JP6263938B2 - 画像記録装置 - Google Patents

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本発明は、液体を貯留する液体カートリッジから、キャリッジに搭載された記録ヘッドへ、チューブを介して液体を供給する画像記録装置に関する。
上記のような画像記録装置の一例として、入力信号に基づいてインクを噴射して記録用紙などの被記録媒体に画像記録を行うインクジェット方式の画像記録装置が知られている。インクジェット方式の画像記録装置は、記録ヘッドに供給されたインクをノズルから噴射することにより、被記録媒体上に画像を記録する。
記録ヘッドは、例えば、キャリッジに搭載されて被記録媒体に対して一定方向へ往復動される。キャリッジは、モータなどの駆動源から駆動力が伝達されて、ガイドシャフトやガイドレールなどに案内されて一定方向に往復動する。このキャリッジの往復動に際して、記録ヘッドから選択的にインク滴が被記録媒体へ吐出され、被記録媒体に着弾したインク滴により画像記録が行われる。
インクカートリッジから記録ヘッドへインクを供給する方式として、チューブを用いる方式がある。チューブは、キャリッジの往復動に追従する可撓性を有する。チューブは、キャリッジがインクタンクから最も離れた位置であるときであっても、キャリッジとインクタンクとを繋ぐことが可能なように、キャリッジの移動方向に沿ってUターンするように湾曲されて配置されている(特許文献1参照)。
キャリッジの移動にチューブが追従すると、チューブ内のインクにキャリッジの加速度が加わってインクに動圧が生じる。このインクの動圧が、記録ヘッドにおけるインクの吐出不良を引き起こすことを防止するために、キャリッジに搭載されてチューブと記録ヘッドとを接続する流路部材には、圧力ダンパ室が設けられている。圧力ダンパ室は、例えば、圧力ダンパ室を区画する壁の一部が可撓性のフィルムで構成されている。このフィルムが、インクの動圧に応答して、圧力ダンパ室の容積が変化するように撓むことによって、インクの動圧が吸収される。
また、画像記録速度の高速化のためにキャリッジの移動速度が高速化されると、チューブ内のインクに加わる加速度も大きくなり、その結果、インクの動圧も大きくなる。例えば、大きな動圧を吸収するためには、圧力ダンパ室のフィルムの面積を大きくして、フィルムによって増減される容積を増加することが考えられるが、圧力ダンパ室が大きくなり、ひいては記録ヘッドやキャリッジを大型化せざるを得ないという問題が生じる。このような問題に対して、チューブの内径を小さくしたり長さを長くしたりして、チューブにより生ずる流路抵抗を増大させて、インクに生ずる動圧を抑制することが考えられる。
特開2007−144905号公報
しかし、チューブによる生ずる流路抵抗を大きくするために、チューブの内径を小さくしたり長さを長くしたりすると、チューブが曲がりにくくなったり、チューブを引き回すためのスペースが大きくなったりするという問題が生ずる。
例えば、成分が異なる複数色のインクが使用される画像記録装置において、各インクの粘度が異なる場合には、チューブの内径や長さのみで流路抵抗の設定をしようとすると、以下のような問題が生じる。例えば、粘度の低いインクが流れるチューブでは、チューブの流路抵抗を大きくしないと動圧を抑制しきれなくなるため、チューブの長さを相対的に長くする或いはチューブの内径を相対的に小さくする必要がある。一方、粘度の高いインクが流れるチューブでは、チューブの流路抵抗が大きすぎると、記録ヘッドから吐出されるインク量に対してチューブからのインク供給が足らなくなるおそれがあるので、チューブの長さを相対的に短くする或いはチューブの内径を相対的に大きくする必要がある。このように、複数色のインクに対応した複数のチューブの長さが不揃いになると、キャリッジの移動に追従させるための複数のチューブの束ね方や配置が困難となる。同様に、複数色のインクに対応した複数のチューブの内径が不揃いになると複数色のチューブの腰(曲がりやすさ)が異なり、キャリッジの移動に追従させるための複数のチューブの束ね方や配置が困難となる。
また、画像記録装置の動作試験用のインクを使用することや、既に販売されている画像記録装置に対して、組成が変更されたインクを使用できるようにすることなどが想定される。つまり、同一のチューブに組成の異なるインクを流すことが想定される。同一のチューブでそれらすべてのインクに対して最適な流路抵抗を設定することは困難である。このように、インクの組成などの変更に伴ってインクの粘度が変動した場合であっても、圧力ダンパ室より上流側、すなわちインクカートリッジ側において、流路抵抗を最適とすることが望まれる。
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体カートリッジに貯留された液体の粘度に対応した最適な流路抵抗を設定することが可能な手段を提供することである。
本発明に係る画像記録装置は、液体を貯留する液体室を有する液体カートリッジと、上記液体カートリッジが装着され、上記液体カートリッジから流出した液体が流れる第1流路を有するカートリッジ装着部と、被記録媒体の記録面に沿った方向へ移動するキャリッジと、上記キャリッジに搭載されており、ノズルから液滴を吐出する記録ヘッドと、上記キャリッジに搭載されており、接続口と上記記録ヘッドとの間に形成されて液体が流通する第2流路、及び当該第2流路において上記キャリッジの移動により液体に生ずる動圧力を抑制する圧力ダンパ室を有する流路部材と、上記流路部材の接続口及び上記カートリッジ装着部の第1流路に接続されており、上記液体室から上記記録ヘッドへ供給される液体が流通される第3流路を形成するチューブと、を具備する。上記液体カートリッジは、上記液体室から流出する液体の流れに対して抵抗を発生させる抵抗部を有しており、当該抵抗部による流路抵抗は、上記第1流路による流路抵抗及び上記第3流路による流路抵抗よりも大きい。なお、流路抵抗の大小は、同じ液体に対して第1流路、第3流路、及び抵抗部のそれぞれが発生させる抵抗を比べたものであることは言うまでもない。
液体カートリッジにおける抵抗部の流路抵抗が、カートリッジ装着部の第1流路の流路抵抗及びチューブの第3流路の流路抵抗より大きいので、液体カートリッジから圧力ダンパ室へ通ずる液体の流路における流路抵抗において、液体カートリッジの抵抗部の流路抵抗が占める割合が大きい。したがって、最も大きい抵抗部の流路抵抗を変化させれば、液体カートリッジから第2流路及び圧力ダンパ室へ通ずる流路における流路抵抗を液体の粘度に対応して最適に設定することが可能となる。液体カートリッジにおける抵抗部の流路抵抗を、液体室に貯留される液体の粘度に対応して最適に設計することによって、様々な液体の粘度に対応した最適な流路抵抗を設定することができる。
本発明によれば、液体カートリッジにおける抵抗部の流路抵抗が、カートリッジ装着部の第1流路の流路抵抗及びチューブの第3流路の流路抵抗より大きいので、液体カートリッジに貯留された液体の粘度に対応した最適な流路抵抗を設定することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る複合機10の外観構成を示す斜視図である。 図2は、複合機10の内部構成を示す縦断面図である。 図3は、プリンタ部11の内部構成を示す平面図である。 図4は、図3からカバー31を取り除いた図である。 図5は、キャリッジ本体30にチューブ保持部70が取り付けられた状態を示す斜視図である。 図6は、キャリッジ38におけるキャリッジ本体30とチューブ保持部70とジョイント51とを示す分解斜視図である。 図7は、流路部材50の外観構成を示す斜視図である。 図8は、カートリッジ装着部110の開口112側から視た外観構成を示す斜視図である。 図9は、カートリッジ装着部110の樹脂成形体73側から視た外観構成を示す斜視図である。 図10(A)は樹脂成形体73の正面図であり、図10(B)はB−B断面図である。 図11は、インクカートリッジ32の外観構成を示す斜視図である。 図12は、インクカートリッジ32から記録ヘッド39までのインクの流路を模式的に示す断面図である。 図13は、変形例に係るインクカートリッジ32から記録ヘッド39までのインクの流路を模式的に示す断面図である。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
[複合機10の概略構成]
図1及び図2に示されるように、複合機10は、プリンタ部11とスキャナ部12を備え、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能を有する。プリンタ部11は本発明にかかる画像記録装置の一例である。
複合機10には、下側にプリンタ部11が配置され、上側にスキャナ部12が配置されている。プリンタ部11は、主にコンピュータなどの外部情報機器と接続されて、外部情報機器から送信された画像データや文書データを含む印刷データに基づいて、記録用紙(本発明にかかる被記録媒体の一例)に画像や文字を記録する。スキャナ部12は、所謂フラットベッドスキャナである。
複合機10は、高さ方向102の寸法より幅方向101及び奥行き方向103の寸法が大きい概ね直方体の外形である。プリンタ部11は、奥行き方向103の正面に開口13が設けられている。開口13の内部には、給紙トレイ20及び排紙トレイ21が設けられている。給紙トレイ20に収容された記録用紙が、プリンタ部11の内部へ給送されて所望の画像が記録され、画像記録後の記録用紙が排紙トレイ21へ排出される。
複合機10の正面上部には、操作パネル14が設けられている。操作パネル14において、プリンタ部11及びスキャナ部12に所望の動作をさせるための所定の入力が行われる。操作パネル14は、入力を行うための複数のボタンや、複合機10の状態やエラー表示などを行うためのディプレイを有する。なお、複合機10に外部情報機器が接続されていると、外部情報機器からプリンタドライバやスキャナドライバなどの通信ソフトを通じて送信される指示に基づいても、複合機10は動作する。
[プリンタ部11]
図2に示されるように、複合機10の最も底側に給紙トレイ20が設けられている。排紙トレイ21は、給紙トレイ20の上方に配置されている。給紙トレイ20に収容された記録用紙は、用紙搬送路23内において、奥行き方向103奥向きに搬送された後、上方へ旋回されて、奥行き方向103正面向きにUターンする。その後、記録用紙は、画像記録ユニット24へ搬送され、画像記録ユニット24により画像記録が行われた後、排紙トレイ21へ排出される。
給紙トレイ20は上側が開口された容器形状であり、その内部空間に、記録用紙が積層されて収容される。
排紙トレイ21は、その上面に記録用紙が排出される。排紙トレイ21は、高さ方向102において給紙トレイ20と重なりつつも、奥行き方向103正面向きに給紙トレイ20からずれて配置されている。したがって、複合機10の奥行き方向103奥側においては、給紙トレイ20の上方に排紙トレイ21は存在しない。
給紙トレイ20の奥行き方向103奥側には、給紙ローラ25が設けられている。給紙ローラ25は、給紙トレイ20に積載された記録用紙を用紙搬送路23へ供給する。給紙ローラ25は、不図示のモータから駆動力が伝達されて回転する。給紙ローラ25は、給紙アーム26の先端に回転可能に支持されている。給紙アーム26は、給紙ローラ25とは反対側の端部を中心に回動可能であり、この回動により、給紙ローラ25が給紙トレイ20に接離する方向へ上下動する。給紙アーム26は、給紙ローラ25の重量又はバネなどに付勢されて下方へへ回動されており、給紙トレイ20に収容された記録用紙の量に応じて上方へ移動する。これにより、給紙ローラ25が給紙トレイ20における最上位置の記録用紙に接触する。その状態で給紙ローラ25が回転されると、給紙ローラ25の外周面と記録用紙との間の摩擦力により、最上位置の記録用紙が用紙搬送路23へ送り出される。
用紙搬送路23は、給紙トレイ20の奥行き方向103奥側から上方へ延び、続いて奥行き方向103正面向きへ湾曲して、複合機10の奥行き方向103奥側から正面側へ向かって延び、画像記録ユニット24を経て排紙トレイ21へ通じている。用紙搬送路23は、画像記録ユニット24などが配設されている箇所以外は、所定間隔で対向する外側ガイド面と内側ガイド面との間に形成されている。例えば、複合機10の奥行き方向103奥側において用紙搬送路23が湾曲している部分は、複合機10のフレームなどに固定された外側ガイド部材18と内側ガイド部材19との間に形成されている。
画像記録ユニット24は、主として、キャリッジ38に搭載された記録ヘッド39とプラテン42とが所定間隔で高さ方向102に対向配置されて構成されている。画像記録ユニット24の詳細な構成は後述される。
画像記録ユニット24より搬送方向の上流には、一対の搬送ローラ60及びピンチローラが設けられている。なお、図2においては、ピンチローラが他の部材に隠れて現れていないが、ピンチローラは搬送ローラ60の下方にて搬送ローラ60と圧接した状態で配置されている。搬送ローラ60は、不図示のモータから駆動伝達されて回転する。搬送ローラ60及びピンチローラは、用紙搬送路23を搬送されている記録用紙を狭持してプラテン42上へ搬送する。
画像記録ユニット24より搬送方向の下流には、一対の排紙ローラ62及び拍車が設けられている。なお、図2においては、拍車が他の部材に隠れて現れていないが、拍車は排紙ローラ62の上方にて排紙ローラ62に圧接した状態で配置されている。排紙ローラ62は、不図示のモータから駆動力が伝達されて回転する。排紙ローラ62及び拍車は、記録済みの記録用紙を狭持して排紙トレイ21へ搬送する。
[画像記録ユニット24]
図2に示されるように、キャリッジ38は、インクジェット方式の記録ヘッド39を搭載する。図3及び図4に示されるように、記録ヘッド39には、複合機10内において記録ヘッド39と独立して配置されたインクカートリッジ32に設けられたインク室80からインクチューブ41内の流路(第3流路に相当する。)を通じてシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色インクが供給される。なお、図3及び図4には、インクカートリッジ32及びインクカートリッジ32が装着されるカートリッジ装着部110が、一点鎖線で模式的に示されている。キャリッジ38が往復動される間に、記録ヘッド39のノズルから各色インクが微小なインク滴として選択的に吐出されることにより、プラテン42上を搬送される記録用紙に画像記録が行われる。インクカートリッジ32が液体カートリッジに相当する。また、インクチューブ41がチューブに相当する。
図3及び図4に示されるように、用紙搬送路23の上方において記録用紙の搬送方向(図3及び図4の上側から下側の向き、奥行き方向103正面向き)に所定距離が隔てられて、一対のガイドレール43,44が記録用紙の搬送方向と交差する方向(図3及び図4の左右方向、幅方向101)に延設されている。ガイドレール43,44は、プリンタ部11の筐体内に設けられて、プリンタ部11を構成する各部材を支持するフレームの一部を構成している。ガイドレール43,44を奥行き方向103に跨ぐようにしてキャリッジ38が載置され、キャリッジ38がガイドレール43,44の延出方向(図3における左右方向、幅方向101)にスライド可能である。
ガイドレール44の搬送方向上流側の縁部45は、上方へ向かって略直角に曲折されている。ガイドレール43,44に担持されたキャリッジ38は、縁部45をローラ対等の狭持部材により摺動可能に奥行き方向103に狭持する。これにより、キャリッジ38は、記録用紙の搬送方向(図3における上下方向、奥行き方向103)に対して位置決めされ、且つ、記録用紙の搬送方向と交差(本実施形態では直交)する方向(ガイドレール43,44の延出方向)に摺動可能になる。つまり、キャリッジ38は、ガイドレール43,44上に摺動自在に担持され、縁部45によって記録用紙の搬送方向に位置決めされつつ、記録用紙の搬送方向と交差する方向へ往復動する。
ガイドレール44の上面には、ベルト駆動機構46が設けられている。ベルト駆動機構46は、用紙搬送路23の幅方向101の両端付近にそれぞれ設けられた駆動プーリと従動プーリ48との間に、内側に歯が設けられた無端環状のタイミングベルト49が張架されてなる。なお、図3及び図4においては、駆動プーリがキャリッジ38の下側に隠れて現れていないが、駆動プーリは用紙搬送路23の幅方向101の右端付近に配置されている。駆動プーリの軸には不図示のモータから駆動力が入力される。駆動プーリの回転により、タイミングベルト49が駆動プーリと従動プーリ48との周りを移動する。
図3及び図4には現れていないが、キャリッジ38は、その底面側においてタイミングベルト49と連結されている。タイミングベルト49が移動すると、キャリッジ38がガイドレール43,44上を往復動する。キャリッジ38に搭載された記録ヘッド39も、キャリッジ38と共に用紙搬送路23の上方において幅方向101へ往復動する。
図2に示されるように、用紙搬送路23の下方には、記録ヘッド39と対向してプラテン42が配設されている。なお、図3及び図4においては、プラテン42は省略されているため、プラテン42を下方から支持するフレーム40が現れている。プラテン42は、キャリッジ38が往復動する範囲のうち、記録用紙が通過する中央部分に渡って配設されている。プラテン42の幅は、プリンタ部11において使用可能な記録用紙の最大幅より十分に幅広である。プラテン42の上面に支持された記録用紙は、記録ヘッド39との距離が一定に保持される。この記録用紙に、記録ヘッド39から吐出されたインク滴が着弾する。
なお、記録用紙において画像が記録される面は、プラテン42に支持された状態において、幅方向101及び奥行き方向103に沿って拡がっている。つまり、幅方向101へ往復動するキャリッジ38は、記録用紙の記録面に沿って移動していることになる。
[インクチューブ41]
図3及び図4に示されるように、各色インクを収容したインクカートリッジ32は、プリンタ部11のカートリッジ装着部110に装着されている。
カートリッジ装着部110からキャリッジ38へは、各色インクに対応した4本のインクチューブ41が引き回されている。キャリッジ38へ引き回されたインクチューブ41は、キャリッジ38に搭載された記録ヘッド39へ各色インクを供給する。つまり、インクチューブ41内を、インクカートリッジ32から記録ヘッド39へ供給されるインクが流通される。
図3に示されるように、インクチューブ41は、一端がカートリッジ装着部110に接続されている。カートリッジ装着部110から幅方向101に沿って延出されたインクチューブ41は、奥行き方向103正面向きに湾曲され、複合機10の正面側においてクリップ36に固定されている。インクチューブ41は、クリップ36に固定された部分からキャリッジ38まで奥行き方向103奥向きに湾曲されている。詳細には、インクチューブ41は、奥行き方向103奥向きにUターンするように湾曲される。湾曲されたインクチューブ41は、幅方向101に沿って延びて、キャリッジ38に接続される。詳細には、インクチューブ41は、他端が後述する接続部59に接続される。また、インクチューブ41は、可撓性を有する。よって、インクチューブ41は、クリップ36に固定された部分とキャリッジ38との間において、キャリッジ38の往復動に追従して撓み、姿勢変化する。
4本のインクチューブ41は、カートリッジ装着部110からキャリッジ38の手前までにおいて、高さ方向102に沿って並べられた状態で束ねられている。4本のインクチューブ41は、キャリッジ38の内部において、高さ方向102に沿って並べられた状態から水平方向に沿って並べられた状態へ90度捩られる。捩られた4本のインクチューブ41は、接続部59に接続される。4本のインクチューブ41は、後述するチューブ保持部70において捩った状態を保持される。
本実施形態において、4本のインクチューブ41は同形状である。詳細には、4本のインクチューブ41の断面は円形であり、各インクチューブ41の内径及び外径は同一である。もちろん、4本のインクチューブ41が同形状ではない実施形態を構成し得る。また、各インクチューブ41の長さは略同一である。なお、本実施形態ではインクチューブ41は4本であるが、インクの色数に対応して例えば6本のインクチューブ41を引き回すようにしてもよい。
[キャリッジ38]
キャリッジ38は、キャリッジ本体30(図5及び図6参照)と、カバー31(図3参照)とを有する。キャリッジ本体30は、記録ヘッド39(図2参照)、流路部材50(図4及び図7参照)、ジョイント51(図6及び図8参照)、ヘッド制御基板52(図4参照)、及びチューブ保持部70(図5、図6、及び図8参照)を支持する。
キャリッジ本体30は、上側が開口された略直方体形状をなしている。キャリッジ本体30の開口を覆うようにカバー31がキャリッジ本体30に組み付けられている。キャリッジ本体30の内部空間に、記録ヘッド39、流路部材50、ジョイント51、ヘッド制御基板52、及びチューブ保持部70が収容される。
キャリッジ本体30の底部には、記録ヘッド39が配置されている。記録ヘッド39の下面であるノズル面は、キャリッジ本体30の下方に露出されている。これにより、ノズルからプラテン42に向けて、インク滴が吐出可能である。
[流路部材50、ジョイント51、及びチューブ保持部70]
キャリッジ本体30において、記録ヘッド39の上方には流路部材50が配置されている。流路部材50は、記録ヘッド39に接続されている。流路部材50は、主として流路を形成している流路部55(図7参照)と、インク及び空気を貯留する圧力ダンパ室56(図7参照)とに大別される。
流路部55は、薄平な板形状をなしている。流路部55において、各色のインクが導入される4つの導入口57が一列に並んで形成されている。各導入口57は、流路部55において上方に開口されている。
図7に示されるように、流路部55には、各導入口57に対応して4本の流路58が設けられている。各流路58は、流路58aと流路58bとからなる。各流路58aは、各導入口57と接続されており、流路部55における導入口57が形成されている面とは反対側の面(図7では下面)に形成された溝と、その溝を覆うように流路部55に溶着されたフィルムとにより形成されている。図7において破線で示されるように、各流路58aは、各導入口57から幅方向101へ延出され、直角に曲折されて奥行き方向103へ延出されて圧力ダンパ室56へ向かっている。各流路58aの端部は、流路部55の図7における下面から上面に延びて、各流路58bと接続されている。各流路58bは、流路部55の図7における上面に形成された溝と、その溝を覆うように流路部55に溶着されたフィルムとにより形成されている。各流路58bは、圧力ダンパ室56へ向かって延びている。
圧力ダンパ室56は、4本の流路58に対応して4つの部屋に区切られている。各部屋には各色のインクが独立して貯留可能である。各部屋には各流路58bからインクが不図示の流入路を通じて流入可能である。また、圧力ダンパ室56の各部屋は記録ヘッド39とヘッド接続口54を介して各色インクを流通可能に連結されており、圧力ダンパ室56の各部屋から流出されたインクはヘッド接続口54を介して記録ヘッド39へ流入する。
流路部材50において、流路部55及び圧力ダンパ室56の一方の面(図7では上面)は開口されており、当該開口を覆うように、流路部材50にフィルムが溶着されている。圧力ダンパ室56の上面を区画するシート状のフィルムが、圧力ダンパ室56の圧力変動に応じて撓むことにより、圧力ダンパ室56の体積が増減可能となる。これにより、圧力ダンパ室56は、キャリッジ38の往復動によりインクに生ずる動圧力を吸収するダンパとして機能する。以上より、流路部材50は、導入口57と記録ヘッド39との間においてインクの流路(第2流路に相当する。)を形成する。また、流路部材50には排気流路47が設けられており、必要に応じて不図示の弁が開放されることにより、圧力ダンパ室56内に溜まった空気が排気流路47を通じて排気される。排気流路47は、流路部材50の図7における上面に形成された溝と、その溝を覆うように流路部材50に溶着されたフィルムとにより形成されており、その一端のみがフィルムで覆われておらず大気に開放されている。
流路部材50は、キャリッジ本体30に対して、流路部55と圧力ダンパ室56とが奥行き方向103へ並ぶように組み付けられる。流路部55は、複合機10の奥行き方向103正面側となるガイドレール44側に配置され、圧力ダンパ室56は、複合機10の奥行き方向103奥側となるガイドレール43側に配置される。
流路部55の上方にはジョイント51(図6参照)が配置されている。各図には現れていないが、ジョイント51の下面には、流路部材50の各導入口57と接続される4つの開口が形成されている。ジョイント51は、4つの開口が一列に並べられた方向が長尺な部材である。ジョイント51は、長尺な方向を導入口の配列方向に沿わせた状態で、流路部材50に組み付けられる。図7に示されるように、流路部材50には、上方へ突出する2本のピン65,66が設けられている。このピン65,66がジョイント51に挿通されることによって、流路部材50に対してジョイント51が位置決めされる。
図6に示されるように、ジョイント51の側面には、各インクチューブ41と接続される接続部59が設けられている。接続部59に接続口が形成されている。接続部59は、4本のインクチューブ41に対応して4つが一列に並んで設けられている。各接続部59は、円管形状をなしており、その内部空間が接続口である。接続部59の接続口は、ジョイント51の下面に形成されている開口と連続している。各接続部59の内部空間である接続口に各インクチューブ41が挿入されて、インクチューブ41内の流路がジョイント51の接続口と接続される。これにより、インクチューブ41からジョイント51及び流路部材55を通じて記録ヘッド39へインクが流通可能となっている。すなわち、インクチューブ41内の流路から流路58及び圧力ダンパ室56を通じて、記録ヘッド39へインクが流通可能となっている。ジョイント51を上方から覆うようにチューブ保持部70がキャリッジ本体30に取り付けられる。チューブ保持部70は、4つのインクチューブ41に対応した、半円筒形状の4つの位置決め部材69を有している。4つの位置決め部材69が4つのインクチューブ41にそれぞれ上方から覆い被さることにより、4つのインクチューブ41が水平方向に沿って並べられた状態に維持される。
[ヘッド制御基板52]
キャリッジ本体30において、流路部材50の圧力ダンパ室56の上方にはヘッド制御基板52(図4参照)が配置されている。ヘッド制御基板52は、記録ヘッド39の動作を制御する基板であり、記録ヘッド39と電気的に接続されている。ヘッド制御基板52は、プリント基板に各種電子素子が組み付けられたものであるが、ヘッド制御基板52の回路構成などの説明は、ここでは省略される。
ヘッド制御基板52は、フレキシブル・フラット・ケーブル(FFC)53(図4参照)によって複合機10の制御基板(不図示)と電気的に接続されている。制御基板は、複合機10の動作を制御するものである。制御基板から出力された電気信号に基づいて、ヘッド制御基板52が記録ヘッド39の動作を制御すべく駆動信号などの電気信号を出力する。
[カートリッジ装着部110]
図8に示されるように、カートリッジ装着部110のケース111は、プリンタ部11の正面側に開口112を有する。開口112を通じてケース111へインクカートリッジ32が挿抜される。ケース111には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ32が収容可能である。
ケース111には、内部空間を高さ方向102に長い各インク色に対応した4つの空間に仕切り分ける3つのプレート113が設けられている。このプレート113によって仕切り分けられた各空間それぞれにインクカートリッジ32が収容される。プレート113は、ケース111において開口112と反対側となる奥側に設けられている。
ケース111の奥面の下部に接続部114が設けられている。接続部114は、奥面の高さ方向102における下側に、ケース111に装着された各インクカートリッジ32のインク供給部88に対応する位置に、各インク色毎にそれぞれ配置されている。本実施形態では、ケース111に収容可能な4つのインクカートリッジ32に対応して4つの接続部114が設けられている。
図8及び図10に示されるように、各接続部114は、インクニードル122と、保持部121とを有する。インクニードル122及び保持部121は、後述される樹脂成形体73の一部を構成する。
インクニードル122は、管状の樹脂針からなる。インクニードル122は、ケース111の開口112と反対側の外面(ケース111の奥面を形成する壁の裏側の面)でインク流路75に接続されている。各インクニードル122から開口112と反対向きへ引き出された各インク流路75は、上方へ引き上げられたのち、ジョイント71に接続されている。ジョイント71は、インクチューブ41内に挿入されることによって、インクチューブ41と接続される。インクニードル122内の流路、インク流路75及びジョイント71内の流路が第1流路に相当する。
図8及び図10に示されるように、保持部121は、凹陥状(円筒状)に形成されている。保持部121の中心部にインクニードル122が配置されている。インクカートリッジ32がカートリッジ装着部110に装着されると、インク供給部88が保持部121の凹陥部に挿入される。このとき、インク供給部88の外周面と保持部121の凹陥部の内面とが密着した状態、或いはインク供給部88の外周面と保持部121の凹陥部の内面とに隙間を介した状態で、インクニードル122がインク供給部88の内部空間に挿入される。これにより、インク室80に貯留されているインクが外部へ流出可能となる。インク室80から流出されたインクは、インクニードル122内の流路へ流入する。
[樹脂成形体73]
図9に示されるように、カートリッジ装着部110において、ケース111の開口112と反対側の外面(ケース111の奥面を形成する壁の裏側の面)には、樹脂成形体73が配置されている。樹脂成形体73は、接続部114(インクニードル122及び保持部121)、インク流路75、及びジョイント71が一体成型された部材である。
[インク流路75]
図9及び図10に示されるように、樹脂成形体73においてケース110の外面と対向しない側の面には、4本のインク流路75が形成されている。インク流路75は、樹脂成形体73の当該面において、インクニードル122の開口からジョイント71に至る経路が溝として形成され、その溝を塞ぐようにして、当該面にフィルム74が溶着されることにより形成されている。各インク流路75は、断面形状、並びにインクが流れる方向に沿った長さが略同等である。
[インクカートリッジ32]
図11及び図12に示されるように、インクカートリッジ32はインクを貯留する容器である。インクカートリッジ32の内部に形成されている空間がインクを貯留するインク室80である。
インクカートリッジ32は、図11に示された起立状態、つまり、同図の下側の面を底面とし、同図の上側の面を上面として、カートリッジ装着部110に対して奥行き方向103に沿って挿抜される。
インクカートリッジ32は、略直方体形状の本体81を有する。インクカートリッジ32がカートリッジ装着部110へ装着されるときに前側となる本体81の壁が前壁82であり、後側となる本体81の壁が後壁83である。また、上側となる本体81の壁が上壁84であり、下側となる本体81の壁が下壁85である。また、前壁82、後壁83、上壁84及び後壁85をそれぞれ繋ぐ本体の壁が側壁86,87である。本体81は、側壁86,87の間隔が、前壁82と後壁83、並びに上壁85と下壁86の間隔より狭い薄平な直方体形状である。
本体81の前壁82の下側に、インク供給部88が設けられている。インク供給部88は円筒形状であり、その内部空間が抵抗流路89を通じてインク室80と連続している。インク供給部88の先端は開口されており、この開口を通じてインク供給部88の内部空間から外部へインクが流出可能である。この開口がインク供給口90である。
図12に示されるように、本体81は、前壁82、後壁83,上壁84、下壁85、及び側壁86,87に囲まれた内部空間を有しており、その内部空間に、フレーム91及びフィルム94から区画されるインク室80を有する。なお、図12においては、前壁82、後壁83,上壁84、下壁85、及び側壁86,87は図示されていない。フレーム91は、本体81の前壁82、後壁83、上壁85及び下壁86に沿って延びる枠形状の樹脂成形体である。フレーム91の両側(側壁86,87に対向する側)は開口しており、この開口を塞ぐようにして、フレーム91の両側にフィルム94が溶着されている。
フレーム91の下側には、抵抗流路89(第4流路に相当する。)が形成されている。抵抗流路89は、インク供給部88の内部空間とインク室80とをインクが流通可能に接続する流路である。抵抗流路89は、フレーム91の下側において、本体81の前壁82と後壁83との間を複数回Uターンする謂わばラビリンス構造とも言える経路として形成されている。
抵抗流路89は、インク流路75と同様に構成されていている。具体的には、フレーム91において本体81の下壁85と対向する壁92の厚みが、フレーム91における他の壁よりも太く構成されており、壁92の側面に溝が形成され、その溝の開口がフィルム94により塞がれることにより構成されている。
抵抗流路89の断面積並びに経路長は、インク室80に貯留されるインクの粘度や、インクチューブ41及び樹脂成形体73により構成される流路の抵抗、キャリッジ38の移動によりインクに生ずる動圧力などを考慮して設定されるものであり、Uターンの回数や断面形状などは特に限定されるものではない。
本体81の前壁82の上側に、大気連通口93が設けられている。大気連通口93は、フレーム91を貫通する孔であり、インク室80の上側の空気層を外部と連通するものである。各図には詳細に示されていないが、大気連通口93は、弁などにより開閉可能に構成されていてもよいし、ラビリンス構造により構成されていてもよい。なお、インクカートリッジ32がカートリッジ装着部110に装着された状態で、記録ヘッド39のノズルは、インク室80のインクの液面(気液界面)よりも上方に位置させることが好ましい。インク室80のインクの液面は、大気連通口93の高さを超えることはないので、記録ヘッド39のノズルは、大気連通口93よりも上方に配置されていればよい。
なお、本体81には、複合機10がインク室80内のインク残量を判定するためにアクセスする残量検知部33などが設けられている。残量検知部33などは本発明と直接には関係がないため、ここでは、残量検知部33などのその他の構成についての詳細な説明は省略される。
[流路抵抗]
抵抗流路89による流路抵抗R1は、インク流路75などの樹脂成形体73による流路抵抗R2と、インクチューブ41による流路抵抗R3との和より大きくなるように設定されている。
(流路抵抗R1)>(流路抵抗R2)+(流路抵抗R3) ・・・(式1)
各流路抵抗R1,R2,R3は、それぞれの流路の断面における半径rの4乗の逆数を、それぞれの流路の一端から他端にかけて流路に沿って積分した値に比例すると考えられる。
Figure 0006263938
ここで、xは流路の一端からの流路に沿った距離であり、Lは流路の長さである。したがって、それぞれの流路において、(式2)の値を算出することによって、各流路抵抗R1,R2,R3の大きさを比較できる。(式1)の関係を満たすためには、抵抗流路89について(式2)により算出された値が、インク流路75などの樹脂成形体73内の流路について(式2)により算出された値と、インクチューブ41内の流路について(式2)により算出された値との和よりも大きければよい。なお、抵抗流路89、インク流路75などの樹脂成形体73内の流路、インクチューブ41内の流路の断面形状は、必ずしも円形状である必要はない。例えば、流路の断面形状が長方形であっても、その断面形状における等価半径(或いは等価直径の1/2)を用いて(式2)の値を算出すれば、各流路抵抗R1,R2,R3の大きさを比較できる。また、流路にインクを流し、流路の一端と他端との間の圧力差Pを、流路を流れるインクの流量Qで除した値(P/Q)として、各流路抵抗R1,R2,R3を実測してもよい。
抵抗流路89による流路抵抗R1は、例えば、抵抗流路89の断面形状の半径rを変更するか、抵抗流路89の長さLを変更するか、或いは両方を変更するかによって、変更することができる。したがって、インクチューブ41や樹脂成形体73の形状等を変更することなく、インクカートリッジ32毎に設計可能な抵抗流路89によって、インクカートリッジ32のインク室80から、キャリッジ38に搭載されている流路部材50における流路58及び圧力ダンパ室56までの流路抵抗を、所望の値に設定することが可能となる。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、インクカートリッジ32における抵抗流路89の流路抵抗R1が、インク流路などの樹脂成形体73内の流路の流路抵抗R2とインクチューブ41内の流路の流路抵抗R3との和より大きいので、インクカートリッジ32から流路58及び圧力ダンパ室56へ通ずるインクの流路における流路抵抗において、インクカートリッジ32の抵抗流路89の流路抵抗R1が占める割合が大きい。したがって、最も大きい抵抗流路89の流路抵抗R1を変化させれば、インクカートリッジ32から流路58及び圧力ダンパ室56へ通ずる流路における流路抵抗(R1+R2+R3)をインクの粘度に対応して最適に設定することが可能となる。インクカートリッジ32における抵抗流路89の流路抵抗R1を、インク室80に貯留されるインクの粘度に対応して最適に設計することによって、様々なインクの粘度に対応した最適な流路抵抗を設定することができる。
また、インクチューブ41内の流路の流路抵抗R3は、インクチューブ41の内壁の状態により経時的に変化する可能性がある。例えば、インクチューブ41の内壁にインクの成分が付着し、それが累積すると、インクチューブ41の内径が変化して、その結果、インクチューブ41内の流路の流路抵抗R3が変化するおそれがある。本実施形態では、インクカートリッジ32から流路58及び圧力ダンパ室56へ通ずるインクの流路における流路抵抗において、インクカートリッジ32の抵抗流路89の流路抵抗R1が占める割合が大きいので、仮に、インクチューブ41の流路抵抗R3が経時的に変化したとしても、その変化が、インクカートリッジ32から流路58及び圧力ダンパ室56へ通ずるインクの流路における流路抵抗(R1+R2+R3)に与える影響を少なくすることができる。
また、インクチューブ41の内径を小さくすることによって、インクカートリッジ32から流路58及び圧力ダンパ室56へ通ずるインクの流路における流路抵抗(R1+R2+R3)を大きくしようとすると、ジョイント71もそれに応じて小さくせざるを得なくなり、ジョイント71の強度の維持が困難となる。よって、インクチューブ41をジョイント71と接続する際に、ジョイント71が破損する恐れがある。しかしながら、本実施形態では、インクチューブ41の内径を小さくする代わりに、抵抗流路89の流路抵抗R1を大きくすればよいので、ジョイント71の強度を維持できる。
[変形例]
前述された実施形態では、インクカートリッジ32のフレーム91において、インク室80とインク供給部88とを接続する抵抗流路89が設けられているが、図13に示されるように、抵抗流路89に代えて、連続気泡を有するパッドや不織布などにより構成される三次元網目構造体95がインク室80に充填されてもよい。
三次元網目構造体95において、連続気泡或いは網目構造にインクの界面が形成されることによって、三次元網目構造体93における流路抵抗を、樹脂成形体73のインク流路75の流路抵抗R2とインクチューブ41の流路抵抗R3との和より大きくすることがきでるので、前述された実施形態と同様の作用効果が奏される。
なお、前述された実施形態においては、インクカートリッジ32における抵抗流路89の流路抵抗R1が、インク流路75などの樹脂成形体73内の流路の流路抵抗R2とインクチューブ41内の流路の流路抵抗R3との和より大きくなるように設定されることとしたが、インクカートリッジ32における抵抗流路89の流路抵抗R1が、インク流路75などの樹脂成形体73内の流路の流路抵抗R2及びインクチューブ41内の流路の流路抵抗R3より大きく設定されていても、同様の作用効果が奏される。
(流路抵抗R1)>(流路抵抗R2)
(流路抵抗R1)>(流路抵抗R3) ・・・(式3)
10・・・複合機
32・・・インクカートリッジ(液体カートリッジ)
38・・・キャリッジ
39・・・記録ヘッド
41・・・インクチューブ(第3流路を形成するチューブ)
50・・・流路部材
55・・・流路部
56・・・圧力ダンパ室
58・・・流路(第2流路)
75・・・インク流路(第1流路の一部)
80・・・インク室(液体室)
89・・・抵抗流路(抵抗部、第4流路)
90・・・インク供給口(液体供給口)
91・・・フレーム
95・・・三次元網目構造体
110・・・カートリッジ装着部

Claims (5)

  1. 液体を貯留する液体室を有する液体カートリッジと、
    上記液体カートリッジが装着され、上記液体カートリッジから流出した液体が流れる第1流路を有するカートリッジ装着部と、
    被記録媒体の記録面に沿った方向へ移動するキャリッジと、
    上記キャリッジに搭載されており、ノズルから液滴を吐出する記録ヘッドと、
    上記キャリッジに搭載されており、接続口と上記記録ヘッドとの間に形成されて液体が流通する第2流路、及び当該第2流路において上記キャリッジの移動により液体に生ずる動圧力を抑制する圧力ダンパ室を有する流路部材と、
    上記流路部材の接続口及び上記カートリッジ装着部の第1流路に接続されており、上記液体室から上記記録ヘッドへ供給される液体が流通される第3流路を形成するチューブと、を具備しており、
    上記液体カートリッジは、
    液体が流出する液体供給口と、
    上記液体室と上記液体供給口との間に形成された第4流路と、を有しており、
    上記第1流路は、上記カートリッジ装着部に形成された溝であり、
    上記第4流路は、上記液体カートリッジに形成された溝であり、
    上記第4流路の流路抵抗は、上記第1流路による流路抵抗及び上記第3流路による流路抵抗よりも大きい画像記録装置。
  2. 液体を貯留する液体室を有する液体カートリッジと、
    上記液体カートリッジが装着され、上記液体カートリッジから流出した液体が流れる第1流路を有するカートリッジ装着部と、
    被記録媒体の記録面に沿った方向へ移動するキャリッジと、
    上記キャリッジに搭載されており、ノズルから液滴を吐出する記録ヘッドと、
    上記キャリッジに搭載されており、接続口と上記記録ヘッドとの間に形成されて液体が流通する第2流路、及び当該第2流路において上記キャリッジの移動により液体に生ずる動圧力を抑制する圧力ダンパ室を有する流路部材と、
    上記流路部材の接続口及び上記カートリッジ装着部の第1流路に接続されており、上記液体室から上記記録ヘッドへ供給される液体が流通される第3流路を形成するチューブと、を具備しており、
    上記液体カートリッジは、
    液体が流出する液体供給口と、
    上記液体室と上記液体供給口との間に形成された第4流路と、を有しており、
    上記第4流路の流路抵抗は、上記第1流路による流路抵抗及び上記第3流路による流路抵抗よりも大きく、
    上記第4流路における上記液体室との連通口は、上記液体室の底に形成されている画像記録装置。
  3. 上記第4流路の流路抵抗は、上記第1流路による流路抵抗と上記第3流路による流路抵抗との和よりも大きい請求項1または2に記載の画像記録装置。
  4. 上記第4流路の半径の4乗の逆数を上記第4流路の一端から他端にかけて上記第4流路に沿って積分した値は、上記第1流路の半径の4乗の逆数を上記第1流路の一端から他端にかけて上記第1流路に沿って積分した値、及び上記第3流路の半径の4乗の逆数を上記第3流路の一端から他端にかけて上記第3流路に沿って積分した値よりも大きい請求項1から3のいずれかに記載の画像記録装置。
  5. 上記第4流路を区画する壁の少なくとも一部は、上記液体室を区画する壁の少なくとも一部を形成するフレームに形成された溝と、当該溝を覆うフィルムと、によって形成されている請求項1から4のいずれかに記載の画像記録装置。
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