JP4011310B2 - 急結剤供給装置および急結剤の供給方法 - Google Patents

急結剤供給装置および急結剤の供給方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は急結剤供給装置、吹付け接続台車および急結剤の供給方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、吹付けコンクリートは、NATM工法等によりトンネルを構築する場合の、トンネル掘削後の地山に起こる初期の緩みを抑え、肌落ちなどを抑制できるので、他の切羽作業の安全性を向上させる支保効果がある。
このため、掘削面を覆う通常の吹付けだけでなく、切羽の自立性を高めるための切羽吹付や、早期に断面閉合を図るための仮インバート等にも用いられることがある。
吹付けコンクリートは、NATM工法の支保構造として重要である。この吹付けコンクリートは、一般に、強度を得るため、早期に硬化させる必要がある。このため、吹付けコンクリートには、種々の急結剤が配合される。この急結剤は、吹付けの直前に吹付けコンクリートに混合され、吹付けコンクリートに急結性を付与する役割をする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、粉体の急結剤を吹付けコンクリートに供給する際には、20kgバックで混合装置の近傍に供給されるため、積み込む時に作業員の手間がかかり、また、作業員が急結剤を吸い込んでしまう可能性があった。また、急結剤の空袋の処理に、産業廃棄物処理費が発生し、焼却処分をする場合はダイオキシンの問題が発生していた。
【0004】
本発明はこのような問題を鑑みてなされたものでその目的とするところは、急結剤を再利用の可能な大容量の袋から投入し、吹付けコンクリートに混合するために圧送することの可能な急結剤供給装置および急結剤の供給方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために第1の発明は、粉体を投入するタンクと、前記粉体を圧送する添加機と、前記タンクから前記添加機へ前記粉体を供給する運搬装置と、を具備する急結剤供給装置であって、前記粉体は、急結剤であり、前記タンクは、上面に前記粉体を投入するための投入口と、投入口の蓋であり旋回して開閉可能な投入蓋と、前記投入蓋の上部に受け台を備え、前記添加機は、上面に前記粉体を投入するための投入口と、投入口の蓋である投入蓋とを備え、前記運搬装置は、横送りスクリュと、縦送りスクリュと、前記スクリュの駆動装置と、前記縦送りスクリュと前記添加機の投入口とをつなぐ旋回可能な鋼管製シュートと、を具備し、前記横送りスクリュと前記縦送りスクリュとを稼働させて前記粉体を移動させる振動フィーダであることを特徴とする急結剤供給装置である。
【0006】
第2の発明は、請求項1記載の急結剤供給装置により急結剤を供給することを特徴とする急結剤の供給方法であって、前記受け台に急結剤バックをセットし、前記タンクの投入口より急結剤をタンクに供給する工程(a)と、前記タンクの投入蓋を閉め、前記添加機の投入蓋を開け、前記添加機の投入口に前記シュートをセットし、前記振動フィーダを稼働させて前記タンクから前記横送りスクリュ、前記縦送りスクリュおよびシュートを介して、前記添加機に急結剤を投入する工程(b)と、前記添加機の投入蓋を閉め、前記急結剤出口より急結剤を圧送する工程(c)と、を具備することを特徴とする急結剤の供給方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、吹付けコンクリートの吹付けシステム7の構成図である。
図1に示すように、地山3に構築されるトンネル1内において、トンネル1の覆工を行う吹付けコンクリートの吹付けシステム7は、エレクタ台車10、吹付け接続台車13、コンクリート供給部15により構成される。この吹付けシステム7は、トンネル1内の底部2上を移動可能である。
【0009】
エレクタ台車10は、吹付けシステム7の最前部を構成し、吹付けコンクリートをトンネル1の掘削後の地肌に吹付けるための吹付けロボット25を搭載している。吹付けロボット25は、上下左右前後に移動可能なアーム26を備え、アーム26の先端には、軸24が設けられ、軸24の前部には、吹付けコンクリートを吹付けるためのノズル23が設けられている。また、軸24の後部には、作業員が載るための作業台27が設けられる。
【0010】
ノズル23には、吹付けコンクリートを供給するゴムホース29が接続されている。このゴムホース29の他端は、混合装置35に接続される。混合装置35には、コンクリート供給部15から通じ、吹付けコンクリートを供給するコンクリート供給管31と、急結剤供給装置100から通じ、粉体である急結剤を供給する急結剤供給管33とが接続される。
尚、エレクタ台車10および吹付けロボット25は、図1に示される構成に限らず、トンネル1内を移動可能であり、吹付けコンクリートを吹付ける機能を有していればよい。
【0011】
吹付け接続台車13は、エレクタ車10の後方に位置し、基台20上に急結剤を供給する急結剤供給装置100を搭載する。また、吹付け接続台車13はコンプレッサ17、運転部19、電動リール21を備え、車輪16によりトンネル1の底部2上を移動可能である。
コンクリート供給部15は、吹付け接続台車13の後方に位置し、圧送された吹付けコンクリートを吹付けシステム7に供給するための投入口の役割をする。コンクリート吹付機15は、台板14の上に設けられる。吹付け接続台車13は、昇降リフト22を有する。
【0012】
以上のように、吹付けシステム7は、コンクリート吹付機15よりコンクリート供給管31を通して供給される吹付けコンクリートと、急結剤供給装置100より急結剤供給管33を通して供給される急結剤とを、混合装置35により混合し、ゴムホース29を通してノズル23に供給し、ノズル23からトンネル1内に吹付けコンクリートを吹付ける構成となる。
【0013】
次に、急結剤供給装置100について、詳細に説明する。
図2は、図1に示す吹付け接続台車13の平面図であり、図3は、図2のA方向矢視図であり、図4は、図2に示す急結剤供給装置100のB方向矢視図である。また、図5は、バック受け入れタンク121の平面図であり、図6は、図2のバック受け入れタンク121の上部B方向矢視図である。
【0014】
図2から図6に示すように、急結剤供給装置100は、吹付けシステム7を構成する吹付け接続台車13の基台20上に搭載されている。吹付け接続台車13は、基台20上に急結剤供給装置100の他、エアドライヤ16、吹付けコンクリートおよび急結剤を圧送するためのコンプレッサ17、運転部19、電動リール21、作業フロア37等を備える。また、吹付け接続台車13の後部には、コンクリート供給部15が設けられる。
【0015】
吹付け接続台車13は、急結剤の運搬袋であるバック(図示せず)から急結剤を投入するバック受け入れタンク121、急結剤を吹付けコンクリートとの混合装置35まで圧送する急結剤添加機101、急結剤をバック受け入れタンク121から急結剤添加機101に供給する振動フィーダ110を備える。
尚、急結剤添加機101を急結剤供給装置と呼ぶことがある。
バック受け入れタンク121は、上面に急結剤を投入するための投入口124と投入口124の蓋である投入蓋126を備える。この投入蓋126は図5に示すように、D方向に回転軸139を軸に旋回が可能であり、旋回することにより、投入蓋126の開閉ができる。また、投入蓋126の上面には、取手137と、投入蓋126をロックするためのロックハンドル133とロックバー135、急結剤のバックを受けるためのバック受け台123が設けられる。
【0016】
バック受け入れタンク121の投入口124の内部には、スクリーン125が設けられる。このスクリーン125は、網状であり、急結剤のバックの底部のビニールシートなどが、急結剤と一緒にバック受け入れタンク121に引き込まれるのを防ぐ。
バック受け入れタンク121の下部側面には、バック受け入れタンク121に異物が混入し、バック受け入れタンク121の底の横送りスクリュ115に噛み込み横送りスクリュ115が稼動しない場合に、異物を取り除くための、タンク点検口127が設けられる。また、バック受け入れタンク121には、バック受け入れタンク121内の急結剤の内容量を表示するタンクレベル計122が設けられる。
【0017】
バック受け入れタンク121の容量および投入口125の大きさは、急結剤の500kg、1000kgバックに対応できる容量である。本実施例のバック受け入れタンク121は、0.8m、投入口125の径は、600mmである。
【0018】
また、急結剤添加機101の側面には、急結剤出口129が設けられる。急結剤出口129には、急結剤供給管33が取り付けられ、急結剤供給管33は、混合装置35につながる。
【0019】
バック受け入れタンク121の底部と急結剤添加機101の投入口102との間には、振動フィーダ110が設けられる。振動フィーダ110は、バック受け入れタンク121の底部に横方向に設けられる横送りスクリュ115と、横送りスクリュ115の先端でつながり、縦方向に設けられる縦送りスクリュ109と、縦送りスクリュ109と急結剤添加機101の投入口102とをつなぐ出口ダンパ107とシュート108により構成される。シュート108は、鋼管製であり、旋回可能に設けられ、急結剤投入時には、投入口102上にセットされる。出口ダンパ107は、防湿のために設けられる。
【0020】
横送りスクリュ115と、縦送りスクリュ109には、各々のスクリュの駆動装置である横スクリュ駆動モータ117と、縦スクリュ駆動モータ111が設けられる。また、縦スクリュ109の下部には、縦スクリュ点検口113が設けられる。縦スクリュ109と急結剤添加機101の投入口102の間には、急結剤のバックの底に付着した異物、特に小石などが混入した場合のために、スクリーン(図示せず)が設けられる。
振動フィーダ110は、横送りスクリュ115と、縦送りスクリュ109と、振動モータ200(バイブレータ)が回転することにより、急結剤をバック受け入れタンク121から急結剤添加機101へ供給する。
また、コンクリート吹付け時に想定される粉塵の発生に対しての集塵装置(図示せず)もコンプレッサ17の近傍に設けられる。
【0021】
次に、急結剤の供給方法について図1から図6を用いて説明する。
まず急結剤を、急結剤の運搬袋である500kgの容量のあるゴムバックに収められた状態で、ユニック車などにより、急結剤供給装置100まで運搬する。このゴムバックは、再利用が可能である。なお、運搬袋は、急結剤を運搬可能であれば容量、材質とも上記に限らない。
次に、急結剤供給装置100のバック受け入れタンク121の投入蓋126を、D方向に旋回して開ける。ユニック車などのクレーンにより、急結剤のゴムバックをバック受け台123上にセットし、ゴムバックの底部を開いて、急結剤をバック受け入れタンク121に供給する。
【0022】
ゴムバックが空になったらクレーンでゴムバックを吊り上げ、バック受け入れタンク121の投入蓋126を旋回して投入口124の位置に戻す。ロックハンドル133を廻して投入蓋126をロックする。
急結剤添加機101の投入口102の蓋である投入蓋103を開ける。
振動フィーダ110のシュート108を旋回させ、急結剤添加機101の投入口102にセットする。振動フィーダ110を稼動させ、急結剤をバック受け入れタンク121の底部から、振動フィーダ110の横送りスクリュ115、縦送りスクリュ109を介して、急結剤添加機101の投入口102に供給する。
【0023】
添加機レベル計105が満レベルで自動停止した後、投入口102からシュート108を取り外し、シュート108を所定の収納位置に固定する。急結剤添加機101の投入蓋103を閉める。
この後、急結剤添加機101の急結剤出口129から、急結剤供給管33を通して、混合装置35へ、急結剤を供給する。
【0024】
以上のように、本実施の形態においては、急結剤の運搬袋であるゴムバックを再利用することができるので、従来のように急結剤の空袋の処理をする必要がなく、産業廃棄物の処理費や焼却時のダイオキシンの発生を抑えられる。
また、急結剤のゴムバックを急結剤供給装置100へ運搬し、バック受入れタンク121へ供給する作業を、ユニック車によりすることが可能であるため、急結剤の運送コストや作業員の手間を軽減できる。
【0025】
更に、急結剤をバック受入れタンク121へ供給後は、バック受入れタンク121から、振動フィーダ110、急結剤添加機101、急結剤供給管33、混合装置35へと急結剤が供給されるため、作業員の手間が軽減し、また、作業員が急結剤を吸う可能性を減らすことができる。
【0026】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明によれば、急結剤を再利用の可能な大容量の袋から投入し、吹付けコンクリートに混合するために圧送することの可能な急結剤供給装置および急結剤の供給方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 吹付けコンクリートの吹付けシステム7の構成図
【図2】 図1に示す吹付け接続台車13の平面図
【図3】 図2のA方向矢視図
【図4】 図2に示す急結剤供給装置100のB方向矢視図
【図5】 バック受け入れタンク121の平面図
【図6】 図2のバック受け入れタンク121の上部B方向矢視図
【符号の説明】
1…トンネル
2…底部
3…地山
5…切羽
7…吹付けシステム
10…エレクタ台車
13…吹付け接続台車
15…コンクリート吹付機
23…ノズル
25…吹付けロボット
31…コンクリート供給管
33…急結剤供給管
35…混合装置
100…急結剤供給装置
101…急結剤添加機
110…振動フィーダ
121…バック受入れタンク
129…急結剤出口

Claims (2)

  1. 粉体を投入するタンクと、前記粉体を圧送する添加機と、前記タンクから前記添加機へ前記粉体を供給する運搬装置と、を具備する急結剤供給装置であって、
    前記粉体は、急結剤であり、
    前記タンクは、上面に前記粉体を投入するための投入口と、投入口の蓋であり旋回して開閉可能な投入蓋と、前記投入蓋の上部に受け台を備え、
    前記添加機は、上面に前記粉体を投入するための投入口と、投入口の蓋である投入蓋とを備え、
    前記運搬装置は、横送りスクリュと、縦送りスクリュと、前記スクリュの駆動装置と、前記縦送りスクリュと前記添加機の投入口とをつなぐ旋回可能な鋼管製シュートと、を具備し、前記横送りスクリュと前記縦送りスクリュとを稼働させて前記粉体を移動させる振動フィーダであることを特徴とする急結剤供給装置。
  2. 請求項1記載の急結剤供給装置により急結剤を供給することを特徴とする急結剤の供給方法であって、
    前記受け台に急結剤バックをセットし、前記タンクの投入口より急結剤をタンクに供給する工程(a)と、
    前記タンクの投入蓋を閉め、前記添加機の投入蓋を開け、前記添加機の投入口に前記シュートをセットし、前記振動フィーダを稼働させて前記タンクから前記横送りスクリュ、前記縦送りスクリュおよびシュートを介して、前記添加機に急結剤を投入する工程(b)と、
    前記添加機の投入蓋を閉め、前記急結剤出口より急結剤を圧送する工程(c)と、
    を具備することを特徴とする急結剤の供給方法。
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