JP4009490B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は車両用シートに係り、特に軽量で、製造コストの低減を図ることができ、且つリサイクル性に優れた車両用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に車両用シートは、着座部と背もたれ部とを有しており、これら着座部と背もたれ部は、それぞれ所定形状の車両用シートフレームと、このフレームに支持されると共にフレームを覆って着座者の臀部及び背中を支持するためのクッション材(例えば、ウレタンフォームクッション材)と、これらを被覆するための表皮材と、を備えて構成されている。
【0003】
そして、上記車両用シートの組付けでは、着座部と背もたれ部の各部位において、車両用シートフレームにクッション材を被せ、その後、それらを表皮材で被覆している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、車両用シートの組付けは、着座部及び背もたれ部のそれぞれに対して行う必要があり、表皮材をクッション材に被覆する作業においては、作業の困難性及び品質の不均一性を伴うという問題があった。
【0005】
具体的には、クッション材は、比較的軽量ではあるものの弾力性を有するため取り扱いが難しく、また、表皮材とクッション材との間の滑りが悪いという問題があった。
【0006】
例えば、人手を用いてクッション材に表皮材を被覆させる場合、表皮材とクッション材との間の滑りが悪いため、比較的大きな力でクッション材を抑えて圧縮し、クッション材をサポートしながら被覆させる必要があり、作業性が悪い。
【0007】
また、機械を用いてクッション材に表皮材を被覆させる場合であっても、両者の滑りが悪いために、被覆された状態でクッション材が部分的に変形してしまい、製品後の品質にバラツキが生じてしまうという問題があった。
【0008】
例えば、被覆作業でクッション材が部分的に変形してしまうことにより肩部にダレ等が生じると、被覆させた表皮材の下部部分に余りが生じてしまうことになり、これによりしわやたるみが発生し、製品の外観不良の原因となる。
【0009】
さらに、車両用シート廃棄時、異なる材質でできている車両用シートフレーム、クッション材、表皮材等を分別作業するとき、表皮材で完全に被覆されたクッション材を表皮材から分離する作業、及びクッション材等を車両用フレームから分離する作業は不便であり、分別に手間がかかるため、リサイクル性において不都合があるという問題があった。
【0010】
本発明の目的は、車両用シートの組付け作業が容易、且つ軽量で、リサイクル性に優れた車両用シートを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、本発明に係る車両用シートSによれば、シートフレームとしての着座フレーム42に着脱可能に取り付けられたベースプレート12と、該ベースプレート12上に配置されたブロック13と、該ブロック13上に配置されたスプリングプレート14と、該スプリングプレート14を被覆する表皮カバー16と、を備える着座部10を有し、前記ブロック13は、前記ベースプレート12と前記スプリングプレート14間に所定の空間を形成するように配置され、前記スプリングプレート14は、弾性を有する発泡体で成形され、前記スプリングプレート14は、前記スプリングプレート14に前記ベースプレート12方向への力が加えられたときに前記空間内へ撓むことにより解決される。
【0012】
また、前記課題は、本発明に係る車両用シートSによれば、着座部10と、背もたれ部20とを有する車両用シートSにおいて、前記着座部10及び背もたれ部20は、シートフレームとしての着座フレーム42,背もたれフレーム44に着脱可能に取り付けられたベースプレート12,22と、該ベースプレート12,22上に配置されたブロック13,23と、該ブロック13,23上に配置されたスプリングプレート14,24と、該スプリングプレート14,24を被覆する表皮カバー16,26と、を備え、前記ブロック13,23は、前記ベースプレート12,22と前記スプリングプレート14,24間に所定の空間を形成するように配置され、前記スプリングプレート14,24は、弾性を有する発泡体で成形され、前記スプリングプレート14,24は、前記スプリングプレート14,24に前記ベースプレート12,22方向への力が加えられたときに前記空間内へ撓むことにより解決される。
【0013】
このように本発明に係る車両用シートSは、クッション材を用いる替わりに、スプリングプレート14,24を複数のブロック13,23によってベースプレート12,22から離間させて配置する構成としている。そして、スプリングプレート14,24の弾性による板ばね効果を利用してクッション性を確保している。
【0014】
このため、従来のようにクッション材を表皮材によって被覆する作業が必要なくなるので、組付け作業が容易となると共に、軽量化及びコンパクト化を図ることができる。
【0015】
また、前記発泡体としては、PP(ポリプロピレン)ビーズ発泡体、PE(ポリエチレン)ビーズ発泡体、PP発泡体、PE発泡体、AS樹脂(アクリロニトリル/スチレン樹脂)発泡体、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)及びウレタンフォーム材のいずれかを用いることが可能である。PPビーズ発泡体は耐候性に優れており、PEビーズ発泡体は安価であり、EVA及びウレタンフォーム材は柔軟性に富んでおり、このような異なる材質を、車両用シートSの用途に応じて選択することが可能となる。
【0016】
また、前記ブロック13,23は、前記ベースプレート12,22又はスプリングプレート14,24に着脱可能に取り付けられていれば好適である。このような構成とすることにより、着座者の体格等に適合させて、着座感の調節が可能となる。具体的には、異なる高さ及び幅のブロック13,23を選択することにより、着座時にスプリングプレート14,24が沈み込む度合いを調節することが可能となり、着座者に応じた良好な着座感を提供することができる。
【0017】
また、前記表皮カバー16,26は、前記シートフレームとしての着座フレーム42,背もたれフレーム44に着脱可能に取り付けられていれば好適である。前記表皮カバー16,26、前記着座フレーム42,背もたれフレーム44に、それぞれ取付部、係止部を設け、これらを係止することにより、表皮カバー16,26を着座フレーム42,背もたれフレーム44に取り付ければ、表皮カバー16,26の交換が容易となり、個人の好みに応じて異なるデザインの表皮カバー16,26を使用することができる。また、リサイクル時の分別作業も容易となるので好適である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0019】
図1は車両用シートの前方斜視図、図2は後方斜視図、図3はフレームの斜視図、図4はベースプレートの説明図、図5はベースプレートの部分断面図、図6はベースプレートの別実施例の説明図、図7はスプリングプレートの説明図、図8は表皮カバーの説明図、図9は着座部の断面図である。
【0020】
本発明の車輌用シートSは、図1及び図2に示すように、着座部10と、背もたれ部20と、ヘッドレスト部30と、を備えており、これらは、金属製のフレーム40に取り付けられている。なお、図1に示す車輌用シートSは、右座席用であり、左座席用の車輌用シートSは、図1及び図2とは対称に構成される。
【0021】
フレーム40は、図3に示すように、着座フレーム42と、背もたれフレーム44と、ヘッドレストフレーム46と、サイドフレーム48と、を備えている。
【0022】
サイドフレーム48は、左右の構成部からなり、図1に示す車両用シートSにおいて、着座者の右側に位置する構成部にはリクライニング機構が備えられ、左側の構成部には着座部スライド機構のロック機構が備えられている。そして、これらは、合成樹脂製のサイドカバー48aで覆われている。
【0023】
また、車輌用シートSは、サイドフレーム48下部に配設された4箇所の取付けマウントによって、車輌フロアに取り付けられる。
【0024】
上記リクライニング機構は、サイドカバー48aから臨むリクライニングストラップ49aが引かれるとフレーム支持板49bのロックが外れ、フレーム支持板49bを介して、背もたれ部20のリクライニング調整が可能となる。また、着座部スライド機構は、スライドレバー49cを操作することにより、ロックが外れ、着座部10の前後方向の位置調整が可能となる。
【0025】
着座フレーム42は、金属パイプの略矩形環状枠であり、両サイドフレーム48間に軸架された取付支軸43を支軸として、跳ね上げ可能に取り付けられており、着座位置ではサイドフレーム48に取り付けられた係止部49eによって支持される。
【0026】
また、本例では図3に示すように表皮カバー取付用の取付用突起42aが、着座フレーム42の下側8箇所に配設されている。なお、取付用突起42aは、着座フレーム42の外側若しくは内側に配設されていても良い。
【0027】
背もたれフレーム44は、着座フレーム42と同様に金属パイプの略矩形環状枠であり、図中左側下部分でフレーム支持板49bと螺子留めされ結合されている。背もたれフレーム44の図中右側下端部は、サイドカバー48a内の不図示の支軸に取り付けられている。
【0028】
また、本例では表皮カバー取付用の取付用突起44aが背もたれフレーム44の外側6箇所に配設されている。なお、取付用突起44aは、背もたれフレーム44の後側若しくは内側に配設されていても良い。
【0029】
ヘッドレストフレーム46は、金属製のU字型枠であり、背もたれフレーム44の上部に配設されているヘッドレストフレーム取付部44bに挿し込まれて締め付け固定される。また、ヘッドレストフレーム46は、差し込まれる長さによって、高さ調整ができるようになっている。
【0030】
次に、上記フレーム40に配設される着座部10、背もたれ部20、ヘッドレスト部30について説明する。図4乃至図8に示すように、着座部10は、ベースプレート12、スプリングプレート14、表皮カバー16から構成されている。また、背もたれ部20は、同様にベースプレート22、スプリングプレート24、表皮カバー26から構成されている。また、ヘッドレスト部30は、ベースプレート32、表皮カバー36から構成されている。
【0031】
ベースプレート12,22,32及びスプリングプレート14,24は、PP(ポリプロピレン)ビーズ発泡体、PE(ポリエチレン)ビーズ発泡体、PP発泡体、PE発泡体、AS樹脂(アクリロニトリル/スチレン樹脂)発泡体、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)及びウレタンフォーム材などの発泡体によって形成されている。
【0032】
図4に示すように、ベースプレート12,22,32は、略矩形の板状発泡体である。ベースプレート12,22の表面左右両端部には、同じく発泡体で成形された断面略半円状の凸条のブロック13,23が配設されている。また、ベースプレート12,22の裏面には、それぞれ着座フレーム42、背もたれフレーム44のフレーム枠内側に嵌め込むための段部12b,22bが形成されている。
【0033】
また、ベースプレート32の下部には、取付用孔32aが開口しており、取付用孔32aにヘッドレストフレーム46のU字型部分を挿入することにより、ベースプレート32はヘッドレストフレーム46に取り付けられる。
【0034】
本例のベースプレート12,22では、ブロック13,23が、それぞれ脱着可能となっている。図5(A)にベースプレート12の部分断面図を示す。図示するように、ベースプレート12の表面には取付用溝12aが形成されており、ブロック13の取付用突起13aを取付用溝12aに嵌合させることにより、ブロック13は、ベースプレート12に容易に取り付けられる。これは、ブロック23及びベースプレート22についても同様である。
【0035】
ベースプレート12,22、ブロック13,23等は、金型内に発泡樹脂を注入することにより成形されるが、発泡樹脂の弾性を利用して、上記取付用溝12a及び取付用突起13aには、1度〜数度程度の逆抜き角成形がされている。すなわち、取付用溝12aは、底面程断面が拡がっており、取付用突起13aは、先端程断面が拡がるように成形されている。
【0036】
このように取付用溝12a及び取付用突起13aを成形することにより、ベースプレート12とブロック13を一体に組付けたときに、両者が容易に分離しなくなるので好適である。
【0037】
また、図5(B)乃至(D)に例示するようにブロック13,23は、高さ及び幅が異なるものを適宜選択することができる。このように、高さ及び幅が異なっていても取付用突起13aの形状が共通であるため、着座者の体格に応じてブロック13,23を交換することが可能である。なお、本例ではブロック13,23を脱着可能としたが、ベースプレート12,22と一体に成形することもできる。
【0038】
また、本例ではブロック13,23は、発泡体で成形されているが、これに限らず、後述するようにベースプレート12,22と、スプリングプレート14,24とを離間することができれば、硬質樹脂製、ゴム製、金属製等であっても良い。
【0039】
また、本例では、半円柱状のブロック13,23が、ベースプレート12,22の左右両端部に沿って配設されているが、これに限らず、図6(A)又は(B)に例示するように、各種形状のブロック13,23が、ベースプレート12,22の表面数箇所に配設されるようにしてもよい。すなわち、後述するように着座者に良好な着座感を与えることができるようなクッション性が得られれば良い。
【0040】
図7に示すように、スプリングプレート14,24は、外形略矩形の板状発泡体である。スプリングプレート14,24の表面側には、横方向に複数の溝が形成されており、これにより、通気性と共にクッション性が得られ、着座感を高めている。
【0041】
また、スプリングプレート14,24の裏面側には、ベースプレート12,22との位置合わせのための、不図示の凹部が形成されている。この凹部とブロック13,23とを合わせることにより、両者の位置合わせを容易に行うことができると共に、両者がずれ難くなっている。
【0042】
図8に示す表皮カバー16,26,36は、ベースプレート12,22,32及びスプリングプレート14,24を覆うように取り付けられる。表皮カバー16,26,36は、ファブリック,本革,合成皮革等の公知の表皮材でできている。
【0043】
表皮カバー16,26には、それぞれ被覆部16b,26bが形成されている。被覆部16b,26bは、一方が開放された袋状になっており、スプリングプレート14,24の一端側を嵌め込むように構成されている。これにより、表皮カバー16,26と、スプリングプレート14,24が一体になり、両者がずれ難くなる。
【0044】
また、表皮カバー16,26には、取付孔を有する金属製の取付用リング16a,26aがそれぞれ数箇所に形成されている。この取付用リング16a,26aを、着座フレーム42及び背もたれフレーム44に配設されている取付用突起42a,44aに嵌め込むことにより、表皮カバー16,26を前記フレームに固定することができる。
【0045】
これら取付用突起42a,44a及び取付用リング16a,26aは、公知のファスナにより構成されている。また、本例の実施例に限らず、ファスナとして、ボタン状、バックル状、クリップ状等の各種タイプのものを使用することが可能である。
【0046】
また、表皮カバー36は、ベースプレート32に面状ファスナ等の接合手段で取り付けられている。なお、表皮カバーを詰め物ができる座布団状として、クッション性を高めるようにしても良い。
【0047】
次に、車輌用シートSの組付けについて説明する。先ず、フレーム40の着座フレーム42、背もたれフレーム44に、それぞれベースプレート12,22を配置する。このとき、ベースプレート12,22の裏面の段部12b,22bが、着座フレーム42、背もたれフレーム44のフレーム枠内側に嵌り込むようにする。
【0048】
これにより、ベースプレート12,22は、着座フレーム42、背もたれフレーム44に対して位置が固定され、ずれないようになっている。また、ベースプレート32を、ヘッドレストフレーム46に取り付ける。
【0049】
そして、スプリングプレート14,24の一端側を被覆部16b,26bに挿入して、表皮カバー16,26にスプリングプレート14,24を取り付ける。
【0050】
次に、一体に取り付けられたスプリングプレート14と表皮カバー16、及びスプリングプレート24と表皮カバー26を、それぞれベースプレート12,22上の所定位置に配置する。このとき、ベースプレート12,22のブロック13,23と、スプリングプレート14,24の裏面凹部とを嵌合させて配置する。
【0051】
そして、表皮カバー16,26の取付用リング16a,26aを、それぞれ着座フレーム42、背もたれフレーム44の取付用突起42a,44aに嵌め込む。また、表皮カバー36を、面状ファスナにてベースプレート32に取り付ける。
【0052】
以上のように、本例の車輌用シートSでは、発泡体からなる着座部10,背もたれ部20が、いわゆるクッションボード,バックボードであると共に、着座フレーム42,背もたれフレーム44と共に構造体をなしている。
【0053】
そして、車輌用シートSは、着座部10,背もたれ部20,ヘッドレスト部30をフレーム40に嵌め込むことにより容易に組付けを行うことができるものである。
【0054】
したがって、従来のような車両用シートの組付け作業における作業性の悪さを大幅に改善することができ、作業時間の短縮、組付け後の製品品質のバラツキ防止、製品の外観不良の防止を図ることが可能となる。
【0055】
また、車輌用シートSでは、表皮カバー16,26,36を容易に交換することができることから、利用者は好みに応じて、様々なデザインの表皮カバー16,26,36を利用することが可能となる。
【0056】
また、車輌用シートSの廃棄時には、表皮カバー、スプリングボード、ベースプレートを容易に取り外すことができ、これにより分別が容易となることから、リサイクル性にも優れるものである。
【0057】
次に、図9に基づき、車輌用シートSの着座時の状況について説明する。以下は、着座部10について説明するが、背もたれ部20においても同様である。
【0058】
図9(A)に示すように、スプリングプレート14は、ブロック13上に載置され、さらに、表皮カバー16によって覆われている。したがって、スプリングプレート14と、ベースプレート12は、ブロック13の高さ分だけ離間した構成となっている。
【0059】
そして、左右ブロック13上に載置されたスプリングプレート14は、弾性を有する板状発泡体である。したがって、上記のような構成となっている車輌用シートSに着座者が着座すると、図9(B)に示すように、左右ブロック13間のスプリングプレート14は撓んで沈み込む。
【0060】
このとき、着座者の臀部等に対してスプリングプレート14の板ばね効果による所定の反撥弾性力、及びスプリングプレート14自体の弾性力が加わり、着座者に良好な着座感を与える。
【0061】
なお、着座時、スプリングプレート14が沈み込むことにより、ブロック13にはスプリングプレート14との間に、横方向内向きの摩擦力が加わる。この摩擦力は、ブロック13をベースプレート12から引き抜く方向の力となる。
【0062】
したがって、ブロック13が引き抜かれてしまうのを防止するため、ブロック13はある程度横方向に幅を有するようにするか、スプリングプレート14との接触部分に滑りを良くするためのフィルム等を貼着することが望ましい。
【0063】
また、車輌用シートSの利用者の体格に応じて、高さの異なるブロック13を適宜選択することにより、個人毎に良好な着座感を得ることが可能となる。ブロック13は、ベースプレート12に簡単に脱着することができるので、個人毎の調整を容易に行うことができる。
【0064】
また、スプリングプレート14は、表面側に横方向の複数の溝が形成されているので、表皮カバー16に通気性があるファブリック等を使用している場合には、適度な通気性を得ることができる。したがって、利用者と車輌用シートSとの接触部分に利用者からの体温がこもることがなく、長時間着座した場合であっても、着座者に不快感を与えることがなく好適である。
【0065】
さらに、スプリングプレート14は、断熱性を有する発泡体で形成されているので、たとえ表皮カバー16が通気性の良い材質でできている場合であっても、利用者に不快感を与えることがなく好適である。
【0066】
また、着座時に、スプリングプレート14を沈み込み易くするため、ベースプレート12に通気孔を設けても良い。このようにすることにより、適度な沈み込み感を得ることができると共に、着座時に空気が抜ける際の騒音を防止することができる。
【0067】
以上のように、車輌用シートSは、着座時のクッション性を確保するために、スプリングプレート14,24をそれぞれブロック13,14上に載置する構成とし、スプリングプレート14,24の板ばね効果を利用している。
【0068】
このため、クッション材を別途設ける必要がなく、車輌用シートSの軽量化を図ることができると共に、車輌用シートS自体をコンパクトにすることが可能となる。それと共に、発泡体としてビーズ発泡体を用いると、衝撃吸収性を向上させることができる
【0069】
なお、本例のヘッドレスト部30は、ベースプレート32及び表皮カバー36から構成されているが、着座部10及び背もたれ部20と同様に、ベースプレート32、表皮カバー36に加え、両者間にスプリングプレートを配した構成としても良い。
【0070】
この場合、ベースプレート32にブロックを配設することにより、ヘッドレスト部30においても、適度なクッション性が得られるので好適である。
【0071】
また、本例では、スプリングプレート14,24を直接、表皮カバー16,26で覆う構成となっているが、これらの間に、別途クッションプレートを設けてもよい。この場合、さらにクッション性が高まるので、着座感の向上を図ることができる。
【0072】
また、本例では、ベースプレート12,22にブロック13,23を設けているが、ブロック13,23をベースプレート12,22に設ける替わりに、スプリングプレート14,24の裏面に設けても良い。
【0073】
また、本例のベースプレート12,22は、発泡体で形成されているが、これに限らず、硬質樹脂板等で形成することが可能である。
【0074】
また、本例では、ベースプレート12,22を用いているが、ベースプレート12,22を用いる替わりに、フレーム40にブロック13,23を配置するための取付部を別途形成し、該取付部にブロック13,23を配置し、さらにその上にスプリングプレート14,24を載置する構成としても良い。
【0075】
また、本例の車両用シートSは、着座部10と、背もたれ部20と、ヘッドレスト部30と、を備えているが、着座部10のみ、又は着座部10と背もたれ部20のみを備える構成であっても良い。
【0076】
【発明の効果】
以上のように、本発明の車両用シートによれば、金属製のフレームにベースプレート、スプリングプレートが載置され、これらを表皮カバーで上部から覆う構成としたので、組み付け作業が容易となり、製造効率を向上させることが可能となる。
【0077】
また、車輌用シートの構成部材であるベースプレート,スプリングプレート,表皮カバーは、フレームからの取り外し及び分別が容易であることから、リサイクル性が向上し、資源の有効利用を図ることが可能となる。
【0078】
また、上記ベースプレート、スプリングプレートとして、ビーズ発泡体等を用いると、耐衝撃性に優れると共に、軽量化を図ることができる。
【0079】
さらに、車両用シートのクッション効果は、クッション材を使用する替わりに、複数のブロック上に載置されたスプリングプレートの板ばね効果を利用しているので、車両用シートの軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用シートの前方斜視図である。
【図2】車両用シートの後方斜視図である。
【図3】フレームの斜視図である。
【図4】ベースプレートの説明図である。
【図5】ベースプレートの部分断面図である。
【図6】ベースプレートの別実施例の説明図である。
【図7】スプリングプレートの説明図である。
【図8】表皮カバーの説明図である。
【図9】着座部の断面図である。
【符号の説明】
10 着座部、 12,22,32 ベースプレート、 12a 取付用溝、12b,22b 段部、 13,23 ブロック、 13a 取付用突起、 14,24 スプリングプレート、 16,26,36 表皮カバー、 16a,26a 取付用リング、 16b,26b 被覆部、 20 背もたれ部、 30 ヘッドレスト部、 32a 取付用孔、 40 フレーム、 42 着座フレーム、 42a,44a 取付用突起、 43 取付支軸、 44 背もたれフレーム、 44b ヘッドレストフレーム取付部、 46 ヘッドレストフレーム、 48 サイドフレーム、 48a サイドカバー、 49a リクライニングストラップ、 49b フレーム支持板、 49c スライドレバー、、 49e 係止部、 S 車両用シート

Claims (5)

  1. シートフレームに着脱可能に取り付けられたベースプレートと、該ベースプレート上に配置されたブロックと、該ブロック上に配置されたスプリングプレートと、該スプリングプレートを被覆する表皮カバーと、を備える着座部を有し、
    前記ブロックは、前記ベースプレートと前記スプリングプレート間に所定の空間を形成するように配置され、
    前記スプリングプレートは、弾性を有する発泡体で成形され、
    前記スプリングプレートは、前記ベースプレート方向への力が加えられたときに前記空間内へ撓むことを特徴とする車両用シート。
  2. 着座部と、背もたれ部とを有する車両用シートにおいて、
    前記着座部及び背もたれ部は、シートフレームに着脱可能に取り付けられたベースプレートと、該ベースプレート上に配置されたブロックと、該ブロック上に配置されたスプリングプレートと、該スプリングプレートを被覆する表皮カバーと、を備え、
    前記ブロックは、前記ベースプレートと前記スプリングプレート間に所定の空間を形成するように配置され、
    前記スプリングプレートは、弾性を有する発泡体で成形され、
    前記スプリングプレートは、前記ベースプレート方向への力が加えられたときに前記空間内へ撓むことを特徴とする車両用シート。
  3. 前記発泡体は、PP(ポリプロピレン)ビーズ発泡体、PE(ポリエチレン)ビーズ発泡体、PP発泡体、PE発泡体、AS樹脂(アクリロニトリル/スチレン樹脂)発泡体、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)及びウレタンフォーム材のいずれかで形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用シート。
  4. 前記ブロックは、前記ベースプレート又はスプリングプレートに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用シート。
  5. 前記表皮カバーは、前記シートフレームに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用シート。
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