JP3260863B2 - 吸収性物品の表面材およびその製造方法 - Google Patents

吸収性物品の表面材およびその製造方法

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JP3260863B2 JP31996792A JP31996792A JP3260863B2 JP 3260863 B2 JP3260863 B2 JP 3260863B2 JP 31996792 A JP31996792 A JP 31996792A JP 31996792 A JP31996792 A JP 31996792A JP 3260863 B2 JP3260863 B2 JP 3260863B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衛生用ナプキン、オム
ツ等の吸収性物品の表面材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、衛生用ナプキン、おむつ等の吸
収性物品は、血液、尿等の液を吸収する吸収体と、該吸
収体の表面を覆い肌に当てられる表面材と、上記吸収体
の裏面を覆い液漏れを防ぐ裏面材とを具備して構成され
ている。上記吸収性物品の表面材は、血液、尿等の液を
速やかに上記吸収体に移行させ、該吸収体に吸収させる
ための液透過性が要望されることは勿論のこと、一度吸
収体に吸収された液を肌側に戻さない液戻り防止性、本
質的に皮膚に液を残さないドライ性及び吸収体中に拡散
した血液等の色を遮蔽する遮蔽性等が要望される。
【0003】従来、上記要望に答えるために、例えば、
疎水性の微細繊維集合体である不織布を使用し、肌と吸
収体との間に疎水雰囲気下の空間を形成することにより
液透過性を損なわずに吸収体からの液戻りを少なくした
表面材(特開昭58−180602号公報参照)や、疎
水性の液不透過性シートに、空孔を設け、吸収体からの
液戻りを減じた表面材(実開昭54−124398号公
報、特公昭57−17081号公報、特開昭57−13
40号公報、特開昭61−45753号公報参照)等が
提案されている。
【0004】また、上述した表面材のうち、後者の表面
材を更に改良したものとして、非開孔部であるベース面
が肌に密着して不快感を与えないようにミクロエンボス
を設けた表面材も提案されている。そして、上述した前
者の表面材は、微細繊維集合体の構造体であるがゆえ
に、身体と接触した場合、接触する面の面積が極めて小
さいため、快適な風合いを与えることができ、また身体
と該表面材との間にせん断力が加わった場合において
も、該表面材を構成する繊維感で、自由な緩和が生じ、
応力を緩和できることにより、極めて快適な風合いを与
えることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た前者の表面材は、該表面材を用いた吸収性物品の使用
中に該表面材に液が排泄された場合に、繊維集合体中の
微少空間に液が溜り易く、圧力が加わると溜っていた液
が表面側(肌側)に移行し、べた付く等の触覚的に不快
感を与える他に、血液で汚れる等視覚的にも不快感を与
える欠点があった。
【0006】また、上述した後者の表面材は、疎水性フ
ィルムを使用しており、液の自由な移行のために開孔部
が設けられているものであり、上述した前者の繊維集合
体とは逆に、身体と接触した場合、疎水性フィルムの連
続体であるがゆえに、身体と接する面積が極めて大き
く、皮膚の生理的機能、例えば放熱、放湿などを阻害
し、不快感はもとより、むれやかゆみなどの障害を引き
起こしてしまうという欠点がある。また、身体と該表面
材との間にせん断力が加わった場合においても、接触面
積が大きいゆえ、抵抗が著しく大となり、不快な使用感
を与えてしまう。
【0007】また、これら疎水性の開孔したフィルムに
ミクロな凹凸を付与し、上述の欠点を防止した表面材も
提案されているが、該表面材は、液の排泄前の乾燥状態
では効果が認められるものの、排泄後の湿潤状態では、
本質的な皮膚の生理障害を防止するに至っていない。ま
た、後者の表面材は、血液等の液が排泄される場合に
は、疎水性フィルムの連続層が存在するがゆえに、液が
表面層に保留することはなく、さらに遮蔽効果のある酸
化チタンなどを配合すれば、経血の遮蔽効果もあり、使
用後の視覚的な清潔感を与える大きな効果がある。しか
しながら、後者の表面材の使用中において、その表面材
が身体と密着した場合には、疎水性フィルムの連続層と
親水性の皮膚との間に排泄された液が存在する現象も多
くみられ、実質的に快適なドライな状態を付与するに至
っていない。
【0008】さらにまた、上述した従来の表面材は、い
ずれも柔軟な材料で構成してあっても、その形状から表
面材の表面に沿う方向のせん断降伏応力が大きく、装着
時の違和感があった。これらの欠点を改善するため、本
発明者らは、先に特開平4−364843号公報、特開
平5−168601号公報、特開平5−208033号
公報、特開平5−317359号公報、及び特開平6−
125935号公報により、液が自由に移行できる液透
過性、一旦吸収された液が肌側に戻るおそれのない液戻
り防止性、装着時に違和感を感じさせない快適な装着
性、吸収された液の色を隠す遮蔽性を有する表面材及び
その製造方法を提案した。
【0009】しかし、上記提案の表面材は、柔軟な形状
/物性の為、それを吸収性物品の表面材に適用する時の
製造ラインにおいて縦裂けを生じ易く、また高速生産時
の搬送張力に対する製造ライン(MD)方向の伸びが大
きく、吸収性物品の生産性を向上させ難い要素を有して
いる。
【0010】従って、本発明の目的は、上記液透過性、
上記液戻り防止性、上記装着性及び上記遮蔽性を有し、
更に上記縦裂け性を無くし、且つ搬送張力に対する上記
伸びを減少させ得る、吸収性物品の表面材及びその製造
方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
した結果、表面材の形成材料として、特定組成の樹脂組
成物を用いることにより、上記目的を達成できることを
知見した。本発明は、上記知見に基づいてなされたもの
で、下記の吸収性物品の表面材を提供するものである。
吸収体を備えた吸収性物品の該吸収体の表面を覆う表面
材で、液不透過性シートからなり、多数の穴部を有し且
つ該穴部に液透過用の開孔部が形成されている表面材に
おいて、該表面材が、 (a)低密度ポリエチレン及び線状低密度ポリエチレン
が、低密度ポリエチレン/線状低密度ポリエチレン20
〜50/80〜50の重量比率で配合され、その合計量
100重量部に対し、 (b)ポリプロピレン1〜50重量部を配合して成る樹
脂組成物により形成されていることを特徴とする吸収性
物品の表面材。
【0012】また、本発明は、上記表面材の好ましい製
造方法として、多数の微細な空間を有する表面材成形用
型の一方の面部に表面材形成用樹脂を供給し、上記表面
材成形用型の他方の面部から減圧吸引を行い、上記表面
材形成用樹脂を、上記表面材成形用型の表面形状に沿っ
た形状を有し且つ上記の空間に対応する位置に穴部を有
するシートに成形することを特徴とする吸収性物品の表
面材の製造方法を提供するものである。
【0013】
【作用】本発明の表面材によれば、吸収性物品を製造す
る場合、吸収性物品の製造ラインにおける表面材のたる
みを無くす為の横方向への張り、折曲げにおける横方向
への引っ張りによる縦裂けが無く、且つ、製造ライン方
向(MD方向)の搬送張力に対する伸びが小さく、従っ
て、高速生産性に優れ、更に耐縦裂け性により吸収性物
品着用時の動きによって生じるせん断破壊が防止され
る。
【0014】 〔表面材の形成材料(樹脂組成物)〕 液不透過性シートからなる本発明の表面材の形成材料で
ある上記樹脂組成物を構成する上記低密度ポリエチレン
(LD−PE)とはエチレンを高圧/高温で重合して得
られる密度0.905〜0.935、MFR1〜50の
ポリマーで、少量の酢酸ビニル、アクリル酸ビニル等の
ビニル系モノマーとのコポリマーも含まれる。
【0015】上記樹脂組成物を構成する線状低密度ポリ
エチレン(L−LD−PE)とは、エチレンとα−オレ
フィンの共重合で得られる密度0.890〜0.94
0、MFR1〜50の線状ポリマーで、50%以下のL
D−PEを含む通称L−LD−PEと呼ばれているブレ
ンド系も含まれる。上記樹脂組成物を構成するポリプロ
ピレン(PP)とはプロピレンの重合体で硬度(R)9
0〜115、MFR.2〜50のホモポリマーで、該ポ
リマーには、少量のエチレン及び他のα−オレフィンと
のコポリマーも含まれる。
【0016】上記樹脂組成物は、LD−PE及び/また
はL−LD−PE100重量部に対しポリプロピレン
(PP)が1〜50重量部配合された組成からなる。P
Pの配合量が上記範囲に制限されるのは、1重量部未満
では縦裂け強度、MD方向の引っ張り強度向上が顕著で
なく、50重量部を超えると縦裂け強度、引っ張り強度
は更に向上するが、本発明の表面材の感触(前記装着
性)が低下する為である。PPの更に好ましい配合量
は、2〜20重量部である。また、表面材の感触の点か
らはホモポリマーよりコポリマー(例えば、1〜15%
のエチレン等のα−オレフィンを共重合したもの)の方
が好ましく、表面材を製造する際の溶融真空穿孔性の点
からはPPのMFRがLD−PE及び/またはL−LD
−PEのMFRより高い方が好ましい。
【0017】LD−PEとL−LD−PEの重量比率
軟性、縦裂け強度からはL−LD−PEが多いほど好
ましく、溶融樹脂の押出成形性、真空吸引穿孔性から
は、LD−PEが多い程好ましい。両者のバランスから
LD−PE/L−LD−PEは20〜50/80〜50
である
【0018】 (上記樹脂組成物に配合される配合物) 上記表面材(液不透過性シート)は遮蔽性の観点から不
透明であることが好ましい。その手段として、上記樹脂
組成物に、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、等の白色顔
料、炭酸カルシウム、タルク、クレー、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム等のフィラーを単独または併用して添
加する手段が一般的である。
【0019】更に、上記表面材は、皮膚接触時のドライ
感を与える上で、その表面にミクロの凹凸があることが
好ましい。表面材の表面への凹凸の付与は、表面材の成
形条件を変えたり、後処理を施すことによっても行い得
るが、上記樹脂組成物に、例えば上述の無機フィラーの
比較的粗い(2〜20μ)粒子を添加したり、高融点ま
たは不流動有機粒を添加することによって行うことがで
きる。更に、必要に応じて離型性、親水性、帯電防止性
を表面材に付与する為、各々公知の添加剤を、又、着色
の為に着色剤を、上記樹脂組成物に添加することができ
る。
【0020】〔実施例〕本発明の吸収性物品の表面材の
一実施例を図面を参照して説明する。図1はスパイラル
編み金網を用いて製造された実施例の表面材を具備した
吸収性物品を一部切欠して示した斜視図、図2Aは上記
実施例の表面材の部分拡大平面図、図2Bは図2Aに示
す表面材を表面側から視た部分拡大斜視図、図2Cは図
2Aに示す表面材の一穴部を示す部分拡大縦断面図であ
る。図3Aは、本発明の表面材の製造方法に用いられる
スパイラル編み金網(表面材成形用型)の一部を示す拡
大平面図、図3Bは、その部分拡大斜視図である。
【0021】本実施例の表面材2は、吸収体3を備えた
吸収性物品1の該吸収体3の表面を覆う液不透過性シー
から成り、多数の穴部4を有し且つ該穴部4にそれぞ
れ液透過用の開孔部が形成されている表面材であって
(図1及び図2参照)、具体的には、前述の樹脂組成物
からなる溶融樹脂を、右巻き又は左巻きの同方向スパイ
ラル編み金網11(図3A及び図3B参照)の表面形状
に沿った形状で且つ上記スパイラル編み金網11の線材
11a間の空間に対応する位置に穴部4を有するシート
状に成形したものである。尚、図1中、2’は裏面材で
ある。
【0022】更に詳しく説明すると、本実施例の表面材
2は、図2A〜図2Cに示す如く、裏側が空隙となって
いる凸状曲面からなる多数の頂部5と、多数の開孔底部
6と、該頂部5及び該開孔底部6をそれぞれ連結する筒
状壁部7とを具備しており、上記各穴部4は、隣り合う
複数の上記頂部5と、一個の上記開孔底部6と、それら
を連結する一個の筒状壁部7とからそれぞれ形成され、
該開孔底部6により液透過用の上記開孔部を構成してい
る、連通孔構造からなっている。
【0023】〔表面材の形状/物性〕図4は本発明の吸
収性物品の表面材の物性の一測定例及び測定結果の概略
を図示した説明図で、図4Aは該表面材をその上部から
平板で押圧する際の要部を示す縦断側面図、図4B〜図
4Eは平板と該平板に押し付けられた表面材の頂部との
接触面の外周をそれぞれ示す平面図で、図4Bは無負荷
時、図4Cは低負荷時、図4Dは中負荷時、図4Eは高
負荷時の上記接触面の外周をそれぞれ示す。
【0024】本実例の表面材2(この表面材2の頂部5
は丸みのある非真円形凸状である)は、図4Aに示すよ
うに、その上部から平板Yで押圧すると、その負荷に応
じて、図4C〜図4Eに示す如く平板Yと上記項部5と
の接触面の外周Zが非真円状に長くなり、無負荷の時
は、図4Bに示す如く点又は線に近い接触面を呈する形
状/物性を有している。そして、本発明の表面材は、上
記の如き物性の測定法において、0.5g/cm 2 負荷の
時、平板に接触した1頂部の接触面の外周が0.1mm〜
5mm、50g/cm2 負荷の時、0.3mm〜15mmとなる
ものが好ましい。
【0025】また、本実施例では、上記各穴部4は、4
個の上記頂部5によって囲まれて形成されており、穴部
4を挟んで相対向する頂部間の距離は0.05mm〜8mm
の範囲に設定することが好ましく、特に0.2mm〜5mm
の範囲に設定することがより好ましい。上記各穴部は、
穴部の略中央を上記表面材の厚さ方向に通る軸を含む異
なる任意の縦断面の形状がそれぞれ左右非対称形又は異
形液透過用の開孔底部6の周囲長さは0.1mm〜15mm
が好ましく、0.5mm〜5mmがより好ましい。
【0026】穴部4の密度(表面材の単位面積当り穴部
の数)は、液透過性及び液戻り防止性のバランスを考慮
して決められるもので、開孔底部6の開口面積及び穴部
4の連通孔構造の形態の差異により変わるが、2個/c
2 〜200個/cm2 にするのが好ましい。開孔底部
6の開口面積が小さく且つ穴部4の密度が低い場合には
実質的に液透過性が劣り、また頂部5間の開口面積が大
きくなるにしたがってシート形成性が劣るので、これら
を考慮し2個/cm2 〜200個/cm2 、特に2個/
cm2 〜100個/cm2 にするのが好ましい。また、
穴部4の大きさは、その頂部5間の開口面積が0.02
〜10mm2 となるようにするのが好ましい。
【0027】尚、本発明の表面材は、上述の実施例に制
限されるものではなく、肌接触面に凹凸がなく平板状の
もの、孔部が先細のもの、あるいは厚みが小さくネット
状のもの等でもよい。
【0028】〔表面材の製造方法〕次に、本発明の表面
材の製造方法を、図5を参照しながら、上述の実施例の
表面材の好ましい製造方法について説明する。本発明の
上記表面材の製造方法は、図5に示すように、図3A及
び図3Bに示す形状のスパイラル編みの金網11からな
る表面材成形用型の一方の面部(表面)に、表面材形成
用樹脂として、前記樹脂組成物からなるシート状溶融樹
脂50をタンク51のTダイから供給し、上記表面材成
形用型11の他方の面部(裏面)から、真空吸引装置5
3により減圧吸引(真空吸引)を行い且つ上記シート状
溶融樹脂50の供給側から、エアー吹き付け装置52に
よりエアーを吹きつけて、上記シート状溶融樹脂50
を、上記金網11の表面形状に沿った形状を有し且つ上
記金網の線材11a間の空間に対応する位置に穴部を有
するシート、即ち本発明の表面材2に成形するものであ
る。
【0029】シートの応力は10%伸長時に60g/c
m以上必要であり、これ以下であると製造時に搬送張力
に対する伸びが大きく、安定したシートが得られない。
シートの縦裂け強度は800g/cm以上必要であり、
これ以下であると製造時あるいは装着時にシートの縦裂
けを起こす。
【0030】また、上記表面材の製造に際し、樹脂の溶
融時の粘度や真空吸引の方向、吸引と反対側から加圧さ
れる加圧流の方向等、樹脂組成と製造条件を適宜選択す
ることにより、上記穴部の連通孔の形状を、上述のスパ
イラル編み金網11の形状に対応する「スパイラル状」
に成形することも可能である。更に、エアー吹き付け装
置54により加熱エアーを吹き付ける等して、液透過用
の前記開孔底部6の周辺部をより柔軟にすれば、この部
分があたかも弁のごとく作用して吸収体2への導液性と
液戻り性を高めることもできる。
【0031】〔表面材の製造例〕本製造例は、図5に示
す工程図に示す実施態様に準じて実施された。スパイラ
ル編み金網11として、線材径0.35mmの同方向スパ
イラルから成る26メッシュの金網(関西金網(株)製
SP−26−0.35)を使用し、下記(使用樹脂)に
よる下記表1に記載の配合の樹脂組成物を径40mmの押
出成形機に結合した幅400mmのTダイから、坪量30
g/cm2 のシート状溶融樹脂を、上記スパイラル網み金
網11上に供給する一方、上記スパイラル編み金網11
の下部(溶融樹脂供給側と反対側)から真空ノズル53
で吸引し、上記スパイラル編み金網11の表面形状に対
応し、且つ且つ該金網のメッシュ数と同数の穴部を有す
る形状のシート(本発明の表面材)を成形した。得られ
た各シートについて、下記(評価方法)により、10%
伸張時の応力及び縦裂け強度を測定し、それらの結果を
下記表2に示した。
【0032】(使用樹脂) PE−1;L−2/LL−1=40/60(重量比) PE−2;L−1LL−2=20/80(重量比) L−1;LD−PE、密度0.925、MFR15 L−2;LD−PE、密度0.920、MFR11 LL−1;L−LD−PE:密度0.915、MFR1
0 LL−2;L−LD−PE:密度0.920、MFR1
4 上記密度;ASTM D1505(g/cm2 )による。 上記MFR;ASTM D1238(g/10min)
による。 PP−1;硬度(R)97、MFR8 PP−2;硬度(R)97、MFR30 PP−3;硬度(R)107、MFR8 PP−4;硬度(R)110、MFR23 上記硬度;ASTM D−785(ロックエルR)によ
る。 上記MFR;ASTM D1238(g/10min)
による。 TiO2 ;各々配合するL−LD−PEに二軸混練押出
機にて30%のマスターバッチを造って使用。
【0033】(評価方法)10%M;製造ラインにおけ
る搬送張力に対するシートの伸びを評価するため、シー
トのMD方向(流れ方向)の10%伸長時の応力を測定
(g/cm;坪量30g/m2 のシート1cm当たりの応
力)。 縦裂け強度;製造ラインにおける横方向の張り、折り曲
げ加工における横方向への引っ張り強度を評価するた
め、シートのMD方向に直角の方向(横方向)の引っ張
り破断強度を測定(g/cm;坪量30g/m2 のシート
1cm当たりの応力)。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明の吸収性物品の表面材は、第一
に、横方向への引っ張りによる縦裂けが無く、製造ライ
ンの搬送張力に対する伸びが小さい上に、自由に移行で
きる液透過性を有し、第二に一旦吸収された液が肌側に
戻るおそれのない液戻り防止性と、装着時に違和感を感
じさせない装着性と、吸収された液の色が表面にあらわ
れないようにする遮蔽性を有する。また、本発明の吸収
性物品の表面材の製造方法によれば、上記効果を有する
表面材を効率良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例の表面材を具備した吸
収性物品の一部切欠して示す斜視図である。
【図2】図2Aは上記実施例の表面材の部分拡大斜視
図、図2Bは図2Aに示す表面材を表面側から視た部分
拡大斜視図、図2Cは図2Aに示す表面材の一穴部を示
す部分拡大斜視図である。
【図3】図3Aは本発明の表面材の製造方法に用いられ
るスパイラル編み金網(表面材成形用型)の一部を示す
拡大平面図、図3Bはその部分拡大斜視図である。
【図4】図4は本発明の吸収性物品の表面材の物性の一
測定側及び測定結果の概略を図示した説明図で、図4A
は該表面材をその上部から平板で押圧する際の要部を示
す縦断側面図、図6B〜図6Eは平板と該平板に押し付
けられた表面材の頂部との接触面の外周をそれぞれ示す
平面図であり、図4Bは無負荷時、図4Cは低負荷時、
図4Dは中負荷時、図4Eは高負荷時の上記接触面の外
周をそれぞれ示す。
【図5】図5は本発明の表面材の製造方法の一実施例を
示す工程説明図である。
【符号の説明】
1 吸収性物品 2 表面材 4 孔部 3 吸収体 5 頂部 6 開孔底部 7 筒状壁部 11 線材 11a線材 50 表面材形成用樹脂(シート状溶融樹脂) Y 平板 Z 表面材の頂部の接触面外周
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−82406(JP,A) 特開 昭63−175113(JP,A) 特開 昭63−159515(JP,A) 特開 昭63−66304(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 A61F 13/15 B29C 67/20 C08J 5/18 C08J 5/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸収体を備えた吸収性物品の該吸収体の
    表面を覆う表面材で、液不透過性シートからなり、多数
    の穴部を有し且つ該穴部に液透過用の開孔部が形成され
    ている表面材において、該表面材が、 (a)低密度ポリエチレン及び線状低密度ポリエチレン
    が、低密度ポリエチレン/線状低密度ポリエチレン20
    〜50/80〜50の重量比率で配合され、その合計量
    100重量部に対し、 (b)ポリプロピレン1〜50重量部を配合して成る樹
    脂組成物により形成されていることを特徴とする吸収性
    物品の表面材。
  2. 【請求項2】 上記表面材は、裏側が空隙となっている
    凸状曲面からなる多数の頂部と、多数の開孔底部と、該
    頂部及び該開孔底部をそれぞれ連結する筒状壁部とを具
    備し、 上記各穴部は、隣り合う複数の上記頂部と、一個の上記
    開孔底部と、それらを連結する一個の筒状壁部とからそ
    れぞれ形成され、該開孔底部により液透過用の上記開孔
    部を構成している、連通孔構造からなることを特徴とす
    る請求項1記載の吸収性物品の表面材。
  3. 【請求項3】 上記各穴部は、穴部の略中央を上記表面
    材の厚さ方向に通る軸を含む異なる任意の縦断面の形状
    がそれぞれ左右非対称形又は異形であることを特徴とす
    る特徴とする請求項1記載の吸収性物品の表面材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3の何れかに記載の吸
    収性物品の表面材の製造方法であって、多数の微細な空
    間を有する表面材成形用型の一方の面部に表面材形成用
    樹脂を供給し、上記表面材成形用型の他方の面部から減
    圧吸引を行い、上記表面材形成用樹脂を、上記表面材成
    形用型の表面形状に沿った形状を有し且つ上記の空間に
    対応する位置に穴部を有するシートに成形することを特
    徴とする吸収性物品の表面材の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記表面材成形用型が、スパイラル編み
    の金網からなることを特徴とする請求項4記載の吸収性
    物品の製造方法。
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