269号公報(段落[0019]、図2)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、最近ではガラス基板は、その2辺の長さが例えば1.5m、1.2mと大型化しており、これに伴いプロキシミティピンの数も増加させる必要がある。プロキシミティピンはガラス基板を何度も載置することにより磨耗するため定期的に取替える必要がある。この取替作業では、それぞれのプロキシミティピンについて一つ一つの高さを調節しながら取替えなければならないため、非常に手間がかかる。
【0006】
この問題を解決するため、熱板にワイヤーを張ることが考えられる。ワイヤーの径により熱板と基板との距離を確保でき、取替作業についてはワイヤーを取り替えることで済む。しかし、ワイヤーとガラス基板との接触面積が大きく、熱によりワイヤーの線状の跡がガラス基板に転写してしまうという問題がある。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明ではメンテナンス性に優れ、基板に熱転写の跡が残らない基板処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る基板処理装置は、基板を載置させて熱処理するための載置部と、前記載置部上で基板を支持する複数の支持部材と、前記載置部に着脱自在に設けられ、フレキシブルに変形できる素材からなり、前記複数の支持部材を連結する第1の連結部材とを具備する。
また、前記第1の連結部材を載置部に着脱するときでも第1の連結部材が破損することなく、連結部材の取り替えを容易に行える。これにより、メンテナンス性の向上に一層効果的である。ここで、フレキシブルに変形できるとは、加えられた力に対して破損せず、力に応じて適宜変形することをいう。
本発明の一の形態に係る基板処理装置は、前記素材はステンレスである。
このような構成であれば、第1の連結部材が破損することもなく、ステンレスを用いることで軽量化を計ることができ、連結部材の取り替えを容易に行える。これにより、メンテナンス性の向上にさらに効果的である。
本発明に係る他の基板処理装置は、基板を載置させて熱処理するための載置部と、前記載置部上で基板を支持する複数の支持部材と、前記載置部に着脱自在に設けられ、前記複数の支持部材を連結する第1の連結部材とを具備し、前記第1の連結部材は、両端に前記載置部に装着するための装着部と、前記装着部のうち少なくとも一方に設けられた弾性体とを有し、前記装着部は前記弾性体を介して前記載置部に装着される。
このような構成であれば、弾性体のはたらきで載置部、第1の連結部材及び支持部材の間に一定の張力を生じさせることができる。これにより、支持部材が載置部上で移動することなく、支持部材同士の間隔を一定に保ち、基板の撓みを最小限に抑えることができる。ここで、弾性体とは外力に対して弾性を示す部材をいい、例えばバネ等金属で形成されるものや、ゴム等樹脂で形成されるものを含むものとする。
本発明に係る他の基板処理装置は、基板を載置させて熱処理するための載置部と、前記載置部上で基板を支持する複数の支持部材と、前記載置部に着脱自在に設けられ、前記複数の支持部材を連結する複数の第1の連結部材と、前記載置部に着脱自在に設けられ、前記複数の第1の連結部材を連結する第2の連結部材とを具備する。
このような構成であれば、複数の第1の連結部材が第2の連結部材により連結されているため、第2の連結部材を載置部に着脱することにより、それぞれの第1の連結部材を一度に載置部に着脱することができる。これにより、連結部材の取替を容易に行うことができ、メンテナンスの向上につながる。
本発明の一の形態に係る基板処理装置は、前記第1の連結部材は断面の最大径が0.02mmから0.2mmの範囲である。
このような構成であれば、第1の連結部材は一定の耐久性を有するため、第1の連結部材を取り替える際に破損することもなく、取り替えやすくすることができ、メンテナンス性が確保される。また、基板を第1の連結部材に接しないようにすることができるため、従来のようなワイヤの転写跡も残らなくなる。
【0009】
このような構成であれば、複数の支持部材によって基板を支持することができ、載置部に第1の連結部材を着脱することで連結された支持部材を設置することができる。これにより、従来のように例えばワイヤ等で直接基板を支持することもなく、転写の跡が残らないようにすることができる。また、プロキシミティピンを一つ一つ取り替える必要もなく着脱が容易になるためメンテナンス性が向上する。
【0010】
本発明の一の形態に係る基板処理装置は、前記支持部材は耐熱樹脂で形成されている。
【0011】
支持部材と載置部とは直接接するため、熱による変形を防ぐ必要がある。このような構成であれば、支持部材は耐熱性を有する素材で形成されているため、熱により変形することもない。また、樹脂であれば例えばガラスよりも硬度が低いため、基板としてガラス基板を処理する場合であっても傷をつけずに済む。ここで、耐熱性を有するとは、特に熱を加えた場合であっても外力に対して変形しない性質を有することをいう。
【0012】
本発明の一の形態に係る基板処理装置は、前記耐熱樹脂はポリエーテルエーテルケトンである。
【0013】
ポリエーテルエーテルケトンは約200℃の熱を加えても変形しない樹脂である。このような構成であれば、熱による変形を防ぐことができる。
本発明の一の形態に係る基板処理装置は、前記支持部材は前記載置部に接する接触部を有し、前記接触部が平らである。
このような構成であれば、支持部材が載置部上で移動することなく、支持部材同士の間隔を一定に保ち、基板の撓みを最小限に抑えることができる。
【0014】
本発明の一の形態に係る基板処理装置は、前記支持部材は形状がほぼ球形である。
【0015】
このような構成であれば、基板が球形の支持部材によってピンポイントで支持されるため、基板と支持部材との接触面積を極力小さくすることができる。これにより、従来のようなワイヤによる線状の転写跡が残ることもない。
【0016】
本発明の一の形態に係る基板処理装置は、前記載置部は表面に前記支持部材の個数と等しい数の凹部を有し、前記支持部材は前記載置部のそれぞれ対応する凹部に載置される。
【0017】
このような構成であれば、それぞれの支持部材が凹部に載置されることにより、基板上で移動するのを防止することができる。これにより、支持部材が載置部上で移動することなく、支持部材同士の間隔を一定に保ち、基板の撓みを最小限に抑えることができる。また、基板に傷がつくのを防止することもできる。
本発明の一の形態に係る基板処理装置は、前記支持部材は直径が0.1mmから2mmの範囲である。
このような構成であれば、基板を第1の連結部材や載置部から確実に一定の距離に保たせることができる。これにより、基板が第1の連結部材や載置部に接することもなく、従来のようなワイヤの転写跡も残らない。
【0018】
本発明の一の形態に係る基板処理装置は、前記支持部材は隣り合う該支持部材同士が少なくとも130mm以下の間隔で設けられている。
【0019】
このような構成であれば、基板の撓みを抑えることができる。これにより、基板が第1の連結部材や載置部に接することもなく、転写の跡も残らない。
【0032】
本発明の一の形態に係る基板処理装置は、前記支持部材は前記第1の連結部材に固定されている。
【0033】
このような構成であれば、支持部材が載置部上で移動することを抑えることができる。また支持部材が第1の連結部材に対して移動することを防止できるので、支持部材同士の間隔を一定に保ち、基板の撓みを最小限に抑えることができる。
【0034】
本発明の一の形態に係る基板処理装置は、前記支持部材と前記第1の連結部材とは一体的に形成されている。
【0035】
このような構成であれば、例えば型により成型することができる。これにより、容易に作成することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0039】
[第1実施形態]
(塗布現像処理装置)
図1は本発明が適用されるLCD基板の塗布現像処理装置を示す平面図であり、図2はその正面図、また図3はその背面図である。
【0040】
この塗布現像処理装置1は、複数のガラス基板Gを収容するカセットCを載置するカセットステーション2と、基板Gにレジスト塗布及び現像を含む一連の処理を施すための複数の処理ユニットを備えた処理部3と、露光装置32との間で基板Gの受け渡しを行うためのインターフェース部4とを備えており、処理部3の両端にそれぞれカセットステーション2及びインターフェース部4が配置されている。
【0041】
カセットステーション2は、カセットCと処理部3との間でLCD基板の搬送を行うための搬送機構10を備えている。そして、カセットステーション2においてカセットCの搬入出が行われる。また、搬送機構10はカセットの配列方向に沿って設けられた搬送路12上を移動可能な搬送アーム11を備え、この搬送アーム11によりカセットCと処理部3との間で基板Gの搬送が行われる。
【0042】
処理部3には、X方向に沿ってレジスト塗布処理ユニット(CT)を含む各処理ユニットが並設された上流部3b及び現像処理ユニット(DEV)を含む各処理ユニットが並設された下流部3cとが設けられている。
【0043】
上流部3bにおいて、カセットステーション2側端部には、カセットステーション2側から、基板G上の有機物を除去するためのエキシマUV処理ユニット(e−UV)19と、基板Gにスクラビングブラシで洗浄処理を施すスクラバ洗浄処理ユニット(SCR)とが設けられている。
【0044】
スクラバ洗浄処理ユニット(SCR)の隣には、ガラス基板Gに対して熱的処理を行うユニットが多段に積み上げられた熱処理系ブロック24及び25が配置されている。これら熱処理系ブロック24と25との間には、垂直搬送ユニット5が配置され、搬送アーム5aがZ方向及び水平方向に移動可能とされ、かつθ方向に回動可能とされているので、両ブロック24及び25における各熱処理系ユニットにアクセスして基板Gの搬送が行われるようになっている。なお、垂直搬送ユニット7についてもこの垂直搬送ユニット5と同一の構成を有している。
【0045】
図2に示すように、熱処理系ブロック24には、基板Gにレジスト塗布前の加熱処理を施すベーキングユニット(BAKE)が2段、HMDSガスにより疎水化処理を施すアドヒージョンユニット(AD)が下から順に積層されている。一方、熱処理系ブロック25には、基板Gに冷却処理を施すクーリングユニット(COL)が2段、アドヒージョンユニット(AD)、搬送装置30が下から順に積層されている。
【0046】
熱処理系ブロック25に隣接してレジスト処理ブロック15がX方向に延設されている。このレジスト処理ブロック15は、基板Gにレジストを塗布するレジスト塗布処理ユニット(CT)と、減圧により前記塗布されたレジストを乾燥させる減圧乾燥ユニット(VD)と、本発明に係る基板Gの周縁部のレジストを除去するエッジリムーバ(ER)とが設けられて構成されている。このレジスト処理ブロック15には、レジスト塗布処理ユニット(CT)からエッジリムーバ(ER)にかけて移動する図示しないサブアームが設けられており、このサブアームによりレジスト処理ブロック15内で基板Gが搬送されるようになっている。
【0047】
レジスト処理ブロック15に隣接して多段構成の熱処理系ブロック26が配設されており、この熱処理系ブロック26には、基板Gにレジスト塗布後の加熱処理を行うプリベーキングユニット(PREBAKE)が3段積層され、その下に搬送装置40が設けられている。
【0048】
下流部3cにおいては、図3に示すように、インターフェース部4側端部には、熱処理系ブロック29が設けられており、これには、クーリングユニット(COL)、露光後現像処理前の加熱処理を行うポストエクスポージャーベーキングユニット(PEBAKE)が2段、下から順に積層されている。
【0049】
熱処理系ブロック29に隣接して現像処理を行う現像処理ユニット(DEV)がX方向に延設されている。この現像処理ユニット(DEV)の隣には熱処理系ブロック28及び27が配置され、これら熱処理系ブロック28と27との間には、上記垂直搬送ユニット5と同一の構成を有し、両ブロック28及び27における各熱処理系ユニットにアクセス可能な垂直搬送ユニット6が設けられている。また、現像処理ユニット(DEV)に隣接して、i線処理ユニット(i―UV)33が設けられている。
【0050】
熱処理系ブロック28には、クーリングユニット(COL)、基板Gに現像後の加熱処理を行うポストベーキングユニット(POBAKE)が2段、下から順に積層されている。一方、熱処理系ブロック27も同様に、クーリングユニット(COL)、ポストベーキングユニット(POBAKE)が2段、下から順に積層されている。
【0051】
インターフェース部4には、正面側にタイトラー及び周辺露光ユニット(Titler/EE)22が設けられ、垂直搬送ユニット7に隣接してエクステンションクーリングユニット(EXTCOL)35が、また背面側にはバッファカセット34が配置されており、これらタイトラー及び周辺露光ユニット(Titler/EE)22とエクステンションクーリングユニット(EXTCOL)35とバッファカセット34と隣接した露光装置32との間で基板Gの受け渡しを行う垂直搬送ユニット8が配置されている。この垂直搬送ユニット8も上記垂直搬送ユニット5と同一の構成を有している。
【0052】
(塗布現像処理工程)
以上のように構成された塗布現像処理装置1の処理工程について説明する。先ずカセットC内の基板Gが処理部3部における上流部3bに搬送される。上流部3bでは、エキシマUV処理ユニット(e−UV)19において表面改質・有機物除去処理が行われ、次にスクラバ洗浄処理ユニット(SCR)において、基板Gが略水平に搬送されながら洗浄処理及び乾燥処理が行われる。続いて熱処理系ブロック24の最下段部で垂直搬送ユニットにおける搬送アーム5aにより基板Gが取り出され、同熱処理系ブロック24のベーキングユニット(BAKE)にて加熱処理、アドヒージョンユニット(AD)にて、ガラス基板Gとレジスト膜との密着性を高めるため、基板GにHMDSガスを噴霧する処理が行われる。この後、熱処理系ブロック25のクーリングユニット(COL)による冷却処理が行われる。
【0053】
次に、基板Gは搬送アーム5aから搬送装置30に渡され、搬送装置30により基板Gがレジスト塗布処理ユニット(CT)に搬送され、レジストの塗布処理が行われた後、減圧乾燥処理ユニット(VD)にて減圧乾燥処理、エッジリムーバ(ER)にて基板周縁のレジスト除去処理が順次行われる。
【0054】
次に、基板Gが搬送装置40に渡され、この搬送装置40により垂直搬送ユニット7の搬送アームに渡される。そして熱処理系ブロック26におけるプリベーキングユニット(PREBAKE)にて加熱処理が行われた後、熱処理系ブロック29におけるクーリングユニット(COL)にて冷却処理が行われる。続いて基板Gはエクステンションクーリングユニット(EXTCOL)35にて冷却処理されるとともに露光装置にて露光処理される。
【0055】
次に、基板Gは垂直搬送ユニット8及び7の搬送アームを介して熱処理系ブロック29のポストエクスポージャーベーキングユニット(PEBAKE)に搬送され、ここで加熱処理が行われた後、クーリングユニット(COL)にて冷却処理が行われる。そして基板Gは垂直搬送ユニット7の搬送アームを介して、現像処理ユニット(DEV)において基板Gは略水平に搬送されながら現像処理、リンス処理及び乾燥処理が行われる。
【0056】
次に、基板Gは熱処理系ブロック28における最下段から垂直搬送ユニット6の搬送アーム6aにより受け渡され、熱処理系ブロック28又は27におけるポストベーキングユニット(POBAKE)にて加熱処理が行われ、クーリングユニット(COL)にて冷却処理が行われる。そして基板Gは搬送機構10に受け渡されカセットCに収容される。
【0057】
(熱処理ユニット)
次に、図4〜図9に基づき、本発明に係る基板処理装置の熱処理ユニットにおける構成について説明する。
【0058】
図4は、本発明に係る熱処理装置である熱処理系ブロックの一の外観図である。熱処理系ブロック24〜29はそれぞれ熱処理ユニットを有する。その1つである熱処理ユニット41は、外郭を形成する外箱42、熱処理ユニット41内部のメンテナンス作業を行う場合に取り外す外蓋43、及び基板Gを搬入する搬入口44を有する。熱処理ユニット41の内部には、基板を加熱するホットプレート45が設けられる。ホットプレート45は、例えばアルミ等の金属で形成され、内部には例えば電熱線等の図示しない発熱機構が設けられる。
【0059】
図5は、図4のA−A面における断面図であり、熱処理ユニット41の内部構造を示したものである。熱処理ユニット41の内部には、処理室46及び駆動機構51が設けられている。
【0060】
処理室46内には、ホットプレート45が設けられ、ホットプレート45上には基板Gを支持するための昇降ピン48がそれぞれ挿通される貫通孔47が設けられている。貫通孔47は複数、例えば9個設けられている。また、このホットプレート45上には基板Gを載置する支持球50が載置される。支持球50については後述する。昇降ピン48は保持部材49にそれぞれ保持されている。また、処理室46には、基板Gを搬入するための基板搬入口(図示せず)、及び基板搬入口と対向する面にメンテナンス作業においてホットプレート45を取り出すための取出口57及び取出蓋58(図12参照)が設けられる。基板搬入口には、基板Gを搬入出するための図示しないシャッターが設けられている。基板Gを搬入する際にはこのシャッターが開かれ、基板Gを搬入後、熱処理をする際には閉ざされるようになっている。
【0061】
駆動機構51としては、例えばエアシリンダ52が用いられる。エアシリンダ52のピストン52aに保持部材49を図5のように取り付けることにより、昇降ピン48を垂直方向に昇降させることができる。エアシリンダ52は支持台53により外箱42に取り付けられる。
【0062】
図6に、支持球50を連結した線材54が取り付けられたホットプレート45の全体図を示す。
【0063】
ホットプレート45の表面には、線材54によって連結された支持球50が載置される。ホットプレート45の側面45a及び45bには、線材54を取り付けるための掛ピン55が設けられる。掛ピン55は、例えば人間が操作パネルでレシピの設定を行う際に対面する側面(図1で示す矢印A)、及びこの側面と対向する面に取り付けられるようにする。
【0064】
線材54は例えばSUS(ステンレス)等で形成され、両端にはホットプレート45に取り付けるための掛部54aが形成される。掛部54aをホットプレート45の掛ピン55に掛けることにより線材54をホットプレート45に取り付ける。SUS等で形成する線材54は、ホットプレート45に取り付け又は取り外しを行う際にも折れたりせずフレキシブルに変形するため、取替作業が容易に行える。
【0065】
支持球50は、例えばPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)から形成される。加熱処理をする場合、ホットプレート45の温度は約60℃〜150℃になる。これに対し、PEEKは約200℃の熱を加えても変形しない樹脂である。この樹脂は熱による変形を防ぐこともできる上、例えばガラス等よりも硬度が低いため、基板Gを載置する場合であっても傷をつけずに済む。また、この材質では金属に比べて熱の伝導が少ないため、支持球50自体はそれほど温度が上昇しない。このため、基板Gに転写跡が残るのを抑えることができる。
【0066】
支持球50は一本の線材54に対して例えば10個連結され、このような線材54がホットプレート45に例えば10本取り付けられる。それぞれの支持球50の間隔は130mm以下とすることが好ましく、120mm〜130mmとすると更に好ましい。このようにすれば、基板Gの撓みを抑えることができ、基板が線材54やホットプレート45に接することもなく、転写の跡も残らない。
【0067】
図7は、支持球50が線材54に連結された様子を示す図である。この図に示すように、支持球50の直径は、0.1mm〜2mmとするのが好ましい。これにより、基板Gをホットプレート45や線材54から確実に一定の距離に保たせることができ、基板がホットプレート45や線材54に接することもなく、転写の跡も残らない。また、線材54の最大径は0.02mm〜0.2mmとすることが好ましい。この範囲であれば、線材54がフレキシブルな状態を保ちつつ、一定の強度を保持することができる。
【0068】
線材54の一端には弾性体、例えばバネ54bが設けられる。このバネ54bは、線材54をホットプレート45に取り付けたときに一定の張力を生じさせる働きをする。この張力により、線材54に連結された支持球50がホットプレート45上でX方向又はY方向に移動するのを抑え、支持球50同士の間隔を一定に保ち、基板の撓みを最小限に抑えることができる。バネ54bは、線材54と同じSUSで形成しても良いし、別の金属又はプラスチック等で形成しても良い。図示を省略するが、線材54にかかる張力を測定するセンサを取り付けてもよい。この場合、ある閾値を設け、測定値がこの閾値からずれるとアラームを鳴らすようにするとよい。
【0069】
図8に、図6に示すホットプレート45の側面図を示す。側面45aの掛ピン55にはバネ54bがない方の掛部54aを、側面45bの側の掛ピン55にはバネ54bがある方の掛部54aを取り付けているが、逆であっても構わない。線材54がホットプレート45の端で切断されることがないように、ホットプレート45の端にそれぞれクッション部材56を設けるようにしてもよい。
【0070】
図9は、支持球50を線材54で連結する工程を示した図である。支持球50を線材54で連結する場合、例えば支持球50には線材54を通すことのできる程度の大きさの孔50aを予め開けておく。線材54の一端には予めバネ54bを取り付けておく。支持球50はこの孔50aに線材54を通され、線材54に固定される。この際、例えば接着剤により固定しても良いし、支持球50の両端にカシメ54cを形成することにより固定しても良い。これにより、支持球50がホットプレート45上で移動することを抑えることができる。支持球50を固定したら線材54の端を返して掛部54aを形成する。
【0071】
次に、図10をもとにして、本発明に係る基板処理装置の熱処理ユニットの動作について説明する。
【0072】
基板Gは搬送アーム5a〜7aにより搬入口44から処理室46に搬入される。基板Gが処理室46に搬入されると、昇降ピン48が上昇し、搬送アーム5a〜7aから基板Gを受け取り、基板Gを渡した搬送アーム5a〜7aは退却する。搬送アーム5a〜7aが退却すると昇降ピン48が下降し、基板Gはホットプレート45に取り付けられた支持球上50に載置される。この状態で熱処理が行われる。
【0073】
図11は、基板Gが支持球50上に載置されたときの載置部を拡大して示したものである。この図に示すように支持球50上に載置された基板Gは、支持球50の間で自重により撓みを生じる。この撓みの程度は支持球50の間隔により異なる。つまり、支持球50の間隔が広くなれば、その間での基板Gの自重が大きくなり、撓みも大きくなる。また、逆に支持球50の間隔が狭くなれば、支持球50間での自重は小さくなり、撓みも小さくなる。ある箇所で支持球50同士の間隔が広くなると、他の箇所では間隔が狭くなる。支持球50同士の間隔が一定でないと基板Gの撓みも場所によって異なるようになる。この結果、場所によっては、基板Gの撓みの部分が大きくなりすぎ線材54又はホットプレート45と接触することもありうる。接触部分である線材54やホットプレート45は、それぞれSUS、アルミニウムといった金属を素材とする。これら金属はPEEK等の樹脂よりも熱容量が大きく、線材54やホットプレート45は、加熱時には支持球50よりも高温になっている。このため、支持球50に接しているだけでは転写の跡は残らないが、線材54やホットプレート45に接触すると基板Gに転写の跡が残ることとなる。本実施形態によれば、支持球50同士の間隔が一定に保たれることにより、基板Gにおいて最も撓みの大きい部位でも、線材54又はホットプレート45に接することはなく、転写の跡も残らない。
【0074】
図12は、支持球を交換する際の様子を示したものである。外箱42に取り付けられた外蓋43及び処理室46の取出口57に取り付けられた取出蓋58を開き、ホットプレート45を熱処理ユニット41の外に取り出す。取り出したホットプレート45の側面45a及び45bの掛ピン55に掛けられている掛部54aを取り外すことにより、支持球50及び線材54をホットプレート45から取り外す。新たに取り付ける支持球50及び線材54の掛部54aをホットプレート45のそれぞれの側面45a及び45bの掛ピン55に掛ける。この作業を10本の線材54について行うと、支持球50及び線材54の交換が終了する。支持球50及び線材54の交換が終わったら、ホットプレート45を再び処理室46内に格納し、取出蓋58及び外蓋43を閉じる。このように、掛部54aの取付け・取外しによって支持球50を簡単に交換することができ、メンテナンス性が向上する。
【0075】
[第2実施形態]
図13から図15に基づいて、本発明に係る基板処理装置の熱処理ユニットの第2の実施形態について説明する。
【0076】
まず、構成について説明する。図13はホットプレートの概略図である。ホットプレート45の側面45a及び45bには、掛ピン55を例えば10個取り付けた装着板59が装着板保持部60に保持されている。
【0077】
図14は装着板59についての斜視図である。装着板59の表面には掛ピン55を取り付けるための孔61が等しい間隔で開けられている。この孔61に掛ピン55を取り付け、例えば接着剤等で固定する。
【0078】
装着板保持部60はホットプレート45の側面45a及び45bに例えば図示しないネジ等によって固着されている。ホットプレートと一体的に形成されていても勿論構わない。図13のように装着板保持部60は装着板59の上面59aを除く5面を保持することにより装着板59が確実に位置ずれを起こさないようにする。
【0079】
次に、図15に基づいて作用について説明する。
【0080】
図15はホットプレートを処理室及び外箱から取り出したときの側面図である。ホットプレート45の側面45a及び45bに保持されている装着板59を取り外すことにより、支持球50及び線材54をホットプレート45から取り外す。新たに取り付ける支持球50及び線材54の掛部54aを装着板59の掛ピン55に取り付け、装着板59をそれぞれ装着板保持部60に装着する。この作業により、支持球50及び線材54の交換が終了する。それぞれの掛部54aを装着板59の掛ピン55に掛けておくことにより、支持球50及び線材54をホットプレート45に一度に脱着することができ、メンテナンスの向上につながる。
【0081】
本発明は以上説明した実施形態には限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0082】
例えば、図16に示すように、上記第1及び第2の実施形態で述べた支持球50及び線材54は、例えば型62に溶解樹脂63を流し込み成型することによりそれぞれ支持球部63a及び線材部63bとして一体的に作ることができる。流し込む樹脂はPEEKなどの耐熱性樹脂が好ましい。これにより、作成が容易となる。
【0083】
また、図17に示すように、ホットプレート45に支持球50の一部が隙間なく載置されるように凹部64が設けられるようにしても良い。凹部64は、ホットプレート45を例えば成型で作るようにし、型に凹部64に対応する部分を形成しておくと容易に作成できる。このようにすると支持球50を載置した際に、支持球50がホットプレート45上で移動することを防ぐことができる。これにより、支持球50同士の間隔を一定に保ち、基板Gの撓みを最小限に抑えることができる。また、基板Gに傷がつくのを防ぐこともできる。
【0084】
また、図18に示すように、掛ピン55を表面上に取り付けても良い。図18(a)は、第1実施形態を変形した場合、すなわちホットプレート45の表面に掛ピン55を取り付けた場合を示している。図18(b)は、第2実施形態を変形した場合、すなわち装着板59の上面59aに掛ピン55を取り付けた場合を示している。これにより、線材54の長さを節約することができる。
【0085】
また、図19(a)に示すように、ホットプレート45上で基板Gを支持する部材として、円筒状の支持部材65を用いても良い。支持部材65はホットプレート45と接する面65aが平らな円形である。これにより、ホットプレート45上で移動すること防ぐことができる。図19(b)には、基板Gを支持する部材として上部が曲面状の支持部材66を用いた場合について示す。支持部材66は、基板Gとの接触部が曲面になっているものである。この場合も同様にホットプレート45と接する面66aが平らである。これにより、ホットプレート45上で移動することを防ぐことができる。支持部材65、66は支持球50と同様に例えばPEEKで形成する。また、成型により線材と一体的に形成するようにしても良い。
【0086】
また、上記実施形態では、熱処理ブロック24〜29で基板Gを加熱する場合について説明してきたが、基板Gを冷却する場合においても本発明を適用することができる。また、アドヒージョン処理やレジスト等塗布する処理において加熱等行う場合においても適用できる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、メンテナンス性に優れ、基板に熱転写の跡が残らない基板処理装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る塗布現像処理装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】図1に示す塗布現像処理装置の正面図である。
【図3】図1に示す塗布現像処理装置の背面図である。
【図4】熱処理ユニットの外観を示す斜視図である。
【図5】熱処理ユニットの内部構造を示す断面図である。
【図6】ホットプレートの全体構成を示す斜視図である。
【図7】支持球及び線材を示す平面図である。
【図8】支持球を線材に連結する工程を示す図である。
【図9】ホットプレートの全体構成を示す側面図である。
【図10】基板が支持球上で加熱される様子を示す図である。
【図11】基板が支持球上で加熱される様子を示す図である。
【図12】ホットプレートについてメンテナンス作業を行う様子を示す図である。
【図13】本発明の他の実施の形態に係る塗布現像処理装置のホットプレートの全体構成を示す斜視図である。
【図14】装着板の全体構成を示す斜視図である。
【図15】ホットプレートについてメンテナンス作業を行う様子を示す図である。
【図16】支持球部及び線材部を成型する様子を示す図である。
【図17】ホットプレートの一部を示す断面図である。
【図18】ホットプレートの全体構造を示す側面図である。
【図19】ホットプレート、支持円筒部材及び支持曲面部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
G…基板
1…塗布現像処理装置
24〜29…熱処理系ブロック
41…熱処理ユニット
45…ホットプレート
50…支持球
54…線材
54a…掛部
54b…バネ
54c…カシメ
63a…支持球部
63b…線材部
65…支持円筒部材
65a、66a…面
66…支持曲面部材

Claims (14)

  1. 基板を載置させて熱処理するための載置部と、
    前記載置部上で基板を支持する複数の支持部材と、
    前記載置部に着脱自在に設けられ、フレキシブルに変形できる素材からなり、前記複数の支持部材を連結する第1の連結部材と
    を具備することを特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載の基板処理装置であって、
    前記素材はステンレスである
    ことを特徴とする基板処理装置。
  3. 基板を載置させて熱処理するための載置部と、
    前記載置部上で基板を支持する複数の支持部材と、
    前記載置部に着脱自在に設けられ、前記複数の支持部材を連結する第1の連結部材とを具備し、
    前記第1の連結部材は、
    両端に前記載置部に装着するための装着部と、
    前記装着部のうち少なくとも一方に設けられた弾性体と
    を有し、
    前記装着部は前記弾性体を介して前記載置部に装着される
    ことを特徴とする基板処理装置。
  4. 基板を載置させて熱処理するための載置部と、
    前記載置部上で基板を支持する複数の支持部材と、
    前記載置部に着脱自在に設けられ、前記複数の支持部材を連結する複数の第1の連結部材と、
    前記載置部に着脱自在に設けられ、前記複数の第1の連結部材を連結する第2の連結部材と
    を具備することを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置であって、
    前記第1の連結部材は断面の最大径が0.02mmから0.2mmの範囲である
    ことを特徴とする基板処理装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置であって、
    前記支持部材は耐熱樹脂で形成されている
    ことを特徴とする基板処理装置。
  7. 請求項6に記載の基板処理装置であって、
    前記耐熱樹脂はポリエーテルエーテルケトンである
    ことを特徴とする基板処理装置。
  8. 請求項6に記載の基板処理装置であって、
    前記支持部材は前記載置部に接する接触部を有し、
    前記接触部が平らである
    ことを特徴とする基板処理装置。
  9. 請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置であって、
    前記支持部材は形状がほぼ球形である
    ことを特徴とする基板処理装置。
  10. 請求項9に記載の基板処理装置であって、
    前記載置部は表面に前記支持部材の個数と等しい数の凹部を有し、
    前記支持部材は前記載置部のそれぞれ対応する凹部に載置される
    ことを特徴とする基板処理装置。
  11. 請求項9に記載の基板処理装置であって、
    前記支持部材は直径が0.1mmから2mmの範囲である
    ことを特徴とする基板処理装置。
  12. 請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置であって、
    前記支持部材は隣り合う該支持部材同士が130mm以下の間隔で設けられている
    ことを特徴とする基板処理装置。
  13. 請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置であって、
    前記支持部材は前記第1の連結部材に固定されている
    ことを特徴とする基板処理装置。
  14. 請求項1乃至請求項5のうちのいずれか一項に記載の基板処理装置であって、
    前記支持部材と前記第1の連結部材とは一体的に形成されている
    ことを特徴とする基板処理装置。
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