JP2010269454A - カード - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基体が透明な樹脂材料からなるカードにおいて、前記カード基体は、複数枚のシートの積層体又は1枚のシートで構成され、前記少なくとも何れかのシートに集光性蛍光染料が練りこまれ、前記何れかのシート面に図柄印刷が施され、カードの最表面には、凹凸による図柄又は文字が形成されたカードを提供する。
【選択図】 図1
Description
運動施設や娯楽関連施設等では、カード会員は、例えば、施設を優先的に利用したり、施設内で販売されている商品を非会員より安い金額で購入することができるようになっている。
商店等で利用される会員カードは、商店内で発行され、カード会員は、ダイレクトメール等でキャンペーン情報を優先的に入手したり、商品を安い会員価格で購入したりすることができる。
また、ポイントカード等も商品購入時に発行され、カードには商品購入のたびに顧客の買上げ金額に対するポイント情報が記録され、会員は累積された点数に応じたサービスを受けることができる。
また、ギフトカードや電子マネーのようなプリペイドカードも発行されて、商品やサービスの購入に利用されている。
いずれのカードも、顧客の継続的な来店のため、また、商品の購入を促すために発行される。
そのため、カード発行者は、顧客に常時携帯して貰えるように、また、頻繁に来店してもらえるようにカードデザインに工夫を凝らす。
クレジットカード会社は、不透明なコア材の表裏に透明なオーバーシートを貼り合わせて所定の厚みとし、最表面に磁気ストライプやICモジュールを形成してISO規格に準拠したカードとして発行している。
そこで、カード基材の一部に蛍光染料を練り込んだカードが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
そこで本発明は、透明基材からなるカードに集光性蛍光染料を含む層を形成し、または、集光性蛍光染料を練りこんだ材料を使用し、カードの最表面に凹凸による図柄又は文字を形成した意匠性に優れたカードを提供することを目的とするものである。
2)また、本発明のカードの第二の態様のように、基体が透明な樹脂材料からなるカードにおいて、前記カード基体は、複数枚のシートの積層体又は1枚のシートで構成され、前記いずれかのシートの表面に集光性蛍光染料を含有する印刷インキによる集光性蛍光染料印刷部が形成され、前記何れかのシート面に図柄印刷が施され、カードの最表面には、凹凸による図柄又は文字が形成されたことによって、集光性蛍光染料を含有する印刷インキにより集光性蛍光染料印刷部を自由に形成することができ、カードの表裏いずれかの面を光にかざしたときにカード面に形成された凹凸部が強く輝く、意匠性が高いカードを提供することができる。また、カードを安価に供給することができる。
3)また、第三の態様のように、第一又は第二の態様において、透明な樹脂材料は非結晶性ポリエステル系樹脂,ポリ乳酸系樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂の何れかであることによって、カードの一般的な製造設備が使用可能で、非結晶性ポリエステル系樹脂,ポリ乳酸系樹脂を使用した場合は、環境にやさしいカードとしてアピールすることができる。
4)また、第四の態様にように、第一〜第三何れかの態様において、表裏いずれかの表出面に磁気情報記録部が形成されたことによって、カードをシステムメディアとして使用することができる。
本実施の形態のカード1のカード基体100は、基体が全て透明な樹脂材料で構成されている。
前記カード基体1は、複数枚のシートの積層体又は1枚のシートで構成され、前記少なくとも何れかのシートに集光性蛍光染料が練りこまれているか、いずれかのシートの表面に集光性蛍光染料を含有する印刷インキによって集光性蛍光染料印刷部12が形成されている。
図1に示す例は、いずれかのシートの表面に集光性蛍光染料を含有する印刷インキによって集光性蛍光染料印刷部12が形成されている。
また、何れかのシート面には表面用図柄印刷11として、「会員カード」なる文字が印刷されている。
凹凸形成部3には図柄又は文字が形成されている。
図1の例では、カードの周縁から2〜5mm内側に溝が凹凸形成部3として形成されている。
図2に示す例は、カード基体が複数枚の透明な樹脂材料の積層体からなるカードの例を示している。
カード基体100は、表用カバーシート101,表用コアシート102,裏用コアシート103,裏用カバーシート104が順次積層された積層構造を成している。
透明な樹脂材料としては、例えば、非結晶性ポリエステル系樹脂,ポリ乳酸系樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂などが使用される。
表面用図柄印刷部11は、表用カバーシート101と表用コアシート102の間の集光性蛍光染料印刷層12の表用カバーシート101側に形成することもできる。
また、裏面用図柄印刷部13は裏用カバーシート104の表出面に形成することもできる。
ストライプ状の磁気情報記録部14は、転写方式,印刷方式により形成される。また、磁気情報記録部14は印刷インキなどによってデザインの一部に隠される場合もある。
表用カバーシート101,表用コアシート102,裏用コアシート103,裏用カバーシート104を一枚のシートで構成させる場合は、表面用図柄印刷部11と集光性蛍光染料印刷層12は同一面に形成される。裏面用図柄印刷部13と磁気情報記録部14も同様である。
また、基体が複数シートの積層で構成される場合は、表用カバーシート101,表用コアシート102,裏用コアシート103,裏用カバーシート104は熱によって融着、または、接着剤を介して接着され積層される。
接着剤を介在させて積層する場合は、接着剤のコーティングが必要なため枚数を可能な限り少なくするが、融着の場合は接着剤のコーティングが必要ないために中心部に位置する表用コアシート102,裏用コアシート103は、それぞれ自由な厚さで、自由な枚数で構成することができる。
この発光の強さは、集光性蛍光染料印刷部12の印刷面積が大きいほど、また、集光性蛍光染料印刷部12の印刷されたインキの皮膜が厚いほど大きい。
また、表面用図柄印刷部11に使用される印刷インキが透明インキであるほうが、不透明インキであるより凹凸形成部3から放出される光の強さが大きくなる。
さらに、表面用図柄印刷部11に使用される印刷インキが不透明インキの場合は、表面用図柄印刷部11の印刷面積が小さいほど凹凸形成部3から放出される光の強さが大きくなる。
図1では、カード1の周縁から2〜5mm内側に凹凸形成部が溝として形成された例で説明した。凹凸部として、凸部を形成しても同様な効果が得られる。例えば、カードに図1で説明したエンボスによる打刻がその一例である。
エンボス以外にも、艶板(カードを積層する際に使用されるヘロ板)にエッチングを施し、カード積層時に凸部を形成する技術が開示されている。図3に示す例では、カードに会員の氏名が凹部31によって形成された例について説明する。
さらに、カードのほぼ全面にわたって集光性蛍光染料印刷部12が形成され、カード表面には、会員の名前「日本太郎」が、凹部31を形成すること表示されている。
凹部は、「イ図」に示すような四角形状に彫りこまれた場合や、「ロ図」のようにV溝状に形成される場合や、「ハ図」のように丸底形状で形成される場合がある。
ルーターで凹部を形成し文字を描く場合は使用する切削刃の形状により「イ図」,「ロ図」,「ハ図」いずれの形状も可能である。
レーザーで描く場合は「イ図」又は「ハ図」の形状で、底部が若干凸凹の形状になる。
エングレーバーで形成する場合は「イ図」の形状で、底部が凸凹の波板状になる。
図4は、図2の表用コアシート102部周辺を拡大した図である。
集光性蛍光染料印刷部12の表面から矢印の方向に入射した「aの光」,「bの光」,「cの光」は、それぞれ、実線で示すコース,点線で示すコース,一点破線で示すコースを辿って表用コアシート102の上下面を反射し、凹部3に到達し凹部3から放出される。また、残った光はカードの側面から放出される。
上記の如く、コアシート102に印刷された集光性蛍光染料印刷部12から吸収された光は、濃縮された状態でコアシート102、表用カバーシート101に形成された凹部から放出されてカード表面から視認される。
前記表用カバーシート,表用コアシート,裏用コアシート,裏用カバーシートが熱によって融着される場合は、表用コアシートと裏用コアシートの境界はなくなり、表用コアシートに印刷された集光性蛍光染料印刷部12から吸収された光は、濃縮された状態で表裏用カバーシートとコアシートの側面から放出される。
図5に示す例は、BASF社の「LumogenF Red305」を使用した集光性蛍光染料の吸収スペクトルと放出(励起)スペクトルの一例を示している。
「LumogenF Red305」は、可視光領域である400〜600nm(最大吸収波長578nm)に幅広く吸収帯を持ち、その光を600〜700nm(最大吸収波長613nm)の可視光に変換して放出する特性を有することを示している。
即ち、「LumogenF Red305」を使用した集光性蛍光染料印刷部は、さまざまな波長の光から構成されている太陽光や室内光を、前記幅広い吸収帯によって「効果的に」吸収し、それを長波長の光に変換してカード基体の凹凸部から放出(発光)するということである。
この染料は、300°Cの耐熱性を有し、従って、カードの積層時の温度120〜150°C及び積層時間約40分に十分耐えることができる。
さらに、キセノンランプ2000時間の連続照射後も95%以上の特性を維持する(耐光性を有する)ために、カードを長時間使用しても前述の集光性蛍光染料の吸収/放出特性を実用範囲で維持させることができる。
カード1の表用カバーシート101の表面を太陽光、室内光、または、近くの光源に向ける。
その結果、カード1は照射された光を、表面用図柄印刷部11を透過させて、または、その隙間を通過させて集光性蛍光染料印刷層12で吸収し、カード基体100に形成された凹部3から集光性蛍光染料の種類に応じた周波数の光を放出する。
カード基体100に形成された凹部から放出される光は、カード1に印刷された集光性蛍光染料印刷部12とは異なる波長の光であるために、デザイン効果はもとより、偽造対策としても大きな効果を発揮する。
また、磁気情報記録部を使用するシステムでカードが使用される場合は、磁気情報記録部に会員情報やカード情報を記録して入場ゲートやレジで読み取らせ、システムメディアとして使用する。
カード基体100の、表用カバーシート101,表用コアシート102,裏用コアシート103,裏用カバーシート104には透明な非結晶性ポリエステル系樹脂, 透明なポリ乳酸系樹脂,透明なポリ塩化ビニル樹脂を使用する。
非結晶性ポリエステル系樹脂は、一般的には芳香族ジカルボン酸とジオールとの脱水縮合体であって、共重合ポリエステルの中でも特に結晶性が低い非結晶性の芳香族ポリエステル樹脂からなる。ジカルボン酸としてはテレフタル酸,イソフタル酸,アジピン酸,ナフタレンジカルボン酸等があり、ジオールとしてはエチレングリコール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,1,4−シクロヘキサンジメタノール等がある。ジカルボン酸成分とジオール成分の組合せは適宜行われる。
前記非結晶性ポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレートにおけるエチレングリコール成分の30モル%を1,4−シクロヘキサンジメタノールで置換した商品(商品名「PETG」)がイーストマンケミカル社から市販されており、これらを使用することができる。
ポリ乳酸系樹脂は、例えば、ポリ−3−ヒドロキシアルカノエート、或いは3、または、4−ヒドロキシアルカノエートの共重合体、または、これらの混合物と、ジカルボン酸とグリコールを重縮合して成る脂肪族ポリエステル、または/および、乳酸を原料としてこれを直接、または、二量体が開環重合したポリ乳酸を、二種、または、三種ブレンドして使用する。
ポリ塩化ビニル樹脂については公知の市販材料を使用する。
集光性蛍光染料が練りこまれた材料を使用する場合は、BASF社製市販品を使用する。
セイコーアドバンス社製「ACT(N)800メジウム」100質量部に、BASF社製「モルゲンF」をメジウム比0.5〜5質量%配合させてスクリーン用インキを作製する。スクリーンで印刷する際に、乾燥後の印刷皮膜が3〜7μmとなるようにインキの濃度とスクリーンのメッシュを設定する。
表面用図柄印刷部,裏面用図柄印刷部の印刷には、市販の紫外線硬化型のオフセットインキを使用し、オフセット方式で印刷する。
3,31 凹凸形成部,凹部
11 表面用図柄印刷部
12 集光性蛍光染料印刷層、または、集光性蛍光染料印刷部
13 裏面用図柄印刷部
14 磁気情報記録部
100 カード基体
101 表用カバーシート
102 表用コアシート
103 裏用コアシート
104 裏用カバーシート
Claims (4)
- 基体が透明な樹脂材料からなるカードにおいて、
前記カード基体は、複数枚のシートの積層体又は1枚のシートで構成され、
前記少なくとも何れかのシートに集光性蛍光染料が練りこまれ、
前記何れかのシート面に図柄印刷が施され、
カードの最表面には、凹凸による図柄又は文字が形成されたことを特徴とするカード。 - 基体が透明な樹脂材料からなるカードにおいて、
前記カード基体は、複数枚のシートの積層体又は1枚のシートで構成され、
前記いずれかのシートの表面に集光性蛍光染料を含有する印刷インキによる集光性蛍光染料印刷部が形成され、
前記何れかのシート面に図柄印刷が施され、
カードの最表面には、凹凸による図柄又は文字が形成されたことを特徴とするカード。 - 請求項1又は2に記載のカードにおいて、
透明な樹脂材料は非結晶性ポリエステル系樹脂,ポリ乳酸系樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂の何れかであることを特徴とするカード。 - 請求項1〜3何れかに記載のカードにおいて、
表裏いずれかの表出面に磁気情報記録部が形成されたことを特徴とするカード。
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