ところで、上述のようなプリンターでは、インクタンクの配置によってはインク供給チューブを筐体中に引き回す必要があるので、液体噴射ヘッドが往復移動される際に、インク供給チューブにおける液体噴射ヘッドの往復移動に伴って追従変形する部分が筐体内の内蔵物と干渉し、インク供給チューブが摩耗するおそれがあるという問題がある。また、追従変形する部分の一端はキャリッジに固定されているので、追従変形する部分が筐体内の内蔵物と干渉すると、キャリッジの移動速度に影響し、液体噴射ヘッドからインクを噴射して被記録媒体に形成される画像品質が低下するという問題がある。
なお、こうした問題は、インクジェット式プリンターに限らず、筐体の外部に配置された液体収容部から液体供給チューブを介して筐体内の液体噴射ヘッドに供給された液体を当該液体噴射ヘッドから噴射して記録を行う記録装置においては、概ね共通したものとなっている。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、筐体内に引き回されて液体噴射ヘッドの往復移動に伴って追従変形する部材が、筐体内における当該部材の仕切り部を挟んだ反対側の内蔵物と干渉することを抑制することが可能な記録装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する記録装置は、筐体と、前記筐体内に往復移動可能に配置されたキャリッジに支持され、被記録媒体に対して液体を噴射して記録を行う液体噴射ヘッドと、前記筐体の外部に配置された液体収容部に収容された液体を前記液体噴射ヘッドへ導くとともに、前記液体噴射ヘッドの往復移動に伴って前記液体噴射ヘッド側が追従変形し、前記液体収容部側は前記液体噴射ヘッド側から折り返され追従変形しない液体供給チューブと、前記液体供給チューブの追従変形する部分を受ける受け部と、前記液体供給チューブの前記追従変形する部分と前記液体供給チューブの追従変形しない部分とが互いに沿って配置された領域に設けられ、前記液体供給チューブの前記追従変形する部分と前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分とを仕切る、仕切り部と、を備える。
この構成によれば、液体供給チューブは、液体供給チューブの追従変形する部分と液体供給チューブの追従変形しない部分とが仕切り部によって仕切られるので、液体供給チューブの追従変形する部分が、仕切り部よりも液体供給チューブの追従変形しない部分側に配置された内蔵物と干渉することを抑制することができる。
上記記録装置において、前記受け部が、前記仕切り部を兼ねることが好ましい。
この構成によれば、部品点数を低減することが可能となる。
上記記録装置において、前記液体供給チューブは、複数の前記液体供給チューブからなり、複数の前記液体供給チューブは、接続部を介して接続されていることが好ましい。
この構成によれば、液体供給チューブの組み付け作業を容易に行うことが可能となる。
上記記録装置において、前記筐体内には、基板が配置される基板配置部が設けられ、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、前記仕切り部と前記基板配置部との間を通るように配置されることが好ましい。
この構成によれば、仕切り部と基板配置部との間のスペースが狭い場合に、当該スペースに液体供給チューブの追従変形しない部分を通すことで、狭いスペースを有効利用することが可能となる。
上記記録装置において、前記仕切り部と前記基板配置部との間には、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分が前記液体供給チューブの前記追従変形する部分側へ移動することを規制する移動規制部材が配置されていることが好ましい。
この構成によれば、移動規制部材によって、液体供給チューブの追従変形しない部分が液体供給チューブの追従変形する部分側へ移動することを規制することが可能となる。
上記記録装置において、前記液体噴射ヘッドに電力を供給するケーブルを備え、前記移動規制部材は、前記ケーブルの電磁波ノイズを低減させるフェライトコアであることが好ましい。
この構成によれば、ケーブルの電磁波ノイズを低減させるフェライトコアを液体供給チューブの追従変形しない部分が液体供給チューブの追従変形する部分側へ移動することを規制する移動規制部材としても機能させることができるので、部品点数を低減することが可能となる。
上記記録装置において、前記液体噴射ヘッドに電力を供給するケーブルを備え、前記ケーブルは、前記基板に接続され、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、前記ケーブルをくぐるように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、ケーブルによって、液体供給チューブの追従変形しない部分が高さ方向へ移動することを規制することが可能となる。
上記記録装置において、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分と前記基板配置部との間には、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分が前記基板配置部側へ移動することを規制する移動規制壁が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、移動規制壁によって液体供給チューブの追従変形しない部分が基板配置部側へ移動することを規制できるので、液体供給チューブの追従変形しない部分と基板とが干渉することを抑制することが可能となる。
上記記録装置において、互いに異なる種類の前記液体が収容された複数の前記液体収容部から前記液体が複数の前記液体供給チューブによってそれぞれ前記液体噴射ヘッドへ導かれるように構成され、複数の前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分のうちの1つは、前記仕切り部と前記基板配置部との間を通るように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、仕切り部と基板配置部との間のスペースが狭い場合に、当該スペースに複数の液体供給チューブの追従変形しない部分のうちの1つを通すことで、狭いスペースを有効利用することが可能となる。
上記記録装置において、互いに異なる種類の前記液体が収容された複数の前記液体収容部から前記液体が複数の前記液体供給チューブによってそれぞれ前記液体噴射ヘッドへ導かれるように構成され、複数の前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、並列した状態で一体に形成されて前記仕切り部と前記基板配置部との間を通るように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、複数の液体供給チューブの追従変形しない部分が散けないので、当該複数の液体供給チューブの追従変形しない部分を容易に取り扱うことが可能となる。
上記記録装置において、前記筐体内には、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分の上方にカバー部材が配置されていることが好ましい。
この構成によれば、カバー部材によって少なくとも液体供給チューブの追従変形しない部分を隠すことができるので、外観を向上させることが可能となる。
上記記録装置において、前記カバー部材は、前記基板配置部であることが好ましい。
この構成によれば、基板配置部によって少なくとも液体供給チューブの追従変形しない部分を隠すことができるので、外観を向上させることが可能となる。
上記記録装置において、記録に関する情報を入力する、傾斜可能な操作パネルと、前記操作パネルの傾斜角度を規定する傾斜機構と、を備え、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、前記キャリッジの往復移動する方向と交わる方向において前記傾斜機構と重なる位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、液体供給チューブの追従変形する部分におけるキャリッジの往復移動する方向と交わる方向の長さを長くできる。そのため、液体供給チューブの追従変形する部分の湾曲率を小さくして液体供給チューブを配置できる。これにより、液体供給チューブの追従変形する部分の復元力を小さくできるので、キャリッジの移動速度への影響を抑制できる。従って、往復移動する液体噴射ヘッドからインクを噴射して被記録媒体に形成される画像品質が低下することを抑制できる。
上記記録装置において、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、前記キャリッジの往復移動する方向と交わる方向において前記接続部と重なる位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、液体供給チューブの追従変形する部分におけるキャリッジの往復移動する方向と交わる方向の長さを長くできる。そのため、液体供給チューブの追従変形する部分の湾曲率を小さくして液体供給チューブを配置できる。これにより、液体供給チューブの追従変形する部分の復元力を小さくできるので、キャリッジの移動速度への影響を抑制できる。従って、往復移動する液体噴射ヘッドからインクを噴射して被記録媒体に形成される画像品質が低下することを抑制できる。
上記記録装置において、互いに異なる種類の前記液体が収容された複数の前記液体収容部から前記液体が複数の前記液体供給チューブによってそれぞれ前記液体噴射ヘッドへ導かれるように構成され、複数の前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分のうちの1つは、前記仕切り部の前記液体供給チューブの前記追従変形する部分と反対側に沿って配置されていることが好ましい。
この構成によれば、複数の液体供給チューブの追従変形しない部分のうちの1つを通すことで、狭いスペースを有効利用することが可能となる。
上記記録装置において、互いに異なる種類の前記液体が収容された複数の前記液体収容部から前記液体が複数の前記液体供給チューブによってそれぞれ前記液体噴射ヘッドへ導かれるように構成され、複数の前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、並列した状態で一体に形成され、前記仕切り部の前記液体供給チューブの前記追従変形する部分と反対側に沿って配置されていることが好ましい。
この構成によれば、複数の液体供給チューブの追従変形しない部分が散けないので、当該複数の液体供給チューブの追従変形しない部分を容易に取り扱うことが可能となる。
上記課題を解決する記録装置は、筐体と、前記筐体内に往復移動可能に配置されたキャリッジに支持され、被記録媒体に対して液体を噴射して記録を行う液体噴射ヘッドと、前記筐体の外部に配置された液体収容部に収容された液体を前記液体噴射ヘッドへ導くとともに、前記液体噴射ヘッドの往復移動に伴って前記液体噴射ヘッド側が追従変形し、前記液体収容部側は前記液体噴射ヘッド側から折り返され追従変形しない液体供給チューブと、前記液体噴射ヘッドの前記往復移動に伴って追従変形するとともに、前記液体噴射ヘッドに電力を供給するケーブルと、前記ケーブルを受ける受け部と、前記ケーブルと前記液体供給チューブの追従変形しない部分とが互いに沿って配置された領域に設けられ、前記ケーブルと前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分とを仕切る、仕切り部と、を備える。
この構成によれば、ケーブルと液体供給チューブの追従変形しない部分とが仕切り部によって仕切られるので、ケーブルが仕切り部よりも液体供給チューブの追従変形しない部分側に配置された内蔵物と干渉することを抑制することができる。
上記記録装置において、前記受け部が、前記仕切り部を兼ねることが好ましい。
この構成によれば、部品点数を低減することが可能となる。
上記記録装置において、前記液体供給チューブは、複数の前記液体供給チューブからなり、複数の前記液体供給チューブは、接続部を介して接続されていることが好ましい。
この構成によれば、液体供給チューブの組み付け作業を容易に行うことが可能となる。
上記記録装置において、前記筐体内には、基板が配置される基板配置部が設けられ、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、前記仕切り部と前記基板配置部との間を通るように配置されることが好ましい。
この構成によれば、仕切り部と基板配置部との間のスペースが狭い場合に、当該スペースに液体供給チューブの追従変形しない部分を通すことで、狭いスペースを有効利用することが可能となる。
上記記録装置において、前記仕切り部と前記基板配置部との間には、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分が前記液体供給チューブの前記追従変形する部分側へ移動することを規制する移動規制部材が配置されていることが好ましい。
この構成によれば、移動規制部材によって、液体供給チューブの追従変形しない部分が液体供給チューブの追従変形する部分側へ移動することを規制することが可能となる。
上記記録装置において、前記移動規制部材は、前記ケーブルの電磁波ノイズを低減させるフェライトコアであることが好ましい。
この構成によれば、ケーブルの電磁波ノイズを低減させるフェライトコアを液体供給チューブの追従変形しない部分が液体供給チューブの追従変形する部分側へ移動することを規制する移動規制部材としても機能させることができるので、部品点数を低減することが可能となる。
上記記録装置において、前記ケーブルは、前記基板に接続され、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、前記ケーブルをくぐるように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、ケーブルによって、液体供給チューブの追従変形しない部分が高さ方向へ移動することを規制することが可能となる。
上記記録装置において、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分と前記基板配置部との間には、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分が前記基板配置部側へ移動することを規制する移動規制壁が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、移動規制壁によって液体供給チューブの追従変形しない部分が基板配置部側へ移動することを規制できるので、液体供給チューブの追従変形しない部分と基板とが干渉することを抑制することが可能となる。
上記記録装置において、互いに異なる種類の前記液体が収容された複数の前記液体収容部から前記液体が複数の前記液体供給チューブによってそれぞれ前記液体噴射ヘッドへ導かれるように構成され、複数の前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分のうちの1つは、前記仕切り部と前記基板配置部との間を通るように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、仕切り部と基板配置部との間のスペースが狭い場合に、当該スペースに複数の液体供給チューブの追従変形しない部分のうちの1つを通すことで、狭いスペースを有効利用することが可能となる。
上記記録装置において、互いに異なる種類の前記液体が収容された複数の前記液体収容部から前記液体が複数の前記液体供給チューブによってそれぞれ前記液体噴射ヘッドへ導かれるように構成され、複数の前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、並列した状態で一体に形成されて前記仕切り部と前記基板配置部との間を通るように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、複数の液体供給チューブの追従変形しない部分が散けないので、当該複数の液体供給チューブの追従変形しない部分を容易に取り扱うことが可能となる。
上記記録装置において、前記筐体内には、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分の上方にカバー部材が配置されていることが好ましい。
この構成によれば、カバー部材によって少なくとも液体供給チューブの追従変形しない部分を隠すことができるので、外観を向上させることが可能となる。
上記記録装置において、前記カバー部材は、前記基板配置部であることが好ましい。
この構成によれば、基板配置部によって少なくとも液体供給チューブの追従変形しない部分を隠すことができるので、外観を向上させることが可能となる。
上記記録装置において、記録に関する情報を入力する、傾斜可能な操作パネルと、前記操作パネルの傾斜角度を規定する傾斜機構と、を備え、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、前記キャリッジの往復移動する方向と交わる方向において前記傾斜機構と重なる位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、液体供給チューブの追従変形する部分におけるキャリッジの往復移動する方向と交わる方向の長さを長くできる。そのため、液体供給チューブの追従変形する部分の湾曲率を小さくして液体供給チューブを配置できる。これにより、液体供給チューブの追従変形する部分の復元力を小さくできるので、キャリッジの移動速度への影響を抑制できる。従って、往復移動する液体噴射ヘッドからインクを噴射して被記録媒体に形成される画像品質が低下することを抑制できる。
上記記録装置において、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、前記キャリッジの往復移動する方向と交わる方向において前記接続部と重なる位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、液体供給チューブの追従変形する部分におけるキャリッジの往復移動する方向と交わる方向の長さを長くできる。そのため、液体供給チューブの追従変形する部分の湾曲率を小さくして液体供給チューブを配置できる。これにより、液体供給チューブの追従変形する部分の復元力を小さくできるので、キャリッジの移動速度への影響を抑制できる。従って、往復移動する液体噴射ヘッドからインクを噴射して被記録媒体に形成される画像品質が低下することを抑制できる。
上記記録装置において、互いに異なる種類の前記液体が収容された複数の前記液体収容部から前記液体が複数の前記液体供給チューブによってそれぞれ前記液体噴射ヘッドへ導かれるように構成され、複数の前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分のうちの1つは、前記仕切り部の前記液体供給チューブの前記追従変形する部分と反対側に沿って配置されていることが好ましい。
この構成によれば、複数の液体供給チューブの追従変形しない部分のうちの1つを通すことで、狭いスペースを有効利用することが可能となる。
上記記録装置において、互いに異なる種類の前記液体が収容された複数の前記液体収容部から前記液体が複数の前記液体供給チューブによってそれぞれ前記液体噴射ヘッドへ導かれるように構成され、複数の前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、並列した状態で一体に形成され、前記仕切り部の前記液体供給チューブの前記追従変形する部分と反対側に沿って配置されていることが好ましい。
この構成によれば、複数の液体供給チューブの追従変形しない部分が散けないので、当該複数の液体供給チューブの追従変形しない部分を容易に取り扱うことが可能となる。
上記課題を解決する記録装置は、筐体と、前記筐体内に往復移動可能に配置されたキャリッジに支持され、被記録媒体に対して液体を噴射して記録を行う液体噴射ヘッドと、前記筐体の外部に配置された液体収容部に収容された液体を前記液体噴射ヘッドへ導くとともに、前記液体噴射ヘッドの往復移動に伴って前記液体噴射ヘッド側が追従変形し、前記液体収容部側は前記液体噴射ヘッド側から折り返され追従変形しない液体供給チューブと、前記液体噴射ヘッドの前記往復移動に伴って追従変形するとともに、前記液体供給チューブの追従変形する部分を保護する保護部材と、前記保護部材を受ける受け部と、前記保護部材と前記液体供給チューブの追従変形しない部分とが互いに沿って配置された領域に設けられ、前記保護部材と前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分とを仕切る、仕切り部と、を備える。
この構成によれば、保護部材と液体供給チューブの追従変形しない部分とが仕切り部によって仕切られるので、保護部材が仕切り部よりも液体供給チューブの追従変形しない部分側に配置された内蔵物と干渉することを抑制することができる。
上記記録装置において、前記受け部が、前記仕切り部を兼ねることが好ましい。
この構成によれば、部品点数を低減することが可能となる。
上記記録装置において、前記液体供給チューブは、複数の前記液体供給チューブからなり、複数の前記液体供給チューブは、接続部を介して接続されていることが好ましい。
この構成によれば、液体供給チューブの組み付け作業を容易に行うことが可能となる。
上記記録装置において、前記筐体内には、基板が配置される基板配置部が設けられ、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、前記仕切り部と前記基板配置部との間を通るように配置されることが好ましい。
この構成によれば、仕切り部と基板配置部との間のスペースが狭い場合に、当該スペースに液体供給チューブの追従変形しない部分を通すことで、狭いスペースを有効利用することが可能となる。
上記記録装置において、前記仕切り部と前記基板配置部との間には、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分が前記液体供給チューブの前記追従変形する部分側へ移動することを規制する移動規制部材が配置されていることが好ましい。
この構成によれば、移動規制部材によって、液体供給チューブの追従変形しない部分が液体供給チューブの追従変形する部分側へ移動することを規制することが可能となる。
上記記録装置において、前記液体噴射ヘッドに電力を供給するケーブルを備え、前記移動規制部材は、前記ケーブルの電磁波ノイズを低減させるフェライトコアであることが好ましい。
この構成によれば、ケーブルの電磁波ノイズを低減させるフェライトコアを液体供給チューブの追従変形しない部分が液体供給チューブの追従変形する部分側へ移動することを規制する移動規制部材としても機能させることができるので、部品点数を低減することが可能となる。
上記記録装置において、前記液体噴射ヘッドに電力を供給するケーブルを備え、前記ケーブルは、前記基板に接続され、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、前記ケーブルをくぐるように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、ケーブルによって、液体供給チューブの追従変形しない部分が高さ方向へ移動することを規制することが可能となる。
上記記録装置において、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分と前記基板配置部との間には、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分が前記基板配置部側へ移動することを規制する移動規制壁が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、移動規制壁によって液体供給チューブの追従変形しない部分が基板配置部側へ移動することを規制できるので、液体供給チューブの追従変形しない部分と基板とが干渉することを抑制することが可能となる。
上記記録装置において、互いに異なる種類の前記液体が収容された複数の前記液体収容部から前記液体が複数の前記液体供給チューブによってそれぞれ前記液体噴射ヘッドへ導かれるように構成され、複数の前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分のうちの1つは、前記仕切り部と前記基板配置部との間を通るように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、仕切り部と基板配置部との間のスペースが狭い場合に、当該スペースに複数の液体供給チューブの追従変形しない部分のうちの1つを通すことで、狭いスペースを有効利用することが可能となる。
上記記録装置において、互いに異なる種類の前記液体が収容された複数の前記液体収容部から前記液体が複数の前記液体供給チューブによってそれぞれ前記液体噴射ヘッドへ導かれるように構成され、複数の前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、並列した状態で一体に形成されて前記仕切り部と前記基板配置部との間を通るように配置されていることが好ましい。
この構成によれば、複数の液体供給チューブの追従変形しない部分が散けないので、当該複数の液体供給チューブの追従変形しない部分を容易に取り扱うことが可能となる。
上記記録装置において、前記筐体内には、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分の上方にカバー部材が配置されていることが好ましい。
この構成によれば、カバー部材によって少なくとも液体供給チューブの追従変形しない部分を隠すことができるので、外観を向上させることが可能となる。
上記記録装置において、前記カバー部材は、前記基板配置部であることが好ましい。
この構成によれば、基板配置部によって少なくとも液体供給チューブの追従変形しない部分を隠すことができるので、外観を向上させることが可能となる。
上記記録装置において、記録に関する情報を入力する、傾斜可能な操作パネルと、前記操作パネルの傾斜角度を規定する傾斜機構と、を備え、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、前記キャリッジの往復移動する方向と交わる方向において前記傾斜機構と重なる位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、液体供給チューブの追従変形する部分におけるキャリッジの往復移動する方向と交わる方向の長さを長くできる。そのため、液体供給チューブの追従変形する部分の湾曲率を小さくして液体供給チューブを配置できる。これにより、液体供給チューブの追従変形する部分の復元力を小さくできるので、キャリッジの移動速度への影響を抑制できる。従って、往復移動する液体噴射ヘッドからインクを噴射して被記録媒体に形成される画像品質が低下することを抑制できる。
上記記録装置において、前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、前記キャリッジの往復移動する方向と交わる方向において前記接続部と重なる位置に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、液体供給チューブの追従変形する部分におけるキャリッジの往復移動する方向と交わる方向の長さを長くできる。そのため、液体供給チューブの追従変形する部分の湾曲率を小さくして液体供給チューブを配置できる。これにより、液体供給チューブの追従変形する部分の復元力を小さくできるので、キャリッジの移動速度への影響を抑制できる。従って、往復移動する液体噴射ヘッドからインクを噴射して被記録媒体に形成される画像品質が低下することを抑制できる。
上記記録装置において、互いに異なる種類の前記液体が収容された複数の前記液体収容部から前記液体が複数の前記液体供給チューブによってそれぞれ前記液体噴射ヘッドへ導かれるように構成され、複数の前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分のうちの1つは、前記仕切り部の前記液体供給チューブの前記追従変形する部分と反対側に沿って配置されていることが好ましい。
この構成によれば、複数の液体供給チューブの追従変形しない部分のうちの1つを通すことで、狭いスペースを有効利用することが可能となる。
上記記録装置において、互いに異なる種類の前記液体が収容された複数の前記液体収容部から前記液体が複数の前記液体供給チューブによってそれぞれ前記液体噴射ヘッドへ導かれるように構成され、複数の前記液体供給チューブの前記追従変形しない部分は、並列した状態で一体に形成され、前記仕切り部の前記液体供給チューブの前記追従変形する部分と反対側に沿って配置されていることが好ましい。
この構成によれば、複数の液体供給チューブの追従変形しない部分が散けないので、当該複数の液体供給チューブの追従変形しない部分を容易に取り扱うことが可能となる。
(実施形態1)
以下、実施形態1における記録装置の一例であるインクジェット式プリンターを有した複合機について、図面に従って説明する。図1に示すように、複合機11は、全体として略直方体状をなしており、被記録媒体の一例としての用紙Pに液体の一例としてのインクを噴射して印刷(記録)を行う記録装置の一例としてのインクジェット式プリンター12と、インクジェット式プリンター12上に配置されて原稿などを読み取るスキャナー13とを備えている。インクジェット式プリンター12は直方体状の筐体14を備えており、筐体14の前端部における上端部には複合機11の各種の操作を行うための操作部15が設けられている。
筐体14の前面における上部には、筐体14内で印刷された用紙Pが排紙される矩形状の排紙口16が開口している。排紙口16からは、排紙口16から排紙された用紙Pを支持する矩形板状の排紙トレイ17が排紙方向である前方に向かって突出するように延びている。筐体14の前面における排紙トレイ17の下側には、上下二段の給紙カセット18,19が着脱自在に装着されている。給紙カセット18,19には異なるサイズの用紙Pがそれぞれ積層状態で収容されている。もちろん、給紙カセット18,19には同じサイズの用紙Pがそれぞれ積層状態で収容されていてもよい。
図1及び図2に示すように、筐体14の一側面である左側面には液体収容部の一例としての第1インク収容部20が取り付けられ、筐体14の他側面である右側面には液体収容部の一例としての第2インク収容部21が取り付けられている。すなわち、第1インク収容部20及び第2インク収容部21は筐体14の外部に配置されている。
第1インク収容部20は、上端が開口した前後方向に長い有底矩形箱状の第1ケース22と、第1ケース22内に収容された第1インク収容体23とを備えている。第1ケース22内の上端部における長手方向の両端部には、それぞれフランジ部24が設けられている。
第1インク収容体23は、ブラックインクが充填された第1インク袋23aと、第1インク袋23aの上端部に取着された略矩形状の第1支持板23bとを備えている。そして、第1インク収容体23は、第1支持板23bの長手方向の両端部が第1ケース22の各フランジ部24上にそれぞれ載せられた状態で第1ケース22内に収容されている。すなわち、第1インク収容体23は、第1ケース22内で第1インク袋23aが第1支持板23bによって吊り下げられるようにして、第1ケース22内に収容されている。
第1支持板23bの上面の中央部には、第1インク袋23a内のブラックインクを導出するための第1インク導出部25が設けられている。第1インク導出部25には第1インク導出チューブ26の一端側が接続され、第1インク導出チューブ26の他端側は第1ケース22における筐体14側の側壁に形成された貫通孔27及び筐体14における第1ケース22側の側壁に形成された貫通孔28を通して筐体14内に挿入されている。
第2インク収容部21は、上端が開口した前後方向に長い有底矩形箱状の第2ケース30と、第2ケース30内に前後方向に並ぶように収容された第2〜第4インク収容体31〜33とを備えている。第2ケース30内の上端部における短手方向の両端部には、長手方向全体にわたって延びるフランジ部34が設けられている。そして、第2〜第4インク収容体31〜33は、第1インク収容体23よりも大きさが小さく設定されている。
第2〜第4インク収容体31〜33は、第2〜第4インク袋31a〜33aと、第2〜第4インク袋31a〜33aの上端部に取着された略矩形状の第2〜第4支持板31b〜33bとをそれぞれ備えている。第2インク袋31a、第3インク袋32a、及び第4インク袋33aには、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクがそれぞれ充填されている。したがって、第2インク収容部21の第2〜第4インク収容体31〜33に収容されるインクと、第1インク収容部20の第1インク収容体23に収容されるインクとは、互いに色(種類)が異なっている。
第2〜第4インク収容体31〜33は、第2〜第4支持板31b〜33bの長手方向の両端部が第2ケース30の各フランジ部34上にそれぞれ載せられた状態で第2ケース30内に収容されている。すなわち、第2〜第4インク収容体31〜33は、第2ケース30内で第2〜第4インク袋31a〜33aが第2〜第4支持板31b〜33bによってそれぞれ吊り下げられるようにして、第2ケース30内に収容されている。
この場合、第2ケース30内には、第2〜第4インク収容体31〜33が、前側から後側に向かって第2インク収容体31、第3インク収容体32、及び第4インク収容体33の順で並ぶように収容されている。第2〜第4支持板31b〜33bの上面の中央部には、第2〜第4インク袋31a〜33a内のインクを導出するための第2〜第4インク導出部35〜37がそれぞれ設けられている。
第2〜第4インク導出部35〜37には、第2〜第4インク導出チューブ38〜40の一端側がそれぞれ接続されている。一方、第2〜第4インク導出チューブ38〜40の他端側は、第2ケース30における筐体14側の側壁に形成された貫通孔41及び筐体14における第2ケース30側の側壁に形成された貫通孔42を通して筐体14内に挿入されている。
図2に示すように、筐体14内の後部には、前後一対のガイドレール45が左右方向に延びるように設けられている。一対のガイドレール45上には、当該一対のガイドレール45に跨るように、キャリッジ46が配置されている。すなわち、キャリッジ46は、一対のガイドレール45により、当該一対のガイドレール45に沿ってガイドされながら往復移動可能に支持されている。キャリッジ46の往復移動方向は主走査方向Xとされ、本実施形態では左右方向が主走査方向Xと一致している。
一対のガイドレール45のうちの前側のガイドレール45における主走査方向Xの一端側(第2インク収容部21側の端部)には従動プーリー47が設けられ、他端側(第1インク収容部20側の端部)にはキャリッジモーター(図示略)によって回転駆動可能な駆動プーリー48が設けられている。
両プーリー47,48には無端状のタイミングベルト49が巻き掛けられており、タイミングベルト49の一部はキャリッジ46の一部に連結されている。したがって、キャリッジモーター(図示略)の駆動によって駆動プーリー48が回転駆動されると、その駆動力がタイミングベルト49を介してキャリッジ46に伝達され、キャリッジ46が主走査方向Xに往復移動されるようになっている。
キャリッジ46の下端部には、第1インク収容部20及び第2インク収容部21から供給される各色のインクを噴射可能な液体噴射ヘッド50が支持されている。筐体14内における液体噴射ヘッド50と対向する位置には、給紙カセット18,19(図1参照)から選択的に給紙される用紙Pを支持する支持台51が配置されている。
そして、キャリッジ46が主走査方向Xに移動しながら液体噴射ヘッド50の下面に開口する複数のノズル(図示略)から支持台51上の用紙Pに対して各色のインクを噴射することで、用紙Pの印刷がなされる。
キャリッジ46の移動領域における主走査方向Xの一端部(第2インク収容部21側の端部)はキャリッジ46が待機するホームポジションHP領域とされ、ホームポジションHP領域には液体噴射ヘッド50のクリーニングなどのメンテナンスを行うためのキャップ52などが配置されている。
一方、キャリッジ46の移動領域における主走査方向Xの他端部(ホームポジションHPとは反対側の端部)には、用紙Pの印刷中に液体噴射ヘッド50の各ノズル(図示略)から印刷とは無関係にインクを吐出させるフラッシングを行う際のフラッシングインクを受容するためのフラッシングボックス53が配置されている。
図2及び図3に示すように、筐体14内には、キャリッジ46の移動領域を含まない第1領域Aと、キャリッジ46の移動領域を含む第2領域Bとを区画するために仕切る壁状の仕切り部55が主走査方向Xに沿って延びるように設けられている。仕切り部55は、筐体14内における第1インク収容部20側の端部から第2インク収容部21側に向かって延びている。この場合、仕切り部55の第2インク収容部21側の端部は、筐体14内の中央部よりもやや第2インク収容部21側寄りの位置まで達している。
筐体14内における仕切り部55よりも前側の領域である第1領域Aの中央部には基板配置部56が設けられており、基板配置部56には基板57が配置されている。第1領域Aにおける主走査方向XのホームポジションHP側の端部には、主走査方向Xに並ぶ中空の第1〜第4インク供給針58a〜58dを備えた接続部の一例としてのチューブ接続部58が配置されている。
第1〜第4インク供給針58a〜58dの一端側には、それぞれ一端側が第1〜第4インク収容体23,31〜33に接続された第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40の他端側が接続されている。
すなわち、第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40は、第1〜第4インク収容体23,31〜33と第1〜第4インク供給針58a〜58dとをそれぞれ接続している。したがって、筐体14内におけるチューブ接続部58の第1〜第4インク供給針58a,58b,58c,58dには、第1〜第4インク収容体23,31〜33から第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40によってそれぞれブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクが導かれる。
一方、第1〜第4インク供給針58a〜58dの他端側には、それぞれ一端側がキャリッジ46に支持された状態で液体噴射ヘッド50に接続された第1〜第4インク供給チューブ60〜63の他端側が接続されている。すなわち、第1〜第4インク供給チューブ60〜63は、第1〜第4インク供給針58a〜58dと液体噴射ヘッド50とを接続している。
そして、第1〜第4インク供給チューブ60〜63は、第1〜第4インク収容体23,31〜33から第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40によって第1〜第4インク供給針58a〜58dに導かれたブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを液体噴射ヘッド50へ導く。なお、本実施形態では、第1〜第4インク供給チューブ60〜63及び第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40によって液体供給チューブが構成されている。
そして、第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40は、第1〜第4インク供給針58a〜58dを介して第1〜第4インク供給チューブ60〜63とそれぞれ連通している。したがって、第1〜第4インク収容体23,31〜33から第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40によってチューブ接続部58の第1〜第4インク供給針58a〜58dに導かれたそれぞれのインクは、第1〜第4インク供給チューブ60〜63によって液体噴射ヘッド50へ導かれる。
また、第1〜第4インク供給チューブ60〜63は、可撓性を有しており、第1〜第4インク供給針58a〜58dから仕切り部55に向かって延びて仕切り部55における第2領域B側の面に沿って第1インク収容部20側へ延びている。その後、第1〜第4インク供給チューブ60〜63は、仕切り部55における第2領域B側の面からキャリッジ46の移動領域に向かいながら第1インク収容部20側へ膨らむように湾曲してキャリッジ46に支持された液体噴射ヘッド50まで延びている。
第1〜第4インク供給チューブ60〜63における液体噴射ヘッド50(キャリッジ46)の往復移動に伴って追従変形する部分は、それぞれ液体供給チューブの変形可動部HKとされている。そして、仕切り部55における第2領域B側(キャリッジ46側)の面は、液体噴射ヘッド50(キャリッジ46)の往復移動に伴って変形可動部HKが追従変形した際に、変形可動部HKを受ける受け部55aとされている。
一方、第1〜第4インク供給チューブ60〜63における液体噴射ヘッド50(キャリッジ46)の往復移動に伴って追従変形しない部分及び第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40は、それぞれ液体供給チューブの固定部KTとされている。そして、本実施形態では、変形可動部HK(第1〜第4インク供給チューブ60〜63)と、固定部KT(第1インク導出チューブ26)とが仕切り部55によって区画されている。
また、基板57には液体噴射ヘッド50に電力を供給したり液体噴射ヘッド50側に対して各種の信号を送受信したりするための可撓性のケーブルの一例としてのFFC(フレキシブルフラットケーブル)64の一端側が接続され、FFC64の他端側はキャリッジ46に支持された状態で液体噴射ヘッド50に接続されている。
すなわち、FFC64は、基板57から上側に膨らむように湾曲して仕切り部55まで延びてから仕切り部55における第1領域A側の面に沿って第2インク収容部21側へ延びた後、仕切り部55の第2インク収容部21側の端部を回り込んで仕切り部55における第2領域B側の面に沿って第1インク収容部20側へ延びている。
その後、FFC64は、仕切り部55における第2領域B側の面から湾曲する第1〜第4インク供給チューブ60〜63の内側(第2インク収容部21側)に沿って第1〜第4インク供給チューブ60〜63と同様に第1インク収容部20側へ膨らむように湾曲した後、キャリッジ46に支持された液体噴射ヘッド50まで延びている。
したがって、第1〜第4インク供給チューブ60〜63及びFFC64は、液体噴射ヘッド50から仕切り部55に向かって湾曲している。そして、第1〜第4インク供給チューブ60〜63及びFFC64の大半は、第2領域Bに配置されている。
FFC64の途中位置には、フェライトコア65が取り付けられている。フェライトコア65は、FFC64の電磁波ノイズを低減させるものであり、仕切り部55の第1領域A側の面における第2インク収容部21側の端部と基板配置部56との間に配置されている。この場合、フェライトコア65は、仕切り部55の第1領域A側の面における第2インク収容部21側の端部に接触している。
図2及び図3に示すように、筐体14の貫通孔28から筐体14内に挿入された第1インク導出チューブ26は、仕切り部55における第1領域A側の面に沿ってチューブ接続部58に向かって延びて第1インク供給針58aに接続されている。すなわち、第1インク導出チューブ26は、第1領域Aにおいて仕切り部55と基板配置部56との間を通るように配置されている。
この場合、図4に示すように、第1インク導出チューブ26は、FFC64における基板57近傍のアーチ状の部分をくぐるとともに、フェライトコア65における第1領域A側の面に接触するように延びている。この場合、第1インク導出チューブ26は、フェライトコア65と接触していなくてもよい。したがって、フェライトコア65は、第1インク導出チューブ26(固定部KT)が第2領域B(変形可動部HK)側へ移動することを規制する移動規制部材としても機能する。
図3及び図4に示すように、筐体14内における第1インク導出チューブ26と基板配置部56との間には、第1インク導出チューブ26が基板配置部56側へ移動することを規制する移動規制壁66が仕切り部55に沿って延びるように設けられている。したがって、第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40のうちの1つである第1インク導出チューブ26は、筐体14内において仕切り部55と移動規制壁66との間を通るように配置されている。
また、図2に示すように、筐体14内には、第1領域A全体を覆う平板状のカバー部材67が配置されている。すなわち、カバー部材67は、筐体14内において、仕切り部55、第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40(固定部KT)、基板配置部56、及びチューブ接続部58を含む領域(図2の2点鎖線で示す領域)を覆うように配置されている。
次に、複合機11の作用について説明する。
さて、複合機11によって印刷を行う場合には、まず、スキャナー13に原稿をセットした後、操作部15を操作して印刷動作を開始させる。すると、スキャナー13によって原稿が読み取られる。続いて、この読み取られた原稿のデータに基づき、給紙カセット18,19から選択的に支持台51上に用紙Pが給紙されるとともに、当該用紙Pにキャリッジ46と共に主走査方向Xに往復移動する液体噴射ヘッド50の各ノズル(図示略)から各色のインクが噴射されて印刷がなされる。
そして、用紙Pの印刷中には、キャリッジ46が主走査方向Xに往復移動するので、第1〜第4インク供給チューブ60〜63及びFFC64もキャリッジ46に追従して主走査方向Xに往復移動する。このため、仕切り部55が存在しない場合には、筐体14内に引き回された第1インク導出チューブ26が、第1〜第4インク供給チューブ60〜63、FFC64、及びキャリッジ46などの筐体14の内蔵物(特に、用紙Pの印刷中に移動するもの)と干渉するおそれがある。
この点、本実施形態では、筐体14内において、第1インク導出チューブ26(固定部KT)が配置される第1領域Aと、第1〜第4インク供給チューブ60〜63(変形可動部HK)、FFC64、及びキャリッジ46などの筐体14の内蔵物が配置される第2領域Bとが仕切り部55によって仕切られている。このため、第1インク導出チューブ26と、第1〜第4インク供給チューブ60〜63、FFC64、及びキャリッジ46などの筐体14の内蔵物とが干渉することが抑制される。
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)第1〜第4インク供給チューブ60〜63及びFFC64は、仕切り部55における第2領域B側の面に沿って配置され、第1インク導出チューブ26は、仕切り部55における第1領域A側の面に沿って配置されている。このため、第1インク導出チューブ26と、第1〜第4インク供給チューブ60〜63及びFFC64とが仕切り部55によって仕切られるので、第1インク導出チューブ26(固定部KT)と、第1〜第4インク供給チューブ60〜63(変形可動部HK)及びFFC64とが干渉することを抑制することができる。すなわち、筐体14内に引き回されて液体噴射ヘッド50(キャリッジ46)の往復移動に伴って追従変形する変形可動部HKが、筐体14内における変形可動部HKの仕切り部55を挟んだ反対側の内蔵物(固定部KTなど)と干渉することを抑制することができる。
(2)第1〜第4インク供給チューブ60〜63及びFFC64は、キャリッジ46に支持された液体噴射ヘッド50から仕切り部55に向かって湾曲している。このため、キャリッジ46と共に液体噴射ヘッド50が主走査方向Xに往復移動した場合でも、第1〜第4インク供給チューブ60〜63及びFFC64の湾曲状態を安定させることができる。
(3)液体供給チューブは、第1〜第4インク供給チューブ60〜63及び第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40からなり、第1〜第4インク供給チューブ60〜63及び第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40は、チューブ接続部58(第1〜第4インク供給針58a〜58d)を介してそれぞれ接続されている。このため、第1〜第4インク供給チューブ60〜63及び第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40の組み付け作業を容易に行うことが可能となる。
(4)筐体14内の第1領域Aには、基板57が配置される基板配置部56が設けられ、第1インク導出チューブ26(固定部KT)は、仕切り部55と基板配置部56との間を通るように配置されている。このため、仕切り部55と基板配置部56との間のスペースが狭い場合に、当該スペースに第1インク導出チューブ26(固定部KT)を通すことで、狭いスペースを有効利用することができる。
(5)仕切り部55と基板配置部56との間には、第1インク導出チューブ26(固定部KT)が第2領域B側(変形可動部HK側)へ移動することを規制する移動規制部材が配置され、移動規制部材は、FFC64の電磁波ノイズを低減させるフェライトコア65によって構成されている。このため、FFC64の電磁波ノイズを低減させるフェライトコア65を第1インク導出チューブ26が第2領域B側へ移動することを規制する移動規制部材としても機能させることができるので、フェライトコア65とは別に筐体14内に移動規制部材を配置する場合に比べて部品点数を低減することができる。
(6)FFC64は、基板57に接続され、第1インク導出チューブ26(固定部KT)は、FFC64をくぐるように配置されている。このため、FFC64によって、第1インク導出チューブ26が高さ方向(上方)へ移動することを規制することができる。
(7)第1インク導出チューブ26(固定部KT)と基板配置部56との間には、第1インク導出チューブ26が基板配置部56側へ移動することを規制する移動規制壁66が設けられている。このため、移動規制壁66によって第1インク導出チューブ26が基板配置部56側へ移動することを規制できるので、第1インク導出チューブ26と基板57とが干渉することを抑制することができる。
(8)第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40(複数の固定部KT)のうちの1つである第1インク導出チューブ26(固定部KT)は、筐体14内において仕切り部55と基板配置部56との間を通るように配置されている。このため、仕切り部55と基板配置部56との間のスペースが狭い場合に、当該スペースに第1インク導出チューブ26を通すことで、狭いスペースを有効利用することが可能となる。
(9)筐体14内には、第1インク導出チューブ26(固定部KT)を含む第1領域A全体を覆うカバー部材67が配置されている。このため、カバー部材67によって第1インク導出チューブ26を含む第1領域A全体を隠すことができるので、外観を向上させることができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図5及び図6に示すように、筐体14の前面における第2インク収容部21側の端部に、チューブ接続部58を露出可能な開閉自在の蓋体70を設ける。そして、第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40におけるチューブ接続部58に接続される側の端部に第1〜第4インク供給針58a〜58dと接続可能な直方体状をなす中空の接続部の一例としてのアダプター71をそれぞれ取り付けるようにしてもよい。この場合、第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40にそれぞれ取り付けられたアダプター71における第1〜第4インク供給針58a〜58dとのそれぞれの対向面には、第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40と連通する連通孔71aが貫通するように形成されている。このようにすれば、蓋体70を開けて第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40に取り付けられたアダプター71をチューブ接続部58にそれぞれ装着するだけで、それぞれのアダプター71の連通孔71aを通して第1〜第4インク導出チューブ26,38〜40を第1〜第4インク供給針58a〜58dに対して容易に接続することができる。
・図7に示すように、第1インク導出チューブ26を円筒状の接続部の一例としての連結部材72によって第1インク供給チューブ60に直接接続して仕切り部55を挟んで折り返すようにしてもよい。このようにすれば、第1インク導出チューブ26の長さを短くすることが可能となる。あるいは、第1インク導出チューブ26と第1インク供給チューブ60とを1本のチューブになるように一体に形成するようにしてもよい。
・第2〜第4インク導出チューブ38〜40と第2〜第4インク供給チューブ61〜63とを連結部材72によってそれぞれ直接接続するようにしてもよい。
・図8に示すように、第2〜第4インク導出チューブ38〜40(固定部KT)は、並列した状態で一体に形成するようにしてもよい。すなわち、第2〜第4インク導出チューブ38〜40は、いわゆる多連チューブで構成してもよい。このようにすれば、第2〜第4インク導出チューブ38〜40が散けないので、第2〜第4インク導出チューブ38〜40を容易に取り扱うことができる。特に、第1インク収容部20と第2インク収容部21との位置を入れ替えた場合に第2〜第4インク導出チューブ38〜40を多連チューブとすることで、第2〜第4インク導出チューブ38〜40を仕切り部55と移動規制壁66との間に通す際に第2〜第4インク導出チューブ38〜40を容易に取り扱うことができる。また、移動規制壁66が存在しない場合には、第2〜第4インク導出チューブ38〜40を仕切り部55と基板配置部56との間に通す際に第2〜第4インク導出チューブ38〜40を容易に取り扱うことができる。
・図2に示すように、カバー部材67は、筐体14内において、仕切り部55、各インク導出チューブ26,38〜40、基板配置部56、及びチューブ接続部58を含む領域(図2の2点鎖線で示す領域)に加えて、各インク供給チューブ60〜63及びFFC64を含む領域(図2の1点鎖線で示す領域)が完全に覆われるように構成してもよい。このようにすれば、外観を向上することができるとともに、ユーザーが各インク導出チューブ26,38〜40や各インク供給チューブ60〜63を触ることを抑制することができる。
・図9(a)に示すように、仕切り部55の中央部に凹部55bを形成し、この凹部55bを通るように第1〜第4インク供給チューブ60〜63を引き回すようにしてもよい。このようにすれば、第1〜第4インク供給チューブ60〜63における変形可動(追従変形)する部分の動きが、第1〜第4インク供給チューブ60〜63における変形可動しない部分に伝わらないようにすることができる。
第1〜第4インク供給チューブ60〜63が仕切り部55を乗り越えればよく、必ずしも仕切り部55に凹部55bを形成する必要はない。図9(b)は、第1〜第4インク供給チューブ60〜63が仕切り部55を乗り越える部分を主走査方向Xから見た図である。図9(b)に示すように、仕切り部55の上部に、第1〜第4インク供給チューブ60〜63の外径と略同じ内径の貫通孔55dを有する円筒状の固定部材55cを備え、第1〜第4インク供給チューブ60〜63が貫通孔55dを通るようにして配置してもよい。
このような構成によっても、第1〜第4インク供給チューブ60〜63における変形可動(追従変形)する部分の動きが、第1〜第4インク供給チューブ60〜63における変形可動しない部分に伝わらないようにすることができる。
本発明の接触防止対象となる第1〜第4インク供給チューブ60〜63における変形可動(追従変形)する範囲は、図9(a)を参照して説明した実施形態では、凹部55bに貫通する位置からキャリッジ46に固定された位置までが対象であり、図9(b)を参照して説明した実施形態では、固定部材55cによって固定された位置からキャリッジ46に固定された位置までが対象範囲である。
第1領域Aにおいて、第1インク導出チューブ26と第1〜第4インク供給チューブ60〜63とを結束バンドなどで結束するようにしてもよい。
・図10に示すように、固定部KTは、必ずしも仕切り部55に沿って配置する必要はない。すなわち、固定部KTは、仕切り部55から離して配置するようにしてもよい。この場合、第1〜第4インク供給チューブ60〜63の固定部KTは、仕切り部55に沿うように上下方向に並ぶ縦配列になっているが、仕切り部55と直交する水平方向に並ぶ横配列にしてもよい。
・図11に示すように、第1〜第4インク供給チューブ60〜63の変形可動部HKの外側に帯状の可撓性を有する保護部材80を取り付けて、保護部材80によって変形可動部HKを保護するように構成してもよい。このようにすれば、保護部材80が液体噴射ヘッド50(キャリッジ46)の往復移動に伴って追従変形した際には、仕切り部55の受け部55aが保護部材80を受ける。この場合、仕切り部55によって保護部材80と第1インク導出チューブ26(固定部KT)とが仕切られる。
・仕切り部55の両面のうちの少なくとも一方の面にフィルムを貼り付けたりリブを形成したりして、第1インク導出チューブ26(固定部KT)と、第1〜第4インク供給チューブ60〜63(変形可動部HK)とを仕切り部55によって間接的に区画するようにしてもよい。
・FFC64を第1〜第4インク供給チューブ60〜63の外側を通るようにし、FFC64が液体噴射ヘッド50(キャリッジ46)の往復移動に伴って追従変形した際に、仕切り部55の受け部55aがFFC64を受けるように構成してもよい。この場合、仕切り部55によってFFC64と変形可動部HK(第1〜第4インク供給チューブ60〜63)とが仕切られる。
・カバー部材67は省略してもよい。
・第1インク導出チューブ26は、第1領域Aに配置されていれば、必ずしも仕切り部55と移動規制壁66との間を通るように配置する必要はない。
・移動規制壁66は省略してもよい。この場合、第1インク導出チューブ26は、筐体14内において仕切り部55と基板配置部56との間を通るように配置される。
・第1インク導出チューブ26は、必ずしもFFC64をくぐるように配置する必要はない。
・フェライトコア65は省略してもよい。
・移動規制部材はフェライトコア65以外の部材で構成するようにしてもよいし、移動規制部材自体を省略してもよい。
・第1インク導出チューブ26は、第1領域Aに配置されていれば、必ずしも仕切り部55と基板配置部56との間を通るように配置する必要はない。
・第1〜第4インク供給チューブ60〜63及びFFC64は、必ずしもキャリッジ46に支持された液体噴射ヘッド50から仕切り部55に向かって湾曲するように配置する必要はない。
・仕切り部55は、壁状のものに限らず、複数の柱状の部材を並べたもので構成するようにしてもよい。この場合、複数の柱状の部材同士の間隔は、空けるようにしてもよいし、詰めるようにしてもよい。
・第2インク収容部21は省略してもよい。
・第1インク収容部20を省略するとともに、第2インク収容部21の第2ケース30内に第1インク収容体23を配置するようにしてもよい。すなわち、液体収容部は、筐体14の片側にのみ配置するようにしてもよい。このようにすれば、第1インク収容体23からチューブ接続部58までの距離が短くなるので、第1インク導出チューブ26の長さを短くすることができる。
・第1インク収容部20及び第2インク収容部21のうちの少なくとも一方を硬質のケースに直接インクが収容される構成としてもよい。
・第1インク収容部20及び第2インク収容部21のうちの少なくとも一方は、インクを補充可能な構成にしてもよい。
・第1インク収容部20及び第2インク収容部21の配置は入れ替えてもよい。
・各インク導出チューブ26,38〜40は、互いに交差してもよい。
・ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクのうちのいずれか1つのインク以外の3つのインクのうちの少なくとも1つをインクカートリッジから供給するように構成してもよい。
・インクジェット式プリンター12では、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクの4色対応の構成としたが、単色や2色対応の構成としてもよいし、5色以上に対応可能な構成としてもよい。
・第1〜第4インク供給針58a〜58dの主走査方向Xへの並び順は任意に変更してもよい。
・被記録媒体は、用紙Pだけでなく、布、プラスチックフィルム、CDなどであってもよい。
本実施形態では、受け部55aが仕切り部55を兼ねて構成されていたが、図12に示すように、受け部91、仕切り部90は、それぞれ別体で構成されてもよい。
(実施形態2)
実施形態2では、第1〜第4インク供給チューブ60〜63における追従変形しない部分の上方に、基板配置部が備えられたインクジェット式プリンターについて説明する。図13は、本実施形態における複合機100を前側から見た外観斜視図である。
複合機100は、全体として略直方体状をなしており、被記録媒体としての用紙Pに液体としてのインクを噴射して印刷(記録)を行う記録装置の一例であるインクジェット式プリンター112と、インクジェット式プリンター112上に配置されて原稿などを読み取るスキャナー113とを備えている。インクジェット式プリンター112は直方体状の筐体114を備えている。
筐体114の前端部における上端部には複合機100の各種の操作を行うための操作部としての操作パネル115が設けられている。操作パネル115は、上側を回動支点として矢印方向に回動可能に備えられる。
筐体114の前面における上部には、筐体114内で印刷された用紙Pが排紙される矩形状の排紙口116が開口している。排紙口116からは、排紙口116から排紙された用紙Pを支持する矩形板状の排紙トレイ117が排紙方向である前方に向かって突出するように延びている。筐体114の前面における排紙トレイ117の下側には、上下二段の給紙カセット118,119が着脱自在に装着されている。給紙カセット118,119には異なるサイズの用紙Pがそれぞれ積層状態で収容されている。もちろん、給紙カセット118,119には同じサイズの用紙Pがそれぞれ積層状態で収容されていてもよい。
筐体114の一側面である左側面には液体収容部の一例としての第1インク収容部120が取り付けられ、筐体114の右側面には液体収容部の一例としての第2インク収容部121が取り付けられている。すなわち、第1インク収容部120及び第2インク収容部121は筐体114の外部に配置されている。
図14は、インクジェット式プリンター112の内部を示す平断面模式図である。第1インク収容部120は、上端が開口した前後方向に長い有底矩形箱状の第1ケース122と、第1ケース122内に収容された第1インク収容体123とを備えている。第1ケース122内の上端部における長手方向の両端部には、それぞれフランジ部124が設けられている。
第1インク収容体123は、ブラックインクが充填された第1インク袋123aと、第1インク袋123aの上端部に取着された第1支持板123bとを備えている。第1インク収容体123は、第1支持板123bの長手方向の両端部が第1ケース122の各フランジ部124上にそれぞれ載せられた状態で第1ケース122内に収容されている。すなわち、第1インク収容体123は、第1ケース122内で第1インク袋123aが第1支持板123bによって吊り下げられるようにして、第1ケース122内に収容されている。
第1支持板123bの上面の中央部には、第1インク袋123a内のブラックインクを導出するための第1インク導出部125が設けられている。第1インク導出部125には第1インク導出チューブ126の一端側が接続され、第1インク導出チューブ126の他端側は第1ケース122における筐体114側の側壁に形成された貫通孔122a及び筐体114における第1ケース122側の側壁に形成された貫通孔114aを通して筐体114内に挿入されている。
第2インク収容部121は、上端が開口した前後方向に長い有底矩形箱状の第2ケース130と、第2ケース130内に前後方向に並ぶように収容された第2〜第4インク収容体131〜133とを備えている。第2ケース130内の上端部における短手方向の両端部には、長手方向全体にわたって延びるフランジ部134が設けられている。そして、第2〜第4インク収容体131〜133は、第1インク収容体123よりも大きさが小さく設定されている。
第2〜第4インク収容体131〜133は、第2〜第4インク袋131a〜133aと、第2〜第4インク袋131a〜133aの上端部に取着された第2〜第4支持板131b〜133bとをそれぞれ備えている。第2インク袋131a、第3インク袋132a、及び第4インク袋133aには、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクがそれぞれ充填されている。したがって、第2インク収容部121の第2〜第4インク収容体131〜133に収容されるインクと、第1インク収容部120の第1インク収容体123に収容されるインクとは、互いに色(種類)が異なっている。
第2〜第4インク収容体131〜133は、第2〜第4支持板131b〜133bの長手方向の両端部が第2ケース130の各フランジ部134上にそれぞれ載せられた状態で第2ケース130内に収容されている。すなわち、第2〜第4インク収容体131〜133は、第2ケース130内で第2〜第4インク袋131a〜133aが第2〜第4支持板131b〜133bによってそれぞれ吊り下げられるようにして、第2ケース130内に収容されている。
第2ケース130内には、第2〜第4インク収容体131〜133が、前側から後側に向かって第2インク収容体131、第3インク収容体132、及び第4インク収容体133の順で並ぶように収容されている。第2〜第4支持板131b〜133bの上面の中央部には、第2〜第4インク袋131a〜133a内のインクを導出するための第2〜第4インク導出部135〜137がそれぞれ設けられている。
第2〜第4インク導出部135〜137には、第2〜第4インク導出チューブ138〜140の一端側がそれぞれ接続されている。一方、第2〜第4インク導出チューブ138〜140の他端側は、第2ケース130における筐体114側の側壁に形成された貫通孔130a及び筐体114における第2ケース130側の側壁に形成された貫通孔114bを通して筐体114内に挿入されている。
筐体114内の後部には、前後一対のガイドレール144が左右方向に延びるように設けられている。一対のガイドレール144上には、当該一対のガイドレール144に跨るように、キャリッジ146が配置されている。すなわち、キャリッジ146は、一対のガイドレール144により、当該一対のガイドレール144に沿ってガイドされながら往復移動可能に支持されている。
一対のガイドレール144のうちの前側のガイドレール144における左右方向の一端側(第2インク収容部121側の端部)には従動プーリー150が設けられ、他端側(第1インク収容部120側の端部)にはキャリッジモーター(図示略)によって回転駆動可能な駆動プーリー148が設けられている。
両プーリー148,150には無端状のタイミングベルト149が巻き掛けられており、タイミングベルト149の一部はキャリッジ146の一部に連結されている。したがって、キャリッジモーターの駆動によって駆動プーリー148が回転駆動されると、その駆動力がタイミングベルト149を介してキャリッジ146に伝達され、キャリッジ146が左右方向(主走査方向)に往復移動されるようになっている。
キャリッジ146の下端部には、第1インク収容部120及び第2インク収容部121から供給される各色のインクを噴射可能な液体噴射ヘッド147が備えられている。筐体114内における液体噴射ヘッド147と対向する位置には、給紙カセット118,119(図13参照)から選択的に給紙される用紙Pを支持する支持台143が配置されている。
キャリッジ146が左右方向に移動しながら液体噴射ヘッド147の下面に開口する複数のノズル(図示略)から支持台143上の用紙Pに対して各色のインクを噴射することで、用紙Pへの印刷がなされる。
キャリッジ146の移動領域における左右方向の一端部(第2インク収容部121側の端部)はキャリッジ146が待機するホームポジションHP領域とされ、ホームポジションHP領域には液体噴射ヘッド147のクリーニングなどのメンテナンスを行うためのキャップ145などが配置されている。
一方、キャリッジ146の移動領域における左右方向の他端部(ホームポジションHPとは反対側の端部)には、用紙Pの印刷中に液体噴射ヘッド147の各ノズルから印刷とは無関係にインクを吐出させるフラッシングを行う際のフラッシングインクを受容するためのフラッシングボックス142が配置されている。
操作パネル115の後側の中央部には、操作パネル115の傾斜角度を規定する傾斜機構157が備えられる。図15は、傾斜機構157の概略構成を説明するための図である。操作パネル115は、上部に回動支点115aを有し、矢印D1方向に回動可能に備えられる。傾斜機構157は、回動支点157dを有し操作パネル115の下部に連結されて矢印D2方向に回動可能な回動部材157cと、筐体114の内部に固定された固定部157aとを含んで構成される。
回動部材157cは、突起部157eを有し、固定部157aは、突起部157eと係合可能な複数の係合部157bを有する。操作パネル115の回動位置によって、突起部157eは、複数の係合部157bのうちの一つと係合可能である。
このような構成により、使用者が操作パネル115の下端部を把持して操作パネル115を回動させ、突起部157eを複数の係合部157bのうちの一つと係合させると、傾斜機構157は、操作パネル115の傾斜角度の位置を保持する機能を備える。すなわち、使用者が傾斜機構157を操作することによって、操作パネル115の傾斜角度を選択することができる。また、操作パネル115の後側には、警報音などを発生するブザー部158が備えられる。
図14の筐体114内部の前側における第2インク収容部121側には、4個のアダプター164から構成されるチューブ接続部159が備えられる。実施形態1で説明した、図5の蓋体70の背面側に備えられたアダプター71と同様に、図13の正面側に設けられた蓋体141を回動させて開けると、それぞれ箱型矩形状のアダプター164が露出する。
一端が図14の第1インク収容体123の第1インク導出部125に接続された第1インク導出チューブ126は、他端がアダプター164と接続される。同様に、一端が第2〜第4インク収容体131〜133の第2〜第4インク導出部135〜137に接続された第2〜第4インク導出チューブ138〜140は、他端がアダプター164とそれぞれ接続される。
第1インク導出チューブ126と第1インク供給チューブ160とは、アダプター164に設けられたインク供給針165を介して接続される。同様に、第2〜第4インク導出チューブ138〜140と第2〜第4インク供給チューブ161〜163とは、アダプター164に設けられたインク供給針165を介して接続される。
第1インク収容体123と液体噴射ヘッド147とは、第1インク導出チューブ126、アダプター164、第1インク供給チューブ160を介して連通する。また、第2〜第4インク収容体131〜133と液体噴射ヘッド147とは、第2〜第4インク導出チューブ138〜140、アダプター164、第2〜第4インク供給チューブ161〜163を介して連通する。
筐体114内には、上側に立設する壁状の仕切り部151が左右方向に延在する。仕切り部151は、キャリッジ146の移動領域を含まない第1領域A2と、キャリッジ146の移動領域を含む第2領域B2とを仕切る。
第1〜第4インク供給チューブ160〜163は、可撓性を有しており、インク供給針165から仕切り部151に向かって延び、そして仕切り部151の後側(第2領域B2側)の面に沿って第1インク収容部120側へ延びている。その後、第1〜第4インク供給チューブ160〜163は、仕切り部151における第2領域B2側の面からキャリッジ146の移動領域に向かいながら第1インク収容部120側へ膨らむように湾曲してキャリッジ146に支持された液体噴射ヘッド147まで延びている。
第1インク導出チューブ126は、第1インク導出部125からインクの流れにおける下流側に向かって、貫通孔122a,114aを通り、仕切り部151の前側(第1領域A2側)の面に沿って左右方向に延びるようにして配置される。そして、第1インク導出チューブ126は、仕切り部151の右側で、前側に延びるようにして向きを変えて配置され、アダプター164の前側と接続される。
図16(a)は、固定部材155と移動規制部材156とが備えられた部分の斜視図である。固定部材155、移動規制部材156は、仕切り部151の後側に備えられる。固定部材155は、貫通孔155aを有する円筒状の部材である。第1〜第4インク供給チューブ160〜163は、貫通孔155aを通って配置される。これにより、固定部材155は、第1〜第4インク供給チューブ160〜163を固定する。
移動規制部材156は、板状の部材であり、仕切り部151より後側に突出した姿勢で仕切り部151に固定される。第1〜第4インク供給チューブ160〜163は、移動規制部材156の下側を通って配置される。これにより、移動規制部材156は、第1〜第4インク供給チューブ160〜163が上方に移動することを規制する。
図14のキャリッジ146の往復移動に伴って、第1〜第4インク供給チューブ160〜163におけるキャリッジ146に接続された部分から移動規制部材156によって移動が規制される部分までの範囲が追従変形する。第1〜第4インク供給チューブ160〜163におけるこの追従変形する部分は、液体供給チューブの変形可動部HK2とされている。そして、仕切り部151における後側の面は、キャリッジ146の往復移動に伴って変形可動部HK2が追従変形した際に、変形可動部HK2を受ける受け部151aとされている。
第1〜第4インク供給チューブ160〜163における変形可動部HK2と、第1インク導出チューブ126とが仕切り部151によって仕切られて配置される。
図17は、本実施形態におけるインクジェット式プリンター112の筐体114の内部に、基板184,185を配置した基板配置部183が備えられた状態を示す平断面模式図である。基板184,185には、回路(図示略)が形成されており電子部品(図示略)が搭載されている。
図14の筐体114内の正面側には、上側に立設した複数の角柱形状の載置部180と各載置部180の上方に突出した突出部181が設けられている。また、仕切り部151の上部には、上方に突出した複数の突出部182が設けられている。
図17の基板配置部183の下面は、図14の載置部180、仕切り部151の上面に当接し、突出部181,182は、それぞれ基板配置部183を貫通するともに基板配置部183と係合する。
図18は、上下方向における基板配置部183の配置を説明するため右側から見た図で、図17の破線E−E´の位置における断面図である。基板184が載置された基板配置部183は、仕切り部151、第1インク導出チューブ126、第1〜第4インク供給チューブ160〜163、FFC170の上方に設けられる。
前後方向および左右方向において、基板配置部183は、キャリッジ146の往復移動に伴って追従変形しない第1インク導出チューブ126と重なる位置にある。そのため、上側から見た場合、第1インク導出チューブ126は、基板配置部183によって隠れる位置にある。
FFC170の一端は、図14のキャリッジ146に支持された状態で液体噴射ヘッド147に接続されている。図17のFFC170の他端は、基板配置部183に設けられた開口部187を通り、基板184に設けられたコネクター186に接続される。FFC170は、液体噴射ヘッド147に電力を供給したり液体噴射ヘッド147側に対して各種の信号を送受信する。
基板184のコネクター186に接続されたFFC170の一端は、折り曲げられることにより左右方向から前後方向に向きを変え、第1〜第4インク供給チューブ160〜163における追従変形しない部分の上方を通り配置される。すなわち、第1〜第4インク供給チューブ160〜163における追従変形しない部分は、FFC170をくぐるようにして配置される。
基板配置部183の上方で前後方向に延びるFFC170は、開口部187を通り、仕切り部151の後側で折り曲げられて左右方向に向きを変え、仕切り部151の後側の面に沿って配置される。
図16(b)は、FFC170の移動を規制する移動規制部材152,153,154が備えられた部分の斜視図である。移動規制部材152,154は、上側に立設する板状の部材である。移動規制部材153は、上側に立設する円柱状の部材である。
FFC170は、移動規制部材152と移動規制部材153の間、移動規制部材153と移動規制部材154の間をそれぞれの移動規制部材に接触した状態で通ることにより、上下方向および水平方向(左右方向および前後方向)の移動が規制される。
FFC170は、仕切り部151の後側の面から湾曲する第1〜第4インク供給チューブ160〜163の内側(第2インク収容部121側)に沿って、第1インク収容部120側へ膨らむように湾曲した後、キャリッジ146に支持された液体噴射ヘッド147まで延びている。
基板配置部183には、前側が開口した切り欠き部188が設けられ、傾斜機構157は、その上部が切り欠き部188より上方に突出した状態で配置される。
以上、本実施形態で説明した図14のインクジェット式プリンター112は、キャリッジ146の往復移動に伴って追従変形しない第1インク導出チューブ126の上方に、基板配置部183が配置されている。これにより、基板配置部183は、第1インク導出チューブ126を隠すカバー部材として構成できるので、筐体114の内部を見たときの外観が向上する。
(実施形態3)
実施形態3では、前後方向において、液体供給チューブにおける追従変形しない部分が、液体供給チューブの接続部、操作パネルの傾斜機構と重なる位置に配置されたインクジェット式プリンターについて説明する。図19は、本実施形態における複合機200に備えられたインクジェット式プリンター201の内部を示す平断面模式図である。
インクジェット式プリンター201の筐体204の内部には、実施形態2で説明したインクジェット式プリンター112と同様に、液体噴射ヘッド147を搭載したキャリッジ146、駆動プーリー148、従動プーリー150に巻き掛けられたタイミングベルト149が備えられ、キャリッジモーター(図示略)の駆動によって駆動プーリー148が回転駆動されると、その駆動力がタイミングベルト149を介してキャリッジ146に伝達され、一対のガイドレール144に沿ってキャリッジ146が左右方向に往復移動されるようになっている。
また、インクジェット式プリンター201の筐体204の内部には、実施形態2のインクジェット式プリンター112と同様に、フラッシングインクを受容するためのフラッシングボックス142、ホームポジションHP領域に配置されて液体噴射ヘッド147のクリーニングなどのメンテナンスを行うためのキャップ145が備えられる。
キャリッジ146が左右方向に移動しながら液体噴射ヘッド147の下面に開口する複数のノズル(図示略)から支持台143上の用紙Pに対して各色のインクを噴射することで、用紙Pへの印刷がなされる。
筐体204の外部における左側には第1インク収容部202が備えられ、右側には第2インク収容部203が備えられる。第1インク収容部202の第1ケース205の内部には、実施形態2で説明した第1インク収容体123が収容され、第2インク収容部203の第2ケース206の内部には、実施形態2で説明した第2〜第4インク収容体131〜133が収容される。第1インク収容体123には、モノクロインクが収容され、第2〜第4インク収容体131〜133には、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクがそれぞれ収容される。
筐体204の正面側には、回動可能な蓋体207が設けられ、蓋体207の後側には、4個のアダプター164から構成されるチューブ接続部159が備えられる。
液体供給チューブとしての第1インク導出チューブ210は、第1ケース205の貫通孔205a、筐体204の貫通孔204aを通って配置され、第1インク導出チューブ210の一端は、第1インク収容体123の第1インク導出部125に接続され、他端は、アダプター164と接続される。
液体供給チューブとしての第2〜第4インク導出チューブ211〜213は、第2ケース206の貫通孔206a、筐体204の貫通孔204bを通って配置され、第2〜第4インク導出チューブ211〜213の一端は、第2〜第4インク収容体131〜133の第2〜第4インク導出部135〜137にそれぞれ接続され、他端は、アダプター164とそれぞれ接続される。
液体供給チューブとしての第1〜第4インク供給チューブ214〜217の一端は、アダプター164にそれぞれ接続され、他端はキャリッジ146に支持されて液体噴射ヘッド147に接続される。
このような構成により、第1インク収容体123、第2〜第4インク収容体131〜133に収容されたインクが、第1〜第4インク導出チューブ210〜213、インク供給針165を備えたアダプター164、第1〜第4インク供給チューブ214〜217を介して液体噴射ヘッド147に供給される。
上側に立設する壁状の仕切り部151が、左右方向に延びるようにして設けられる。仕切り部151は、キャリッジ146の移動領域を含まない第1領域A3と、キャリッジ146の移動領域を含む第2領域B3とを仕切る。
第1インク導出チューブ210は、第1インク導出部125からインクの流れにおける下流側に向かって、貫通孔205a,204aを通り、前側に延びるようにして配置され、仕切り部151と操作パネル115の間を通り、仕切り部151の前側(第1領域A3側)の面に沿って左右方向に延びるようにして配置される。第1インク導出チューブ210は、後述の載置部190によって前側への移動が規制され、左右方向に延在する延在部197の下方を通ることにより上側への移動が規制される。
そして、第1インク導出チューブ210は、仕切り部151の右側で、後側に延びるようにして配置され、傾斜機構157、ブザー部158の後側の位置で向きを変えて左右方向に延び、さらに向きを変えて前側に延びるようにして配置され、アダプター164の前側と接続される。
アダプター164の後側に接続された第1〜第4インク供給チューブ214〜217は、傾斜機構157、ブザー部158の後側の位置で左右方向に延びるようにして配置され、傾斜機構157の左側の位置で前側に延びるように向きを変えて配置され、そして、仕切り部151の後側(第2領域B3側)の面に沿って延びるようにして配置される。
第1〜第4インク供給チューブ214〜217において、キャリッジ146の往復移動に伴って追従変形する部分は、それぞれ液体供給チューブの変形可動部HK3とされている。そして、仕切り部151における後側の面は、キャリッジ146の往復移動に伴って変形可動部HK3が追従変形した際に、変形可動部HK3を受ける受け部151aとされている。
本実施形態では、第1〜第4インク供給チューブ214〜217における変形可動部HK3と、第1インク導出チューブ210とが仕切り部151によって仕切られている。
仕切り部151の後側には、第1〜第4インク供給チューブ214〜217が貫通する固定部材155が備えられ、第1〜第4インク供給チューブ214〜217は固定部材155によって移動が規制される。
また、仕切り部151の後側には、移動規制部材156が備えられ、第1〜第4インク供給チューブ214〜217が移動規制部材156の下方に配置されることにより、第1〜第4インク供給チューブ214〜217の上方への移動が規制される。
図20は、本実施形態におけるインクジェット式プリンター201の筐体204の内部に、基板221,222を配置した基板配置部220が備えられた状態を示す平断面模式図である。基板221,222には、回路(図示略)が形成されており電子部品(図示略)が搭載されている。
図19の筐体204内の正面側には、上側に立設した壁状の載置部190と載置部190の上方に突出した突出部191が設けられている。また、仕切り部151の上部には、上方に突出した突出部195,196が設けられている。また、筐体204内の中央部でガイドレール144の前側には、キャリッジ146の往復移動と干渉しない位置に、突出部194を有する角柱状の載置部193が立設する。
図20の基板配置部220の下面は、図19の載置部190,193、仕切り部151の上面に当接し、突出部191,194,195,196は、それぞれ基板配置部220を貫通するともに基板配置部220と係合する。
図20の基板配置部220は、図19の仕切り部151、第1インク導出チューブ210、第1〜第4インク供給チューブ214〜217、FFC171の上方に設けられる。
FFC171の一端は、キャリッジ146に支持された状態で液体噴射ヘッド147に接続されている。FFC171の他端は、基板配置部220に設けられた切り欠き部224を通り、基板221に設けられたコネクター223に接続される。FFC171は、液体噴射ヘッド147に電力を供給したり液体噴射ヘッド147側に対して各種の信号を送受信する。
FFC171は、移動規制部材152と移動規制部材153の間、移動規制部材153と移動規制部材154の間を接触した状態で通ることにより、移動が規制される(図16(b)参照)。
FFC171は、第1〜第4インク供給チューブ214〜217における変形可動部HK3の内側(第2インク収容部203側)に配置され、液体噴射ヘッド147(キャリッジ146)の往復移動に伴って追従変形する。
基板配置部220には、前側が開口した切り欠き部224が設けられ、傾斜機構157の上部は切り欠き部224を通り配置される。また、図20に示すように、第1インク導出チューブ210、第1〜第4インク供給チューブ214〜217は、それらの一部が切り欠き部224から露出した状態で配置される。
キャリッジ146の往復移動に伴って液体供給チューブの追従変形しない部分である第1インク導出チューブ210は、キャリッジ146の往復移動する方向(左右方向)と交わる方向(前後方向)において傾斜機構157と重なる位置に配置されている。
この構成によれば、キャリッジ146の往復移動に伴って追従変形する第1〜第4インク供給チューブ214〜217の部分(変形可動部HK3)における前後方向の長さを長くして配置できる。そのため、変形可動部HK3の湾曲率を小さくして配置できる。これにより、変形可動部HK3の復元力を小さくできるので、キャリッジの往復移動速度への影響を抑制できる。従って、往復移動する液体噴射ヘッド147からインクを噴射して用紙Pに形成される画像品質が低下することを抑制できる。
実施形態1のインクジェット式プリンター12に、傾斜可能な操作パネルと、前記操作パネルの傾斜角度を規定する傾斜機構を備え、キャリッジ46の往復移動に伴って追従変形しない第1インク導出チューブ26を、キャリッジ46の往復移動する方向と交わる方向において前記傾斜機構と重なる位置に配置するようにしてもよい。
(実施形態4)
実施形態4では、液体供給チューブの上方に吸収材を備えたインクジェット式プリンターについて説明する。図21は、本実施形態の複合機200aに備えられたインクジェット式プリンター201aの内部を示す平断面模式図である。
本実施形態のインクジェット式プリンター201aは、実施形態3で説明した図19の筐体204の内部に、図21の基板221,222aを配置した基板配置部220a、吸収材226を配置した吸収材配置部225を備えたものである。
用紙Pの外縁部に余白を設けずに印刷を行ういわゆる縁なし印刷を行ったときに、液体噴射ヘッド147から用紙Pの外側に吐出されたインクが吸収材226によって吸収される。
基板配置部220aは、図19の仕切り部151、第1インク導出チューブ210、第1〜第4インク供給チューブ214〜217、FFC171の上方に設けられる。図21の吸収材配置部225は、基板配置部220aの右側で、図19の第1インク導出チューブ210、第1〜第4インク供給チューブ214〜217の上方に設けられる。
FFC171は、基板配置部220aに設けられた切り欠き部224aを通り、基板221のコネクター223に接続される。
このような構成により、変形可動部HK3の前後方向の長さを長く配置できるので、変形可動部HK3の湾曲率を小さくし、変形可動部HK3の復元力を小さくすることができる。これにより、キャリッジ146の移動速度に対する影響を抑制できるので、液体噴射ヘッド147からインクが吐出されて形成される画像の品質が低下することを抑制できる。