JP2004306603A - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP2004306603A
JP2004306603A JP2004092258A JP2004092258A JP2004306603A JP 2004306603 A JP2004306603 A JP 2004306603A JP 2004092258 A JP2004092258 A JP 2004092258A JP 2004092258 A JP2004092258 A JP 2004092258A JP 2004306603 A JP2004306603 A JP 2004306603A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
tank
sectional area
horizontal cross
wall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004092258A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4407341B2 (ja
Inventor
Yoshiyuki Ikezaki
由幸 池崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2004092258A priority Critical patent/JP4407341B2/ja
Publication of JP2004306603A publication Critical patent/JP2004306603A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4407341B2 publication Critical patent/JP4407341B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 インクが空気と接触してインク内に凝集物が生じるのを抑制する。
【解決手段】 インクジェットヘッドの上方には、インクタンクからのインクを貯溜する貯溜空間が形成されたサブタンク30が設けられている。サブタンク30には、キャリッジの移動方向と直交する方向に延在した壁36が形成されている。そして、壁36によって貯溜空間がインクタンクと連通するインク流入口43を有する第1インク室41と、インクジェットヘッドと連通するインク排出口32を有する第2インク室42とに区画される。第1インク室41、第2インク室42の少なくとも一方は、上端部からその下方所定範囲における水平断面積が、該所定範囲よりさらに下方の部位における水平断面積よりも小さい構成となっている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、記録媒体上にインクを吐出して所望画像を印刷することが可能なインクジェットプリンタに関する。
インクジェットプリンタには、記録紙の搬送方向と直交する方向(記録紙の幅方向)に往復移動するキャリッジにインクジェットヘッドが搭載され、インクジェットヘッドにインク供給源からのインクを供給するチューブが接続されて、インク供給源からのインクをインクジェットヘッドから吐出して記録紙に所望画像を印刷するシリアルタイプのものがある。このようなインクジェットプリンタで画像を記録紙に印刷するときは、キャリッジが往復移動しながら画像を印刷するのでキャリッジの移動方向が変化するときにインクジェットヘッドに過大な加速度が付与され、そのときインク供給源とインクジェットヘッドを繋ぐチューブ内のインクにも加速度が与えられる。
このようにインクに加速度が与えられることでチューブ内のインクにはインク動圧が生じる。そのインク動圧の影響によりインクジェットヘッドでのインク吐出性が安定しないという問題が生じる。
前述の問題を解決するため、例えば、特許文献1では、インクタンク側(インク流路の上流側)に位置されインク流路内に発生した気泡を貯溜するための気泡溜まりが上方に設けられた第1室と印字ヘッド側(第1室に対しインク流路の下流側)に位置する第2室とが上方部分で連通するように第1フィルタで画設されたエアトラップユニット(サブタンク)を備えたインクジェットプリンタが提案されている。これによれば、第1室に設けられた気泡溜まりに貯溜された気泡によりチューブ内に生じたインク動圧を吸収することができる。そのため、インクジェットヘッドでのインク吐出性が安定し良好な印刷品質を得ることができる。
特開2002−166568号公報(第4−6頁、図2−5)
しかしながら、特許文献1のインクジェットプリンタにおいて、エアトラップユニットの第1室に設けられた気泡溜まりでは、気泡量が多くなると気泡とインクとが接する面積が大きくなるため、インク内に凝集物が生じるという問題がある。
そこで、本発明は、インクが空気と接触してインク内に凝集物が生じるのを抑制するインクジェットプリンタを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載のインクジェットプリンタは、記録媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、インク流入口及びインク排出口が設けられており、前記インク流入口を介して供給されたインクを貯溜する貯溜空間を有し、前記貯溜空間内のインクを前記インク排出口を介して前記インクジェットヘッドに供給する可動インクタンクと、前記インクジェットヘッド及び前記可動インクタンクを支持しており、記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジとを備えている。前記可動インクタンクは、前記貯溜空間を上方において互いに連通した複数の部屋に区画する壁を備えており、前記インク流入口が設けられた部屋以外の少なくともいずれか1つの部屋において、前記壁の上端から下方所定範囲における水平断面積が、前記所定範囲より下方の部位における水平断面積未満であることを特徴とするものである。
このような構成によると、インク流入口が設けられた部屋以外の少なくともいずれか1つの部屋において、壁の上端からその下方所定範囲における水平断面積が、前記所定範囲よりさらに下方の部位における水平断面積より小さいため、インクとエアが接触し得る領域(該所定範囲)の水平断面積が小さくなる。そのため、糊成分などを含むインクがエアと接触してインク内に凝集物が生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項2に記載のインクジェットプリンタは、前記インク流入口が設けられた部屋以外の全ての部屋において、前記所定範囲の水平断面積が、それより下方の部位における水平断面積未満であることを特徴とするものである。
このような構成によると、インク流入口が設けられた部屋以外の全ての部屋において、インクとエアとが接触する水平断面積が小さくなる。そのため、糊成分などを含むインクがエアと接触してインク内に凝集物が生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項3に記載のインクジェットプリンタは、前記インク流入口が設けられた部屋以外の少なくともいずれか1つの部屋の前記所定範囲には、実質的に水平断面積を同じにしつつ鉛直に延在した部分が設けられていることを特徴とするものである。
このような構成によると、実質的に水平断面積が同じとなる鉛直に延在した部分が設けられていることで、可動インクタンク内のインクの液面高さが鉛直に延在した部分で多少変動してもインクとエアとが接触する水平断面積が変わらないため、糊成分などを含むインクがエアと接触してインク内に凝集物が生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項4に記載のインクジェットプリンタは、前記インク流入口が設けられた部屋以外の少なくともいずれか1つの部屋において、前記所定範囲よりも下方に、水平断面積が下方ほど大きくなる領域が存在することを特徴とするものである。
このような構成によると、貯溜空間内のインクと貯溜空間内の上部に溜まったエアとが接触する水平断面積を小さくしつつインクの貯溜量を増加させることができる。
本発明の請求項5に記載のインクジェットプリンタは、前記インク流入口が設けられた部屋以外の少なくともいずれか1つの部屋の前記壁の上端部よりも上方には、前記壁の上端部近傍よりも水平断面積が大きい領域が設けられていることを特徴とするものである。
請求項6に記載のインクジェットプリンタは、記録媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、インク流入口及びインク排出口が設けられており、前記インク流入口を介して供給されたインクを貯溜する貯溜空間を有し、前記貯溜空間内のインクを前記インク排出口を介して前記インクジェットヘッドに供給する可動インクタンクと、前記インクジェットヘッド及び前記可動インクタンクを支持しており、記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジとを備える。
そして、前記可動インクタンクは、前記貯溜空間を上方において互いに連通した複数の部屋に区画する壁を備えており、前記複数の部屋の少なくともいずれか1つの部屋において、前記壁の上端から下方の所定範囲における水平断面積が、前記所定範囲より下方の部位における水平断面積未満であることを特徴としている。
請求項6に記載のインクジェットプリンタによれば、複数の貯溜空間の少なくともいずれか1つにおいて、壁の上端からその下方所定範囲における水平断面積が、前記所定範囲よりさらに下方の部位における水平断面積より小さいため、インクとエアが接触し得る領域(該所定範囲)の水平断面積が小さくなる。そのため、糊成分などを含むインクがエアと接触してインク内に凝集物が生じるのを抑制することができる。
本発明の請求項7に記載のインクジェットプリンタは、固定インクタンクと前記可動インクタンクとを連結して、前記固定インクタンク内のインクを前記可動インクタンクに供給するチューブをさらに備えていることを特徴とするものである。
このような構成によると、固定インクタンクと可動インクタンクをチューブで連結することで、固定インクタンク内のインクを可動インクタンクに供給することができるとともに、固定インクタンクを取り換え易い位置に設けることが可能となる。そのため、固定インクタンク内のインクがなくなった場合に簡単に固定インクタンクを交換することができる。
本発明の請求項8に記載のインクジェットプリンタは、前記壁が前記キャリッジの移動方向と実質的に直交する方向に延在した部分を有していることを特徴とするものである。
このような構成によると、キャリッジの往復移動に伴う可動インクタンク内のインク液面の波立ちによって生じるインクの泡立ちを減少させることができる。そのため、インクが気泡を巻き込むのを抑制することができ、インクジェットヘッドのインク吐出性が安定し印刷品質が向上する。
本発明の請求項9に記載のインクジェットプリンタは、前記複数の部屋のうち、前記インク流入口が設けられた部屋の側面であって前記壁の前記延在した部分と対向する部分が可撓性部材で構成されていることを特徴とするものである。
このような構成によると、可撓性部材がキャリッジの移動方向と実質的に直交する方向に設けられているので、キャリッジの往復移動に伴って生じるインク動圧を吸収することができる。
本発明の請求項10に記載のインクジェットプリンタは、前記壁が前記貯溜空間を2つの部屋に区画していることを特徴とするものである。
このような構成によると、可動インクタンクの構造が簡素なものとなり、可動インクタンクの製造コストが減少する。
本発明の請求項11に記載のインクジェットプリンタは、記録媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、インク流入口及びインク排出口が設けられており、前記インク流入口を介して供給されたインクを貯溜する貯溜空間を有し、前記貯溜空間内のインクを前記インク排出口を介して前記インクジェットヘッドに供給する可動インクタンクと、前記インクジェットヘッド及び前記可動インクタンクを支持しており、記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジとを備えている。前記可動インクタンクは、前記貯溜空間を上方において互いに連通した複数の部屋に区画する壁を備えており、前記壁の上端部よりも上方には、第1の部分と、前記第1の部分よりも上方にあって前記第1の部分よりも水平断面積が小さい第2の部分とが存在することを特徴とするものである。
このような構成によると、壁の上端部よりも上方に第1の部分が存在し、その第1の部分よりも上方にあってそれより水平断面積が小さい第2の部分が存在しているため、可動インクタンク内のインクの液面が第2の部分内に存在する場合において、貯溜空間内のインクとそれとともに流入したエアとが接触する水平断面積が小さくなる。そのため、糊成分などを含むインクがエアと接触してインク内に凝集物が生じるのを抑制することができる。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施の形態を説明する。
[プリンタ全体構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係るインクジェットプリンタの全体的な構成を示す正面図である。図1に示すようにインクジェットプリンタ1は、枠体上のフレーム2を備えている。フレーム2は、プリンタの底部に位置する水平部2hと、水平部2hの両端から垂直に立ち上がる垂直部2vとを有している。
左右の垂直部2vの上部同士を連結するように、スライドレール3が水平に支架されている。スライドレール3にはキャリッジ4が、スライドレール3の長手方向(主走査方向)に沿って摺動自在に備えられている。このキャリッジ4の下面には、4色のインクを吐出させるために各色ごとに配設された計4個の圧電式のインクジェットヘッド5が設けられている。
左右の垂直部2vの上部にはそれぞれプーリ6,7が支持され、一側のプーリ6には、垂直部2vによって支持されるモータ8のモータ軸が連結されている。両プーリ6,7の間には無端ベルト9が架け渡されており、キャリッジ4はこの無端ベルト9の適宜の部分に固定される。
このような構成により、一側のプーリ6がモータ8の駆動により正逆回転されると、それに伴ってキャリッジ4がスライドレール3の長手方向(主走査方向)に沿って直線往復駆動され、この結果、インクジェットヘッド5の往復移動が行われる。
左右の垂直部2vには、インクタンク20(固定インクタンク)を着脱可能に搭載する搭載部10が形成されている。2つの搭載部10は2色ずつのインクタンク20を装着できるようになっており、このインクタンク20の内部に形成されているインク袋22が可撓性チューブ28によって、インクジェットヘッド5のそれぞれの上部に位置する4つのサブタンク30(可動インクタンク)と接続される。なお、4つのサブタンク30は、後述するようにインクジェットヘッド5とそれぞれ連通しているため、インクタンク20からインクジェットヘッド5にインクが供給される。
フレーム2の水平部2hの上にはスライド機構11が設置され、このスライド機構11の上にプラテン12が支持される。このプラテン12には布帛を、その印刷したい部分が上面に来るように位置決めして、且つピンと張った皺のない平坦な状態でセットできるようになっている。本実施の形態のインクジェットプリンタ1は、例えば縫製済みTシャツにインクジェット印刷を行うものである。
また、プラテン12を図1の紙面垂直方向(スライド機構11におけるスライド方向であって、インクジェットプリンタ1の副走査方向)に往復移動させるために、プラテン搬送機構が配設されている。このプラテン搬送機構については図示しないが、ラック、ピニオン機構や、無端ベルトを用いた周知の機構などを適用することができる。
また、インクジェットプリンタ1はカバー13を備えており、インクジェットヘッド5やスライド機構11等を覆って保護できるようになっている。なお、図1においては、カバー13の内部の様子を詳細に示すために、カバー13を鎖線で描いて透視的に図示している。カバー13の前面の図1中右上部には、液晶パネルや操作ボタンを備える操作パネル14が配設されている。
[インクジェットヘッドへのインク供給構成]
図2は、インクジェットヘッドへのインク供給構成を示す概略図である。図2(a)に示すように、インクジェットヘッド5の上部には、インクタンク20からのインクを貯溜するサブタンク30が設けられている。このサブタンク30の図2中右上部には接続部29が形成されており、可撓性チューブ28が接続されている。可撓性チューブ28の一端部側には、インクタンク20の後述するキャップ23を貫通する中空針25が設けられており、その中空針25を介して可撓性チューブ28内へインクタンク20のインクが流通する。
このように、インクタンク20とサブタンク30とを可撓性チューブ28で連結することで、インクタンク20内のインクをサブタンク30に供給することができるとともに、インクタンク20を取り換えやすい位置に設けることが可能となる。そのため、インクタンク20のインクが無くなった場合に簡単にインクタンク20を交換することができる。
インクタンク20は、合成樹脂製のハウジング21の内部に、インク袋22を備えた構成となっている。このインク袋22は、脱気されたインクを内包している。インク袋22は、その開口部を封止するスパウト24を有する。図2(b)に拡大して示すように、スパウト24は樹脂製の円筒形状をした部材で、インク袋22の開口部に嵌め込まれ固着されている。スパウト24の内周面には、シリコンゴム製またはブチルゴム製のキャップ23が嵌め込まれているインク袋22は、可撓性を有する複数のフィルムを熱圧着して形成されているパウチフィルムで構成されている。このパウチフィルムは最内側にポリプロピレン層が形成され、外側に向かって順に基材としてのポリエステル層と、そのポリエステル層に敷設されるガスバリア層としてのアルミ箔層と、フィルムの強度向上のためのナイロン層とが多重に積層された構造となっている。
前述の通り、キャップ23には、可撓性チューブ28の一端部側に設けられた中空針25が貫通されている。インクタンク20の内部のインクが無くなったときには、キャップ23から中空針25を抜いて、インクタンク20ごと交換できるようになっている。
図1に示すように、4個のインクジェットヘッドは、4色のインク(マゼンタ、イエロー、シアン、ブラック)に対応して、キャリッジ4の往復移動方向に沿って並設されており、それぞれに対応したインクタンク20と可撓性チューブ28でサブタンク30を介して連結されている。
インクジェットヘッド5は、平面視でキャリッジ4の往復移動方向に垂直な長手方向を有する細長い長方形状とされるとともに、圧力室を含むインク流路が形成された流路ユニットと圧力室のインクに圧力を与えるアクチュエータとが貼り合わされたヘッド本体5aを有している。ヘッド本体5aの底面には、インクを下方に向けて吐出するための微小径の吐出ノズルが多数並べて形成されており、それら吐出ノズルが記録媒体たる布帛に接触しないようにカバー5bが設けられている。また、ヘッド本体5aの上端部にはサブタンク30にネジ5eで取り付けられるように両端部に貫通孔5dが形成された取付けプレート5cが設けられている。なお、カバー5bは吐出ノズルからのインク吐出を妨げないように長方形状の開口部が形成された枠状のプレートからなる。
インクジェットヘッド5は、その下面がプラテン12の上面との間に少量の隙間を形成するように配置されており、布帛に画像を印刷する際にプラテン12にセットされた布帛の印刷したい部分がその隙間に搬送される。この構成で、インクジェットヘッド5がキャリッジ4によって往復移動されつつ布帛上に吐出ノズルから各色のインクを吐出することで、所望のカラー画像を布帛に形成できるようになっている。
[サブタンクの構成]
図3は、サブタンク30の概略構成を示すものであり、(a)は図2におけるA−A断面図であり、(b)は図3(a)におけるB−B断面図であり、(c)は図3(a)におけるC−C断面図である。サブタンク30は、キャリッジ4に固定するベースプレート31と、内部にインクタンク20からのインクを貯溜する貯溜空間を有する、ほぼ直方体形状の本体35とで構成されている。ベースプレート31は、平面視でキャリッジ4の往復移動方向に垂直な長手方向を有する細長い長方形状とされるとともに、それ自体をキャリッジ4にネジで固定するための貫通孔32a及びインクジェットヘッド5が取り付けられるように内周面にネジ部が形成された貫通孔32bとが形成されている。
図3(a)に示すように本体35には、ベースプレート31の上面から上方に向かって延在しつつ、キャリッジ4の移動方向と直交する方向に延在した壁36が形成されており、本体35の貯溜空間を第1インク室41と第2インク室42とに区画している。壁36には、第1インク室41と第2インク室42とが上方で連通する連通口36aが形成されている。本体35の第1インク室41側であって、壁36と対向する側壁には開口部41aが形成されている。本体35の開口部41aには、それ全体を塞ぐように可撓性フィルム45(可撓性部材)が設けられている。
本実施の形態において、可撓性フィルム45には厚みが10μmで酸化ケイ素を蒸着したポリエチレンテレフタレート樹脂からなる層と厚み30μmのポリプロピレン樹脂からなる層とが積層した2層体を用いている。このように酸化ケイ素を蒸着した層を有することで、外方からのエア、水蒸気などを通過させない遮気層とすることができ、サブタンク30内にエアなどが侵入するのを防ぐことができる。
なお、本実施の形態における本体35の材質には、ポリプロピレン樹脂を適用しているため、可撓性フィルム45の一方の層がポリプロピレン樹脂からなっている。つまり、酸化ケイ素が蒸着された層を外側に位置させるとともにポリプロピレン樹脂からなる層を内側に位置させて、内側の層と本体35とを熱溶着などで接続して設ける場合のその接合力を向上させている。例えば、本体35の材質がポリエチレン樹脂から構成されている場合では、可撓性フィルム45のポリプロピレン樹脂からなる層をポリエチレン樹脂からなる層とすることが好ましい。こうすることで、可撓性フィルムの内側の層と本体35との接合力を向上させることが可能となる。
図3(b)に示すように、サブタンク30には接続部29と第1インク室41の下部とが連通するようにインク流入口43が形成されている。このインク流入口43は、接続部29で可撓性チューブ28と連通するように接続部29に近い側で斜めに屈曲した部分43aを有するとともに、その屈曲した部分の端部から下方に向かって垂直に形成され部分43bを有し、第1インク室41の壁36の上端部より下方位置で連通している。また、インク流入口43のインク流入方向と壁36の延在方向とが平行となっている。
また、図3(c)に示すように、第2インク室42とインクジェットヘッド5とが連通しつつ第2インク室42に貯溜されたインクをインクジェットヘッド5に排出するインク排出口32がベースプレート31にインクジェットヘッド5の図示しないインク供給口と重なる位置に2つ形成されている。
図3(b)に示す第1インク室41は、上端部から所定範囲、本実施形態ではインク流入口43が形成された部分近傍までの範囲41bにおいて、実質的にほぼ同じ水平断面積を有するように形成されつつ、その下方、本実施形態ではインク流入口43が形成された部分近傍から下方に向かって拡大した部分41cを有している。さらに、第1インク室41は、上記の拡大した部分の下端部から第1インク室41の下端部までの範囲41dにおいて、ほぼ同じ水平断面積を有するように形成されている。
また、図3(c)に示すように第2インク室42は、上端部から所定範囲、本実施形態では第2インク室42の中央近傍部分までの範囲42bが実質的に水平断面積を同じにする鉛直に延在した部分として形成されており、それの下端部から下方に向かって拡大した部分42cを有している。また、第2インク室42は、それの拡大した部分の下端部から第2インク室42の下端部までの範囲42dにおいて、ほぼ同じ水平断面積を有するように形成されている。なお、本実施形態では、第2インク室42の下部部分(第2インク室42の同じ水平断面積を有する部分)42dの水平断面積と、第1インク室41の下部部分(第1インク室41の同じ水平断面積を有する部分)41dの水平断面積とが同じとなっている。第2インク室42の下部部分以外(42b、42c)であって、第1インク室41と第2インク室42とが互いに対応する位置での第2インク室42の水平断面積は、第1インク室41の水平断面積よりも小さくなっている。各インク室において、上部(41b、42b)の水平断面積は、それよりも下方の部位の水平断面積より小さくなっている。この構成により、サブタンク30の貯溜空間内の各インク室41、42において、インクと貯溜空間内の後述する上部に溜まったエアとが接触する水平断面積が小さくなる。従って、糊成分などを含むインクがエアと接触してインク内に凝集物が生じるのを抑制することができる。
また、各インク室41,42がそれぞれ下方において拡大した部分(41d、42d)を有することで、第1インク室41ではそれのインク貯溜量を増大させることができ、特に、第2インク室42では拡大された第2インク室42の下方両端部分42dと連通するインク排出口32によって、インクジェットヘッド5の上端部両端部分からインクを供給することができるとともに、第1インク室41と同様に第2インク室42のインク貯溜量を増大させている。
[サブタンク内のインク変化状況]
続いて、サブタンク30の第1インク室41及び第2インク室42内のインク変化状況について以下に説明する。図4は、サブタンクの貯溜空間におけるインク液面の変化状況を示し、(a)はインクに混入した気泡によって貯溜空間内のエアが増大した後に印刷又はパージしたときの状態を示した断面図であり、(b)は図4(a)におけるD−D断面図であり、(c)は図4(a)におけるE−E断面図である。
図3(a)、(b)、(c)に示すように、インクタンク20から可撓性チューブ28を介してサブタンク30内の第1インク室41及び第2インク室42にインクを初期導入したときは、可撓性チューブ28の一端部側の中空針25をインクタンク20のキャップ23に抜き差しした後に、サブタンク30内にインクを初期導入するために、可撓性チューブ28内に混入したエアがサブタンク30内にインクとともに流入して第1インク室41及び第2インク室42の上端部にエア溜まりが形成される。また、インク初期導入時のパージ時に余分なエアを排出させながらエア溜まりのエアを適正なエア量とすることで、サブタンク30内の第1インク室41及び第2インク室42のインク液面を壁36の連通口36aとほぼ同一のレベル(壁36の上端面とほぼ同一のレベル)とすることができる。
また、第1インク室41及び第2インク室42の上端部であって、それらに跨るエア溜まりはエアダンパとしての機能を有している。つまり、適正なエア量を有するエア溜まりを第1インク室41及び第2インク室42の上端部に有することで、印刷時のキャリッジ4の往復移動に伴う可撓性チューブ28内のインクに生じるインク動圧をエア溜まりで吸収することができるので、インク動圧がインクジェットヘッド5のインク吐出に与える影響が抑制されてインク吐出性が安定する。
通常、図3(a)、(b)、(c)に示すようなサブタンク30内のインク液面状態が維持されながら、インクジェットヘッド5からインクが吐出されて布帛に所望の画像が印刷される。また、インクジェットヘッド5からインクが吐出されたときに、インクジェットヘッド5の内部のインク流路には負圧が生じ、その負圧によって自然にサブタンク30の第2インク室42内のインクがインク排出口32を通ってインクジェットヘッド5に移動しつつ、第1インク室41内のインクが壁36の連通口36aを通って第2インク室42へ移動する。そして、可撓性チューブ28内のインクがサブタンク30の第1インク室41にインク流入口43を通って移動するとともにインクタンク20のインクが可撓性チューブ28内に移動する。このインクジェットヘッド5のインク吐出による負圧は、それほど大きな負圧ではないためにサブタンク30内のインク液面状態が保たれる。こうして、インクタンク20のインクがインクジェットヘッド5に負圧により供給されることになる。
また、インクタンク20のインクや可撓性チューブ28内のインクに混入した気泡がサブタンク30内にインクとともに侵入した場合には、エア溜まりが増大し、これにより第1インク室41及び第2インク室42のインク液面が押し下げられることになる。この状態のままでインクジェットヘッド5からのインク吐出による印刷又はパージした時には、図4(a)、(b)、(c)に示すように第2インク室42のインクがインク排出口32から排出されることで、インク液面が下がる。一方、第1インク室41のインク液面は、壁36の連通口36aとほぼ同一レベルまで上昇する。しかし、このような状態で印刷を続けるとインクジェットヘッド5のインク吐出によって生じる負圧作用では第1インク室41のインクが壁36を越えて第2インク室42に移動させるのが困難となるので、エア排出パージを行って余分なエアをインクジェットヘッド5の吐出ノズルから排出させる。エア排出パージを行うことで、第2インク室42のインク液面が下がり第1インク室41のインクが第2インク室42に移動する。このとき、強制的にエア排出パージが行われているために、第2インク室42へ移動した第1インク室41のインクと第2インク室42のインクとの間には、余分なエアが存在するようになり、インク間に挟まれた状態でエア排出されることになる。
また、サブタンク30内のエア溜まりは、第1インク室41及び第2インク室42の上部であって、各インク室41,42に跨るように存在しているため、そのエア溜まりのエアとサブタンク30内のインクとの接触面積はほぼ一定となる。つまり、サブタンク30の第1インク室41及び第2インク室42のインク液面が混入した気泡により下がった場合やインク液面が下がった状態から印刷又はパージした場合であっても、図4(a)に示すようにサブタンク30内のインク液面は第1インク室41及び第2インク室42の上方の水平断面積がほぼ一定であり、かつ、それぞれ下方部分41d、42dよりも水平断面積が小さい部分41b、42bを上下するだけとなる。
特に、第2インク室42のインクとエア溜まりのエアとが接触する部分42bでは、その水平断面積が小さくされているために、糊成分などを含むインクがエアと接触してインク内に凝集物を生じるのを抑制することができる。つまり、図4(a)、(c)に示すようにサブタンク30の第2インク室42のインク液面は水平断面積が小さいほぼ一定の部分を上下するだけなので、インクとエアとの接触面積は変化せず、且つ小さい接触面積となるため、インク内に凝集物が生じるのを抑制することができる。
また、前述したサブタンク30の形状は特に限定するものではなく、例えば、図5〜図8に示すようなサブタンクでも適用することができる。以下にサブタンクの第1〜第4変形例について説明するが、前述したサブタンク30と同様なものについては同一符号で示し、説明を省略する。
サブタンクの第1変形例について以下に説明する。図5は、サブタンクの第1変形例の概略構成を示すものであり、(a)は断面図であり、(b)は図5(a)におけるF−F断面図であり、(c)は図5(a)におけるG−G断面図である。
図5(a)、(b)、(c)に示すように第1変形例のサブタンク100は、前述したサブタンク30の第2インク室42より上方の部分がキャリッジ4の往復移動方向と直交する方向に拡大した領域を有するようなものとなっている。それ以外は、前述したサブタンク30と同様なため説明を省略する。
サブタンク100は、前述したベースプレート31と、内部にインクを貯溜する貯溜空間を有するとともにほぼ直方体形状の本体101とで構成されている。本体101には、ベースプレート31の上面から上方に向かって延在しつつ、キャリッジ4の往復移動方向と直交する方向に延在した壁102が形成されている。また、本体101には、第2インク室42の上端部であって、第1インク室41及び第2インク室42を上方で連通する連通部103を有するように内方に向かって水平に延出した部分が形成されている。壁102の上端部より上方であって、本体101と本体101から内方に向かって水平に延出した部分とで囲まれた領域には、第2インク室42側の壁102の上端部近傍部分よりも水平断面積が大きいエア溜まり105が設けられている。
このようなサブタンク100にインクを初期導入したときは、インクとともに流入したエアがエア溜まりに溜まるので、キャリッジ4の往復移動に伴って生じるインク動圧を吸収するエアダンパの機能をエア溜まりが果たすとともに、エア貯溜量が増大した分だけその機能が向上し、インクジェットヘッド5のインク吐出性がほぼ一定の状態に保たれ、良好な印刷品質を維持することができる。
続いて、サブタンクの第2変形例について以下に説明する。図6は、サブタンクの第2変形例の概略構成を示すものであり、(a)は断面図であり、(b)は図6(a)におけるH−H断面図であり、(c)は図6(a)におけるI−I断面図である。
図6(a)、(b)、(c)に示す第2変形例のサブタンク150は、前述したサブタンク100の第1インク室41及び第2インク室42の上部のキャリッジ4の往復移動方向に平行な幅が狭くなるようなものとなっている。それ以外は、前述したサブタンク100とほぼ同様なため説明を省略する。
サブタンク150は、前述したベースプレート31と、内部にインクを貯溜する貯溜空間を有するとともにほぼ直方体形状の本体151とで構成されている。図6(a)に示すように本体151は、前述した壁102と同様なものを有し、本体151の上部151a、151bを下方より厚く形成することにより、壁102の上端部近傍部分と対向する部分が第1インク室41及び第2インク室42の上部のキャリッジ4の往復移動方向に平行な幅を狭くするように内方に向かって突出している。また、図6(b)に示すように本体151には前述したサブタンク100のエア溜まり及び連通部103を有するように、第2インク室42の上端部であって、内方に向かって水平に延出した部分が形成されている。本体151の第1インク室41側であって、壁102に対向する部分には、開口部152が形成されており、その開口部152の全体を塞ぐように可撓性フィルム153が設けられている。可撓性フィルム153は前述した可撓性フィルム45とサイズが異なるだけでその他は同様である。
このようなサブタンク150にインクを初期導入したときは、インクとともに流入したエアがエア溜まりに溜まるので、キャリッジ4の往復移動に伴って生じるインク動圧を吸収するエアダンパの機能をエア溜まりが果たすとともに、エア貯溜量が増大した分だけその機能が向上し、インクジェットヘッド5のインク吐出性がほぼ一定の状態に保たれ、良好な印刷品質を維持することができる。
また、第1インク室41及び第2インク室42の上部41b、42bの幅が狭くなっているために、その部分の水平断面積がより小さくなる。そのため、その狭くなった部分にインク液面が存在する場合において、インクとエア溜まりのエアとの接触面積が小さくなりインク内に凝集物が生じるのを抑制することができる。
続いて、サブタンクの第3変形例について以下に説明する。図7は、サブタンクの第3変形例の概略構成を示すものであり、(a)は断面図であり、(b)は図7(a)におけるJ−J断面図であり、(c)は図7(a)におけるK−K断面図である。
図7(a)、(b)、(c)に示すように第3変形例のサブタンク200は、前述したサブタンク100のエア溜まりの上部が上方に向かって開口した開口部202を有するようにして構成されている。また、開口部202は可撓性フィルム203によって塞がれている。それら以外は、前述したサブタンク100とほぼ同様なため説明を省略する。
サブタンク200は、前述したベースプレート31と、内部にインクを貯溜する貯溜空間を有するとともにほぼ直方体形状の本体201とで構成されている。本体201には、前述した壁102と同様な壁が形成されている。また、本体201には、第2インク室42の上端部であって、第1インク室41及び第2インク室42を上方で連通する連通部105、107及びエア溜まりを有するように内方に向かって水平に延出した部分103が形成されている。
また、図7(b)に示すように本体200には、壁102の上端部より上方であって、本体201と本体201から内方に向かって水平に延出した部分103とで囲まれた領域には、第2インク室42側の壁102の上端部近傍部分よりも水平断面積が大きいエア溜まりが設けられている。また、本体201の上端部には、上方に向かって開口した開口部202が形成されている。本体201の上端面には、開口部202の全体を塞ぐように前述した可撓性フィルム45とサイズが異なるだけでそれ以外は同様な可撓性フィルム203が設けられている。
このようなサブタンク200にインクを初期導入したときは、インクとともに流入したエアがエア溜まりに溜まるので、キャリッジ4の往復移動に伴って生じるインク動圧を吸収するエアダンパの機能をエア溜まりが果たすとともに、エア量が増大した分だけその機能が向上し、インクジェットヘッド5のインク吐出性がほぼ一定の状態に保たれ、良好な印刷品質を維持することができる。
また、可撓性フィルム203がエア溜まりの一壁面を構成しているので、エア溜まりでインク動圧を吸収するエアダンパの機能がさらに向上することになる。つまり、エア溜まりに溜まったエアがインク動圧を吸収するときに、エアに伝わったインク動圧をさらに可撓性フィルム203で吸収することができるので、エアダンパ機能が向上し第2インク室42内のインクにキャリッジ4の往復移動に伴って生じるインク動圧を伝えるのをより抑制することができる。
サブタンクの第4変形例について以下に説明する。図8は、サブタンクの第4変形例の概略構成を示すものであり、(a)は断面図であり、(b)は図8(a)におけるL−L断面図であり、(c)は図8(a)におけるM−M断面図である。
図8(a)、(b)、(c)に示すように第4変形例のサブタンク250は、前述したベースプレート31と、内部にインクを貯溜する貯溜空間を有するとともにほぼ直方体形状の本体251とで構成されている。本体251には、ベースプレート31の上面から上方に向かって延在しつつ、キャリッジ4の往復移動方向と直交する方向に延在した壁252が形成されている。そして、壁252によってサブタンク250内の貯溜空間が第1インク室241と第2インク室242とに区画されるとともに、各インク室241,242が壁252の上端部より上方で連通されるようになっている。また、本体251の壁252の上端面と対向する部分には、図8(a)に示すように凹部253が形成されている。この凹部253の水平断面積は、第1インク室241と第2インク室242とが連通する部分より小さく形成されている。なお、サブタンク250に設けられた接続部とインク流入口は、前述した接続部29とインク流入口43と同様なために説明を省略する。
また、図8(b)に示すように第1インク室241は、凹部253が形成されていない部位の本体251の天井面254からインク流入口43が形成された部分近傍までの範囲において実質的ほぼ同じ水平断面積を有するように形成され、その下方、インク流入口43が形成された部分近傍から下方に向かって拡大した部分を有するように形成されている。また、第1インク室241は、上記拡大した部分の下端部から第1インク室241の下端部までの範囲においてはほぼ同じ水平断面積を有するように形成されている。図8(c)に示すように第2インク室242は、前述した第1インク室241と同様な断面形状となっている。このように各インク室241,242が上方より下方において水平断面積の大きい部位を持たせることで、インク貯溜量を増大させることができる。
このようなサブタンク250にインクを初期導入する際、インク導入速度を速めて勢いよくインク導入することで、図8(a)に示すようなインク液面高さとなる。つまり、勢いよくインクを導入することでインクとともに流入するエアがインク排出口32からある程度排出され、エア量が少なくなり凹部253内にインク液面が存在することになる。従って、本体251の凹部253によって、インクがサブタンク250に導入された際に、インクとともに流入した適量のエアが凹部253に溜まりその部分がエア溜まりとなって、それがエアダンパの機能を有する。そのため、キャリッジ4の往復移動に伴って生じるインク動圧が凹部253内のエアによって吸収される。
以上のようなサブタンク30,100,150,200が適用されたインクジェットプリンタによると、各インク室において、壁の上端から、その下方所定範囲における水平断面積が、それよりも下方の部位における水平断面積より小さく形成されている。サブタンクにインクと共に流入したエアは、貯溜空間に溜まるが、エアとインクが接触する部位は、上記の水平断面積が他の部位より小さくなっている範囲内であるため、糊成分などを含むインクがエアと接触してインク内に凝集物が生じるのを抑制することができる。なお、サブタンク30,100,150,200においては、第2インク室42の壁36,102の上端部よりも下方における水平断面積が、第1インク室41の対応する位置における水平断面積以下となっている。
また、サブタンク250が適用されたインクジェットプリンタによると、本体251の凹部253内にインク液面が存在する場合において、凹部253の水平断面積が各インク室241,242を連通する部分の水平断面積より小さいため、糊成分などを含むインクがエアと接触してインク内に凝集物が生じるのを抑制することができる。
また、サブタンク30,100,150,200,250にはキャリッジ4の往復移動方向と実質的に直交する方向に延在した壁36,102,252が設けられているので、キャリッジ4の往復移動に伴うサブタンク30,100,150,200,250内のインク液面の波立ちによって生じるインクの泡立ちを減少させることができる。そのため、インクが気泡を巻き込むのを抑制することができ、インクジェットヘッド5のインク吐出性が安定し印刷品質が向上する。
また、サブタンク30,100,150,200には第1インク室41側であって、壁36,102と対向する部分に可撓性フィルム45、153がキャリッジ4の往復移動方向と実質的に直交する方向に設けられているので、キャリッジ4の往復移動に伴って生じるインク動圧を吸収することができる。また、可撓性フィルム45、153が壁36,102の可撓性フィルム45,153を向く面とほぼ同程度又はそれ以上の面積を有するようにした場合に、インク動圧の吸収効果を大きくすることができる。なお、可撓性フィルム45、153を用いて第1インク室におけるダンパー効果を上げているため、第2インク室42の壁36、102の上端部よりも下方における水平断面積が、第1インク室41の対応する位置における水平断面積以下となっている。また、サブタンク30,100,150,200,250の貯溜空間が壁36,102,252によって第1インク室41,241及び第2インク室42,242の2つの部屋に区画されることで、サブタンク30,100,150,200,250の構造が簡素なものとなり、それの製造コストを減少させることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな設計変更が可能なものである。例えば、インクジェットプリンタ1に適用可能なサブタンク30,100,150,200の各インク室は2つに限らず、複数形成されていてもよく、少なくともいずれか1つのインク室が、壁の上端部よりも下方の所定範囲における水平断面積が、それより下方の部位における水平断面積より小さければ良い。また、インクジェットプリンタ1に適用可能なサブタンク30,100,150,200,250の壁36,102,252が、キャリッジ4の往復移動方向に平行に延在した部分からなっていても良い。また、インクジェットプリンタ1には、サブタンクに可撓性部材が設けられていないサブタンクを用いてもよい。また、インクジェットプリンタ1に適用可能なサブタンク250も各インク室は2つに限らず、複数形成されていてもよい。また、複数のインク室の全てではなく、少なくとも一つが、インクが空気と接触し得る部位の水平断面積が他の部位の水平断面積より小さくなるよう構成されていても、インク内の凝集物の生成を抑制する効果がある。
また、上述した本実施の形態のインクジェットプリンタ1だけに限らず、上述したようなサブタンクがインクジェットヘッド5の上方に位置しつつ、キャリッジ4とともに往復移動しながら、記録媒体に所望の画像を形成することができるインクジェットプリンタであれば良く、記録媒体も布帛に限らずプラスチックシート、紙などでもよい。
以上説明したように、本発明によると、サブタンク内のインク室において、インクが空気と接触し得る部位の水平断面積を他の部位の水平断面積より小さくして、インク内に凝集物が生じるのを抑制することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係るインクジェットプリンタの全体的な構成を示す正面図である。 (a)は図1に示すインクジェットヘッドへのインク供給構成を示す概略図であり、(b)はインク袋の開口近傍の拡大図である。 サブタンクの概略構成を示すものであり、(a)は図2におけるA−A断面図であり、(b)は図3(a)におけるB−B断面図であり、(c)は図3(a)におけるC−C断面図である。 サブタンクの貯溜空間におけるインク液面の変化状況を示し、(a)はインクに混入した気泡によって貯溜空間内のエアが増大した後に印刷又はパージしたときの状態を示した断面図であり、(b)は図4(a)におけるD−D断面図であり、(c)は図4(a)におけるE−E断面図である。 サブタンクの第1変形例の概略構成を示すものであり、(a)は断面図であり、(b)は図5(a)におけるF−F断面図であり、(c)は図5(a)におけるG−G断面図である。 サブタンクの第2変形例の概略構成を示すものであり、(a)は断面図であり、(b)は図6(a)におけるH−H断面図であり、(c)は図6(a)におけるI−I断面図である。 サブタンクの第3変形例の概略構成を示すものであり、(a)は断面図であり、(b)は図6(a)におけるJ−J断面図であり、(c)は図6(a)におけるK−K断面図である。 サブタンクの第4変形例の概略構成を示すものであり、(a)は断面図であり、(b)は図8(a)におけるL−L断面図であり、(c)は図8(a)におけるM−M断面図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ
4 キャリッジ
5 インクジェットヘッド
20 インクタンク(固定インクタンク)
28 チューブ
30,100,150,200,250 サブタンク(可動インクタンク)
32 インク排出口
36,102,252 壁
41,241 第1インク室
42,242 第2インク室
43 インク流入口
45,153 フィルム(可撓性部材)
253 凹部

Claims (11)

  1. 記録媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、
    インク流入口及びインク排出口が設けられており、前記インク流入口を介して供給されたインクを貯溜する貯溜空間を有し、前記貯溜空間内のインクを前記インク排出口を介して前記インクジェットヘッドに供給する可動インクタンクと、
    前記インクジェットヘッド及び前記可動インクタンクを支持しており、記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジとを備え、
    前記可動インクタンクは、前記貯溜空間を上方において互いに連通した複数の部屋に区画する壁を備えており、
    前記インク流入口が設けられた部屋以外の少なくともいずれか1つの部屋において、前記壁の上端から下方所定範囲における水平断面積が、前記所定範囲より下方の部位における水平断面積未満であることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記インク流入口が設けられた部屋以外の全ての部屋において、前記所定範囲における水平断面積が、前記所定範囲より下方の部位における水平断面積未満であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記インク流入口が設けられた部屋以外の少なくともいずれか1つの部屋の前記所定範囲には、実質的に水平断面積を同じにしつつ鉛直に延在した部分が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記インク流入口が設けられた部屋以外の少なくともいずれか1つの部屋において、前記所定範囲よりも下方に、水平断面積が方ほど大きくなる領域が存在することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記インク流入口が設けられた部屋以外の少なくともいずれか1つの部屋の前記壁の上端部よりも上方には、前記壁の上端部近傍よりも水平断面積が大きい領域が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 記録媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、
    インク流入口及びインク排出口が設けられており、前記インク流入口を介して供給されたインクを貯溜する貯溜空間を有し、前記貯溜空間内のインクを前記インク排出口を介して前記インクジェットヘッドに供給する可動インクタンクと、
    前記インクジェットヘッド及び前記可動インクタンクを支持しており、記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジとを備え、
    前記可動インクタンクは、前記貯溜空間を上方において互いに連通した複数の部屋に区画する壁を備えており、
    前記複数の部屋の少なくともいずれか1つの部屋において、前記壁の上端から下方の所定範囲における水平断面積が、前記所定範囲より下方の部位における水平断面積未満であることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  7. 固定インクタンクと前記可動インクタンクとを連結して、前記固定インクタンク内のインクを前記可動インクタンクに供給するチューブをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記壁が前記キャリッジの移動方向と実質的に直交する方向に延在した部分を有していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記複数の部屋のうち、前記インク流入口が設けられた部屋の側面であって前記壁の前記延在した部分と対向する部分が可撓性部材で構成されていることを特徴とする請求項8に記載のインクジェットプリンタ。
  10. 前記壁が前記貯溜空間を2つの部屋に区画していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  11. 記録媒体にインクを吐出するインクジェットヘッドと、
    インク流入口及びインク排出口が設けられており、前記インク流入口を介して供給されたインクを貯溜する貯溜空間を有し、前記貯溜空間内のインクを前記インク排出口を介して前記インクジェットヘッドに供給する可動インクタンクと、
    前記インクジェットヘッド及び前記可動インクタンクを支持しており、記録媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジとを備え、
    前記可動インクタンクは、前記貯溜空間を上方において互いに連通した複数の部屋に区画する壁を備えており、
    前記壁の上端部よりも上方には、第1の部分と、前記第1の部分よりも上方にあって前記第1の部分よりも水平断面積が小さい第2の部分とが存在することを特徴とするインクジェットプリンタ。
JP2004092258A 2003-03-26 2004-03-26 インクジェットプリンタ Expired - Fee Related JP4407341B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004092258A JP4407341B2 (ja) 2003-03-26 2004-03-26 インクジェットプリンタ

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003084514 2003-03-26
JP2004092258A JP4407341B2 (ja) 2003-03-26 2004-03-26 インクジェットプリンタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004306603A true JP2004306603A (ja) 2004-11-04
JP4407341B2 JP4407341B2 (ja) 2010-02-03

Family

ID=33478262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004092258A Expired - Fee Related JP4407341B2 (ja) 2003-03-26 2004-03-26 インクジェットプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4407341B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP4407341B2 (ja) 2010-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003246077A (ja) 液体貯蔵容器、インクジェットカートリッジ、および、インクジェット記録装置
JP2001301192A (ja) インクジェット記録装置
JP4557020B2 (ja) 液滴吐出装置
US8356891B2 (en) Damper, head unit, liquid jetting apparatus, and air-discharge method of damper
JP2004209847A (ja) インクジェット記録装置
JP4259158B2 (ja) インクジェットプリンタ
US7354135B2 (en) Waste liquid collecting method, liquid injecting apparatus and cartridge set
JP3873675B2 (ja) インクカートリッジ
JP6119338B2 (ja) 画像記録装置
US7306330B2 (en) Inkjet printer
JP6263938B2 (ja) 画像記録装置
JP2005041048A (ja) 液体噴射装置及び液体収容体
JP5151348B2 (ja) 液滴吐出装置
JP4407341B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP4661114B2 (ja) キャリッジ及び画像形成装置
JP2005125635A (ja) インクジェットプリンタ
JP2005271546A (ja) インクジェットプリンタ
JP5776571B2 (ja) 液体吐出装置
JP2005271546A5 (ja)
JP5012359B2 (ja) 液滴吐出装置
US8038272B2 (en) Liquid-droplet jetting apparatus
JP4352239B2 (ja) インクジェットプリンタ
US11833824B2 (en) Liquid storing container and printing apparatus
JP4683119B2 (ja) インクジェットプリンタ
JP6296377B2 (ja) 液体カートリッジ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090723

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091020

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091102

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4407341

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131120

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees