JP4007444B2 - 水系インク - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水系インクに関する。更に詳しくは、インクジェット記録用水系インク等として好適に使用しうる水系インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
水性蛍光インク組成物として、水溶性蛍光染料を水性媒体に溶解したインク組成物(特開平09−249835号公報)、界面活性剤又は分散剤で蛍光顔料を水性媒体又は有機溶媒の中に分散させたインク組成物(特開平10−130558号公報)、油溶性蛍光染料を固体微粒子に吸着させたインク組成物(特開平09-78012号公報)、乳化重合により油溶性蛍光染料をポリマー粒子に含浸させたインク組成物(特開平08-53640号公報)等が知られている。
【0003】
しかしながら、水溶性蛍光染料を単に水性媒体に溶解したインク組成物では、印字物の耐水性が悪く、印字物の蛍光強度が環境、特に湿度の影響を受ける等の欠点がある。また、界面活性剤又は分散剤で蛍光顔料を水性媒体又は有機溶媒の中に分散させたインクでは、インクジェット記録においてノズルで目詰まりを生じ、インクの吐出安定性が悪く、長期間保存したときに沈降物が発生する等の欠点がある。
【0004】
また、耐水性と蛍光強度を改善するために、油溶性蛍光染料を固体微粒子に吸着させたインク組成物には、吸着可能な染料量が少ないため、蛍光強度が低いという欠点がある。また、乳化重合により、油溶性蛍光染料をポリマー粒子に含浸させたインク組成物では、含浸させうる染料量が少なく、従って印字物の蛍光強度及び印字濃度が低くなるという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、印字物が十分な蛍光強度及び印字濃度を有し、耐水性及び耐環境性に優れ、かつ長期間の保存安定性に優れた水系インクを提供することを課題とする。更に、インクジェット記録において安定なインク吐出特性を確保したインクジェット記録用水系インクを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶液重合法によって得られたビニル系ポリマーと蛍光色素とを有機溶媒に溶解させた後、分散させて該蛍光色素を含有するポリマー粒子の水分散体を調製する工程を有する、該水分散体を含有する水系インクの製造方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の水系インクは、溶液重合法、塊状重合法又は懸濁重合法によって得られたポリマーからなるポリマー粒子を含有しているので、その印字物は、十分な蛍光強度を有し、耐水性及び耐環境性に優れ、しかも長期間の保存安定性に優れたものとなる。更に、インクジェット記録においては、安定なインク吐出特性が確保される。
【0008】
蛍光色素をポリマー粒子に含有させた場合には、水系インクにおける蛍光色素の含有量を大きくすることができるので、その印字物の蛍光強度及び印字濃度をより一層高めるとともに、耐水性及び耐環境性を向上させることができる。
【0009】
また、蛍光色素として、油溶性蛍光染料又は蛍光を有する分散染料を用いた場合には、印字物の耐水性を向上させることができる。
【0010】
更に、ポリマーとして、ビニル系グラフトコポリマー(以下、単に「グラフトコポリマー」という)を用いた場合には、そのグラフトコポリマーに蛍光色素を多量に安定して含有させることができるという利点がある。
【0011】
グラフトコポリマーのグラフト側鎖は、スチレン−アクリロニトリル共重合体等のスチレン系重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体〔(メタ)アクリルは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。以下同じ〕、アルキレンオキサイド付加重合体及びポリシロキサンからなる群より選ばれた1種以上であることが、該グラフトコポリマーに多量の蛍光色素を安定して含有させることができるとともに、インクジェット記録時に安定したインク吐出性を発現させることができるという観点から好ましい。
【0012】
グラフト側鎖がスチレン系重合体であるグラフトコポリマーは、スチレンマクロマーと、塩生成基を有する重合性不飽和単量体と、スチレンマクロマー及び塩生成基を有する重合性不飽和単量体と共重合可能な単量体との混合物をラジカル重合開始剤の存在下で共重合させることによって得ることができる。
【0013】
スチレンマクロマーとしては、片末端に重合性官能基を有するスチレンの単独重合体からなるスチレンマクロマー、片末端に重合性官能基を有するスチレンとアクリロニトリル等の重合性不飽和単量体との共重合体からなるスチレンマクロマー等が挙げられる。
【0014】
片末端に重合性官能基を有するスチレンマクロマーにおいて、重合性官能基としては、例えば、ビニル基等が挙げられる。
【0015】
スチレンマクロマーの数平均分子量は、蛍光色素の含有量、保存安定性及びインク粘度の観点から、 500〜30000 、好ましくは1000〜10000 であることが望ましい。
【0016】
片末端に重合性官能基を有するスチレンマクロマーの代表例としては、片末端にアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有するスチレン単独重合体〔例えば、東亜合成(株)製、商品名:AS-6 等〕、片末端にビニル基を有するスチレン−アクリロニトリル(モル比:1/1) 共重合体〔例えば、東亜合成(株)製、商品名:AN-6 、数平均分子量6000等〕等が挙げられる。
【0017】
塩生成基を有する重合性不飽和単量体の代表例としては、カチオン性単量体、アニオン性単量体等が挙げられる。
【0018】
カチオン性単量体の代表例としては、不飽和環状アミン、不飽和3級アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。
【0019】
カチオン性単量体の具体例としては、
ビニルピリジン、2-メチル-5- ビニルピリジン、2-エチル-5- ビニルピリジン等のモノビニルピリジン類;
N,N-ジメチルアミノスチレン、N,N-ジメチルアミノメチルスチレン等のジアルキルアミノ基を有するスチレン類;
【0020】
N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピルアクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸のジアルキルアミノ基を有するエステル類;
【0021】
2-ジメチルアミノエチルビニルエーテル等のジアルキルアミノ基を有するビニルエーテル類;
【0022】
N-(N',N'- ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N-(N',N'- ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、N-(N' ,N' - ジエチルアミノエチル)アクリルアミド、N-(N' ,N' - ジエチルアミノエチル)メタクリルアミド、N-(N' ,N' - ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N-(N' ,N' - ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N-(N' ,N' - ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド、N-(N',N'- ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド等のジアルキルアミノ基を有するアクリルアミド又はメタクリルアミド類;
【0023】
これらの単量体をアルキル基の炭素数が1〜18であり、ハロゲン原子が塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であるハロゲン化アルキル;塩化ベンジル、臭化ベンジル等のハロゲン化ベンジル;メタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸やベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等のアリールスルホン酸の炭素数1〜18のアルキルエステル;アルキル基の炭素数1〜4の硫酸ジアルキル等の4級化剤で4級化したもの
等が挙げられる。
【0024】
アニオン性の単量体の代表例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
【0025】
アニオン性の単量体の具体例としては、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2-メタクリロイルオキシメチルコハク酸、及びそれらの酸無水物又は塩等の不飽和カルボン酸モノマー;
【0026】
スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2- メチルプロパンスルホン酸、3-スルホプロピル(メタ)アクリル酸エステル、ビス-(3-スルホプロピル)-イタコン酸エステル及びそれらの塩:2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸の硫酸モノエステル及びその塩等の不飽和スルホン酸モノマー;
【0027】
ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル-2- アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル-2- メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル-2- アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル-2- メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル-2- アクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル-2- メタクリロイロキシエチルホスフェート等の不飽和リン酸モノマー
等が挙げられる。
【0028】
スチレンマクロマー及び塩生成基を有する重合性不飽和単量体と共重合可能な単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n-ヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸n-オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル等のアクリル酸エステル系モノマー;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n-アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n-ヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸n-オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸エステル系モノマー;
【0029】
スチレン、ビニルトルエン、2-メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン系モノマー;
2-ヒドロキシエチルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート等のヒドロキシ基含有アクリレート又はヒドロキシ基含有メタクリレート
等が挙げられる。
【0030】
グラフト側鎖がスチレン系重合体であるグラフトコポリマーを構成している各モノマーの含量は、スチレンマクロマーが1〜20重量%、塩生成基を有する重合性不飽和単量体が2〜40重量%、スチレンマクロマー及び塩生成基を有する重合性不飽和単量体と共重合可能な単量体が40〜97重量%であることが乳化安定性、保存安定性及び染料保持性の観点から好ましい。
【0031】
重合は、溶液重合法、塊状重合法及び懸濁重合法のうちのいずれかの重合法によって行うことができる。これらの重合法の中では、溶液重合法は、インクの物性、安定した製造及びコストの観点から好ましい。
【0032】
なお、乳化重合法を採用した場合には、ポリマー粒子に含有される蛍光色素の量が少なくなり、十分な蛍光強度を有する印字物が得られず、界面活性剤を含有するので、印字濃度及び蛍光強度が低下することがある。
【0033】
溶液重合法に用いられる溶媒としては、極性有機溶媒が好ましい。極性有機溶媒のうち、水混和性有機溶媒を用いる場合には、これと水とを混合して用いることもできる。
懸濁重合法に用いられる媒体は、水であることが好ましい。
【0034】
極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン及びこれらと水との混合溶媒が好ましい。
【0035】
なお、重合の際には、ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、 2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、 2,2'-アゾビス(2,4- ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-2,2'-アゾビスブチレート、 2,2'-アゾビス(2- メチルブチロニトリル)、1,1'- アゾビス(1- シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物が好適である。また、ラジカル重合開始剤として、t-ブチルペルオキシオクトエート、ジ-t- ブチルペルオキシド、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物を使用することもできる。
【0036】
ラジカル重合開始剤の量は、モノマー全量に対して0.001 〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%、より好ましくは0.01〜3重量%であることが望ましい。
【0037】
なお、重合の際には、更に重合連鎖移動剤を添加してもよい。重合連鎖移動剤の具体例としては、オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタン、n-テトラデシルメルカプタン、メルカプトエタノール等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタン等の炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2-エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α- テルピネン、γ- テルピネン、ジテルペン、α- メチルスチレンダイマー;9,10-ジヒドロアントラセン、1,4-ジヒドロナフタレン、インデン、1,4-シクロヘキサジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;2,5-ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環状化合物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
モノマーの重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー及び溶媒の種類や量等によって異なるので一概には決定することができない。通常、重合温度は30〜100 ℃、好ましくは50〜80℃であり、重合時間は1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
【0039】
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法によって共重合体を単離することができる。また、得られた共重合体は、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、精製し、未反応のモノマー等を除去することができる。
【0040】
グラフト側鎖が(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体であるグラフトコポリマーは、式(I):
【0041】
【化1】
Figure 0004007444
【0042】
〔式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は水素原子又はメチル基、R3 は- COOR4 (R4 は炭素数1〜18、好ましくは7〜18のアルキル基)、R5 はベンゼン環、炭素数7〜18のアリール基又はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1〜24のアルキレン基、nは2〜200 の整数を示す〕
で表されるマクロマーと、塩生成基を有する重合性不飽和単量体と、式(I) で表されるマクロマー及び塩生成基を有する重合性不飽和単量体と共重合可能な単量体との混合物をラジカル重合開始剤の存在下で共重合させることによって得られる。
【0043】
式(I) で表されるマクロマーとしては、東亜合成(株)製、商品名:AW-6S、AA-6、AB-6等が挙げられる。
【0044】
塩生成基を有する重合性不飽和単量体としては、前記グラフト側鎖がスチレン系ポリマーであるグラフトコポリマーに使用されるものと同様のものが例示される。
【0045】
式(I) で表されるマクロマー及び塩生成基を有する重合性不飽和単量体と共重合可能な単量体としては、前記グラフト側鎖がスチレン系重合体であるグラフトコポリマーに使用されるものと同様のものが例示される。
【0046】
グラフト側鎖が(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体であるグラフトコポリマーにおける各モノマー含量は、式(I) で表されるマクロマーが1〜20重量%、塩生成基を有する重合性不飽和単量体が2〜40重量%、式(I) で表されるマクロマー及び塩生成基を有する重合性不飽和単量体と共重合可能な単量体が40〜97重量%であることが乳化安定性、保存安定性及び染料保持性の観点から好ましい。
【0047】
グラフト側鎖が(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体であるグラフトコポリマーは、前記グラフト側鎖がスチレン系重合体であるグラフトコポリマーと同様にして調製することができる。
【0048】
グラフト側鎖がアルキレンオキサイド付加重合体であるグラフトコポリマーは、式(II):
【0049】
【化2】
Figure 0004007444
【0050】
(式中、R6 は水素原子又はメチル基、R7 は水酸基、炭素数1〜18のアルコキシ基又は炭素数6〜18のアリールオキシ基、pは2〜4の整数、qは2〜30の数を示す)
で表されるマクロマーと、塩生成基を有する重合性不飽和単量体と、式(II)で表されるマクロマー及び塩生成基を有する重合性不飽和単量体と共重合可能な単量体とをラジカル重合開始剤の存在下で共重合させることによって得られる。
【0051】
式(II)で表されるマクロマーとしては、新中村化学工業(株)製、商品名:NK エステル M-90G、AMP-60G 、AM-90G;日本油脂(株)製、商品名:ブレンマーAE-400、PP-800、50PEP-300 、30PET-800 、30PPT-800 、50POEP-800B 、PSE-400 、PNEP等が挙げられる。
【0052】
塩生成基を有する重合性不飽和単量体としては、前記グラフト側鎖がスチレン系重合体であるグラフトコポリマーに使用されるものと同様のものが例示される。
【0053】
式(II)で表されるマクロマー及び塩生成基を有する重合性不飽和単量体と共重合可能な単量体としては、前記グラフト側鎖がスチレン系重合体であるグラフトコポリマーに使用されるものと同様のものが例示される。
【0054】
グラフト側鎖がアルキレンオキサイド付加重合体であるグラフトコポリマーを構成している各モノマーの含量は、式(II)で表されるマクロマーが1〜40重量%、塩生成基を有する重合性不飽和単量体が2〜40重量%、式(II)で表されるマクロマー及び塩生成基を有する重合性不飽和単量体と共重合可能な単量体が20〜97重量%であることが乳化安定性、保存安定性及び染料保持性の観点から好ましい。
【0055】
グラフト側鎖がアルキレンオキサイド付加重合体であるグラフトコポリマーは、前記グラフト側鎖がスチレン系重合体であるグラフトコポリマーと同様にして調製することができる。
【0056】
グラフト側鎖がポリシロキサンであるグラフトコポリマーは、式(III):
X(Y)r Si(R8 )3-s(Z)s (III)
(式中、Xは重合可能な不飽和基、Yは2価の結合基、R8 はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は炭素数1〜3のアルコキシ基、Zは約500 〜20000 の数平均分子量を有する1価シロキサンポリマー部分、rは0又は1、sは1〜3の整数を示す)
で表されるシリコーンマクロマーと、塩生成基を有する重合性不飽和単量体と、式(III) で表されるシリコーンマクロマー及び塩生成基を有する重合性不飽和単量体と共重合可能な単量体とをラジカル重合開始剤の存在下で共重合させることによって得られる。
【0057】
式(III) で表されるシリコーンマクロマーにおいて、Xとしては、ビニル基、アリル基等の重合可能な不飽和基が挙げられる。Yとしては、 -COO- 基、- COOCb 2b- 基(bは1〜5の整数)、フェニレン基等の2価の結合基が挙げられる。
【0058】
塩生成基を有する重合性不飽和単量体としては、前記グラフト側鎖がスチレン系重合体であるグラフトコポリマーに使用されるものと同様のものが例示される。
【0059】
式(III) で表されるシリコーンマクロマー及び塩生成基を有する重合性不飽和単量体と共重合可能な単量体としては、前記グラフト側鎖がスチレン系重合体であるグラフトコポリマーに使用されるものと同様のものが例示される。
【0060】
グラフト側鎖がポリシロキサンであるグラフトコポリマーを構成している各モノマーの含量は、式(III) で表されるマクロマーが1〜20重量%、塩生成基を有する重合性不飽和単量体が2〜40重量%、式(III) で表されるシリコーンマクロマー及び塩生成基を有する重合性不飽和単量体と共重合可能な単量体が40〜97重量%であることが乳化安定性及び吐出安定性の観点から好ましい。
【0061】
グラフト側鎖がポリシロキサンであるグラフトコポリマーは、前記グラフト側鎖がスチレン系重合体であるグラフトコポリマーと同様にして調製することができる。
【0062】
ポリマーの重量平均分子量は、3000〜100000であることが、印刷後の耐水性、耐環境性及び保存安定性の点から好ましい。ポリマーの重量平均分子量は、実施例1に記載の方法によって測定される。
【0063】
ポリマーのガラス転移点には、特に限定がない。しかし、印字物の蛍光強度及び印字濃度の観点から、ポリマーのガラス転移点が低いほうがよく、ガラス転移点が40℃以下であることが好ましく、30℃以下であることがより好ましい。これは、以下の理由によると考えられる。
【0064】
水系インクにおける蛍光色素の含有量を増加させるにしたがって印字濃度が高くなり、蛍光強度も増大する。しかし、蛍光強度は、極大値を経た後には減少する。
【0065】
ポリマーのガラス転移点を40℃以下とした場合、蛍光強度の極大値における、水系インクにおける蛍光色素の含有量を多くすることができる。したがって、水系インクにおける蛍光色素の含有量が多い場合であっても、高い蛍光強度を維持することができる。このことから、得られた印字物は、高い印字濃度と高い蛍光強度とを同時に発現する。かかる観点から、ポリマーのガラス転移点は、好ましくは40℃以下、より好ましくは30℃以下、更に好ましくは-40 〜30℃、特に好ましくは0〜30℃である。なお、ガラス転移点は、実施例1に記載の方法によって測定される。
【0066】
蛍光色素は、水不溶性ないし水難溶性であることが耐水性の観点から好ましい。
【0067】
蛍光色素としては、例えば、油溶性蛍光染料、蛍光を有する分散染料、蛍光を有する水溶性酸性染料等の蛍光を有する染料、蛍光を有する顔料、蛍光増白剤等が挙げられる。これらの中では、ポリマー粒子中に含有させやすいことから、油溶性蛍光染料及び蛍光を有する分散染料が好ましい。
【0068】
油溶性蛍光染料の種類には、特に限定がない。油溶性蛍光染料の好適な例としては、C.I.ソルベントイエロー44、82及び116;C.I.ソルベントレッド43、44、45、49及び60等;BASF社製、商品名:Lumogen F Yellow 083、Lumogen F Orange 240、Lumogen F Red 300 、Lumogen F Violet 570、Thermoplast F Yellow 084、Flourol Red Bk、Fluorol Red Gk、Neptun Brilliant Yellow 070 等が挙げられる。
【0069】
蛍光を有する分散染料の種類には特に限定がない。蛍光を有する分散染料の好適な例としては、C.I.ディスパーズイエロー82及び124;C.I.ディスパーズレッド60等が挙げられる。
【0070】
蛍光を有する水溶性酸性染料は、そのままの状態で使用することができる。しかし、長鎖アルキルアミンによって水溶性酸性染料をアミド化したり、長鎖アルキルアルコールによってエステル化することにより油溶化することが、耐水性を向上させる観点から好ましい。この変性は、水溶性酸性染料分子のイオン性基に応じて調整することができる。蛍光を有する水溶性酸性染料としては、限定されるものではないが、C.I.アシッドレッド52、92等、C.I.フルオレセンブライトナーズ1、15、18、24、32等が好ましい。
【0071】
その他、蛍光を有する染料として、例えば、C.I. Fluorescent Brightening Agent14、24、30、32、52、54、69、79、84、85、86、87、90、104 、112 、113 、114 、119 、121 、134 、135 、152 、166 、167 、168 、169 、191 、192 、201 、204 、214 、216 、217 、218 、223 、226 、229 、234 、236 、239 、240 、242 、257 、260 、271 、290 、310 、311 、312 、313 、314 、315;p-クオータフェニル; p-テルフェニル;2,5- ジフェニルオキサゾール;2-(1-ナフチル)-5-フェニルオキザゾール; 2-フェニル-5-(4-ビフェニル)-1,3,4-オキザジアゾール; 3-フェニル-7-(1,2-2H- ナフトトリアゾリル)-クマリン; 3,7-ビス(ジエチルアミノ)フェノキサゾニウムナイトレート;レーザー染料であるDTTCI 、DNTTCI、HDITCI、IR-125、132 、140 、H.I.D.C. Iodide 等も使用することができる。
【0072】
水系インクにおける蛍光色素の含有量は、適切な蛍光強度を得る観点から、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%である。
【0073】
ポリマー粒子の水分散体を製造する方法としては、モノマーを水中で重合させる方法と、重合後のポリマーを有機溶媒に溶解させた後、得られたポリマー溶液を水中に分散させる方法とが挙げられる。
【0074】
蛍光色素を含有するポリマー粒子の水分散体を製造する方法としては、蛍光色素とモノマーとを混合した後、得られた混合物を水中で重合させる方法と、重合後のポリマー及び蛍光色素を有機溶媒に溶解させた後、分散させる方法とが挙げられる。その具体的な方法としては、例えば、ポリマー及び蛍光色素を有機溶媒に溶解させ、必要に応じて中和剤を加えてビニルポリマーの塩生成基をイオン化し、次いで水を加えた後、有機溶媒を留去して水系に転相する方法(転相乳化法);水不溶性有機溶媒中に塩生成基を有するビニルポリマーと蛍光色素を溶解し、得られた溶液に水、中和剤及び必要に応じて界面活性剤を加え、ビニルポリマー中の塩生成基をイオン化し、得られた混合物をマイクロフルイダイザー等の乳化機を用いて乳化し、その後、該乳化物から水不溶性有機溶媒を除去する方法(強制乳化法)等が挙げられるが、本発明はかかる方法のみに限定されるものではない。
【0075】
なお、グラフトコポリマーを製造する際には、転相乳化法又は強制乳化法を採用することが、多量の蛍光色素をより安定に含有させることができるグラフトコポリマーを得る観点から好ましい。
【0076】
ポリマー粒子の平均粒径(実施例1に記載の試験方法によって測定)は、分散安定性の観点から、2μm以下であるが、好ましくは0.03〜2μmであり、より好ましくは0.1 〜200 nmである。
【0077】
水系インクにおけるポリマー粒子の含有量は、十分な印字濃度が得られるのであれば特に限定がない。通常、該含有量は、十分な吐出安定性及び印字濃度を付与する観点から、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜10重量%、更に好ましくは2〜8重量%である。
【0078】
蛍光色素を含有するポリマー粒子中の蛍光色素の含有量は、好ましくは0.1 〜30重量%、より好ましくは0.5 〜10重量%である。
【0079】
本発明の水系インクには、必要により、公知の各種添加剤、例えば、多価アルコール類等の湿潤剤、分散剤、消泡剤、防黴剤、キレート剤、pH調整剤等を添加することができる。
【0080】
【実施例】
実施例1
500 mL容のセパラブルフラスコに滴下ロートを装着し、充分に窒素置換した後、メタクリル酸メチル30g 、アクリル酸2g 、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート〔エチレンオキシドの付加モル数:9モル、新中村化学(株)製、商品名:NKエステルM-90G 〕8g 、2-メルカプトエタノール0.4g及び2-ブタノン10g を該フラスコ内に入れ、還流しながら60℃に昇温した。
【0081】
滴下ロートにメタクリル酸メチル120g、アクリル酸8g 、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート〔エチレンオキシドの付加モル数:9モル、新中村化学(株)製、商品名:NKエステルM-90G 〕32g 、2-メルカプトエタノール1.6g、 2,2'-アゾビス (2,4-ジメチルバレロニトリル)1.6g及び2-ブタノン40g を入れ、60℃で3時間かけて滴下した。その後、得られた溶液を60℃で2時間熟成し、これに2,2'- アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.4gと2-ブタノン1.0gの混合物を加えて更に60℃2時間熟成した。
【0082】
熟成を終了した後、25℃に冷却し、2-ブタノン150gを添加することにより、溶液重合法により重合された、グラフト側鎖がアルキレンオキサイド付加重合体である重量平均分子量が6500のビニルポリマーの溶液を得た。
【0083】
なお、本明細書では、重量平均分子量は、得られたビニルポリマーの溶液の一部を、標準物質としてポリスチレン、溶媒として1mmol/L のドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルパーミュエーションクロマトグラフィーによって測定した。
【0084】
得られたビニルポリマー溶液の一部を採り、105 ℃の温風乾燥機で3時間乾燥した後、ガラス転移点を以下の方法によって測定した。その結果を表1に示す。
【0085】
〔ガラス転移点の測定法〕
示差走査熱量計(DSC:セイコーインスツルメンツ社製、商品名:EXSTAR6000)を用いて示差走査熱法で測定した。得られたDSC 曲線から、JIS K-7121の規定に従って補外開始温度 (Tgf ) 及び補外終了温度 (Tge ) を読み取り、その中点(Tg m) をガラス転移点とした。
【0086】
次に、トルエン10g に油溶性蛍光染料(BASF 社製、商品名:Lumogen F Red300)0.03gを25℃で溶解させ、得られた溶液に前記で得られたビニルポリマー溶液1.94g を添加して充分に攪拌して溶解させた。
【0087】
溶解を確認した後、 1N-水酸化カリウム水溶液0.67g 及び精製水50g を添加し、更に充分に攪拌した。攪拌終了後、超音波ホモジナイザー(電流:400μA)で20分間乳化した。その後、60℃に加熱し、0.02MPa に減圧してトルエン及び2-ブタノンを除去した。最後に、孔径が 0.8μm フィルターで濾過して、油溶性蛍光染料を含有したビニルポリマー粒子の水分散体を強制乳化法によって得た。
【0088】
次に、得られたビニルポリマー粒子の水分散体8重量%、トリメチルグリシン10重量%、尿素5重量%、2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム1重量%及び精製水76重量%の割合で混合し、水系インクを得た。得られた水系インクの物性を以下の試験方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0089】
水系インクをインクジェットプリンター用インクカートリッジ〔キャノン(株)製、商品名:BC-21e〕に充填し、インクジェットプリンター〔キャノン(株)製、商品名:BJC-430J〕に装填した。
【0090】
▲1▼平均粒径
平均粒径を動的光散乱粒度分布測定装置〔大塚電子(株)製、商品名:ELS-8000〕を用い、キュムラント解析で求めた。測定条件は、温度25℃、入射光との角度90°、積算回数100 回であり、分散溶媒である水の屈折率(1.333) を入力した。標準物質としては、セラディン(Seradyn) 社製のUniform Microparticles (粒径204nm)を使用した。
【0091】
▲2▼蛍光強度及び印字濃度
普通紙〔キャノン(株)製、インクジェット共用紙 PB Paper 〕及びインクジェット専用紙〔キャノン(株)製、インクジェット専用紙HR-101〕にベタ印字した後、充分に乾燥させた。乾燥後、波長400nm の励起光に対する波長600nm の蛍光強度を分光蛍光光度計〔(株)日立製作所製、商品名:F-4010〕で測定した。 印字濃度は、マクベス(MACBETH) 社製の印字濃度計RD918 を用いて測定した。
【0092】
▲3▼耐水性の保持率
普通紙印字物を精製水(常温)中に10分間浸漬し、その後、充分に水を切って自然乾燥させ、試験前後の蛍光強度を測定し、その保持率を式(1):
〔保持率〕(%)=〔試験後の測定値〕÷〔試験前の測定値〕×100 (1)
に従って算出した。
【0093】
▲4▼耐環境性の保持率
普通紙印字物を、40℃で相対湿度70%の雰囲気中で24時間静置し、試験前後の蛍光強度を測定し、その保持率を前記式(1) に基づいて算出する。
【0094】
▲5▼保存安定性
フッ素樹脂製容器に水系インクを充填し、60℃の雰囲気中3カ月間保管し、試験前後の粘度、表面張力、pH及び平均粒径を測定し、それらの保持率を前記式(1) に基づいて算出する。なお、平均粒径以外の各物性を測定する際に使用した装置は、以下のとおりである。
【0095】
粘度計:東機産業(株)製、商品名:VISCOMETER RE-80L
表面張力計:協和界面化学(株)製、商品名:AUTOMATIC Surface TensiometerCBVP-Z
pH測定装置:(株)堀場製作所製、商品名:HORIBA pH/ION meter F-23
【0096】
▲6▼目詰まり(インク吐出特性)
印字後、プリンターから印字ヘッドを取り外して、室温(23℃)、相対湿度50%の環境下に24時間放置した後、再びプリンターに装着し、印字した。印字にカスレ及びヌケがなければ合格とし、その他の場合には不合格とする。
【0097】
実施例2
500 mL容のセパラブルフラスコに滴下ロートを装着し、充分に窒素置換した後、メタクリル酸ブチル30g 、メタクリル酸2g 、イソブチルメタクリレートマクロマー〔数平均分子量:6000、東亞合成(株)製、商品名:AW-6S 〕8g、2-メルカプトエタノール0.4g及び2-ブタノン10g を入れ、還流しながら60℃に昇温した。滴下ロートにメタクリル酸ブチル120g、メタクリル酸8g、イソブチルメタクリレートマクロマー32g 、2-メルカプトエタノール1.6g、 2,2'-アゾビス(2,4- ジメチルバレロニトリル)1.6g及び2-ブタノン40g を入れ、60℃で3時間かけて滴下した。
【0098】
滴下終了後、60℃で2時間熟成し、2,2'- アゾビス(2,4- ジメチルバレロニトリル)0.4gと2-ブタノン1.0gの混合物を加えて更に60℃で2時間熟成した。熟成終了後、その溶液を25℃に冷却し、これに2-ブタノン150gを添加した。このようにして溶液重合法により重合された、グラフト側鎖がメタクリル酸アルキルエステル系重合体である重量平均分子量が6000のビニルポリマーの溶液を得た。
【0099】
2-ブタノン10g に油溶性蛍光染料(BASF社製、商品名:Lumogen F Orange240)0.03g を溶解させ、得られた溶液に前記で得られたビニルポリマー溶液1.94g を添加して充分に攪拌溶解した。
【0100】
溶解を確認した後、1N- 水酸化カリウム水溶液0.67g 及び精製水50g を添加し、更に充分に攪拌した。攪拌終了後、60℃に加熱し、0.02MPa に減圧して2-ブタノンを除去した。最後に孔径0.8 μmのフィルターで濾過して、油溶性蛍光染料を含有するビニルポリマー粒子の水分散体を転相乳化法によって得た。
【0101】
得られた水分散体から、実施例1と同様にして水系インクを調製し、その物性を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す。
【0102】
実施例3
500 mL容のセパラブルフラスコに滴下ロートを装着し、充分に窒素置換した後、メタクリル酸n-ブチル30g 、メタクリル酸2g 、スチレンマクロマー〔数平均分子量:6000、東亞合成(株)製、商品名:AS-6S、 AS-6Sの50重量%トルエン溶液〕8g 、2-メルカプトエタノール0.4g及び2-ブタノン10g を入れ、得られた混合物を還流しながら60℃に昇温した。滴下ロートにメタクリル酸n-ブチル120g、メタクリル酸8g 、スチレンマクロマー32g 、2-メルカプトエタノール1.6g、 2,2'-アゾビス(2,4- ジメチルバレロニトリル)1.6g 及び2-ブタノン40g を入れ、その混合物に60℃で3時間かけて滴下した。
【0103】
滴下終了後、得られた混合物を60℃で2時間熟成し、2,2'- アゾビス(2,4- ジメチルバレロニトリル)0.4gと2-ブタノン1.0gの混合物を加えて更に60℃で2時間熟成した。熟成後、その混合物を25℃に冷却し、2-ブタノン150gを添加した。このようにして溶液重合法により重合された、グラフト側鎖がスチレン系重合体である重量平均分子量が6000のビニルポリマーの溶液を得た。
【0104】
メチルイソブチルケトン10g に油溶性蛍光染料(BASF社製、商品名:LumogenF Orange 240)0.03g を25℃で溶解させ、得られた溶液に前記で得られたポリマー溶液1.94g を添加して充分に攪拌して溶解させた。
【0105】
溶解を確認した後、1N- 水酸化カリウム水溶液0.67g 及び精製水50g を添加し、更に充分に攪拌した。攪拌終了後、超音波ホモジナイザーで電流400 μA で20分間乳化した。その後、得られた乳化物を60℃に加熱し、0.02MPa に減圧して2-ブタノン及びメチルイソブチルケトンを除去した。最後に孔径0.8 μmのフィルターで濾過して、油溶性蛍光染料を含有するビニルポリマー粒子の水分散体を強制乳化法によって得た。
【0106】
得られた水分散体から、実施例1と同様にして水系インクを調製し、その物性を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す。
【0107】
実施例4
500 mL容のセパラブルフラスコに滴下ロートを装着し、充分に窒素置換した後、メタクリル酸n-ブチル30g 、メタクリル酸2g 、シリコーンマクロマー〔数平均分子量:6000、チッソ(株)製、商品名:FM-0711〕8g 、2-メルカプトエタノール0.4g及び2-ブタノン10g を入れ、還流しながら60℃に昇温した。滴下ロートにメタクリル酸n-ブチル120g、メタクリル酸8g 、シリコーンマクロマー32g 、2-メルカプトエタノール1.6g、 2,2'-アゾビス(2,4- ジメチルバレロニトリル1.6g及び2-ブタノン40g を入れ、3時間かけて60℃で滴下した。
【0108】
滴下終了後、60℃で2時間熟成し、これに 2,2'-アゾビス(2,4- ジメチルバレロニトリル)0.4g と2-ブタノン1.0gの混合物を加えて更に60℃で2時間熟成した。熟成終了後、25℃に冷却し、これに2-ブタノン150gを添加した。このようにして溶液重合法により重合された、グラフト側鎖がポリシロキサンである重量平均分子量が6000のビニルポリマーの溶液を得た。
【0109】
次に、メチルイソブチルケトン10g に油溶性蛍光染料(BASF社製、商品名:LumogenF Orange 240)0.03g を25℃で溶解させ、得られた溶液に前記で得られたビニルポリマー溶液1.94g を添加して充分に攪拌溶解した。
【0110】
溶解を確認した後、 1N-水酸化カリウム水溶液0.67g 及び精製水50g を添加し、更に充分に攪拌した。攪拌終了後、超音波ホモジナイザーで電流 400μA で20分間乳化した。その後、得られた乳化物を60℃に加熱し、0.02MPa に減圧して2-ブタノン及びメチルイソブチルケトンを除去した。最後に孔径 0.8μmのフィルターで濾過して、油溶性蛍光染料を含有するビニルポリマー粒子の水分散体を強制乳化法によって得た。
【0111】
得られた水分散体から、実施例1と同様にして水系インクを調製し、その物性を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す。
【0112】
実施例5
500mL容のセパラブルフラスコに滴下ロートを装着し、充分に窒素置換した後、メタクリル酸エチル30g 、アクリル酸2g 、イソブチルメタクリレートマクロマー〔数平均分子量:6000、東亞合成(株)製、商品名:AW-6S 〕8g 、2-メルカプトエタノール0.4g及び2-ブタノン10g を該フラスコ内に入れ、還流しながら60℃に昇温した。
【0113】
滴下ロートにメタクリル酸エチル120g、アクリル酸8g 、イソブチルメタクリレートマクロマー32g 、2-メルカプトエタノール1.6g、 2,2'-アゾビス(2,4- ジメチルバレロニトリル)1.6g及び2-ブタノン40g を入れ、60℃で3時間かけて滴下した。その後、得られた溶液を60℃で2時間熟成し、これに2,2'- アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.4gと2-ブタノン1.0gの混合物を加えて更に60℃2時間熟成した。
【0114】
熟成を終了した後、25℃に冷却し、2-ブタノン150gを添加することにより、溶液重合法により重合された、グラフト側鎖がメタクリル酸アルキルエステル系重合体である重量平均分子量が6500のビニルポリマーの溶液を得た。
【0115】
次に、トルエン10g に油溶性蛍光染料(BASF 社製、商品名:Lumogen F Red300)0.03gを25℃で溶解させ、得られた溶液に前記で得られたビニルポリマー溶液1.94g を添加して充分に攪拌して溶解させた。
【0116】
溶解を確認した後、 1N-水酸化カリウム水溶液0.67g 及び精製水50g を添加し、更に充分に攪拌した。攪拌終了後、超音波ホモジナイザー(電流:400μA)で20分間乳化した。その後、60℃に加熱し、0.02MPa に減圧してトルエン及び2-ブタノンを除去した。最後に、孔径が 0.8μm フィルターで濾過して、油溶性蛍光染料を含有したビニルポリマー粒子の水分散体を強制乳化法によって得た。
【0117】
次に、得られたビニルポリマー粒子の水分散体8重量%、トリメチルグリシン10重量%、尿素5重量%、2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム1重量%及び精製水76重量%の割合で混合し、水系インクを得た。得られた水系インクの物性を以下の試験方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0118】
実施例6
500mL容のセパラブルフラスコに滴下ロートを装着し、充分に窒素置換した後、スチレン30g 、メタクリル酸2g 、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート〔エチレンオキシドの付加モル数:9モル、新中村化学(株)製、商品名:NKエステルM-90G 〕8g 、2-メルカプトエタノール0.4g及び2-ブタノン10g を入れ、還流しながら60℃に昇温した。滴下ロートにスチレン120g、メタクリル酸8g 、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート32g 、2-メルカプトエタノール1.6g、 2,2'-アゾビス(2,4- ジメチルバレロニトリル)1.6g 及び2-ブタノン40g を入れ、70℃で3時間かけて滴下した。
【0119】
滴下終了後、70℃で2時間熟成し、 2,2'-アゾビス(2,4- ジメチルバレロニトリル)0.4g と2-ブタノン1.0gの混合物を加えて更に70℃で2時間熟成した。熟成終了後、その溶液を25℃に冷却し、これに2-ブタノン150gを添加した。このようにして溶液重合法により重合された、グラフト側鎖がメタクリル酸アルキルエステル系重合体である重量平均分子量が6000のビニルポリマーの溶液を得た。
【0120】
2-ブタノン10g に油溶性蛍光染料(BASF社製、商品名:Lumogen F Orange240)0.03g を25℃で溶解させ、得られた溶液に前記で得られたビニルポリマー溶液1.94g を添加して充分に攪拌溶解した。
【0121】
溶解を確認した後、 1N-水酸化カリウム水溶液0.67g 及び精製水50g を添加し、更に充分に攪拌した。攪拌終了後、60℃に加熱し、 0.02MPaに減圧して2-ブタノンを除去した。最後に孔径0.8 μmのフィルターで濾過して、油溶性蛍光染料を含有するビニルポリマー粒子の水分散体を転相乳化法によって得た。
【0122】
得られた水分散体から、実施例1と同様にして水系インクを調製し、その物性を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す。
【0123】
実施例7
500mL容のセパラブルフラスコに滴下ロートを装着し、充分に窒素置換した後、メタクリル酸エチル30g 、メタクリル酸2g 、シリコーンマクロマー〔数平均分子量:6000 、チッソ(株)製、商品名:FM-0711〕8g 、2-メルカプトエタノール0.4g及び2-ブタノン10g を入れ、還流しながら60℃に昇温した。滴下ロートにメタクリル酸エチル120g、メタクリル酸8g 、シリコーンマクロマー32g 、2-メルカプトエタノール1.6g、 2,2'-アゾビス(2,4- ジメチルバレロニトリル)1.6g 及び2-ブタノン40g を入れ、3時間かけて60℃で滴下した。
【0124】
滴下終了後、60℃で2時間熟成し、これに 2,2'-アゾビス(2,4- ジメチルバレロニトリル)0.4g と2-ブタノン1.0gの混合物を加えて更に60℃で2時間熟成した。熟成終了後、25℃に冷却し、これに2-ブタノン150gを添加した。このようにして溶液重合法により重合された、グラフト側鎖がポリシロキサンである重量平均分子量が6000のビニルポリマーの溶液を得た。
【0125】
メチルイソブチルケトン10g に油溶性蛍光染料(BASF社製、商品名:LumogenF Orange 240)0.03 gを25℃で溶解させ、得られた溶液に前記で得られたポリマー溶液1.94g を添加して充分に攪拌溶解した。
【0126】
溶解を確認した後、 1N-水酸化カリウム水溶液0.67g 及び精製水50g を添加し、更に充分に攪拌した。攪拌終了後、超音波ホモジナイザーで電流 400μA で20分間乳化した。その後、得られた乳化物を60℃に加熱し、 0.02MPaに減圧してメチルイソブチルケトン及び2-ブタノンを除去した。最後に孔径 0.8μmのフィルターで濾過して、油溶性蛍光染料を含有するビニルポリマー粒子の水分散体を強制乳化法によって得た。
【0127】
得られた水分散体から、実施例1と同様にして水系インクを調製し、その物性を実施例1と同様にして測定した。その結果を表1に示す。
【0128】
比較例1
蛍光を有する水溶性酸性染料 (C.I.Acid Red92、オリエント化学(株)製、商品名:Water Pink 2) 0.24重量%、トリメチルグリシン10重量%、尿素5重量%、2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム1重量%及び精製水 83.76重量%からなる水系インクについて、実施例1と同様にしてその物性を調べた。その結果を表1に示す。
【0129】
比較例2
蛍光を有する顔料(シンロイヒ社製、商品名:FM-17)20gとナフタレンスルホン酸系高分子分散剤〔花王(株)製、商品名:デモールN 〕10g 及びイオン交換水120gをペイントシェイカーに仕込み、25℃で3時間分散を行った。 分散液を遠心分離処理し、孔径 1.2μmのフィルターで濾過した。得られた水系インクの物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0130】
【表1】
Figure 0004007444
【0131】
表1に示された結果から、実施例1〜7で得られた水系インクは、いずれも、蛍光強度、耐水性、耐環境性、保存安定性及び目詰まり(インク吐出特性)に関して良好であることがわかる。
【0132】
一方、蛍光を有する水溶性酸性染料を用い、ポリマー粒子の水分散体を含有しない比較例1のインクでは、印字物の耐水性及び耐環境性が不良であることがわかる。
【0133】
また、蛍光を有する顔料が用いられ、ポリマー粒子の水分散体を含有しない比較例2のインクでは、保存安定性及び目詰まりが不良であることがわかる。
【0134】
【発明の効果】
本発明の水系インクは、印字物が十分な蛍光強度及び印字濃度を有し、耐水性及び耐環境性に優れ、かつ長期間の保存安定性に優れたものである。また、本発明の水系インクは、インクジェット記録において安定なインク吐出特性を確保するという効果を奏する。

Claims (5)

  1. 溶液重合法によって得られた、ガラス転移点が 40 ℃以下のビニル系ポリマーと油溶性蛍光染料とを有機溶媒に溶解させた後、分散させて該油溶性蛍光染料を含有するポリマー粒子の水分散体を調製する工程を有する、該水分散体を含有する水系インクの製造方法。
  2. ポリマーが、ビニル系グラフトコポリマーである請求項1記載の製造方法。
  3. ビニル系グラフトコポリマーのグラフト側鎖が、スチレン系重合体、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体、アルキレンオキサイド付加重合体及びポリシロキサンからなる群より選ばれた1種以上である請求項2記載の製造方法。
  4. 油溶性蛍光染料を含有するポリマー粒子の水分散体を、転相乳化法又は強制乳化法によって調製する、請求項1〜いずれか記載の製造方法。
  5. 水系インクが、インクジェット記録用水系インクである請求項1〜いずれか記載の製造方法。
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