JP4007464B2 - 磁気探知装置 - Google Patents

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    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/02Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux
    • G01R33/04Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux using the flux-gate principle

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地磁気等の微弱な磁界を確実に検知するための磁気探知装置に係り、とくに磁気センサ素子に用いる磁性体の特性のバラツキや温度、歪による変動の影響を極めて小さくすることのできる磁気探知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁界を検知する方式としては、(1)トロイダルコア等に励磁巻線と検出巻線とを設けた平行フラックスゲート方式(励磁による磁界と検出する磁界とが平行方向となる)や、(2)アモルファス磁性合金線又は箔の周囲に検出巻線を設けるとともに、アモルファス磁性合金線又は箔自体に直接電流を流して励磁機能を持たせる直交フラックスゲート方式(励磁による磁界と検出する磁界とが直交方向となる)がある。両者とも励磁によって磁性体の透磁率を変化させ、検出巻線に外部磁界に比例する誘起電圧を発生させるものであるが、前者は励磁巻線のインピーダンスが高いため励磁速度が大きくできないため感度が低く、装置が高価になる欠点を有している。一方、後者の1例であるアモルファス磁性金属を用いるセンサーは小型化が容易で感度が高いものの、保磁力が相対的に大きくなるので零磁界での検知が困難なためバイアス磁界を必要としていた。そのためバイアス磁界印加時のセンサ出力が感度の温度変動、ドリフトの影響を受け、安定性が問題となる欠点を持っていた。
【0003】
なお、直交フラックスゲート方式の磁気センサ素子の例は特許第2617498号に開示されており、その磁気センサ素子を用いた検出回路の1例を示すものとして特開平9−166437号がある。
【0004】
直交フラックスゲート方式による磁気センサ素子は導電性で高透磁率を有する線状、棒状、帯状等の長手方向に直線状部分を有する磁性体に検出巻線を巻回して設け、磁性体の長手方向にパルス状の電流を通電して磁性体を周回する磁束を飽和近くまで励磁し、当該磁性体の透磁率μを大きく変化させ、その時に以下の(1)式によって生じる電圧Vを検出巻線に誘起させるもので、その誘起電圧Vが外部磁界に比例することを利用するものである。
V=d(μ・H・S)/dt …(1)
μ:磁性体自身の透磁率
H:外部磁界
S:磁性体の断面積
但し、パルス状の電流による磁界は検出巻線を交叉する方向とは直交するため、他の交叉磁束が存在しないかぎり、誘起電圧を生じることはない。この誘起電圧の大きさは、外部の交叉磁束(磁界)や磁性体自身の透磁率が大きいほど、また印加パルスが急峻なほど大となる。従って、この目的に合う、導電性を持つ磁性体としてはコバルト系のアモルファス磁性合金線、箔等が有用である。
【0005】
図3は直交フラックスゲート方式による磁気センサ素子の1例であり、磁気センサ素子Sは、エポキシ樹脂等の絶縁基板1に貼り合わせた導電性を有する帯状のアモルファス磁性合金箔をエッチングすることによって所定のパターン形状(長手方向に直線状部分を有する形状で、例えば幅5mm×長さ15mm)の磁性体Mを形成し、さらに磁性体Mの周囲を周回するようにコイルを巻いて検出巻線Wdを設けたものである。磁性体Mの両端部は絶縁基板1に固定の励磁用端子2にそれぞれ接続され、検出巻線Wdの両引き出し端部は絶縁基板1に固定の検出端子3にそれぞれ接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、磁性体は本質的にヒステリシスを持つため、その保磁力を越える磁界がないと磁束の変化がなく、検出巻線に出力が出てこない。従って、上記の如き磁気センサ素子Sで地磁気等の微弱な磁界をアナログ的に検知する場合、従来はある大きさの直流バイアス磁界のもとで信号出力を得るようにしている。さらに、良好なリニアリティを望む場合、フィードバック法という手法を用いる。すなわち、外部磁界が増加する場合、その増分信号を増幅し、前記直流バイアス磁界を逆方向に減らすようにコントロールする。この時増幅回路の増幅度を可能な限り大きくすると、フィードバックの平衡状態で外部磁界と直流バイアス磁界の変化分が等しくなる。また、この平衡状態で磁気センサー素子に印加されている合成磁界は常に前記直流バイアス磁界付近の値となっており、つまり出力はこの直流バイアス磁界を動作点とした信号となっている。しかし、磁性体の透磁率(B−Hカーブの変化率)にはバラツキや温度変動、歪変動、ドリフトがあるため、この直流バイアス磁界を動作点とした出力信号は変動しやすく、安定になり難いこととなる。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑み、不安定な直流バイアス方式をやめ、直流バイアス磁界が零でも微小磁界の検出が可能で、磁性体の特性バラツキや温度変動、歪変動、ドリフトに起因する検出出力を大幅に少なくすることが可能な磁気探知装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の磁気探知装置は、磁性体と、該磁性体に巻回された検出巻線とを有し、該磁性体の透磁率の変化率と外部磁界の大きさとに比例したパルス状の電気信号を前記検出巻線に発生する磁気センサ素子と、
前記磁性体にサンプリング用のパルス状ドライブ電流を流して前記磁性体の透磁率を周期的に変化させる励磁手段と、
前記パルス状の電気信号の正負それぞれのピーク値を検出するピーク値検出部と、
前記サンプリング用のパルス状ドライブ電流に同期した交流電流を前記検出巻線に流すとともに、前記パルス状の電気信号の正負それぞれのピーク値の絶対値が等しくなるように直流電流成分を前記交流電流に重畳するフィードバック回路とを備え、
前記検出巻線の直流電流成分から探知対象磁界の大きさを検出することを特徴としている。
【0010】
前記磁気探知装置において、前記励磁手段は前記パルス状ドライブ電流の繰り返し周波数を規定する発振器を有し、該発振器の交流信号を前記フィードバック回路の一部に加えることにより、前記サンプリング用のパルス状ドライブ電流の周期に前記パルス状の電気信号の正負それぞれのピーク値を同期させるように構成してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る磁気探知装置の実施の形態を図面に従って説明する。
【0012】
図1は磁気探知装置の実施の形態であって、図3の磁気センサ素子Sと組み合わせて磁気探知装置を構成するための回路構成を示す。
【0013】
この図において、電源入力ライン6とアース端子COMに接続されたアースグランドライン7間に直流電源Eよりの直流電圧(例えば5V)が供給されている。また、磁気センサ素子Sの磁性体Mにパルス電流を流して磁性体Mの透磁率を周期的に変化させる(非飽和状態から飽和状態に変化させる)励磁手段として、サンプリング信号発生用発振器10及びドライブ回路11が設けられている。さらに、磁気センサ素子Sの検出巻線Wdに誘起した信号を検出する信号検出手段として、ピーク値検出部12、比較増幅部13が設けられている。
【0014】
前記サンプリング信号発生用発振器10は、トランジスタQ3,Q4、抵抗R17乃至R20及びコンデンサC8,C9からなる無安定マルチバイブレータで構成されており、その発振周波数fsはR18,C8及び、R19,C9で決定され、図2(A),(B)のようにトランジスタQ3,Q4のコレクタ側の半サイクル位相の異なる2つの方形波信号を後段のドライブ回路11に印加している。この2つの方形波信号のうち1つの信号が所定のインピーダンス(すなわちコンデンサC3と抵抗R16)を通してピーク値検出出力の中点に加算されており、この方形波信号は比較増幅器13とコンデンサC4による積分機能により三角波となって出力され、最終的に三角波の交流バイアス電流が磁気センサ素子Sの検出巻線Wdに流れる。
【0015】
ドライブ回路11は、半サイクル位相の異なる2つの方形波信号を受けて、図2(C)のような急峻な立ち上がりのパルス電流を磁気センサ素子Sの磁性体Mに印加通電するものであり、ここでは磁性体と限流抵抗R25とに直列に挿入されるスイッチング用トランジスタQ5のベースに、トランジスタQ3のコレクタ側の方形波信号を、コンデンサC10と抵抗R22との接続点と電源入力ライン6間に接続されたクランプ用ダイオードD3を持つコンデンサC10及び抵抗R22の直列回路を通して印加し、さらに、トランジスタQ4のコレクタ側の方形波信号を、コンデンサC11と抵抗R23との接続点と電源入力ライン6間に接続されたクランプ用ダイオードD4を持つコンデンサC11及び抵抗R23の直列回路を通して印加している。サンプリング信号発生用発振器10のトランジスタQ3,Q4のターンオンに同期してトランジスタQ5がスイッチング動作を行う結果、図2(C)の如く磁気センサ素子Sの磁性体Mに対して発振周波数fsの三角波の交流バイアス電流の頂点にて急峻な立ち上がりのパルス電流を通電することとなる(1サイクルに2回サンプリングが行われる)。
【0016】
前記磁気センサ素子Sの検出巻線Wdと高周波阻止用コイルL1と抵抗R10の直列回路には、比較増幅部13の出力電流が供給され、該直列回路の他方の一端は基準電圧端子Vrefに接続されている。基準電圧端子Vrefは電源入力ライン6とアースグランドライン7間に接続された抵抗R13と定電圧ダイオードD1の直列接続の中点に接続され、定電圧ダイオードD1により一定電圧(例えば、直流電源Eの電圧が5Vであれば、基準電圧端子Vrefが2.5V近傍)に維持されている。また、高周波阻止用コイルL1と抵抗R10との接続点が出力端子Voutに接続されている。抵抗R10は磁気センサ素子Sの検出巻線Wdに流れる直流バイアス電流、すなわち外部磁界に比例する出力電圧を得るものである。
【0017】
前記比較増幅部13は、演算増幅器OPを有し、電源電圧を抵抗R1、抵抗R2で分圧した比較基準電圧Vcomを抵抗R11を通して演算増幅器OPの非反転入力に加え、検出巻線Wdから発生したパルス状の電気信号は直流カット機能のコンデンサC6を通して比較基準電圧Vcomに重畳され、正負の信号をそれぞれトランジスタQ1,Q2を通してピーク検出し、それぞれのピーク値をさらに抵抗R4,R5によって中点値を抵抗R7を通して演算増幅器OPの反転入力に加えている。なお、抵抗R3、抵抗R6はコンデンサC1,C2のリセット用放電抵抗である。さらに、前記比較増幅部13は、演算増幅器OPの入出力間に接続された抵抗R8とコンデンサC4からなる並列回路と、演算増幅器OPの出力と検出巻線Wdの間に挿入された抵抗R9とコンデンサC5の並列回路とを有している。演算増幅器OPの増幅度は抵抗R7とR8の比で決まり、コンデンサC4は方形波信号を三角波信号に変換し、コンデンサC5は磁気センサ素子Sの検出巻線Wdの一端を演算増幅器OPの出力を通してアースグランドライン7(アース端子COM)へバイパスする役目を持つ。
【0018】
検出巻線Wdからの信号の極性と大きさは、基準電圧側から演算増幅器側に直流バイアス電流が流れると負のパルス信号が増大し、コンデンサC2の電位が下がる、すなわち演算増幅器OPの反転端子電位が下がり、OPの出力が上がることとなり、負のフィードバック制御回路となっている。
【0019】
この比較増幅部13の出力電流は、前記ピーク値検出部12による直流バイアス電流に図2(D)実線のような三角波の交流リップル電流が重畳されており、この三角波の正負のピークは前記サンプリング信号発生用発振器10の方形波信号に同期している(つまり図2(C)のサンプリング用のパルス電流の立ち上がりに同期している)。
【0020】
前記ドライブ回路11によって図2(C)の如き急峻な立ち上がりのパルス電流を磁気センサ素子Sの磁性体Mに通電すると、検出巻線Wdには磁性体Mの長手方向のトータル磁界H(探知対象磁界である本来的な外部磁界Hexと検出巻線Wdに流れる三角波の交流リップル電流と直流バイアスによる磁界の総和)に比例したピーク値を持つパルス状の誘起電圧が図2(E)の如く得られる。この場合、リップル磁界Hripの極性は交互に反転しているから、図2(E)のパルス状の誘起電圧の極性も交互に反転する。また、探知対象磁界Hexが存在しないときには、直流バイアス磁界は零となるように制御され、三角波の交流リップル電流による交流リップル磁界Hripのみで、前記パルス状の誘起電圧は交互に極性が反転しても正負のピークの絶対値は同じである。なお、交流リップル磁界Hripの正負のピークは磁性体Mのヒステリシスを越える(換言すれば保磁力を越える)強さに設定されている。
【0021】
前記ピーク値検出部12は、図2(C)の前記ドライブ回路11によるサンプリング用のパルス電流を前記磁気センサ素子Sに印加したときに検出巻線Wdに誘起される図2(E)のパルス状の誘起電圧の正負のピーク値をホールドする機能を持つ。つまり、トランジスタQ1と正ピーク値ホールド用コンデンサC1との直列回路が電源入力ライン6とアースグランドライン7間に接続され、抵抗R1と抵抗R2の接続点に接続されたトランジスタQ1のベースに直流阻止用コンデンサC6を介して前記パルス状の誘起電圧が印加される。同様に、負ピーク値ホールド用コンデンサC2とトランジスタQ2との直列回路が電源入力ライン6とアースグランドライン7間に接続され、トランジスタQ2のベースにも直流阻止用コンデンサC6を介して前記パルス状の誘起電圧が印加されるようになっている。
【0022】
図2(E)のパルス状の誘起電圧の正のピーク値に対応したコンデンサC1の充電電圧は放電抵抗R6の両端に供給され、負のピーク値に対応したコンデンサC2の充電電圧は放電抵抗R3の両端に供給されている。今、外部磁界が零の時、前記正のピーク値と負のピーク値の絶対値が等しい状態となり、抵抗R4、抵抗R5の分圧回路の中点電位は、比較増幅部13の演算増幅器OPの非反転入力の直流レベルとほぼ一致し、演算増幅器OPの出力側に直流電流成分が現れないように抵抗R4と抵抗R5の値を設定している。
【0023】
次に、この実施の形態の全体的な動作説明を行う。
【0024】
磁気センサ素子Sが有する磁性体Mの長手方向に、探知対象磁界である本来的な外部磁界Hexが存在しなければ、トータル磁界Hは、検出巻線Wdに比較増幅部13から図2(D)実線の三角波の交流リップル電流を流すことにより発生する交流リップル磁界Hripのみとなり、リップル磁界Hripの正負のピークのタイミングで磁性体Mに印加される図2(C)のパルス電流によって検出巻線Wdに図2(E)の如く交互に極性が反転したパルス状の誘起電圧(磁性体Mの透磁率の変化率とトータル磁界Hとの積に比例)が発生し、その正負のピークの絶対値は等しい(交流リップル磁界Hripの正負のピークの絶対値が等しいため)。またこの時、検出巻線Wdに流れるのは三角波のリップル電流のみとなり、出力端子Voutと基準電圧端子Vref間の抵抗R10に流れる直流電流成分はなく、出力端子Voutと基準電圧端子Vref間の直流電位差は零となる。
【0025】
今、地磁気等の探知対象磁界Hexが存在し、その向きが交流リップル磁界Hripの正の半サイクルに一致している場合、トータル磁界Hは、リップル磁界Hripの正の半サイクルではリップル磁界Hripと探知対象磁界Hexとが加算された磁界の強さとなり、リップル磁界Hripの負の半サイクルではリップル磁界Hripから探知対象磁界Hexが減算された磁界の強さになる。このため、ピーク値検出部12において、図2(E)のパルス状の誘起電圧の正のピーク値に対応したコンデンサC1の充電電圧が高く、負のピーク値に対応したコンデンサC2の充電電圧が低くなり、この結果、演算増幅器OPの反転入力の直流電位は高くなる方向に変化し、演算増幅器OPの出力側の直流電圧レベルは低下する方向に変化する。従って、比較増幅部13から検出巻線Wdに流される三角波のリップル電流は図2(D)の点線の如く変化し(波形自体は変化せず直流電流成分が重畳される)、リップル磁界Hripの正の半サイクルのピークの絶対値は減少し、リップル磁界Hripの負の半サイクルのピークの絶対値は増加する。このような、比較増幅部13の負のフィードバック制御によって、リップル磁界Hripの正の半サイクルでのトータル磁界Hと負の半サイクルでのトータル磁界Hとがバランスし、図2(E)のパルス状の誘起電圧の正負それぞれのピーク値の絶対値が等しくなった状態で安定する。このとき、図2(D)の点線の波形からも明らかなように、出力端子Voutと基準電圧端子Vref間の抵抗R10に流れる直流電流成分が発生し、出力端子Voutと基準電圧端子Vref間に直流電位差が発生し、この直流電位差は地磁気等の探知対象磁界Hex(磁性体Mの長手方向に印加された成分)に比例している。
【0026】
なお、地磁気等の探知対象磁界Hexの向きがリップル磁界Hripの負の半サイクルに一致している場合、出力端子Voutと基準電圧端子Vref間の直流電位差の極性が反対となる。
【0027】
この実施の形態においては、磁気センサ素子Sの内部磁界の平均値は常に零になるように制御されており、そのままでは検出巻線Wdに誘起電圧は発生しない。誘起電圧を得るために、交流リップル電流による交流リップル磁界を重畳させていることが大きな特徴である。リップル電流の周波数は、サンプリング信号発生用発振器10の発振周波数と同じfsであり、リップル電流の正負のピークで磁性体Mにサンプリング用のパルス電流が流れるため、発生する誘起電圧も最大の値となるタイミングで行われる。
【0028】
この実施の形態によれば、次の通りの効果を得ることができる。
【0029】
(1) 磁気センサ素子Sの検出巻線Wdに直流バイアス電流を重畳する従来の不安定なバイアス方式をやめ、その代わりにサンプリング用のパルス電流と同期した交流のリップル電流を検出巻線Wdに流して、直流バイアス磁界が零でも地磁気等の探知対象の外部磁界を検出可能としている。
【0030】
(2) 検出巻線Wdに誘起する交互に極性が反転したパルス状の誘起電圧の正負のピーク値の絶対値が同じになる点で平衡する動作原理であり、センサー素子の感度変動のため正負のピーク値の絶対値が変動しても平衡点の変化はない。従って、磁気センサ素子Sの磁性体Mの特性バラツキや、温度、歪、あるいはドリフトによる出力変動を極めて小さくすることができる。
【0031】
(3) また、直流バイアス磁界を印加しないため、ダイナミックレンジも従来の2倍近く取れるようになった。
【0032】
なお、上記実施の形態では、サンプリング信号発生用発振器10として無安定マルチバイブレータを用いたが、その他のパルス発生器(方形波発生器)を用いることも可能である。
【0033】
また、探知対象磁界を検出するために、出力端子Voutと基準電圧端子Vref間の直流電圧を取り出すように説明したが、出力端子Voutとアース端子COM間の直流電圧を取り出すようにしてもよい。
【0034】
以上本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る磁気探知装置によれば、磁気センサ素子の磁性体の特性選別をする必要がなく、歩留まりの向上を図ることができる。また、動作原理上、磁性体の感度や出力温度特性等の影響が無くなり、極めて安定な磁気探知装置が得られる。
【0036】
なお、本発明の磁気探知装置は、微弱な地磁気等の静磁界を検知するのに適したものであるが、動磁界の検知にも適用可能である。また、地磁気の影響をキャンセルするブラウン管のディスプレイモニタ、ナビゲーション装置の方向探知、3次元ディスプレイ(バーチャルリアリティ)等にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気探知装置の実施の形態であって磁気センサ素子と組み合わせる回路構成を示す回路図である。
【図2】実施の形態におけるサンプリング信号発生用発振器の出力電圧波形、ドライブ回路によるパルス電流波形、比較増幅部により磁気センサ素子の検出巻線に供給される交流リップル電流波形、及び前記検出巻線に誘起する電圧波形を示す波形図である。
【図3】直交フラックスゲート方式の磁気センサ素子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板
2 励磁用端子
3 検出端子
6 電源入力ライン
7 アースグランドライン
10 サンプリング信号発生用発振器
11 ドライブ回路
12 ピーク値検出部
13 比較増幅部
C1乃至C6,C8乃至C11 コンデンサ
R1乃至R11,R15乃至R23,R25 抵抗
Q1乃至Q5 トランジスタ
OP 演算増幅器
S 磁気センサ素子
M 磁性体
Wd 検出巻線

Claims (2)

  1. 磁性体と、該磁性体に巻回された検出巻線とを有し、該磁性体の透磁率の変化率と外部磁界の大きさとに比例したパルス状の電気信号を前記検出巻線に発生する磁気センサ素子と、
    前記磁性体にサンプリング用のパルス状ドライブ電流を流して前記磁性体の透磁率を周期的に変化させる励磁手段と、
    前記パルス状の電気信号の正負それぞれのピーク値を検出するピーク値検出部と、
    前記サンプリング用のパルス状ドライブ電流に同期した交流電流を前記検出巻線に流すとともに、前記パルス状の電気信号の正負それぞれのピーク値の絶対値が等しくなるように直流電流成分を前記交流電流に重畳するフィードバック回路とを備え、
    前記検出巻線の直流電流成分から探知対象磁界の大きさを検出することを特徴とする磁気探知装置。
  2. 前記励磁手段は前記パルス状ドライブ電流の繰り返し周波数を規定する発振器を有し、該発振器の信号を前記フィードバック回路の一部に加えることにより、前記サンプリング用のパルス状ドライブ電流の周期に前記パルス状の電気信号の正負それぞれのピーク値を同期させることを特徴とする請求項1記載の磁気探知装置。
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