JP3576826B2 - 加熱処理装置および加熱処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジスト液が塗布されたLCDガラス基板等の基板を露光処理および現像処理に先立って加熱する加熱処理装置および加熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、液晶ディスプレイ(LCD)の製造においては、ガラス製の矩形のLCD基板にフォトレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、回路パターンに対応してレジスト膜を露光し、これを現像処理するという、いわゆるフォトリソグラフィー技術により回路パターンが形成されている。
【0003】
このフォトリソグラフィー工程においては、矩形のLCD基板(以下、基板という)に対して、まず、レジストの定着性を高めるために、アドヒージョン処理が施され、次いでレジスト塗布処理が施される。レジスト塗布処理は、基板を回転させながらその表面中心部にレジスト液が供給され、遠心力によってレジスト液が拡散されることによって基板の表面全体にレジスト膜を塗布する。このレジスト液が塗布された基板は、基板の周縁の余分なレジストが除去されて、プリベーク処理される。
【0004】
次いで、基板は、冷却された後、所定の回路パターンが露光され、必要に応じてポストエクスポージャーベーク処理および冷却処理が施された後、現像処理されて、所定の回路パターンが形成される。その後、ポストベーク処理が施され、冷却されて一連の工程が終了する。
【0005】
このような塗布・現像工程において、プリベーク処理等の加熱処理は、加熱処理ユニットにおいて、加熱プレート設けられた複数のリフトピンに基板を載置した後、これらリフトピンを降下させ、基板が加熱プレートによって加熱されることにより行われる。近年は、基板へのパーティクル等の悪影響を排除するために、加熱プレートと基板との直接の接触を避け、加熱プレートからの輻射熱によって加熱する、いわゆるプロキシミティ方式が多用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した塗布・現像処理工程にあっては、レジスト液が塗布された基板がプロキシミティ方式でプリベーク処理された後、または、このようなプリベーク処理された基板が露光および現像処理された後に、プリベーク処理の際の基板支持ピンの跡が基板に転写されることがある。
【0007】
このような転写が生じるのは、近年、高感度型のレジスト液が用いられるようになってきたこと、および、LCD基板に形成される回路パターンの線幅が3μmと従来よりも細くなったことが原因と推測されるが、その原因は詳細には把握されておらず、したがってこのような転写を防止することは未だ成功していないのが実状である。
【0008】
この支持ピンの転写は、具体的には、プリベーク処理後には、基板上に塗布されたレジスト液の膜厚が、支持ピンの形状に対応して変化することによって生じ、露光・現像処理後には、基板上に形成された回路パターンの線幅が、支持ピンの形状に対応するように変化することにより生じる。また、プリベーク後には転写の存在が認められない場合でも現像後に転写が生じる場合もある。
【0009】
このような支持ピンの転写は、レジスト液の膜厚の不均一、および、回路パターンの線幅の変動に対応しているため、LCD基板の塗布・現像工程においては、このような転写が基板上に生じることを極力防止することが要望されている。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、レジスト液の膜厚の不均一および回路パターンの線幅の変動の指標である支持ピンの転写を防止することができる加熱処理装置および加熱処理方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、レジスト液が塗布された基板を露光処理および現像処理に先立って加熱する加熱処理装置であって、
レジスト液が塗布された基板を輻射熱により加熱するための加熱プレートと、
搬入された基板を昇降して加熱プレート上方の加熱位置に配置するためのリフトピンと、
前記加熱プレート上に固定され、加熱プレートから微小間隔をおいて基板を支持するための支持ピンと
を具備し、
前記支持ピンの材料として熱伝導率が3.0〜12.0(W/m・K)のもの(セラミック製のものを除く)を用いて、その基板の前記支持ピン接触部と非接触部との温度差を小さくし、現像後における基板への前記支持ピンの転写の発生を抑制することを特徴とする加熱処理装置が提供される。
【0013】
露光・現像処理後においては、図1に示す加熱プレート72に固定された支持ピン73に加熱プレート72から微小間隔をおいて基板Gが支持される場合に、 支持ピン73の材質がフッ素樹脂(PCTFE等)の場合には、その熱伝導率が低いため、基板G上に形成された回路パターン80の線幅が支持ピン73の形状に対応して細くなるものと推測される。すなわち、フッ素樹脂製の支持ピン73の熱伝導率が低いことから、図1(a)に示すように、加熱プレート72から支持ピン73を介して基板Gに直接伝導される単位面積当たりの熱量Qが、加熱プレート72から輻射により基板Gに供給される単位面積あたりの熱量qよりも相当量少なく、支持ピン73が接触する部分の温度が非接触部分の温度よりも低いため、その部分のレジスト感度が高くなっており、したがって、図1(b)に示すように、露光・現像後の回路パターンにおいて、支持ピンに対応した部分の線幅が細くなるものと推測される。
【0014】
また、図2に示すように、加熱プレート72の支持ピン73の材質がステンレス鋼(SUS)の場合には、その熱伝導率が高いため、基板G上に形成された回路パターン80の線幅が固定ピン73の形状に対応して太くなるものと推測される。すなわち、ステンレス鋼製の支持ピン73の熱伝導率が高いことから、図2(a)に示すように、加熱プレート72から支持ピン73を介して基板Gに直接伝導される単位面積当たりの熱量Qが、加熱プレート72から輻射により基板Gに供給される単位面積あたりの熱量qよりも相当量多く、支持ピン73が接触する部分の温度が非接触部分の温度よりも高いため、その部分のレジスト感度が低くなっており、したがって、図2(b)に示すように、露光・現像後の回路パターンにおいて、支持ピンに対応した部分の線幅が太くなると推測される。
【0015】
このため、本発明では、支持ピンを介して熱伝導により基板に供給される単位面積あたりの熱量と、前記加熱プレートから輻射により基板に供給される単位面積あたり熱量との差が小さくなるように、熱伝導率が3.0〜12.0(W/m・K)の材料で支持ピンを構成して、支持ピンの接触部と非接触部とで大きな温度差が生じないようにし、現像後における基板への前記支持ピンの転写の発生を抑制する。その結果、転写による回路パターンの線幅の不均一を防止することができる。
【0016】
さらに、本発明では、レジスト液が塗布された基板を露光処理および現像処理に先立って加熱する加熱処理装置であって、
レジスト液が塗布された基板を輻射熱により加熱するための加熱プレートと、
搬入された基板を昇降するとともに、加熱プレートから微小間隔をおいて基板を支持するためのリフトピンと
を具備し、
前記リフトピンの材料として熱伝導率が3.0〜12.0(W/m・K)のもの(セラミック製のものを除く)を用いて、その基板の前記リフトピン接触部と非接触部との温度差を小さくし、現像後における基板への前記支持ピンの転写の発生を抑制することを特徴とする加熱処理装置が提供される。
【0018】
このように、リフトピンが支持ピンとして機能する場合にも、同様に、支持ピンとして機能するリフトピンの材料として熱伝導率が3.0〜12.0(W/m・K)のもの(セラミック製のものを除く)を用いて、その基板の前記リフトピン接触部と非接触部との温度差を小さくし、現像後における基板への前記支持ピンの転写の発生を抑制するので、転写による回路パターンの線幅の不均一を防止することができる。
【0020】
さらにまた、本発明では、レジスト液が塗布された基板を露光処理および現像処理に先立って、加熱プレートから突出して設けられたピンに基板を載置することにより加熱プレートから微小間隔をおいた状態で加熱する加熱処理方法であって、
加熱ピンの材料を熱伝導率が3.0〜12.0(W/m・K)のもの(セラミック製のものを除く)として、加熱した際のその基板の前記ピン接触部と非接触部との温度差を小さくし、現像後における基板への前記支持ピンの転写の発生を抑制することを特徴とする加熱処理方法が提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
図3は、本発明が適用されるLCD基板の塗布・現像処理システムを示す平面図である。
【0022】
この塗布・現像処理システムは、複数の基板Gを収容するカセットCを載置するカセットステーション1と、基板Gにレジスト塗布および現像を含む一連の処理を施すための複数の処理ユニットを備えた処理部2と、露光装置(図示せず)との間で基板Gの受け渡しを行うためのインターフェース部3とを備えており、処理部2の両端にそれぞれカセットステーション1およびインターフェース3が配置されている。
【0023】
カセットステーション1は、カセットCと処理部2との間でLCD基板の搬送を行うための搬送機構10を備えている。そして、カセットステーション1においてカセットCの搬入出が行われる。また、搬送部10はカセットの配列方向に沿って設けられた搬送路10a上を移動可能な搬送機構11を備え、この搬送アーム11によりカセットCと処理部2との間で基板Gの搬送が行われる。
【0024】
処理部2は、前段部2aと中段部2bと後段部2cとに分かれており、それぞれ中央に搬送路12、13、14を有し、これら搬送路の両側に各処理ユニットが配設されている。そして、これらの間には中継部15、16が設けられている。
【0025】
前段部2aは、搬送路12に沿って移動可能な主搬送装置17を備えており、搬送路12の一方側には、2つの洗浄ユニット(SCR)21a、21bが配置されており、搬送路12の他方側には紫外線照射・冷却ユニット(UV/COL)25、それぞれ上下2段に積層されてなる加熱処理ユニット(HP)26および冷却ユニット(COL)27が配置されている。
【0026】
また、中段部2bは、搬送路13に沿って移動可能な主搬送装置18を備えており、搬送路13の一方側には、レジスト塗布処理ユニット(CT)22および基板Gの周縁部のレジストを除去するエッジリムーバー(ER)23が一体的に設けられており、搬送路13の他方側には、二段積層されてなる加熱処理ユニット(HP)28、加熱処理ユニットと冷却処理ユニットが上下に積層されてなる加熱処理・冷却ユニット(HP/COL)29、およびアドヒージョン処理ユニットと冷却ユニットとが上下に積層されてなるアドヒージョン処理・冷却ユニット(AD/COL)30が配置されている。
【0027】
さらに、後段部2cは、搬送路14に沿って移動可能な主搬送装置19を備えており、搬送路14の一方側には、3つの現像処理ユニット24a、24b、24cが配置されており、搬送路14の他方側には上下2段に積層されてなる加熱処理ユニット31、および加熱処理ユニットと冷却処理ユニットが上下に積層されてなる2つの加熱処理・冷却ユニット(HP/COL)32、33が配置されている。
【0028】
なお、処理部2は、搬送路を挟んで一方の側に洗浄処理ユニット21a、レジスト処理ユニット22、現像処理ユニット24aのようなスピナー系ユニットのみを配置しており、他方の側に加熱処理ユニットや冷却処理ユニット等の熱系処理ユニットのみを配置する構造となっている。
【0029】
また、中継部15、16のスピナー系ユニット配置側の部分には、薬液供給ユニット34が配置されており、さらに主搬送装置の出し入れが可能なスペース35が設けられている。
【0030】
上記主搬送装置17は、搬送部10の搬送機構11との間で基板Gの受け渡しを行うとともに、前段部2aの各処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬出、さらには中継部15との間で基板Gの受け渡しを行う機能を有している。また、主搬送装置18は中継部15との間で基板Gの受け渡しを行うとともに、中段部2bの各処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬出、さらには中継部16との間の基板Gの受け渡しを行う機能を有している。さらに、主搬送装置19は中継部16との間で基板Gの受け渡しを行うとともに、後段部2cの各処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬出、さらにはインターフェース部3との間の基板Gの受け渡しを行う機能を有している。なお、中継部15、16は冷却プレートとしても機能する。
【0031】
インターフェース部3は、処理部2との間で基板を受け渡しする際に一時的に基板を保持するエクステンション36と、さらにその両側に設けられた、バッファーカセットを配置する2つのバッファーステージ37と、2つのバッファーステージ37と、これらと露光装置(図示せず)との間の基板Gの搬入出を行う搬送機構38とを備えている。搬送機構38はエクステンション36およびバッファステージ37の配列方向に沿って設けられた搬送路38a上を移動可能な搬送アーム39を備え、この搬送アーム39により処理部2と露光装置との間で基板Gの搬送が行われる。
【0032】
このように各処理ユニットを集約して一体化することにより、省スペース化および処理の効率化を図ることができる。
【0033】
このように構成される塗布・現像処理システムにおいては、カセットC内の基板Gが、処理部2に搬送され、処理部2では、まず、前段部2aの紫外線照射・冷却ユニット(UV/COL)25で表面改質・洗浄処理およびその後の冷却された後、洗浄ユニット(SCR)21a,21bでスクラバー洗浄が施され、加熱処理ユニット(HP)26の一つで加熱乾燥された後、冷却ユニット(COL)27の一つで冷却される。
【0034】
その後、基板Gは中段部2bに搬送され、レジストの定着性を高めるために、ユニット30の上段のアドヒージョン処理ユニット(AD)にて疎水化処理(HMDS処理)され、冷却ユニット(COL)で冷却後、レジスト塗布ユニット(CT)22でレジストが塗布され、エッジリムーバー(ER)23で基板Gの周縁の余分なレジストが除去される。その後、基板Gは、中段部2bの中の加熱処理ユニット(HP)の一つでプリベーク処理され、ユニット29または30の下段の冷却ユニット(COL)で冷却される。
【0035】
その後、基板Gは中継部16から主搬送装置19にてインターフェース部3を介して露光装置に搬送されてそこで所定のパターンが露光される。そして、基板Gは再びインターフェース部3を介して搬入され、現像処理ユニット(DEV)24a,24b,24cのいずれかで現像処理され、所定の回路パターンが形成される。現像処理された基板Gは、後段部2cのいずれかの加熱処理ユニット(HP)にてポストベーク処理が施された後、冷却ユニット(COL)にて冷却され、主搬送装置19,18,17および搬送機構11によってカセットステーション1上の所定のカセットに収容される。
【0036】
次に、本実施の形態に係る塗布・現像処理システムに装着されるレジスト塗布処理ユニット(CT)22およびエッジリムーバー(ER)23について説明する。図4は、レジスト塗布処理ユニット(CT)およびエッジリムーバー(ER)の全体構成を示す概略断面図および概略平面図である。
【0037】
図4に示すように、これらレジスト塗布処理ユニット(COT)22およびエッジリムーバー(ER)23は、同一のステージに一体的に並設されている。レジスト塗布処理ユニット(COT)22でレジストが塗布された基板Gは、ガイドレール42に沿って移動可能な一対の搬送アーム41によりエッジリムーバー(ER)23に搬送されるようになっている。なお、レジスト塗布処理ユニット(COT)22の搬送路13側の面には、主搬送装置18により基板Gが搬入される搬入口22aが形成されており、エッジリムーバー(ER)23の搬送路13側の面には、主搬送装置18により基板Gが搬出される搬出口22aが形成されている。
【0038】
レジスト塗布処理ユニット(COT)22は、基板Gを吸着保持する水平回転可能なスピンチャック51、このスピンチャック51の上端部を囲みかつこのスピンチャック51に吸着保持された基板Gを包囲して上端部が開口する有底円筒形状の回転カップ52、回転カップ52の上端開口にかぶせられる蓋体(図示略)、回転カップ52の外周を取り囲むように固定配置され、レジスト塗布の際にレジストの飛散を防止するためのコーターカップ53、およびコーターカップ53を取り囲むように配置された中空リング状のドレンカップ54を備えている。そして、後述するレジストの滴下時には、回転カップ52は蓋体が開かれた状態とされ、図示しない回転機構により基板Gがスピンチャック51とともに低速で回転されると同時に回転カップ52も回転され、レジストの拡散時には、回転カップ52は図示しない蓋体がかぶせられた状態とされ、図示しない回転機構により基板Gがスピンチャック51とともに高速で回転されると同時に、回転カップ52も回転されるようになっている。
【0039】
また、レジスト塗布処理ユニット(COT)22は、基板Gにレジスト液および溶剤を供給するための噴頭56を先端に有するアーム55を有している。アーム55は、軸55aを中心として回動可能となっており、レジスト塗布時には噴棟6がスピンチャック51に吸着された基板Gの上方に位置し、基板G搬送時等には、図示するように、ドレンカップ54のさらに外側の待機位置に置かれる。噴頭56には、レジスト液を吐出するレジストノズル57およびシンナー等の溶剤を吐出する溶剤ノズル58が設けられている。レジストノズル57は、レジスト供給管(図示略)を介してレジスト供給部(図示略)に接続されており、溶剤ノズル58は、溶剤供給管(図示略)を介して溶剤供給部(図示略)に接続されている。
【0040】
エッジリムーバー(ER)23には、載置台61が設けられ、この載置台61に基板Gが載置されている。この基板Gの四辺には、それぞれ、基板Gの四辺のエッジから余分なレジスト液を除去するための四個のリムーバーヘッド62が設けられている。各リムーバーヘッド62は、内部からシンナーを吐出するように断面略U字状を有し、基板Gの四辺に沿って移動機構(図示略)によって移動されるようになっている。これにより、各リムーバーヘッド62は、基板Gの各辺に沿って移動してシンナーを吐出しながら、基板Gの四辺のエッジに付着した余分なレジストを取り除くことができる。
【0041】
このように一体的に構成されたレジスト塗布処理ユニット(COT)22およびエッジリムーバー(ER)23においては、まず、レジスト塗布処理ユニット(COT)22において、スピンチャック51および回転カップ52とともに基板Gが回転され、噴頭56が基板Gの中心上方に位置するようにアーム55が回動され、溶剤ノズル58から基板Gの表面中心にシンナーが供給される。
【0042】
続いて、基板Gを回転させた状態でレジストノズル57から基板Gの中心にレジストを滴下して基板G全体に拡散させ、その後図示しない蓋体で回転カップ52を閉塞し、基板Gの回転数を上昇させてレジスト膜の膜厚を整える。
【0043】
このようにしてレジスト塗布が終了した基板Gは、スピンチャック51から搬送アーム41によりエッジリムーバー(ER)23に搬送され、載置台61上に載置される。エッジリムーバー(ER)23では、4個のリムーバーヘッド62が基板Gの各辺に沿って移動し、吐出されたシンナーにより基板Gの四辺のエッジに付着した余分なレジストが除去される。
【0044】
次に、図5を参照して、プリベーク処理用の加熱処理ユニット(HP)(ユニット28およびユニット29の上段)について説明する。図5は、プリベーク用の加熱処理ユニット(HP)の概略断面図である。
【0045】
この加熱処理ユニット(HP)は、図5に示すように、昇降自在のカバー71を有し、このカバー71の下側には、基板Gを加熱するための加熱プレート72がその面を水平にして配置されいてる。この加熱プレート72には、ヒーター(図示せず)が装着されており、所望の温度に設定可能となっている。
【0046】
この加熱プレート72の表面には、複数の固定された支持ピン(プロキシミティピン)73が設けられており、これらの支持ピン73によって加熱プレート72との間に微小間隔をおいて基板Gが保持される。すなわち、プロキシミティ方式が採用されており、加熱プレート72と基板Gとの直接の接触を避け、加熱プレート72からの輻射熱によって、基板Gが加熱処理されるようになっている。これにより、加熱プレート72からの基板Gの汚染が防止される。
【0047】
また、加熱プレート72の複数の孔を通挿して、複数のリフトピン74が昇降自在に設けられている。これらリフトピン74の下部は、支持部材75により、弾性的に且つ水平方向移動自在に支持されており、この支持部材75は、昇降機構76により昇降されるように構成されている。これにより、昇降機構76によって支持部材75が上昇されると、リフトピン74が上昇され、搬入された基板Gがこのリフトピンにより受け取られ、次いで、昇降機構76により下降されて加熱プレート72の表面に設けられた支持ピン73の上に載置される。そして、加熱処理終了後、リフトピン54は昇降機構76により再び上昇されて基板Gを搬出位置まで持ち上げるようになっている。
【0048】
本実施形態では、固定された支持ピン(プロミシミティピン)73は、それが加熱プレート72から微小間隔をおいて基板Gを支持した際に、その支持ピン73を介して熱伝導により基板Gに供給される単位面積あたりの熱量と、加熱プレート72から輻射により基板に供給される単位面積あたりの熱量との差が小さくなるように、好ましくはこれらがほぼ等価になるように、熱伝導率(λ)が3.0〜12.0(W/m・K)である材料で構成されることが好ましい。このような材料としては、金属、合金等が挙げられ、花崗岩(λ=4.3(W/m・K))、耐熱合金であるインコロイ800(λ=11.5(W/m・K))等が例示される。
【0049】
このように構成された加熱処理ユニット(HP)においては、上述したレジスト塗布ユニット(COT)22でレジスト液が塗布され、エッジリムーバー(ER)23で端面処理された基板Gが搬入され、上昇されたリフトピン74に受け取られる。その後、リフトピン74を下降させることにより、基板Gが支持ピン73上に載置され、加熱プレート72により例えば100〜120℃の温度でプリベーク処理される。
【0050】
この場合に、上述したように、支持ピン(プロミシミティピン)73を、それが加熱プレート72から微小間隔をおいて基板Gを支持した際に、支持ピン73を介して熱伝導により基板Gに供給される単位面積あたりの熱量Qと、加熱プレート72から輻射により基板に供給される単位面積あたり熱量qとの差が小さくなるように、好ましくは図6(a)に示すようにこれら熱量がほぼ等価になるように、熱伝導率(λ)が3.0〜12.0(W/m・K)である材料で構成して、支持ピン73の接触部と非接触部とで大きな温度差が生じないようにし、現像後における基板への支持ピン73の転写の発生を抑制するので、図6(b)に示すように、露光・現像後の回路パターンにおいて、支持ピン73の転写による回路パターンの線幅の不均一を防止することができる。
【0052】
これに対して、支持ピン73がフッ素樹脂(PCTFE等)で構成されている場合には、熱伝導率(λ)が0.24(W/m・K)と小さく、上述した図1(a)に示すように、支持ピン73を介して熱伝導により基板Gに供給される単位面積あたりの熱量Qが、加熱プレート72から輻射により基板に供給される単位面積あたり熱量qよりも相当量少なくなり、支持ピン73が接触する部分の温度が非接触部分の温度よりも低いため、図1(b)に示すように、露光・現像後の回路パターンにおいて、支持ピンに対応した部分の線幅が細くなる。
【0053】
また、支持ピン73がステンレス鋼(SUS304)で構成されている場合には、熱伝導率(λ)が16.0(W/m・K)と大きく、上述した図2(a)に示すように、支持ピン73を介して基板Gに直接伝導される単位面積当たりの熱量Qが、加熱プレート72から輻射により基板Gに供給される単位面積あたりの熱量qよりも相当量多くなり、支持ピン73が接触する部分の温度が非接触部分の温度よりも高いため、図2(b)に示すように、露光・現像後の回路パターンにおいて、支持ピンに対応した部分の線幅が太くなる。
【0054】
このように、本実施形態では、支持ピン73の熱伝導率(λ)を適切に制御するので、基板Gにおける支持ピン73が接触する部分の温度と非接触部分の温度とをほぼ同等の温度とすることができ、露光・現像後にレジスト感度の差に起因する支持ピン73の転写、すなわち支持ピン73に対応する部分の線幅の不均一を防止することができる。
【0055】
また、図7に示すように、加熱プレート52に固定され支持ピン73を用いず、リフトピン74で基板Gを支持してプロキシミティー方式で加熱する場合もあり得るが、この場合には、支持ピンとして機能するリフトピン74を支持ピン73と同様の熱伝導率を有する材料で構成する。
【0056】
なお、固定の支持ピン73とリフトピン74を併用する場合であっても、リフトピン74についてもわずかな時間ではあるが基板Gを支持するので、転写を完全に防止する観点からは、リフトピン74も上記リフトピン73と同様の熱伝導率を有する材料で構成することが望ましい。
【0057】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、支持ピンの材質は上記実施形態に示したものに限らず、基板における支持ピンの接触部と非接触部との温度差が生じない程度の熱伝導率を有するものであれば採用可能である。また、上記実施の形態では、被処理基板としてLCD基板を用いたが、これに限らず半導体ウエハ等、レジストを用いてフォトリソグラフィー技術によりパターンを形成する被処理基板であれば適用可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板を加熱プレートから微小間隔をおいて支持ピン上に載置して加熱する際に、支持ピンの熱伝導率を適宜設定することにより、その基板の前記支持ピン接触部と非接触部との温度差を小さくし、現像後における基板への前記支持ピンの転写の発生を抑制するので、転写による回路パターンの線幅の不均一を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱伝導率の低い支持ピンを用いた場合における加熱プレートから基板への熱の供給状態を示す断面図、およびその支持ピンを用いてベーク処理し、さらに露光・現像することにより基板に形成された回路パターンを示す平面図。
【図2】熱伝導率の高い支持ピンを用いた場合における加熱プレートから基板への熱の供給状態を示す断面図、およびその支持ピンを用いてベーク処理し、さらに露光・現像することにより基板に形成された回路パターンを示す平面図。
【図3】本発明の一実施形態に係る加熱処理ユニットが適用されるLCD基板の塗布・現像処理システムを示す平面図。
【図4】図3のシステムに適用されたレジスト塗布処理ユニット(CT)およびエッジリムーバーの全体構成を示す概略平面図。
【図5】図3のシステムに適用された加熱処理ユニット(HP)の概略断面図。
【図6】本発明の熱伝導率を有する支持ピンを用いた場合における加熱プレートから基板への熱の供給状態を示す断面図、およびその支持ピンを用いてベーク処理し、さらに露光・現像することにより基板に形成された回路パターンを示す平面図。
【図7】本発明の熱伝導を有する支持ピンを用いた場合における加熱プレートから基板への熱の供給状態を示す断面図、およびその支持ピンを用いてベーク処理し、さらに露光・現像することにより基板に形成された回路パターンを示す平面図。
【符号の説明】
22;レジスト塗布処理ユニット
23;エッジリムーバー
HP;加熱処理ユニット
72;加熱プレート
73;支持ピン(プロキシミティピン)
74;リフトピン
G;LCD基板
Claims (3)
- レジスト液が塗布された基板を露光処理および現像処理に先立って加熱する加熱処理装置であって、
レジスト液が塗布された基板を輻射熱により加熱するための加熱プレートと、
搬入された基板を昇降して加熱プレート上方の加熱位置に配置するためのリフトピンと、
前記加熱プレート上に固定され、加熱プレートから微小間隔をおいて基板を支持するための支持ピンと
を具備し、
前記支持ピンの材料として熱伝導率が3.0〜12.0(W/m・K)のもの(セラミック製のものを除く)を用いて、その基板の前記支持ピン接触部と非接触部との温度差を小さくし、現像後における基板への前記支持ピンの転写の発生を抑制することを特徴とする加熱処理装置。 - レジスト液が塗布された基板を露光処理および現像処理に先立って加熱する加熱処理装置であって、
レジスト液が塗布された基板を輻射熱により加熱するための加熱プレートと、
搬入された基板を昇降するとともに、加熱プレートから微小間隔をおいて基板を支持するためのリフトピンと
を具備し、
前記リフトピンの材料として熱伝導率が3.0〜12.0(W/m・K)のもの(セラミック製のものを除く)を用いて、その基板の前記リフトピン接触部と非接触部との温度差を小さくし、現像後における基板への前記支持ピンの転写の発生を抑制することを特徴とする加熱処理装置。 - レジスト液が塗布された基板を露光処理および現像処理に先立って、加熱プレートから突出して設けられたピンに基板を載置することにより加熱プレートから微小間隔をおいた状態で加熱する加熱処理方法であって、
加熱ピンの材料を熱伝導率が3.0〜12.0(W/m・K)のもの(セラミック製のものを除く)として、加熱した際のその基板の前記ピン接触部と非接触部との温度差を小さくし、現像後における基板への前記支持ピンの転写の発生を抑制することを特徴とする加熱処理方法。
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