JP4007687B2 - 透湿フィルム及び吸収性物品 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品の裏面材として使用される、ポリオレフィン系樹脂組成物から形成される通気不透液性の透湿フィルム、及びこれを用いた吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、透湿フィルムは、一般に、ポリオレフィン系樹脂に充填材微粒子を添加し、これらを混練した後、溶融成形してフィルム状となし、次いで一軸又は二軸の延伸加工で多孔化することにより製造されている。このように製造される透湿フィルムにおいては、延伸によりポリオレフィン系樹脂と充填材微粒子との界面を起点として通気性微細孔(ミクロボイド)が生じ、それにより孔径0.04〜4μm程度の開口部が形成されている。
しかし、このような透湿フィルムは、延伸したフィルム特有の剛性があるため、柔軟性を要する使い捨ておむつや生理用ナプキン等の防漏シートとしては適さない。
【0003】
また、一般に多用されている使い捨ておむつは、尿等の排泄物を吸収する吸収体と、該吸収体の表面を覆い肌に当てられる表面材と、上記吸収体を覆い液漏れを防ぐ裏面材からなり、これらは接着して一体化されている。また、このような使い捨ておむつは、接着した時に止着するテープ等からなる止着機能及び胴周部、脚周部からの漏れを防ぐために設けられた伸縮機能を備えている。この伸縮機能は、通常ゴム糸、ゴムテープを伸長しながら表面材又は裏面材に接着して、吸収体が吸収しきれない尿等の排泄物をおむつの外側に漏らさないように、縁部を人体に密着させるようになっている。
しかしながら、縁部で漏れを防ぐにはゴム糸等に強い収縮力を付与しなければならず、人体、特に幼児の肌への強い圧迫が、かゆみ、痛みを与える。このため、裏面材の全体に或いは部分的に伸縮性があれば、ギャザーのゴム糸等の収縮力を必要以上に強くすることなく、或いはゴム糸やゴムテープのような弾性部材を用いることなく、弱い(優しい)収縮力でおむつを人体にフィットさせ、尿等の排泄物のおむつ外への漏れを防ぐことができる。
【0004】
ポリオレフィン系樹脂と無機充填材微粒子とを用いて形成され、延伸処理された透湿フィルムに、柔軟性を付与するため、種々の提案がなされている。
例えば、特開昭60−257221号公報には、ポリオレフィン系樹脂100重量部、充填材微粒子25〜400重量部、及び液状又はワックス状の炭化水素重合体あるいは該炭化水素重合体とエポキシ基含有有機化合物との混合物1〜100重量部からなる組成物を溶融押出成形して得られたフィルムを二軸延伸することにより、柔軟性に優れた多孔フィルムを製造する方法が開示されている。
【0005】
また、特開昭62−27438号公報には、ポリオレフィン系樹脂42〜87体積%と無機充填材微粒子58〜13体積%との組成物から形成されるフィルムを少なくとも一軸方向に延伸して通気性フィルムを製造する方法において、前記ポリオレフィン系樹脂として直鎖状低密度ポリエチレン50〜95重量%と分岐状低密度ポリエチレン50〜5重量%との混合物を用い、かつ、炭素数10〜22の脂肪酸及び炭素数1〜12の脂肪族アルコール系脂肪酸エステルを前記組成物100重量部に対して3〜35重量部配合することを特徴とする通気性フィルムの製造方法が開示されている。
【0006】
また、特公平5−18856号公報には、ポリオレフィンエラストマー又は該ポリオレフィンエラストマーとポリオレフィンとの樹脂組成物に無機充填材を配合した組成物を延伸することにより柔軟伸縮性を有する多孔性シートが開示されている。
【0007】
また、特開平7−228719号公報には、密度が0.86〜0.90g/cm3 、重量平均分子量/数平均分子量で示される分子量分布が3以下、且つ融点が60〜100℃であるエチレン−α−オレフィン共重合体65〜90重量%、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー及びポリウレタン系エラストマーよりなる群から選ばれた少なくとも一種の熱可塑性エラストマー35〜10重量%、並びにこれらの合計量100重量部に対して50〜300重量部の無機充填材を含む樹脂組成物を延伸することによりなる多孔性フィルムが開示されている。
【0008】
しかしながら、上述した透湿フィルムは、柔軟性を有するものの、伸縮性と透湿性をともに兼ね備えた透湿フィルムには至っていない。
【0009】
従って、本発明の目的は、柔軟性を有し、透湿性及び耐水性にも優れており、更に伸縮性が良好である透湿フィルム及びそれを用いた吸収性物品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の結晶性低密度ポリエチレン、特定のポリエチレン、特定のエチレン系共重合体及び無機充填材を含有するポリオレフィン系樹脂組成物から形成された透湿フィルム及びこれを用いた吸収性物品が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0011】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、密度が0.86〜0.90g/cm3 、メルトインデックスが0.1〜50g/10min、重量平均分子量/数平均分子量が3以下であり、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを12重量%以上含有する結晶性低密度ポリエチレン30〜80重量部と、密度が0.915〜0.950g/cm3 のポリエチレン5〜20重量部と、エチレン−メチルアクリレート共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体10〜60重量部とからなる樹脂成分100重量部に対して、無機充填材50〜400重量部を含むポリオレフィン系樹脂組成物をフィルム状成形物となし、少なくとも一軸方向に延伸処理されていることを特徴とする透湿フィルムを提供するものである。
【0012】
また、本発明は、液透過性の表面材、液不透過性の裏面材、及び該表面材と該裏面材との間に介在する吸収体を備えた吸収性物品において、上記裏面材として本発明の透湿フィルムを用いたことを特徴とする吸収性物品を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の透湿フィルムについて詳細に説明する。
本発明の透湿フィルムは、延伸処理により、通気性微細孔を形成してなるものが好ましい。
【0014】
先ず、本発明の透湿フィルムの形成に用いられる上記ポリオレフィン系樹脂組成物について説明する。
上記ポリオレフィン系樹脂組成物に用いられる結晶性低密度ポリエチレンは、密度が0.86〜0.90g/cm3 、メルトインデックスが0.1〜50g/10min、重量平均分子量/数平均分子量が1.8〜2.8であり、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを12重量%以上含有するものである。
【0015】
上記結晶性低密度ポリエチレンは、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを12重量%以上含有(ポリマー構成単位として含有)するものである。該α−オレフィンコポリマーとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が好ましく、これらの内でも、1−オクテンが特に好ましい。また、該α−オレフィンコモノマーの含有量は好ましくは20〜35重量%、更に好ましくは22〜35重量%である。該α−オレフィンコモノマーの含有量が12重量%未満では、フィルムの柔軟性が充分に得られない。
【0016】
また、上記結晶性低密度ポリエチレンは、その密度が0.86〜0.90g/cm3 であり、好ましくは0.86〜0.895g/cm3 であり、更に好ましくは0.865〜0.89g/cm3 である。該密度が0.86g/cm3 未満であると、フィルムがベタついてブロッキングし、実用に供し得なくなり、0.90g/cm3 を超えると、風合い、伸縮性が不足する。
【0017】
また、上記結晶性低密度ポリエチレンは、そのメルトインデックス(MI:190℃、荷重2.16kg)が0.1〜50g/10minであり、好ましくは0.5〜20g/10minであり、更に好ましくは0.5〜10g/10minである。該MIが0.1g/10min未満であると、製膜時にトルクが増大して、極端なメルトフラクチャーが発生し、50g/10minを超えると、バブルが不安定となり、フィルムの製膜安定性が悪化する。
【0018】
また、上記結晶性低密度ポリエチレンは、分子量分布の目安となる重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が3以下であり、好ましくは2.8以下であり、更に好ましくは2.5以下である。該Mw/Mnが3を超えると、フィルムの柔軟性、伸縮性が損なわれる。上記結晶性低密度ポリエチレンは、そのMw/Mnが3以下と小さいところに特徴があり、このようなポリエチレンは、分子量分布の幅を狭くすることができるメタロセン触媒を用いて製造したものが好ましい。
【0019】
ここで、上記メタロセン触媒とは、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の遷移金属をπ電子系のシクロペンタジエニル基又は置換シクロペンタジエニル基等を含有する不飽和環状化合物ではさんだ構造の化合物であるメタロセンと、アルミニウム化合物等の助触媒とを組み合わせたものである。該メタロセンとしては、例えば、チタノセン、ジルコノセン等が挙げられ、該アルミニウム化合物としては、例えば、アルキルアルミノキサン、アルキルアルミニウム、アルミニウムハライド、アルキルアルミニウムハライド等が挙げられる。
【0020】
また、上記結晶性低密度ポリエチレンは、示差走査型熱量計(DSC)による融点が好ましくは50〜100℃であり、更に好ましくは55〜95℃である。該融点が50℃未満であると、延伸によって多孔化するとき、実質的に常温付近の延伸となり、熱収縮性が大きくなることがあり、100℃を超えると、フィルムの柔軟性が得られないことがあるため好ましくない。
【0021】
上記結晶性低密度ポリエチレンは、例えば、メタロセンを助触媒であるアルミニウム化合物で活性化したメタロセン触媒の存在下、エチレン及びコモノマーである炭素数が4〜8個のα−オレフィン(特に好ましくは1−オクテン)を溶液重合することによって製造することができる。
【0022】
本発明に係る上記ポリオレフィン系樹脂組成物に用いられるポリエチレンは、密度が0.915〜0.950g/cm3 であり、好ましくは0.915〜0.945g/cm3 であり、更に好ましくは0.915〜0.94g/cm3 である。該密度が0.915g/cm3 未満であると、フィルムがベタつき、ブロッキングし、実用に供し得なくなり、0.950g/cm3 を超えると、フィルムの柔軟性が損なわれる。
【0023】
このような密度を有するポリエチレンには、密度が0.915〜0.925g/cm3 の、高圧法で得られる低密度ポリエチレン、チーグラー系触媒の存在下、微量の1−ブテン等のα−オレフィンと共重合して得られる密度が0.920〜0.935g/cm3 の線状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、密度が0.926〜0.940g/cm3 の中密度ポリエチレン、密度が0.940〜0.950g/cm3 の高密度ポリエチレンが含まれ、これらの中でも、特に高圧法で得られる低密度ポリエチレン又は線状低密度ポリエチレンが好ましい。
【0024】
また、上記ポリエチレンは、そのメルトインデッス(MI:190℃、荷重2.16kg)が、製膜時のバブルの安定性の点で、好ましくは0.5〜10g/10minであり、更に好ましくは1〜5g/10minである。
【0025】
本発明に係る上記ポリオレフィン系樹脂組成物に用いられるエチレン−メチルアクリレート共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体(以下、「エチレン系共重合体」ともいう)としては、次のようなものが好ましい。
上記エチレン−メチルアクリレート共重合体は、フィルムのブロッキング性の点で、メチルアクリレート含有量が5〜30重量%、特に10〜25重量%で、メルトフローレイト(MFR:190℃、荷重2.16kg)が0.2〜50g/10min、特に1〜25g/10minのものが好ましい。
また、上記エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、フィルムのブロッキング性の点で、メチルメタクリレート含有量が5〜30重量%、特に10〜25重量%で、メルトフローレイト(MFR:190℃、荷重2.16kg)が0.2〜50g/10min、特に1〜25g/10minのものが好ましい。
【0026】
本発明に係る上記ポリオレフィン系樹脂組成物における樹脂成分(上記結晶性低密度ポリエチレンと上記ポリエチレンと上記エチレン系共重合体とからなる樹脂成分)100重量部中、上記結晶性低密度ポリエチレンの含有量は30〜80重量部であり、上記ポリエチレンの含有量は5〜20重量部であり、上記エチレン系共重合体の含有量は10〜60重量部である。また、上記結晶性低密度ポリエチレンの含有量は好ましくは30〜70重量部であり、上記ポリエチレンの含有量は好ましくは10〜20重量部であり、上記エチレン系共重合体の含有量は好ましくは20〜50重量部である。
上記結晶性低密度ポリエチレンの含有量が30重量部未満では、フィルムの伸縮性が充分に得られず、80重量部を超えると、インフレーション法での製膜時の開口性や製膜安定性が悪くなる。また、上記ポリエチレンの含有量が5重量部未満では、インフレーション法での製膜時のバブル安定性が悪くなり、20重量部を超えると、フィルムを伸長した時(100%伸長時)の歪みが増大する。また、上記エチレン系共重合体の含有量が10重量部未満では、フィルムがベタつき、ブロッキングし、実用に供し得なくなり、60重量部を超えると、フィルムの柔軟性、伸縮性が損なわれる。
【0027】
本発明に係る上記ポリオレフィン系樹脂組成物に用いられる無機充填材としては、通常、ゴム又はプラスチックに使用されている公知のものであれば特に制限されず、例えば、炭酸カルシウム、石膏、硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、水和ケイ酸、無水ケイ酸、ソーダ灰、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、各種セメント、火山灰、シラス、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、種々の金属塩、その他の無機物又は無機物を主体とする有機物金属塩等が挙げられる。これら無機充填材は、単独で用いることもでき又は二種以上を混合して用いることもできる。
【0028】
上記無機充填材の平均粒径は、好ましくは0.1〜10μm、更に好ましくは0.2〜5μm、一層好ましくは0.5〜2μmである。該平均粒径が0.1μm未満であると、混練の際に均一分散させることが難しく、フィルムに無機充填材の凝集物が生じやすくなると共に、均一な延伸が困難となり、延伸処理時に破断を起こしやすくなり、一方、平均粒径が10μmを超えると、ボイドが大きくなるため、フィルムの耐水性、強度が低下することがあるので、上記範囲内とするのが好ましい。
【0029】
また、上記無機充填材は、ポリオレフィン系樹脂組成物中での分散性を良くするため、その表面を脂肪酸等で処理する等、公知の表面処理したものを用いることが好ましい。表面処理していない無機充填材を用いる場合には、上記樹脂成分と混練するときに、脂肪酸等を添加することにより、表面処理したものを用いた場合と同様の効果が得られる。
【0030】
上記無機充填材の含有量は、上記樹脂成分100重量部に対して、50〜400重量部であり、好ましくは上記充填材60〜250重量部であり、更に好ましくは80〜200重量部である。該無機充填材の含有量が400重量部を超えると、フィルム状成形物の成形及び延伸が困難となり、50重量部未満であると、得られる透湿フィルムの連通孔が少なくなるため透湿性が小さくなる。
【0031】
本発明に係る上記ポリオレフィン系樹脂組成物においては、上記結晶性低密度ポリエチレンと上記ポリエチレンと上記エチレン系共重合体とからなる樹脂成分及び上記無機充填剤(以上、必須成分)を、90〜100重量%、特に95〜100重量%含有し、該必須成分以外の他の成分を、必要に応じ、0〜10重量%、特に0〜5重量%含有していることが好ましい。
【0032】
また、上記ポリオレフィン系樹脂組成物には、しなやかな風合い、鳴りの減少、滑り性を与え、延伸性を改良する等のために、上記他の成分である第三成分を添加することができる。該第三成分としては、通常ゴムやプラスチックに混合される可塑剤や滑剤を使用することができる。例えば、脂肪酸と脂肪族アルコールとからなるモノエステル、芳香族カルボン酸と脂肪族アルコールとからなるモノエステル又はポリエステル、脂肪族ポリカルボン酸とポリアルコールとからなるポリエステル、モノカルボン酸及び/又はポリカルボン酸とモノアルコール及び/又はポリアルコールとからなるポリエステル、アルコール及び/又はカルボン酸の一部を残したエステル又はポリエステル、脂肪族アミド、芳香族アミド、脂肪酸の金属石鹸、芳香族カルボン酸の金属石鹸、ブタジエンオリゴマー、ブテンオリゴマー、イソブチレンオリゴマー、イソプレンオリゴマー、石油樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、塩素化パラフィン、シリコーン油、流動パラフィン、ポリエチレンワックス等が挙げられる。
【0033】
上記第三成分を上記ポリオレフィン系樹脂組成物に添加する場合、該第三成分の添加量は、上記結晶性低密度ポリエチレン100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部、更に好ましくは3〜15重量部である。
【0034】
また、上記ポリオレフィン系樹脂組成物には、上記第三成分以外の他の成分として、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、着色剤等を適宜添加することができる。
【0035】
本発明の透湿フィルムは、上述した上記ポリオレフィン系樹脂組成物を、フィルム状成形物となし、少なくとも一軸方向に延伸処理されているものである。このような延伸処理されている本発明の透湿フィルムは、通気性微細孔を形成してなるものが好ましい。
【0036】
次に、本発明の透湿フィルムの好ましい製造方法について詳述する。
本発明の透湿フィルムは、上記結晶性低密度ポリエチレン、上記ポリエチレン、上記エチレン系共重合体及び上記無機充填材、並びに必要に応じ他の添加剤を含有するポリオレフィン系樹脂組成物を、押出機等により均一に溶融、混練してペレットを製造するペレットを製造工程、該ペレットをフィルム状成形物にするフィルム状成形工程、及び該フィルム状成形物を一軸又は二軸に延伸処理する延伸処理工程を含む開孔形成工程を経ることによって得ることができる。
【0037】
上記ペレット製造工程においては、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を、コーンブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機で混合した後、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ミキシングロール等の混練機を用いて混練し、ペレット化することにより、ペレットを製造する。
【0038】
また、上記フィルム状成形工程においては、上記ペレットをインフレーション法又はTダイ法によりフィルム状に成形して、フィルム状成形物を得る。フィルム成形法としては、上記インイフレーション法又はTダイ法の両成形法が可能であるが、均一な厚みのフィルム状成形物を得るためには、Tダイ法が優れており、一方、大量生産するためには、インフレーション法が優れている。
【0039】
また、上記延伸処理工程においては、上記フィルム状成形物を、通常のロール延伸機、テンター延伸機、マンドレル延伸機等の延伸機を用いて一軸又は二軸に延伸する。延伸倍率は、通常、一軸延伸の場合は一軸方向に1.1〜5.0倍、二軸延伸の場合は二軸方向にそれぞれ1.1〜3.0倍であることが好ましい。該延伸処理は加熱して行うこともでき、延伸前に予熱、延伸後に熱固定を行うこともできる。
このようにして上記フィルム状成形物を延伸することにより、上記無機充填剤と上記樹脂成分との間に、物理的な通気性微細孔が生じるため、フィルムに通気性及び透湿性が付与されるのである。
【0040】
また、上記開孔成形工程には、上記延伸処理工程の前又は後に、必要に応じ薬剤による分解又は抽出処理、熱処理、放電処理等の工程を含むことができる。
【0041】
上記開孔処理工程を経て得られた本発明の透湿フィルムは、上記通気性微細孔を有しており、該通気性微細孔の大きさ(孔径)は、0.1〜5μm、特に0.3〜2μmであることが好ましい。該通気性微細孔の大きさが0.1μmより小さいと通気性、透湿性が悪くなることがあり、5μmより大きいと耐水性に影響を与えることがある。
【0042】
更に、本発明の透湿フィルムは、上記開孔成形工程後において、エンボス加工や印刷加工等の後加工を行うこともできる。
上記エンボス加工は、例えば、ゴム製ロール、鋼鉄製ロール、ペーパーロール及びコットンロール等の何れかと、模様が彫られた鋼鉄製ロールとの間にフィルムを通す方法や、一方のロールの凸部分がもう一方のロールの凹部分に対応するように模様が彫られているロール間にフィルムを通す方法等により行われる。また、該エンボス加工は、加熱して行うこともできる。
上記印刷加工は、グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の、通常フィルム、シートに印刷する方法により行われる。
【0043】
上述のようにして得られる本発明の透湿フィルムは、その厚さ(見かけ厚さ)が10〜100μm、特に15〜80μmとなるように形成されることが好ましい。
また、本発明の透湿フィルムは、その透湿度が0.5g/100cm2 ・h以上、特に0.8〜4.0g/100cm2 ・hとなるように形成されることが好ましい。
また、本発明の透湿フィルムは、その耐水圧が1000mm・H2 O以上、特に1500〜4000mm・H2 Oとなるように形成されることが好ましい。
また、本発明の透湿フィルムは、100%伸長後歪みが40%以下、特に30%以下となるように形成されることが好ましい。
また、本発明の透湿フィルムは、MD方向及びCD方向の引張速度が、それぞれ300cN/cm以上及び100cN/cm以上となるように形成されることが好ましい。
尚、これらの物性の測定法は、後述の実施例において示す方法が採用される。
【0044】
従って、本発明の透湿フィルムとしては、厚さが10〜100μm、透湿度が0.5g/100cm2 ・h以上、耐水圧が1000mm・H2 O以上、100%伸張後歪みが40%以下である透湿フィルムであることが特に好ましい。
【0045】
本発明の透湿フィルムは、上述の如く構成されているので、柔軟であり、透湿性、伸縮性及び防漏性に優れると共に、肌ざわりの良いものであり、更には、従来の製造工程で工業的に、安全に、且つ高速で連続生産することのできるものである。
従って、本発明の透湿フィルムは、表面材と裏面材と両材間に介在する吸収体とを具備する使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品における該裏面材、介護用の使い捨てシーツ、枕カバー等の衛生材料、医療用素材や衣料用素材又は雨具や簡易ジャンバー等として有用である。
【0046】
次に、本発明の透湿フィルムを用いた本発明の吸収性物品の好ましい実施形態を図1を参照して説明する。ここで、図1は本発明の吸収性物品の好ましい一実施形態としての使い捨ておむつを示す斜視図である。
【0047】
図1に示す実施形態の使い捨ておむつ1は、液透過性の表面材2と、液不透過性の裏面材3と、これらの間に介在する吸収体(図示せず)とを備え、腹側ウエスト部5及び背側ウエスト部5’に、上記表面材2と上記裏面材3とこれらの間に介在する第1弾性部材6とから構成されるウエストギャザー7、7’が設けられてなる。上記腹側ウエスト部5及び背側ウエスト部5’は、上記吸収体の前後端部の周囲に位置するように配置されている。
【0048】
上記おむつ1の長手方向両側のレッグ部には、それぞれ上記表面材2と上記裏面材3とこれらの間に介在された第2弾性部材8とからなるレッグギャザー9、9’が形成されている。
【0049】
上記おむつ1の背側ウエスト部5’の幅方向両側部には、該おむつ1の装着時に上記腹側ウエスト部5と背側ウエスト部5’とを止着するためのファスニングテープ10、10’が配設されている。また、上記おむつ1の腹側ウエスト部5における上記裏面材3の表面には、上記ファスニングテープ10、10’の被貼着部としてのランディングテープ11が配設されており、上記ファスニングテープ10、10’が、上記ランディングテープ11に止着するように構成されている。
【0050】
上記吸収体は、おむつの股下部に対応する部分が縊れており、砂時計状に湾曲して形成されている。そして、上記吸収体の周囲に位置する腹側ウエスト部5及び背側ウエスト部5’並びに左右のレッグ部においては、それぞれ第1弾性部材6及び第2弾性部材8が上記表面材2と上記裏面材3との間に張設されており、上記第1弾性部材6及び第2弾性部材8が自由状態で収縮して図4に示すように、ウエストギャザー7、7’及びレッグギャザー9、9’を形成して、着用者のウエスト部及び股下部にフィットし得るように構成されている。
【0051】
上記おむつ1を構成する各部材について説明すると、上記表面材2としては、排泄物を上記吸収体へ透過させる液透過性シートであって、肌着に近い感触を有したものが好ましい。このような液透過性シートとしては、例えば、織布、不織布及び多孔性フィルム等が好ましく挙げられる。また、上記表面材2の周縁にシリコン系油剤、パラフィンワックス等の疎水性化合物を塗布する方法や、予めアルキルリン酸エステルのような親水性化合物を全体に塗布し、周縁を温水で洗浄する方法等により、上記表面材2の周縁部に撥水処理を施し、該周縁部における尿等の滲みによる漏れを防止したものも好ましく用いることができる。
【0052】
上記表面材2と上記裏面材3との間に介在する上記吸収体としては、解繊パルプを主材として、更に高分子吸水ポリマーを併用したものや、熱可塑性樹脂、セルロース繊維及び高分子吸水ポリマーの混合物に熱処理を施したもの等を用いることが好ましい。また、高分子吸水ポリマーとパルプとを混合したものを用いてもよい。この場合、上記高分子吸水ポリマーは、吸収体の上層、中層及び下層の何れの位置に存在していてもよい。上記高分子吸水ポリマーとしては、自重の20倍以上の液体を吸収して保持し得る保持性能を有し、ゲル化する性能を有する粒子状のものが好ましい。このような高分子吸水ポリマーとしては、例えば、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロールの架橋物、アクリル酸(塩)重合体等が好ましく挙げられる。
【0053】
上記ウエストギャザー7、7’用の第1弾性部材6及び上記レッグギャザー9、9’用の第2弾性部材8としては、糸ゴム、平ゴム、フィルムタイプのゴムあるいはフィルム状の発泡ポリウレタン等が好ましく用いられる。
【0054】
而して、図1に示す実施形態の使い捨ておむつ1においては、上記裏面材として、柔軟性、透湿性、耐水性(防漏性)及び伸縮性を有する、上述した本発明の透湿フィルムが用いられている。
上記使い捨ておむつ1は、このように上記裏面材として上述した本発明の透湿フィルムが用いられているため、ムレ、カブレがなく、柔軟な風合いであり、更に体全体を優しくフィットするものである。
【0055】
図1に示す実施形態の使い捨ておむつの製造方法は特に制限されず、従来の使い捨ておむつの製造方法が適宜適用される。
【0056】
以上、本発明の吸収性物品をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に制限されるものではなく、種々の変更態様を包含するものである。
図1に示す実施形態は展開型の使い捨ておむつであるが、本発明の吸収性物品は、パンツ型の使い捨ておむつにも同様に適用できる。また、本発明の吸収性物品は、使い捨ておむつに限られず、生理用ナプキン及び失禁パッド等にも同様に適用できる。
【0057】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例により制限されるものではない。
【0058】
以下の実施例及び比較例において、ポリオレフィン系樹脂組成物を調製する際に用いた各成分を次に示す。
(a)結晶性低密度ポリエチレン(a)−1:メタロセン触媒を用いて製造された結晶性低密度ポリエチレン(ダウケミカル社製、アフィニティEG8150;MI0.5g/10min、密度0.868g/cm3 、Mw/Mn2、1−オクテン含有量25重量%)
(a)−2:メタロセン触媒を用いて製造された結晶性低密度ポリエチレン(ダウケミカル社製、アフィニティEG8100;MI1.0g/10min、密度0.870g/cm3、Mw/Mn2、1−オクテン含有量24重量%)
(a)−3:メタロセン触媒を用いて製造された結晶性低密度ポリエチレン(ダウケミカル社製、アフィニティPF1140;MI1.6g/10min、密度0.895g/cm3、Mw/Mn2、1−オクテン含有量14重量%)
(a)−4:メタロセン触媒を用いて製造された結晶性低密度ポリエチレン(ダウケミカル社製、アフィニティPL1840;MI1.0g/10min、密度0.908g/cm3、Mw/Mn2、1−オクテン含有量10重量%
【0059】
(b)ポリエチレン
(b)−1:線状低密度ポリエチレン(三井化学製、ウルトゼックス2520F;MI2.3g/10min、密度0.925g/cm3
(b)−2:高圧法低密度ポリエチレン(三井化学製、ミラソンF967;MI1.0g/10min、密度0.918g/cm3
【0060】
(c)エチレン系共重合体
(c)−1:エチレン−メチルアクリレート共重合体(エクソン化学製、TC−1110;MFR2.0g/10min、メチルアクリレート含有量21重量%)
(c)−2:エチレン−メチルメタクリレート共重合体(住友化学工業製、アクリフトWH202;MFR3.0g/10min、メチルメタクリレート含有量20重量%)
【0061】
(d)無機充填材
(d)−1:表面処理炭酸カルシウム(備北粉化工業製、ライトン22S;平均粒径1.0μm)
【0062】
〔実施例1〕
下記のポリオレフィン系樹脂組成物の調製、フィルム状成形、及び延伸処理に従って得られた透湿フィルムについて、下記の評価基準に従い、(1)〜(7)の各物性を評価した。それらの結果を下記〔表1〕に示す。
【0063】
ポリオレフィン系樹脂組成物の調製:
結晶性低密度ポリエチレン(a)−1 40重量部、ポリエチレン(b)−120重量部、エチレン−メチルアクリレート共重合体(c)−1 40重量部、及び無機充填材(d)−1 150重量部をヘンシェルミキサーで混合し、次いで、径45mmの二軸押出機(池貝鉄工製、PCM−45−33.5)により、設定温度160℃、スクリュー回転数150rpmの条件で混練し、ペレット化したポリオレフィン系樹脂組成物を得た。
【0064】
フィルム状成形:
径50mmの単軸押出機(L/D=28)と径100mmのサーキュラーダイ(ダイリップクリアランス1.0mm)とからなるインフレーション成形設備を用いて、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を、フィルム厚さ60μm、折り幅390mmの筒状フィルムに成形し、坪量80g/m2 のフィルム状成形物を得た。尚、フィルム状成形条件は、設定温度160℃、吐出量25kg/h、ブロー比2.5である。
【0065】
延伸処理:
予熱ロール、延伸ロール、アニーリングロール(ロール径は各々600mm、100mm、600mm、幅が600mm)からなるロール延伸設備を用い、ロール設定温度を予熱ロール50℃、延伸ロール50℃、アニーリングロール80℃とし、延伸倍率を2.3倍とし、上記フィルム状成形物に一軸延伸処理を施し、坪量40g/m2 の透湿フィルム(厚さ;40μm)を得た。
【0066】
評価基準:
(1)フィルム成形性
目視により次の基準で判定した。
◎:バブルが安定で非常に良好。
○:バブルが安定で良好。
△:バブルが変動するが、フィルム成形可能。
×:バブルが裂けて、フィルム成形不可。
(2)延伸性
◎:ミクロな延伸ムラが有り、マクロには均一な延伸。
○:ミクロな延伸ムラが有り、マクロにはやや不均一な延伸。
△:マクロな延伸ムラが有り、不均一な延伸。
×:切断して延伸できず。
【0067】
(3)透湿度;JIS Z 0208に準拠して測定した。
(4)耐水圧;JIS L 1092Bに準拠して測定した。
(5)引張強度;JIS P 8113に準拠して測定した。MD方向(フィルム成形方向)、CD方向(MD方向と直角方向)の幅1cm当たりの強度である。
【0068】
(6)100%伸長後歪み;
引張試験機にて、標点間を100%伸長させた後、張力を解放し、5秒後の長さ(L1)を測定し、元の長さ(L0)から下式で算出した。
歪み(%)=(L1−L0)×100/L0
(7)風合い
指触感により下記の基準に従って評価した。
◎:柔軟で風合いが非常に良好。
○:柔軟で風合いが良好。
△:やや柔軟性が悪く、風合いがやや悪い。
×:柔軟性が悪く、風合いが悪い。
【0069】
〔実施例2〕
結晶性低密度ポリエチレン(a)−1 45重量部、ポリエチレン(b)−210重量部、エチレン−メチルアクリレート共重合体(c)−1 45重量部、及び無機充填材(d)−1 150重量部を用いて実施例1と同様に、ペレット化したポリオレフィン系樹脂組成物を調製し、該ポリオレフィン系樹脂組成物をフィルム状成形、延伸処理して、透湿フィルム(厚さ;40μm)を得た。
【0070】
〔実施例3〕
結晶性低密度ポリエチレン(a)−2 40重量部、ポリエチレン(b)−120重量部、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(c)−2 40重量部、及び無機充填材(d)−1 150重量部を用いて実施例1と同様に、ペレット化したポリオレフィン系樹脂組成物を調製し、該ポリオレフィン系樹脂組成物をフィルム状成形、延伸処理して、透湿フィルム(厚さ;40μm)を得た。
【0071】
〔実施例4〕
結晶性低密度ポリエチレン(a)−2 45重量部、ポリエチレン(b)−210重量部、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(c)−2 45重量部、及び無機充填材(d)−1 150重量部を用いて実施例1と同様に、ペレット化したポリオレフィン系樹脂組成物を調製し、該ポリオレフィン系樹脂組成物をフィルム状成形、延伸処理して、透湿フィルム(厚さ;40μm)を得た。
【0072】
〔比較例1〕
結晶性低密度ポリエチレン(a)−3 45重量部、ポリエチレン(b)−210重量部、エチレン−メチルアクリレート共重合体(c)−1 45重量部、及び無機充填材(d)−1 150重量部を用いて実施例1と同様に、ペレット化したポリオレフィン系樹脂組成物を調製し、該ポリオレフィン系樹脂組成物をフィルム状成形、延伸処理して、透湿フィルム(厚さ;40μm)を得た。
【0073】
〔比較例2〕
エチレン−α−オレフィン共重合体(a)−4 45重量部、ポリエチレン(b)−2 10重量部、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(c)−2 45重量部、及び無機充填材(d)−1 150重量部を用いて実施例1と同様に、ペレット化したポリオレフィン系樹脂組成物を調製し、該ポリオレフィン系樹脂組成物をフィルム状成形、延伸処理して、透湿フィルム(厚さ;40μm)を得た。
【0074】
〔比較例3〕
結晶性低密度ポリエチレン(a)−1 10重量部、ポリエチレン(b)−130重量部、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(c)−2 60重量部、及び無機充填材(d)−1 150重量部を用いて実施例1と同様に、ペレット化したポリオレフィン系樹脂組成物を調製し、該ポリオレフィン系樹脂組成物をフィルム状成形、延伸処理して、透湿フィルム(厚さ;40μm)を得た。
【0075】
〔比較例4〕
結晶性低密度ポリエチレン(a)−1 50重量部、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(c)−2 50重量部、及び無機充填材(d)−1 150重量部を用いて実施例1と同様に、ペレット化したポリオレフィン系樹脂組成物を調製し、該ポリオレフィン系樹脂組成物をフィルム状成形、延伸処理して、透湿フィルム(厚さ;40μm)を得た。
【0076】
【表1】
Figure 0004007687
【0077】
【発明の効果】
本発明の透湿フィルムは、柔軟性を有し、透湿性及び耐水性にも優れており、更に伸縮性が良好なものである。
また、本発明の吸収性物品は、ムレ、カブレがなく、柔軟な風合いであり、更に体全体を優しくフィットするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の好ましい一実施形態としての使い捨ておむつを示す斜視図である。

Claims (5)

  1. 密度が0.865〜0.89g/cm3、メルトインデックスが0.1〜50g/10min、重量平均分子量/数平均分子量が3以下であり、炭素数が4〜8個のα−オレフィンコモノマーを12重量%以上含有する結晶性低密度ポリエチレン30〜80重量部と、密度が0.915〜0.950g/cm3のポリエチレン5〜20重量部と、エチレン−メチルアクリレート共重合体若しくはエチレン−メチルメタクリレート共重合体10〜60重量部とからなる樹脂成分100重量部に対して、無機充填材50〜400重量部を含むポリオレフィン系樹脂組成物をフィルム状成形物となし、少なくとも一軸方向に延伸処理されていることを特徴とする透湿フィルム。
  2. 厚さが10〜100μm、透湿度が0.5g/100cm2・h以上、耐水圧が1000mm・H2O以上、100%伸張後歪みが40%以下である、請求項1記載の透湿フィルム。
  3. 上記エチレン−メチルアクリレート共重合体は、メチルアクリレート含有量が5〜30重量%であり、メルトフローレイトが0.2〜50g/10minであることを特徴とする請求項1又は2記載の透湿フィルム。
  4. 上記エチレン−メチルメタクリレート共重合体は、メチルメタクリレート含有量が5〜30重量%であり、メルトフローレイトが0.2〜50g/10minであることを特徴とする請求項1又は2記載の透湿フィルム。
  5. 液透過性の表面材、液不透過性の裏面材、及び該表面材と該裏面材との間に介在する吸収体を備えた吸収性物品において、上記裏面材として請求項1〜4の何れかに記載の透湿フィルムを用いたことを特徴とする吸収性物品。
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