JPH1020006A - 磁気探知装置 - Google Patents
磁気探知装置Info
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- JPH1020006A JPH1020006A JP17001796A JP17001796A JPH1020006A JP H1020006 A JPH1020006 A JP H1020006A JP 17001796 A JP17001796 A JP 17001796A JP 17001796 A JP17001796 A JP 17001796A JP H1020006 A JPH1020006 A JP H1020006A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 小型化や低価格化が容易で、しかも、高い感
度が得られる磁気探知装置を提供する。 【解決手段】 磁性体にコイルが巻かれてなる磁気セン
サを回路の一部に用いて、単安定マルチバイブレータを
構成し、この単安定マルチバイブレータから出力される
パルス信号の時間幅によって外部磁界の強さを検出する
ようにする。ここで、単安定マルチバイブレータ回路
は、トリガパルスが入力されたときに、外部磁界の強さ
に応じた時間幅のパルス信号を出力するようにする。
度が得られる磁気探知装置を提供する。 【解決手段】 磁性体にコイルが巻かれてなる磁気セン
サを回路の一部に用いて、単安定マルチバイブレータを
構成し、この単安定マルチバイブレータから出力される
パルス信号の時間幅によって外部磁界の強さを検出する
ようにする。ここで、単安定マルチバイブレータ回路
は、トリガパルスが入力されたときに、外部磁界の強さ
に応じた時間幅のパルス信号を出力するようにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性体にコイルが
巻かれてなる磁気センサを備えた磁気探知装置に関し、
特に、簡単な構造で高精度化を図った新規な磁気探知装
置に関する。
巻かれてなる磁気センサを備えた磁気探知装置に関し、
特に、簡単な構造で高精度化を図った新規な磁気探知装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】外部磁界を探知する磁気探知装置は、磁
場の検出器や測定器などの計測用から始まり、近年で
は、磁気式スイッチ、磁気式ロータリエンコーダ、地磁
気センサなど民生用に広く使用されている。
場の検出器や測定器などの計測用から始まり、近年で
は、磁気式スイッチ、磁気式ロータリエンコーダ、地磁
気センサなど民生用に広く使用されている。
【0003】このような磁気探知装置としては、ホール
素子を用いた磁気探知装置、フラックスゲートセンサを
用いた磁気探知装置、磁気抵抗効果素子を用いた磁気探
知装置などがある。
素子を用いた磁気探知装置、フラックスゲートセンサを
用いた磁気探知装置、磁気抵抗効果素子を用いた磁気探
知装置などがある。
【0004】ホール素子を用いた磁気探知装置は、図8
に示すように、両端に電極101,102を設けたホー
ル素子103のホール効果を応用して外部磁界を検出す
るものである。すなわち、ホール素子を用いた磁気探知
装置では、外部磁界の変化によってホール素子103に
発生するホール電圧Vh の変化に基づいて外部磁界を検
出する。ここで、ホール素子103のホール係数をRh
とし、ホール素子103の厚さをdとし、ホール素子1
03を流れる電流をIとし、ホール素子103を通る磁
束をBとすると、ホール電圧Vh は、下記式(1−1)
のようになる。
に示すように、両端に電極101,102を設けたホー
ル素子103のホール効果を応用して外部磁界を検出す
るものである。すなわち、ホール素子を用いた磁気探知
装置では、外部磁界の変化によってホール素子103に
発生するホール電圧Vh の変化に基づいて外部磁界を検
出する。ここで、ホール素子103のホール係数をRh
とし、ホール素子103の厚さをdとし、ホール素子1
03を流れる電流をIとし、ホール素子103を通る磁
束をBとすると、ホール電圧Vh は、下記式(1−1)
のようになる。
【0005】 Vh =Rh ・I・B/d ・・・(1−1) しかし、このようなホール電圧Vh は非常に小さいた
め、ホール素子を用いた磁気探知装置では、例えば、約
0.3ガウス程度の地磁気のような微弱な磁界を検出す
ることは困難である。
め、ホール素子を用いた磁気探知装置では、例えば、約
0.3ガウス程度の地磁気のような微弱な磁界を検出す
ることは困難である。
【0006】また、フラックスゲートセンサを用いた磁
気探知装置は、図9に示すように、外部磁界によってヒ
ステリシス曲線がシフトする特殊な高透磁率材料からな
る環状の磁気コア110に、励磁用コイル111及び検
出用コイル112を巻回してなるものである。
気探知装置は、図9に示すように、外部磁界によってヒ
ステリシス曲線がシフトする特殊な高透磁率材料からな
る環状の磁気コア110に、励磁用コイル111及び検
出用コイル112を巻回してなるものである。
【0007】この磁気探知装置で外部磁界を検出する際
には、磁気コア110が過飽和状態にまで励磁されるよ
うな高周波電流を励磁用コイル111に流しておく。こ
のとき、外部からの磁界が磁気コア110に作用してい
なければ、検出用コイル112の左右のコイル112
a,112bからの出力は同じ出力波形となる。そし
て、検出用コイル112の左右のコイル112a,11
2bは逆相に接続されているので、検出用コイル112
の左側のコイル112aからの出力と、検出用コイル1
12の右側のコイル112bからの出力とが互いに打ち
消し合って検出用コイル112全体からは何も出力され
ないこととなる。
には、磁気コア110が過飽和状態にまで励磁されるよ
うな高周波電流を励磁用コイル111に流しておく。こ
のとき、外部からの磁界が磁気コア110に作用してい
なければ、検出用コイル112の左右のコイル112
a,112bからの出力は同じ出力波形となる。そし
て、検出用コイル112の左右のコイル112a,11
2bは逆相に接続されているので、検出用コイル112
の左側のコイル112aからの出力と、検出用コイル1
12の右側のコイル112bからの出力とが互いに打ち
消し合って検出用コイル112全体からは何も出力され
ないこととなる。
【0008】一方、例えば、励磁用コイル111によっ
て右回りの磁束Bが磁気コア110内に発生していると
きに、図9中のNからSに至る方向より外部磁界Hexが
加わると、外部磁界Hexがバイアス磁界として作用し
て、磁気コア110の右側が早く飽和し、磁気コア11
0の左側が逆に遅れて飽和する。そして、検出用コイル
112の左右のコイル112a,112bは逆相に接続
されているので、検出用コイル112の左側のコイル1
12aからの出力と、検出用コイル112の右側のコイ
ル112bからの出力との差分が、外部磁界Hexの大き
さに対応して出力されることとなる。
て右回りの磁束Bが磁気コア110内に発生していると
きに、図9中のNからSに至る方向より外部磁界Hexが
加わると、外部磁界Hexがバイアス磁界として作用し
て、磁気コア110の右側が早く飽和し、磁気コア11
0の左側が逆に遅れて飽和する。そして、検出用コイル
112の左右のコイル112a,112bは逆相に接続
されているので、検出用コイル112の左側のコイル1
12aからの出力と、検出用コイル112の右側のコイ
ル112bからの出力との差分が、外部磁界Hexの大き
さに対応して出力されることとなる。
【0009】しかし、このような磁気探知装置では、検
出用コイル112によって磁気信号を電気信号に変換す
るため、感度を上げるには検出用コイル112の巻き数
を多くしたり、外部磁界Hexの集束効果を高めるために
磁気コア110の形状を大きくする必要がある。したが
って、フラックスゲートセンサを用いた磁気探知装置で
は、小型化や低価格化が非常に困難であった。
出用コイル112によって磁気信号を電気信号に変換す
るため、感度を上げるには検出用コイル112の巻き数
を多くしたり、外部磁界Hexの集束効果を高めるために
磁気コア110の形状を大きくする必要がある。したが
って、フラックスゲートセンサを用いた磁気探知装置で
は、小型化や低価格化が非常に困難であった。
【0010】また、磁気抵抗効果素子を用いた磁界探知
装置は、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗効果を利用して外
部磁界を検出するものである。ここで、磁気抵抗効果素
子とは、Ni合金等からなる強磁性薄膜の磁気抵抗効果
を応用した磁電変換素子であり、印加された磁界の強さ
に応じて、その抵抗値が変化する特性を持っている。そ
して、図10に示すように、磁気抵抗効果素子120を
流れる電流Iの方向と、外部磁界Hexによる磁気抵抗効
果素子120の磁化Mの方向とのなす角をθとし、電流
Iの方向と磁化Mの方向とが同一のときの磁気抵抗効果
素子120の抵抗値をRa とし、電流Iの方向と磁化M
の方向とのなす角θが90°のときの磁気抵抗効果素子
120の抵抗値をRb とすると、磁気抵抗効果素子12
0の抵抗値Rは、下記式(1−2)のようになる。
装置は、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗効果を利用して外
部磁界を検出するものである。ここで、磁気抵抗効果素
子とは、Ni合金等からなる強磁性薄膜の磁気抵抗効果
を応用した磁電変換素子であり、印加された磁界の強さ
に応じて、その抵抗値が変化する特性を持っている。そ
して、図10に示すように、磁気抵抗効果素子120を
流れる電流Iの方向と、外部磁界Hexによる磁気抵抗効
果素子120の磁化Mの方向とのなす角をθとし、電流
Iの方向と磁化Mの方向とが同一のときの磁気抵抗効果
素子120の抵抗値をRa とし、電流Iの方向と磁化M
の方向とのなす角θが90°のときの磁気抵抗効果素子
120の抵抗値をRb とすると、磁気抵抗効果素子12
0の抵抗値Rは、下記式(1−2)のようになる。
【0011】 R=Rb +(Ra −Rb )・cos2θ ・・・(1−2) また、上記式(1−2)を図にすると図11のようにな
る。ここで、縦軸は、磁気抵抗効果素子120の抵抗値
Rであり、横軸は、磁気抵抗効果素子120を流れる電
流Iの方向と、外部磁界Hexによる磁気抵抗効果素子1
20の磁化Mの方向とのなす角度θである。
る。ここで、縦軸は、磁気抵抗効果素子120の抵抗値
Rであり、横軸は、磁気抵抗効果素子120を流れる電
流Iの方向と、外部磁界Hexによる磁気抵抗効果素子1
20の磁化Mの方向とのなす角度θである。
【0012】しかし、このような磁気抵抗効果素子12
0において、抵抗変化率の最大値は2〜3%程度と非常
に小さいため、適当な大きさのバイアス磁界を加えて感
度の良いところを使用したとしても、地磁気のような微
弱な磁界では0.05%程度しか抵抗変化が得られな
い。したがって、磁気抵抗効果素子120を用いた磁気
探知装置も感度が不十分であり、地磁気のような微弱な
磁界の検出には適してない。さらに、磁気抵抗効果素子
120の抵抗変化率は、0.3%/℃程度の大きな温度
係数を持っているため、磁気抵抗効果素子120を用い
た磁気探知装置では、温度ドリフト等の問題もある。
0において、抵抗変化率の最大値は2〜3%程度と非常
に小さいため、適当な大きさのバイアス磁界を加えて感
度の良いところを使用したとしても、地磁気のような微
弱な磁界では0.05%程度しか抵抗変化が得られな
い。したがって、磁気抵抗効果素子120を用いた磁気
探知装置も感度が不十分であり、地磁気のような微弱な
磁界の検出には適してない。さらに、磁気抵抗効果素子
120の抵抗変化率は、0.3%/℃程度の大きな温度
係数を持っているため、磁気抵抗効果素子120を用い
た磁気探知装置では、温度ドリフト等の問題もある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来か
ら知られている磁気探知装置では、感度が不十分であっ
たり、小型化や低価格化が難しいという問題があった。
ら知られている磁気探知装置では、感度が不十分であっ
たり、小型化や低価格化が難しいという問題があった。
【0014】そこで本発明は、このような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、小型化や低価格化が容易
で、しかも、高い感度が得られる磁気探知装置を提供す
ることを目的としている。
鑑みて提案されたものであり、小型化や低価格化が容易
で、しかも、高い感度が得られる磁気探知装置を提供す
ることを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに完成された本発明に係る磁気探知装置は、磁性体に
コイルが巻かれてなる磁気センサを回路の一部に用いた
単安定マルチバイブレータを備え、上記単安定マルチバ
イブレータから出力されるパルス信号の時間幅によって
外部磁界の強さを検出することを特徴とするものであ
る。ここで、単安定マルチバイブレータ回路は、例え
ば、トリガパルスが入力されたときに、外部磁界の強さ
に応じた時間幅のパルス信号を出力する。
めに完成された本発明に係る磁気探知装置は、磁性体に
コイルが巻かれてなる磁気センサを回路の一部に用いた
単安定マルチバイブレータを備え、上記単安定マルチバ
イブレータから出力されるパルス信号の時間幅によって
外部磁界の強さを検出することを特徴とするものであ
る。ここで、単安定マルチバイブレータ回路は、例え
ば、トリガパルスが入力されたときに、外部磁界の強さ
に応じた時間幅のパルス信号を出力する。
【0016】本発明に係る磁気探知装置では、外部磁化
の変化をインダクタンスの変化として検出することとな
る。すなわち、外部磁界が変化すると、磁気センサの磁
性体の磁化量が変化し、その結果、磁気センサのインダ
クタンスが変化する。そして、このインダクタンスの変
化は、コイルに流れる電流の応答波形の変化として現れ
るので、この応答波形の変化を、単安定マルチバイブレ
ータから出力されるパルス信号の時間幅として検出する
ことにより、外部磁界が探知されることとなる。
の変化をインダクタンスの変化として検出することとな
る。すなわち、外部磁界が変化すると、磁気センサの磁
性体の磁化量が変化し、その結果、磁気センサのインダ
クタンスが変化する。そして、このインダクタンスの変
化は、コイルに流れる電流の応答波形の変化として現れ
るので、この応答波形の変化を、単安定マルチバイブレ
ータから出力されるパルス信号の時間幅として検出する
ことにより、外部磁界が探知されることとなる。
【0017】上記磁気探知装置は、磁気センサと直列に
接続された抵抗を備えていてもよく、このときは、パル
ス信号の時間幅が、磁気センサのインダクタンスと、抵
抗の抵抗値とによって定まる時定数により決定される。
すなわち、磁気センサと直列に抵抗を接続したときに
は、磁気センサのインダクタンスと、磁気センサと直列
に接続された抵抗の抵抗値とによって定まる時定数によ
り、コイルに流れる電流の応答波形の外部磁界強度に応
じた変化の大きさを定めることができる。
接続された抵抗を備えていてもよく、このときは、パル
ス信号の時間幅が、磁気センサのインダクタンスと、抵
抗の抵抗値とによって定まる時定数により決定される。
すなわち、磁気センサと直列に抵抗を接続したときに
は、磁気センサのインダクタンスと、磁気センサと直列
に接続された抵抗の抵抗値とによって定まる時定数によ
り、コイルに流れる電流の応答波形の外部磁界強度に応
じた変化の大きさを定めることができる。
【0018】なお、上記磁気探知装置において、磁気セ
ンサのコイルに流れる電流の振幅は、磁気センサのイン
ダクタンスが急峻な変化を示す範囲を包括するように設
定されていることが好ましい。このように電流の振幅を
設定することにより、外部磁界の変化によって磁気セン
サのインダクタンスが大きく変化するようになるため、
磁気探知装置の感度を高めることができる。さらに、電
流の振幅をインダクタンスの急峻な変化を包括するよう
に設定することにより、外部磁界の有無や大きさによら
ず、磁気センサのインダクタンスが急峻な変化を示す範
囲全体が常に利用されることとなり、この結果、磁気探
知装置のリニアリティが向上する。
ンサのコイルに流れる電流の振幅は、磁気センサのイン
ダクタンスが急峻な変化を示す範囲を包括するように設
定されていることが好ましい。このように電流の振幅を
設定することにより、外部磁界の変化によって磁気セン
サのインダクタンスが大きく変化するようになるため、
磁気探知装置の感度を高めることができる。さらに、電
流の振幅をインダクタンスの急峻な変化を包括するよう
に設定することにより、外部磁界の有無や大きさによら
ず、磁気センサのインダクタンスが急峻な変化を示す範
囲全体が常に利用されることとなり、この結果、磁気探
知装置のリニアリティが向上する。
【0019】また、上記磁気探知装置において、磁気セ
ンサのコイルに流れる電流は、直流バイアス電流成分を
含んでいることが好ましい。このように直流バイアス電
流成分を含ませることにより、電流のレベルを磁気セン
サのインダクタンスの変化が大きい部分に設定すること
ができる。したがって、直流バイアス電流成分を含ませ
ることにより、磁気探知装置の感度を高めることができ
る。
ンサのコイルに流れる電流は、直流バイアス電流成分を
含んでいることが好ましい。このように直流バイアス電
流成分を含ませることにより、電流のレベルを磁気セン
サのインダクタンスの変化が大きい部分に設定すること
ができる。したがって、直流バイアス電流成分を含ませ
ることにより、磁気探知装置の感度を高めることができ
る。
【0020】また、上記磁気探知装置は、磁気センサの
コイルに流れる電流の方向を反転させるバイラテラルス
イッチを備えていることが好ましい。このようにバイラ
テラルスイッチを設けて、磁気センサのコイルに流れる
電流の方向を反転させたときには、応答波形の変化を検
出する際にそれらの差動を取ることにより、電流方向が
一定のときに比べて約2倍の出力が得られることとな
る。
コイルに流れる電流の方向を反転させるバイラテラルス
イッチを備えていることが好ましい。このようにバイラ
テラルスイッチを設けて、磁気センサのコイルに流れる
電流の方向を反転させたときには、応答波形の変化を検
出する際にそれらの差動を取ることにより、電流方向が
一定のときに比べて約2倍の出力が得られることとな
る。
【0021】また、磁気センサのコイルに流れる電流の
方向を反転させたときに、外部磁界が零ならば、それぞ
れの電流方向における応答波形の変化は互いにキャンセ
ルされる。したがって、バイラテラルスイッチを備えた
磁気探知装置では、外部磁界がない状態である0点を容
易に認識できることとなる。
方向を反転させたときに、外部磁界が零ならば、それぞ
れの電流方向における応答波形の変化は互いにキャンセ
ルされる。したがって、バイラテラルスイッチを備えた
磁気探知装置では、外部磁界がない状態である0点を容
易に認識できることとなる。
【0022】さらに、コイルに流れる電流の方向を短時
間に反転させたときには、磁気センサのインダクタンス
に温度ドリフトや時間ドリフト等が生じても、これらの
影響は互いにキャンセルされることとなる。したがっ
て、バイラテラルスイッチを備えた磁気探知装置では、
磁気センサのインダクタンスの温度ドリフトや時間ドリ
フト等の影響を受けることなく、高精度に外部磁界を探
知することができる。
間に反転させたときには、磁気センサのインダクタンス
に温度ドリフトや時間ドリフト等が生じても、これらの
影響は互いにキャンセルされることとなる。したがっ
て、バイラテラルスイッチを備えた磁気探知装置では、
磁気センサのインダクタンスの温度ドリフトや時間ドリ
フト等の影響を受けることなく、高精度に外部磁界を探
知することができる。
【0023】なお、このような磁気探知装置において、
1つの磁気センサによって検出されるのは、外部磁界の
うち、磁気センサの磁性体の長手方向の成分だけであ
る。したがって、この磁気探知装置は、複数の磁気セン
サを備えていることが好ましい。そして、磁気探知装置
が複数の磁気センサを備えていれば、各磁気センサによ
って探知される磁界の大きさに基づいて、外部磁界の方
向を探知することが可能となる。
1つの磁気センサによって検出されるのは、外部磁界の
うち、磁気センサの磁性体の長手方向の成分だけであ
る。したがって、この磁気探知装置は、複数の磁気セン
サを備えていることが好ましい。そして、磁気探知装置
が複数の磁気センサを備えていれば、各磁気センサによ
って探知される磁界の大きさに基づいて、外部磁界の方
向を探知することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。なお、本発明は以下の例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である
ことは言うまでもない。
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。なお、本発明は以下の例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である
ことは言うまでもない。
【0025】まず、本発明を適用した磁気探知装置に用
いられる磁気センサの一例について説明する。
いられる磁気センサの一例について説明する。
【0026】図1に示すように、本実施の形態において
使用される磁気センサ1は、リボン状やワイヤー状に形
成された細長いアモルファス等からなる磁性体2と、こ
の磁性体2の長手方向に巻回された銅線等からなるコイ
ル3とから構成され、コイル3の両端から一対の端子
4,5が導出される。ここで、磁性体2には、数ガウス
程度の微弱な磁界で急峻な透磁率変化を示す角形特性に
優れた磁性材料を用いる。
使用される磁気センサ1は、リボン状やワイヤー状に形
成された細長いアモルファス等からなる磁性体2と、こ
の磁性体2の長手方向に巻回された銅線等からなるコイ
ル3とから構成され、コイル3の両端から一対の端子
4,5が導出される。ここで、磁性体2には、数ガウス
程度の微弱な磁界で急峻な透磁率変化を示す角形特性に
優れた磁性材料を用いる。
【0027】上記磁気センサ1を用いて外部磁界Hexを
検出するときの原理について、図2を参照しながら説明
する。この図2は、直流バイアス電流成分を含んだ交流
バイアス電流i1 、又は交流バイアス電流i1 を反転さ
せた交流バイアス電流i2 を、磁気センサ1に供給した
ときの状態について、磁気センサ1のインダクタンスL
の変化と対応させて示したものである。ここで、交流バ
イアス電流i1 の立ち上がり部分の電流をi1uとし、交
流バイアス電流i2 の立ち上がり部分の電流をi2uとす
る。
検出するときの原理について、図2を参照しながら説明
する。この図2は、直流バイアス電流成分を含んだ交流
バイアス電流i1 、又は交流バイアス電流i1 を反転さ
せた交流バイアス電流i2 を、磁気センサ1に供給した
ときの状態について、磁気センサ1のインダクタンスL
の変化と対応させて示したものである。ここで、交流バ
イアス電流i1 の立ち上がり部分の電流をi1uとし、交
流バイアス電流i2 の立ち上がり部分の電流をi2uとす
る。
【0028】磁気センサ1を用いて外部磁界Hexを検出
する際は、コイル3に直流バイアス電流成分を含んだ交
流バイアス電流i1 を流すことにより、磁気センサ1を
長手方向に磁化して、磁気センサ1の長手方向に直流バ
イアス磁界成分を含んだ磁界を発生させる。ここで、コ
イル3に供給する交流バイアス電流i1 は、外部磁界H
exが加わって磁界の大きさがシフトしたとしても、磁界
の変化範囲が、磁気センサ1のインダクタンスLが急峻
な変化を示す範囲を包括するように設定する。
する際は、コイル3に直流バイアス電流成分を含んだ交
流バイアス電流i1 を流すことにより、磁気センサ1を
長手方向に磁化して、磁気センサ1の長手方向に直流バ
イアス磁界成分を含んだ磁界を発生させる。ここで、コ
イル3に供給する交流バイアス電流i1 は、外部磁界H
exが加わって磁界の大きさがシフトしたとしても、磁界
の変化範囲が、磁気センサ1のインダクタンスLが急峻
な変化を示す範囲を包括するように設定する。
【0029】そして、外部磁界Hex=0のときに、電流
値がIa からIb まで変化するような電流i1uを磁気セ
ンサ1のコイル3に流すと、磁気センサ1のインダクタ
ンスLはLmax からLmin に変化する。そして、磁気セ
ンサ1に印加される電圧の変化が一定であるならば、電
流i1uの立ち上がり時間t1uは、ファラデーの法則によ
って下記式(2−1)のように表される。
値がIa からIb まで変化するような電流i1uを磁気セ
ンサ1のコイル3に流すと、磁気センサ1のインダクタ
ンスLはLmax からLmin に変化する。そして、磁気セ
ンサ1に印加される電圧の変化が一定であるならば、電
流i1uの立ち上がり時間t1uは、ファラデーの法則によ
って下記式(2−1)のように表される。
【0030】
【数1】
【0031】一方、外部磁界Hexが加わっているとき
に、同様に磁気センサに電圧を印加すると、磁気センサ
1のコイル3に流れる電流i1uは、外部磁界Hex分だけ
シフトして、例えば、Ia +IexからIb +Iexまで変
化するようになる。このとき、電流i1uは、Iexの分だ
けシフトすると共に、その応答波形に変化が生じる。そ
して、電流i1uの応答波形が変化し、その立ち上がり時
間t1uが、下記式(2−2)で表される変化時間Δt1u
だけ変化することとなる。
に、同様に磁気センサに電圧を印加すると、磁気センサ
1のコイル3に流れる電流i1uは、外部磁界Hex分だけ
シフトして、例えば、Ia +IexからIb +Iexまで変
化するようになる。このとき、電流i1uは、Iexの分だ
けシフトすると共に、その応答波形に変化が生じる。そ
して、電流i1uの応答波形が変化し、その立ち上がり時
間t1uが、下記式(2−2)で表される変化時間Δt1u
だけ変化することとなる。
【0032】
【数2】
【0033】このように、電流i1uの立ち上がり時間t
1uは、外部磁界Hexの変化に応じて変化する。したがっ
て、この磁気センサ1では、電流i1uの立ち上がり時間
t1uの変化量を検出することにより、外部磁界Hexの変
化を検出することができる。
1uは、外部磁界Hexの変化に応じて変化する。したがっ
て、この磁気センサ1では、電流i1uの立ち上がり時間
t1uの変化量を検出することにより、外部磁界Hexの変
化を検出することができる。
【0034】なお、この磁気センサ1では、外部磁界H
exが加わっても、磁気センサ1のコイル3に流れる電流
i1uが、インダクタンスLが急峻な変化を示す範囲を包
括するように設定する。これにより、上記式(2−2)
から明らかなように、外部磁界Hexの変化に応じて、シ
フト時間Δt1 は、ほぼ直線的に変化することとなる。
exが加わっても、磁気センサ1のコイル3に流れる電流
i1uが、インダクタンスLが急峻な変化を示す範囲を包
括するように設定する。これにより、上記式(2−2)
から明らかなように、外部磁界Hexの変化に応じて、シ
フト時間Δt1 は、ほぼ直線的に変化することとなる。
【0035】したがって、この磁気センサ1は、外部磁
界検出時のリニアリティが優れたものとなり、磁界検出
用のセンサとして非常に好適に動作する。また、この磁
気センサ1では、外部磁界Hexの検出に、インダクタン
スLの急峻な変化、すなわちLmax からLmin に至る大
きな変化を、常に利用することとなるので、非常に高い
感度が得られる。
界検出時のリニアリティが優れたものとなり、磁界検出
用のセンサとして非常に好適に動作する。また、この磁
気センサ1では、外部磁界Hexの検出に、インダクタン
スLの急峻な変化、すなわちLmax からLmin に至る大
きな変化を、常に利用することとなるので、非常に高い
感度が得られる。
【0036】つぎに、交流バイアス電流i1 を反転させ
た交流バイアス電流i2 を磁気センサ1に供給したとき
の動作について説明する。
た交流バイアス電流i2 を磁気センサ1に供給したとき
の動作について説明する。
【0037】ここでは、図2に示すように、磁気センサ
1に流れる電流を反転させ、外部磁界Hex=0のときに
磁気センサ1に流れる電流i2uが−Ia から−Ib まで
変化するように、磁気センサ1に電圧を印加する。この
ときも、磁気センサ1のインダクタンスLは、Lmax か
らLmin へ変化する。そして、磁気センサ1に印加され
る電圧の変化が一定であるならば、電流i2uの立ち上が
り時間t2uは、ファラデーの法則によって下記式(2−
3)のように表され、上述の立ち上がり時間t1uと同じ
となる。
1に流れる電流を反転させ、外部磁界Hex=0のときに
磁気センサ1に流れる電流i2uが−Ia から−Ib まで
変化するように、磁気センサ1に電圧を印加する。この
ときも、磁気センサ1のインダクタンスLは、Lmax か
らLmin へ変化する。そして、磁気センサ1に印加され
る電圧の変化が一定であるならば、電流i2uの立ち上が
り時間t2uは、ファラデーの法則によって下記式(2−
3)のように表され、上述の立ち上がり時間t1uと同じ
となる。
【0038】
【数3】
【0039】一方、外部磁界Hexが加わると、磁気セン
サ1のコイルに流れる電流i2uは、外部磁界Hex分だけ
シフトして、例えば、−Ia +Iexから−Ib +Iexま
で変化するようになる。このとき、電流i2uは、Iexの
分だけシフトすると共に、その応答波形に変化が生じ
る。そして、電流i2uの応答波形が変化し、その立ち上
がり時間t2uが、下記式(2−4)で表される変化時間
Δt2uだけ変化することとなる。
サ1のコイルに流れる電流i2uは、外部磁界Hex分だけ
シフトして、例えば、−Ia +Iexから−Ib +Iexま
で変化するようになる。このとき、電流i2uは、Iexの
分だけシフトすると共に、その応答波形に変化が生じ
る。そして、電流i2uの応答波形が変化し、その立ち上
がり時間t2uが、下記式(2−4)で表される変化時間
Δt2uだけ変化することとなる。
【0040】
【数4】
【0041】このように、交流バイアス電流i1 を反転
させた交流バイアス電流i2 を流したときも、電流i2u
の立ち上がり時間t2uは、外部磁界Hexの変化に応じて
変化する。そして、この変化時間Δt2uは、上述の変化
時間Δt1uと符号が逆で同じ大きさとなっている。すな
わち、変化時間Δt1uと変化時間Δt2uとは、差動の関
係にある。
させた交流バイアス電流i2 を流したときも、電流i2u
の立ち上がり時間t2uは、外部磁界Hexの変化に応じて
変化する。そして、この変化時間Δt2uは、上述の変化
時間Δt1uと符号が逆で同じ大きさとなっている。すな
わち、変化時間Δt1uと変化時間Δt2uとは、差動の関
係にある。
【0042】そこで、順方向に電流を流したときの立ち
上がり時間t1u+Δt1uと、逆方向に電流を流したとき
の立ち上がり時間t2u+Δt2uとを測定し、下記式(2
−5)に示すように、これらの差動を取る。
上がり時間t1u+Δt1uと、逆方向に電流を流したとき
の立ち上がり時間t2u+Δt2uとを測定し、下記式(2
−5)に示すように、これらの差動を取る。
【0043】 (t1u+Δt1u)−(t2u+Δt2u)=2×Δt1u ・・・(2−5) これにより、外部磁界Hexの変化に応じた信号を、一定
の方向にだけ電流を流したときに比べて、約2倍の出力
として取り出すことができる。
の方向にだけ電流を流したときに比べて、約2倍の出力
として取り出すことができる。
【0044】また、順方向に電流を流したときの立ち上
がり時間t1u+Δt1uと、逆方向に電流を流したときの
立ち上がり時間t2u+Δt2uとの差動を取ると、外部磁
界Hex=0のときには、交流バイアス電流の立ち上がり
時間が互いにキャンセルされる。したがって、外部磁界
Hexがない状態である0点を容易に認識することができ
る。
がり時間t1u+Δt1uと、逆方向に電流を流したときの
立ち上がり時間t2u+Δt2uとの差動を取ると、外部磁
界Hex=0のときには、交流バイアス電流の立ち上がり
時間が互いにキャンセルされる。したがって、外部磁界
Hexがない状態である0点を容易に認識することができ
る。
【0045】さらに、磁気センサ1は温度等によってイ
ンダクタンスLの大きさが変化して交流バイアス電流の
立ち上がり時間に変化が生じるが、交流バイアス電流の
方向を短時間で反転させることにより、このような温度
ドリフトや時間ドリフト等の影響を互いにキャンセルす
ることができる。したがって、この磁気センサでは、温
度ドリフトや時間ドリフト等の影響を受けることなく、
高精度に外部磁界Hexを検出することができる。
ンダクタンスLの大きさが変化して交流バイアス電流の
立ち上がり時間に変化が生じるが、交流バイアス電流の
方向を短時間で反転させることにより、このような温度
ドリフトや時間ドリフト等の影響を互いにキャンセルす
ることができる。したがって、この磁気センサでは、温
度ドリフトや時間ドリフト等の影響を受けることなく、
高精度に外部磁界Hexを検出することができる。
【0046】つぎに、以上のような磁気センサを用いた
磁気探知装置の一構成例について、具体的に説明する。
磁気探知装置の一構成例について、具体的に説明する。
【0047】この磁気探知装置は、図3に示すように、
磁気センサ10と、磁気センサ10に流れる電流iの方
向を反転させるためのバイラテラルスイッチ11と、磁
気センサ10に直列に接続された抵抗12と、トリガパ
ルスを出力するパルス発生器13と、パルス発生器13
に接続されたコンデンサ14と、電圧レベルの比較を行
うコンパレータ15とを備えており、これらにより、単
安定マルチバイブレータ回路が構成されている。
磁気センサ10と、磁気センサ10に流れる電流iの方
向を反転させるためのバイラテラルスイッチ11と、磁
気センサ10に直列に接続された抵抗12と、トリガパ
ルスを出力するパルス発生器13と、パルス発生器13
に接続されたコンデンサ14と、電圧レベルの比較を行
うコンパレータ15とを備えており、これらにより、単
安定マルチバイブレータ回路が構成されている。
【0048】上記磁気探知装置において、磁気センサ1
0は、上述したように、リボン状やワイヤー状に形成さ
れた細長いアモルファス等からなる磁性体と、この磁性
体の長手方向に巻回された銅線等からなるコイルとから
構成される。そして、この磁気センサ10は、スイッチ
SW1、スイッチSW2、スイッチSW3及びスイッチ
SW4を備えたバイラテラルスイッチ11内に配されて
おり、磁気センサ10に流れる電流iの方向は、このバ
イラテラルスイッチ11によって反転させることができ
るようになっている。
0は、上述したように、リボン状やワイヤー状に形成さ
れた細長いアモルファス等からなる磁性体と、この磁性
体の長手方向に巻回された銅線等からなるコイルとから
構成される。そして、この磁気センサ10は、スイッチ
SW1、スイッチSW2、スイッチSW3及びスイッチ
SW4を備えたバイラテラルスイッチ11内に配されて
おり、磁気センサ10に流れる電流iの方向は、このバ
イラテラルスイッチ11によって反転させることができ
るようになっている。
【0049】このバイラテラルスイッチ11に接続され
た抵抗12の一端は、バイラテラルスイッチ11を介し
て磁気センサ10に対して直列に接続されている。
た抵抗12の一端は、バイラテラルスイッチ11を介し
て磁気センサ10に対して直列に接続されている。
【0050】すなわち、抵抗12の一端は、磁気センサ
10と抵抗12により微分回路が構成されるように、バ
イラテラルスイッチ11を介して磁気センサ10に直列
に接続されているとともに、磁気センサ10と抵抗12
からなる微分回路に生じる微分電圧V2 がコンパレータ
15のプラス側端子15aに入力するように、コンパレ
ータ15のプラス側端子15aに接続されている。一
方、抵抗12の他端は、コンパレータ15の出力端子1
5cに接続されており、また、コンパレータ15の出力
端子15cからは、この磁気探知装置の出力端子16が
導出されている。
10と抵抗12により微分回路が構成されるように、バ
イラテラルスイッチ11を介して磁気センサ10に直列
に接続されているとともに、磁気センサ10と抵抗12
からなる微分回路に生じる微分電圧V2 がコンパレータ
15のプラス側端子15aに入力するように、コンパレ
ータ15のプラス側端子15aに接続されている。一
方、抵抗12の他端は、コンパレータ15の出力端子1
5cに接続されており、また、コンパレータ15の出力
端子15cからは、この磁気探知装置の出力端子16が
導出されている。
【0051】また、コンデンサ14の一端は、パルス発
生器13に接続されている。一方、コンデンサ14の他
端は、コンパレータ15のマイナス側端子15bに接続
されているとともに、抵抗17を介して接地されてい
る。そして、パルス発生器13からの出力が、コンデン
サ14を介してコンパレータ15のマイナス側端子15
bに入力するようになされている。ここで、コンパレー
タ15のマイナス側端子15bは、抵抗18を介してコ
ンパレータ15の出力端子15cに接続されている。な
お、コンパレータ15のマイナス側端子15bには、コ
ンパレータ15に入力されるパルスの波形整形等のため
に、抵抗19を介して外部回路が接続されていてもよ
い。
生器13に接続されている。一方、コンデンサ14の他
端は、コンパレータ15のマイナス側端子15bに接続
されているとともに、抵抗17を介して接地されてい
る。そして、パルス発生器13からの出力が、コンデン
サ14を介してコンパレータ15のマイナス側端子15
bに入力するようになされている。ここで、コンパレー
タ15のマイナス側端子15bは、抵抗18を介してコ
ンパレータ15の出力端子15cに接続されている。な
お、コンパレータ15のマイナス側端子15bには、コ
ンパレータ15に入力されるパルスの波形整形等のため
に、抵抗19を介して外部回路が接続されていてもよ
い。
【0052】上記磁気探知装置において、コンパレータ
15は、プラス側端子15aからの入力と、マイナス側
端子15bからの入力とを比較する。そして、マイナス
側端子15bからの入力の電圧レベルの方が大きいとき
には、出力端子15cから高電位VH の出力電圧V0 を
出力し、マイナス側端子15bからの入力の電圧レベル
の方が小さいときには、出力端子15cから低電位VH
の出力電圧V0 を出力する。
15は、プラス側端子15aからの入力と、マイナス側
端子15bからの入力とを比較する。そして、マイナス
側端子15bからの入力の電圧レベルの方が大きいとき
には、出力端子15cから高電位VH の出力電圧V0 を
出力し、マイナス側端子15bからの入力の電圧レベル
の方が小さいときには、出力端子15cから低電位VH
の出力電圧V0 を出力する。
【0053】上記磁気探知装置の動作について、バイラ
テラルスイッチ11によって磁気センサ10に対して一
定の方向に電流が流れるようにしたときの電圧波形のタ
イムチャートである図4を参照しながら説明する。
テラルスイッチ11によって磁気センサ10に対して一
定の方向に電流が流れるようにしたときの電圧波形のタ
イムチャートである図4を参照しながら説明する。
【0054】ここで、図4(a)は、パルス発生器13
から出力されるトリガパルスVc の電圧波形を示すタイ
ムチャートである。また、図4(b)は、コンパレータ
15のマイナス側端子15bに入力する電圧の波形を示
すタイムチャートである。また、図4(c)は、コンパ
レータ15のプラス側端子15aに入力する電圧の波形
を示すタイムチャートである。また、図4(d)は、コ
ンパレータ15から出力される出力電圧V0 のタイムチ
ャート、すなわち、この磁気探知装置から出力されるパ
ルス信号の電圧波形を示すタイムチャートである。
から出力されるトリガパルスVc の電圧波形を示すタイ
ムチャートである。また、図4(b)は、コンパレータ
15のマイナス側端子15bに入力する電圧の波形を示
すタイムチャートである。また、図4(c)は、コンパ
レータ15のプラス側端子15aに入力する電圧の波形
を示すタイムチャートである。また、図4(d)は、コ
ンパレータ15から出力される出力電圧V0 のタイムチ
ャート、すなわち、この磁気探知装置から出力されるパ
ルス信号の電圧波形を示すタイムチャートである。
【0055】上記磁気探知装置が動作する際は、先ず、
図4(a)に示すようなトリガパルスVc がパルス発生
器13から出力され、このトリガパルスVc がコンデン
サ14を介してコンパレータ15のマイナス側端子15
bに入力する。
図4(a)に示すようなトリガパルスVc がパルス発生
器13から出力され、このトリガパルスVc がコンデン
サ14を介してコンパレータ15のマイナス側端子15
bに入力する。
【0056】そして、トリガパルスVc が入力される
と、図4(d)に示すように、コンパレータ15からの
出力電圧V0 は、低電位VL から高電位VH となる。
と、図4(d)に示すように、コンパレータ15からの
出力電圧V0 は、低電位VL から高電位VH となる。
【0057】これにより、図4(c)に示すように、磁
気センサ10と抵抗12からなる微分回路に高電位VH
の微分電圧V2 が生じるとともに、図4(b)に示すよ
うに、コンパレータ15のマイナス側端子15bに印加
する電圧V1 が、低電位VtLから高電位VtHに変化す
る。
気センサ10と抵抗12からなる微分回路に高電位VH
の微分電圧V2 が生じるとともに、図4(b)に示すよ
うに、コンパレータ15のマイナス側端子15bに印加
する電圧V1 が、低電位VtLから高電位VtHに変化す
る。
【0058】このとき、磁気センサ10と抵抗12から
なる微分回路に微分電圧V2 が生じることにより、磁気
センサ10に電流iが流れる。そして、磁気センサ10
に電流iが流れるのに伴い、図4(c)に示すように、
微分電圧V2 のレベルが低下する。
なる微分回路に微分電圧V2 が生じることにより、磁気
センサ10に電流iが流れる。そして、磁気センサ10
に電流iが流れるのに伴い、図4(c)に示すように、
微分電圧V2 のレベルが低下する。
【0059】そして、微分電圧V2 のレベルが低下し、
微分電圧V2 のレベルが、コンパレータ15のマイナス
側端子15bに印加している電圧V1 の電位VtHにまで
達すると、図4(d)に示すように、コンパレータ15
からの出力電圧V0 は、再び高電位VH から低電位VL
となる。
微分電圧V2 のレベルが、コンパレータ15のマイナス
側端子15bに印加している電圧V1 の電位VtHにまで
達すると、図4(d)に示すように、コンパレータ15
からの出力電圧V0 は、再び高電位VH から低電位VL
となる。
【0060】これにより、図4(c)に示すように、微
分電圧V2 の電位は、基準レベルGNDとなり、また、
図4(b)に示すように、コンパレータ15のマイナス
側端子15bの印加する電圧V1 は、高電位VtHから低
電位VtLに変化する。
分電圧V2 の電位は、基準レベルGNDとなり、また、
図4(b)に示すように、コンパレータ15のマイナス
側端子15bの印加する電圧V1 は、高電位VtHから低
電位VtLに変化する。
【0061】以上のような動作の繰り返しにより、磁気
センサ10を含む回路は単安定マルチバイブレータとし
て動作し、コンパレータ15からの出力電圧V0 は、図
4(d)に示すようなパルス信号となる。そして、この
パルス信号が、この磁気探知装置からの出力となる。
センサ10を含む回路は単安定マルチバイブレータとし
て動作し、コンパレータ15からの出力電圧V0 は、図
4(d)に示すようなパルス信号となる。そして、この
パルス信号が、この磁気探知装置からの出力となる。
【0062】ここで、パルス信号の時間幅Tは、磁気セ
ンサ10に電流iが流れるのに伴う微分電圧V2 の立ち
下がりの時間に対応している。そして、上述したように
磁気センサ10に流れる電流iの立ち上がり時間は外部
磁界Hexの大きさに依存しているので、このパルス信号
の時間幅Tに基づいて、磁気センサ10に加わっている
外部磁界Hexの大きさを検出することができる。すなわ
ち、この磁気探知装置では、磁気センサ10に加わった
外部磁界Hexの変化が、コンパレータ15から出力され
るパルス信号の時間幅Tの変化として現れるので、この
時間幅Tの変化を検出することにより、外部磁界Hexの
強さを検出することが可能となる。
ンサ10に電流iが流れるのに伴う微分電圧V2 の立ち
下がりの時間に対応している。そして、上述したように
磁気センサ10に流れる電流iの立ち上がり時間は外部
磁界Hexの大きさに依存しているので、このパルス信号
の時間幅Tに基づいて、磁気センサ10に加わっている
外部磁界Hexの大きさを検出することができる。すなわ
ち、この磁気探知装置では、磁気センサ10に加わった
外部磁界Hexの変化が、コンパレータ15から出力され
るパルス信号の時間幅Tの変化として現れるので、この
時間幅Tの変化を検出することにより、外部磁界Hexの
強さを検出することが可能となる。
【0063】なお、上記磁気探知装置において、磁気セ
ンサ10と抵抗12からなる微分回路に生じる微分電圧
V2 が変化する範囲は、磁気センサ10に流れる電流i
の立ち上がり時における磁気センサ10のインダクタン
スLのLmax からLmin への変化を包括するように設定
しておく。すなわち、コンパレータ15からの出力電圧
V0 や、抵抗12の抵抗値等は、磁気センサ10に流れ
る電流iの変化する範囲が、磁気センサ10のインダク
タンスLが急峻な変化を示す範囲を包括するように設定
しておく。これにより、磁気センサ10のインダクタン
スLが急峻な変化を示す範囲全体が常に利用されること
となり、この結果、磁気探知装置の感度やリニアリティ
が向上する。
ンサ10と抵抗12からなる微分回路に生じる微分電圧
V2 が変化する範囲は、磁気センサ10に流れる電流i
の立ち上がり時における磁気センサ10のインダクタン
スLのLmax からLmin への変化を包括するように設定
しておく。すなわち、コンパレータ15からの出力電圧
V0 や、抵抗12の抵抗値等は、磁気センサ10に流れ
る電流iの変化する範囲が、磁気センサ10のインダク
タンスLが急峻な変化を示す範囲を包括するように設定
しておく。これにより、磁気センサ10のインダクタン
スLが急峻な変化を示す範囲全体が常に利用されること
となり、この結果、磁気探知装置の感度やリニアリティ
が向上する。
【0064】上記磁気探知装置において、磁気センサ1
0に加わった外部磁界Hexの変化が、パルス信号の時間
幅Tの変化として現れる原理について、さらに詳細に説
明する。
0に加わった外部磁界Hexの変化が、パルス信号の時間
幅Tの変化として現れる原理について、さらに詳細に説
明する。
【0065】上記磁気探知装置において、パルス発生器
13からトリガパルスVc が供給されたとき、磁気セン
サ10に流れる電流i、及びその立ち上がり時間tは、
磁気センサ10のインダクタンスをL、抵抗12の抵抗
値をR、コンパレータ15から出力される出力電圧V0
が高電位のときの電圧をVH 、コンパレータ15から出
力される出力電圧V0 が低電位のときの電圧をVL とす
ると、下記式(2−5)で表される。
13からトリガパルスVc が供給されたとき、磁気セン
サ10に流れる電流i、及びその立ち上がり時間tは、
磁気センサ10のインダクタンスをL、抵抗12の抵抗
値をR、コンパレータ15から出力される出力電圧V0
が高電位のときの電圧をVH 、コンパレータ15から出
力される出力電圧V0 が低電位のときの電圧をVL とす
ると、下記式(2−5)で表される。
【0066】
【数5】
【0067】上記式(2−5)から分かるように、電流
iの立ち上がり時間tは、磁気センサ10のインダクタ
ンスLと、抵抗12の抵抗値Rとによって定まる時定数
L/Rに比例している。したがって、磁気センサ10の
インダクタンスLや、抵抗12の抵抗値Rの大きさを変
えることにより、電流iの立ち上がり時間tが変化す
る。
iの立ち上がり時間tは、磁気センサ10のインダクタ
ンスLと、抵抗12の抵抗値Rとによって定まる時定数
L/Rに比例している。したがって、磁気センサ10の
インダクタンスLや、抵抗12の抵抗値Rの大きさを変
えることにより、電流iの立ち上がり時間tが変化す
る。
【0068】そして、上述したように、磁気センサ10
のインダクタンスLは、電流iが立ち上がっている間
に、Lmax からLmin に変化する。このため、磁気セン
サに流れる電流iは、初めはインダクタンスLがLmax
の状態で立ち上がり、やがて、インダクタンスLがL
min の状態で立ち上がることとなる。したがって、電流
iの立ち上がり時間tは、インダクタンスLがLmax の
状態での立ち上がり時間と、インダクタンスLがLmin
の状態での立ち上がり時間との合計になる。そして、磁
気センサ10に加わる外部磁界Hexが変化すると、この
変化分だけ、インダクタンスLがLmax からLmin に変
化する変化点がシフトするので、外部磁界Hexに応じ
て、電流iの立ち上がり時間tが変化することとなる。
のインダクタンスLは、電流iが立ち上がっている間
に、Lmax からLmin に変化する。このため、磁気セン
サに流れる電流iは、初めはインダクタンスLがLmax
の状態で立ち上がり、やがて、インダクタンスLがL
min の状態で立ち上がることとなる。したがって、電流
iの立ち上がり時間tは、インダクタンスLがLmax の
状態での立ち上がり時間と、インダクタンスLがLmin
の状態での立ち上がり時間との合計になる。そして、磁
気センサ10に加わる外部磁界Hexが変化すると、この
変化分だけ、インダクタンスLがLmax からLmin に変
化する変化点がシフトするので、外部磁界Hexに応じ
て、電流iの立ち上がり時間tが変化することとなる。
【0069】そして、電流iの立ち上がり時間tは、微
分電圧V2 の立ち下がり時間に対応しているので、外部
磁界Hexの大きさに依存して、微分電圧V2 の立ち下が
り時間が変化することとなる。そして、この磁気探知装
置から出力されるパルス信号の時間幅Tは、微分電圧V
2 の立ち下がり時間に対応しているので、磁気センサ1
0に加わった外部磁界Hexの変化が、パルス信号の時間
幅Tの変化として現れることとなる。
分電圧V2 の立ち下がり時間に対応しているので、外部
磁界Hexの大きさに依存して、微分電圧V2 の立ち下が
り時間が変化することとなる。そして、この磁気探知装
置から出力されるパルス信号の時間幅Tは、微分電圧V
2 の立ち下がり時間に対応しているので、磁気センサ1
0に加わった外部磁界Hexの変化が、パルス信号の時間
幅Tの変化として現れることとなる。
【0070】ところで、本実施の形態に係る磁気探知装
置では、バイラテラルスイッチ11によって磁気センサ
10に流れる電流の方向を反転させることができる。す
なわち、図3において、スイッチSW1及びスイッチS
W4がオンで、スイッチSW2及びスイッチSW3がオ
フのとき、図3の矢印Aの向きに電流が流れ、また、ス
イッチSW1及びスイッチSW4がオフで、スイッチS
W2及びスイッチSW3がONのとき、図3の矢印Bの
向きに電流が流れる。そして、バイラテラルスイッチ1
1によって磁気センサ10に流れる電流の方向を反転さ
せて外部磁界Hexを検出することにより、上述したよう
に、一定の方向にだけ電流を流したときに比べて約2倍
の出力が得られ、また、外部磁界Hexがない状態である
0点を容易に認識することができ、さらには、温度ドリ
フトや時間ドリフト等の影響を取り除くことができる。
置では、バイラテラルスイッチ11によって磁気センサ
10に流れる電流の方向を反転させることができる。す
なわち、図3において、スイッチSW1及びスイッチS
W4がオンで、スイッチSW2及びスイッチSW3がオ
フのとき、図3の矢印Aの向きに電流が流れ、また、ス
イッチSW1及びスイッチSW4がオフで、スイッチS
W2及びスイッチSW3がONのとき、図3の矢印Bの
向きに電流が流れる。そして、バイラテラルスイッチ1
1によって磁気センサ10に流れる電流の方向を反転さ
せて外部磁界Hexを検出することにより、上述したよう
に、一定の方向にだけ電流を流したときに比べて約2倍
の出力が得られ、また、外部磁界Hexがない状態である
0点を容易に認識することができ、さらには、温度ドリ
フトや時間ドリフト等の影響を取り除くことができる。
【0071】なお、上記磁気探知装置では、磁気センサ
に流れる電流の立ち上がりを利用して、単安定マルチバ
イブレータ回路を構成したが、磁気センサに流れる電流
の立ち下がりを利用して、単安定マルチバイブレータ回
路を構成してもよく、このときも同様に、パルス信号の
時間幅の変化として、外部磁界を検出することができ
る。
に流れる電流の立ち上がりを利用して、単安定マルチバ
イブレータ回路を構成したが、磁気センサに流れる電流
の立ち下がりを利用して、単安定マルチバイブレータ回
路を構成してもよく、このときも同様に、パルス信号の
時間幅の変化として、外部磁界を検出することができ
る。
【0072】ところで、図3に示したような磁気探知装
置において、出力されるパルス信号の時間幅Tの変化量
は、外部磁界Hexと、磁気センサ10の磁性体の長手方
向に生じる磁界とが成す角度θに依存している。すなわ
ち、外部磁界Hexが一定のとき、図5に示すように、パ
ルス信号の時間幅Tは、外部磁界Hexと、磁気センサ1
0の磁性体の長手方向に生じる磁界とが成す角度θに依
存して変化する。なお、図5では、外部磁界Hexの向き
と、磁気センサ10の磁性体の長手方向に生じる磁界の
向きとが同じときを角度θ=0°としている。
置において、出力されるパルス信号の時間幅Tの変化量
は、外部磁界Hexと、磁気センサ10の磁性体の長手方
向に生じる磁界とが成す角度θに依存している。すなわ
ち、外部磁界Hexが一定のとき、図5に示すように、パ
ルス信号の時間幅Tは、外部磁界Hexと、磁気センサ1
0の磁性体の長手方向に生じる磁界とが成す角度θに依
存して変化する。なお、図5では、外部磁界Hexの向き
と、磁気センサ10の磁性体の長手方向に生じる磁界の
向きとが同じときを角度θ=0°としている。
【0073】図5から分かるように、パルス信号の時間
幅Tは外部磁界Hexの方位情報を含んでいる。これは、
磁気センサ10の磁性体の磁化量が、磁気センサ10に
流れる電流による磁化量と、外部磁界Hexによる磁化量
との合計であり、外部磁界Hexによる磁化量が、外部磁
界Hexと、磁気センサ10の磁性体の長手方向に生じる
磁界とが成す角度θに依存して変化するからである。
幅Tは外部磁界Hexの方位情報を含んでいる。これは、
磁気センサ10の磁性体の磁化量が、磁気センサ10に
流れる電流による磁化量と、外部磁界Hexによる磁化量
との合計であり、外部磁界Hexによる磁化量が、外部磁
界Hexと、磁気センサ10の磁性体の長手方向に生じる
磁界とが成す角度θに依存して変化するからである。
【0074】すなわち、図6に示すように、磁気センサ
10のコイル10bに流れる電流による磁界Hb は一定
であるが、外部磁界Hexによって磁気センサ10の磁性
体10aに生じる磁界は、外部磁界Hexの方向に依存し
ている。したがって、磁気センサ10で検出される磁界
Hは、下記式(2−6)で示すように、外部磁界Hexの
うち、磁性体10aの長手方向成分のみとなる。
10のコイル10bに流れる電流による磁界Hb は一定
であるが、外部磁界Hexによって磁気センサ10の磁性
体10aに生じる磁界は、外部磁界Hexの方向に依存し
ている。したがって、磁気センサ10で検出される磁界
Hは、下記式(2−6)で示すように、外部磁界Hexの
うち、磁性体10aの長手方向成分のみとなる。
【0075】H=Hex・cosθ ・・・(2−6) なお、上記式(2−6)に示すように、磁気センサ10
で検出される磁界Hは、外部磁界Hexの方位情報を含ん
でいるので、複数の磁気センサを用いることにより、外
部磁界Hexの方向を知ることができる。
で検出される磁界Hは、外部磁界Hexの方位情報を含ん
でいるので、複数の磁気センサを用いることにより、外
部磁界Hexの方向を知ることができる。
【0076】具体的には、例えば、図7に示すように、
互いに直交する一対の磁気センサ10x,10yを磁気
探知装置に組み込む。ここで、磁気センサ10xは、X
軸方向に配置し、磁気センサ10yは、X軸方向に対し
て直交するY軸方向に配置する。このとき、外部磁界H
exの方向と、X軸方向検出用の磁気センサ11xの磁性
体の長手方向とが成す角度をθとすると、X軸方向検出
用の磁気センサ10xによって検出される磁界の大きさ
Hx は、下記式(2−7)で表され、Y軸方向検出用の
磁気センサ10yによって検出される磁界の大きさHy
は、下記式(2−8)で表される。
互いに直交する一対の磁気センサ10x,10yを磁気
探知装置に組み込む。ここで、磁気センサ10xは、X
軸方向に配置し、磁気センサ10yは、X軸方向に対し
て直交するY軸方向に配置する。このとき、外部磁界H
exの方向と、X軸方向検出用の磁気センサ11xの磁性
体の長手方向とが成す角度をθとすると、X軸方向検出
用の磁気センサ10xによって検出される磁界の大きさ
Hx は、下記式(2−7)で表され、Y軸方向検出用の
磁気センサ10yによって検出される磁界の大きさHy
は、下記式(2−8)で表される。
【0077】 Hx =Hex・cosθ ・・・(2−7) Hy =Hex・sinθ ・・・(2−8) ここで、X軸方向検出用の磁気センサ10xによって検
出される磁界の大きさHx と、Y軸方向検出用の磁気セ
ンサ10yによって検出される磁界の大きさHy との比
をとると、下記式(2−9)となる。
出される磁界の大きさHx と、Y軸方向検出用の磁気セ
ンサ10yによって検出される磁界の大きさHy との比
をとると、下記式(2−9)となる。
【0078】 Hy /Hx =sinθ/cosθ=tanθ ・・・(2−9) したがって、外部磁界Hexの方向と、X軸方向検出用の
磁気センサ10x の磁性体の長手方向とが成す角度θ
は、下記式(2−10)で表される。ただし、下記式
(2−10)において、Hy ≧0のときは、180°≧
θ≧0°であり、0>Hy のときは、360°>θ>1
80°である。
磁気センサ10x の磁性体の長手方向とが成す角度θ
は、下記式(2−10)で表される。ただし、下記式
(2−10)において、Hy ≧0のときは、180°≧
θ≧0°であり、0>Hy のときは、360°>θ>1
80°である。
【0079】 θ=tan-1(Hy /Hx ) ・・・(2−10) このように磁気探知装置に、2つの磁気センサ10x,
10yを設けることにより、外部磁界Hexの方向を知る
ことができる。なお、立体空間内での外部磁界Hexの方
向、すなわち外部磁界Hexの3次元での方向まで知りた
いときには、互いに直交する3つの磁気センサを用いれ
ばよい。
10yを設けることにより、外部磁界Hexの方向を知る
ことができる。なお、立体空間内での外部磁界Hexの方
向、すなわち外部磁界Hexの3次元での方向まで知りた
いときには、互いに直交する3つの磁気センサを用いれ
ばよい。
【0080】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る磁気探知装置では、外部磁界の検出に、外部磁界
の変化に伴って急峻な変化を示すインダクタンスの変化
を用いているので、非常に高い感度で外部磁界を検出す
ることができる。しかも、本発明に係る磁気探知装置
は、非常に簡単な構成であるので、容易に小型化や低価
格化を図ることができる。
に係る磁気探知装置では、外部磁界の検出に、外部磁界
の変化に伴って急峻な変化を示すインダクタンスの変化
を用いているので、非常に高い感度で外部磁界を検出す
ることができる。しかも、本発明に係る磁気探知装置
は、非常に簡単な構成であるので、容易に小型化や低価
格化を図ることができる。
【0081】したがって、本発明によれば、小型化や低
価格化が容易で、高い感度が得られる磁気探知装置を提
供することができる。
価格化が容易で、高い感度が得られる磁気探知装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気探知装置に用いられる磁
気センサの一例を示す模式図である。
気センサの一例を示す模式図である。
【図2】図1に示した磁気センサによる外部磁界検出の
原理を説明するための図である。
原理を説明するための図である。
【図3】本発明を適用した磁気探知装置の一構成例を示
す回路図である。
す回路図である。
【図4】図3に示した磁気探知装置の各部における電圧
波形を示すタイムチャートである。
波形を示すタイムチャートである。
【図5】パルス信号の時間幅Tと外部磁界Hexの方向と
の関係を示す特性図である。
の関係を示す特性図である。
【図6】磁気センサの磁性体の磁化の様子を示す模式図
である。
である。
【図7】一対の磁気センサの配置を示す模式図である。
【図8】ホール素子を用いた磁気探知装置の一例を示す
模式図である。
模式図である。
【図9】フラックスゲートセンサを用いた磁気探知装置
の一例を示す模式図である。
の一例を示す模式図である。
【図10】磁気抵抗効果素子の一例を示す模式図であ
る。
る。
【図11】磁気抵抗効果素子の磁気抵抗効果特性を示す
図である。
図である。
1 磁気センサ、 2 磁性体、 3 コイル、 10
磁気センサ、 12抵抗、 13 パルス発生器、
14 コンデンサ、 15 コンパレータ
磁気センサ、 12抵抗、 13 パルス発生器、
14 コンデンサ、 15 コンパレータ
Claims (8)
- 【請求項1】 磁性体にコイルが巻かれてなる磁気セン
サを回路の一部に用いた単安定マルチバイブレータを備
え、 上記単安定マルチバイブレータから出力されるパルス信
号の時間幅によって外部磁界の強さを検出することを特
徴とする磁気探知装置。 - 【請求項2】 上記単安定マルチバイブレータ回路は、
トリガパルスが入力されたときに、外部磁界の強さに応
じた時間幅のパルス信号を出力することを特徴とする請
求項1記載の磁気探知装置。 - 【請求項3】 上記磁気センサと直列に接続された抵抗
を備え、 上記パルス信号の時間幅は、上記磁気センサのインダク
タンスと、上記抵抗の抵抗値とによって定まる時定数に
より決定されることを特徴とする請求項1記載の磁気探
知装置。 - 【請求項4】 上記トリガパルスが入力されたときに上
記磁気センサのコイルに流れる電流の振幅が、磁気セン
サのインダクタンスが急峻な変化を示す範囲を包括する
ように設定されていることを特徴とする請求項2記載の
磁気探知装置。 - 【請求項5】 上記磁気センサのコイルに流れる電流
は、直流バイアス電流成分を含んでいることを特徴とす
る請求項1記載の磁気探知装置。 - 【請求項6】 上記磁気センサに流れる電流の方向を反
転させるバイラテラルスイッチを備えていることを特徴
とする請求項1記載の磁気探知装置。 - 【請求項7】 上記磁気センサを複数備えていることを
特徴とする請求項1記載の磁気探知装置。 - 【請求項8】 上記磁性体を上記コイルに流れる電流に
よって長手方向に磁化して利用することを特徴とする請
求項1記載の磁気探知装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17001796A JPH1020006A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 磁気探知装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17001796A JPH1020006A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 磁気探知装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1020006A true JPH1020006A (ja) | 1998-01-23 |
Family
ID=15897062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17001796A Withdrawn JPH1020006A (ja) | 1996-06-28 | 1996-06-28 | 磁気探知装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1020006A (ja) |
-
1996
- 1996-06-28 JP JP17001796A patent/JPH1020006A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030902 |