JPH09166437A - 磁気探知装置及び信号変換方法 - Google Patents

磁気探知装置及び信号変換方法

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JPH09166437A
JPH09166437A JP7328691A JP32869195A JPH09166437A JP H09166437 A JPH09166437 A JP H09166437A JP 7328691 A JP7328691 A JP 7328691A JP 32869195 A JP32869195 A JP 32869195A JP H09166437 A JPH09166437 A JP H09166437A
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JP
Japan
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signal
output
sensor
detection device
magnetic
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JP7328691A
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Inventor
Kazuo Kurihara
一夫 栗原
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気センサによって検出された信号をコンピ
ュータによる処理が容易な信号に変換する信号変換方法
を提供するとともに、コンピュータによる処理が容易な
信号を出力する磁気探知装置を提供する。 【解決手段】 本発明の磁気探知装置は、外部磁界の大
きさを複数の方向について検出し、各方向における外部
磁界の大きさを示す複数の信号を出力する磁気センサ
と、上記磁気センサから出力された複数の信号を、各方
向における外部磁界の大きさを示す各信号が時系列に配
された1つのアナログ信号に変換し出力する信号変換手
段とを備えている。この磁気探知装置では、磁気センサ
からの複数の信号が1つのアナログ信号にまとめられた
上で出力されるので、この磁気探知装置からの信号は、
コンピュータによって容易に処理することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部磁界に応じた
信号を出力する磁気探知装置及びその信号変換方法に関
するものであり、詳しくは、外部磁界に応じた信号を1
つのアナログ信号として出力する新規な磁気探知装置
と、外部磁界に応じた複数の信号を1つのアナログ信号
に変換する新規な信号変換方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】外部磁界を探知する磁気探知装置は、磁
場の検出器や測定器などの計測用から始まり、近年で
は、磁気式スイッチ、磁気式ロータリ・エンコーダ、地
磁気方位検出器など民生用に広く使用されている。
【0003】具体的には、磁気探知装置は、例えば、以
下のようにカラー陰極線管のランディング補正に使用さ
れている。
【0004】カラー陰極線管において、電子銃から出射
された電子ビームの軌道が地磁気等による外部磁界によ
って曲げられ、蛍光面上での電子ビーム到達位置、すな
わち電子ビームのランディングに変化が生じることがあ
る。特に高精細度陰極線管では、ランディングの変化に
対する余裕度が小さいために、外部磁界によるランディ
ングの変化が色純度の劣化等の問題を引き起こしてしま
うことがある。これを補正するために、通常、カラー陰
極線管には、ランディング補正コイルが取り付けられて
いる。そして、外部磁界の方位に応じて自動的に、ラン
ディング補正コイルにランディング補正に必要な最適電
流を流すことにより、電子ビームの軌道を制御して、ラ
ンディングの変化を防止するようにしている。ここで、
ランディング補正を行うには、外部磁界の方位を正確に
検出する必要があり、この検出のために磁気探知装置が
使用されている。このように、外部磁界の影響を補正す
る必要があるカラー陰極線管のような機器において、磁
気探知装置は非常に重要な装置となっている。
【0005】また、磁気探知装置は、従来から用いられ
てきた磁石式の方位計、すなわち磁気コンパスの代替と
して、携帯型の方位計としても使用されている。
【0006】ところで、通常、磁気探知装置は、外部磁
界の方位を求めるために、外部磁界の大きさを複数の方
向について検出し、各方向における外部磁界の大きさを
示す信号を出力する。
【0007】すなわち、従来の磁気探知装置は、例え
ば、互いに直交するX軸方向とY軸方向の外部磁界成分
を検出し、電圧レベルによってX軸方向の外部磁界の大
きさを示すアナログ信号VXと、電圧レベルによってY
軸方向の外部磁界の大きさを示すアナログ信号VYと、
これらのアナログ信号VX,VYの基準となる基準電圧
V0とを出力するようになっている。
【0008】具体的には、例えば、図15に示すよう
な、いわゆるフラックスゲート型磁気センサを用いた磁
気探知装置では、フラックスゲート型磁気センサのセン
サ部100によって互いに直交するX軸方向とY軸方向
の外部磁界成分を検出し、この検出された信号に対して
同期検波回路や積分回路等によって信号処理を施して、
電圧レベルによってX軸方向の外部磁界の大きさを示す
アナログ信号VXと、電圧レベルによってY軸方向の外
部磁界の大きさを示すアナログ信号VYとを出力すると
ともに、これらのアナログ信号VX,VYの基準となる
基準電圧V0を出力する。
【0009】また、例えば、図16に示すような、いわ
ゆる磁気抵抗効果型磁気センサを用いた磁気探知装置で
は、磁気抵抗効果型磁気センサのセンサ部110によっ
て互いに直交するX軸方向とY軸方向の外部磁界成分を
検出し、この検出された信号に対して同期検波回路等に
よって信号処理を施して、電圧レベルによってX軸方向
の外部磁界の大きさを示すアナログ信号VXと、電圧レ
ベルによってY軸方向の外部磁界の大きさを示すアナロ
グ信号VYとを出力するとともに、これらのアナログ信
号VX,VYの基準となる基準電圧V0を出力する。
【0010】以上のような磁気探知装置から出力される
アナログ信号VX及びアナログ信号VYは、外部磁界の
方位θによって変化する。すなわち、外部磁界の大きさ
をHEとすると、アナログ信号VXと基準電圧V0の差
はHE・sinθに比例し、アナログ信号VYと基準電
圧V0の差はHE・cosθに比例する。したがって、
横軸に外部磁界の方位θをとって、アナログ信号VX及
びアナログ信号VYの電圧をプロットすると、図17に
示すようになる。
【0011】そして、アナログ信号VXと基準電圧V0
の差がHE・sinθに比例し、アナログ信号VYと基
準電圧V0の差がHE・cosθに比例することから、
アナログ信号VXと基準電圧V0の差と、アナログ信号
VYと基準電圧V0の差との比は、下記式(1−1)に
示すように、tanθで表される。
【0012】 (VX−V0)/(VY−V0)=sinθ/cosθ=tanθ ・・・(1−1) したがって、外部磁界の方位θは、下記式(1−2)で
表される。
【0013】 θ=tan-1{(VX−V0)/(VY−V0)} ・・・(1−2) ただし、上記式(1−2)において、VX≧0のとき
は、0°≦θ≦180°であり、VX<0のときは、1
80°<θ<360°である。
【0014】そして、通常、磁気探知装置から出力され
た3つのアナログ信号、すなわちアナログ信号VX、ア
ナログ信号VY及び基準電圧V0は、A/Dコンバータ
によってデジタル信号へ変換された上でコンピュータに
入力され、コンピュータによって上記式(1−2)に示
したような演算が行われ、外部磁界の方位θが算出され
る。
【0015】ところで、このような磁気探知装置は、3
つのアナログ信号、すなわちアナログ信号VX、アナロ
グ信号VY及び基準電圧V0を出力するので、これらの
信号をコンピュータで処理するために、A/Dコンバー
タとコンピュータ入力端子とが3組も必要となる。した
がって、このような磁気探知装置では、磁気探知装置を
組み込んだ機器の低価格化を進めることが困難であっ
た。
【0016】具体的には、例えば、カラー陰極線管のよ
うな機器に以上のような磁気探知装置を組み込む際は、
電子ビームの制御等のような他の処理に使用されている
A/Dコンバータ内蔵型小型コンピュータを、外部磁界
の方位の算出にも用いることが好ましい。しかし、A/
Dコンバータ内蔵型小型コンピュータを、電子ビームの
制御等のような他の処理と、磁気探知装置から出力され
た信号の処理とで兼用することは、コンピュータにかか
る負担が大きすぎるために難しい。そのため、磁気探知
装置を組み込んだカラー陰極線管のような機器では、磁
気探知装置から出力された信号の処理を専用に行うコン
ピュータが必要となっており、低価格化を進めることが
困難となっていた。
【0017】また、従来の磁気探知装置には、複数の方
向における外部磁界の大きさを示す信号を、1つのデジ
タル信号として出力するタイプのものもある。
【0018】このような磁気探知装置では、例えば、互
いに直交するX軸方向とY軸方向の外部磁界成分を検出
し、図18に示すように、発振周期Tx1によって+X
軸方向の外部磁界の大きさを示すデジタル信号VX1
と、発振周期Tx2によって−X軸方向の外部磁界の大
きさを示すデジタル信号VX2と、発振周期Ty1によ
って+Y軸方向の外部磁界の大きさを示すデジタル信号
VY1と、発振周期Ty2によって−Y軸方向の外部磁
界の大きさを示すデジタル信号VY2とが、セレクト信
号S10及びセレクト信号S11によって切り替えら
れ、これらの信号が時系列に並べられたデジタル信号V
dを出力する。そして、通常、このような磁気探知装置
から出力されたデジタル信号Vdはコンピュータに入力
され、コンピュータによって演算が行われて外部磁界の
方位θが算出される。
【0019】このような磁気探知装置では、磁気探知装
置から出力される信号はデジタル信号であるので、磁気
探知装置から出力される信号は、A/Dコンバータを介
することなく、コンピュータに取り込むことができる。
【0020】しかし、このような磁気探知装置を用いる
場合には、デジタル信号Vdの発振周期Tx1,Tx
2,Ty1,Ty2から、X軸方向の外部磁界の大きさ
や、Y軸方向の外部磁界の大きさを求める必要があるの
で、コンピュータは発振周期Tx1,Tx2,Ty1,
Ty2を求めるためのカウンタ機能を備える必要があ
る。したがって、このような磁気探知装置では、コンピ
ュータにかかる負担が大きくなってしまい、磁気探知装
置を組み込んだ機器の低価格化を進めることが困難であ
った。
【0021】具体的には、例えば、カラー陰極線管のよ
うな機器に以上のような磁気探知装置を組み込む際は、
電子ビームの制御等のような他の処理に使用されている
小型コンピュータを、外部磁界の方位の算出にも用いる
ことが好ましい。しかし、小型コンピュータを、電子ビ
ームの制御等のような他の処理と、磁気探知装置から出
力された信号の処理とで兼用することは、コンピュータ
にかかる負担が大きすぎるために難しい。そのため、磁
気探知装置を組み込んだカラー陰極線管のような機器で
は、磁気探知装置から出力された信号の処理を専用に行
うコンピュータが必要となっており、低価格化を進める
ことが困難となっていた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来知
られている磁気探知装置では、磁気探知装置から出力さ
れた信号の処理を専用に行うコンピュータが必要となっ
ており、低価格化を進めることが難しかった。
【0023】そこで本発明は、このような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、コンピュータによる処理
が容易な信号を出力し、低価格化を進めることが可能な
磁気探知装置を提供することを目的としている。
【0024】また、本発明は、磁気センサによって検出
された信号をコンピュータによる処理が容易な信号に変
換する信号変換方法を提供することも目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに完成された本発明に係る磁気探知装置は、外部磁界
の大きさを複数の方向について検出し、各方向における
外部磁界の大きさを示す信号を出力する磁気センサと、
上記磁気センサから出力された信号を、各方向における
外部磁界の大きさを示す信号が時系列に配された1つの
アナログ信号に、セレクト信号を用いて変換し出力する
信号変換手段とを備えることを特徴とするものである。
この磁気探知装置では、例えば、信号変換手段にセレク
ト信号によって動作するバイラテラルスイッチを設け、
このバイラテラルスイッチを用いて磁気センサから出力
される信号を1つの信号に変換する。
【0026】このような本発明の磁気探知装置からの信
号をコンピュータに入力する際には、磁気探知装置から
出力されたアナログ信号をA/Dコンバータによってデ
ジタル信号に変換した上でコンピュータに入力する。こ
こで、本発明の磁気探知装置では、磁気センサからの複
数の信号を信号変換手段によって1つのアナログ信号に
まとめた上で出力しているので、磁気探知装置からの信
号をコンピュータに入力するのに必要なA/Dコンバー
タとコンピュータ入力端子は1組だけでよく、磁気探知
装置からの信号を非常に容易にコンピュータに入力する
ことができる。また、この磁気探知装置から出力される
信号はアナログ信号であるため、コンピュータによる処
理が容易であり、磁気探知装置からの信号の処理を行う
コンピュータに、カウンタ機能のような負荷の大きな機
能を設けることなく、磁気探知装置からの信号の処理を
行うことが出来る。
【0027】上記磁気探知装置において、磁気センサ
は、少なくとも、互いに逆向きの第1の方向と第2の方
向における外部磁界の大きさを検出することが好まし
い。そして、このとき、信号変換手段によって変換され
出力されるアナログ信号のうち、第1の方向に対応して
出力されるアナログ信号と、第2の方向に対応して出力
されるアナログ信号とが、基準電位に対して差動の関係
にあることが好ましい。
【0028】このように、基準電位に対して差動の関係
にある2つの信号、すなわち第1の方向に対応したアナ
ログ信号と、第1の方向に対して逆向きの第2の方向に
対応したアナログ信号とを磁気探知装置から出力するこ
とにより、外部磁界がない状態である0点を容易に識別
することが可能となる。
【0029】また、ある方向における外部磁界の大きさ
を示す信号として、このように基準電位に対して差動の
関係にある2つのアナログ信号を出力することにより、
その方向における外部磁界の大きさに応じた信号を、出
力バッファなどの要因によって決まるダイナミックレン
ジの2倍の出力として得ることができる。すなわち、あ
る方向における外部磁界の大きさを検出する際に、基準
電位に対して差動の関係にある2つのアナログ信号を用
いることにより、分解能を2倍にすることができる。
【0030】なお、上記磁気探知装置において、磁気セ
ンサから出力される信号は、アナログ信号であっても、
デジタル信号であってもよい。そして、磁気センサから
出力される信号がデジタル信号である場合には、例え
ば、信号変換手段に積分回路を設け、磁気センサから出
力されるデジタル信号を、この積分回路を用いて積分す
ることによってアナログ信号に変換する。
【0031】一方、本発明に掛かる信号変換方法は、磁
気センサによって検出された複数の方向における外部磁
界の大きさを示す信号を変換する信号変換方法であっ
て、磁気センサから出力された各方向における外部磁界
の大きさを示す信号を、各方向における外部磁界の大き
さを示す信号が時系列に配された1つのアナログ信号
に、セレクト信号を用いて変換することを特徴とするも
のである。ここで、磁気センサから出力される信号は、
例えば、バイラテラルスイッチを用いて1つの信号に変
換する。
【0032】なお、上記信号変換方法において、磁気セ
ンサから出力される信号は、アナログ信号であっても、
デジタル信号であってもよい。そして、磁気センサから
出力される信号がデジタル信号である場合には、例え
ば、磁気センサから出力されるデジタル信号は、積分回
路を用いて積分することによってアナログ信号に変換す
る。
【0033】このような本発明の信号変換方法によれ
ば、磁気センサからの出力が、コンピュータへの入力が
容易な1つのアナログ信号に変換される。したがって、
この信号変換方法を適用した磁気探知装置では、磁気探
知装置からの信号を非常に容易にコンピュータに取り込
むことが可能となる。また、本発明の信号変換方法によ
って変換された信号は、アナログ信号であるため、コン
ピュータによる処理が非常に容易である。したがって、
この信号変換方法を適用した磁気探知装置では、出力さ
れる信号が、コンピュータによる処理が容易な信号とな
り、磁気探知装置からの信号の処理を行うコンピュータ
にカウンタ機能のような負荷の大きな機能を設ける必要
が無くなる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。なお、本発明は以下の例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、変更が可能であ
ることは言うまでもない。
【0035】まず、本実施の形態に係る磁気探知装置に
用いられる磁気センサについて説明する。
【0036】この磁気センサは、磁気誘導型磁気センサ
であり、図1に示すように、リボン状やワイヤー状に形
成された細長いアモルファス等からなる磁性体1と、こ
の磁性体1の長手方向に巻回された銅線等からなるコイ
ル2とから構成されるセンサ部3を備えている。ここ
で、磁性体1には、数ガウス程度の微弱な磁界で急峻な
透磁率変化を示す角形特性に優れた磁性材料が用いられ
る。
【0037】このようなセンサ部3による外部磁界検出
の原理について、図2を参照しながら説明する。この図
2は、交流バイアス電流i1、又は交流バイアス電流i
1を反転させた交流バイアス電流i2を、センサ部3に
供給したときの状態について、センサ部3のインダクタ
ンスLの変化と対応させて示したものである。
【0038】センサ部3を用いて外部磁界Hexを検出
する際は、コイル2に対して直流バイアス電流成分を含
んだ交流バイアス電流i1を供給することにより、又
は、交流バイアス電流i1を反転させた交流バイアス電
流i2を供給することにより、センサ部3を長手方向に
磁化して、センサ部3の長手方向に直流バイアス磁界成
分を含んだ交流バイアス磁界を発生させる。ここで、コ
イル2に供給する交流バイアス電流i1や交流バイアス
電流i2は、センサ部3のインダクタンスLが急峻な変
化を示す範囲を包括するように設定する。
【0039】そして、図2に示すように、電流値がIa
からIbまで変化する交流バイアス電流i1を供給した
とき、センサ部3のインダクタンスLはLmaxからL
minに変化する。このとき、外部磁界Hex=0であ
るならば、交流バイアス電流i1の立ち上がり時間t1
は、ファラデーの法則によって下記式(2−1)のよう
に表される。
【0040】
【数1】
【0041】一方、このように交流バイアス電流i1を
供給しているときに、外部磁界Hexが加わると、セン
サ部3に流れる電流は、外部磁界Hex分だけシフトし
て、例えば、Ia+IexからIb+Iexまで変化す
るようになる。このとき、交流バイアス電流i1は、I
exの分だけシフトすると共に、その応答波形が変化
し、立ち上がり時間や立ち下がり時間に変化が生じる。
具体的には、例えば、交流バイアス電流i1の立ち上が
り時間t1は、下記式(2−2)で表されるシフト時間
Δt1だけ変化する。
【0042】
【数2】
【0043】このように、交流バイアス電流i1の立ち
上がり時間や立ち下がり時間は、外部磁界Hexの変化
に応じて変化するので、交流バイアス電流i1の立ち上
がり時間や立ち下がり時間のシフト量を検出することに
より、外部磁界Hexの変化を検出することができる。
【0044】また、交流バイアス電流i1を反転させた
交流バイアス電流i2、すなわち、図2に示すように、
電流値が−Iaから−Ibまで変化するような交流バイ
アス電流i2を供給したときも、センサ部3のインダク
タンスLは、LmaxからLminへ変化する。このと
き、外部磁界Hex=0であるならば、交流バイアス電
流i2の立ち上がり時間t2は、ファラデーの法則によ
って下記式(2−3)のように表され、上述の立ち上が
り時間t1と同じとなる。
【0045】
【数3】
【0046】一方、このように交流バイアス電流i2を
供給しているときに、外部磁界Hexが加わると、セン
サ部3に流れる電流は、外部磁界Hex分だけシフトし
て、例えば、−Ia+Iexから−Ib+Iexまで変
化するようになる。このとき、交流バイアス電流i2
は、Iexの分だけシフトすると共に、その応答波形が
変化し、立ち上がり時間や立ち下がり時間に変化が生じ
る。具体的には、例えば、交流バイアス電流i2の立ち
上がり時間t2は、下記式(2−4)で表されるシフト
時間Δt2だけ変化する。
【0047】
【数4】
【0048】このように、交流バイアス電流i2の立ち
上がり時間や立ち下がり時間も、外部磁界Hexの変化
に応じて変化するので、交流バイアス電流i2の立ち上
がり時間や立ち下がり時間のシフト量を検出することに
より、外部磁界Hexの変化を検出することができる。
【0049】そして、交流バイアス電流i1の立ち上が
り時間や立ち下がり時間のシフト量と、交流バイアス電
流i2の立ち上がり時間や立ち下がり時間のシフト量と
は、互いに符号が逆で同じ大きさとなっており、差動の
関係にある。したがって、順方向に電流を流したときの
立ち上がり時間や立ち下がり時間と、逆方向に電流を流
したときの立ち上がり時間や立ち下がり時間とを測定
し、これらの差動を取ることにより、外部磁界Hexの
変化に応じた信号を、一定の方向にだけ電流を流したと
きに比べて2倍の出力として取り出すことができる。ま
た、このように差動を取った場合、外部磁界Hex=0
のときには、交流バイアス電流の立ち上がり時間や立ち
下がり時間が互いにキャンセルされるので、外部磁界H
exがない状態である0点を容易に認識することができ
る。
【0050】そして、以上のようなセンサ部を備えた磁
気センサは、例えば、図3に示すような回路構成とされ
る。すなわち、磁気センサは、例えば、バイラテラルス
イッチ10内に配されたセンサ部11と、バイラテラル
スイッチ10に接続された抵抗12と、方形波発振電圧
Vbを供給する発振電圧供給源13と、抵抗12の両端
から導出された配線に接続されたシュミットトリガ回路
14と、シュミットトリガ回路14からの出力と発振電
圧供給源13からの発振電圧とを比較するロジック回路
15とから構成される。
【0051】ここで、センサ部11は、上述したよう
に、リボン状やワイヤー状に形成された細長いアモルフ
ァス等からなる磁性体と、この磁性体の長手方向に巻回
された銅線等からなるコイルとから構成される。そし
て、このセンサ部11は、スイッチSW1、スイッチS
W2、スイッチSW3及びスイッチSW4を備えたバイ
ラテラルスイッチ10内に配されており、センサ部11
に流れる電流方向は、このバイラテラルスイッチ10に
よって反転させることができるようになっている。そし
て、バイラテラルスイッチ10に接続された抵抗12
は、センサ部11に対して直列となるように接続されて
おり、この抵抗12とセンサ部11とによって積分回路
が構成される。
【0052】この積分回路の両端は、発振電圧供給源1
3に接続されており、この発振電圧供給源13から積分
回路に方形波発振電圧Vbが供給され、これにより、セ
ンサ部11及び抵抗12に積分電流が流れる。なお、発
振電圧供給源13から供給される発振電圧は、方形波に
限られるものではなく、三角波等であってもよい。
【0053】一方、抵抗12の両端から導出された配線
に接続されたシュミットトリガ回路14は、上述のよう
な積分電流が流れたときに抵抗12に生じる発振電圧V
rを検出し、後述するように、この発振電圧Vrの応答
波形に基づいた信号として、方形波発振電圧Vsoを出
力する。
【0054】そして、このシュミットトリガ回路14か
ら出力される方形波発振電圧Vsoは、ロジック回路1
5に供給される。また、ロジック回路15には、発振電
圧供給源13からの方形波発振電圧Vbも供給される。
そして、ロジック回路15は、シュミットトリガ回路1
4からの方形波発振電圧Vsoと、発振電圧供給源13
からの方形波発振電圧Vbとを比較して、後述するよう
に、積分電流が流れたときに抵抗12に生じる発振電圧
Vrの立ち上がり時間及び立ち下がり時間に対応したパ
ルス電圧信号Vpを出力する。
【0055】このような磁気センサの動作について、バ
イラテラルスイッチ10によって一定の方向にだけセン
サ部11に電流が流れるようにしたときの各部の電圧波
形のタイムチャートである図4を参照しながら説明す
る。
【0056】まず、発振電圧供給源13から、図4
(1)に示すように、方形波発振電圧Vbがセンサ部1
1に供給され、これにより、センサ部11と抵抗12と
からなる積分回路に積分電流が流れる。このとき、抵抗
12に生じる発振電圧Vr、すなわちシュミットトリガ
回路14に供給される発振電圧Vrの波形は、図4
(2)に示すように、図4(1)に示した方形波発振電
圧Vbに対して、立ち上がり及び立ち下がり時に遅延が
生じた波形となる。この発振電圧Vrの波形は、センサ
部11に流れる電流の応答波形に対応するものであり、
したがって、この発振電圧Vrの立ち上がり及び立ち下
がり時の遅延は、センサ部11に加わる外部磁界Hex
の大きさに応じて変化する。
【0057】そして、シュミットトリガ回路14は、図
4(2)に示した発振電圧Vrを、立ち上がり時にシュ
ミット電圧VsHでコンパレートすると共に、立ち下が
り時にシュミット電圧VsLでコンパレートし、図4
(3)に示すように波形整形された方形波発振電圧Vs
oを出力する。ここで、シュミット電圧VsL,VsH
は、センサ部11に流れる電流の立ち上がり時及び立ち
下がり時におけるセンサ部11のインダクタンスLのL
maxからLminへの変化を包括するように設定して
おく。
【0058】そして、ロジック回路15は、図4(1)
に示したような発振電圧供給源13から供給される方形
波発振電圧Vbと、図4(3)に示したようなシュミッ
トトリガ回路14から供給される方形波発振電圧Vso
との位相を比較し、図4(4)に示すようなパルス電圧
信号Vpを出力する。ここで、パルス電圧信号Vpのパ
ルス幅は、センサ部11と抵抗12とからなる積分回路
に積分電流が流れたときに抵抗12に生じる発振電圧V
rの立ち上がり時間又は立ち下がり時間を示している。
【0059】そして、上述したように発振電圧Vrの波
形はセンサ部11に流れる電流の応答波形に対応してい
るので、ロジック回路15から出力されるパルス電圧信
号Vpのパルス幅は、センサ部11に流れる電流の立ち
上がり時間又は立ち下がり時間を示している。そして、
センサ部11に流れる電流の立ち上がり時間及び立ち下
がり時間は、上述したように外部磁界Hexの大きさに
依存しているので、このパルス電圧信号Vpは、センサ
部11に加わっている外部磁界Hexの大きさを示して
いる。すなわち、この磁気センサは、外部磁界の大きさ
に応じてパルス幅が変化するパルス幅変調信号であるパ
ルス電圧信号vpを、外部磁界Hexの大きさを示す信
号として出力する。
【0060】ところで、このような磁気センサにおい
て、磁気センサによって検出される外部磁界Hexは、
センサ部11の長手方向の成分だけある。したがって、
磁気センサから出力されるパルス電圧信号Vpのパルス
幅変化量Δtsは、センサ部11の長手方向に生じる磁
界と、外部磁界Hexとが成す角度θに依存しており、
係数をαとすると、下記式(2−5)で表される。
【0061】 Δts=−α・Hex・cosθ ・・・(2−5) すなわち、外部磁界Hexが一定のとき、図5に示すよ
うに、パルス電圧信号Vpのパルス幅変化量Δtsは、
センサ部11の長手方向に生じる磁界と、外部磁界He
xとが成す角度θに依存して変化する。なお、図5で
は、センサ部11の長手方向に生じる磁界の向きと、外
部磁界Hexの向きとが同じときの方位を0°としてい
る。
【0062】このように、磁気センサから出力されるパ
ルス電圧信号Vpのパルス幅変化量Δtsは、外部磁界
Hexの方位情報を含んでいるので、後述するように、
磁気センサに複数のセンサ部を設けて、それぞれのセン
サ部で異なる方向の外部磁界成分を検出することによ
り、外部磁界の方位を検出することが可能となる。
【0063】なお、この磁気センサは、バイラテラルス
イッチ10を備えており、上述したように、バイラテラ
ルスイッチ10によってセンサ部11に流れる電流方向
を反転させることができるようになっている。すなわ
ち、図3において、スイッチSW1及びスイッチSW4
がオンで、スイッチSW2及びスイッチSW3がオフの
とき、図3の矢印Aの向きに電流が流れ、また、スイッ
チSW1及びスイッチSW4がオフで、スイッチSW2
及びスイッチSW3がONのとき、図3の矢印Bの向き
に電流が流れる。そして、バイラテラルスイッチ10に
よってセンサ部11に流れる電流方向を反転させて外部
磁界Hexを検出することにより、一定の方向にだけ電
流を流したときに比べて約2倍の出力を得ることが可能
となり、また、外部磁界Hexがない状態である0点を
容易に認識することが可能となる。
【0064】つぎに、以上のような磁気センサを用いた
本実施の形態に係る磁気探知装置について説明する。
【0065】本実施の形態に係る磁気探知装置は、外部
磁界の大きさを検出する磁気センサと、磁気センサから
の信号を1つのアナログ信号に変換して出力する信号変
換手段とを備えている。そこで、まず、本実施の形態に
係る磁気探知装置の磁気センサについて説明する。
【0066】この磁気センサは、外部磁界の大きさを2
方向について検出し、各方向における外部磁界の大きさ
を示す信号を出力するものであり、図6に示すように、
X軸方向に配された第1のセンサ部11xと、X軸方向
に直交するY軸方向に配された第2のセンサ部11yと
を備えている。そして、この磁気センサには、第1の入
力端子21から、バイラテラルスイッチの動作を制御す
るための第1のセレクト信号S0が入力され、同様に、
第2の入力端子22から、バイラテラルスイッチの動作
を制御するための第2のセレクト信号S1が入力され
る。また、この磁気センサの出力端子23からは、外部
磁界の大きさに応じてパルス幅が変化するパルス電圧信
号Vpが出力される。
【0067】この磁気センサの回路構成を図7に示す。
図7に示すように、この磁気センサは、互いに直交する
2つのセンサ部11x,11yと、これらのセンサ部1
1x,11yに流れる電流を制御する8つのスイッチs
a1,sa2,sa3,sa4,sa5,sa6,sa
7,sa8を有するバイラテラルスイッチ24とを備え
ており、この他は図3に示した磁気センサと同様な回路
構成とされる。
【0068】ここで、バイラテラルスイッチ24は、第
1の入力端子21及び第2の入力端子22から入力され
る第1のセレクト信号S0及び第2のセレクト信号S1
により、各スイッチが切り替わるようになっている。
【0069】そして、バイラテラルスイッチ24のスイ
ッチsa1及びスイッチsa4がオンで他のスイッチが
オフのとき、第1のセンサ部11xに対して矢印X1の
向きに電流が流れ、スイッチsa2及びスイッチsa3
がオンで他のスイッチがオフのとき、第1のセンサ部1
1xに対して矢印X2の向きに電流が流れる。また、バ
イラテラルスイッチ24のスイッチsa5及びスイッチ
sa8がオンで他のスイッチがオフのとき、第2のセン
サ部11yに対して矢印Y1の向きに電流が流れ、スイ
ッチsa6及びスイッチsa7がオンで他のスイッチが
オフのとき、第2のセンサ部11yに対して矢印Y2の
向きに電流が流れる。なお、以下の説明では、矢印X1
の方向を順方向、矢印X2の方向を逆方向と呼び、同様
に、矢印Y1の方向を順方向、矢印Y2の方向を逆方向
と呼ぶこととする。
【0070】このような磁気センサから出力される信号
について、図8のタイムチャートを参照しながら説明す
る。
【0071】図8(1)は、バイラテラルスイッチ24
の切り替えを行うために第1の入力端子21から入力さ
れる第1のセレクト信号S0の電圧波形を示しており、
図8(2)は、バイラテラルスイッチ24の切り替えを
行うために第2の入力端子22から入力される第2のセ
レクト信号S1の電圧波形を示している。この図8
(1)及び図8(2)に示すように、バイラテラルスイ
ッチ24の切り替えを行うための信号である第1のセレ
クト信号S0及び第2のセレクト信号S1は、2ビット
のデジタル信号である。
【0072】そして、このような第1のセレクト信号S
0及び第2のセレクト信号S1によってバイラテラルス
イッチ24の各スイッチが切り替わり、図8の範囲H1
の部分では、第1のセンサ部11xに電流が順方向に流
れ、図8の範囲H2の部分では、第1のセンサ部11x
に電流が逆方向に流れ、図8の範囲H3の部分では、第
2のセンサ部11yに電流が順方向に流れ、図8の範囲
H4の部分では、第2のセンサ部11yに電流が逆方向
に流れる。
【0073】また、図8(3)は、磁気センサ内で発振
電圧供給源13から第1のセンサ部11x及び第2のセ
ンサ部11yに供給される方形波発振電圧Vbの電圧波
形を示しており、図8(4)は、磁気センサの出力端子
23から出力されるパルス電圧信号Vpの電圧波形を示
している。
【0074】図8(4)に示したパルス電圧信号Vpに
おいて、第1のパルス幅T1は、第1の磁気センサ11
xに順方向に流れる電流を供給したときに、第1の磁気
センサ11xに生じる発振電圧Vrの立ち上がり時間を
示しており、第2のパルス幅T2は、第1の磁気センサ
11xに順方向に流れる電流を供給したときに、第1の
磁気センサ11xに生じる発振電圧Vrの立ち下がり時
間を示している。また、第3のパルス幅T3は、第1の
磁気センサ11xに逆方向に流れる電流を供給したとき
に、第1の磁気センサ11xに生じる発振電圧Vrの立
ち上がり時間を示しており、第4のパルス幅T4は、第
1の磁気センサ11xに逆方向に流れる電流を供給した
ときに、第1の磁気センサ11xに生じる発振電圧Vr
の立ち下がり時間を示している。
【0075】また、図8(4)に示したパルス電圧信号
Vpにおいて、第5のパルス幅T5は、第2の磁気セン
サ11yに順方向に流れる電流を供給したときに、第2
の磁気センサ11yに生じる発振電圧Vrの立ち上がり
時間を示しており、第6のパルス幅T6は、第2の磁気
センサ11yに順方向に流れる電流を供給したときに、
第2の磁気センサ11yに生じる発振電圧Vrの立ち下
がり時間を示している。また、第7のパルス幅T7は、
第2の磁気センサ11yに逆方向に流れる電流を供給し
たときに、第2の磁気センサ11yに生じる発振電圧V
rの立ち上がり時間を示しており、第8のパルス幅T8
は、第2の磁気センサ11yに逆方向に流れる電流を供
給したときに、第2の磁気センサ11yに生じる発振電
圧Vrの立ち下がり時間を示している。
【0076】なお、このような第1乃至第8のパルス幅
T1,T2,T3,T4,T5,T6,T7,T8と、
外部磁界の方位θとの関係は、 Tx =T1+T2 Tx’=T3+T4 Ty =T5+T6 Ty’=T7+T8 とおくと、下記式(2−6)で表される。
【0077】 θ=tan-1{(Ty’−Ty)/(Tx’−Tx)} ・・・(2−6) ただし、上記式(2−6)において、0≦(Ty’−T
y)のときは、0≦θ≦180°であり、(Ty’−T
y)<0のときは、180°<θ<360°である。
【0078】つぎに、以上のような磁気センサからの信
号を1つのアナログ信号に変換して出力する信号変換手
段について説明する。
【0079】この信号変換手段は、磁気センサから出力
された信号を、各方向における外部磁界の大きさを示す
信号が時系列に配された1つのアナログ信号に、第1の
セレクト信号S0及び第2のセレクト信号S1を用いて
変換し出力するものであり、図9に示すように、入力端
子31に接続された抵抗Raと、抵抗Raに接続された
バイラテラルスイッチ32と、バイラテラルスイッチ3
2内に配された4つのコンデンサC1,C2,C3,C
4と、バイラテラルスイッチ32に接続されたバッファ
回路33と、バッファ回路33に接続された交流増幅回
路34とを備えている。そして、この信号変換手段に
は、入力端子31から磁気センサの出力、すなわちパル
ス電圧信号Vpが入力されるとともに、交流増幅回路3
4の出力端子35から、後述するように、磁気センサか
らの出力を1つのアナログ信号にまとめた信号が出力さ
れる。
【0080】ここで、バイラテラルスイッチ32は、8
つのスイッチsb1,sb2,sb3,sb4,sb
5,sb6,sb7,sb8を備えており、また、この
バイラテラルスイッチ32からは、第1の入力端子36
及び第2の入力端子37が導出されている。そして、第
1の入力端子36から、バイラテラルスイッチ32の各
スイッチの動作を制御するための第1のセレクト信号S
0が入力され、同様に、第2の入力端子37から、バイ
ラテラルスイッチ32の各スイッチの動作を制御するた
めの第2のセレクト信号S1が入力されるようになって
いる。
【0081】ここで、信号変換手段のバイラテラルスイ
ッチ32に入力される第1のセレクト信号S0及び第2
のセレクト信号S1は、磁気センサのバイラテラルスイ
ッチ24の動作を制御するために用いた第1のセレクト
信号S0及び第2のセレクト信号S1と同じ信号であ
り、これにより、信号変換手段のバイラテラルスイッチ
32は、磁気センサのバイラテラルスイッチ24の切り
替えと同期して切り替わることとなる。
【0082】すなわち、信号変換手段のバイラテラルス
イッチ32は、磁気センサの第1のセンサ部11xに対
して、順方向に流れる電流が供給されているときには、
スイッチsb1及びスイッチsb2がオン、他のスイッ
チがオフとされ、逆方向に流れる電流が供給されている
ときには、スイッチsb3及びスイッチsb4がオン、
他のスイッチがオフとされる。また、磁気センサの第2
のセンサ部11yに対して、順方向に流れる電流が供給
されているときには、スイッチsb5及びスイッチsb
6がオン、他のスイッチがオフとされ、逆方向に流れる
電流が供給されているときには、スイッチsb7及びス
イッチsb8がオン、他のスイッチがオフとされる。
【0083】このとき、第1のセンサ部11xに対して
順方向に電流を流したときに得られるパルス電圧信号V
pは、抵抗RaとコンデンサC1によって積分されて、
アナログ信号に変換され、また、第1のセンサ部11x
に対して逆方向に電流を流したときに得られるパルス電
圧信号Vpは、抵抗RaとコンデンサC2によって積分
され、アナログ信号に変換される。同様に、第2のセン
サ部11yに対して順方向に電流を流したときに得られ
るパルス電圧信号Vpは、抵抗RaとコンデンサC3に
よって積分されて、アナログ信号に変換され、また、第
2のセンサ部11yに対して逆方向に電流を流したとき
に得られるパルス電圧信号Vpは、抵抗Raとコンデン
サC4によって積分され、アナログ信号に変換される。
【0084】このように、バイラテラルスイッチ32を
第1のセレクト信号S0及び第2のセレクト信号S1に
よって切り替えるとともに、磁気センサからのパルス電
圧信号Vpを抵抗Ra及びコンデンサC1,C2,C
3,C4を用いて積分することにより、第1のセンサ部
11xに対して順方向に電流を流したときに得られるパ
ルス電圧信号Vpがアナログ信号に変換された信号と、
第1のセンサ部11xに対して逆方向に電流を流したと
きに得られるパルス電圧信号Vpがアナログ信号に変換
された信号と、第2のセンサ11yに対して順方向に電
流を流したときに得られるパルス電圧信号Vpがアナロ
グ信号に変換された信号と、第2のセンサ部11yに対
して逆方向に電流を流したときに得られるパルス電圧信
号Vpがアナログ信号に変換された信号とが、この順に
時系列に配された1つのアナログ信号、すなわち、各方
向における外部磁界の大きさを示す信号が時系列に配さ
れた1つのアナログ信号が得られる。
【0085】そして、このように得られたアナログ信号
は、バッファ回路33を介して、交流増幅器34に入力
され、この交流増幅器34によって増幅された上で出力
端子35から出力信号Voutとして出力される。
【0086】このような信号変換手段から出力される信
号、すなわち本実施の形態に係る磁気探知装置から出力
される出力信号Voutについて、図10のタイムチャ
ートを参照しながら説明する。
【0087】ここで、図10(1)は、第1のセレクト
信号S0の電圧波形を示しており、図10(2)は、第
2のセレクト信号S1の電圧波形を示している。これら
第1のセレクト信号S0及び第2のセレクト信号S1
は、上述したように、バイラテラルスイッチ32を切り
替えるための信号であり、2ビットのデジタル信号であ
る。また、図10(3)は、磁気探知装置からの出力信
号Voutの電圧波形を示している。
【0088】図10(3)に示すように、磁気探知装置
からの出力信号Voutは、基準電位V0を中心に大き
さが変化するアナログ信号である。そして、このアナロ
グ信号において、図10の範囲H5の部分の電圧値V1
は、第1のセンサ部11xによって検出された+X軸方
向の外部磁界の大きさを示しており、図10の範囲H6
の部分の電圧値V2は、第1のセンサ部11xによって
検出された−X軸方向の外部磁界の大きさを示してお
り、図10の範囲H7の部分の電圧値V3は、第2のセ
ンサ部11yによって検出された+Y軸方向の外部磁界
の大きさを示しており、図10の範囲H8の部分の電圧
値V4は、第2のセンサ部11yによって検出された−
Y軸方向の外部磁界の大きさを示している。
【0089】ここで、磁気センサのセンサ部11x,1
1yに流れる電流が互いに反転しているときの出力は、
基準電位V0を中心とした差動出力となる。したがっ
て、電圧値V1及び電圧値V2により、X軸方向の外部
磁界の大きさについて、外部磁界がない状態である0点
を容易に認識できるとともに、出力信号Voutをダイ
ナミックレンジの2倍の出力として取り出すことが出来
る。同様に、電圧値V3及び電圧値V4により、Y軸方
向の外部磁界の大きさについて、外部磁界がない状態で
ある0点を容易に認識できるとともに、出力信号Vou
tをダイナミックレンジの2倍の出力として取り出すこ
とが出来る。
【0090】なお、このような磁気探知装置からの出力
信号Voutに基づいて外部磁界の方位θを求める際
は、例えば、出力信号VoutをA/Dコンバータによ
ってデジタル信号に変換した上でコンピュータに入力し
て、コンピュータによって下記式(2−7)に示すよう
な演算を行えばよい。
【0091】 θ=tan-1{(V4−V3)/(V2−V1)} ・・・(2−7) ただし、上記式(2−7)において、0≦(V4−V
3)のときは、0≦θ≦180°であり、(V2−V
1)<0のときは、180°<θ<360°である。
【0092】以上のような本実施の形態に係る磁気探知
装置では、磁気センサからの信号を信号変換手段によっ
て1つのアナログ信号にまとめた上で出力しているの
で、磁気探知装置からの信号をコンピュータに入力する
のに必要なA/Dコンバータとコンピュータ入力端子は
1組だけでよい。したがって、この磁気探知装置からの
出力信号Voutは、非常に容易にコンピュータに入力
することができる。また、この磁気探知装置からの出力
信号Voutはアナログ信号であり、コンピュータによ
る処理が非常に容易である。
【0093】なお、このような磁気探知装置から出力信
号Voutをコンピュータに取り込んで外部磁界の方位
θを求める際には、出力信号Voutから、時系列に配
された4つの電圧値V1,V2,V3,V4をコンピュ
ータ内で判別しなければならない。そして、これらを判
別するためには、磁気センサのバイラテラルスイッチ2
4や、信号変換手段のバイラテラルスイッチ32の切り
替えに使用される信号、すなわち第1のセレクト信号S
0及び第2のセレクト信号S1が必要である。
【0094】そこで、磁気探知装置から出力信号Vou
tをコンピュータに取り込む際には、例えば、第1のセ
レクト信号S0及び第2のセレクト信号S1を、当該コ
ンピュータから出力するようにする。すなわち、コンピ
ュータから第1のセレクト信号S0及び第2のセレクト
信号S1を出力して、これらの信号を磁気探知装置に入
力してバイラテラルスイッチ24,32の切り替えに使
用するとともに、これらの信号をコンピュータ内におい
て各電圧値V1,V2,V3,V4の判別に使用するよ
うにする。
【0095】また、逆に、磁気探知装置から第1のセレ
クト信号S0及び第2のセレクト信号S1を出力し、こ
れらの信号をコンピュータに入力するようにしてもよ
い。すなわち、磁気探知装置から、出力信号Voutと
ともに第1のセレクト信号S0及び第2のセレクト信号
S1を出力して、これらの信号をコンピュータに入力
し、コンピュータ内において、磁気探知装置から入力さ
れた第1のセレクト信号S0及び第2のセレクト信号S
1を用いて各電圧値V1,V2,V3,V4の判別する
ようにしてもよい。
【0096】ところで、上記磁気探知装置では、磁気セ
ンサとして磁気誘導型磁気センサを用いたが、本発明に
係る磁気探知装置において、磁気センサの種類は特に限
定されるものではない。すなわち、本発明に係る磁気探
知装置では、例えば、磁気センサとして、フラックスゲ
ート型磁気センサや磁気抵抗効果型磁気センサ等も使用
可能である。
【0097】そこで、以下、フラックスゲート型磁気セ
ンサを用いた磁気探知装置、及び磁気抵抗効果型磁気セ
ンサを用いた磁気探知装置について説明する。
【0098】図11に示すように、フラックスゲート型
磁気センサのセンサ部50は、外部磁界によってヒステ
リシス曲線がシフトする特殊な高透磁率材料からなる環
状の磁気コア51に、励磁用コイル52及び検出用コイ
ル53を巻回して構成される。
【0099】このセンサ部50で外部磁界を検出する際
には、磁気コア51が過飽和状態にまで励磁されるよう
な高周波電流を励磁用コイル52に流しておく。このと
き、外部からの磁界が磁気コア51に作用していなけれ
ば、検出用コイル53の左右のコイル53a,53bか
らの出力は同じ出力波形となる。そして、検出用コイル
53の左右のコイル53a,53bは逆相に接続されて
いるので、検出用コイル53の左側のコイル53aから
の出力と、検出用コイル53の右側のコイル53bから
の出力とが互いに打ち消し合って検出用コイル53全体
からは何も出力されないこととなる。
【0100】一方、例えば、励磁用コイル52によって
右回りの磁束B1が磁気コア51内に発生しているとき
に、図11中のNからSに至る方向に外部磁界Hexが
加わると、外部磁界Hexがバイアス磁界として作用し
て、磁気コア51の右側が早く飽和し、逆に磁気コア5
1の左側が遅れて飽和する。そして、検出用コイル53
の左右のコイル53a,53bは逆相に接続されている
ので、検出用コイル53の左側のコイル53aからの出
力と、検出用コイル53の右側のコイル53bからの出
力との差分が、外部磁界Hexの大きさに対応して出力
されることとなる。
【0101】以上のようなセンサ部を有するフラックス
ゲート型磁気センサを使用した磁気探知装置の一構成例
を図12に示す。
【0102】ここで、フラックスゲート型磁気センサ
は、X軸方向の外部磁界と、Y軸方向の外部磁界とを検
出するために、検出用コイルの巻回方向が互いに直行し
た1組のセンサ部を備えている。すなわち、このフラッ
クスゲート型磁気センサは、センサ部60に、X軸方向
の外部磁界検出用の第1の検出用コイル60aと、Y軸
方向の外部磁界検出用の第2の検出用コイル60bとを
備えている。
【0103】そして、このフラックスゲート型磁気セン
サで外部磁界を検出する際は、発振器61から交流バイ
アス電流ドライバ62を介して励磁用コイル60cに発
振電流を供給し、このときに、第1の検出用コイル60
aに発生した電圧を、発振器61からの発振電圧を用い
て同期検波回路63aによって同期検波した上で、積分
回路64aによって積分して出力する。これにより、電
圧レベルによって+X軸方向の外部磁界の大きさを示す
第1のアナログ信号Va1と、電圧レベルによって−X
軸方向の外部磁界の大きさを示す第2のアナログ信号V
a2とが、フラックスゲート型磁気センサから出力され
る。同様に、発振器61から交流バイアス電流ドライバ
62を介して励磁用コイル60cに発振電流を供給した
ときに、第2の検出用コイル60bに発生した電圧を、
発振器61からの発振電圧を用いて同期検波回路63b
によって同期検波した上で、積分回路64bによって積
分して出力する。これにより、電圧レベルによって+Y
軸方向の外部磁界の大きさを示す第3のアナログ信号V
a3と、電圧レベルによって−Y軸方向の外部磁界の大
きさを示す第4のアナログ信号Va4とが、フラックス
ゲート型磁気センサから出力される。
【0104】そして、このようなフラックスゲート型磁
気センサからの出力は、信号変換手段に入力される。こ
こで、信号変換手段は、フラックスゲート型磁気センサ
からの出力が入力されるバイラテラルスイッチ65と、
バイラテラルスイッチ65に接続されたバッファ回路6
6と、バッファ回路66に接続された交流増幅回路67
とを備えている。なお、上述の磁気誘導型磁気センサを
用いた磁気探知装置では、磁気誘導型磁気センサからの
出力がデジタル信号なので、信号変換手段に積分回路を
設けたが、フラックスゲート型磁気センサを用いた磁気
探知装置では、フラックスゲート型磁気センサからの出
力がアナログ信号なので、信号変換手段は積分回路を備
えている必要はない。
【0105】この信号変換手段のバイラテラルスイッチ
65は、第1のセレクト信号S0及び第2のセレクト信
号S1によって切り替えが行われる4つのスイッチsc
1,sc2,sc3,sc4を備えている。そして、こ
れらのスイッチを切り替えることにより、フラックスゲ
ート型磁気センサから出力された第1のアナログ信号V
a1、第2のアナログ信号Va2、第3のアナログ信号
Va3及び第4のアナログ信号Va4が、この順に時系
列に配された1つのアナログ信号にまとめられる。そし
て、このようにまとめられた1つのアナログ信号、すな
わち、各方向における外部磁界の大きさを示す信号が時
系列に配された1つのアナログ信号は、バッファ回路6
6を介して交流増幅器67に入力され、この交流増幅器
67によって増幅された上で出力端子から出力信号Vo
utとして出力される。
【0106】このような磁気探知装置においても、磁気
誘導型磁気センサを用いた磁気探知装置と同様に、磁気
センサからの信号を信号変換手段によって1つのアナロ
グ信号にまとめた上で出力しているので、磁気探知装置
からの信号をコンピュータに入力するのに必要なA/D
コンバータとコンピュータ入力端子は1組だけでよい。
したがって、この磁気探知装置からの出力信号Vout
は、非常に容易にコンピュータに入力することができ
る。また、この磁気探知装置からの出力信号Voutは
アナログ信号であり、コンピュータによる処理が非常に
容易である。
【0107】つぎに、磁気抵抗効果型磁気センサを用い
た磁気探知装置について説明する。
【0108】磁気抵抗効果型磁気センサのセンサ部は、
磁気抵抗効果素子の磁気抵抗効果を利用して外部磁界を
検出するものであり、図13に示すように、このセンサ
部70は、4つの磁気抵抗効果素子71,72,73,
74が互いに直交するように形成されたセンサチップ7
5と、センサチップ75が内部に配される空心コイル7
6とから構成される。このようなセンサ部に使用される
磁気抵抗効果素子は、Ni合金等からなる強磁性薄膜の
磁気抵抗効果を応用した磁電変換素子であり、印加され
た磁界の強さに応じて、その抵抗値が変化する特性を持
っている。
【0109】そして、このセンサ部70で外部磁界を検
出する際は、空心コイル76に交流バイアス電流を流
し、これにより、各磁気抵抗素子71,72,73,7
4に対して45°方向の交流バイアス磁界を印加する。
【0110】このとき、外部磁界がバイアス磁界として
センサチップ75に作用しない限り、各磁気抵抗効果素
子71,72,73,74の抵抗値は全て同じ値にな
り、磁気抵抗効果素子71及び磁気抵抗効果素子72か
ら導出された端子77と、磁気抵抗効果素子73及び磁
気抵抗効果素子74から導出された端子78との間の電
位差はゼロとなる。そして、外部磁界がバイアス磁界と
してセンサチップ75に作用すると、各磁気抵抗素子7
1,72,73,74に印加されているバイアス磁界の
方向が変化し、各磁気抵抗効果素子71,72,73,
74の抵抗値が変化する。その結果、端子77と端子7
8との間に電位差が生じて、端子77及び端子78から
交流の差動電圧が出力される。すなわち、磁気抵抗効果
型磁気センサのセンサ部70からは、外部磁界Hexの
大きさに対応した信号として、交流の差動電圧が出力さ
れることとなる。
【0111】以上のようなセンサ部を有する磁気抵抗効
果型磁気センサを使用した磁気探知装置の一構成例を図
14に示す。
【0112】ここで、磁気抵抗効果型磁気センサは、X
軸方向の外部磁界と、Y軸方向の外部磁界とを検出する
ために、空心コイルの巻回方向が互いに直行した1組の
センサ部を備えている。すなわち、この磁気抵抗効果型
磁気センサのセンサ部80は、X軸方向の外部磁界検出
用の第1のセンサチップと、Y軸方向の外部磁界検出用
の第2のセンサチップとを備えている。
【0113】そして、この磁気抵抗効果型磁気センサで
外部磁界を検出する際は、センサ部80の空心コイルに
対して発振器81から交流バイアス電流ドライバ82を
介して発振電流を供給し、このときに、センサ部80の
第1のセンサチップから出力された差動電圧の差動をと
った出力Vs1を、発振器81からの発振電圧を用いて
同期検波回路83aによって同期検波した上で出力す
る。これにより、電圧レベルによって+X軸方向の外部
磁界の大きさを示す第1のアナログ信号Va5と、電圧
レベルによって−X軸方向の外部磁界の大きさを示す第
2のアナログ信号Va6とが、磁気抵抗効果型磁気セン
サから出力される。同様に、センサ部80の空心コイル
に対して発振器81から交流バイアス電流ドライバ82
を介して発振電流を供給し、このときに、センサ部80
の第2のセンサチップから出力された差動電圧の差動を
とった出力Vs2を、発振器81からの発振電圧を用い
て同期検波回路83bによって同期検波した上で出力す
る。これにより、電圧レベルによって+Y軸方向の外部
磁界の大きさを示す第3のアナログ信号Va7と、電圧
レベルによって−Y軸方向の外部磁界の大きさを示す第
4のアナログ信号Va8とが、磁気抵抗効果型磁気セン
サから出力される。
【0114】そして、このような磁気抵抗効果型磁気セ
ンサからの出力は、信号変換手段に入力される。ここ
で、信号変換手段は、磁気抵抗効果型磁気センサからの
出力が入力されるバイラテラルスイッチ84と、バイラ
テラルスイッチ84に接続されたバッファ回路85と、
バッファ回路85に接続された交流増幅回路86とを備
えている。なお、上述の磁気誘導型磁気センサを用いた
磁気探知装置では、磁気誘導型磁気センサからの出力が
デジタル信号なので、信号変換手段に積分回路を設けた
が、磁気抵抗効果型磁気センサを用いた磁気探知装置で
は、磁気抵抗効果型磁気センサからの出力がアナログ信
号なので、信号変換手段は積分回路を備えている必要は
ない。
【0115】この信号変換手段のバイラテラルスイッチ
84は、第1のセレクト信号S0及び第2のセレクト信
号S1によって切り替えが行われる4つのスイッチsd
1,sd2,sd3,sd4を備えている。そして、こ
れらのスイッチを切り替えることにより、フラックスゲ
ート型磁気センサから出力された第1のアナログ信号V
a5、第2のアナログ信号Va6、第3のアナログ信号
Va7及び第4のアナログ信号Va8が、この順に時系
列に配された1つのアナログ信号にまとめられる。そし
て、このようにまとめられた1つのアナログ信号、すな
わち、各方向における外部磁界の大きさを示す信号が時
系列に配された1つのアナログ信号は、バッファ回路8
5を介して交流増幅器86に入力され、この交流増幅器
86によって増幅された上で出力端子から出力信号Vo
utとして出力される。
【0116】このような磁気探知装置においても、磁気
誘導型磁気センサを用いた磁気探知装置と同様に、磁気
センサからの信号を信号変換手段によって1つのアナロ
グ信号にまとめた上で出力しているので、磁気探知装置
からの信号をコンピュータに入力するのに必要なA/D
コンバータとコンピュータ入力端子が1組だけでよく、
磁気探知装置からの出力信号Voutを非常に容易にコ
ンピュータに入力することができる。また、この磁気探
知装置においても、磁気探知装置からの出力信号Vou
tはアナログ信号であるため、コンピュータによる処理
は非常に容易である。
【0117】なお、以上の説明では、磁気探知装置の磁
気センサに2つのセンサ部を設けて、平面内における外
部磁界の方向を検出するようにしたが、磁気センサに3
つ以上のセンサ部を設けるようにしてもよいことは言う
までもない。すなわち、例えば、立体空間内での外部磁
界の方向を検出したいときには、互いに直行する3つの
センサ部を磁気センサに設ければ良い。
【0118】また、本発明の用途としては、主に地磁気
方位検出用の磁気探知装置が挙げられるが、本発明は地
磁気方位検出用の磁気探知装置に限定されるものではな
い。すなわち、本発明は、コンピュータによる処理を必
要とする磁気探知装置に対して広く有効であり、多くの
用途の磁気探知装置に適用可能である。
【0119】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、磁気センサからの複数の信号が1つのアナロ
グ信号にまとめられた上で磁気探知装置から出力される
ので、磁気探知装置からの信号のコンピュータへの入力
が非常に容易になる。
【0120】また、本発明では、磁気探知装置から出力
される信号がアナログ信号となるため、磁気探知装置か
らの信号をコンピュータによって容易に処理できるよう
になる。したがって、本発明によれば、磁気探知装置か
らの信号の処理を行うコンピュータに、カウンタ機能の
ような負荷の大きな機能を設ける必要が無くなる。
【0121】そして、本発明を適用した磁気探知装置か
ら出力される信号は、コンピュータによる処理が容易で
あり、コンピュータに掛かる負担が軽い。したがって、
本発明によれば、例えば、カラー陰極線管のような機器
に磁気探知装置を組み込む際に、電子ビームの制御等の
ような他の処理に使用されている小型コンピュータを、
外部磁界の方位の算出にも用いることが可能となる。し
たがって、本発明によれば、磁気探知装置を組み込んだ
機器の低価格化を進めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気誘導型磁気センサのセンサ部の一例を示す
模式図である。
【図2】磁気誘導型磁気センサのセンサ部による外部磁
界検出の原理を説明するための図である。
【図3】磁気センサの一構成例を示す回路図である。
【図4】図3に示した磁気センサの各部における電圧波
形のタイムチャートを示す図である。
【図5】パルス電圧信号Vpのパルス幅変化量Δts
と、外部磁界Hexとの関係を示す図である。
【図6】本発明を適用した磁気探知装置に使用される磁
気センサの一例を示す模式図である。
【図7】本発明を適用した磁気探知装置に使用される磁
気センサの一構成例を示す回路図である。
【図8】図7に示した磁気センサからの出力を説明する
ためのタイムチャートを示す図である。
【図9】本発明を適用した磁気探知装置の信号変換手段
の一構成例を示す回路図である。
【図10】図9に示した信号変換手段からの出力を説明
するためのタイムチャートを示す図である。
【図11】フラックスゲート型磁気センサのセンサ部の
一例を示す模式図である。
【図12】フラックスゲート型磁気センサを用いた磁気
探知装置の一構成例を示すブロック図である。
【図13】磁気抵抗効果型磁気センサのセンサ部の一例
を示す模式図である。
【図14】磁気抵抗効果型磁気センサを用いた磁気探知
装置の一構成例を示すブロック図である。
【図15】従来の磁気探知装置の一構成例を示すブロッ
ク図である。
【図16】従来の磁気探知装置の他の構成例を示すブロ
ック図である。
【図17】従来の磁気探知装置からの出力と外部磁界の
方位との関係を示す図である。
【図18】外部磁界の大きさを示す信号をデジタル信号
として出力する従来の磁気探知装置からのデジタル信号
出力の電圧波形のタイムチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 磁性体 2 コイル 3 センサ部 10 バイラテラルスイッチ 11,11x,11y センサ部 12 抵抗 13 発振電圧供給源 14 シュミットトリガ回路 15 ロジック回路 21 第1の入力端子 22 第2の入力端子 23 出力端子 24 バイラテラルスイッチ 31 入力端子 32 バイラテラルスイッチ 33 バッファ回路 34 交流増幅回路 35 出力端子 Ra 抵抗 C1,C2,C3,C4 コンデンサ S0 第1のセレクト信号 S1 第2のセレクト信号

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部磁界の大きさを複数の方向について
    検出し、各方向における外部磁界の大きさを示す信号を
    出力する磁気センサと、 上記磁気センサから出力された信号を、各方向における
    外部磁界の大きさを示す信号が時系列に配された1つの
    アナログ信号に、セレクト信号を用いて変換し出力する
    信号変換手段とを備えることを特徴とする磁気探知装
    置。
  2. 【請求項2】 前記セレクト信号が、デジタル信号であ
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気探知装置。
  3. 【請求項3】 前記信号変換手段が、前記セレクト信号
    によって動作するバイラテラルスイッチを備えており、 このバイラテラルスイッチを用いて、前記磁気センサか
    ら出力される信号を1つの信号に変換することを特徴と
    する請求項1記載の磁気探知装置。
  4. 【請求項4】 前記セレクト信号が、外部回路から入力
    されることを特徴とする請求項1記載の磁気探知装置。
  5. 【請求項5】 前記セレクト信号を、外部回路に出力す
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気探知装置。
  6. 【請求項6】 前記磁気センサが、少なくとも、互いに
    逆向きの第1の方向と第2の方向における外部磁界の大
    きさを検出し、 前記信号変換手段によって変換され出力されるアナログ
    信号のうち、第1の方向に対応して出力されるアナログ
    信号と、第2の方向に対応して出力されるアナログ信号
    とが、基準電位に対して差動の関係にあることを特徴と
    する請求項1記載の磁気探知装置。
  7. 【請求項7】 前記磁気センサから出力される信号が、
    デジタル信号であることを特徴とする請求項1記載の磁
    気探知装置。
  8. 【請求項8】 前記信号変換手段が積分回路を備えてお
    り、 前記デジタル信号を、上記積分回路を用いて積分するこ
    とによってアナログ信号に変換することを特徴とする請
    求項7記載の磁気探知装置。
  9. 【請求項9】 前記信号変換手段から出力されたアナロ
    グ信号を増幅する交流増幅器を備えていることを特徴と
    する請求項1記載の磁気探知装置。
  10. 【請求項10】 磁気センサによって検出された複数の
    方向における外部磁界の大きさを示す信号を変換する信
    号変換方法であって、 磁気センサから出力された各方向における外部磁界の大
    きさを示す信号を、各方向における外部磁界の大きさを
    示す信号が時系列に配された1つのアナログ信号に、セ
    レクト信号を用いて変換することを特徴とする信号変換
    方法。
  11. 【請求項11】 前記セレクト信号が、デジタル信号で
    あることを特徴とする請求項10記載の信号変換方法。
  12. 【請求項12】 前記磁気センサから出力される信号
    を、バイラテラルスイッチを用いて1つの信号に変換す
    ることを特徴とする請求項10記載の信号変換方法。
  13. 【請求項13】 前記セレクト信号を、外部回路から入
    力することを特徴とする請求項10記載の信号変換方
    法。
  14. 【請求項14】 前記セレクト信号を、外部回路に出力
    することを特徴とする請求項10記載の信号変換方法。
  15. 【請求項15】 前記磁気センサから出力される信号
    が、デジタル信号であることを特徴とする請求項10記
    載の信号変換方法。
  16. 【請求項16】 前記磁気センサから出力される信号
    を、積分回路を用いて積分することによってアナログ信
    号に変換することを特徴とする請求項15記載の信号変
    換方法。
  17. 【請求項17】 前記信号変換手段から出力されたアナ
    ログ信号を交流増幅器によって増幅することを特徴とす
    る請求項10記載の信号変換方法。
JP7328691A 1995-12-18 1995-12-18 磁気探知装置及び信号変換方法 Withdrawn JPH09166437A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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