JP4008524B2 - インク供給インターフェース機構 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はインクジェットプリンタのインク供給システムに関する。特に、本発明は隔壁を貫通するインクニードルがインクをインク供給装置からインクジェットプリントヘッドに輸送するインターフェース機構であるインク供給インターフェース機構に関する。更に詳細には、このようなシステムのニードルが人間の指の直径より小さい直径のキャビティ内に設けられており、よって、引っ込んだニードルとの接触を制限しているインターフェース機構に関する。
【0002】
インクジェットプリンティング機構はプリントヘッドがページを横断して前後に移動する間にインク滴をプリントヘッドにある一以上のペンから発射することによりページ上にイメージおよびテキストをプリントする。インクジェットプリンタはこのようなインクジェットプリンティング機構を利用する装置である。インクジェットプリンタの例として、プロッタ、ファクシミリ機械および典型的なコンピュータ接続インクジェットプリンタがあげられる。プリンタがプリントするページは、紙、マイラ、箔 (foils)、スライド (transparencies)、厚紙などどんなシート材料でもよい。
【0003】
インクジェットプリンタのインク供給装置は制限されている。インク供給装置はユーザにとってインク貯蔵容器に補給するのが非常に面倒になることがあるので、多くのプリンタは取り替え可能な/使い捨て可能な/再利用可能なインク貯蔵容器を備えるように設計されている。ユーザは単に古い、空のインク貯蔵容器を新しい、充填されているインク貯蔵容器と交換するだけでよい。インクジェット・ペンの寿命も限定される。ペンは数百万個のインク的を噴射すると機械的破壊および/または単なる磨耗を受ける。したがって、典型的インクジェットプリンタのペンは、必要に応じて、新しいペンと取り替えるように設計されている。
【0004】
いわゆるカートリッジ式プリンタでは、ペンは中にインク貯蔵容器を備えたカートリッジとして形成されている。カートリッジ式プリンタのプリントヘッドはプリントヘッドがページを横断して前後に走行するにつれてそのインク供給装置を一緒に運ぶ。しかし、いわゆる軸外 (off-axis)プリンタでは、プリントヘッドだけがページを横断して移動する。インクは柔軟な管により固定インク貯蔵容器からプリントヘッドに供給される。典型的には、インク貯蔵容器はプリンタのシャーシに取付けられ、空になると取り替えるかまたは詰め替えることができる。軸外プリンタは単色プリンティング用単一プリントヘッド、またはカラープリンティング用の複数のプリントヘッドを備えることができる。勿論、カラープリンティングの場合、各カラーに一組という複数のの貯蔵容器と連結する管が必要である。
【0005】
軸外プリンタのインク供給システムでは、インクは一つのインク供給位置 (locus)からインク供給管により他のインク供給位置に輸送される。プリントヘッドおよびインク貯蔵容器は軸外プリンタのインク供給システムのインク供給位置を典型的に具現化するプリンタの構成素子である。インク供給位置の構成素子はインク供給管と接続(インターフェース)しなければならない。この接続で、管は永久的に取付けることができるが、これでは取付けられた構成素子の取り替えの邪魔になる。代わりに、管の終端を取り替え可能なプリンタ構成要素を封止する弾力性隔壁を貫通する皮下注射器のようなニードルにすることができる。ニードル/隔壁インターフェース機構は取り外し可能な構成素子を時々取り替えることができるようにする。
【0006】
典型的なニードル/隔壁インターフェース機構では、皮下注射器状のニードルはそれを通して流体連絡を行なうようにインク供給位置に接続されて動作する。隔壁は他のインク供給位置に接続されて動作する。たとえば、ニードルを接続するインク供給位置はプリントヘッドでよく、隔壁と接続するインク供給位置をインク貯蔵容器としてよい。この例では、ニードルが隔壁を貫通すると、インクはインク貯蔵容器からインク供給管を通って隔壁に流れ、そこから、ニードルを通ってプリントヘッドに流れる。勿論、例を逆にしてニードルを接続するインク供給位置をインク貯蔵容器とし、隔壁を接続する位置をプリントヘッドとすることができる。この第2の例では、ニードルが隔壁を貫通すると、インクはインク貯蔵容器からインク供給管を通ってニードルに流入し、そこから隔壁を通ってプリントヘッドに流れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ニードル/隔壁インターフェース機構のニードルは典型的には極めて鋭いので、容易に隔壁を貫通することができ、それによりペンにかかる応力を減らし、隔壁の損傷を回避する。鋭いニードルが隔壁に係合しないと、ニードルは露出し、人間の指を刺したりまたは切ったりする可能性がある。
【0008】
本発明の一つの目的は人間が露出されたニードルに接触することを制限しまたは排除することである。
【0009】
本発明の他の目的は永久構成素子に対してわずかにずれて整列する取り替え可能構成素子と、永久構成素子を自動的に位置あわせして、再度接続することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は現存するニードル/隔壁インク供給インターフェース機構の欠点を克服するものである。特に、本発明の一局面によれば、インターフェース機構のニードルは、ニードル保持構造のキャビティ内に完全に引っ込むように設けられ、隔壁は中空タワーの端部を封止している。タワーはニードルが隔壁を貫通するようにキャビティ内に挿入される構成になっている。ニードルが刺したり切ったりしないようにするため、キャビティに人間の指の直径より小さい直径の穴があけてある。したがって、狭い直径の穴によってニードルに触れることを防止している。その結果、本発明のインターフェース機構は現存する他のインターフェース機構より安全である。更に、隔壁タワーをインク貯蔵容器またはペンのような取り替え可能構成素子に取付けることができる。構成素子を取り替えるたびに、その隔壁の相対位置を変えることができる。本発明の他の局面によれば、浮動ブッシングアセンブリ (floating-bushing assembly)がニードル保持構造を緩く保持しているので、構造は移動において制限された自由を備えている。制限された移動は平行移動または回転または双方でよい。したがって、タワーおよびニードルが共に組合せられると、アセンブリはニードル保持構造をシフトさせ、そして、回転させる。これによりニードルと隔壁とを有効的に接続しながらタワーの相対的再位置決めが補償される。
【0011】
【発明の実施例】
本発明のこれらのおよび他の目的および長所は図面および以下の好適実施例の詳細な説明を考察すれば一層容易に理解することができる。
【0012】
好適実施例に従って構成されたアクセスが制限されたニードル/隔壁インク供給インターフェース機構を図1から図6において10で示す。図1はニードル/隔壁インターフェース機構の一実施例を利用した軸外 (off-axis)プリンタを示す。図1はインクジェットプリンタの特定の一実施例を示しているが、どんな形式のインクジェットプリンタも本発明を利用することができる。たとえば、プロッタ、ポータブルプリンタユニットおよびファクシミリ機械は本発明を利用できるインクジェットプリンタの形式の例である。
【0013】
図1に示すように、軸外インクジェットプリンタ12は持ち上げ蓋16を備えたシャーシ14を有する。プリンタは更に空白のページ(用紙)を貯蔵したりプリントされたページ(用紙)を一時的に貯蔵するページハンドリングシステム18を備えている。本発明を説明する目的では、持ち上げ蓋16は不必要であり、したがって、その一部分だけを図示し、その部分を持ち上げてプリンタの内部機構を明示している。また、シャーシ14の部分を切り払ってプリンタの内部機構を更に明示してある。特に、明示した内部機構はプリントヘッド/キャリッジアセンブリ22のプリントヘッドにインクを供給するインク供給システム30を備えており、プリントヘッド/キャリッジアセンブリ22は、アセンブリが一方の側から他方の側へ移動してページ上にイメージおよびテキストをプリントするときガイドロッド20上に乗っている。
【0014】
ページハンドリングシステム18は、空白ページを一度に1枚、プリンタに送り、各ページをプリントヘッドを通って前進させ、イメージおよび/またはテキストをその上にプリントできるようにする。ページハンドリングシステムは典型的に、空白ページを貯蔵する送りトレー19a、プリントされたページを一時的に貯蔵する出力トレー19bおよびページ送りのための駆動機構(図示せず)を備えている。典型的インクジェットプリンタでは、プリントヘッド/キャリッジアセンブリ22は、たとえば、通常の駆動ベルト/プーリモータアセンブリ(図示せず)によりガイドロッド20に沿ってページを横断して一方の側から他方の側へ駆動される。アセンブリ22のプリントヘッドはその下面にオリフィスプレート(図示せず)を備えている。オリフィスプレートには複数のノズルがあり、それを通してインク滴が噴射される。プリントヘッドは、シャーシ14の内部に設置されたマイクロプロセッサ等のプリントコントローラ(図示せず)から受け取った命令に従い、ページ上に一以上のインク滴を選択的に堆積させる。
【0015】
図1に示すインク供給システム30は、インクをプリンタのインク供給位置間で効果的に輸送する。インク供給位置にはインク貯蔵容器32に入っているインク供給装置およびプリントヘッド/キャリッジアセンブリ22の一部であるプリントヘッドがある。本発明の好適な一実施例では、インクを貯蔵容器32からフセンブリ22のプリントヘッドに推し進めるのに通常のどんな機構をも実施することができる。インク供給システムに使用するインクはどんな適切な流体着色剤またはページの部分を覆う目的の他のどんな適切な液体でもよい。インクはインク貯蔵容器32に貯蔵され、管36によりプリントヘッド/キャリッジアセンブリ22に供給される。管は好適に柔軟であるからプリントヘッド/キャリッジアセンブリがページを横断して前後に移動するにつれて曲がることができる。管36は当業者に既知の多様な異なるエラストマおよびプラスチックから通常の仕方で構成することができる。管およびインク貯蔵容器を通常のどんなインターフェース機構によってでも接続することができる。インク貯蔵容器32を取り替え可能であれば、管と貯蔵容器との間の接続34は好適に再使用可能な形式の接続となり、新しいインク貯蔵容器が空になったものと取り替えることができる。
【0016】
インクジェットプリンタのプリンティング機構は典型的にプリントヘッド/キャリッジアセンブリ22およびインク供給システム30を備えている。図1に示したように、プリンティング機構を黒のような単一色でプリントする単色式としてよい。代わりに、プリンティング機構を、シアン、黄色およびマゼンタ等の色の組合せをプリントするための多色式としてもよい。本発明を例示するのにここではプリンティング機構の単色式の実施例だけを図示し説明する。しかし、本発明の実施例を使用するプリンタは単色式または多色式のいずれでもよい。多色式の実施例には、図示した単色の実施例と同様の特徴および機能が複数存在することは当業者にとって明確に理解されるものである。
【0017】
プリンタ環境およびインク供給システムを説明してきたので、次に図2から図6およびアクセスが制限されたニードル/隔壁インク供給インターフェース機構10について説明する。図2および図3はガイドロッド20に乗っているプリントヘッド/キャリッジアセンブリ22の拡大図を示し、ニードルステーション40をその係合位置に(図2)またはその解放位置に(図3)図示してある。ニードルステーションは好適にはピボットマウント42a、42bによりプリントヘッド/キャリッジアセンブリ22に旋回可能に取付けられている。ニードルステーョンには平面状のバルブプレート46をその中に保持するフレーム44がある。図2ではバルブプレート46を更に良く示すように切り払ったフレーム44の隅を示す。バルブプレートにはそれを通して円筒54がその中に伸長している中心開口(図4Aから図6に示す)がある。
【0018】
図2および図3に示したように、ニードルステーション40には円筒54に接続されたブロツク5を備えているニードル保持構造52もある。構造52はインク供給管36を保持し支持する。図4Aに示すように、ニードルステーション40には管36に接続され、円筒54の中心キャビティ70の内側に取付けられ、部分的に、ブロック53により保持されている完全に引っ込んだインクニードル38がある。図3および図4Aに示すように、キャビティには周辺リップ58で確定される開口を備えている。ニードルステーションもまた円筒に接続され、開口を囲むカラー56もある。
【0019】
図2から図6に示すように、ニードルステーション40はまた浮動ブッシングアセンブリ50を含んでいる。このアセンブリは、構造52が制限された移動が可能なように構造52を保持している。制限された移動は、平行移動または回転移動またはその双方でよい。浮動ブッシングアセンブ(floating-bushing assembly)はそれを通してニードル保持構造を設置するその開口のあるバルブプレート46を備えている。浮動ブッシングアセンブリはまた円筒54に接続され且つ円筒54から突出する上部および下部フランジ48、49を備えている。フランジはプレートの開口側に設置されてフランジおよびプレートが円筒を保持するようにしている。図2は上部フランジ48を示し、図3は下部フランジ49を示している。
【0020】
図3は解放されており且つプリントヘッド/キャリッジアセンブリ22から離れて旋回しているニードルステーションを示している。取り替え可能ペンのペンハウジングの頂部を示す。ハウジングの残りは、ペン自体がプリントヘッドにいるようにプリントヘッド/キャリッジアセンブリの内部にあるので図からはみえない。取り替え可能ペンは、ハウジングから上方に突出している隔壁タワー62を備えている。隔壁タワー62はペンをインク供給システムと接続する位置を提供する。タワー62はキャップ66が部分的に覆っている隔壁68により覆われている露出された端部を持つ中空タワー部材64を備えている。中空タワー部材の内側で、インク導管 (ink conduit)65(図4A−図5に示してある)が最終インク供給位置やプリントヘッドとの接続を完了している。インク導管は隔壁により封止されている。隔壁68は好適には、エラストマ材料、たとえば、シリコーン・エラストマまたはEDPMエラストマのような、単一弾力性材料から構成される。隔壁は鋭いニードルが容易に貫通することができ、ニードルを後退させると好適に封止するものである。
【0021】
取り替え可能ペン・ハウジング60のペンとインク貯蔵容器32との間の流体連絡を行なうには、隔壁68にキャビティ70の中に完全に引っ込んでいるインクニードル38を貫通させる。したがって、タワー62をキャビティ内に挿入しなければならない。図2および図3に示したように、これはニードルステーション40をプリントヘッド/キャリッジアセンブリ22に旋回可能に取付けてタワー62の方におよびタワー62から向こうに旋回できるようにすることにより好適な一実施例で達成される。
【0022】
図4Aから図6は、タワー62または人間の指80と共にニードルステーション40の簡略断面図を示す。断面は図2の線4-4で示す横断平面に沿って示されている。ニードル/隔壁インターフェース機構10の構造および動作の説明に不必要な背景構造は、図4Aから図6の断面図には示していない。図4Aおよび図4Bは、タワー62がキャビティ70に挿入されることを順に示している。図4Aはそれらが互いに近付いているところを示しているが、タワーはカラー56に接触している。図4Bはニードルが隔壁を貫通している状態でタワーがキャビティに完全に挿入されているところを示している。図2および図3および上記の説明はニードルステーション40が、旋回マウント42a、42bにより形成される軸の周りをタワー62の方に振れるとき三次元で移動することを図示し説明ている。しかし、例示の目的で、図4Aおよび図4Bを運動(これは図4Aおよび図4Bの図に向かうまたは遠ざかるものである)の第3の次元またはステーションの回転運動を図示しないように簡略化してある。
【0023】
図4Aに示すように、キャビディ70は、キャビティ壁72およびキャビティ天井74により形成されている。好適な一実施例のタワー62は円筒形であるから、キャビティはタワーを受けることができるように係合する円筒形または円形をしている。好適な一実施例では、周辺リップ58で画定されるキャビティの開口の直径Aは、約7.8mmであり、タワーの直径Tは、約7.6mmである。したがって、タワーをキャビティ内に嵌合させることができる。
【0024】
ニードル38は、鋭い先端39が周辺リップ58を越えて突出しないようにキャビティ内に短い距離で突出するようにキャビティ天井74の中心に取付けられている。オリフィスがニードルの先端に隣接している。オリフィスはインク供給管36から皮下注射器状のニードルを通して流れるインクの出口となる。好適な一実施例では、ニードル38の断面直径は、約1.0mmである。ニードルを引き抜いたとき隔壁の再封止を促進するために、隔壁の直径をニードルの直径に対して大きくすることが望ましい。好適な一実施例では、隔壁の直径はほぼニードルの直径の7倍であり、それによりニードルを後退させてからの隔壁の再封止を容易にしている。
【0025】
ステーションを解放すると、ある程度の位置の公差を導入することができる。特に、ペンを取り替えると、ペンの広い直径のタワーがステーションを解放する前よりステーションに対する位置がわずか異なることがある。好適な一実施例の寸法に基づき且つ望ましく大きい直径の隔壁に照らして、約1.0mmほど大きくタワーを相対的に再位置決めすれば、ニードルおよび隔壁の接続を防止して新しいペンとのインク連絡を完了することができる。また、図2および図3に示すように、ニードルステーションはタワーの方に旋回する。キャビティに入るや否や、タワーはステーションの回転に対応する円弧状運動でキャビティ内に入りこむ。他に、別の範囲の位置公差を導入する当業者に明らかな他の因子も存在する。
【0026】
この状況を克服するために、本発明の好適な一実施例では相対位置変化にかかわらず、接続を可能にする公差装置を組み込んでいる。特に、好適な一実施例は、ニードル保持構造52の制限範囲の移動を可能とする浮動ブッシングアセンブリ50を備えている。この制限された移動には、平行移動または回転または双方を含むことができる。好適な一実施例の場合、ニードル保持構造52は穴および開口の同心中心から約1乃至3mm前後にまたは側方から側方へ(すなわち、二次元で)移動することができる。図4Aに示したとおり、円筒は直径Cを備え、バルブプレート46の開口は直径Oを有する。直径Oは、円筒の直径Cより、前記浮動ブッシングアセンブリにより許容される制限移動の範囲を規定する距離だけ大きい。好適実施例では、この距離は直径Oが約13.0mmで直径Cが約10.0mmであるから約3.0mmである。
【0027】
浮動ブッシングアセンブリは、ニードル保持構造とタワーとの位置合わせを効果的に容易にするので、ニードルを最小の力で最小の機械的抵抗で隔壁を貫通させることができる。位置合わせを援助するために、カラー56にタワーに対する険しい傾斜面がある。図4Aに示すように、傾斜面はキャップが表面に接触するとき傾斜平面として働き、これによりタワーがキャビティに嵌合することができるように円筒をわずか押し上げる。
【0028】
図4Bは、タワー62がキャビティ70に完全に挿入される場合のニードル38と隔壁68との間の良好な接続を示す。好適な一実施例では、インクはインク貯蔵容器からインク供給管36を通ってニードルに流れ、そこから、隔壁タワーを通ってプリントヘッドのペンに流れる。図4Aおよび図4Bのタワーはプリントヘッド/キャリッジアセンブリ22に対して垂直である。それだけで、ニードル保持構造52はタワーとの良好な接続を行なうために回転する必要がない。しかし、ペンハウジング60はペンの動作および有効性に影響しないように、ただしハウジングおよびそのタワーをわずか傾いて離れるように、アセンブリ22に設置することができる。ニードル保持構造の制限された回転移動によりタワーの傾斜にかかわらず良好な接続が可能になる。
【0029】
一般に、構造52の回転移動によりニードルと隔壁とを良好に接続することが容易になる。良好な接続は、ニードルがタワー内に真直ぐに伸びてインク導管65の内壁に実質的に平行になる。構造の回転移動は、ステーション40のタワー62の方への回転の効果を相殺して良好な接続を達成できるようにする。
【0030】
図5は、浮動ブッシングアセンブリ50により許容されてタワーのわずかな傾きを補償する制限された回転移動を示している。図5において、プリントヘッド/キャリッジアセンブリ22およびバルブプレート46だけが水平である。ハウジング60およびそのタワーはわずかに傾いている。図5を見ると、タワーは左の方に傾いている。浮動ブッシングアセンブリ50はそれにしたがってニードル保持構造52に補償させ回転させる。
【0031】
公差隙間76、78(図4Aに示す)がフランジ48、49の間および円筒の外壁とプレート46の開口の縁との間で円筒54の両側に形成されている。図4Aに示すように、プレートの幅はWであり、隙間の幅はGである。浮動ブッシングアセンブリにより許容される制限された回転移動の範囲は、プレートの幅と隙間の幅との差により形成される。この構成により許容される回転は、プレートの平面に平行な軸の周りの回転である。好適な一実施例では、許容回転の範囲は約5〜10°である。
【0032】
図6はキャビティ70の穴の近くにある人間の指を示している。描いた指の直径Fは8.0mm未満である。キャビティの開口の直径AはFより小さい。好適な一実施例では、直径は約7.8mmで、これは8.0mmより小さい。高電圧電気安全規格は最小有効直径が約8.mmの人間の指のモデルを確定している。このような規格の人間の指のモデルの例はIEC950、UL1950、およびCSA950の規定設計要求事項により規定されている。これら安全設計要求事項は人間がニードルに接触するのを防止するように計画されてはいないが、これら要求事項を満たす機構は引っ込んでいるニードルばかりでなく引っ込んでいる電気接続に触れることをも論理的に防止することになる。本発明の好適な一実施例は、引っ込んだニードルへ指の接触を防止しまたは制限するかぎり上の米国政府機関の規定設計要求事項を満たしている。
【0033】
本発明は、インクジェットプリンタに使用するのに特に良く適しているが、上述のアクセスが制限されたニードル/隔壁インターフェース機構は、ニードルが人間に接触することがあるどんな流体輸送システムにも使用することができる。
【0034】
本発明を図示し且つ前述の動作原理および好適実施例を参照して説明してきたが、当業者には形態および細部について付記した特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく各種変更を行なうことができることは自明のことである。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により取り扱いにおいて安全で取り替え時のアライメントを容易にしたインターフェース機構を得ることができる。
【0036】
以上、本発明の実施例について詳述したが、以下、本発明の各実施態様の例を示す。
(実施態様1)インクジェットプリンタに用いられ、インクを前記インクジェットプリンタのインク供給システムのインク供給位置間で輸送するインク供給インターフェース機構であって、
ニードル保持構造と浮動ブッシング・アセンブリを備えたニードルステーションと、
前記ニードル保持構造はその中にキャビティを備えており、前記ニードル保持構造にはさらに前記キャビティの内部に取付けられ、完全にその内部に引っ込んでいるインクニードルを備えており、
前記ニードルはインク供給位置に接続されて動作するものであり、
前記浮動ブッシングアセンブリは前記ニードル保持構造の移動を制限するように前記構造を保持するものであり、
前記インターフェース機構はさらに前記ニードルステーションに隣接して前記インクジェットプリンタに取付けられた隔壁タワーを備え、前記タワーには、他のインク供給位置をそれに接続して動作するインク導管が前記タワーを貫通して伸びている露出された端部及び前記露出端部を覆い、前記導管を封止する隔壁が設けられ、前記タワーと前記キャビティが係合すると、前記ニードルが前記隔壁を貫通するように前記タワーが前記キャビティに挿入されるように構成されており、よって、インクが流通するようにインク供給位置を接続するインク供給インターフェース機構。
(実施態様2)前記ニードル保持構造の前記キャビティには人間の指が前記キャビティに実質的に入らない狭い直径(A)の開口が設けられる前項1の記載のインターフェース機構。
(実施態様3)前記ニードル保持構造は更に前記開口の周りに突出する周辺カラーを備え、前記カラーには前記タワーに対して傾く表面を有し、前記表面は前記タワーおよび前記ニードルが互いに接近しながら前記タワーが表面に接触するとき、前記構造を押し出す前項1記載のインターフェース機構。
(実施態様4)前記浮動ブッシングアセンブリはそれを貫通して前記ニードル保持構造が設置される開口を備えるプレートを有し、前記構造に接続され且つ前記プレートの反対側の端部に設置された上部および下部フランジを備え、前記フランジおよび前記プレートが前記構造を効果的に保持する前項1記載のインターフェース機構。
(実施態様5)前記ニードル保持構造は直径(C)を備え、前記プレートの開口は前記構造の直径(C)より前記浮動ブッシングアセンブリにより許容される制限された平行移動の範囲を規定する量だけ大きい直径(O)である前項4記載のインターフェース機構。
(実施態様6)前記プレートは平面状で幅(W)を有し、前記フランジの間に設けられる隙間は前記プレートの幅(W)より前記浮動ブッシングアセンブリ(50)によって許容される制限された回転移動の範囲を規定する量だけ大きい幅(G)を備え、回転移動は前記プレートの平面に平行な軸の周りで行なわれる前項4記載のインターフェース機構。
(実施態様7)前記キャビティの前記開口の直径(A)は8ミリメートル以下である前項2記載のインターフェース機構。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を備えた軸外インクジェット・プリンタの概略図。
【図2】図1のプリントヘッド/キャリッジアセンブリおよびニードルステーションの部分拡大図。
【図3】図2と同様の拡大図であるが、ニードルステーションがプリントヘッド/キャリッジアセンブリから離れて配置している図。
【図4A】図2の4−4部分拡大断面図で、ニードルがタワーの上に位置する図。
【図4B】図2の4−4部分拡大断面図で、ニードルが隔壁を貫通した位置にある図。
【図5】図4Bと同様の部分拡大断面図で、浮動ブッシングアセンブリによるアライメントの調整がおこなわれた図。
【図6】図4Aと同様の部分拡大断面図で、人間の指との比較を示す図。
【符号の説明】
10:インク供給インターフェース機構
12:インクジェットプリンタ
30:インク供給システム
38:ニードル
40:ニードルステーション
46:バルブプレート
50:浮動ブッシングアセンブリ
52:ニードル保持構造
56:カラー
62:隔壁タワー
65:インク導管
68:隔壁
70:キャビティ
Claims (2)
- インクジェットプリンタに用いられ、インクを前記インクジェットプリンタのインク供給システムのインク貯蔵容器とプリントヘッドとの間で輸送するインク供給インターフェース機構において、
ニードル保持構造を有し、浮動ブッシングアセンブリが固定されたニードルステーションと、
前記ニードルステーションに隣接して前記インクジェットプリンタに取付けられた隔壁タワーと、を備え、
前記ニードル保持構造は、直径が8ミリメートル以下の開口を有するキャビティを内部に有し、前記キャビティの内部に完全に引っ込んでいるように収められたインクニードルを有し、
前記インクニードルは前記インク貯蔵容器に接続され、
前記浮動ブッシングアセンブリは前記ニードル保持構造の制限された移動が可能なように前記ニードル保持構造を保持し、
前記浮動ブッシングアセンブリは、前記ニードル保持構造を配置するために通す開口を有するプレートと、前記プレートの前記開口側の端部に設置されて前記ニードル保持構造に接続する上部および下部フランジと、を備え、前記フランジおよび前記プレートが前記ニードル保持構造を保持し、
前記隔壁タワーのタワーは、前記プリントヘッドに接続するために前記タワーを通って伸びるインク導管と、露出された端部と、を有し、
前記隔壁タワーの隔壁は、前記露出された端部を覆い、前記導管を封止し、
前記タワーおよび前記キャビティは、前記タワーと前記キャビティが係合したとき、前記タワーが前記キャビティに挿入されて、前記ニードルが前記隔壁を貫通し、前記インク貯蔵容器とプリントヘッドとを連通してインクを流通させ、
前記ニードル保持構造は直径を有し、前記プレートの開口は、前記浮動ブッシングアセンブリによって許容される所定の範囲の平行移動が可能な分だけ前記ニードル保持構造の直径より大きく、
前記プレートは平面状で幅を有し、前記フランジ間に設けられた隙間は、前記浮動ブッシングアセンブリによって許容される制限された回転移動の範囲を規定する量だけ前記プレートの幅より大きい幅を有し、前記回転移動は前記プレートの平面に平行な軸の周りで行われることを特徴とするインク供給インターフェース機構。 - 前記ニードル保持構造は前記開口の周りに突出する周辺カラーを備え、前記周辺カラーは前記タワーに対して鋭角に傾斜した表面を有し、前記表面は前記タワーおよび前記ニードルが互いに接近しながら前記タワーが前記表面に接触するとき、前記タワーと前記キャビティとの位置を合わせることを特徴とする請求項1に記載のインク供給インターフェース機構。
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