JP3161133B2 - 力検出装置 - Google Patents

力検出装置

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JP3161133B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば、自動車に
おける動力伝達軸に付加する応力により透磁率が増減逆
方向に変化する磁歪材料からなる二つの部位の透磁率の
変化を検出して、その変化から付加された応力の大きさ
を非接触で検出することができるようにした力検出装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の力検出装置の第1従来例
としては、たとえば、特開昭59−188968号公報
に開示されたものがある。これは、磁歪材料の部位を磁
心とし、この磁歪材料の部位の周囲に二つのトランスを
配置し、磁歪材料に応力を付加すると、その付加された
応力に応じて、磁歪材料の透磁率が変化し、この透磁率
の変化により相互インダクタンスの変化を検出すること
を応用したものであり、この相互インダクタンスの変化
により、トランスの2次コイルに誘起される誘導起電力
の変化を検出することにより、磁歪材料に付加される応
力を検出するものである。すなわち、いわば、差動トラ
ンスと同一原理によるものである。
【0003】この二つのトランスの出力信号の信号処理
例としては、それぞれのトランスの誘導電圧(交流)を
位相検波した後に平滑し、さらに差動増幅するか、ある
いは、差動誘導起電力として得られる交流電圧を励磁電
圧に同期した信号で位相検波した後、平滑して直流電圧
に変換する方法が広く採用されている。
【0004】また、力検出装置の第2従来例としては、
部品のばらつき要因とコストを低減させるために、コイ
ルの出力信号は小さいが、増幅器等の使用を避け、二つ
のコイルをハ−フブリツジ回路の一辺に直列に挿入した
直列インダクタンスブリツジ構成とするか、または二つ
のコイルをハ−フブリツジ構成で使用することも従来よ
り行われている。
【0005】このハ−フブリツジで使用する場合の信号
処理の方法としては、基本的には従来から行われている
差動トランス方式と類似の方法となり、たとえば、特開
平2−154128号公報に記載されているように、ハ
−フブリツジで分圧された二つの交流信号を差動検出し
た後、位相検波し、その出力信号を平滑するか、または
特開平2−271229号公報などにより開示されてい
るように、位相検波した後、差動検出し、その出力信号
を平滑することが行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記第
1の従来例の場合のトランス方式においては、1次コイ
ルと2次コイルの二つのコイルとそれに付随する磁気ヨ
−クや巻線用ボビンからなるトランスが二つ必要であ
り、コストが高くなることに加えて、コイルの巻数、巻
線密度、ヨ−クとコイルとの組付け精度、磁歪材料検出
部位に対する配置精度などの多くの要因により、二つの
トランスの均質性を実現することが極めて困難である。
【0007】したがって、これらの精度に起因する出力
ばらつき、特にオフセット電圧のばらつきの調整は回路
側で行う必要があるが、トランス部の温度などによって
も前記要因の係わり方が変化するため、オフセット電圧
が変動することになり、回路側での調整自体に限界があ
る。これにより、複雑な自動補正機能を盛り込んだ計測
器や頻繁にメンテナンスを行えるプラント用機器などを
除いては、一般に安価に普及できていない状況にある。
【0008】また、前記第2従来例のハ−フブリツジ方
式の場合の基本的な回路構成としては、(1)ブリツジ
駆動周波数を決める発振回路、(2)この発振回路から
正弦波信号の生成あるいは駆動デュティ比を制御する駆
動信号制御回路、(3)この駆動信号制御回路の出力に
基づき所定電圧/電流をブリツジ回路に印加するドライ
ブ回路、(4)ブリツジの出力の増幅を行う差動増幅回
路、(5)この差動増幅回路の出力を所定位相で同期検
波する同期検波回路、(6)この同期検波回路に対して
駆動制御回路の出力を基準にした所定検波タイミング信
号を与える位相調整回路、(7)この位相調整回路の出
力信号を平滑してアナログ電圧信号に変換する平滑回
路、(8)この平滑回路の出力に所定の感度、零点など
の調整を行う調整回路、などが必要であり、検出回路全
体としての規模が大きくなり、コストが高くなるととも
に、回路の安定性、特に環境温度に対する安定性の保証
の点で問題があった。
【0009】この発明は、このような従来の問題点を除
去するためになされたものであり、駆動信号制御回路と
位相調整回路を除去でき、簡単な構成で、環境温度に対
して安定性が向上できるとともに、リップル成分を低減
でき、平滑回路の簡略化ならびに平滑回路の平滑時定数
の低減による応答性の向上とコストの低減を可能とする
力検出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、加えられる外力に対してほぼ可逆的に
透磁率が変化する磁歪材料と、この磁歪材料の前記可逆
的に透磁率が変化する二つの部位にそれぞれ巻装され直
列接続された二つのコイルと、この二つのコイルの両端
に相互に逆位相の方形波電圧を印加する駆動手段と、前
記二つのコイルの接続部より得られる第1の信号とこの
第1の信号を平滑して得られる第2の信号を基に前記方
形波電圧の反転タイミングに同期して(第1の信号−第
2の信号)の演算と(第2の信号−第1の信号)の演算
とを交互に行う演算回路とを備えるものとした。
【0011】
【作用】この発明によれば、駆動手段から出力される互
いに逆位相の方形波電圧を直列に接続された二つのコイ
ルの両端に印加することにより、二つのコイルは印加電
圧の半周期ごとに方向が反転する励磁電流が流れ、この
励磁電流により、磁歪材料を励磁する。磁歪材料に外力
が加わることにより、形状異方性が生じると、磁歪材料
の透磁率が可逆的に変化し、両コイルのインピ−ダンス
がほぼ可逆的に変化し、それに応じて接続点ので電圧が
変化する。この接続点から得られる第1の信号とそれを
平滑した第2の信号を演算回路に加えて、(第1の信号
−第2の信号)と(第2の信号−第1の信号)の各演算
を駆動手段から出力される方形波電圧の反転タイミング
に同期して行うことにより、磁歪材料に加わる力に対応
した出力が得られる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の力検出装置の実施例につい
て図面に基づき説明する。図1はその第1の実施例の構
成を示すブロック図である。この図1において、まず、
構成から説明する。図1における1は磁歪材料からなる
か、または表面に磁歪材料からなる層を形成したシヤフ
トであり、、たとえば、自動車における駆動軸などが好
適な適用例である。
【0013】このシヤフト1の表面には、トルクの印加
によって生じる引っ張り応力ならびに圧縮応力のそれぞ
れに対応した磁気特性の変化に感度をもたせるために、
磁気異方性を付与する手段とし、溝などの形成による形
状異方性部位1a、1bが形成されている。この形状異
方性部位1aの位置に対応してシヤフト1の外周にコイ
ル2が巻装されている。
【0014】同様にして、形状異方性部位1bの位置に
対応して、コイル3が巻装されている。両コイル2と3
は直列に接続されている。各コイル2、3の生成する磁
束が形状異方性部位1a、1bに有効に流れ、隣のコイ
ルと干渉しないように、図1には示されていないが、通
常は各コイル2、3を囲むように磁性材料からなるヨ−
クが配置される。
【0015】また、方形波発振回路4が、磁歪材料の持
つ特性に合わせて、たとえば、10KHz〜50KHz
の領域内で最適な周波数に設定された方形波信号を発生
するようになっている。この方形波発振回路4から図2
の(a)に示されるようなデュティ50%の発振出力a
がドライブ回路5に入力されるようになっている。
【0016】ドライブ回路5の第1の出力端5aから
は、デュティ50%で図2の(b)に示すロ−レベル0
[V]、ハイレベルVc[V]の方形波の第1の駆動電
圧bが出力され、図2の(c)に示すその反転信号であ
る第2の駆動電圧cが、第2の出力端5bから出力され
るようになっている。第1の駆動電圧bはコイル2の一
端に印加されるようになっている。第2の駆動電圧cは
コイル3の一端に印加されるようになっている。
【0017】両コイル2、3の接続点からは、図2の
(d)に示すコイル接続点電圧dが演算回路として使用
される同期型反転差動増幅回路7の反転入力端7b(−
入力端)に直接入力されるようになっている。また、コ
イル接続点電圧dは、同時にロ−パスフイルタとしての
平滑回路6にも入力されるようになっている。平滑回路
6の出力、すなわち、図2の(e)に示す平滑回路出力
eは同期型反転差動増幅回路7の非反転入力端7c(+
入力端)に入力されるようになっている。
【0018】前記ドライブ回路5から出力される第1の
駆動電圧b、第2の駆動電圧cのうちの一方、たとえ
ば、図1の例で示すように、第1の駆動電圧bが同期型
反転差動増幅回路7に対して同期信号入力端7aに入力
されるようになっている。
【0019】この同期型反転差動増幅回路7の具体的回
路構成の一例が図3に示される。ここでは、アナログス
イッチ7dと差動増幅回路7eとを主体にして構成さ
れ、アナログスイッチ7dは、二つの可動端子7d1、
7d2を有している。可動端子7d1、7d2は図1に
示したドライブ回路5から出力される第1の駆動電圧b
により連動して切り換えるようになっている。
【0020】可動端子7d1は固定端子7d3と7d4
を切り換え、可動端子7d2は固定端子7d5と7d6
とを切り換えるようになっている。固定端子7d3と7
d6が接続され、図1のコイル2と3との接続点のコイ
ル接続点電圧dが印加されるようになっている。また、
固定端子7d4と7d5が接続され、図1の平滑回路6
から出力される平滑回路出力eが印加されるようになっ
ている。
【0021】アナログスイッチ7dの可動端子7d1
は、抵抗R1を介して差動増幅回路7eの反転入力端7
b1に接続されている。同様にして、可動端子7d2
は、抵抗R2を介して差動増幅回路7eの非反転入力端
7c1に接続されている。この非反転入力端7c1は、
抵抗R3とコンデンサC1を経てア−スされている。抵
抗R3とコンデンサC1との接続点は前記固定端子7d
5に接続され、平滑回路出力eが差動増幅回路7eの基
準電圧として印加されるようになっており、この差動増
幅回路7eの出力端と反転入力端間には、抵抗R4が接
続されている。かくして、同期型反転差動増幅回路7が
構成されている。
【0022】このように、図3の同期型反転差動増幅回
路7では、アナログスイッチ7dに第1の駆動電圧bが
印加されることにより、可動端子7d1が固定端子7d
3と7d4、可動端子7d2が固定端子7d5と7d6
を切り換えることにより、反転入力端7b1,非反転入
力端7c1には、コイル接続点電圧dと平滑回路出力e
とが交互に切り換わって入力されるようになっている。
【0023】差動増幅回路7eの出力端からは、コイル
接続点電圧dと平滑回路出力eとの差動信号fが出力さ
れる。この差動信号fは図1のロ−パスフイルタとして
の平滑回路8に入力されるようになっている。
【0024】ここで、説明を再び図1に戻す。この図1
の同期型反転差動増幅回路7の出力端、(すなわち、図
3の差動増幅回路7eの出力端)から出力された差動信
号fは上述のように、平滑回路8に入力されると、その
出力端から平滑回路出力gが感度零点調整回路9に入力
されるようになっている。この感度零点調整回路9は、
感度ゲインや零点の必要な調整を行う回路であり、全体
がアッセンブリされた後、最終的にばらつき調整を実施
するためのものである。
【0025】次に、動作について説明する。方形波発振
回路4は、図2の(a)に示すような方形波の発振出力
aをドライブ回路5に送出する.これにより、ドライブ
回路5は第1の出力端5aから図2の(b)に示すよう
な第1の駆動電圧bを発生するとともに、第2の出力端
5bから、図2の(c)に示すような第2の駆動電圧c
を発生する。 第1の駆動電圧bはデュティ50%でロ
−レベル0[V]とハイレベルVc[V](たとえば、
6V)の方形波電圧であり、この第1の駆動電圧bはコ
イル2の一端に印加されると同時に、演算回路7の同期
信号入力端7a(図3ではアナログスイッチ7dの可動
端子7d1、7d2)に印加される。
【0026】また、ドライブ回路5の第2の出力端5b
から出力される第2の駆動電圧cは第1の駆動電圧bを
反転した電圧である。第2の駆動電圧cはコイル3の一
端に印加される。したがって、コイル2,3には、交互
に「0−Vc」間または「Vc−0」間の電圧が印加さ
れる。この印加電圧により、コイル2、3には半周期ご
とに方向が反転する電流が流れる。この電流により、コ
イル2、3から磁束が発生して、磁歪材料に流れる。つ
まり、磁歪材料によるシヤフト1の形状異方性部位1
a、1bおいては、外部から加えられる応力により透磁
率が変化し、その変化に応じてコイル2、3のインピー
タンスが変化して、コイル2と3との接続点から出力さ
れるコイル接続点電圧dが変化し、シヤフト1に加えら
れた応力を検出することになる。
【0027】コイル接続点電圧dは、同期型反転差動増
幅回路7の反転入力端7bに入力さると同時に平滑回路
6に入力され、そこで平滑して、低周波数成分の平滑回
路出力eが同期型反転差動増幅回路7の非反転入力端7
cに入力され。同期型反転差動増幅回路7の同期信号入
力端7aには、第1の駆動電圧bが印加されており、こ
の第1の駆動電圧bの反転タイミングに同期して、同期
型反転差動増幅回路7は、(コイル接続点電圧d−平滑
回路出力e)と(平滑回路出力e−コイル接続点電圧
d)の演算を交互に行い、その演算結果として差動信号
fを平滑回路8に出力して、そこで平滑し、アナログ電
圧に変換する。
【0028】前記同期型反転差動増幅回路7の作動を図
3で説明すれば、平滑回路6から出力される平滑回路出
力eが、差動増幅回路7eの非反転入力端7c1に、抵
抗R3を経て基準出圧として印加されており、第1の駆
動電圧bの反転ごとに、アナログスイッチ7dの可動端
子7d1は固定端子7d4と7d4を切り換えると同時
に、可動端子7d2は固定端子7d5と7d6を切り換
える。これにより、前記コイル接続点電圧dと平滑回路
出力eがアナログスイッチ7dにより交互に切り換えら
れ、抵抗R1,R2を介して差動増幅回路7eの反転入
力端7b1と非反転入力端7c1に入力され、前記と同
様に、(コイル接続点電圧d−平滑回路出力e)と(平
滑回路出力e−コイル接続点電圧d)の演算を交互に行
い、差動信号fを図1の平滑回路8に送出する。
【0029】図1の平滑回路8は、同期型反転差動増幅
回路7から出力される差動信号fが入力されると、これ
を平滑して低周波数成分を取り出して、アナログ電圧に
変換した平滑回路出力gを感度、零点調整回路9に出力
する。この感度、零点調整回路9は、最終出力の形態を
図5に示すトルク−出力電圧特性の傾きや、零点のばら
つきを調整する。これらのばらつきは主に磁歪材料の製
造のばらつきや、アセンブリ時のコイル対シヤフト1の
磁気異方性部位の相対位置のばらつきによるものであ
る。
【0030】ここで、前記コイル2、3と同期型反転差
動増幅回路7の部分の動作についてさらに詳細に説明す
る。すでに述べたように、上記のコイル2、3には、半
周期ごとに方向が反転する電流が流れるようにすること
により、磁歪材料には、磁化特性曲線(以下、B−H曲
線という)の磁束Bが零の点を中心として左右対称な磁
束Bを印加して使用する状態となる。
【0031】このため、一定電流(ひいては、一定磁
束)がバイアスされて磁歪材料が使用される場合に問題
となるB−H曲線の非線型性や、ヒステリシス特性を要
因として雰囲気温度の変化によって発生する感度や、対
トルクヒステリシスの変動などが緩和され、、コイル接
続点電圧dが安定した状態で得られる。また、コイル
2,3に対しては、見かけ上2VcP−Pの電圧、すな
わち、電源電圧の2倍のピ−ク・ピ−クの電圧で励磁が
でき、検出感度を安定化できるとともに、高めることが
できる。
【0032】さらに、この発明では、コイル2、3の印
加電圧を零〜電源電圧(定電圧電源)の方形波としてい
るから、通常の正弦波を使用した場合に問題となる波形
の歪み率や位相変動の影響を受けにくく、回路構成も極
めて簡略化できる。
【0033】さらに、図4に信号波形を示して各部の動
作の説明をする。図4の(a)、(b)はそれぞれ図2
の(b)、(c)に対応しており、図4の(a)に示す
第1の駆動電圧bがコイル2の一端に印加され、図4の
(b)に示す第2の駆動電圧cは第1の駆動信号bを反
転してコイル3の一端に印加され、そして演算回路7の
アナログスイッチ7dの可動端子7d1、7d2を切り
換える同期信号にも、この第1の駆動電圧bが使用され
る。したがって、正弦波駆動の従来の場合のように、位
相調整回路や正弦波から同期信号を生成するコンパレ−
タ等の回路が不要となる。
【0034】図4の(a)の第1の駆動電圧bをコイル
2の一端に印加し、(b)の第2の駆動電圧cをコイル
3の一端に印加することにより、コイル2,3には図4
の(c)に示すような励磁電流が流れる。この励磁電流
は、方形波の第1の駆動電圧b、第2の駆動電圧cに対
して積分波形となる。また、コイル2と3との接続点に
現れるコイル接続点電圧dは図4の(d)に示されるよ
うに励磁電流の微分波形で出力される。
【0035】前記コイル接続点電圧dは、第1の駆動電
圧bと第2の駆動電圧cとによる印加電圧を両コイル
2、3のインピ−ダンスで分圧された値として換算でき
る。いま、磁歪材料によるシヤフト1にトルク(外部応
力)が印加されていない状態での両コイル2、3のイン
ピ−ダンスをZとし、シヤフト1にある方向に捩じりト
ルクが印加された状態でコイル2のインピ−ダンスが
(Z−ΔZ)なる変化をした場合、コイル3のインピ−
ダンスは(Z+ΔZ)で表わされる。
【0036】すなわち、シヤフト1に対する形状異方性
部位1a、1bの変形により透磁率が変化することによ
り、両コイル2、3のインピ−ダンスはほぼ可逆的変化
を示す。しがって、方形波の第1の駆動電圧b、第2の
駆動電圧cのある半周期において、コイル接続点電圧d
は次の[数1]で表す信号となる。
【数1】
【0037】また、方形波の第1の駆動電圧b、第2の
駆動電圧cの次の半周期のコイル接続点電圧dは次の
[数2]で表す信号となり、これらが上記の図4の
(d)に示されるものである。
【数2】
【0038】ここで、上記と逆の信号が印加された場合
には、第1の駆動電圧b、第2の駆動電圧cを基準とし
た前記半周期におけるコイル接続点電圧dは前記[数
2]で表わされる信号となり、次の半周期では、前記
[数1]で表わされる信号となる。
【0039】このコイル接続点電圧dは、同期型反転差
動増幅回路7の反転入力端7bに直接入力さるととも
に、平滑回路6で平滑され、平滑出力eが同期型反転差
動増幅回路7の非反転入力端7cに入力され、同期型反
転差動増幅回路7は第1の駆動電圧b、第2の駆動点圧
cのある半周期において、次の[数3]で表わされる演
算を行う。
【数3】 そして、次の半周期においては、次の[数4]で表わさ
れる演算を行う。
【数4】
【0040】この[数3]、[数4]の演算結果とし
て、全周期を通じて基準電圧Vc/2を中点とした図4
の(e)に示す信号が同期型反転差動増幅回路7から差
動信号fとして出力される。すなわち、次の[数5]で
表わされる信号が得られる。
【数5】 また、シヤフト1に逆トルクが印加された場合には、前
記と同様に全周期を通じて、次の[数6]で表せる信号
が同期型反転差動増幅回路7から得られ、シヤフト1に
トルクが印加されない場合には、同期型反転差動増幅回
路7の出力信号はVc/2となる。
【数6】
【0041】図4の(e)の信号波形図から明らかなよ
うに、図4の(d)の方形波信号の立ち上がり、立ち下
がり部、すなわち、方形波信号のエッジ部に生じる回路
の応答遅れなどに起因するスパイク状の信号と、コイル
の減衰特性に起因する振動的波形は、いずれもコイル
2、3の駆動周波数に比較して高い周波数帯の信号であ
り、信号の平滑が極めて行い易いという利点がある。つ
まり、従来の正弦波駆動の場合には、同期検波の後に全
波整流する場合においても、リップル除去用の平滑回路
としてのロ−パスフイルタのカット周波数の100分の
1程度に設定する必要がある。したがって、応答性が制
約されることになる。
【0042】これに対して、本実施例では、信号波形が
連続した方形波であり、リップルも小さく、信号の平滑
は主に方形波のエッジ部に同期したスパイク状の駆動周
波数よりも高い周波数成分の除去ができればよく、ロ−
パスフイルタのカットオフ周波数は信号の基本周波数近
くまで高めることが可能である。すなわち、リップルを
除去するために信号を平滑しても、応答性が大きく損な
われることがなく、応答性に優れた力検出装置を実現で
きる。
【0043】上記から明らかなように、上記実施例で
は、磁歪材料によるシヤフト1に形成した形状異方性部
位1a、1bに対応して二つのコイル2、3を配置して
直列に接続し、両コイル2、3の両端に相互に逆相とな
る方形波の第1の駆動電圧bと第2の駆動電圧cを印加
し、両コイルの接続点より得られるコイル接続点電圧d
とそれを平滑回路6で平滑した平滑回路出力eとを同期
型反転差動増幅回路7に入力して、第1の駆動電圧bの
反転タイミングに同期して(コイル接続点電圧d−平滑
回路出力e)の演算と(平滑回路出力e−コイル接続点
電圧d)の演算を交互に行って差動信号fを得るように
したので、簡単な回路構成にでき、応答性が改善され、
かつ環境温度などの影響も受け難くなる効果が得られ
る。
【0044】次に、この発明の第2の実施例について説
明する。図6は第2の実施例の構成を示すブロック図で
あり、図1と同一部分には、同一符号を付すのみにとど
め、図1とは異なる部分を主体的に説明する。この図6
を図1と比較しても明らかなように、図6では図1の構
成に新たにサンプリング信号発生回路10を設けたもの
である。
【0045】すなわち、前記同期型反転差動増幅回路7
の出力形態の特徴を生かして、信号の平滑にサンプルホ
−ルド回路11を使用することによって、さらに応答性
を高めるようにしたものであり、ドライブ回路5の第1
の出力端5aから出力される第1の駆動電圧bが、サン
プリング信号発生回路10に入力されるようになってい
る。このサンプリング信号発生回路10からサンプリン
グ信号gがサンプルホ−ルド回路11に入力されるよう
になっている。このサンプルホ−ルド回路11は図1の
平滑回路8の位置に挿入されている。したがって、図6
では、図1における平滑回路8が省略されている。その
他の構成は図1と同様である。
【0046】次に、第2の実施例の動作について説明す
る。この動作の説明に際しても、図1と同じ動作をする
部分にいては、重複説明を避ける。従来のような正弦波
駆動における同期検波の場合には、平滑回路に積分機能
が必要となるが、この発明のように、方形波駆動におい
て得られる出力波形は、とくに図4の(e)の同期型反
転差動増幅回路7の出力波形において明らかなように、
出力の不安定部分は方形波の立ち上がり、立ち下がり部
に限定され、他の部位、すなわち、ピ−ク値は印加トル
クに対応した一定値で安定して保持されていることが特
徴となっている。
【0047】図7はこの第2の実施例の動作を説明する
ための波形図であり、図7の(a)〜(e)は図2の
(a)〜(e)と同じであり、その部分に関連する部分
の説明は割愛する。図7の(b)に示される前記方形波
による第1の駆動電圧bがサンプリング信号発生回路1
0に入力されると、このサンプリング信号発生回路10
は第1の駆動電圧bを基準にしてその立ち上がり点、立
ち下がり点より所定の時間遅れをもって図7(g)に示
すようになサンプリング信号gを発生してサンプルホ−
ルド回路11に出力する。
【0048】このサンプリング信号gの時間遅れの設定
の厳密さは問われず、立ち上がり点、立ち下がり点の出
力変動部位を避けることを主眼に設定される。このサン
プリング信号gがサンプルホ−ルド回路11に入力され
ると、これに同期して同期型反転差動増幅回路7から出
力される図7の(f)のような差動信号fをホ−ルド
し、更新を実行し、図7(h)に示すようなサンプルホ
−ルド信号hすなわち、アナログ電圧を感度、零点調整
回路9に出力する。
【0049】この実施例によれば、シヤフト1に加わる
実トルクに対して最大に見積もっても、駆動信号の半周
期分の遅れが発生するだけであり、積分機能を用いた平
滑回路に比較して、駆動周波数まで応答性を高めること
ができ、格段の高応答性が得られる利点を有する。
【0050】なお、上記各実施例では、アナログ出力を
得るための構成を例示したが、この発明はこれに限定さ
れるものではなく、上記方形波の信号の特徴を生かせ
ば、平滑処理を一切行わず、マイクロプロセッサなどで
所定タイミングで方形波の出力の所定点の読み込みを行
うことにより、トルクの検出が可能であることは自明で
ある。また、上記各実施例では、トルク検出を例として
説明したが、トルクのみならず、磁歪方式でブリッジ回
路で検出する力検出器に広く適用可能であることはいう
までもない。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、その構成を磁歪材料の外部から加わる応力により、
可逆的に透磁率が変化する二つの部位にそれぞれコイル
を巻装し、両コイルを直列に接続して両コイルの両端に
相互に逆相となる方形波の駆動電圧を印加し、両コイル
の接続点から得られる第1の信号とそれを平滑した第2
の信号を演算回路に入力していずれか一方の方形波の駆
動電圧の反転タイミングに同期して(第1の信号−第2
の信号)と(第2の信号−第1の信号)の演算を交互に
行うことにより、応力を検出するようにしたので、ピ−
ク・ツ−・ピ−クで電源電圧の2倍近い大きな励磁電圧
がコイルに印加でき、出力感度の向上と安定化が図られ
るとともに、リップルの少ない出力が得られ、信号の平
滑を行っても応答性を損なうことがなく、高応答性がえ
られる。また、回路構成を簡略化でき、したがってコス
トの低減が可能となるとともに、雰囲気温度に対する安
定性が向上する。また、図6の実施例は上記共通の効果
に加えて、さらに駆動周波数まで応答性を高めることが
でき、極めて応答性の高い力検出装置を実現できるとい
う利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の力検出装置の第1の実施例の構成を示
すブロック図である。
【図2】図1の実施例の動作を説明するための波形図で
ある。
【図3】図1の実施例における同期反転型差動増幅回路
の具体的構成を示す回路図である。
【図4】図1の実施例の動作を詳しく説明するための回
路の各部の信号波形図である。
【図5】図1の実施例で最終的に得られるトルク対出力
電圧特性図である。
【図6】第2の実施例の構成を示すブロック図である。
【図7】図6の実施例の動作を説明するための波形図で
ある。
【符号の説明】
1 シヤフト 1a 形状異方性部位 1b 形状異方性部位 2 コイル 3 コイル 4 方形波発振回路 5 ドライブ回路 6 平滑回路 7 同期型反転差動増幅回路 7d アナログスイッチ 7e 差動増幅回路 8 平滑回路 9 感度、零点調整回路 10 サンプリング信号発生回路 11 サンプルホ−ルド回路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加えられる外力に対してほぼ可逆的に透
    磁率が変化する磁歪材料と、この磁歪材料の前記可逆的
    に透磁率が変化する二つの部位にそれぞれ巻装され直列
    接続された二つのコイルと、この二つのコイルの両端に
    相互に逆位相の方形波電圧を印加する駆動手段と、前記
    二つのコイルの接続部より得られる第1の信号とこの第
    1の信号を平滑して得られる第2の信号を基に前記方形
    波電圧の反転タイミングに同期して(第1の信号−第2
    の信号)の演算と(第2の信号−第1の信号)の演算と
    を交互に行う演算回路とを備えたことを特徴とする力検
    出装置。
  2. 【請求項2】 前記演算回路の出力は、平滑回路により
    平滑してアナログ電圧とすることを特徴とする請求項1
    記載の力検出装置。
  3. 【請求項3】 前記演算回路の出力は、前記方形波電圧
    の立ち上がり、立ち下がりより所定時間遅延したサンプ
    リング信号に同期してサンプルホ−ルド回路によりサン
    プリングおよびホ−ルドすることを特徴とする請求項1
    記載の力検出装置。
  4. 【請求項4】 前記演算回路は、前記駆動手段から出力
    される前記方形波電圧で直接切り換えられるアナログス
    イッチと、このアナログスイッチの切り換えごとに前記
    第1の信号と前記第2の信号を反転入力端と非反転入力
    端に交互に入力して前記(第1の信号−第2の信号)の
    演算と(第2の信号−第1の信号)の演算を行うととも
    に、前記第2の信号を基準電圧とする差動増幅回路とか
    らなることを特徴とする請求項1記載の力検出装置。
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