JPH11106536A - 透湿フィルム及びそれを用いた吸収性物品 - Google Patents

透湿フィルム及びそれを用いた吸収性物品

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JPH11106536A
JPH11106536A JP9276043A JP27604397A JPH11106536A JP H11106536 A JPH11106536 A JP H11106536A JP 9276043 A JP9276043 A JP 9276043A JP 27604397 A JP27604397 A JP 27604397A JP H11106536 A JPH11106536 A JP H11106536A
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film
moisture
permeable
weight
resin composition
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JP9276043A
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English (en)
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Yasuhiro Torimae
安宏 鳥前
Tetsuya Masuki
哲也 舛木
Koji Kanazawa
幸二 金澤
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通気性、透湿性、及び耐水性を有し、更に
は、良好な風合いを有し、従来の製造工程で工業的に、
安全に、且つ、高速で連続的に生産することができる透
湿フィルム及びそれを用いた吸収性物品を提供するこ
と。 【解決手段】 充填剤微粒子を30〜80重量%含有す
るポリオレフィン系樹脂組成物をフィルム状成形物とな
し、少なくとも延伸処理工程を含む開孔成形工程を経て
通気性微細孔を形成してなる透湿フィルムにおいて、該
樹脂組成物がセルロース系粉末を配合されてなることを
特徴とする透湿フィルム、及び該透湿フィルムを用いて
なる吸収性物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、使い捨てお
むつ、生理用ナプキン等の吸収性物品の裏面材として使
用される、ポリオレフィン系樹脂組成物から形成される
通気不透液性の透湿フィルム、及びこれを用いた吸収性
物品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】通気性
を有し且つ液不透性を有する通気性フィルム(又はシー
ト)は、使い捨ておむつや生理用ナプキン等における防
漏シートとして近年広く使用されている。このような通
気性フィルムは、一般に、ポリオレフィン系樹脂に充填
剤微粒子を添加し、これらを混練した後、溶融成形して
フィルム状となし、次いで一軸又は二軸の延伸加工で多
孔化することにより製造されている。このように製造さ
れる通気性フィルムにおいては、延伸によりポリオレフ
ィン系樹脂と充填剤微粒子との界面を起点として通気性
微細孔(ミクロボイド)が生じ、それにより孔径0.0
4〜4μm程度の開孔部が形成されている。しかし、こ
のような通気性フィルムは、延伸したフィルム特有の剛
性があるために、シャリシャリした紙のような感じを有
し、ソフト感が要求される用途には適さない。また、ポ
リオレフィン系樹脂に、無機充填剤微粒子とともに、同
種の低融点ポリマー、ゴム状重合物、オレフィン系熱可
塑性エラストマー等を添加することにより、柔軟な多孔
質シートを製造する方法も提案されたが、得られた多孔
質シートの通気性が十分でないのみならず、フィルム強
度が劣るという問題がある。
【0003】かかる問題を解決すべく、ポリオレフィン
系樹脂と無機充填剤微粒子とを用いて形成され、延伸処
理された通気性フィルムに、柔軟性を付与するため、種
々の提案がなされている。例えば、特開昭60−257
221号公報には、ポリオレフィン系樹脂100重量
部、充填剤微粒子25〜400重量部、及び液状又はワ
ックス状の炭化水素重合体あるいは該炭化水素重合体と
エポキシ基含有有機化合物との混合物1〜100重量部
からなる組成物を溶融押出成形して得られたフィルムを
二軸延伸することにより、柔軟性に優れた多孔フィルム
を製造する方法が開示されている。
【0004】また、特開昭62−10141号公報に
は、ポリオレフィン系樹脂、充填剤微粒子及びトリグリ
セライドを含有する組成物を溶融成形して得られたフィ
ルム又はシートを延伸加工することを特徴とする多孔性
フィルム又はシートの製造方法が開示されている。ま
た、特開昭62−27438号公報には、ポリオレフィ
ン系樹脂42〜87体積%と無機充填剤微粒子58〜1
3体積%との組成物から形成されるフィルムを少なくと
も一軸方向に延伸して通気性フィルムを製造する方法に
おいて、前記ポリオレフィン系樹脂として直鎖状低密度
ポリエチレン50〜95重量%と分岐状低密度ポリエチ
レン50〜5重量%との混合物を用い、かつ、前記組成
物として炭素数10〜22の脂肪酸と炭素数1〜12の
脂肪族アルコールとから得られる脂肪族アルコール系脂
肪酸エステルを用い、該エステルを前記組成物100重
量部に対して3〜35重量部配合することを特徴とする
通気性フィルムの製造方法が開示されている。
【0005】また、特公昭63−35721号公報に
は、使い捨ておむつに用いられる、吸収体と重ねて一体
成形する液不透過性の防漏シートとして、ポリオレフィ
ン系樹脂100重量部、充填剤微粒子28〜200重量
部、及び水酸基末端液状ポリブタジエンに水素添加する
ことにより生成した液状又はワックス状のポリヒドロキ
シ飽和炭化水素10〜70重量部からなる組成物を混練
し、フィルム化した後、少なくとも一方向に1.2倍以
上延伸して微細孔を生じさせたフィルムが開示されてい
る。
【0006】また、特開平9−25372号公報には、
線状低密度ポリエチレン55〜80重量部、エチレン−
α−オレフィン共重合体5〜30重量部、及び分岐低密
度ポリエチレン5〜20重量部からなる樹脂成分100
重量部に対し80〜200重量部の炭酸カルシウムを含
有する組成物を成形加工してなる透湿性フィルムであっ
て、上記線状低密度ポリエチレンは、エチレンと炭素数
4〜12のα−オレフィンとの共重合により得られ、そ
の密度が0.905〜0.940g/cm3 、メルトフ
ローレートが0.5〜10g/10min.であり、上
記エチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンと炭
素数3〜10のα−オレフィンとの共重合により得ら
れ、その密度が0.850〜0.900g/cm3 、メ
ルトフローレートが0.5〜15g/10min.、D
SCのピーク温度が100℃以下、200%伸張時の応
力が10〜80kg/cm2 であり、上記分岐低密度ポ
リエチレンは、エチレンを高圧法で重合させることによ
り得られ、そのメルトフローレートが0.5〜10g/
10min.であり、上記組成物の溶融張力が1.5〜
4.0gであることを特徴とする透湿フィルムが開示さ
れている。
【0007】しかしながら、上記の通気性フィルムは、
微細孔を得るために樹脂に微粒の充填剤を混合し、溶融
成形して延伸処理したものであり、フィルムの表面は平
滑で、外観はプラスチックフィルム特有の光反射があ
り、この光反射は一般に軽薄感を与え好まれないと共
に、皮膚に接触するとべたつくという不快感があり、ま
た、濡れた時に滑るという装着性、脱着性が悪いという
問題がある。
【0008】更に、特開平8−245818号公報に
は、ポリエチレン樹脂と、飽和炭化水素化合物系ワック
スと、セルロース系粉末充填剤とを含む樹脂組成物から
形成されるフィルム又はシートを延伸してなる多孔性フ
ィルムが開示されている。この多孔性フィルムは、ポリ
エチレン樹脂と、飽和炭化水素化合物系ワックスと、セ
ルロース系粉末充填剤とを必須成分としているが、セル
ロース系粉末充填剤は、前述の(無機)充填剤微粒子に
比べ粒径が大きく(この粒径についての詳細は、本明細
書のセルロース系粉末及び充填剤微粒子の項参照。)、
該セルロース系粉末充填剤のみで、延伸による細孔(ボ
イド)発生の起点とするには粒径が大きすぎる。このた
め、柔軟な樹脂組成では、通気性、透湿性及び液不透過
性の何れをも有するフィルムを得ることは困難であり、
人体に接触するような用途には適さない。
【0009】更にまた、上述したような従来技術では、
単独素材で要求物性を満たすことができず、得られる通
気性フィルムに他の素材を貼り合わせて使用することが
必要となることが多く、このため必要な素材の種類が増
えると共に、二次加工が必要となり、価格が高くなると
いう問題もある。
【0010】従って、本発明の目的は、通気性、透湿性
及び耐水性を有し、更には、良好な風合い、濡れたとき
も滑らない性能を有し、且つ、従来の製造工程で工業的
に、安全に、且つ、高速で連続生産することのできる透
湿フィルム及びそれを用いた吸収性物品を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、充填剤微粒子を30〜80重量%含有するポリ
オレフィン系樹脂組成物から形成される透湿フィルムに
おいて、該樹脂組成物に特定の粉末を配合させることに
より、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0012】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、充填剤微粒子を30〜80重量%含有するポリオレ
フィン系樹脂組成物をフィルム状成形物となし、少なく
とも延伸処理工程を含む開孔成形工程を経て通気性微細
孔を形成してなる透湿フィルムにおいて、該樹脂組成物
がセルロース系粉末を配合されてなることを特徴とする
透湿フィルムを提供するものである。
【0013】また、本発明は、液透過性の表面材、液不
透過性の裏面材、及び該表面材と該裏面材との間に介在
する吸収体を備えた吸収性物品において、上記裏面材と
して上記透湿フィルムを用いたことを特徴とする吸収性
物品を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の透湿フィルムにつ
いて詳細に説明する。本発明の透湿フィルムは、充填剤
微粒子を30〜80重量%含有するポリオレフィン系樹
脂組成物をフィルム状成形物となし、少なくとも延伸処
理工程を含む開孔成形工程を経て通気性微細孔を形成し
てなるものである。而して、本発明の透湿フィルムは、
上記樹脂組成物がセルロース系粉末を配合されてなるこ
とを特徴とするものである。かかるセルロース系粉末を
配合することにより、流動性を呈しないがポリオレフィ
ン系樹脂組成物と一体化して、得られるフィルム状成形
物中に延伸され難い微小部分を点在させ、これを延伸し
て得られる透湿フィルムに一種のミクロな延伸むらをマ
クロ的には均一に生じさせる。このため、通気性、透湿
性及び耐水性を有し、更には、良好な風合い、濡れたと
きも滑らない性能を有し、且つ、従来の製造工程で工業
的に、安全に、且つ、高速で連続生産できる本発明の透
湿フィルムを得ることができる。尚、本明細書におい
て、「ミクロ」とは概ね1〜1000μmの範囲のこと
を指し、「マクロ」とは概ね1〜20mmの範囲のこと
を指す。
【0015】先ず、本発明の透湿フィルムの形成に用い
られる上記ポリオレフィン系樹脂組成物について説明す
る。上記樹脂組成物に用いられるセルロース系粉末は、
木材セルロースを酸加水分解処理及び機械的処理を施し
て微粉化したものが好適である。該セルロース系粉末の
具体例としては、酸加水分解処理により微粉化した日本
製紙(株)製のKCフロッグW−200、W−250、
W−300、W−400、旭化成工業(株)製のアビセ
ルPH−101、PH−M25、PH−M15、PH−
M06(何れも、商品名)等が好ましく挙げられる。
【0016】上記セルロール系粉末の粒径は、概ね5〜
500μm程度であることが好ましい。実際には、該セ
ルロース系粉末は短繊維形状をなしているため、無機粒
子のように粒径では表し難く、篩いによる分別に基づい
た「粒度」で粉末粒子の大きさが示される。即ち、上記
セルロース系粉末の粒度は、通気性、液不透過性、フィ
ルムの風合い、機械強度の点から、好ましくは100メ
ッシュを100%パスする粒度であり、更に好ましくは
100メッシュを100%パスし、200メッシュを9
0%以上パスする粒度であり、最も好ましくは100メ
ッシュを100%パスし、300メッシュを90%以上
パスする粒度である。上記粉末粒子が100メッシュを
パスしない大きさになると、フィルム状に成形しようと
する際に細孔の起点となって亀裂が進行し、フィルム状
成形物ができない。一方、極度の微細粒子は、フィルム
の風合い向上に効き難いが、これが存在していても特に
害にはならない。尚、本発明に好適に用いられる上記セ
ルロース系粉末のように、酸加水分解処理及び機械的処
理を施して微粉化したものは、このような100メッシ
ュをパスしない大きさの粒子及び微細粒子は殆ど含まれ
ない。
【0017】上記セルロース系粉末の配合量は、得られ
るフィルムの表面状態により決定されるが、フィルムの
風合い向上の点から、上記樹脂組成物中、好ましくは
0.1〜10重量%、更に好ましくは0.4〜6.0重
量%、最も好ましくは0.8〜4.4重量%である。該
セルロース系粉末の配合量が0.1重量%未満であると
風合い向上の効果が少なく、10重量%を超えるとフィ
ルム成形性が悪くなると共に、得られるフィルムのザラ
ツキが強く風合いが悪くなることがある。
【0018】本発明に係る上記樹脂組成物に用いられる
ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ(エチレン−プロピレン)等が挙げられ、中で
も、柔軟性の点から、低密度ポリエチレンが好ましく、
更に機械強度の点から、線状低密度ポリエチレンがより
好ましい。また、上記ポリオレフィン系樹脂は、密度が
0.900〜0.934g/cm3 、メルトインデック
スが0.5〜5.0g/10分(190℃、2.16k
g荷重)の範囲内のものが、フィルム成形性、フィルム
強度及び柔軟性が向上する点で好ましい。
【0019】本発明に係る上記樹脂組成物に用いられる
充填剤微粒子としては、従来の延伸処理による微多孔フ
ィルム成形に用いられる無機充填剤微粒子(例えば、前
述の公報及び特開平5−230252号公報等に記載の
無機充填剤微粒子)等が用いられ、具体的には、炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム等が好適に用いられる。また、
上記充填剤微粒子として、有機充填剤微粒子を用いるこ
ともでき、該有機充填剤微粒子としては、例えば、6−
ナイロン等のポリアミド、フッ素樹脂、ポリイミド、シ
リコーン樹脂、フェノール樹脂、アクリル酸等とジビニ
ルベンゼン等の架橋剤との共重合体である架橋樹脂、ア
クリル酸、メタクリル酸等とアルカリ金属とによる塩を
重合したポリマー微粒子等が挙げられる。これらの有機
充填剤微粒子は、架橋等により上記樹脂組成物の混練温
度、フィルム成形温度で溶融軟化しないか又は軟化して
も流動しないものが用いられる。上記充填剤微粒子の中
でも、特に無機充填剤微粒子が好ましく用いられる。
【0020】上記充填剤微粒子の平均粒径は、好ましく
は0.5〜4.0μm、更に好ましくは0.7〜2.0
μmである。上記平均粒径が0.5μm未満の場合は、
混練の際に均一分散させることが難しく、フィルム状成
形物に充填剤微粒子の凝集物が生じやすくなると共に、
均一な延伸が困難となり、延伸処理時に破断を起こしや
すくなる。一方、上記平均粒径が4.0μmを超える場
合は、細孔が大きくなるため、フィルムの耐水性、強度
が低下することがある。
【0021】また、上記充填剤微粒子は、樹脂組成物中
での分散性を良くするため、その表面を脂肪酸等で処理
したものを用いることが好ましい。尚、このような表面
処理をしていない充填剤微粒子を用いる場合には、上記
ポリオレフィン系樹脂と混練するときに、脂肪酸等を添
加することにより、上記表面処理と同様の効果が得られ
る。
【0022】上記充填剤微粒子の含有量は、上記樹脂組
成物中、30〜80重量%、好ましくは40〜70重量
%、更に好ましくは45〜65重量%である。該充填剤
微粒子の含有量が30重量%未満であると、得られるフ
ィルムの通気性、透湿性が不十分となり、80重量%を
超えると、フィルムの耐水性、強度及び成形性が低下す
る。
【0023】本発明に係る上記樹脂組成物中において
は、上記セルロース系粉末、上記ポリオレフィン系樹脂
及び上記充填剤微粒子(以上、必須成分)を、80〜9
9.9重量%、特に90〜99重量%含有し、該必須成
分以外の成分(後述する任意成分)を0.1〜20重量
%、特に1.0〜10重量%含有していることが好まし
い。
【0024】また、本発明に係る上記樹脂組成物には、
通常、可塑剤(柔軟化剤)が用いられる。上記可塑剤と
しては、例えば、前述の公報及び特開平5−23025
2号公報等に記載の可塑剤が用いられ、具体的には、脂
肪酸とアルコールとのエステル類、脂肪酸アミド、ケト
ン樹脂、シリコーン油等が好適に用いられる。また、こ
れらの可塑剤の中には、樹脂に対する可塑化効果のみな
らず、上記充填剤微粒子を分散させる機能を有している
ものもあり、このような可塑剤を用いると、別に分散剤
を添加しなくても分散効果が得られるため好ましい。上
記可塑剤の配合量は、上記樹脂組成物中、好ましくは
0.1〜20重量%、更に好ましくは1.0〜10重量
%である。該可塑剤の配合量が0.1重量%よりも少な
いと実質的に可塑化効果が見られず、20重量%より多
くなると得られるフィルムの表面にブリードアウトが生
じてべたつき、風合いが悪化し、接着性不良となること
がある。
【0025】また、本発明に係る上記樹脂組成物には、
一般に用いられる添加剤、例えば、分散剤、滑剤、酸化
防止剤、帯電防止剤等を必要に応じて用いることもでき
る。
【0026】本発明の透湿フィルムは、上述した上記樹
脂組成物を、フィルム状成形物となし、少なくとも延伸
処理工程を含む開孔成形工程を経て通気性微細孔を形成
してなるものである。ここで、上記フィルム状成形物、
上記延伸処理工程、上記開孔成形工程及び上記通気性微
細孔については、後述する本発明の透湿フィルムの好ま
しい製造方法の項において詳述する。
【0027】次に、本発明の透湿フィルムの好ましい製
造方法について詳述する。本発明の透湿フィルムは、ポ
リオレフィン系樹脂、充填剤微粒子、セルロース系粉
末、及び可塑剤並びに必要に応じ他の添加剤を含有する
ポリオレフィン系樹脂組成物を、押出機等により均一に
溶融、混練してペレットを製造するペレット製造工程、
該ペレットをフィルム状成形物にするフィルム状成形工
程、及び該フィルムを一軸又は二軸に延伸処理する延伸
処理工程を含む開孔形成工程を経ることによって得るこ
とができる。
【0028】上記ペレット製造工程においては、上記樹
脂組成物を、コーンブレンダー、リボンブレンダー、ヘ
ンシェルミキサー等の混合機で混合した後、単軸スクリ
ュー押出機、二軸スクリュー押出機、バンバリーミキサ
ー、ミキシングロール等の混練機を用いて混練し、ペレ
ット化することにより、ペレットを製造する。ここで、
上記樹脂組成物における上記セルロース系粉末は、上記
充填剤微粒子等の該セルロース系粉末以外の配合物と一
緒に混合、混練してもよく、また、上記セルロース系粉
末以外の配合物を混合、混練し、ペレット化して予備ペ
レットを得た後、該予備ペレットと該セルロース系粉末
とを混合、混練してペレット化してペレットを製造して
もよい。特に、上記セルロース系粉末を混練するに際
し、一次粒子に分散する程度の条件で行われ、該一次粒
子が更に切断されて微粒子になるのを少なくする条件で
行われることが望ましい。例えば、先ず該セルロース系
粉末以外の配合物を混練するときには高剪断により行
い、次いで該セルロース系粉末を添加し、混練するとき
には比較的低剪断により行うことが望ましい。
【0029】また、上記フィルム状成形工程において
は、上記ペレットを、インフレーション法又はTダイ法
によりフィルム状に成形して、フィルム状成形物を得
る。フィルム成形法としては、上記インフレーション法
又はTダイ法の両成形法が可能であるが、均一な厚みの
フィルム状成形物を得るためには、Tダイ法が優れてお
り、一方、大量生産するためには、インフレーション法
が優れている。
【0030】また、上記延伸処理工程においては、上記
フィルム状成形物を、通常のロール延伸機、テンター延
伸機、マンドレル延伸機等の延伸機を用いて一軸又は二
軸に延伸する。特に、ロール延伸機による一軸延伸が生
産性の点から好ましい。該ロール延伸機を用いてロール
延伸する場合には、予熱ロールでフィルム状成形物を予
熱し、延伸ロールで縦方向(MD方向)に一軸延伸後、
弛緩させて熱固定を行う。このようにして上記フィルム
状成形物を延伸することにより、充填剤微粒子と樹脂と
の間に、物理的な通気性微細孔が生じるため、フィルム
に通気性及び透湿性が付与されるのである。上記フィル
ム状成形物に上記通気性微細孔を生じさせるためには、
使用用途にもよるが、少なくとも一方向の延伸倍率が約
1.2〜5倍の延伸を行うことが好適である。
【0031】また、上記開孔成形工程には、上記延伸処
理工程の前又は後に、必要に応じ薬剤による分解又は抽
出処理、熱処理、放電処理工程等を含むことができる。
【0032】上記開孔処理工程を経て得られた本発明の
透湿フィルムは、上記通気性微細孔を有しており、該通
気性微細孔の大きさ(孔径)は、0.1〜5μm、特に
0.3〜2μmであることが好ましい。該通気性微細孔
の大きさが0.1μmより小さいと通気性、透湿性が悪
くなることがあり、5μmより大きいと耐水性に悪影響
を与えることがある。
【0033】更に、本発明の透湿フィルムは、上記開孔
成形工程後において、エンボス加工や印刷加工等の後加
工を行うこともできる。上記エンボス加工は、例えば、
ゴム製ロール、鋼鉄製ロール、ペーパーロール及びコッ
トンロール等の何れかと、模様が彫られた鋼鉄製ロール
との間にフィルムを通す方法や、一方のロールの凸部分
がもう一方のロールの凹部分に対応するように模様が彫
られているロール間にフィルムを通す方法等により行わ
れる。また、該エンボス加工は、加熱して行うこともで
きる。上記印刷加工は、グラビア印刷、フレキソ印刷、
オフセット印刷、スクリーン印刷等の通常フィルム、シ
ートに印刷する方法により行われる。
【0034】上述のようにして得られる本発明の透湿フ
ィルムは、その厚さ(見かけ厚さ)が10〜100μ
m、特に20〜80μmとなるように形成されることが
好ましい。また、本発明の透湿フィルムは、その透湿度
が0.4〜4.0g/100cm 2 ・h、特に1.0〜
3.0g/100cm2 ・hとなるように形成されるこ
とが好ましい。また、本発明の透湿フィルムは、その耐
水圧が1000mm・H2 O以上、特に2000〜40
00mm・H2 Oとなるように形成されることが好まし
い。また、本発明の透湿フィルムは、MD方向とCD方
向との引っ張り強度〔単位:cN/cm〕の比(MD方
向/CD方向)が300/100〜1000/500、
特に400/150〜800/400となるように形成
されることが好ましい。また、本発明の透湿フィルム
は、その引き裂き強度が、10cN以上となるように形
成されることが好ましく、更に該フィルムに要求される
柔軟性から、10〜150cN、特に15〜100cN
となるように形成されることが一層好ましい。尚、これ
らの物性の測定法は、後述の実施例において示す方法が
採用される。
【0035】本発明の透湿フィルムは、柔軟であり、ソ
フトでドライ感のある(べとつきの無い)良好な風合い
を呈するものである。この理由は、以下に述べる通りで
あると推察される。即ち、本発明の透湿フィルムに用い
られる上記セルロース系粉末は、そのアスペクト比(a
/b;a=長さ、b=aの直角方向の長さ)が約2〜1
00で、大部分が3〜30である。上記ペレット製造工
程においては、該セルロース系粉末を含む樹脂組成物を
溶融混練する際には、該セルロース系粉末は均一に分散
している。しかし、上記フィルム状成形工程において
は、押出成形する際のダイリップでのドラフト比(フィ
ルム状成形物の引き取り速度/ダイから押し出されるペ
レット化された樹脂組成物の線速度)がインフレーショ
ン法、Tダイ法共に5〜1000と大きいため、充填剤
微粒子を分散した流動性を有する樹脂部分と、流動性を
呈しないセルロース系粉末部分との間にズレが生じ、ミ
クロにセルロース系粉末(含量)の多い部分と少ない部
分とができ、少ない部分はより流動して薄い部分とな
り、多い部分は流動し難いため、薄くなり難い部分とな
る。この薄い部分と薄くなり難い部分とがミクロに分散
し、且つ、マクロ的には均一なフィルム状成形物が得ら
れる。そして、上記延伸処理工程においては、上記フィ
ルム状成形物を成形する際に生じた、ミクロなセルロー
ス系粉末の少ない部分と多い部分とが、前者は延伸され
易く、従って更に薄くなり、後者は延伸され難いため、
薄くなり難く、微凹凸状を形成し、更にその表面はセル
ロース系粉末が樹脂被膜を覆ったまま盛り上がる。この
ように、セルロース系粉末の単繊維形状の超微細な凹凸
状と、延伸性の差による微細な凹凸状とが相俟って、柔
軟なフィルムであるにも拘わらず、ソフトでドライ感の
ある(べとつきの無い)良好な風合いを呈する本発明の
透湿フィルムが得られる。
【0036】本発明の透湿フィルムは、上述の如く、充
填剤微粒子を30〜80重量%含有するポリオレフィン
系樹脂組成物をフィルム状成形物となし、少なくとも延
伸処理工程を含む開孔成形工程を経て通気性微細孔を形
成してなり、該樹脂組成物がセルロース系粉末を配合さ
れてなるため、通気性、透湿性及び耐水性を有し、更に
は、良好な風合い、濡れたときも滑らない性能を有し、
且つ、従来の製造工程で工業的に、安全に、且つ、高速
で連続生産することのできるものである。従って、本発
明の透湿フィルムは、表面材と裏面材と両材間に介在す
る吸収体とを具備する使い捨ておむつ、生理用ナプキン
等の吸収性物品における該裏面材、介護用の使い捨てシ
ーツ等の衛生材料や衣料用素材又は雨具や簡易ジャンパ
等として有用である。
【0037】次に、本発明の透湿シートを用いた本発明
の吸収性物品の好ましい実施形態を図1を参照して説明
する。ここで、図1は本発明の吸収性物品の好ましい一
実施形態としての使い捨ておむつを示す斜視図である。
【0038】図1に示す実施形態の使い捨ておむつ1
は、液透過性の表面材2と、液不透過性の裏面材3と、
これらの間に介在する吸収体(図示せず)とを備え、腹
側ウエスト部5及び背側ウエスト部5’に、上記表面材
2と上記裏面材3とこれらの間に介在する第1弾性部材
6とから構成されるウエストギャザー7、7’が設けら
れてなる。上記腹側ウエスト部5及び背側ウエスト部
5’は、上記吸収体の前後端部の周囲に位置するように
配置されている。
【0039】上記おむつ1の長手方向両側のレッグ部に
は、それぞれ上記表面材2と上記裏面材3とこれらの間
に介在された第2弾性部材8とからなるレッグギャザー
9、9’が形成されている。
【0040】上記おむつ1の背側ウエスト部5’の幅方
向両側部には、該おむつ1の装着時に上記腹側ウエスト
部5と背側ウエスト部5’とを止着するためのファスニ
ングテープ10、10’が配設されている。また、上記
おむつ1の腹側ウエスト部5における上記裏面材3の表
面には、上記ファスニングテープ10、10’の被貼着
部としてのランディングテープ11が配設されており、
上記ファスニングテープ10、10’が、上記ランディ
ングテープ11に止着するように構成されている。
【0041】上記吸収体は、おむつの股下部に対応する
部分が縊れており、砂時計状に湾曲して形成されてい
る。そして、上記吸収体の周囲に位置する腹側ウエスト
部5及び背側ウエスト部5’並びに左右のレッグ部にお
いては、それぞれ第1弾性部材6及び第2弾性部材8が
上記表面材2と上記裏面材3との間に張設されており、
上記第1弾性部材6及び第2弾性部材8が自由状態で収
縮して図4に示すように、ウエストギャザー7、7’及
びレッグギャザー9、9’を形成して、着用者のウエス
ト部及び股下部にフィットし得るように構成されてい
る。
【0042】上記おむつ1を構成する各部材について説
明すると、上記表面材2としては、排泄物を上記吸収体
へ透過させる液透過性シートであって、肌着に近い感触
を有したものが好ましい。このような液透過性シートと
しては、例えば、織布、不織布及び多孔性フィルム等が
好ましく挙げられる。また、上記表面材2の周縁にシリ
コン系油剤、パラフィンワックス等の疎水性化合物を塗
布する方法や、予めアルキルリン酸エステルのような親
水性化合物を全体に塗布し、周縁を温水で洗浄する方法
等により、上記表面材2の周縁部に撥水処理を施し、該
周縁部における尿等の滲みによる漏れを防止したものも
好ましく用いることができる。
【0043】上記表面材2と上記裏面材3との間に介在
する上記吸収体としては、解繊パルプを主材として、更
に高分子吸水ポリマーを併用したものや、熱可塑性樹
脂、セルロース繊維及び高分子吸水ポリマーの混合物に
熱処理を施したもの等を用いることが好ましい。また、
高分子吸水ポリマーとパルプとを混合したものを用いて
もよい。この場合、上記高分子吸水ポリマーは、吸収体
の上層、中層及び下層の何れの位置に存在していてもよ
い。上記高分子吸水ポリマーとしては、自重の20倍以
上の液体を吸収して保持し得る保持性能を有し、ゲル化
する性能を有する粒子状のものが好ましい。このような
高分子吸水ポリマーとしては、例えば、デンプン−アク
リル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリロニ
トリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチ
ルセルロールの架橋物、アクリル酸(塩)重合体等が好
ましく挙げられる。
【0044】上記ウエストギャザー7、7’用の第1弾
性部材6及び上記レッグギャザー9、9’用の第2弾性
部材8としては、糸ゴム、平ゴム、フィルムタイプのゴ
ムあるいはフィルム状の発泡ポリウレタン等が好ましく
用いられる。
【0045】而して、図1に示す実施形態の使い捨てお
むつ1においては、上記裏面材として上述した本発明の
透湿フィルムが用いられている。上記使い捨ておむつ1
は、このように上記裏面材として上述した本発明の透湿
フィルムが用いられているため、光反射が全くなく、濡
れても滑らず、優れた装着性、脱着性を呈するものであ
る。
【0046】図1に示す実施形態の使い捨ておむつの製
造方法は特に制限されず、従来の使い捨ておむつの製造
方法が適宜適用される。
【0047】以上、本発明の吸収性物品をその好ましい
実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態
に制限されるものではなく、種々の変更態様を包含する
ものである。図1に示す実施形態は展開型の使い捨てお
むつであるが、本発明の吸収性物品は、パンツ型の使い
捨ておむつにも同様に適用できる。また、本発明の吸収
性物品は、使い捨ておむつに限られず、生理用ナプキン
及び失禁パッド等にも同様に適用できる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。ただし、本発明は以下の実施例により制限されるも
のではない。
【0049】〔実施例1〕下記の樹脂組成物の調製、フ
ィルム状成形、及び延伸処理に従って得られた透湿フィ
ルムについて、下記の評価基準に従い、(1)〜(8)
の各物性を評価した。それらの結果を下記〔表1〕に示
す。
【0050】樹脂組成物の調製:線状低密度ポリエチレ
ン(三井石油化学工業(株)製、ウルトゼックス252
0F、MFR2.3g/10分、密度0.925)3
5.9重量%、表面処理炭酸カルシウム(備北粉化工業
(株)製、ライトン22S、平均粒径1.0μm)5
6.3重量%、ポリエステル(トリメチロールプロパン
/アジピン酸/ステアリン酸=3.5モル/2.5モル
/5.5モルからなるポリエステル、SV=265、A
V=1.2、OHV=8.6)3.8重量%、及びセル
ロース系粉末(日本製紙(株)製、KCフロッグW−4
00、100メッシュパスが100%で、且つ、400
メッシュパスが91%)4.0重量%を100Lのヘン
シェルミキサーで混合し、次いで径45mmの二軸押出
機(池貝鉄工(株)製、PCM−45−33.5)によ
り、設定温度160℃、スクリュー回転数150rpm
の条件で混練し、ペレット化した樹脂組成物を得た。
【0051】フィルム状成形:径50mmの単軸押出機
(L/D=28)と径100mmのサーキュラーダイ
(ダイリップクリアランス1.0mm)とからなるイン
フレーション成形設備を用いて、上記樹脂組成物を、フ
ィルム厚さ60μm、折幅380mmの筒状フィルムに
成形し、坪量(目付け)80g/m2 のフィルム状成形
物を得た。(本発明においては、ミクロな凹凸を有する
ことが狙いであり、フィルム状成形物の厚さでは測定し
難い為、以降全て同坪量に調製しながらフィルム状に成
形した。)尚、フィルム状成形条件は、設定温度160
℃、吐出量25kg/h、ブロー比2.4である。
【0052】延伸処理:予熱ロール、延伸ロール、アニ
ーリングロール(ロール径は各々600mm、100m
m、600mm、幅は1000mm)からなるロール延
伸設備を用い、ロール設定温度を予熱ロール80℃、延
伸ロール50℃、アニーリングロール80℃とし、延伸
倍率を2.3倍とし、アニーリングで2.1倍に戻すよ
うにして、上記フィルム状成形物に一軸延伸処理を施
し、坪量40g/m2 の透湿フィルムを得た。
【0053】評価基準: (1)フィルム成形性 目視により次の基準で判定した。 ◎:バブルが安定で非常に良好。 ○:バブルが安定で良好。 △:バブルが変動するがフィルム成形可能。 ×:バブルが裂けてフィルム成形不可。 (2)延伸性 目視により次の基準で判定した。 ◎:ミクロな延伸ムラが有り、マクロには均一な延伸。 ○:ミクロな延伸ムラが有り、マクロにはやや不均一な
延伸。 △:マクロな延伸ムラが有り、不均一な延伸。 ×:切断して延伸できず。 (3)透湿度;JIS Z 0208に準拠して測定し
た。 (4)耐水圧;JIS L 1092Bに準拠して測定
した。 (5)引っ張り強度;JIS P 8113に準拠して
測定した。MD方向(フィルム成形方向)、CD方向
(MD方向と直角方向)の幅1cm当たりの強度であ
る。 (6)引き裂き強度;延伸方向(MD方向)において、
JIS P 8116に準拠して測定した。 (7)風合い 指触感触により下記基準に従って評価した。 ◎:柔軟でべたつかず、風合いが非常に良好。 ○:柔軟でべたつかず、風合いが良好。 △:ややべたつきがあり、風合いがやや悪い。 ×:べたつきが大で、風合いが悪い。 (8)外観 肉眼観察により下記基準に従って評価した。 ◎:光反射が全くなく、外観は非常に良好。 ○:光反射がなく、外観は良好。 △:やや光反射があり、外観はやや悪い。 ×:光反射が大いにあり、外観は悪い。
【0054】〔実施例2〕実施例1で用いた線状低密度
ポリエチレンの配合量を37.0重量%、表面処理炭酸
カルシウムの配合量を58.0重量%、及びポリエステ
ルの配合量を4.0重量%、セルロース系粉末の配合量
を1.0重量%とする以外は、実施例1と同様にして、
ペレット化した樹脂組成物を調製し、フィルム状成形、
延伸処理して、透湿フィルムを得た。得られた透湿フィ
ルムについて、実施例1と同様の評価を行った。それら
の結果を下記〔表1〕に示す。
【0055】〔実施例3〕実施例1で用いたセルロース
系粉末に代えて、別のセルロース系粉末〔KCフロッグ
W−300〕(日本製紙(株)製、100メッシュパス
が100%で、且つ、300メッシュパスが92%)を
3.0重量%用い、また実施例1で用いた線状低密度ポ
リエチレンの配合量を36.3重量%、表面処理炭酸カ
ルシウムの配合量を56.8重量%、及びポリエステル
の配合量を3.9重量%とする以外は、実施例1と同様
にして、ペレット化した樹脂組成物を調製し、フィルム
状成形、延伸処理して、透湿フィルムを得た。得られた
透湿フィルムについて、実施例1と同様の評価を行っ
た。それらの結果を下記〔表1〕に示す。
【0056】〔比較例1〕実施例1で用いた線状低密度
ポリエチレンの配合量を37.4重量%、表面処理炭酸
カルシウムの配合量を58.6重量%、及びポリエステ
ルの配合量を4.0重量%とし、且つセルロース系粉末
を用いない以外は、実施例1と同様にして、ペレット化
した樹脂組成物を調製し、フィルム状成形、延伸処理し
て、透湿フィルムを得た。得られた透湿フィルムについ
て、実施例1と同様の評価を行った。それらの結果を下
記〔表1〕に示す。
【0057】〔比較例2〕実施例1で用いた線状低密度
ポリエチレンの配合量を77.2重量%、ポリエステル
の配合量を0.8重量%、セルロース系粉末の配合量を
22.0重量%とし、且つ表面処理炭酸カルシウムを用
いない以外は、実施例1と同様にして、ペレット化した
樹脂組成物を調製し、フィルム状成形、延伸処理して、
透湿フィルムを得た。得られた透湿フィルムについて、
実施例1と同様の評価を行った。それらの結果を下記
〔表1〕に示す。
【0058】
【表1】
【0059】〔実施例4及び比較例3〕液透過性の表面
材、液不透過性の裏面材、該表面材と該裏面材との間に
介在する吸収体、及び止着テープ等を備えた図1に示す
使い捨ておむつにおいて、該裏面材として、実施例1及
び比較例1で得られた透湿フィルムを用いた使い捨てお
むつをそれぞれ製造した。(順に実施例4及び比較例3
とする)。その結果、実施例4の使い捨ておむつは、裏
面材として従来の透湿フィルムを用いた使い捨ておむつ
(比較例3)に比して、ソフトでべたつきが無く、ドラ
イ感を呈し、透湿性と共に優れた感触を有し、着用者に
快適な装着感を与えるものであった。また、実施例4の
使い捨ておむつは、光反射が全く無く、濡れても滑ら
ず、優れた装着性、脱着性を呈するものであった。これ
に対し、比較例3の使い捨ておむつは、使用者が好まな
いプラスチックフィルム特有の光反射があり、また、濡
れたときに滑りを生じるものであった。
【0060】
【発明の効果】本発明の透湿フィルムは、通気性、透湿
性、及び耐水性を有し、しかも、良好な風合いを有し、
工業的に安全且つ生産性に優れ、高速で連続生産するこ
とのできるものである。また、本発明の吸収性物品は、
濡れても滑らない装着性、脱着性に優れると共に、経済
的にも有利なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の好ましい一実施形態とし
ての使い捨ておむつを示す斜視図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充填剤微粒子を30〜80重量%含有す
    るポリオレフィン系樹脂組成物をフィルム状成形物とな
    し、少なくとも延伸処理工程を含む開孔成形工程を経て
    通気性微細孔を形成してなる透湿フィルムにおいて、該
    樹脂組成物がセルロース系粉末を配合されてなることを
    特徴とする透湿フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン系樹脂が、線状低密度ポ
    リエチレンである、請求項1記載の透湿フィルム。
  3. 【請求項3】 上記セルロース系粉末は、その粒度が1
    00メッシュを100%パスする粒度であり、該セルロ
    ース系粉末の配合量が0.1〜10重量%である、請求
    項1又は2記載の透湿フィルム。
  4. 【請求項4】 厚さが10〜100μm、透湿度が0.
    4〜4.0g/100cm2 ・h、耐水圧が1000m
    m・H2 O以上である、請求項1〜3の何れかに記載の
    透湿フィルム。
  5. 【請求項5】 液透過性の表面材、液不透過性の裏面
    材、及び該表面材と該裏面材との間に介在する吸収体を
    備えた吸収性物品において、上記裏面材として請求項1
    〜4の何れかに記載の透湿フィルムを用いたことを特徴
    とする吸収性物品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003510206A (ja) * 1999-09-30 2003-03-18 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー 通気性且つ液体不浸透性ウェブ及びその製造方法
US6617489B2 (en) 2000-05-09 2003-09-09 Nippon Shokubai Co., Ltd. Absorbent, absorbing product based thereon, and water-absorbing resin

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