JP5045365B2 - カード - Google Patents
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Description
運動施設や娯楽関連施設等では、カード会員は、例えば、施設を優先的に利用したり、施設内で販売されている商品を非会員より安い金額で購入することができるようになっている。
商店等で利用される会員カードは、商店内で発行され、カード会員は、ダイレクトメール等でキャンペーン情報を優先的に入手したり、商品を安い会員価格で購入したりすることができる。
また、ポイントカード等も商品購入時に発行され、カードには商品購入のたびに顧客の買上げ金額に対するポイント情報が記録され、会員は累積された点数に応じたサービスを受けることができる。
また、ギフトカードや電子マネーのようなプリペイドカードも発行されて、商品やサービスの購入に利用されている。
いずれのカードも、顧客の継続的な来店のため、商品の購入を促すために発行される。
そのため、カード発行者は、顧客に常時携帯して貰えるように、また、頻繁に来店してもらえるようにカードデザインに工夫を凝らす。
クレジットカード会社は、不透明なコア材の表裏に透明なオーバーシートを貼り合わせて所定の厚みとし、最表面に磁気ストライプやICモジュールを形成してISO規格に準拠したカードとして発行している。
そこで、カード基材の一部に蛍光染料を練り込んだカードが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
また、カード材料を供給する材料メーカーにとっては、一連の成形装置が蛍光染料で汚染されるために、再び蛍光染料を使用しない材料の製造に戻す場合に、成形装置の掃除に多大な時間をかけなければならない。
前記表用コアシートの前記表用カバーシート側の少なくとも一部領域には集光性蛍光染料インキによる印刷層が、前記裏用コアシートの前記裏用カバーシート側の少なくとも一部領域には前記集光性蛍光染料インキとは異なる色の集光性蛍光染料インキによる印刷層が形成され、前記表用カバーシート及び/又は前記裏用カバーシートの積層面には図柄印刷層が形成されたことを特徴とするものである。
1)カード基体側面から表裏で異なる色の光が放出され、デザイン効果はもとより、偽造対策としても大きな効果を発揮する。
2)また、カードメーカー側ではカード作製に当たって、従来から使用しているカード基材をそのまま使用することができ、所定のシートに集光性蛍光染料を含有するインキによって集光性蛍光染料印刷層を形成するだけで本発明のカードを作製することができる。
3)また、カード発行者側は、所持して楽しいカードとして顧客に提供することができる。
4)また、磁気情報記録部が形成されたことによって、カード情報を磁気的に記録することができ、事務処理等の省力化を計ることができる。
図1は、本発明のカードの一例について説明するための図,図2は、図1のA−A線断面について説明するための図,図3は、集光性蛍光染料インキによる印刷層(以下、集光性蛍光染料印刷層という)から吸収した光をカードの側面に放出するメカニズムの一例について説明するための図,図4は、吸収した光を異なる周波数の光に変換して放出する集光性蛍光染料の特性の一例について説明するための図,である。
本発明のカード1のカード基体100は、図示しないが、何れも樹脂材料、例えば、非結晶性ポリエステル系樹脂材料,ポリ乳酸系樹脂材料,ポリ塩化ビニル樹脂材料からなる透明な表用カバーシート,透明な表用コアシート,乳白色で不透明なセンターコアシート,透明な裏用コアシート,透明な裏用カバーシートが順次積層された構成になっている。
表用カバーシート(図示せず)と表用コアシート(図示せず)の間の少なくとも一部領域には集光性蛍光染料印刷層12aが、裏用コアシート(図示せず)と裏用カバーシート(図示せず)の間の少なくとも一部領域には前記集光性蛍光染料インキとは異なる色の集光性蛍光染料印刷層12bが形成されている。
また、前記表用カバーシート(図示せず)の積層面には図柄印刷層(表面用図柄印刷層11)が形成され、前記裏用カバーシート(図示せず)の積層面には裏面用図柄印刷層が形成されている。
図1で説明したように、本発明のカードのカード基体100は、何れも樹脂材料、例えば、非結晶性ポリエステル系樹脂材料,ポリ乳酸系樹脂材料,ポリ塩化ビニル樹脂材料からなる透明な表用カバーシート,透明な表用コアシート,乳白色で不透明なセンターコアシート,透明な裏用コアシート,透明な裏用カバーシートが順次積層された構成になっている。
表用カバーシート101と表用コアシート102の間には集光性蛍光染料印刷層12aが、裏用コアシート104と裏用カバーシート105の間には、前記集光性蛍光染料印刷層12aに使用されている集光性蛍光染料インキとは異なる色の集光性蛍光染料印刷層12bが形成されている。
また、表用カバーシート101の積層面には表面用図柄印刷層11が形成され、裏用カバーシート105の積層面には裏面用図柄印刷層14が形成されている。
図2では、前記集光性蛍光染料印刷部12a,12bがカードの略全面にわたって形成されているが、一部の領域に形成されていてもよい。
集光性蛍光染料印刷層12a,12bの印刷面積が大きいほど、また、集光性蛍光染料印刷部12a,12bの印刷されたインキの皮膜が厚いほど、カード基体100の側面から放出される光の強さが大きくなる。
また、表面用図柄印刷部11に使用される印刷インキが透明インキであるほうが、不透明インキであるよりカード基体100の側面から放出される光の強さが大きくなる。
さらに、表面用図柄印刷部11に使用される印刷インキが不透明インキの場合は、表面用図柄印刷部の印刷面積が小さいほどカード基体100の側面から放出される光の強さが大きくなる。
前記各シートが熱によって融着される場合は、とりわけ中心部に位置する表用コアシート102,裏用コアシート104は、それぞれ複数枚で構成することもできる。
前記表用コアシート102には積層される前に、集光性蛍光染料印刷層12a,表面用図柄印刷層11が順次印刷によって形成される。
同様、前記裏用コアシート104には積層される前に、集光性蛍光染料印刷層12b,裏面用図柄印刷層14が順次印刷によって形成される。
図示しないが、おもて面に磁気情報記録部が形成される場合は前記表用カバーシート101に、裏面に磁気情報記録部が形成される場合は前記裏用カバーシート105に、事前に磁気記録材料が形成され、磁気記録材料が最表面に露出するように積層される。
カードは、110〜150°Cの温度で、40〜60分加圧されて積層される。
図3は、積層されたカードの断面を示し、図2の表用コアシート102,センターコアシート103,裏用コアシート104の周辺を拡大した図である。
表用コアシート102に印刷によって形成された集光性蛍光染料印刷層12a、裏用コアシート104に印刷によって形成された集光性蛍光染料印刷層12b、それぞれから矢印の方向に入射した「光」は、実線,破線,一点破線に示すコースを辿って表用コアシート102、裏用コアシート104の上下面によって反射され、表用コアシート102、裏用コアシート104の側面から放出される。
印刷された集光性蛍光染料印刷部から吸収された光は、濃縮された状態でそれぞれのコアシート側面から放出される。
また、集光性蛍光染料印刷部12bから吸収された光は、裏用コアシート104とセンターコアシート103の境界で反射されることで、センターコアシート103の下部に放出される。
カードは多くは室内で使用され、光源は頭上に在る場合が多く、カードの表を上にして差し出した場合は、カードの側面からは集光性蛍光染料印刷部12aの光が放出され、カードの裏を上にして差し出した場合は、カードの側面からは集光性蛍光染料印刷部12bの光が放出される。
前述のように、センターコアシートが不透明体であることによって、一枚のカードが二色の異なる光を放出するというパフォーマンスを演出する。
図4のc図に示す例は、BASF社の「LumogenF Red305」を使用した集光性蛍光染料の吸収スペクトルと放出(励起)スペクトルの一例を示す。
また、d図に示す例は、BASF社の「LumogenF Blue650」を使用した集光性蛍光染料の吸収スペクトルと放出(励起)スペクトルの一例を示す。
c図の「LumogenF Red305」を使用した集光性蛍光染料は、最大吸収波長が578nmで、最大放出波長が613nmであるという特性を有することを示している。
これらの染料は、300°Cの耐熱性を有し、従って、カードの積層時の温度100〜150°C及び積層時間約40〜60分に十分耐えることができる。
それぞれの染料は、紫外線に対する高い耐性を有し、長時間の使用に対しても前述の集光性蛍光染料の吸収/放出特性を維持させることができる。
前述の集光性蛍光染料を効果的に組み合わせて使用することによって、所持して楽しいカードを提供することができる。
カード1の表用カバーシート101、または、裏用カバーシート105の表面を太陽光、室内光、または、近くの光源に向ける。
その結果、カード1は、表面用図柄印刷部11又は裏面用図柄印刷部14を透過させて、または、その隙間を通過させて照射された光を集光性蛍光染料印刷層12a,12bで吸収し、集光性蛍光染料の種類に応じた、二色の異なった周波数の光をカード基体100の側面から放出させることができる。
また、カード基体100の側面から放出される光は、カード1に印刷された集光性蛍光染料印刷部12とは異なる波長の光であるために、デザイン効果はもとより、偽造対策としても大きな効果を発揮する。
図2を参照して、本発明のカードに使用される材料の一例について説明する。
カード基体100の表用カバーシート101,表用コアシート102,裏用コアシート104,裏用カバーシート105には透明な樹脂材料を使用する。
また、センターコアシート103には乳白色の不透明な樹脂材料を使用する。
前述の樹脂材料として、非結晶性ポリエステル系樹脂材料,ポリ乳酸系樹脂材料,ポリ塩化ビニル樹脂材料などを使用する。
非結晶性ポリエステル系樹脂は、一般的には芳香族ジカルボン酸とジオールとの脱水縮合体であって、共重合ポリエステルの中でも特に結晶性が低い非結晶性の芳香族ポリエステル樹脂からなる。ジカルボン酸としてはテレフタル酸,イソフタル酸,アジピン酸,ナフタレンジカルボン酸等があり、ジオールとしてはエチレングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,1,4−シクロヘキサンジメタノール等がある。ジカルボン酸成分とジオール成分の組合せは適宜行われる。
前記非結晶性ポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレートにおけるエチレングリコール成分の30モル%を1,4−シクロヘキサンジメタノールで置換した商品(商品名「PETG」)がイーストマンケミカル社から市販されており、これらを使用することができる。
ポリ乳酸系樹脂は、例えば、ポリー3ーヒドロキシアルカノエート、或いは3又は4ーヒドロキシアルカノエートの共重合体、又はこれらの混合物と、ジカルボン酸とグリコールを重縮合して成る脂肪族ポリエステル、又は/及び、乳酸を原料としてこれを直接又は二量体の開環重合してなるポリ乳酸を、二種又は三種ブレンドして使用する。
ポリ塩化ビニル樹脂については公知の市販材料を使用する。
乳白色の樹脂材料は、透明な樹脂材料に白色の無機質粉末を混練りして作製する。
その他、表面用図柄印刷部,裏面用図柄印刷部の印刷には、紫外線硬化型のオフセットインキを使用し、オフセット方式で印刷する。
11 表面用図柄印刷層、または、表面用図柄印刷部
12a,12b 集光性蛍光染料印刷層、または、集光性蛍光染料印刷部
13 磁気情報記録部
14 裏面用図柄印刷層、または、裏面用図柄印刷部
100 カード基体
101 表用カバーシート
102 表用コアシート
103 センターコアシート
104 裏用コアーシート
105 裏用カバーシート
Claims (5)
- 何れも樹脂材料からなる透明な表用カバーシート,透明な表用コアシート,乳白色で不透明なセンターコアシート,透明な裏用コアシート,透明な裏用カバーシートが順次積層されたカードであって、
前記表用コアシートの前記表用カバーシート側の少なくとも一部領域には集光性蛍光染料インキによる印刷層が、前記裏用コアシートの前記裏用カバーシート側の少なくとも一部領域には前記集光性蛍光染料インキとは異なる色の集光性蛍光染料インキによる印刷層が形成され、前記表用カバーシート及び/又は前記裏用カバーシートの積層面には図柄印刷層が形成されたことを特徴とするカード。 - 請求項1に記載のカードにおいて、
樹脂材料は非結晶性ポリエステル系樹脂材料であることを特徴とするカード。 - 請求項1に記載のカードにおいて、
樹脂材料はポリ乳酸系樹脂材料であることを特徴とするカード。 - 請求項1に記載のカードにおいて、
樹脂材料はポリ塩化ビニル樹脂材料であることを特徴とするカード。 - 請求項1〜4何れかに記載のカードにおいて、
表用カバーシート,裏用カバーシートの、少なくとも何れかの表出面には磁気情報記録部が形成されたことを特徴とするカード。
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