JP4010030B2 - 油圧駆動ウィンチの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はクレーンに装備されたネガティブブレーキ付きの油圧駆動ウィンチの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の油圧駆動ウィンチの一般的な回路構成を図3に示す。
【0003】
1はウィンチドラム、2はこのウィンチドラム1の回転駆動源としての油圧モータ(以下、ウィンチモータという)で、この油圧モータ2の回転力が減速機3および油圧シリンダ式のクラッチ4を介してウィンチドラム1に伝えられる。
【0004】
ウィンチモータ2の巻上側および巻下側両管路5,6は、コントロールバルブ7を介して油圧ポンプ8に接続され、このコントロールバルブ7によってウィンチモータ2の回転方向(巻上、巻下回転)と速度が制御される。
【0005】
なお、コントロールバルブ7として、ここではレバー7aによって手動操作される直動式切換弁を例示しているが、これに代えて油圧パイロット式切換弁、電磁式切換弁を用いてもよい。
【0006】
9は動力巻下回転時に巻上側管路5に油圧ブレーキ力を発生させるブレーキ弁としてのカウンタバランス弁、10はウィンチモータ2への供給流量を負荷の変動に関係なく一定に保つロードセンシング制御を行うための圧力補償型流量調整弁である。
【0007】
ウィンチドラム1には、ペダル11によりブレーキシリンダ12を介して操作される油圧シリンダ式のポジティブブレーキ13と、油圧を付与されたときにブレーキオフとなる油圧シリンダ式のネガティブブレーキ14が設けられている。
【0008】
このネガティブブレーキ14の油圧室14aにネガティブブレーキラインLbが接続され、同ラインLbが油圧パイロット三位置切換式のブレーキ弁16と、手動操作式のフリーフォール弁17を介して油圧源15およびタンクTに接続されている。
【0009】
また、クラッチ4に接続されたクラッチラインLcは、フリーフォール弁17を介して油圧源15およびタンクTに接続されている。
【0010】
Ltはフリーフォール弁17のタンクポートとタンクTを接続するタンクラインで、ネガティブブレーキラインLbおよびクラッチラインLcがこのタンクラインLtによってタンクTに連通する。
【0011】
ブレーキ弁16は、両側パイロットポート16a,16aの一方が巻上側管路,5に、他方が巻下側管路6にそれぞれパイロットライン18,18によって接続され、
(イ) 両側パイロットポート16a,16aにパイロット圧が加えられない状態では、図の中立位置イにあり、
(ロ) コントロールバルブ5が操作されてウィンチモータ2の巻上側管路5または巻下側管路6に圧力が立ったときに、この圧力がパイロット圧としてパイロットポート16aに導入されて図右側の巻上時位置ロまたは左側の巻下時位置ハに切換わる。
【0012】
一方、フリーフォール弁17は、通常運転位置イとフリーフォール位置ロとの間で切換操作され、同弁17とブレーキ弁16とによってクラッチ4およびネガティブブレーキ14が次のように作動する。
【0013】
(i) フリーフォール弁17が通常運転位置イにあるとき
ブレーキ弁16が中立位置イにあるときは、ネガティブブレーキラインLbがブレーキ弁16、フリーフォール弁17、タンクラインLt経由でタンクTに連通し、ブレーキバネ14bによってブレーキオン状態となる。
【0014】
このとき、クラッチラインLcはフリーフォール弁16を介して油圧源15に接続され、クラッチオンとなる。
【0015】
この状態で、コントロールバルブ7が巻上側または巻下側に操作されると、その管路圧がブレーキ弁16にパイロット圧として加えられて同弁16が巻上時位置ロまたは巻下時位置ハに切換わるため、ネガティブブレーキラインLbに油圧が供給されてブレーキオフに転じ、巻上または巻下運転が行われる。
【0016】
(ii) フリーフォール弁17がフリーフォール位置ロにセットされたとき
このフリーフォール位置ロではクラッチラインLcがタンクラインLtによってタンクTに連通するため、クラッチオフとなる。
【0017】
一方、フリーフォール運転時にはコントロールバルブ7は操作されないため、ブレーキ弁16は中立位置イにあり、フリーフォール弁17およびブレーキ弁16を介してネガティブブレーキラインLbに油圧が供給されてネガティブブレーキ14がオフとなる。
【0018】
従って、ウィンチドラム1は吊荷重量によって巻下回転し、フリーフォール運転が行われる。このとき、ウィンチドラム1の回転速度の調整や停止はポジティブブレーキ13によって行われる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来のウィンチの制御装置によると、次のような問題があった。
【0020】
ウィンチドラム1(ネガティブブレーキ14)が高所に設置されている場合等に、ネガティブブレーキ14に油圧が供給されていない状態で、同ブレーキ14の油圧室14aおよびネガティブブレーキラインLbが負圧となり、作動油中のエアが分離する現象が発生することがある。
【0021】
この現象が発生すると、ネガティブブレーキ14に油圧を加えてブレーキオフ状態に切換える際に、上記分離したエアを圧縮する時間だけ油圧の立上りが遅れてブレーキオフの応答遅れが生じ、巻上げまたは巻下げ時にこのブレーキの応答遅れによって吊荷が急激に巻上げまたは巻下げられる事態が発生していた。
【0022】
そこで本発明は、ネガティブブレーキでのエアの分離現象を抑えてブレーキオフ時の応答遅れを防止することができる油圧駆動ウィンチの制御装置を提供するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、油圧モータと、この油圧モータによって駆動されるウィンチドラムと、ウィンチドラムを上記油圧モータに対して接続・切断する油圧クラッチとを備え、上記ウィンチドラムに、油圧を付与されることによってブレーキオフ状態となるネガティブブレーキが設けられた油圧駆動ウィンチにおいて、クラッチオフ時に上記油圧クラッチをタンクに連通させるクラッチラインと、ブレーキオン時にネガティブブレーキをタンクに連通させるネガティブブレーキラインとを合流させ、上記ネガティブブレーキラインにおける上記合流点よりもブレーキ側の位置に、ネガティブブレーキオン時にネガティブブレーキにブレーキオン状態を維持しうる範囲内で一定の油圧を付与する背圧弁を設けたものである。
【0024】
上記構成によると、ブレーキオン状態でネガティブブレーキが加圧されるため、この圧力を、ブレーキオン状態を維持しうる範囲でエアの分離が生じない圧力に設定することにより、エアの分離現象の発生が抑えられる。
【0025】
このため、ネガティブブレーキのブレーキオフへの転換時(本来の加圧時)の油圧の立上りの遅れ、すなわち、応答遅れを防止することができる。
【0026】
この場合、背圧弁によってネガティブブレーキを加圧するため、回路構成が簡単で、かつ、特別な制御が不要なため、コストが安くてすむ。
【0027】
ただし、ネガティブブレーキとクラッチとでタンクラインの一部を共用する構成をとる場合に、この共用のタンクラインに背圧弁を設けると、クラッチオフ状態でクラッチに背圧が残る。
【0028】
ここで、バネ力によってオフとなるクラッチは、通常、バネ力によってオンとなるネガティブブレーキと比較して、バネ力が低く設定されるため、上記背圧の圧力設定によってはクラッチオフ状態が不安定となる(たとえば半クラッチ状態となる)可能性がある。
【0029】
この点、本発明によると、共用タンクラインよりもブレーキ側に背圧弁を設けるため、背圧はネガティブブレーキのみに作用しクラッチには加えられない。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に先立って参考形態を図1によって説明する。
【0031】
参考形態及び本発明の実施形態において、図3に示す従来技術と同一部分には同一符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0032】
ネガティブブレーキラインLbおよびクラッチラインLcに共用されるタンクラインLtに背圧弁19が設けられ、ネガティブブレーキラインLbから油圧が抜かれるブレーキオン時に、この背圧弁19によってネガティブブレーキラインLbに一定の背圧が加えられるように構成されている。
【0033】
こうすれば、ネガティブブレーキ14およびネガティブブレーキラインLb内が正圧に保たれるため、ブレーキオン状態でのエア分離現象の発生を抑えることができる。
【0034】
このため、ブレーキオフに転じる際に、ネガティブブレーキ14および同ブレーキラインLbの圧力が速やかに立上り、ネガティブブレーキ14の応答性が良いものとなる。
【0035】
ただし、この場合、ネガティブブレーキ14および同ブレーキラインLbに残る圧力が高過ぎると、ネガティブブレーキオン状態が不安定になるおそれがある。
【0036】
従って、背圧弁19の圧力は、このブレーキオン状態を維持しうる範囲で、エア分離現象の発生を抑制できる値に設定される。
【0037】
実施形態(図2参照)
実施形態において、参考形態と同一部分には同一符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0038】
参考形態によると、ネガティブブレーキラインLbとクラッチラインLcとに共用されるタンクラインLtに背圧弁19が設けられているため、フリーフォール弁17がフリーフォール位置ロにセットされた状態で、クラッチラインLcに背圧が立ち、クラッチオフ状態が不安定になるおそれがある。
【0039】
そこで、実施形態においては、ネガティブブレーキラインLbに、背圧弁19と、ブレーキオフ時に同ラインLbに油を通すためのシャトル弁20の並列回路が設けられている。
【0040】
こうすれば、ネガティブブレーキラインLbのみに背圧が立ち、クラッチラインLcには背圧が作用しないため、安定したクラッチオフ状態を確保することができる。
【0041】
【発明の効果】
上記のように本発明によるときは、ネガティブブレーキのオン時に、ネガティブブレーキに、ブレーキオン状態を維持しうる範囲内で一定の油圧を付与するように構成したから、ネガティブブレーキでのエア分離現象の発生を抑えることができる。
【0042】
このため、ネガティブブレーキのブレーキオフへの転換時(本来の加圧時)の油圧の立上りの遅れを防止し、応答性を改善することができる。
【0043】
この場合、背圧弁によってネガティブブレーキを加圧するため、回路構成が簡単で、かつ、特別な制御が不要なため、コストが安くてすむ。
【0044】
また、ネガティブブレーキとクラッチとでタンクラインの一部を共用する構成をとることを前提として、共用タンクラインよりもブレーキ側に背圧弁を設けることにより、背圧がネガティブブレーキのみに作用し、クラッチには加えられないようにしたから、クラッチオフ状態が不安定になるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考形態を示す油圧回路構成図である。
【図2】 本発明の実施形態を示す油圧回路構成図である。
【図3】 従来技術を示す油圧回路構成図である。
【符号の説明】
1 ウィンチドラム
2 油圧モータ
4 クラッチ
14 ネガティブブレーキ
Lb ネガティブブレーキライン
Lc クラッチライン
Lt 共用されるタンクライン
19 背圧弁
Claims (1)
- 油圧モータと、この油圧モータによって駆動されるウィンチドラムと、ウィンチドラムを上記油圧モータに対して接続・切断する油圧クラッチとを備え、上記ウィンチドラムに、油圧を付与されることによってブレーキオフ状態となるネガティブブレーキが設けられた油圧駆動ウィンチにおいて、クラッチオフ時に上記油圧クラッチをタンクに連通させるクラッチラインと、ブレーキオン時にネガティブブレーキをタンクに連通させるネガティブブレーキラインとを合流させ、上記ネガティブブレーキラインにおける上記合流点よりもブレーキ側の位置に、ネガティブブレーキオン時にネガティブブレーキにブレーキオン状態を維持しうる範囲内で一定の油圧を付与する背圧弁を設けたことを特徴とする油圧駆動ウィンチの制御装置。
Priority Applications (1)
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JP26043997A JP4010030B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 油圧駆動ウィンチの制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26043997A JP4010030B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 油圧駆動ウィンチの制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH1192089A JPH1192089A (ja) | 1999-04-06 |
JP4010030B2 true JP4010030B2 (ja) | 2007-11-21 |
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---|---|---|---|
JP26043997A Expired - Fee Related JP4010030B2 (ja) | 1997-09-25 | 1997-09-25 | 油圧駆動ウィンチの制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4010030B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP7327022B2 (ja) | 2019-09-12 | 2023-08-16 | コベルコ建機株式会社 | 作業機械 |
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1997
- 1997-09-25 JP JP26043997A patent/JP4010030B2/ja not_active Expired - Fee Related
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