JP2868946B2 - 吸収性物品の表面材及びその製造方法 - Google Patents
吸収性物品の表面材及びその製造方法Info
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Description
等の吸収性物品の表面材及びその製造方法に関する。
収性物品は、血液、尿等の液を吸収する吸収体と、該吸
収体の表面を覆い肌に当てられる表面材と、上記吸収体
の裏面を覆い液漏れを防ぐ裏面材とを具備して構成され
ている。上記吸収性物品の表面材は、血液、尿等の液を
速やかに上記吸収体へ移行させ、該吸収体に吸収させる
ための液透過性が要望されることは勿論のこと、一度吸
収体に吸収された液を肌側に戻さない液戻り防止性、本
質的に皮膚に液を残さないドライ性や吸収体中に拡散し
た血液等の色を遮蔽する遮蔽性等が要望される。
水性の微細繊維集合体である不織布を使用し、肌と吸収
体との間に疎水雰囲気下の空間を形成することにより液
透過性を損なわずに吸収体からの液戻りを少なくした表
面材(特開昭58−18060号公報)や、疎水性の液
不透過性シートに、空孔を設け、吸収体からの液戻りを
減じた表面材(実開昭54−124398号公報、特公
昭57−17081号公報、特開昭57−1340号公
報、特開昭61−45753号公報等)等が提案されて
いる。
材を更に改良したものとして、非開孔部であるベース面
が肌に密着して不快感を与えなようにミクロエンボスを
設けた表面材も提案されている。
た前者の表面材は、微細繊維集合体の構造体であるがゆ
えに、身体と接触する場合、接触する面の面積が極めて
小さく、また身体と該表面材の間にせん断力が加わった
場合においても、該表面材を構成する繊維間で、自由な
緩和が生じ、応力を緩和できることにより、極めて快適
な風合いを与えることができる。しかしながら、逆に液
が排泄された場合に、繊維集合体中の微小空間に液が溜
まり易く、圧力が加わると溜まっていた液が表面側(肌
側)に移行し、べた付く等の触覚的に不快感を与える他
に、血液で汚れる等の視覚的にも不快感を与える欠点が
あった。
ィルムを使用しており、液の自由な移行のために開孔を
設けているものであり、前者の繊維集合体と逆に、身体
と接触する場合、疎水性フィルムの連続体であるがゆえ
に、身体と接する面積が極めて大きく、皮膚の生理的機
能、例えば放熱、放湿などを阻害し、不快感はもとよ
り、むれやかゆみなどの障害を引き起こしてしまうとい
う欠点がある。身体と該表面材の間にせん断力が加わっ
た場合においても、接触面積が大きいゆえ、著しく抵抗
となり、不快な使用感を与えてしまう。これら疎水性の
開口したフィルムにミクロな凹凸を付与し、上述の欠点
を防止することも提案されているが、排泄前の乾燥状態
では効果が認められるものの排泄後の湿潤状態では、本
質的な皮膚の生理障害を防止するには至っていない。血
液等の液が排泄される場合には、疎水性フィルムの連続
層が存在するがゆえに、液が表面材層に保留することは
なく、さらに遮蔽効果のある酸化チタンなどを配合すれ
ば、経血の遮蔽効果もあり、使用後の視覚的な清潔感を
与える大きな効果がある。しかしながら、後者の表面材
の使用中において、その表面材が身体と密着した場合、
疎水性フィルムの連続層と親水性の皮膚との間に排泄さ
れた液が存在する現象も多く見られ、実質的に快適なド
ライな状態を付与するに至っていない。
ずれも柔軟な材料で構成してあっても、表面材の表面に
沿う方向のせん断降伏応力が大きく、装着時の違和感が
あった。従って、本発明の目的は、液が自由に移行でき
る液透過性を有する上に、一旦吸収された液が肌側に戻
るおそれのない液戻り防止性あるいは皮膚に滞留しない
ドライ性と、装着時に違和感を感じさせない装着性と、
吸収された液の色が表面にあらわれないように隠す遮蔽
性とを有する吸収性物品の表面材及びその製造方法を提
供することにある。
吸収体の表面を覆う液不透過性材料からなり且つ無数の
孔部を有する表面材において、上記表面材は、それぞれ
凸状曲面からなり、連続した平面を形成していない無数
の頂部と、それぞれ凹状曲面からなる無数の底部と、上
記頂部及び上記底部をそれぞれ連結する曲面状壁部とを
具備し、上記各孔部は、それぞれ連結された上記頂部、
上記壁部及び上記底部により形成され且つそれぞれ上記
頂部間に空間を有する構造であり、上記各孔部における
孔の中央を通る該表面材の厚さ方向における異なる任意
の位置の裁断面の各形状が、孔の中央を通る厚さ方向の
中心線に対してそれぞれ左右非対称形であり、上記各孔
部における上記底部及び/又は上記壁部には、それぞれ
上記頂部間の空間と連通する液透過用開孔が形成されて
いることを特徴とする吸収性物品の表面材を提供するこ
とによって上記の目的を達成したものである。
ましい製造方法として、表面材成形用型の一方の面部に
表面材成形用樹脂を供給し、該表面材成形用型の他方の
面部から真空吸引を行い、上記表面材成形用樹脂を上記
表面材成形用型の表面形状に沿った形状で、空間に対応
する位置に孔部を有するシートに成形することを特徴と
する吸収性物品の表面材の製造方法を提供するものであ
る。
る、壁部が垂直あるいは単なる先細に形成されているも
のに比べて、液の保持空間が大きく、また装着者の動き
によって表面材が表面に沿う方向(面方向)に引っ張ら
れると、上記液透過用開孔が閉じる如く変形し、一旦吸
収体に吸収された液が肌側に戻るのを防止する液戻り防
止性があり、更に、上記曲面状壁部に体圧が加わって
も、壁部が湾曲してこの応力を緩和することにより装着
時にソフト感を与えるとともに、頂部の空間および液透
過用開孔の閉鎖を防止し、同時に液を頂部間の空間か
ら、上記液透過用開孔に導く機能を果たす。さらに表面
材の表面に沿ういずれの方向においても、空間を持つ凹
凸形状とランダムな開孔形態を有するために、せん断降
伏応力が小さく、且つ、上記頂部は丸みのある非真円形
凸状で、その上部から平板で押した時、その負荷に応じ
て平板への接触面の外周が非真円状に長くなり、無負荷
の時は点又は線に近い接触面を呈する形状及び/又は物
性を有するため、上記頂部が肌に点接触した状態で複雑
な動きに追随できるとともに皮膚との接触面積も極めて
小さく、装着性とピーチスキン、シルクサテン等の布用
の感触を示す良好な風合いとを有している。
孔をもつ表面材では、得ることができない。上述した作
用を更に詳述すると、連続した平面を形成しない凸状曲
面からなる頂部を有することより、身体に接した場合、
接触面積が極めて小さくなり、皮膚の生理機能を阻害す
ることがない。さらには、液が排泄された場合において
も、接触面積が小ないゆえ疎水性フィルムであっても身
体側に液が滞留することも極めて少なくドライ性(ドラ
イ感)を与えるのである。また、任意の複数の位置での
表面材の断面が、孔の中央を通る厚さ方向の中心線に対
してそれぞれ左右非対称であるような形状を有すること
により、表面材の実使用時に実質的に液の保有空間が大
きくなり、多量の液を排泄した場合においても効果的に
吸収体に伝達することができ、更に、いかなる方向から
も吸収できる。
疎水性フィルムの従来の開孔形態(先細毛細管や壁部が
垂直等の提案)とは本質的に異なり、連続した平面を形
成しない凸状曲面による身体側への液の滞留、多量の液
の排泄にともなう伝達性において、従来より優れてい
る。即ち、実際の使用に際しては、応力が加わった状態
で用いられ、本発明の表面材は、かかる応力下での吸収
性、皮膚との接触面積、液の皮膚への付着性を満足する
ものである。
の一実施例を添付図面を参照して説明する。図1乃至図
5は本発明の吸収性物品の表面材の一実施例を示し、図
1は本発明の実施例にかかる表面材を具備した吸収性物
品の一部を切欠して示した斜視図、図2は本発明の吸収
性物品の表面材の一実施例を示し、図2Aは本実施例に
かかる表面材の部分拡大平面図、同図Bは同図Aに示す
表面材を表側から目視した状態の部分拡大斜視図、同図
Cは同図Aに示す表面材を裏側から目視したときの部分
拡大斜視図、図3は本発明の吸収性物品の表面材の製造
に用いられる金編みを示し、図3Aは金編みの拡大平面
図であって、更に図4における目視方向を示す図、図3
Bは図3Aに示す金編みの拡大斜視図、図4は、本実施
例による表面材の孔部における図3Aに示す各目視方向
からの断面を示す斜視図、図5は本発明の吸収性物品の
表面材の一実施例を示し、図4Aは該表面材を上部から
平板で押したときの側面図、図4B〜Eは平板面に押し
付けられた表面材頂部の平面図であり、図4Bは無負荷
時、Cは低負荷時、Dは中負荷時、Eは高負荷時であ
る。
備えた吸収性物品の該吸収体2の表面を覆う液不透過性
材料からなり且つ無数の孔部Pを有する表面材であって
(図2参照)、具体的には、溶融樹脂を、表面材成形用
型としての右捲き又は左捲きの同方向スパイラル編み金
網7(図3A及び同図B参照)の表面形状に沿った形状
で且つ上記スパイラル編み金網7の線材間の空間に対応
する位置に孔部を有するシート状に成形したものであ
る。即ち、上記表面材1は、図2A、Bに示すように、
スパイラル編み金網7(図3参照)の最上部に位置する
線材の表面形状に沿った形状に成形された凸状曲面から
なる連続平面を有しない無数の頂部3と、スパイラル編
み金網7の線材間の空間に落ち込んで凹状曲面に成形さ
れた無数の底部4と、スパイラル編み金網7の線材間に
落ち込む過程で傾斜曲面状又は段状曲面状に成形され
た、それぞれ上記頂部3と上記底部4とを連結する曲面
状壁部5とを具備し、上記各孔部Pは、それぞれ連結さ
れた上記頂部3、上記壁部5及び上記底部4により形成
され且つそれぞれ上記頂部3間に空間を有する構造とな
り、上記各孔部Pにおける孔の中央を通る該表面材の厚
さ方向における異なる任意の位置での裁断面の各形状が
孔の中央を通る厚さ方向の中心線に対してそれぞれ左右
非対称であり、上記各孔部における上記底部4及び/又
は上記壁部5には、それぞれ上記頂部3間の空間と連通
する液透過用開孔6が形成されている。
の上記頂部3と2個の該頂部3間を連結する壁部5によ
って囲まれて形成されている。更に、上記頂部3は、無
負荷時には、点状または線状の形状及び/または物性を
有する接触面を呈し、負荷時には負荷に応じた楕円状の
外周を有する接触面を呈するようになっている。上記表
面材の製造に際し、樹脂の溶融時の粘度や真空吸引の方
向、吸引と反対側から加圧される加圧流方向等、樹脂組
成と製造条件を適宜選択することにより、上記壁部の形
状を、上述のスパイラル編み金網7の形状に対応する
「スパイラル状」に形成することも可能である。更に、
上記液透過用開孔6の孔周辺部の柔軟性を高く形成すれ
ば、この部分があたかも弁の如く作用して吸収体2への
導液性と液戻り防止性を高めることもできる。
性材(疎水性シート)としては、ポリオレフィン、オレ
フィンとアクリル酸エステル、酢酸ビニル等の他のビニ
ルモノマーとの共重合体、ポリエステル、ポリアミド等
の疎水性熱可塑性樹脂の単独又はブレンド系、及びポリ
ビニルアルコール、ポリオキシエチレン等親水性樹脂と
のブレンド系が挙げられるが、これらのうちでも、風合
い、取扱いの面からポリオレフィンもしくはオレフィン
と他のモノマーとの共重合体、又はポリマーブレンド系
の疎水性熱可塑性樹脂シートが好ましい。また、上記液
不透過性材は不透明であることが好ましい。上記頂部
3、底部4、曲面状壁部5等の形状等により上記吸収体
2に吸収された血液、尿等の液の色を遮蔽することがで
きるが、液不透過性材自体が不透明であることが遮蔽性
の面から更に好ましい。液不透過性材自体を不透明にす
る手段としては、種々の手段が考えられる。例えば、酸
化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料、炭酸カルシウム、タ
ルク、クレー、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等のフィ
ラー単独または併用して、これを表面材1の成形過程で
添加する手段が一般的である。
材1の上記頂部3は、丸みを有していて、、肌に点接触
してソフト感を付与するとともに、液を吸収した後も身
体に滞留する液も極めて少なく、実質的にドライ感を与
えるが、更にこの頂部にミクロの凹凸を付けることがよ
り好ましい。このようなミクロ凹凸化は該表面材の成形
に用いるスパイラル編み金編の線材表面に凹凸をつけて
おいて、該表面材成形によって転写するか、該表面材成
形後にプレス、研磨、放電処理等によって加工される
か、または、上述の無機フィラーの添加及び高融点有機
物粒の添加によっても得ることができる。次に、図3、
図4、図5を参照して本発明の表面材1の好ましい形
状、物性について説明する。
る孔の中央を通る該表面材1の厚さ方向における異なる
任意の位置での裁断面がそれぞれ非対称または非相似な
構造であるが、本実施例では、孔部Pを5等分した各位
置での裁断面の形状を図4A〜Eに示した。具体的な裁
断面の位置は、図3Aに示した如く、(a)〜(e)の
各方向から目視した場合の断面で、(a)の方向から目
視した状態の裁断面は図4(A)に示し、同様に3A
(b)は図4B、3A(c)は図4C、3A(d)は図
4D、3A(e)は図4Eに対応して示したものであ
る。
0.05mm〜8mmの範囲に設定することが好ましく、特
に0.2mm〜5mmの範囲に設定することがより好まし
い。上記頂部3の形状及び物性は、図5(A)に示す通
り、本実施例の表面材1の上方から平板Yで押した時、
その負荷に応じて該頂部3が平板Yに接触した面の形状
Zの周囲長さは、0.5g/cm2 負荷の時で0.1mm〜
5mm、50g/cm2負荷の時で0.3mm〜15mmが好ま
しい。
の孔の中央部を通る厚み方向の裁断面において、任意に
裁断した裁断面での形状が全て異なる為、液透過用開孔
6の形状も非平面状を呈し、且つ全体として一方向を向
いた斜孔状を呈する。該液透過用開孔6(壁の底部先端
を連ねる)の周囲長さは、0.1mm〜15mmが好まし
く、0.5mm〜5mmがより好ましい。上記液透過用開孔
6の開孔面積は、0.02mm2 〜9mm2 であることが好
ましい。開孔面積が0.02mm2 よりも小さいと液透過
性が劣り、また9mm2 よりも大きいと液戻り性が劣るか
らである。上記液透過用開孔6の開孔密度は、2個/cm
2 〜100個/cm2 にするのが好ましい。開孔面積が小
さく、開孔密度が小さい場合には実質的に液透過性が劣
り、また開孔面積が大きくなるにしたがってシート形成
性が劣るからである。従って、これらの事情を考慮し
て、開孔密度と開孔の周囲長さが設定される。
い液漏れを防ぐ裏面材8(図1参照)が配置されてい
る。次に、本実施例の表面材1の作用を説明する。上記
表面材1を具備した吸収性物品を装着すると、血液、尿
等は表面材1から吸収体2に移行して該吸収体2に吸収
される。このとき、表面材1は、液透過開孔6により液
透過性を有する他に、装着圧の変動により頂部3が変形
して肌への接触面積が増減することと、曲面状壁部5が
くびれた形状になっていることとが相まって、食道の蠕
動運動によって食物を移行させる如く、血液、尿等の吸
収体2側への移行を促進させる働きがある。更に、粘性
のある液体においてはこの効果は顕著であり、従来の技
術である立体的開孔とは大きく効果が異なるものであ
る。
引っ張り力が作用すると、液透過用開孔6を閉じる如く
変形し、上記引っ張り力を解除すると、液透過用開孔6
を開くが如く元の形状に復帰する。即ち、吸収性物品の
装着時に大きな力が作用した時のみ(吸収体2に一旦吸
収された液を肌側に戻すような力が作用した時のみ)、
表面材1は液透過用開孔6を閉じるようにしてあり、吸
収体2から肌側への液の戻りを確実に防止する。
状に設定することにより、実質的に高弾性率の素材を用
いても伸縮性、圧縮弾力性に優れ、且つせん断降伏応力
が小さくなるため、表面材1の表面に沿う方向のいずれ
の方向でもせん断力が小さく、頂部3が肌に点接触した
まま装着者の複雑な動きに表面材が追随でき、装着ズレ
を生じることなく、肌に密着しても、べたつき、違和感
を与えない。面に沿う方向のいずれの方向でもせん断降
伏応力が小さく、頂部3が肌に点接触したまま装着者の
複雑な動きに表面材1が追随でき、装着ズレを生じるこ
となく、肌に密着し、違和感を与えない。
0を示すものである。この表面材10は、溶融樹脂を、
右捲き、左捲き交互のスパイラルを力骨(ロッド)で連
結したスパイラル編み金網70(図7A及び同図B参
照)の表面形状に沿った形状で且つ上記スパイラル編み
金網70の線材間の孔部に対応する位置に孔部を有する
シート状に成形したものである。従って、該表面材10
は、上記表面材1と同様に、それぞれ連続した平面を持
たない凸状曲面からなる無数の頂部30と、それぞれ凹
状曲面からなる無数の底部40と、該頂部30及び該底
部40をそれぞれ連結する曲面状壁部50とを具備し、
上記各孔部Pは、それぞれ連結された上記頂部30、上
記壁部50及び上記底部40により形成され且つそれぞ
れ上記頂部30間に空間を有する構造であり、上記各孔
部Pにおける該孔の中央を通る角度で分割された裁断面
の上記壁部形状がすべて異なる構造であり、上記各孔部
Pにおける孔の中央を通る該表面材の厚さ方向における
任意の位置の裁断面の各形状が、孔の中央を通る厚さ方
向の中心線に対してそれぞれ左右非対称であり、上記各
孔部Pにおける上記底部40及び/又は上記壁部50に
は、それぞれ上記頂部間の空間と連通する液透過用開孔
60が形成されている。
個の上記頂部30と2個の該頂部30間を連結する壁部
50によって囲まれて形成れている。更に、上記頂部3
0は断面が上方に丸みのある非真円凸状形状で、無負荷
時には、点状または線状の形状及び/または物性を有す
る接触面を呈し、負荷時には負荷に応じた楕円状の外周
を有する接触面を呈する、上記表面材1と同様の効果が
得られる。 (表面材の製造方法の実施例)次に、上記実施例による
表面材1、10の製造方法の一実施例を図8を参照して
説明する。
例を示す工程説明図であり、図8の(A)〜(B)はそ
れぞれ各工程を示す図である。本実施例の製造方法は、
熱可塑性樹脂の溶融成形により表面材1、10を製造す
るもので、表面材成形用型として第3図A、Bに示すス
パイラル編み金網7か、或いは図5A、Bに示すスパイ
ラル編み金網70が使用される。
は、強靱性及び溶融樹脂を固化させるための冷却性等が
要求されるため、金属が好ましい。上記スパイラル編み
金網7、70の材質として金属を使用した場合には、防
食性、離型性等から樹脂でコートすることが好ましい。
尚、上記スパイラル編み金網7、70以外に、複数の撚
線を使用したスパイラル編み金網、凹凸状を施した線材
を用いたスパイラル編み金網及び太さの異なる線を組み
合わせたスパイラル編み金網等が挙げられる。
用樹脂としてのシート状溶融樹脂9(図8A参照)を、
例えば、スパイラル編み金網7の上部から供給する一
方、該スパイラル編み金網7の下部から真空吸引するこ
とにより、上記シート状溶融樹脂9を、上記スパイラル
編み金網7の線材7a、7bの表面に沿って流し、該線
材7a、7bによって冷却固化し、上記スパイラル編み
金網7の表面形状に沿った形状で、上記スパイラル編み
金網7の線材間の空間に対応する位置に孔部Pを有した
形状に成形するようにしてしている。
うに、Tダイ(図示せず)よりシート状溶融樹脂9をス
パイラル編み金網7の上部から供給する一方、該スパイ
ラル編み金網7の下部から真空吸引すると、まず同図B
に示すように、シート状溶融樹脂9はスパイラル編み金
網7の最上部の線材7aに接触して冷却固化され(この
部分が頂部となる)、次いで上記線材7aに接触しない
部分の上記シート状溶融樹脂9は、同図Cに示すように
真空吸引力を受けて変形しつつ下部の線材7bに接触し
て冷却固化され(この部分が頂部/頂部間を連結する壁
部5となる)、この後上記下部の線材7bにも接触しな
い部分のシート状溶融樹脂9は、同図Dに示すように、
空冷により凹面状に変形して固化される(このため、孔
全体形状は斜孔状となる)と共に、その一部は、同図E
に示すように広げられ破られる。図7A〜Eに示すの
は、一つの孔の中央部を通る一方向から目視した裁断面
の形状(図4D参照)であるが、前述の通りスパイラル
編み金編の線材7a、7bは、立体的には図3A、同図
B、図7A、同図Bに示す如く、線材7a、7bの位置
は上下、左右に離れてはまた接近、交差し7a、7bが
上下逆転する構成にあり、1つの孔を形成する壁部は図
4C〜同図Gに連続して変形した形状を取る。また、最
頂部は殆ど点に近いがその前後、左右は曲状に降下して
いる。
み金網70を使用すると、図6A乃至Cに示す形状の表
面材10を成形することができる。また、表面材成形用
樹脂として、Tダイから供給する溶融樹脂9の代わり
に、フィルムを使用してもよい。この場合、フィルムを
予め加熱して軟化させた状態で上記スパイラル編み金網
7、70に供給するか、或は上記スパイラル編み金網
7、70に供給した後にフィルムを加熱して軟化させる
か、または、その両者を併用する方法で軟化させ、真空
吸引することによって形成する。また、単に真空吸引す
るのみでなく、真空吸引側とスパイラル編み金編の反対
側(フィルムの外側)から加熱流を供給しながら真空吸
引して形成することもできる。
形用型としてスパイラル編み金網7、70を用いて成形
するものに限定されるものではなく、例えば、セラミッ
クス材料や、他の形状の表面材成形用型を用いて製造す
るものであってもよい。また、本発明の吸収性物品の表
面材の製造方法は、図3A、B及び図7A、Bに示すス
パイラル編み金編み7、70を使用する場合に限定され
るものでなく、他の形状の成形用型を用いて製造するも
のであっても良い。 (実施品)
形した実施品について説明する。スパイラル編み金網7
として、線材径0.35mmの同一方向スパイラルからな
る、26メッシュの金網(関西金網(株)製SP−26
−0.35)を使用し、またシート状溶融樹脂9とし
て、TiO2 5%を含有したLD−PE溶融樹脂を25
g/cm2 になるように、Tダイから上記スパイラル編み
金網7上に供給する一方、上記スパイラル編み金網7の
下部(溶融樹脂供給側と反対側)から真空ノズルで真空
吸引したところ、金網のメッシュ数と同数の液透過用開
孔6を有し、上記スパイラル編み金網7の表面形状に対
応した表面材1が成形された。
製造したところ、従来の表面材を使用した生理用ナプキ
ンに比して吸収性に優れ、ドライ感があり、弱い装着圧
にもかかわらず、装着者の動きに追随してフィット性が
よく、違和感を与えない快いものであった。
由に移行できる液透過性を有する上に、一旦吸収された
液が肌側に戻るおそれのない液戻り防止性と、装着時に
違和感を感じさせない装着性と、吸収された液の色が表
面にあらわれないように隠す遮蔽性を有する他、前述し
たような種々の効果を有する。また、本発明の吸収性物
品の表面材の製造方法によれば、上記効果を有する表面
材を効率良く製造することができる。
た吸収性物品の一部を切欠して示した斜視図である。
を示し、図2Aは本実施例にかかる表面材の部分拡大平
面図、同図Bは同図Aに示す表面材を表側から目視した
状態の部分拡大斜視図、同図Cは同図Aに示す表面材を
裏側から目視したときの部分拡大斜視図である。
いられる表面材成形用型としての金網を示し、図3Aは
金編みの拡大平面図であって、更に図4における目視方
向を示す図、図3Bは図3Aに示す金編みの拡大斜視図
である。
図3Aに示す各目視方向からの断面を示す斜視図であ
る。
を示し、図4Aは該表面材を上部から平板で押したとき
の側面図、図4B〜Eは平板面に押し付けられた表面材
頂部の平面図であり、図4Bは無負荷時、Cは低負荷
時、Dは中負荷時、Eは高負荷時である。
Aは他の実施例にかかる表面材の平面図、同図Bは同図
Aに示す表面材を表面から目視したときの部分拡大斜視
図、同図Cは同図Aに示す表面材を裏面側から目視した
後の部分拡大斜視図である。
ル編み金編の部分拡大平面図、同図Bは部分拡大斜視図
である。
示す工程説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 吸収体を備えた吸収性物品の該吸収体の
表面を覆う液不透過性材料からなり且つ無数の孔部を有
する表面材において、 上記表面材は、それぞれ凸状曲面からなり、連続した平
面を形成していない無数の頂部と、それぞれ凹状曲面か
らなる無数の底部と、上記頂部及び上記底部をそれぞれ
連結する曲面状壁部とを具備し、上記各孔部は、それぞ
れ連結された上記頂部、上記壁部及び上記底部により形
成され且つそれぞれ上記頂部間に空間を有する構造であ
り、上記各孔部における孔の中央を通る該表面材の厚さ
方向における異なる任意の位置の裁断面の各形状が、孔
の中央を通る厚さ方向の中心線に対してそれぞれ左右非
対称形であり、上記各孔部における上記底部及び/又は
上記壁部には、それぞれ上記頂部間の空間と連通する液
透過用開孔が形成されていることを特徴とする吸収性物
品の表面材。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4016886A JP2868946B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 吸収性物品の表面材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4016886A JP2868946B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 吸収性物品の表面材及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05208033A JPH05208033A (ja) | 1993-08-20 |
JP2868946B2 true JP2868946B2 (ja) | 1999-03-10 |
Family
ID=11928657
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4016886A Expired - Lifetime JP2868946B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 吸収性物品の表面材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2868946B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3205360B2 (ja) * | 1990-10-30 | 2001-09-04 | 花王株式会社 | 吸収性物品の表面材及びその製造方法 |
JP3065756B2 (ja) * | 1991-12-25 | 2000-07-17 | 花王株式会社 | 吸収性物品の表面材及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-01-31 JP JP4016886A patent/JP2868946B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05208033A (ja) | 1993-08-20 |
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