JP2015066808A - スクラッチラベル - Google Patents

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久美子 内田
大竹 望
Nozomi Otake
望 大竹
耕太郎 檀上
Kotaro Danjo
耕太郎 檀上
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Abstract

【課題】スクラッチラベルにおいて、秘密情報はスクラッチ隠蔽層のみであって、不正者が容易にその偽造品を作製できるという問題を有していた。また、その偽造を防止するため、最上層にホログラム層を設けたスクラッチラベルも開発されたが、第三者がそのホログラム層を視認できるため、不正者が容易に類似の光学的効果を持つスクラッチラベルを偽造できるという問題があった。【解決手段】スクラッチラベルのスクラッチ隠蔽層の下に、ホログラム層を設け、第三者にはそのホログラムデザインを秘匿し、しかも、スクラッチしただけでは、そのホログラムが現れず、スクラッチ隠蔽層を界面剥離させて、初めて、秘密情報とホログラム再生像を同時に視認でき、その意外性による偽造防止効果を高めたスクラッチラベルを提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、基材上の秘密情報表示部を隠蔽するためのスクラッチ隠蔽層が設けられたスクラッチラベルであって、基材上の秘密情報表示部を覆うようにスクラッチラベルを貼着することで、その秘密情報を隠蔽することができ、そのスクラッチ隠蔽層をスクラッチにより削り取ると、その秘密情報を視認できるようになるスクラッチラベルに関する。
特に、スクラッチ隠蔽層を削り取った後、ラベルを剥がす行為、すなわち、残った部分を剥がそうとすると、秘密情報に重なる形で、鮮明なホログラム再生像が現れ、さらには、残った部分にブラックライトをあてると、隠されていた「蛍光パターン」までもが出現する、偽造品や変造品に対する真偽判定を容易とし、且つ、その偽造や変造を非常に困難とすることができるスクラッチラベルに関する。
本発明において、「基材」とは、秘密情報表示部を設けられたプリペイドカードそのもの、もしくは、秘密情報を予め記録してある種々のシート状、カード状、その他の形状を有するものを意味し、その素材も、プラスチック材料、金属材料、その他あらゆる材料を用いたものでよく、本発明のスクラッチラベルによって、その秘密情報を隠蔽することができるものであれば、特に限定するものでない。
また、本発明において、「秘密情報」とは、「その秘密情報を知り得る正当な権利者にのみ開示されるべき情報」を意味し、その「秘密情報」を基材上に設ける手段は、適宜な印刷方法や、個別情報を形成できるインクジェット方式を用いた方法、さらには、レーザー印字等、その「情報」としての文字、図形、記号、その他の、少なくとも目視認識可能な、あらゆる「情報」を形成可能な方法を用いることができるものである。
もちろん、その基材上の「秘密情報」と、スクラッチラベルが担持する別の「情報」(秘匿されていても開示されていてもよい。)との単なる組み合わせや、それらの「情報」を各種の情報合成手段等(暗号化処理も含まれる。)により合成して、「正当な権利者に開示される情報が形成される」ものであってもよい。
さらに、本発明において、「スクラッチ」とは、コインや爪等によって「対象となる層」を削り取る行為であって、「対象となる層」を部分的、もしくは、全面的に除去する行為を意味する。特に、「対象となる層」の背後にあるものを視認することが目的であるため、「部分的な削り取り」であっても、「削り取った領域」においては、「対象となる層」の全てを、削り残し無く、除去することとなる。(これ以下、このスクラッチ操作を「スクラッチオフ」とも言う。)
また、本発明において、「蛍光パターン層」とは、「蛍光」を示す「パターン層」を意味する。
学術的な定義において、「広義の蛍光」は、X線や紫外線、可視光線が照射されてそのエネルギーを吸収することで電子が励起し、その励起された電子が基底状態に戻る際に余分なエネルギーを電磁波として放出するものである。その「広義の蛍光」のうち、励起のための電磁波を止めても発光が持続する発光寿命が長いものを「燐光」、短いものを特に「蛍光」という。しかし、「蛍光」と同じ状態間の遷移に由来するにもかかわらず、発光寿命が長い遅延蛍光と呼ばれる現象もあることから、より正確な「区別」の方法として、「対象となる物質」における、発光過程の「始状態」と「終状態」(「基底状態」と「励起状態」を意味する。)のスピン多重度が同じものを「蛍光」といい、そうでないものを「燐光」としている。スピン多重度が異なる遷移は禁制であるから寿命が長くなる。遅延蛍光では、励起された後に、一旦、スピン多重度の異なる状態への遷移が起こり、そこから禁制遷移を起こして発光過程に入るので、寿命が長い。
本発明においては、上記した学術的な定義の内、「『少なくとも紫外線、もしくは赤外線を含む光』の照射を受けて、『少なくとも観察者が視認可能な可視光』を発光すること、及び、『上記の蛍光』と『上記の燐光』を含むもの」を「本発明の『蛍光』」と定義する。
そして、そのような「本発明の『蛍光』」(以下、単に「蛍光」という。)を示す材料を含む(「蛍光剤」を含むことを意味する。)、もしくは、「蛍光」を示す材料からなる(「蛍光性樹脂」からなることを意味する。)「層」を、「パターン」状に形成することで、「蛍光パターン層」とする。
この「パターン」は、上記の「秘密情報」と同様の「情報」を示すものとすることができるが、上記の「秘密情報」と全く異なるものとしてもよく、または、上記の「秘密情報」とこの「パターン」が合わさって、新たな「情報」(いわゆる、「合成情報」を意味する。)を表示するものとしてもよい。
さらには、「パターン」の蛍光発光によって、その「秘密情報」の一部が消去されるもの(それらの一部が重なっており、「パターン」の発光によって、その背後となる「秘密情報」の一部が視認できなくなることを意味する。)であってもよい。
ところで、上記した「蛍光剤」や「蛍光性樹脂」には、「紫外線を受けて蛍光発光するもの」と「赤外線を受けて蛍光発光するもの」があるが、以下の説明を簡略化するため、「紫外線を受けて蛍光発光するもの」を主体として述べることとする。
もちろん、以下の説明において「『紫外線照射すること』及び『紫外線を受けて蛍光発光すること』」を、「『赤外線照射すること』及び『赤外線を受けて蛍光発光すること』」に置き換えることで、本発明のスクラッチラベルの目的を同様に達成し、同様に十分な効果を得ることができることは言うまでもない。
ここで、本発明における、「光安定剤」とは、「『紫外線を遮断する、紫外線を吸収する、もしくは、光エネルギーを熱エネルギーに変え消光する』性質を持つ材料」のことを意味する。そして、この「光安定剤」を「レリーフホログラム形成層」に含ませているため、この「蛍光パターン層」が「レリーフホログラム形成層」の背後にある限り、その「レリーフホログラム形成層」に向かって、自然光に含まれる紫外線はもとより、意図して、「ブラックライト」等を照射しても、「蛍光パターン層」がその「蛍光」を示すことは無く、観察者には、その「蛍光パターン層」の存在が秘匿されることとなる。
しかし、その「レリーフホログラム形成層」を剥離して、いわゆる、「その『蛍光パターン層』を秘匿している『安定剤を含む層』」を取り除いた後は、上記した「ブラックライト」等の照射によって、その「蛍光パターン層」を「蛍光」発光させることが可能となり、そのような判定方法を予め知らされている、本発明のスクラッチラベルの正規購入者は、その「蛍光パターン層」の「パターン」を視認することができるものである。
もちろん、上記の「レリーフホログラム形成層を剥離した段階」で、自然光に含まれる紫外線等の照射を受けて、その「パターン」が視認可能となってしまっては、その「秘匿性」がやや不十分なものとなり、スクラッチラベルの偽造防止性が低いものとなるため、「レリーフホログラム形成層」を剥離しても、自然光に含まれる紫外線等の照射では(照射強度そのものが弱く、さらには、「励起光の波長」との一致性も低い。)、その「蛍光パターン層」の「蛍光」発光がほとんど発生せず、その「パターン」が秘匿されたままであることが好ましい。
また、本発明において、「高屈折率透明樹脂層」とは、「高い屈折率を持つ透明樹脂層」を意味し、ここでは、屈折率nが1.7を超える透明樹脂層をいう。
屈折率nは、、真空中の光速度(c)を媒質中の光速度(v)(より正確には位相速度)で割った値であらわされ、特に断らない限り、屈折率の値は、ナトリウムのD線波長589.3nmの光に対するものである。
本明細書において、配合を示す「部」は特に断わらない限り質量基準である。また、 「ホログラム」は、回折格子などの光回折性機能を有するものも含む。
(主なる用途)通信網やコンピュータネットワークの普及に加え、データを送受信するコンピュータ端末の普及及びその携帯化が進むとともに、わが国においても第三次産業の占める割合が急速に伸び、様々な業者、さらには、公的機関によっても、様々なサービスの提供が行われている。
第三次産業とは、情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、学術研究または専門技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育または学習支援業、医療または福祉関連、電気事業、ガス事業、熱供給事業、水道業、公務、理容美容関連、複合サービス業、レジャーサービス、レンタルサービス、アウトソーシングサービス、交通サービス、外食サービス、エネルギー、エンターテインメント、コンサルティング、その他サービス業と位置づけられているが、このような第三次産業に携わる業者や公的機関は、物品の販売のみならず、特定のサービスの提供によっても対価を得ているため、物品を販売する形態とは異なる形態によっても、顧客や消費者へのサービス提供、もしくは、顧客や消費者(以下、顧客等ともいう。)からの料金や対価(以下、料金等ともいう。)の回収を行っていることが多い。
例えば、その料金や対価の回収方法として、顧客等の銀行口座から、利用したサービスに相当する対価を自動的に引き落とす方法や、信販会社に対してクレジット契約を予め締結しておき、信販会社を介して利用料金を決済する方法などは、ごく一般的な料金等の回収の形態であり、電気料金、ガス料金、水道料金などの公共サービスや、種々の情報提供サービスなどにおける料金等の決済の手法として広く利用されている。そして、プリペイドカードの販売という形式により、将来提供されるべきサービスに対して、料金等の回収を先に行ってしまう方法も普及している方法であり、料金や、運賃、その他の対価の回収に広く利用されている。
さらに、販売する「物品」そのものが、データ端末装置、パーソナルコンピュータ、デスクトップパソコン、オンライン対応ゲーム機、電話回線機器、ファクシミリ、モデム等のデータ回線終端装置、ラジオ受信機や、テレビ受像機等の通信機器(情報機器)、特に携帯して利用可能な通信機器である携帯通信機器(端末)や、携帯して利用可能な情報機器である携帯情報機器(端末)、すなわち、携帯音楽プレーヤー、ICレコーダー、ポータブルDVDプレーヤー、ポケットコンピュータ、スマートブック、タブレットPC、PDA、電卓、携帯ゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ラップトップコンピュータ、ノートパソコン、ハンドヘルドパソコン、携帯プリンター、携帯スキャナ、携帯モデム、電子辞書、電子手帳、電子書籍、ポータブルデータターミナル、携帯電話端末、PHS端末、ポケットベル端末、携帯ラジオ、携帯テレビ、ワンセグ、腕時計、懐中時計、補聴器、ハンドヘルドGPS、防犯ブザー、テレビ電話、GPS受信機、カーナビゲーション端末、リモコン端末、電子マネー、デジタルキー、デジタルロックやポイントカード用のICカード等を用いて顧客に届けられるものとなり、音楽、映画、ゲームソフト等の文字、画像、映像、動画、音声、映画の著作物や、Webアニメ等のマルチメディア関連のコンテンツを、これらの「物品」として、ダウンロード販売、クラウドコンピューティング、音楽配信、IP放送、インターネット放送、インターネットテレビ、インターネット放送ネットワーク、インターネットラジオ、ポッドキャスト、ビデオ・オン・デマンド、動画共有サービス等の手段を用いて配信する方法も広く利用されている。
そして、これらの付加価値の対象である「物品」そのものや、上記した様な種々の「サービス」を受けることができる「資格」や「権利」を顧客に付与するもの、すなわち、それらの付加価値の受領、または、利用を要求している者が、正当な「資格」、または、「権利」を保有している者であるか否かを判定する媒体として、各種のカード類が広く一般的に用いられている。
これらカード類は、身分を証明するIDカード、会員カードや、金銭的価値を有するキャッシュカード、クレジットカード、プリペイドカード、定期券、もしくは、回数券等として多くの分野で使用されており、その数は増加の一途をたどっている。この中で、前払い方式でサービスを提供する際の前払証票、いわゆるプリペイドカードは、特に数量的な増加率が高く、一定単位の金額を予め支払い、その金額分の価値情報を利用できるものとして広く普及している。
そして、そのカード上には、価値情報や識別情報が、基材に印字または印刷表示した絵柄や文字情報として記録され、また、基材上に設けられた磁気記録部または光学記録部、場合によってはICチップに機械読み取り情報として記録されており、用途に応じた様々な情報を保持し、様々な場面でそれらの情報を利用可能とするものである。
そのプリペイドカードの代表とも言えるテレホンカードにおいては、価値情報や識別情報がテレホンカードそのものに記録され、電話端末においてテレホンカードを使用する都度、その通話料金をテレホンカードに記録してある価値情報から減額し、その残金を再びテレホンカードに記録しておくものであったが、その後、テレホンカードの偽造や変造に対処する方式として、テレホンカード上にはランダムな「番号」のみを印字しておいて、テレホンカードの発行、登録、販売、利用、減額処理、登録抹消等を管理しているホストコンピュータ上にその「番号」に対応した価値データを持たせ、テレホンカードの使用者が、そのホストコンピュータにアクセスした時に利用金額分の通話を行うことができるという、いわゆる「スクラッチオフ方式のテレホンカード」、すなわち、秘匿性の許可番号(秘密情報。)を交付する形式のテレホンカードを使用する方式が実用化され、そのカード発行数量も多くなってきている。
この方式では、流通段階において許可番号の漏洩が発生すると、その許可番号を不正に入手した者による不正サービス受給や、正規購入者に対して正当な利用を提供できなくなる等のトラブルを招くのみならず、もはや、「実際にその許可番号を利用した行為」が、正規購入者による行為なのか、もしくは、不正入手者による行為なのかを判別する手段も無くなってしまい、不正行為の特定ができず、従って、その損害額の特定、そして、その特定に基づく損害賠償請求も不可能となる。
このため、テレホンカードにその許可番号を印字した後、その許可番号が第三者に簡単に盗まれることを防止する目的で、削り取り(スクラッチ)が可能な隠蔽層でその許可番号を一旦覆って流通させ、テレホンカード購入者(正規購入者)が、その隠蔽層をスクラッチして除去して、その下に隠蔽されている許可番号を読み取り、その許可番号を利用するという方式である、「スクラッチオフ方式」の採用が必須となっている。
例えば国際電話のアクセス方式として、中継基地となる電話会社(中継会社という。)と契約し、料金先払いで所定の金額(例えば、千円。)を支払うことによりその契約者個有のナンバーが記載されたカードが発行され、国際電話を掛ける際にはカードに表示されたアクセスナンバー(フリーダイヤル。これが秘密情報となる。)を入力して中継会社にアクセスし、次いで契約者個人に与えられた個人ナンバーを入力したのち、相手方の電話番号を入力することによって通話ができるシステムが、国際電話を低料金で掛けられ、且つ、中継会社へアクセスした際に所定秒時コマーシャルを流すことによる宣伝媒体としての利用を図ることができる方式として広く普及しつつある。
このシステムに加入すると、個人に与えられた個人ナンバーはスクラッチ加工(スクラッチ可能な隠蔽処理という意味。)により外部からは完全に見えないように処理されており、このスクラッチ加工部分を削るようにして剥すことにより初めて個人ナンバーが現われるようになされている。
また、従来より、イベントくじやゲーム用カード等において、秘密情報である、例えば、「あたり」又は「はずれ」に相当する絵柄や文字や番号などのくじの結果をスクラッチが可能な隠蔽層で一時的に隠蔽した後、このスクラッチが可能な隠蔽層を爪やコインなどで擦ることで、その隠蔽層の下に表示された秘密情報の内容を見ることができるようにしたスクラッチが可能な隠蔽層付き印刷物は知られている。これらの印刷物は、一般的に複数個所にスクラッチが可能な隠蔽層を設けておき、その中から「あたり」と思われる1ヶ所の隠蔽層をコイン等で削り取ることで、下層に表示された秘密情報の表示を目視で確認するもので、もし仮に2ヶ所以上の隠蔽層を削り取った場合は、無効とするなどの規則とする場合が多い。
さらに、スピードくじや、ファーストフード店等においてサービス的に用いられているチケットは、基材に数字や文字等(秘密情報)を印刷した後、その上にスクラッチが可能な隠蔽層を印刷して、下地の印刷が見えないように構成され、くじの購入者やチケットを受け取った者が、爪や硬貨を用いてその隠蔽層を擦り取ると、下地に印刷されている数字や文字等が出現する。この出現した数字や文字を、予め決定されている数字や文字等と比較して、合致した場合には当選が決まるシステム(秘密情報がある意味において暗号情報となっており、他の情報との照合、いわば、解読により、「当たり」が決まる仕組み。)となっている
また、抽せんコードの如き機密の個別データをスクラッチが可能な隠蔽層で隠蔽してあるインスタント抽選付ゲームカードやインスタント抽選付商品等においては、機密の個別データを複雑なゲームにも利用できるものとし、その隠蔽層を擦り取ると、「あたり」の文字や懸賞番号等のメッセージが浮かび上がるように構成されている
このように「スクラッチ方式」は、いわば「簡易くじ」としても用いられており、その用途としては、宝くじなどの各種くじ等の他、商品の購入時の景品提供の手段、教習具や、ケームカード等があるが、より具体的には、携帯電話ショップで、スクラッチ枠を11か所設け、その内5か所だけを擦って、自分の携帯電話番号といくつ一致するかでもらえる景品が決まり、裏面には新規契約の方への特別割引クーポン券がついているもの、大手ドラッグストアで、ポイントカード会員獲得のために、ポイント5倍などのスクラッチに使用するもの、会員登録したその日からクーポン券として利用可能で、クーポン券の利用期間を設けるもの、大手鶏卵メーカーで、大手スーパー量販店様への卵パックの中に封入し、当たりが出たら「当たり券」をハガキに貼って裏面記載の係りあてに応募すると、購入先で使用できる商品券がプレゼントされるもの、住宅展示場、ファーストフードショップ、遊園地、観光スポット、スポーツ観戦に使用されるもの等、さらには、食品業界、ファッション業界、美容業界や医療関係等用の、擦った後に削りカスが出にくいもの等、または、被封くじであって、当せんパターンがスクラッチ印刷され、これを削ることにより抽せんを行う、インスタントくじ、スクラッチ宝くじ等、スクラッチ可能な隠蔽層をパターン状に複数設けて、それらの何れかを削って、所定のマークを出すことができた場合に「当たり」とするもの、そのマークを出すまでの削り回数や、削った軌跡で「当たり」のレベル(例えば商品価格)を定めるもの、そのパターンが、縦横マス目状に設けられ、そのマークがそのマス目どの位置にあるかによって、「当たり」のレベルを定めるもの等がある。
また、抽選用品としてのスクラッチ三角くじやおみくじ用、キャラクター抽選会、おもちゃの抽選会、菓子等食品の抽選会、生活用品の抽選会等の抽選会景品セット用、サイコロを使う景品セット、輪なげや射的景品セット、おもちゃ釣りや千本つり景品セット、穴あけ宝箱景品セット、ガチャガチャやカプセル景品セット、つかみどりやすくいどり景品セット、詰め放題や玉入れ遊び景品セット、季節の抽選セットや景品抽選セット、夏の花火景品セット、夏の縁日景品抽選セット、夏のサマーグッズ抽選セット、クリスマス景品抽選セット、お正月景品抽選セット、年末年始景品抽選セット等のイベント景品セット用として、
さらには、来店促進のためのお買物券や割引券等、店頭でのイベントなどに用いられる名刺サイズやハガキサイズのもの、イベント案内のダイレクトメールにスクラッチを活用するもの、店頭への誘導にハガキだけでなく、V折やZ折などの圧着ハガキDMへスクラッチ印刷したもの等、1日1回で数十回スクラッチすると、その回数に応じて、景品引換券や、家具や洋服等の店頭で販売している商品が手に入るものや、スクラッチカードの四つ角に決まったアイテムが用意され、これを参考にすれば、欲しいアイテムを効率良く集めることができるように構成されているもの等がある。
このような「スクラッチ方式」の普及により、その「秘密情報」として、単純な「あたり」または「はずれ」の文字や、シリアルナンバー等の番号類のみならず、バーコードや二次元バーコード等の機械認識コード類、顧客データ、メッセージ等、あらゆる語句や記号、もしくは特定のマーク等の図形を固定もしくは可変で構成するもの、さらには、これらの「情報」が発色機構や消色機構を利用して浮き出るものや、特定の光源によってのみ、その「秘密情報」を読み取ることができるものなども提案されている。
(先行技術)上記したように、銀行口座からの自動引き落としや、信販会社を介した決済という方法は、非常に堅実な方法ではあるが、事前の手続きが面倒で、また、サービスの利用開始までに時間がかかるという問題があり、公共料金など利用が不可欠なサービスについては、有効な料金回収方法であるとしても、顧客にとって恣意的なサービスについての料金回収方法としては、必ずしも適切ではなく、利用料金の支払いのための手続きが面倒であったり、実際に利用が可能になるまでに何日も待たされたりすれば、顧客はそのサービスの利用に躊躇せざるを得なくなる。
そのため、プリペイドカードを用いた料金回収方法が、非常に手軽な方法であり、サービスによっては非常に有効な方法であることから、すなわち、通常の物品を購入する場合と同じ形態で、サービスに対する対価の支払いを行うことができ、かつ、プリペイドカードを購入した時点からそのサービスを利用できるようになることから、いわゆる「プリペイドカード方式」が拡大したが、その半面、プリペイドカードの偽造や変造という問題が生じるに至り、すなわち、一般的なプリペイドカードは、磁気的に残存対価を記録する方式を採っているため、この磁気的な記録の改竄という方法による不正利用が蔓延する結果となり、従来の磁気記録を利用した「プリペイドカード方式」は、安全性の面で些か問題があるのではないかとの認識が広がった。
このような理由も追い風となり、カードそのものには金額等の記録を保持せず、「認証番号等」のみを「秘密情報」として保持させて、そのカードを購入した者がその「番号等」を「申告する」ことにより種々のサービスを受けることができるという新規な「プリペイドカードサービス」が普及した。この「番号等」は、「秘密情報」として秘匿するために、スクラッチが可能な隠蔽層等により隠蔽されているため、従来の磁気型プリペイドカードに対して、番号型プリペイドカードとも呼ばれる。
この番号型プリペイドカードには、公衆電話用カード、携帯電話用カード、国際電話用カード等の通信系、ゲームソフトや音楽ソフト、その他有料ソフトの決済カード等の決済系、ショッピングカード、ギフトカード、コインカード等の物品購入系等が実用化されている。
本発明のスクラッチラベルは、このような、付加価値のある「秘密情報」が設けられたカード等の「基材」、すなわち、そのカード等を構成している「基材」であってその上に「秘密情報」が設けられているものに対して、その「秘密情報」を覆うように貼着して、その「秘密情報」を第三者に対して秘匿し、その「秘密情報」の開示を受けられる正当な権利を有する者のみが、そのスクラッチラベルのスクラッチ隠蔽層をスクラッチして初めて、その「秘密情報」を確認することができるようにするものである。
この目的を達成するための技術として、特許文献1には、カードそのものには金額等の記録を保持せず、「認証番号等」のみを秘密情報として保持させて、そのカードを購入した者がその「番号等」を「申告する」ことにより種々のサービスを受けることができる、これらのプリペイドカードサービスとして、この「番号等」を、秘密情報として秘匿するために、スクラッチが可能な隠蔽層等で隠蔽する技術が開示されている。
また、インスタント抽選券、秘密情報伝達カード、クイズカード等で、一時的に秘密にしたい情報をシート上にプリンター等で印字表示し、それらの秘密情報表示部の上層に引っ掻くことで破壊されるスクラッチ可能な隠蔽層を形成させてなる「スクラッチカード」が既に広く用いられているが、これらのスクラッチ可能な隠蔽層は、比較的容易に入手できる原料から形成することが可能であるため、偽造や変造を行うことも容易である。
例えば、販売前の段階において、販売関係者が宝くじ等のインスタント抽選券のスクラッチ可能な隠蔽層を一旦引っ掻いて剥離し、抽選番号を見て当たりの抽選券と外れの抽選券を事前に確認して判別しておき、再度抽選番号の表示部分上にスクラッチ可能な隠蔽層を再形成することで、見かけ上、元の状態に戻しておき不正行為が行われたことを気づかれないようにカムフラージュし、当たりの抽選券を知り合いに販売することで特定の客に儲けさせる等の不正行為を働くことも物理的に可能であるため、この対策として、スクラッチ可能な隠蔽層に香料を含んだマイクロカプセルを入れ、真偽判定をする方法が提案されている。しかし、この方法では、正当な使用者がスクラッチした際、バラの匂い等、嗅覚に訴える販促的効果は期待できるが、不正者が一度スクラッチをした後、再度同様の匂いの香料を含むスクラッチ可能な隠蔽層を設けても、その後入手した正当な使用者にとって、目視にて容易に判読できる不正の痕跡を残すことは困難であった。(例えば、特許文献2参照。)
以上のごとき、カムフラージュ行為を直接的に阻止する方法として、スクラッチ可能な隠蔽層の上、または、スクラッチ可能な隠蔽層と基材とに跨るように、ホログラム画像を形成したホログラム層を設け、不正を行おうとする者にホログラム画像の存在を認識させて、「ホログラム層」を形成することの困難さを持って不正行為を阻止しようとする技術も開発されている。(例えば、特許文献3または4参照。)
しかし、これらの技術は、ホログラム層の存在や、そのホログラムデザインが第三者にあらかじめ開示されていることから、そのホログラム再生像に類似した光学効果を有するものを十分な時間を掛けて偽造したり、もともと、この構成自体がホログラム層とスクラッチ可能な隠蔽層を同時に削る仕様となっていることから、「ホログラム層もろともスクラッチ可能な隠蔽層を全て削ってしまった」と偽ることにより、ホログラム層が全く存在しない変造品を持参しながら、あたかも正規品であったの如く振る舞う等の不正を防ぐことができないという欠点を有していた。
特開平10−214320号公報 特開2001−47777号公報 特開平11−34565号公報 特開2005−305844号公報
本発明は、ホログラム層をスクラッチ隠蔽層の背後に設けて、第三者に対してホログラムの存在、及び、そのホログラムデザインを秘匿可能とし、スクラッチ隠蔽層をスクラッチして「秘密情報」を視認可能としても、まだ、そのホログラムの存在は秘匿され、不正目的等で、もしくは、真正性確認のために敢えて、残りの部分を剥がすと、鮮明なホログラム再生像が出現し、初めて、そのホログラムの存在を確認でき、その上、その残りの部分にブラックライト等による紫外線照射、または、赤外線ランプ等による赤外線照射を施すと、それまで秘匿されていた「蛍光パターン層」が蛍光を発して浮き上がり、やはり、初めて、その「蛍光パターン層」の存在を確認できるという、高い偽造防止性を有するスクラッチラベルを提供する。
そして、本発明のスクラッチラベルを、上記した、いわば、「スクラッチカード」となるカード等の基材上に設けられた「秘密情報」を覆うようにして、その基材に貼着することにより、「本発明のスクラッチラベルが貼着されたカード等」、すなわち、「秘密情報が隠蔽されたスクラッチカード等」とすることを可能とする。
本発明のスクラッチラベルを貼着したスクラッチカード等においては、ホログラムデザインを第三者に開示していないことから、不正者が、例え、本発明のスクラッチラベルを貼着したスクラッチカード等を複数枚入手しても、まず、そのホログラムの存在には気づかず、例え、その構造やホログラムの存在を知り得たとしても、そのホログラムデザインが統一された唯一のデザインなのか、複数のデザインを任意に配したものなのか、もしくは、特定の秘密情報に対して特定のホログラムデザインを対応させてあるものかを知ることができないものとしており、この原理によって、入手したスクラッチカード以外の秘密情報を有するスクラッチカード等に対しての「偽造品」を作ることを、事実上、不可能とし、その上、秘匿された「蛍光パターン層」をも含んで、その偽造防止性をさらに高めた、スクラッチラベルを提供する。
また、ホログラム層を高度なスクラッチ耐性を有するものとして、スクラッチによるホログラム再生像の鮮明さの劣化を抑制可能とし、且つ、残りの部分を剥がしたときに露出する層を高屈折率な層として、出現するホログラム再生像をより鮮明なものとし、また、スクラッチ隠蔽層に平均粒径の異なる顔料を配して、ラベルを剥がそうとしたときに、その剥離痕を残せる構造とし、その偽造防止性を著しく高めることを可能としたスクラッチラベルを提供する。
上記の目的を達成するために、
本発明のスクラッチラベルの第1の態様は、
基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチラベルであって、
スクラッチ隠蔽層、光安定剤を含むレリーフホログラム形成層、剥離層、蛍光パターン層、及び、前記蛍光パターン層を覆うように前記剥離層上に粘着層がこの順序で積層され、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報が視認可能となり、且つ、前記レリーフホログラム形成層と前記剥離層の界面で剥離が生じることによって、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能になると、同時に、紫外線、もしくは、赤外線の照射により前記蛍光パターン層が視認可能になることを特徴とするものである。
上記第1の態様のスクラッチラベルによれば、
基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチラベルであって、
スクラッチ隠蔽層、光安定剤を含むレリーフホログラム形成層、剥離層、蛍光パターン層、及び、前記蛍光パターン層を覆うように前記剥離層上に粘着層がこの順序で積層され、前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報が視認可能となり、且つ、前記レリーフホログラム形成層と前記剥離層の界面で剥離が生じることによって、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能になると、同時に、紫外線、もしくは、赤外線の照射により前記蛍光パターン層が視認可能になることを特徴とするスクラッチラベルを提供することができ、第三者に対してホログラムの存在、及び、そのホログラムデザインを秘匿可能とし、スクラッチ隠蔽層をスクラッチして「秘密情報」を視認可能としても、まだ、そのホログラムの存在は秘匿され、ラベルを剥がす行為によって、初めて、ホログラムの存在、さらには、「蛍光パターン」の存在を確認できるという偽造防止性の高いスクラッチラベルを提供することができる。
本発明のスクラッチラベルの第2の態様は、
前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とするものである。
上記第2の態様のスクラッチラベルによれば、
前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする第1の態様の態様のスクラッチラベルを提供することができ、スクラッチ隠蔽層の変造を防止し、より偽造防止性を高めたスクラッチラベルを提供することができる。
本発明のスクラッチラベルの第3の態様は、
前記スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との間に、透明基材が設けられていることを特徴とするものである。
上記第3の態様のスクラッチラベルによれば、
前記スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との間に、透明基材が設けられていることを特徴とする第1、または第2の態様のスクラッチラベルを提供することができ、より安定したスクラッチを可能とするスクラッチラベルを提供することができる。
本発明のスクラッチラベルの第4の態様は、
前記剥離層の屈折率が、前記レリーフホログラム形成層の屈折率と同一、もしくは、その屈折率差が、0.1以下であることを特徴とするものである。
上記第4の態様のスクラッチラベルによれば、
前記剥離層の屈折率が、前記レリーフホログラム形成層の屈折率と同一、もしくは、その屈折率差が、0.1以下であることを特徴とする第1から第3の態様のスクラッチラベルを提供することができ、ホログラム層の秘匿性をさらに高め、その偽造防止性を向上させたスクラッチラベルを提供することができる。
本発明のスクラッチラベルの第5の態様は、
前記剥離層が高屈折率透明樹脂層であって、前記剥離層の屈折率が、1.7以上であることを特徴とするものである。
上記第5の態様のスクラッチラベルによれば、
前記剥離層が高屈折率透明樹脂層であって、前記剥離層の屈折率が、1.7以上であることを特徴とする第1から第4の態様のスクラッチラベルを提供することができ、より鮮明なホログラム再生像を出現させることができ、偽造防止性の高いスクラッチラベルを提供することができる。
本発明のスクラッチラベルの第6の態様は、
前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とするものである。
上記第6の態様のスクラッチラベルによれば、
前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とする第1から第5の態様のスクラッチラベルを提供することができ、スクラッチラベルを剥がそうとすると、スクラッチ隠蔽層にその剥離痕が残り、その偽造防止性を著しく高めたスクラッチラベルを提供する。
本発明のスクラッチラベルが秘匿する「秘密情報」としては、暗証番号、個人認証番号、口座番号、その他の個人特有の番号または記号や、抽選番号または記号、管理番号または記号等、もしくは、単なる連続番号や記号であって、登録することによりその有効性を発現するもの、暗号鍵番号である共通鍵番号のように同一の番号、さらには、全くの乱数であってスクラッチカード等の基材を作製するときに発生させ作製者含め誰もその番号の内容を知らないよう工夫した番号等、知ることが許された者(正規な購入者等を意味する。もちろん、スクラッチカード等のシステム設計者や、スクラッチカード発行者等が含まれる場合もある。)のみが見ることができ、その他の者は物理的に見ることができないよう設定される番号または記号等がある。
また、そのスクラッチカード等の用途により、番号または記号のみならず、文字、図形、マークその他、個人及びそのスクラッチカード等の供給者が共通に認識できるもの(この対象は、いわゆる「情報」全てとなる。)であれば何れも用いることができる。そして、その認識方法も、少なくとも目視確認により認識できる情報を有しながら、目視以外の認識方法、例えば、光学読取方法、磁気的読取方法、その他、あらゆる物理的もしくは化学的読取方法を採用することができ、且つ、秘密情報と重ねて視認できるレリーフホログラム再生像の中にも、ホログラム再生原理を利用した光学読取方法を含めることもその偽造防止性を高めるために好適である。
この「秘密情報」をスクラッチカード等の基材上に設ける方法としては、可変情報を形成する方式として、感熱溶融転写方式、昇華転写方式、光学的もしくは物理的直接描画方式、電子写真方式及び、インクジェット方式等があり、固定情報を形成する方式としては、グラビア印刷方式、オフセット印刷方式、活版印刷方式、凹版印刷方式、スクリーン印刷方式等がある。
また、基材そのものを発色材料や消色材料で構成し、その発色原理や消色原理を用いて、可変情報や固定情報を記録する方法を用いてもよい。
これらの方法、または、方式により、その「秘密情報」をスクラッチカード等の基材上に形成し、そして、スクラッチ隠蔽層、レリーフホログラム形成層、剥離層、蛍光パターン層、及び、前記蛍光パターン層を覆うように前記剥離層上に粘着層がこの順序で積層され、且つ、そのスクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去すると、その「秘密情報」が視認可能となり、さらに、ラベルを剥がそうとすると、そこで初めて、そのレリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像、及び、紫外線等の照射で蛍光パターン層の発光が視認可能となるスクラッチラベルを、その「秘密情報」形成部分を覆うように基材上に貼着することにより、その「秘密情報」を第三者が目視によって判読したり、不正者が盗読することを防ぎ、且つ、正当な使用者がそのスクラッチ隠蔽層をスクラッチして、その「秘密情報」を判読できるスクラッチカード等とすることができる。
ここで、ホログラムとは、一方で、ホログラム再生像として再生したい「3次元物体」に対して、時間的、且つ、空間的コヒーレント性を有する光であるレーザー光を照射(照明)し、その「3次元物体」の表面で、反射し、散乱(回折)した「光」(これが「物体光」と呼ばれる。)を、所定の角度で、感光材料へ入射させ、他方で、そのレーザー光そのもの(これが、「参照光」と呼ばれる。)を、その「物体光」の入射角度とは異なる角度で、同時に、その感光材料へ入射させて、その「物体光」と、「参照光」とを干渉させ、その干渉によって生じた「干渉縞」を、その感光材料に記録したものである。
このホログラム形成方法は、撮影方式によるホログラム形成方法の一つであって、「二光線束干渉法」とも呼ばれる。
その「物体光」と、「参照光」は、互いにコヒーレントであるので、感光材料内に鮮明な干渉縞が発生し、その干渉縞が記録される。
まず簡単な場合として、参照光及び物体光の二つが、ある角度をなす、いずれも平行光である場合を考えると、二つの光の感光材料面までの道筋(光路)の長さの違い、したがって二つの光の位相の違いによって、感光材料面上のある位置では互いに強め合い、また別の位置では弱め合い、結果として感光材料には、参照光、物体光のなす角度によって決まる等間隔で感光材料面に垂直方向に伸びる干渉縞が記録される。
また、この干渉縞のコントラストは、参照光及び物体光の振幅が等しいときもっとも大きく、相違があるほど小さくなる。物体光は、「3次元物体」の立体形状に依存して変化する光であって平行光ではないので、干渉縞は乱れたものになる。
しかし、その乱れは、参照光に対する物体光の位相の変化が干渉縞の横ずれとして、また、振幅の変化がコントラストの変化として生じ、感光材料には、物体光の位相、振幅の情報がすべて記録される。このようにして露光された感光材料を現像処理したものがホログラムとなる。
このホログラムには、普通のカメラで写した写真のようには、物体の像が写っておらず、ただ一様に白濁(屈折率分布として記録されている。)しているように見えるが、光の波長に近い細かさで物体情報が完全に記録されている。
この感光材料として、フォトレジストを用い、フォトレジストの現像時間管理によって、フォトレジストの表面に、所望の深さの凹凸を設けたものが、レリーフホログラムであって、その凹凸が、上記と同様に、その深さや、周期において乱れたものとなっており、その乱れが、物体光の位相や、振幅の情報を含むことになる。
そして、その凹凸面が、ホログラムレリーフ面であって、このときの「凹凸面を有する感光材料層」が、「レリーフホログラム形成層」に該当することとなる。
干渉縞を記録したホログラムを、例えば、上記した参照光と同一のレーザー光で照明すると、感光材料内に記録された干渉縞が、光の進行方向を変える回折格子として作用する。
回折格子に光が入射すると、そのまま透過する直接透過光(ゼロ次回折光)のほかに、格子の間隔、いまの場合は、干渉縞の間隔によって決まる方向にプラス1次、及び、マイナス1次の回折光を生じる。
ホログラム作成時、物体光及び参照光として所定の角度をなす平行光を用いた場合には、このホログラムを照明した際のプラス及び、マイナス1次の回折光は、いずれも平行光であり、前者は元の物体光が感光材料を透過する方向に進む。
実際の干渉縞は物体光の位相や振幅で乱されているので、ちょうどそれに対応するようにプラス1次の回折光は乱され、元の物体光をそのまま再生することになる。ホログラムを通して観察すると、ゼロ次、または、マイナス1次の回折光にじゃまされず、元の位置に物体像が立体的に再生する。この像は直接像とよばれ、あたかも物体から光が出たように、発散する光で見えるので虚像になる。また、マイナス1次の回折光によって、ホログラムの右側に、元の物体と前後が逆になった像が再生する。これは共役像とよばれ、実際に光が集束するので実像になる。
直接像を、見る位置を変えて観察すると、3次元物体の前後の相対位置が変化し、立体的に再生していることを確認できる。
この状況は、レリーフホログラムにおいても同様であって、上記したレリーフホログラム形成層が有するホログラムレリーフ面を、所定の「参照光」で照明すると、所定の角度に直接像(ホログラム再生像)が現れる。
そして、このホログラムレリーフ面に、そのレリーフホログラム形成層と屈折率が実質的に同一、すなわち、屈折率が全く同一、乃至はその差が0.1以下の剥離層をそのレリーフ面を埋めるように形成すると、そのホログラムレリーフ面と、その剥離層とが一体となって、「光学的には一様な一つの層」と見做される状態となり、すなわち、光学的にはその界面が存在しないこととなり、この界面での反射や屈折が一切生じない状態となる。
このことは、実質的にホログラムレリーフ面が解消されたことを意味し、もはや、「この界面から『反射した光』が、所定の角度によって決まる反射方向へ、その直接像を出現させたり、その共役像である実像を結像したりする」ことが無くなる。
但し、レリーフホログラム形成層と、剥離層の界面を、「非常に剥離し易い状態」として、「レリーフホログラム形成層に何らかの力が働いたときに、容易に、その界面からの剥離が生じる状態」としておき、もしくは、「その界面があることを知り得る者のみがその界面を剥離できる状態」としておくと、その界面剥離後は、剥離層に転写されているホログラムレリーフ面から、その剥離層と空気との屈折率差により、その界面、すなわち、剥離層の露出面が反射面となって、「この界面から『反射した光』が、所定の角度によって決まる反射方向へ、その直接像を出現させたり、その共役像である実像を結像したりする」こととなる。
ホログラムレリーフ面の形状は、その深さが、0.01μm程度であり、ピッチ(凹凸の周期を意味する。)が、1.0μm前後の凹凸が所定の領域内に隙間なく敷き詰められた形状をしており、この凹凸形状の一つ一つがいわば、1.0μm毎に「個々の反射回折光」を発生し、その「個々の反射回折光」が互いに光の干渉現象を生じて、最終的に一つの合体したレリーフホログラム再生像として、視認される。
従って、例えば、この1.0μmの凹凸形状の一つを滑らかな小さな3次元曲面と捉えたとき(ホログラムレリーフの凹凸の断面形状は、しばしば、三角関数曲線のような単調増加や単調減少を繰り返す曲線に例えられる。)、その3次元曲面に、0.001μmオーダーの微細な凹みや突起が生じたり、その曲面そのものが0.001μmオーダーで変形した曲面となったりするような「凹凸形状のわずかな変形」(凹部の深さが0.001μm深くなったり、浅くなったり、もしくは、その直径が0.1μm程度広がったりすることを意味する。このような変化は、極く微細なものと思われがちであるが、それでも「10%の変化」という大きなものとなっている。)、すなわち、「ホログラムレリーフ面形状のわずかな変形」が発生することで、レリーフホログラム再生像の鮮明度に大きな影響を与え、その鮮明度が低下することとなる。
特に、このような変形がホログラム記録領域の中で偏在して発生すると、レリーフホログラム再生像そのものの変形までをも引き起こす。
本発明のスクラッチラベルは、スクラッチ隠蔽層、レリーフホログラム形成層、剥離層、蛍光パターン層、及び、前記蛍光パターン層を覆うように前記剥離層上に粘着層がこの順序で積層されている。もしくは、粘着層、蛍光パターン層、その前記蛍光パターン層を覆うように前記粘着層上に剥離層、さらにその上に、レリーフホログラム形成層、スクラッチ隠蔽層がこの順序で積層されている。
さらには、スクラッチ隠蔽層上に地紋印刷を設けたもの、及び、スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との間に透明基材を設けたもので構成される。
このスクラッチ隠蔽層用のインキ組成物としては、ゴム系天然樹脂、ジエン系樹脂、アクリル系樹脂や、ビニル系樹脂を樹脂成分とし、隠蔽性とスクラッチ性を得るために、金属系微粉末やそれらの酸化微粉末等の顔料成分を固形分全体の20〜80%の割合で含有するものを用いる。また、スクラッチ隠蔽層の隠蔽性を向上させるために、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の隠蔽性の強い顔料成分を1〜10%含有させてもよい。スクラッチ隠蔽層用インキ組成物を以上の組成物から構成することにより、印刷適性とスクラッチ性との双方を満足することができるようになる。
スクラッチ隠蔽層は、この組成物を適宜な溶剤で希釈したものを、適宜な剥離性フィルム上に、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式を用い、乾燥後の厚さとして、5μm〜50μm、さらには10μm〜30μmの厚さで形成する。
この厚さが5μm未満では、「秘密情報」が透けて見える可能性があり、50μmを超える厚さではスクラッチラベルの総厚さが大きくなりすぎ、スクラッチカード等の基材上に貼着した際に、基材上の「突出」が大きすぎてスクラッチカード等を重ねる等のハンドリングに支障をきたす。さらにその厚さが、10μm以上あれば秘密情報の隠蔽性は十分であり、30μm以下であれば形成作業性に優れ、スクラッチカード等を1000枚重ねた際の突出量は3cm以内となり、自動搬送処理等にも使用可能な範囲に収まるものとなる。スクラッチ隠蔽層の厚さがこの範囲であれば、コインや、指もしくは爪で容易に粉砕可能である。
但し、この適宜な剥離性フィルム上に設けた、スクラッチ隠蔽層の露出面は、レリーフホログラム形成層との界面となり、且つ、スクラッチラベルを構成して基材に貼着後にスクラッチ隠蔽層を部分的にスクラッチした際には、そのスクラッチ隠蔽層が除去された領域において、その界面を通して、「秘密情報」を視認することとなるため、それらの視認性を確実なものとすることを目的として、そのスクラッチ隠蔽層の露出面を、いわゆる「光学的な鏡面」とすることが求められる。
このスクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との界面が、「光学的な鏡面」とならず、いわゆる「粗面」となっている場合には、この「粗面状の界面」を「秘密情報」を視認するための照明光が通過したときに、その「光の位相」が乱れ、さらには、「散乱光」となってしまい、「秘密情報」に対して、いわば「擦りガラス」を通して情報を見ているような状態となる。
このような「光学的な鏡面」とは、ある「層」の表面の平滑性が、実質的に、平均表面粗さRaで、0.01μm〜0.1μmであることを意味する。また、ホログラムレリーフ面のような三次元曲面において、「光学的な鏡面である」とは、その曲面が、あるべき曲面から逸脱するような不規則な凹凸の無い「滑らかな面」であることを言い、敢えて定義すれば、「その三次元曲面において、微視的領域であってその領域内ではほぼ平面と近似できる極く小さな面領域における平均表面粗さRaの値が、どの微視的領域においても0.01μm〜0.1μmであること」と定義できる。
通常、スクラッチ隠蔽層を上記のような印刷方式を用いて形成すると、その表面は、1.0μm〜30.0μm程度、場合によってはそれ以上の「粗さ」となり、その「粗さ」が、コインや、指もしくは爪で粉砕することを容易なものとし、スクラッチオフ適正という点では望ましいとされている。(スクラッチオフとは、コインや爪によるスクラッチによりスクラッチ隠蔽層を部分的に除去することを意味する。)
しかし、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面とは反対の面(スクラッチラベルとしての最表面)は、まさにそのスクラッチをする面であってそのような粗さとすることが好ましいものの、その反対面、すなわち、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面は、本発明の目的より、上記したように「光学的な鏡面」とする必要がある。このため、適宜な剥離性フィルム上に、スクラッチ隠蔽層を形成後、上記した「光学的な鏡面」以上の平滑な表面を有する、「表面平滑化処理を施した金属板」等を用いて、100〜200℃の加熱、及び、107〜109Paでの加圧をする平板プレス処理、もしくは、「表面平滑化処理を施した金属ロール」等を用いてロール幅1cmに対して1.0kg以上の線圧を掛けるロールプレス処理により、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層と接している面を「光学的な鏡面」とする。
または、上記の印刷方式のみならず、ロールコーティング方式や、レジスト処理方式を用いることもこの目的のためには好適である。
さらには、予め、転写用基材として、平均表面粗さRaが0.01μm以下の非常に鏡面性の高いフィルムを準備し、このフィルム上に、スクラッチ隠蔽層を仮形成して、スクラッチ隠蔽層のこのフィルムと接している面を「光学的な鏡面」とし、この仮形成したスクラッチ隠蔽層を上記した適宜な剥離性フィルム上に転写して、その適宜な剥離性フィルム上に、露出面が「光学的な鏡面」となったスクラッチ隠蔽層を設けることができる。この方式(転写方式)は、スクラッチ隠蔽層を乾燥、さらには、硬化する段階において、スクラッチ隠蔽層に用いるスクラッチ隠蔽層用インキ組成物の中の顔料成分の移動や、樹脂成分の移動が起こり、比較的容易に「光学的な鏡面」を得ることができ、且つ、その面をそのままスクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層との界面とすることができるため好適である。
但し、スクラッチ隠蔽層をスクラッチオフした段階で、レリーフホログラム形成層と剥離層との界面であるホログラムレリーフ面の存在をより隠蔽し易くする目的で、敢えて、スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との界面を上記した様な「光学的な鏡面」とせず、あくまで、「秘密情報」の視認性を確保した上で、その界面に届く照明光の「光の位相を乱す粗面」とすることもまた、本発明のスクラッチラベルの用途や目的(その界面の秘匿性を特に高する必要がある場合を意味する。)によっては好適となる。
そのスクラッチ隠蔽層の上に、レリーフホログラム形成層を構成するための透明樹脂層として、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。(電離放射線とは、電子線及び紫外線を意味する。)
そして、この透明樹脂層に、「『紫外線を遮断する、紫外線を吸収する、もしくは、光エネルギーを熱エネルギーに変え消光する』性質を持つ材料」である、「光安定剤」を、5.0〜50.0%、混入させる。この際、ホログラムレリーフがレリーフホログラム形成層の上側(スクラッチ隠蔽層側)に形成されている場合には、好ましくは、30%〜50%の混入、また、ホログラムレリーフがレリーフホログラム形成層の下側に形成されている場合には、好ましくは、5.0%〜20%の混入とする。
この混入割合が、5.0%未満では、その背後に設けられる「蛍光パターン層」の蛍光発光を秘匿することができず、50%を超すと、レリーフホログラム形成層の透明性が低下し、ヘイズが10%を超えて、ホログラムレリーフに対する照明光や、ホログラムレリーフからの反射光によって再生されるレリーフホログラム再生像の鮮明度を大幅に低下させることとなる。
さらに、この「光安定剤」の「『紫外線を遮断する、紫外線を吸収する、もしくは、光エネルギーを熱エネルギーに変え消光する』性質は、レリーフホログラム形成層の背後に設けらる「蛍光パターン層」を「蛍光発光」させる、いわゆる「励起光」波長に対応するものとし、「励起光波長」の「ピーク波長」そのものや、「ピーク波長±20%」の波長域に対応するものとする。
そして、レリーフホログラム形成層を形成する透明樹脂層に「光安定剤」を均一に分散してもよいし、レリーフホログラム形成層の一部、すなわち、「蛍光パターン層」を遮蔽する位置にのみ(「蛍光パターン層」よりも、10%以上大きい領域としてもよい。)に、集中して混入させてもよい。もちろん、このときには、「光安定剤」を部分的に混入させた位置が、レリーフホログラム形成層の観察によって容易に判別できないように、「光安定剤」混入部分と、混入していない部分との「色調差(色差△E≦0.5等。)」や、サイズ(光散乱性の指標。サイズ≦5%等。)、さらには、風合い等が同等となるように工夫する必要がある。
このような「光安定剤」には、ラジカル連鎖開始阻止剤として、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシー4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、2,2’−ジヒドロキシー4−メトキシベンゾフェノン等のサリシレート系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ケイヒ酸系紫外線吸収剤、アクリロニトリル誘導体系紫外線吸収剤、ベンゾイルフェロセン誘導体系紫外線吸収剤、テトラフェニルコハク酸ニトリル系紫外線吸収剤等を用いることができる。
また、ヒドラジド系重金属不活性化剤や、サルチル酸アミド化合物等のアミド系重金属不活性化剤、さらには、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、アミノエーテル系光安定剤や、フェノール系酸化防止剤等のラジカル捕捉剤や、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等の過酸化物分解剤、金属セッケン含鉛化合物系光安定剤、スズ系光安定剤、チオビスフェノールNiキレート等の抗酸化剤兼紫外線吸収剤も用いることができる。
特に、酸化亜鉛系超微粒子は、耐光性に優れ良好であって、一方社油脂工業製LS−907等の高分子紫外線吸収剤、反応基を有するベンゾトリアゾール型の紫外線吸収剤である大塚化学製RUVA―93反応型紫外線吸収剤も、レリーフホログラム形成層に用いる透明樹脂層の表面からの溶出がなく、好適である。
さらに、赤外線吸収剤としては、無機赤外線吸収剤や、有機赤外線吸収剤を用いることができる。
無機赤外線吸収剤には、ITO(インジウム、スズ酸化物)微粒子及び超微粒子や、ATO(アンチモン・ドープ・スズ酸化物)微粒子及び超微粒子を用いることができる。
また、有機赤外線吸収剤には、昭和電工製IR−Tや、IR−B(最大吸収波長817〜822nm)等の近赤外線吸収色素等を用いることができ、これらの色素とホウ素化合物との混合物、さらには、近赤外線吸収性合成樹脂を用いることも好適である。
この「光安定剤」を「レリーフホログラム形成層」に十分に含ませておき、「蛍光パターン層」が「レリーフホログラム形成層」の背後にある限り、その「レリーフホログラム形成層」に向かって、自然光に含まれる紫外線はもとより、意図して、「ブラックライト」等を照射しても、「蛍光パターン層」がその「蛍光」を示すことは無く、観察者に対して、その「蛍光パターン層」の存在を秘匿することを可能とする。
そして、その「レリーフホログラム形成層」を剥離して取り除いた後は、その「ブラックライト」等の照射によって、その「蛍光パターン層」を「蛍光」発光させることが可能となり、そのような判定方法を予め知らされている、本発明のスクラッチラベル、もしくは、そのスクラッチラベルを貼着したスクラッチカードの正規購入者が、その「蛍光パターン層」の「パターン」を視認することを可能とする。
もちろん、上記の「レリーフホログラム形成層を剥離した段階」で、自然光に含まれる紫外線等の照射を受けて、その「パターン」が視認可能となってしまっては、その「秘匿性」がやや不十分なものとなり、スクラッチラベルの偽造防止性が低いものとなるため、「レリーフホログラム形成層」を剥離しても、自然光に含まれる紫外線等の強度の比較的低い照明や照射では(照射強度そのものが弱く、さらには、「励起光の波長」との一致性も低い。)、その「蛍光パターン層」の「蛍光」発光がほとんど発生せず、その「パターン」が秘匿されたままであることが好ましい。
レリーフホログラム形成層は、スクラッチ隠蔽層を溶解しない溶剤を用いて、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式や、スピンコーティング方式、カーテンコート方式、フォトレジスト処理方式等の形成手段を用いて、乾燥後の厚さとして、1.0μm〜50μm、さらには3.0μm〜20μmの厚さで形成する。
この厚さが、1.0μm未満であるとレリーフホログラムの形成が困難となり、50μmを超える厚さでは、やはり、スクラッチラベルの総厚さが大きくなりすぎ、スクラッチカード等の基材上に貼着した際に、スクラッチカード等を重ねる等のハンドリングに支障をきたす。
そして、このレリーフホログラム形成層の露出している面(レリーフホログラム形成層のスクラッチ隠蔽層と接している面とは反対の面を意味する。)に、予め準備した回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版(所定のホログラムレリーフ面を有する原版という意味。)を、複製方式のプレス型(スタンパともいう。)として押し当て、加熱ロールなどの適宜な手段により、両者を加熱して圧着することにより、原版の凹凸模様をレリーフホログラム形成層に複製することができる。この際、形成するレリーフホログラムパターンは単独のパターンでも、複数のパターンの集合体でもよい。
または、上記の原版の凹凸面とスクラッチ隠蔽層との間に、電離放射線硬化性樹脂を充填し、電離放射線にて、その樹脂を硬化させた後、その原版を剥離することで、スクラッチ隠蔽層上に、より精密なホログラムレリーフ面を有するレリーフホログラム形成層を形成することができる。
そのレリーフホログラム形成層に形成するホログラムレリーフ、すなわち、「ホログラム」としては、「レリーフホログラム」として形成できる、レインボーホログラム等、種々の「ホログラム」を採用することができるが、そのホログラムデザインとして、本発明のスクラッチラベルの発行者のみが「全体のデザイン構成」(各種類のスクラッチラベルに、適用しているデザインの種類等を意味する。)を把握し、正規購入者に本発明のスクラッチラベルを配布する際に、そのスクラッチラベルに適用しているホログラムデザインを告知して、正規購入者がその「秘密情報」を確認する際に、併せて、指定されたホログラムデザインを有しているか否かを判定できるものとすることも、その偽造防止性を高め、好適である。
このレリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面を埋めるように、且つ、レリーフホログラム形成層との界面での界面剥離が可能なように、剥離層を設ける。
剥離層に用い得る樹脂としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができるが、レリーフホログラム形成層に対する剥離層の「濡れ性は、低い」ことが好ましく、レリーフホログラム形成層の表面張力は、剥離層の表面張力より小さく設定することが好ましい。
但し、このような表面張力の差があると、剥離層がホログラムレリーフ面を高い精度で埋めることが難しくなる傾向となるため、剥離層形成後に、剥離層側から、平板プレスやロールプレスを施して、剥離層へのホログラムレリーフ形状の転写精度を高めることも好適である。
このため、レリーフホログラム形成層に、2液硬化タイプ等の反応性樹脂を用い、30℃〜80℃で数日〜数か月のエージング処理をしたり、コロナ処理や、電離放射線硬化タイプとして、その電離放射線を追加照射するなどして、それらの反応を促進して、硬化度(特にレリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面の硬化度)を100%に近づけることで、ホログラムレリーフ面の表面張力を低下させることができる。
さらには、ホログラムレリーフ面へのフッ化処理や、フッ素イオン注入処理も、ホログラムレリーフ面の「形状」を変化させずに維持したまま、ホログラムレリーフ面の表面張力を低下させる効果がある。
ここで、剥離層の表面張力を、ホログラム形成層の表面張力より、1mN/mでも大きくすることで、剥離層をホログラム形成層上に形成する際の「濡れ難さ」が発生し、剥離層に用いる樹脂とホログラム形成層に用いた樹脂とが「相溶」して混ざり合うことによる、ホログラムレリーフ面の劣化、すなわち、ホログラムレリーフ面の微細な凹凸形状の変形を防ぐ。
そして、剥離層をホログラム形成層上に形成する際の濡れ難さは、ホログラム形成層の表面張力より、剥離層の表面張力を1mN/mでも大きくすることで得られるが、さらに、その差を10mN/m以上、より好ましくは20mN/m以上とする。なお、これらの濡れ性の値は、和光純薬工業株式会社製濡れ張力試験用混合液を用いて実測できる。
この「濡れ難さ」、すなわち、「ホログラムレリーフ面形状の維持のし易さ」は、両層の表面張力の差が、10mN/m以上となると増大し、20mN/m以上とすると顕著となる。但し、両層の表面張力の差を40mN/mを超えるものとすることは両層に使用する樹脂選定にあたりかなりの困難を伴う。しかも、両層の表面張力の差が大きくなればなるほど、ホログラム形成層のホログラムレリーフ面上に設ける剥離層用樹脂等が濡れ難くなり、通常の印刷方法では、ホログラム形成層のホログラムレリーフ面への追従性が逆に低下し始め、剥離層のレリーフ面(ホログラム形成層のホログラムレリーフ面に接している面という意味。)が、高い精度で「ホログラム形成層のホログラムレリーフ面」と同一となることを阻害するようになる。
このため、剥離層を形成する際、もしくは形成後に、剥離層の露出面側(剥離層のホログラムレリーフ面とは反対の面側という意味。)から高い線圧(ロールプレスという意味。ロール幅1cmに対して0.1kg以上。さらには、1kg以上の圧力という意味。)、もしくは高い平圧(平圧プレスという意味。107Pa以上、さらには、108Pa以上の圧力という意味。)を掛けて、剥離層のレリーフ面が、高い精度でホログラム形成層のホログラムレリーフ面と一致するように工夫する必要がある。
そして、ホログラム形成層と剥離層の表面張力の差が大きければ大きいほど、両層の界面での界面剥離が発生し易くなり、例えば、本発明のスクラッチラベルを貼着したスクラッチカード等から不正にスクラッチラベルを剥がそうとして、スクラッチラベルに変形圧力を掛けたり、ラベルの粘着剤を溶解させようとして溶剤を浸み込ませたりすると、両層の界面の至る所で部分剥離が生じ始め(空隙が発生するという意味。)、その部分が空気を含んで「白濁」して見えるようになり、しかも、ホログラムレリーフが非常に微細であって、且つ、剥離層がレリーフホログラム形成層に対して濡れ難く設定してあるため、もはや、レリーフホログラム形成層側から高い圧力を掛けてもその剥離部分を元に戻すことは不可能となっているものである。
具体的には、レリーフホログラム形成層として、剥離層との離形性を有し、且つ、表面張力が低い、シリコン樹脂や、フッ素含有樹脂そのものも用いることができる。
また、各種の熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂に、シリコン樹脂やフッ素含有樹脂、さらには、シリコンオイルを混合したもの、または、それらの樹脂とシリコン樹脂やフッ素含有樹脂を共重合させたものや、それらの樹脂の分子内にシロキサン結合〔―Si(R1)(R2)−O―〕やフッ素原子〔−F〕を導入したものを用いることができる。
さらに、剥離層に用い得る樹脂としては、、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂の樹脂の中から、レリーフホログラム形成層との界面剥離強度が、0.1〜200g/25mm巾、特には、1.0〜30g/25mm巾(JIS Z0237準拠の180°による剥離方法による。)となるものを用いる。
界面剥離強度が、0.1g/25mm巾未満であると、加工適正や、ハンドリング適正に劣るものとなり、200g/25mm巾を超えると、その界面を剥離して真正性を確認しようとする試みが困難なものとなる。
特に、剥離層用インキ組成物には、レリーフホログラム形成層を溶解し難い溶剤系や、水系のものを用い、レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフの「光学的な鏡面」性に悪影響を与えないものとする。
剥離層のレリーフホログラム形成層との界面剥離性をさらに高めるため、剥離層に用い得る樹脂中に、マイクロシリカ等の無機微粒子、シリコン樹脂やフッ素樹脂粉末等の微粒子樹脂紛体、その他、炭酸カルシウム、硫酸バリウムや、タルク等の滑剤や体質顔料、さらにはシリコンオイル等の離型剤を、その樹脂成分に対して、1.0〜30.0%添加することができる。
剥離層の厚さは、0.5μm〜30μm、さらには0.5μm〜10μmの厚さで形成する。
この厚さが、0.5未満であると、レリーフホログラム形成層からのホログラムレリーフ形状の転写が不十分となり、且つ、転写されたホログラムレリーフ形状を維持し難くなり、30.0μmを超えると、やはり、スクラッチラベルの総厚さが大きくなりすぎ、スクラッチカード等の基材上に貼着した際に、スクラッチカード等を重ねる等のハンドリングに支障をきたす。
特に、ホログラムレリーフ面を再現し、且つ、界面剥離性を発現するためには、非常に薄い層であってもその機能を発揮できるため、敢えて、0.5μm〜3.0μmの薄い層に設定し、剥離層が露出した際に、その表面を指で触れるなど、僅かな圧力が加わったとき、剥離層に「破断」や「変形」が生じて、露出しているホログラムレリーフ面を複製する等の悪用を防止できるものとすることができ、その変造や偽造を防止できるものとなる。
すなわち、スクラッチカード等の正規購入者が、その真正性判定のため、界面剥離を行った後、その露出したホログラムレリーフの覗き見や、悪用を阻止するため、速やかに、剥離層を指でつぶすシステムとすることも好適である。このとき、つぶした剥離層を通して、「秘密情報」を十分視認可能であることは言うまでもない。
また、本発明のスクラッチラベルの構成においては、レリーフホログラム形成層と剥離層との界面が、レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面となっているため、この界面の秘匿性を高めるため、剥離層の屈折率を、レリーフホログラム形成層の屈折率と実質的に同一、すなわち、剥離層の屈折率とレリーフホログラム形成層の屈折率を、同一、もしくは、その屈折率差を、0.1以下とし、この両層の界面、すなわち、ホログラムレリーフ面における、反射光の強度を極小化して、その反射光によって再生されるレリーフホログラム形成層によるレリーフホログラム再生像の発現を抑制する。
こうすることで、両層の界面を「光学的には存在しないもの」とすることができ、この界面からの不必要な反射や屈折を無くして、本発明のスクラッチラベルのスクラッチ隠蔽層をスクラッチオフした際に、そのスクラッチした部分から、レリーフホログラム再生像が一切発生せず、レリーフホログラム再生像を視認することはできないものとすることができる。すなわち、この段階では、本発明のスクラッチラベル内にはホログラムは含まれてはいないものと思わせることを可能とする。
特には、両層の屈折率差を、可視光線(400nm〜800nm)のいずれの波長に対しても、0.05以下となるようにすることで、屋外での太陽光下や、強いハロゲンランプの照射等に対しても、その秘匿性を確保することができ、好適である。
この屈折率差が、0.1を超えると、上記した反射光の強度が大きくなり、室内蛍光灯等の一般的な照明光下でも、目視で容易に、その界面の存在に気づく状態、すなわち、レリーフホログラム再生像が現れて、レリーフホログラム再生像を視認することができるものとなってしまい、その存在を暴露してしまうこととなる。
さらに、剥離層は、レリーフホログラム形成層が剥がされた後に、その露出面にホログラムレリーフ面を有し、この露出面の状態が(露出面の光学的特性、例えば、この面が「光学的な鏡面」となっているか否かなど。)、レリーフホログラム再生像の再生に大きな影響を持つ、すなわち、この露出面が、レリーフホログラム再生像の鮮明度を左右する「反射面」となっている。
この剥離層の露出面における反射光の強さは、この露出面が界面となる上下の「層」、すなわち、「この界面の上の層=空気(屈折率n=1.0)」と、「この界面の下の層=剥離層」との屈折率差の二乗に比例するため、剥離層の屈折率は1.0より大きく離れていることが好ましい。
この目的で、剥離層を「高屈折率透明樹脂層」、すなわち、「透明性」を確保しながら屈折率nが1.7以上という高屈折率を示す、透明な樹脂層により構成することで、空気との屈折率差を0.7以上とすることができ、上記した反射光強度を非常に大きなものとして、より鮮明なレリーフホログラム再生像を出現させ、且つ、その背後の「秘密情報」をも鮮明に視認できるものとする。
「樹脂材料の光学的透明性を維持した上での高屈折化」については、鋭意、研究が進められているが、ホログラム再生像の観察に悪影響を及ぼさず(「光学的に透明」であることを意味する。)、剥離層を通して、その配下にある「秘密情報」を十分、且つ、確実に視認できる「透明性」を保持しつつ、「《樹脂層》としての屈折率」を高くすることには限界があり、比較的屈折率の高い樹脂の高分子構造の中に、原子屈折率の高い「硫黄原子」や、塩素原子やフッ素原子等の「ハロゲン成分」、さらには、高屈折率構造を持つ「芳香環基」を分子レベルで導入する方法や、TiOxやZrOx等の高屈折率金属酸化物の超微粒子(平均粒径:0.0003μm〜0.03μm)を樹脂材料に高度に分散させる方法、さらには、高分子材料の分子構造の中に、所定の金属塩を取り込ませる方法等によって、屈折率n=1.9を超える材料を見出したものの、それでも、金属化合物微粒子(または薄膜。)の例であるZnSの屈折率n=2.3を超えるような「透明な」樹脂はまだ発見されていない。従って、現状では、剥離層の屈折率を、1.7〜2.3とすることで、空気との屈折率差を0.7〜1.3、特に1.0〜1.3とすることができる。
もちろん、剥離層の屈折率を高いものに設定する場合には、それに応じて、レリーフホログラム形成層の屈折率も高くすることは当然のことである。
但し、その剥離層そのものは、観察者側から見て、その露出面(上記の「界面」、もしくは、「反射面」。)の背後にあるため、上記の「反射光」そのものには直接的な影響を及ぼさず(剥離層内部の性質は、レリーフホログラム再生像の鮮明さには直接的な影響を及ぼさず、剥離層の最表面の性質が直接的な影響を及ぼすことを意味する。)、その界面における屈折率の大きさ等が重要となるものの、その「層内部」の透明性や、「層内部」の光散乱性は、レリーフホログラム再生像の鮮明度には、ほぼ影響しない。
従って、剥離層そのもの(層の内部)は、「光学的透明性」や「光学的均一性」を犠牲にすることが可能であって(もちろん、「秘密情報」を視認可能なレベルの透明性は必要。)、比較的屈折率の高い透明な樹脂材料に、屈折率の高い顔料(顔料の屈折率が2.0以上、さらには、3.0以上のもの等。屈折率が3.0を超えると、光散乱性や光遮蔽性が発現する。)を30〜70%程度、混入させることで、透明性をやや犠牲にしつつ(透明性の低下を意味する。)、「さらなる高屈折率を有する層」を追求することができる。
但し、反射面の背後であっても、着色していたり、白色となって光を散乱する性質が強いものとなると、「秘密情報」の視認性のみならず、レリーフホログラム再生像の鮮明度にも悪影響を及ぼすことがあるため、配慮が必要である。
この剥離層上に、蛍光パターン層を設ける。
本発明において、「『少なくとも紫外線、もしくは赤外線を含む光』の照射を受けて、『少なくとも観察者が視認可能な可視光』を発光すること、及び、『上記の蛍光』と『上記の燐光』を含むもの」を「本発明の『蛍光』」と定義し、そのような「本発明の『蛍光』」を、単に「蛍光」といい、「蛍光剤」を含む、もしくは、蛍光性樹脂からなる「層」を、「パターン」状に形成することで、「蛍光パターン層」としたことは、既に、述べた。
そして、この「パターン」状の「パターン」としては、不正を目的とした剥離が行われたことを示す「不正」や、「開封」等を意味する言葉や、正規購入者が確認のために剥離することを想定した、「正規品」や、「本物」等を意味する言葉を表す「パターン」とする。または、上記の「秘密情報」と同様に、暗証番号、個人認証番号、口座番号、その他の個人特有の番号または記号や、抽選番号または記号、管理番号または記号等、もしくは、単なる連続番号や記号であって、登録することによりその有効性を発現するもの、暗号鍵番号である共通鍵番号のように同一の番号、さらには、全くの乱数であってスクラッチカード等の基材を作製するときに発生させ作製者含め誰もその番号の内容を知らないよう工夫した番号等、知ることが許された者(正規な購入者等を意味する。もちろん、スクラッチカード等のシステム設計者や、スクラッチカード発行者等が含まれる場合もある。)のみが見ることができ、その他の者は物理的に見ることができないよう設定される番号または記号等、また、そのスクラッチカード等の用途により、番号または記号のみならず、文字、図形、マークその他、個人及びそのスクラッチカード等の供給者が共通に認識できるもの(この対象は、いわゆる「情報」全てとなる。)であれば何れも用いることができ、それらを「パターン」として採用することができる。
さらに、秘密情報、この「蛍光パターン層」の「パターン」、これらと重ねて視認できるレリーフホログラム再生像を、それぞれ個々に組み合わせて、及び/または、全てを含めて、「合成情報」として視認できるものとしてもよい。
さらには、その「パターン」と「秘密情報」を、「視認した際に一部重なる配置」とし、「パターン」の発光によって、「秘密情報」の表示の一部が「消去(情報として抹消するという意味。)」され、この行為によって初めて、「本来のスクラッチカードの『秘密情報』」を取得できる仕組みとすることも、その偽造防止性を高め、好適である。
この場合には、スクラッチカードの正規購入者にのみ、その「本来のスクラッチカードの『秘密情報』」の取得方法を伝えることとなる。
「蛍光パターン層」は、「発光パターン層」用インキインキ組成物を用いて、シルクスクリーン印刷方式、グラビアコーティング方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等により、レリーフホログラム形成層上、または、粘着層上に、所望の「パターン」状に、乾燥後の厚さで、0.5〜10.0μm、好適には、0.5〜3.0μmとして、形成する。
この厚さが、0.5μm未満では、紫外線照射による「蛍光発光」が微弱となって、その判定を行うことが難しいものとなり、10.0μmを超えると、その凸部形状によって、「パターン」が視認できてしまう不具合が発生し、不適当である。
その「発光パターン層」用インキインキ組成物に用いる樹脂としては、上記した蛍光性樹脂のみならず、上記したレリーフホログラム形成層に用いる透明樹脂や、下記する粘着層に用いる樹脂、さらには、不透明性を有するフェノール樹脂やエポキシ樹脂までをも採用することができる。
そして、「蛍光剤」としては、紫外線、電子線、X線などのエネルギーを吸収して可視光線として放出する物質であり、例えば、母体となるセラミックス結晶にEu やCe などの発光を担う金属イオンが微量添加した材料等を用いる。この場合、発光に寄与するは金属イオンであり、外から加えられたエネルギー(紫外線、電子線、X線などや、もちろん可視光線、赤外線等のエネルギー。)を吸収して励起され、その後基底状態に戻る時に発光する。ホスト結晶の格子は金属イオンを取り囲むことによりイオンを化学的に安定化させたり、結晶場や配位環境を整えることにより発光色や発光強度を制御する働きをする。
本発明においては、これらの蛍光発光の内、ストークスシフトによって可視光領域の発光を起こす蛍光剤を用いる。もちろん、赤外線の励起による可視光領域の発光を起こすものも用いることができる。
さらに、蛍光剤を複数含めることにより、発光させる光を一つとせず、複数存在させることで、その偽造防止性をさらに高めることができる。
蛍光発光の原理は、蛍光剤(蛍光色素、蛍光顔料、蛍光染料等を含む。)の基底状態(一重項状態)から光吸収によって第一、第二、第三励起状態・・・のどれかの振動状態に励起された発光体が、無放射過程で非常に速やかに緩和して第一の電子励起状態に移るか、あるいは項間交差によって三重項状態へ移る。第一の最低振動状態になった蛍光剤は、無放射過程によるか蛍光を発して基底状態に戻る。三重項状態になった分子は、無放射過程によるか、リン光を発して基底状態に戻る。
一重項同士の遷移は瞬間的に起こるため、蛍光の半減期は10-4sec以下と短いものである。遷移に要する時間は、10-15secで励起が起こり、その後10-9〜10-7secで蛍光発光が起こるとされている。
一方、三重項から一重項への遷移はスピン変化禁止により禁制遷移となり自発的放出が起こりにくいので、リン光の半減期は大きく、秒単位のものもある。
基底状態に戻る際に光を発するか否か、光の強度が強いか弱いか、蛍光寿命が長いか短いかは、その蛍光剤の分子構造や分子の置かれた環境に大きく依存する。
蛍光剤の放出光の波長分布を蛍光スペクトルといい、蛍光スペクトルは蛍光の波長に対し相対的な蛍光強度をプロットして作成される。(実際の蛍光スペクトル測定では、波長と 強度が一定に維持された励起光を光源として用い、 蛍光剤を取り扱う場合は、放出スペクトルのことを蛍光スペクトルと呼ぶ。)蛍光スペクトルに示される波長(エネルギー)は一次励起状態の最低振動エネルギー準位から基底状態の優先的な振動エネルギー準位までのエネルギー差と等しくなる。
蛍光の振幅が励起状態と基底状態の振幅構造と類似しているなら、最も長波長側の励起の振幅と鏡像関係となり、理論上、蛍光色素が吸収した光エネルギーの波長と蛍光として放出する波長は同じになる。しかし実際にはほとんどの蛍光色素の蛍光スペクトルは長波長(低エネルギー)側にシフトする。励起スペクトルと蛍光スペクトルのピーク波長間の差はストークスシフトと呼ばれ、この波長差は、蛍光放出以前の励起状態の際に放出されたエネルギーが熱エネルギーに変換されたために生じる。
ストークスシフトは蛍光の感度おいて非常に重要であり、蛍光を検出する際、励起光の影響を受けないためバックグラウンドを低くすることができる。そして、入射光の波長と強度を一定にした場合、放出される蛍光は蛍光剤の量と正比例する。
さらに、蛍光剤の量子収率や励起スペクトルおよび蛍光スペクトルは 環境条件、すなわち、環境温度、イオン濃度、PH、励起光の強度、樹脂等との共有結合、非共有結合性の相互作用(インターカレーション効果等。)などから影響を受けるため、これら環境条件を考慮して励起光波長や、蛍光光を認識しやすくするための光学フィルター(ロウパスフィルター、ハイパスフィルターや、バンドパスフィルター等。)を必要に応じ、設定する場合も好適である。
一定量の蛍光剤から放出される光子数は、励起/放出サイク ルを繰り返せば増幅できる。励起光強度と蛍光剤濃度が一定の場合は、放出光の総量は照射時間(蛍光色素等に励起光を照射している期間)に比例する。励起/放出サイクルの時間よりも照射時間が長ければ、蛍光剤は励起/放出サイクルを何回も繰り返す。蛍光強度(放出光子数)の測定は、どのような受光素子でも測定可能である。
低強度光を測定する場合は、 増幅機構を持つ光電子増幅管(Photo multiplier tube:PMT) が有効である。PMTに十分なエネルギーを持つ光が入射すると、 陰極から電子が放出され、電子は電流として増幅される。これら受光素子の電流は、入射光の強度に比例し、蛍光強度は通常、任意単位で表示される(例rfu:rela−tive fluorescence unites:相対蛍光単位)。
蛍光剤は、一般的に、蛍光体原料を焼成する固相反応法により、製造される。この固相反応法では原料混合物を高い温度で焼成するため、得られる焼成ケーキは、蛍光剤粒子が硬く凝集したものとなることが多い。そのため、通常は、蛍光剤の製造の際には例えばボールミル、乳鉢等による粉砕工程を行うが、このときの蛍光体粒子の表面の損傷を抑制する方法として、流動式反応器装置を用いて、実質的に単分散の蛍光体−前駆体粒子を、流動する気体中に浮遊させて焼成することにより、凝集していない実質的に単分散の蛍光性粒子を製造する。この方法によれば、1μm未満の大きさの蛍光性粒子を製造することができる。
また、例えば、ZnGa24:Mn蛍光剤を製造するに際し、焼成を行なう前の蛍光体原料を湿式沈殿法により調製することにより、低温での焼成が可能となり、蛍光剤粒子の凝集を抑制することができる。
さらに、例えば、アルカリ土類アルミン酸塩系、またはアルカリ土類珪酸塩系の母体結晶を有する蛍光剤の製造方法に関し、Srを含む蛍光体原料として硝酸ストロンチウムを用い、原料混合液又は懸濁液を所望の粒径となるよう液滴化し、これを焼成する方法がある。これにより、極めて脆い性質を有する蛍光剤が得られ、容易に微小なサイズへ粉砕することができる。
蛍光体原料としては、製造しようとする蛍光剤を構成する元素(以下、「蛍光体構成元素」ともいう。)を含有する化合物を用いることができる。その例を挙げると、蛍光体構成元素を含有する、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、カルボン酸塩、ハロゲン化物、窒化物等が挙げられる。蛍光体原料の選択に際しては、得られる蛍光剤への反応性等を考慮して選択することが好ましい。さらに、蛍光剤を構成する各蛍光体構成元素に対応し、蛍光体原料は、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、蛍光剤の各蛍光体原料中に含まれる不純物としては、蛍光剤の特性に悪影響を与えない限りにおいて、特に限定されない。
各蛍光体原料の重量メジアン径としては、通常0.01μm以上、0.5μm以下である。このために、蛍光体原料の種類によっては予めジェットミル等の乾式粉砕機で粉砕を行っても良い。これにより、各蛍光体原料の原料混合物中での均一分散化を図り、かつ、蛍光体原料の表面積増大による原料混合物の固相反応性を高めることができ、不純物相の生成を抑えることが可能となる。
例えば、Ba、Ca、Sr、Zn、Mg、Eu等を含む蛍光体原料がある。
さらに、N元素、O元素及びハロゲン元素等に対応する蛍光体原料は、各蛍光体構成元素の蛍光体原料のアニオン成分として、又は焼成雰囲気中に含有される成分として、蛍光剤製造時に供給される。
そして、耐湿性等の耐候性を一層向上させるために、又は、発光装置の蛍光剤含有部における樹脂に対する分散性を向上させるために、必要に応じて、蛍光剤の表面を異なる、有機化合物、無機化合物、ガラス材料等の物質(以下「表面処理物質」とも称する。)で被覆する等の表面処理を行なってもよい。
この耐候性は、不正が行われた後の証拠である「蛍光パターン層」の「パターン」を、後日、確認する場合に重要な要素となる。
また、蛍光体の結晶構造の例としては、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu等のオルソシリケート系結晶構造、Ca3(Sc,Mg,Na,Li)2Si312:Ce等のガーネット系結晶構造、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4612:Eu等のアパタイト系結晶構造、M3Si6122:Eu(但し、Mはアルカリ土類金属元素を表わす。)等の窒化物系結晶構造などが挙げられる。中でも、オルソシリケート系結晶構造又はガーネット系結晶構造が好ましい。
具体的には、緑色蛍光剤として、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行う(Mg,Ca,Sr,Ba)Si222等、橙色ないし赤色蛍光剤として、赤色破断面を有する破断粒子から構成され、赤色領域の発光を行う(Mg,Ca,Sr,Ba)2SiN8:Euで表わされるユーロピウム賦活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光剤等、青色蛍光剤として、規則的な結晶成長形状としてほぼ六角形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行う(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Euで表わされるユーロピウム賦活バリウムマグネシウムアルミネート系蛍光剤等、黄色蛍光剤として、各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光剤が挙げられる。
紫外線発光蛍光剤は、紫外線により励起され、これよりも低いエネルギー準位に戻る時に発する蛍光スペクトルのピークが、青、緑、赤等の波長域にあるものである。そして、このような紫外線発光蛍光剤としては、Ca259 Cl:Eu2+、CaWO4 、ZnO:Zn、Zn2 SiO4 :Mn等があり、これらを単体として使用するか、またはこれらを数種、適当な割合で混合して使用する。
これらは、蛍光スペクトルのピークを、青、赤、緑の波長領域以外に有するものである。
一方、赤外線発光蛍光剤としては、波長λ1の励起光を受けて、波長λ2の可視光を発光する特性を有し、λ1=λ2かつλ1>λ2なる性質を有するものがある。そして、このような赤外線発光蛍光剤としては、例えば組成が YF3 :Yb,Er,ZnS:CuCO等がある。
また、蛍光剤が蛍光染料であった場合には、「蛍光パターン層」と直接接している、レリーフホログラム形成層や、粘着層の表面に蛍光染料が染着することも考えられ、その場合には、それらの層の表面を削り取らなければ染着した蛍光染料を除去することはできず、偽造防止性に優れるものとなる。
この剥離層上に設けた「蛍光パターン層」を覆うようにその剥離層上に、粘着層を、乾燥後の厚さとして、10μm〜60μmの厚さで形成する。
もちろん、粘着層を設けた後に、その粘着層上に「蛍光パターン層」を設け、その「蛍光パターン層」を覆うように、その粘着層上に、レリーフホログラム形成層を設ける手順としてもよいことはいうまでもない。
粘着層用のインキ組成物としては、溶剤系及び水系のいずれの粘着剤も用いることができ、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体や、天然ゴムなどのゴム系樹脂などを挙げることができる。また、自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス等の天然素材から作製されたものを用いることが好適である。
粘着層は、10μm未満であると、スクラッチカード等の基材、及び、秘密情報記録部との粘着性が不十分となり、60μmを超えると、やはり、スクラッチラベルの総厚さが大きくなりすぎ、スクラッチカード等の基材上に貼着した際に、スクラッチカード等を重ねる等のハンドリングに支障をきたすものとなる。
但し、「秘密情報」をインクジェット方式で基材上に設けた際に、その「秘密情報」印字部の高さ(印字部の盛り上がりを意味する。)が、5.0μm〜20μmと高くなった場合には、その「秘密情報」の上に本発明のスクラッチラベルを貼着したときに、粘着層が、その「高い」印字部を柔らかく包み込むように適宜な変形を生じ、その「高さ」を吸収して、「秘密情報」印字部の盛り上がりパターンをレリーフホログラム形成層や、スクラッチ隠蔽層の盛り上がりに繋がらないようにすることが必須であり、このため、粘着層の厚さを、インクジェット方式で設けた「秘密情報」の盛り上がり高さ(印字部の基材面から印字部表面までの距離を意味する。)の2.0倍〜5.0倍とすることが好適である。
この厚さが、その盛り上がり高さの2.0倍未満であると、その吸収性が不十分となり、5.0倍を超えると、不必要な厚さとなり、やはり、スクラッチラベルの総厚さに悪影響を与えることとなる。
粘着層の形成方法としては、グラビアコート、ロールコート、コンマコートなどの方法で、塗布し乾燥して形成することができる。
粘着層の粘着力は、すくなくとも、レリーフホログラム形成層と剥離層との界面剥離強度より大きく、特には、その1.5倍、さらには3.0倍以上とし、剥離層との界面の剥離強度として、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、1.0〜3.0kg/25mm巾の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。特に、基材及び基材上の「秘密情報」形成部との粘着力は、本発明の目的より、本発明のスクラッチラベルを基材及び基材上の「秘密情報」形成部から剥がすことが困難となるレベルまで大きいものとする必要があるが、その粘着層と基材及び基材上の「秘密情報」形成部との界面の剥離強度よりも、粘着層と剥離層との界面の剥離強度を、より大きいものとし、且つ、いずれの剥離強度も、レリーフホログラム形成層と剥離層の界面剥離強度よりはるかに大きくなるように設計する。
このようにして適宜な剥離性フィルム上に設けた、スクラッチ隠蔽層、レリーフホログラム形成層、剥離層及び粘着層からなるスクラッチラベルを、その剥離性フィルムから剥離すると、本発明のスクラッチラベルとなる。
上記した目的から、この剥離性フィルムの表面を、平均表面粗さRaで、1.0μm〜30μm、もしくはそれ以上の粗さに設定した「粗面」としておくことも、スクラッチ時の破壊性を均一、且つ、容易化することができ、スクラッチオフ適正の向上に寄与する。
さらに、スクラッチ隠蔽層のレリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷を施して、その「地紋」が存在することによる偽造防止性の向上のみならず、不正にスクラッチした際にその「地紋」も同時に削れてしまうことによって、偽造や変造を防止する効果を高めることができる。
この地紋印刷は、主要なデザイン模様の背景となる淡色系のパターンや彩文の印刷のことであり、単色の印刷用インキを使用してもよいが、より偽造防止性を高めるため、多色の印刷用インキを使用することも好ましい。この多色の地紋印刷には、オフセット印刷や、グラビア印刷も使われるが、オルロフ印刷やシムルタン印刷などの特殊な印刷方式もその高い偽造防止性から好適である。
オルロフ印刷とは、凸版多色集合印刷のことであり、それぞれの色のインキに対応する部分版(パターンローラ)に転移したそれぞれの色のインキを中間のローラに集合し、その集合ローラから一つの凸版版面にそれらのインキを同時に着肉する。凸版版面から直接印刷する場合(オルロフ印刷)とゴム胴(ブランケット胴)にインキを転移してから印刷する方法(オフセット・ザンメル)とがある。版面は一つであるが、一つの画線の途中から色を何色かに変化させることが出来るものである。
また、シムルタン印刷とは、複数の版面(平版や樹脂版、もしくは金属版などの凸版版面)を一つのゴム胴(ブラン胴)の周りに配置して、各版面からのインキをゴム胴に集合してから印刷する。印刷位置精度は版胴への版面の取り付け精度でほとんど決まり、基材の伸縮などの影響が少ないため、高い見当合わせが安定して可能となるものである。
この地紋印刷のデザインとしては、装飾的効果をあげるための図形であって、規則正しく繰り返される「文様」や、紋章的な感じを含む図文である「紋様」、その他染織等に用いられる「型」として繰り返される意匠等を用いることができる。
特に、スクラッチによって、容易にそのデザインが破壊されることを目的として、それらの画線の幅を非常に細く、30〜100μm程度とした「細線」、もしくは、「細紋」とすることも好適である。
地紋印刷における「地紋」の形成厚さは、1.0〜10.0μmとする。
但し、スクラッチ隠蔽層の表面が「粗い」面であるため、この凹凸に追従して印刷可能なインクジェット方式や、この凹凸に影響され難い感熱転写方式、もしくは、昇華転写方式を用いて地紋印刷を行ってもよい。さらに、このような転写方式を用いて、スクラッチ隠蔽層の凹凸の凸部のみに印刷を行い、不正なスクラッチにより非常に容易に地紋印刷が破壊されるようにすることも好適である。
特に、昇華転写方式は、スクラッチ隠蔽層を構成する樹脂層にのみ浸透し、独特の風合いを醸し出すとともに、同一のものを偽造することが困難であるため好ましい。
また、この地紋印刷を、スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との間にも設け、且つ、そのデザイン及び、形成位置をスクラッチ隠蔽層の上下で同一とすることで、スクラッチ隠蔽層を削った際に、その地紋デザインが、連続したデザインとして視認できるようにすることも、その意外性や偽造防止性を高めるため好適である。
そして、本発明のスクラッチラベルのスクラッチ隠蔽層を、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料の両方を含んでいるものとすると、スクラッチラベルを不正に剥離しようとした際に、スクラッチ隠蔽層に剥離痕を残すことが可能となり、その偽造防止性を著しく高めることが可能となる。
もちろん、真正性判定をしようとする者が、敢えて、レリーフホログラム形成層と剥離層の界面での剥離を行った際にも、この「剥離痕」が発生するため、この場合には、この「剥離痕の発生」をも、その真正性判定の一つとすることができ、好適である。
スクラッチ隠蔽層用のインキ組成物に含める顔料成分としては、上記したごとく、金属系微粉末やそれらの酸化微粉末等(もちろん、窒化物やその他の化合物微粉末でもよい。)の顔料成分を20〜80%含有するものを用いるが、この顔料成分として、平均粒子径1.0μm〜10μmの比較的粒子径の大きい顔料群(「群」とは、複数の顔料を混合することも含める意味。)と、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料群を準備し、これらの混合系を用いることで、粒子径の大きい顔料群の隙間に微粒子顔料群が入り込む構造とし、スクラッチ隠蔽層が極度の変形を受けた際に、微粒子顔料群が粒子径の大きい顔料間の滑り剤の役目を果たして、粒子径の大きい顔料の層内移動を容易かつ不可逆なものとする(塑性変形を生じることを意味する。)。さらに、この「滑り」効果を助長するためにシリコーンオイルやタルク等の滑り性付与剤を1%〜5%添加することも好適である。
スクラッチラベルを不正に剥がそうとすると、スクラッチラベル、もしくは、界面剥離を起こした「スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層の積層部分」が、90度から180度の「折れ曲がり変形」を受け、従って、スクラッチ隠蔽層も同様の変形を受けるとともに、スクラッチ隠蔽層の一方の面は、レリーフホログラム形成層と固着してズレ変形を生じ難い状態となっていることから、スクラッチ隠蔽層の他方の面にその変形圧力が集中し、上記の塑性変形を大きくして、そのスクラッチ隠蔽層の他方の面に不規則な凹凸や、不規則な裂け目を発生させ、この不規則な凹凸や、不規則な裂け目が、「剥離痕」として視認されることとなる。
このような「剥離痕」をより確実に発生させるためには、粒子径の大きい顔料群と、微粒子顔料群の比率を、10対1〜10対30、特には、10対5〜10対10とすることが好ましい。
粒子径の大きい顔料群10に対して、微粒子顔料群の比率が1未満であると、スクラッチ隠蔽層に「剥離痕」が発生し難くなり、微粒子顔料群の比率が30を超えても、やはり「剥離痕」が発生し難くなる。
さらには、スクラッチ隠蔽層用インキ組成物に用いる樹脂として、凝集破壊し易い脆弱性の樹脂を用いることもこの「剥離痕」の発生を確実なものとするが、この場合には、スクラッチオフ(コインや爪によるスクラッチによりスクラッチ隠蔽層を部分的に除去することを意味する。)を容易とする効果も発現するため好適である。
さらに、スクラッチ隠蔽層と、レリーフホログラム形成層との間に、透明基材を設けることで、スクラッチオフ時に、コインや爪が、直接、レリーフホログラム形成層の表面を削ることを防ぎ、レリーフホログラム形成層の表面の「光学的な鏡面」に対して悪影響を与えることを防止し、且つ、スクラッチ隠蔽層を残渣(削り残りを意味する。)なく、安定して、確実に除去することを容易なものとすることができる。
特に、透明基材として、耐擦傷性が高く、爪等の押圧で変形を生じ難いものを使用することが好ましく、例えば、3次元架橋フィルムのように表面強度が強いもの、または、フッ素系樹脂のような離形性を有して、爪等を滑らせてしまうものを用いると、これらの効果に優れるスクラッチラベルとすることができる。
本発明のスクラッチラベルに用いる透明基材としては、上記の特性に加えて、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や耐溶剤性および耐熱性をも有するものが好ましい。さらに、透明性を有していれば、特に限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。
特に、フッ素系樹脂パウダーや、シリコン系樹脂パウダー等を混入したプラスチックフィルムは、耐擦傷性が著しく高く好適である。
透明基材の厚さは、2.0〜50μmであるが、スクラッチラベルとしての加工適正や取り扱い適正から3.0〜20.0μmとすることが望ましい。
この厚さが、2.0μm未満であると、この透明基材上にスクラッチ隠蔽層を設けたり、もしくは、レリーフホログラム形成層を設けたりする際の加工適正に劣るものとなり、この厚さが50.0μmを超えると、スクラッチラベルの総厚さが大きくなり過ぎるため好ましくない。
透明基材を設ける場合には、上記したスクラッチラベルの作成手順において、適宜な剥離性フィルムを用いず、この透明基材の一方の面にスクラッチ隠蔽層を設け、その透明基材の他方の面にレリーフホログラム形成層、剥離層、「蛍光パターン層」、及び、粘着層をこの順序で設けることで、適宜な剥離性フィルムを用いずとも、本発明のスクラッチラベルを得ることができる。
もしくは、この透明基材の一方の面にレリーフホログラム形成層、剥離層、蛍光パターン層」、及び、粘着層をこの順序で設け、粘着層に適宜な剥離紙(粘着ラベル用のセパレータを意味する。)を貼りつけた後、その透明基材の他方の面に、スクラッチ隠蔽層を設けて、本発明のスクラッチラベルとしてもよい。
これらの手順を用いると、スクラッチ隠蔽層やレリーフホログラム形成層を、「透明基材」という、物理的、且つ、化学的に安定しており、さらには、表面平滑性をも高い「フィルム」上に、別々の工程を用いて設けることができるため、より安定して、より精密に形成できる。
もちろん、透明基材の一方の面に、剥離層、「蛍光パターン層」、レリーフホログラム形成層、及び、スクラッチ隠蔽層をこの順序で設け、その透明基材の他方の面に粘着層を設けることでも、適宜な剥離性フィルムを用いずに、本発明のスクラッチラベルを得ることができ、好適である。
さらに、レリーフホログラム形成層そのものを、電離放射線硬化性樹脂、もしくは、熱硬化性樹脂とし、レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ面の強度を局所的に高めるため、原版を押し当てた状態で、剥離性フィルム側から圧力を掛けながら、原版を100〜200℃に加熱する方法も好適である。
また、使用する透明樹脂層として、3次元架橋型のメラミン樹脂等の、耐溶剤性及び耐熱性に優れるものを用いることも好適である。
このようにして得られた、本発明のスクラッチラベルの粘着層側を、スクラッチカード等の基材面、及び、その基材上の「秘密情報」形成部に接し、且つ、その「秘密情報」形成部を覆うように押し当て、2Kgの加重を掛けたゴムローラによってスクラッチラベル上から加圧して、本発明のスクラッチラベルをその基材の所定の位置に貼着した。
この状態では、スクラッチラベルに覆われた「秘密情報」を視認することはできず、また、そのスクラッチラベルの中にホログラムが含められているとは想像もできなかったが、スクラッチラベルのスクラッチ隠蔽層をコインで一部削り取ることにより、その削りとった領域から、「秘密情報」のみを視認することができ、さらに、レリーフホログラム形成層を剥離層との界面から剥離することで、鮮明なレリーフホログラム再生像が出現し、その上、剥離層上からブラックライトを照射することで、「蛍光パターン層」の「パターン」をも視認でき、そのスクラッチラベルが真正なものであると判定できた。
また、スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいる本発明のスクラッチラベルを、上記した基材及び、基材上の「秘密情報」形成部に貼着した後、ラベルの一部を剥がしたところ、その剥がす行為によって、ラベル表面に「剥離痕」が発生し、剥がした痕跡を残さずラベルを剥がすことは困難と思われた。
本発明のスクラッチラベルによれば、ホログラム層をスクラッチ隠蔽層の背後に設けて、第三者に対してホログラムの存在、及び、そのホログラムデザインを秘匿可能とし、スクラッチ隠蔽層をスクラッチして「秘密情報」を視認可能としても、まだ、そのホログラムの存在は秘匿され、不正目的等で、もしくは、真正性確認のために敢えて、残りの部分を剥がすと、鮮明なホログラム再生像が出現し、初めて、そのホログラムの存在を確認でき、その上、その残りの部分にブラックライト等による紫外線照射、または、赤外線ランプ等による赤外線照射を施すと、それまで秘匿されていた「蛍光パターン層」が蛍光を発して浮き上がり、やはり、初めて、その「蛍光パターン層」の存在を確認できるという、高い偽造防止性を有するスクラッチラベルを提供することができる。
そして、本発明のスクラッチラベルを、上記した、いわば、「スクラッチカード」となるカード等の基材上に設けられた「秘密情報」を覆うようにして、その基材に貼着することにより、「本発明のスクラッチラベルが貼着されたカード等」、すなわち、「秘密情報が隠蔽されたスクラッチカード等」を得ることができる。
さらに、本発明のスクラッチラベルを貼着したスクラッチカード等によれば、ホログラムデザインを第三者に開示していないことから、不正者が、例え、本発明のスクラッチラベルを貼着したスクラッチカード等を複数枚入手しても、まず、そのホログラムの存在には気づかず、例え、その構造やホログラムの存在を知り得たとしても、そのホログラムデザインが統一された唯一のデザインなのか、複数のデザインを任意に配したものなのか、もしくは、特定の秘密情報に対して特定のホログラムデザインを対応させてあるものかを知ることができず、この原理によって、入手したスクラッチカード以外の秘密情報を有するスクラッチカード等に対しての「偽造品」を作ることを、事実上、不可能とし、その上、秘匿された「蛍光パターン層」をも含んで、その偽造防止性をさらに高めた、スクラッチラベルを提供することができる。
また、本発明のスクラッチラベルによれば、ホログラム層を高度なスクラッチ耐性を有するものとして、スクラッチによるホログラム再生像の鮮明さの劣化を抑制可能とし、且つ、残りの部分を剥がしたときに露出する層を高屈折率な層として、出現するホログラム再生像をより鮮明なものとし、また、スクラッチ隠蔽層に平均粒径の異なる顔料を配して、ラベルを剥がそうとしたときに、その剥離痕を残せる構造とし、その偽造防止性を著しく高めることを可能としたスクラッチラベルを提供することができる。
本発明の一実施例を示すスクラッチラベルHの断面図である。 本発明の他の実施例を示すスクラッチラベルH´の断面図である。 本発明の一実施例であるスクラッチラベルHを、レリーフホログラ ム形成層2と剥離層4の界面で剥離しようとしている図である。 本発明のスクラッチラベルHをスクラッチカード8の基材9の所定 の位置に貼着した図である。ここで、(a)は、スクラッチカード 8を上から見た図であり、(b)は、そのA−A断面図である。 スクラッチカード8に「秘密情報:12345678」10を印字 した図(「秘密情報」を囲む枠は便宜上記載してあるのみ。) 本発明のスクラッチラベルHの最上層に地紋印刷11が設けられ、 且つ、スクラッチカード8の基材9の所定の位置に貼着されている 図である。(本発明のスクラッチラベルHの地紋印刷11のみを強 調して図示している。)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(スクラッチ隠蔽層、地紋印刷、及び透明基材)
本発明のスクラッチラベルH、または、H´のスクラッチ隠蔽層1に用いるインキ組成物としては、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、エチルセルロース、硝酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のスチレン樹脂、あるいはスチレン共重合樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単独あるいは共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等のビニル共重合体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、重合ロジン等のロジンエステル樹脂、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミドや、ポリイミド等を挙げることができる。また、スクラッチオフ性を満足する範囲でこれらの樹脂に硬化剤等を混合して、擦れ等によるスクラッチ隠蔽層1の最表面の不要な剥離や、剥がれを防止してもよい。(図1〜図3参照。)
また、熱硬化性樹脂としては、シリコン樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂等をあげることができ、シリコン樹脂として、シリコンゴム(シロキサン結合が5000〜10000の直鎖構造分子。)や、ケイ素樹脂、ゴム系天然樹脂として、天然ゴム、塩酸ゴム、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等を用いることができる。
さらには、スクラッチオフするという行為における環境影響を考慮して、スクラッチ隠蔽層1に用いるインキ組成物として、生分解性プラスチックを用いることも好適である。
生分解プラスチックとしては、化学合成系として、εーカプロラクトン等のラクトン系樹脂、ポリブチレンサクシネート−アジペート等のポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリ乳酸等、低分子量脂肪族ジカルボン酸と低分子量脂肪族ジオールより合成したポリエステル樹脂等、変性ポリビニルアルコールと脂肪族ポリエステル樹脂と澱粉の混合物等、または、低分子量脂肪族ポリエステルに脂肪族イソシアネートを添加して重合させたものなどが、また、天然物系として、ゼラチンなどの動物性天然物質、セルロースなどの植物性天然物質など、または、ポリヒドロキシブチレート等の微生物生産系物質などが好適である。
スクラッチ隠蔽層1に用いるインキ組成物としては、これらの樹脂成分を含む固形分全体に対して、隠蔽性とスクラッチ性を付与するために、金属系微粉末(アルミニウム粉末、黄銅微粉末、銅微粉末等)やそれらの酸化微粉末、窒化微粉末、その他の化合物微粉末等の顔料成分を20〜80%含有するものを用いる。
また、スクラッチ隠蔽層1の隠蔽性をさらに向上させるために、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の隠蔽性の強い顔料成分を1〜10%含有させてもよい。スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物を以上の組成物から構成することにより、印刷適性とスクラッチ性との双方を満足することができるようになる。
スクラッチ隠蔽層1は、この組成物を適宜な溶剤で希釈したものを、適宜な剥離性フィルム(本発明のスクラッチラベルH、または、H´をこのフィルム上で形成した後、このフィルムから剥離することで、本発明のスクラッチラベルH、または、H´を得ることができる。この「適宜な剥離性フィルム」は図示せず。)上に、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式、インクジェット印刷方式等の印刷方式を用い、乾燥後の厚さとして、5μm〜50μm、さらには10μm〜30μmの厚さで形成する。(図1〜図3参照。)
さらに、スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物として、金属ペースト、樹脂材料及び助剤を、水と低級アルコールに分散せしめて水性エマルジョンインキとしたものも使用でき、特に、レリーフホログラム形成層2の上にスクラッチ隠蔽層1を設ける手順とする場合に、そのレリーフホログラム形成層2の表面に不要な変形や変質を与えないため好適である。
その金属ペーストの金属としては、銅と亜鉛の合金であるブロンズパウダーや、アルミニウムパウダーを用いる。また、アルミニウムを微粉末化して、脂肪酸等で表面を処理したものを沸点の高い炭化水素溶剤( ミネラルスピリットなど)でペースト状にしたアルミニウムペーストとしてもよい。
これに、一般の印刷インキに使用する黄、マゼンタ、シアンまたは墨用の着色顔料、チタン白等体質顔料を、適宜、含めて着色タイプとしてもよい。
その樹脂材料としては、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂や、ポリアクリル酸系樹脂等を用いることができ、このこれら樹脂材料のエマルジョンをインキ組成物の25 〜50%としてアルミニウムペーストや、着色顔料などに、10〜35%の水と5%未満のイソプロピルアルコールを加えて攪拌して水性のエマルジョンインキとするものである。これに消泡剤や界面活性剤、もしくは防腐剤等の助剤を0.1〜3%添加することもできる。
この水性エマルジョンインキ組成物を用いたスクラッチ隠蔽層1の形成は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法あるいはアニロックスローラーを介して印刷するフレキソ印刷法などが全面印刷あるいは部分印刷に好適な方法として適用され得る。
また、スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物として、層内にて凝集破壊し易い脆弱性の樹脂を溶剤に溶かしたものに、隠蔽性の顔料としてアルミニウム粉末(銀色)、真鍮粉末(金色)、銅粉末(赤色)など金属粉末、あるいはタルク、カオリンなどの白色の体質顔料を混合したもの、あるいは、これに適宜色の着色顔料や染料を混合して着色したものを使用できる。
その凝集破壊し易い樹脂としては、異種の樹脂を適宜な配合比率でブレンドしたブレンド樹脂が使用でき、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン系重合体、スチレン−ブタジエンゴム、各種ワックス、ロジン、テルペン系樹脂、テルペン系重合体などの樹脂のうちのいずれか2種以上を適宜比率にて配合したブレンド樹脂が使用できる。
この樹脂を溶解する溶剤としては、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサノン、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール誘導体など、又はこれらの混合溶剤が使用できる。
スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物に用いられる顔料としては、さらに、有機顔料として、キナクリドン系レッド・マゼンタ、アンスラキノン系レッド・イエロー、ポリアゾ系イエロー、ベンズイミダゾロン系イエロー・オレンジ、フタロシアニン系顔料として、銅フタロシアニンブルー(α型、β型)、銅フタロシアニングリーン、異種金属フタロシアニンブルー、スレン系ブルー、アゾ系顔料として、溶性アゾ顔料(カーミン6B、パーマネントレッド2B他)、不溶性アゾ顔料(ジスアゾ系、モノアゾ系他)、不溶性多環式顔料(赤:キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、橙:ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、黄:キノフタロン、イソインドリノン、緑:フタロシアニン、青:フタロシアニン、インダンスレン、紫:ジオキサジン他)、不溶性レーキ顔料(赤:レーキレッドC、ウォチュングレッド他)等がある。
無機顔料としては、複合酸化物系顔料、微粒子複合酸化物系顔料、紺青、ハイブリッド型顔料等があるが、さらに、弁柄、モリブデンレッド、カドミウムレッド、鉛丹(以上、赤色。)、黄鉛(赤口)、モリブデンオレンジ(橙色)、カドミウムオレンジ(橙色)、群青(ウルトラマリンブルー)、紺青(プルシアンブルー)、コバルトブルー、セルリアン、マンガン青(以上、青色。)、アンバー(茶色。)、黄鉛、カドミウムイエロー、チタン黄、黄色酸化鉄(以上、黄色。)、酸化クロム、コバルトグリーン、ビリジアン、ピーコック(以上、緑色。)、マルス紫、コバルトバイオレット、マンガンバイオレット(以上、紫色。)その他、体質顔料や、金属粉顔料等が用いられる。
これらの顔料の粒径を、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料群、もしくは、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料群として仕上げる。特に、微粒子顔料群は、二次凝集しやすく、再分散処理等を施す必要がある。
適宜な剥離性フィルム上に、スクラッチ隠蔽層1を設ける前に、本発明のスクラッチラベルH、または、H´の用途に応じたデザインにより、オフセット印刷や、グラビア印刷等を用いて、1.0〜10.0μmの厚さで地紋印刷11を施した後、その地紋印刷11を覆うようにスクラッチ隠蔽層1を設ける手順とすると、本発明の地紋印刷11が最表面となるスクラッチラベルH、または、H´(図示せず。)を得ることができる。
もちろん、スクラッチラベルH、または、H´を形成した後の、そのスクラッチ隠蔽層1上に改めて、同様の印刷方式を用いて地紋印刷11を設けてもよい。(図6は、地紋印刷11を設けた本発明のスクラッチラベルH、または、H´を、スクラッチカード8の基材9上に貼着した図である。)
この地紋印刷11以外の通常デザイン(主要なデザイン模様等)の印刷を施し、その意匠性を高めることができることは言うまでもない。
また、その適宜な剥離性フィルムを用いず、厚さ2.0〜50.0μmの透明基材7を用い、その透明基材7の一方の面に、上記した印刷方式等を用いて、スクラッチ隠蔽層1を設け、さらにそのスクラッチ隠蔽層1の上に地紋印刷11を設けた後、その透明基材7の他方の面に、レリーフホログラム形成層2(そしてホログラムレリーフ3。)、剥離層4及び、粘着層6を設ける手順として、本発明のスクラッチラベルH´を形成してもよい。(図2参照。)
さらに、スクラッチ隠蔽層1の上に、または、スクラッチ隠蔽層1及び地紋印刷11の上に、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、これらの共重合体さらには電離放射線硬化樹脂等の保護層を、感熱溶融転写方式、昇華転写方式、インクジェット方式で、1〜3μm厚さに形成して、「秘密情報」10の隠蔽をさらに強化してもよい。(図示せず。)
(レリーフホログラム形成層、及び、ホログラムレリーフ)
本発明のスクラッチラベルH、または、H´のレリーフホログラム形成層2を構成するための透明樹脂層に用いられる樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、すなわち、ポリメチルメタクリレート(屈折率n=1.49)、ポリメチルアクリレート(n=1.47)、ポリベンジルメタクリレート(n=1.57)、ポリブチルアクリレート(n=1.44)、ポリイソブチルアクリレート(n=1.48)等、セルロース系樹脂、すなわち、硝酸セルロース(n=1.54)、メチルセルロース(n=1.50)、セルロース・アセテートプロピオネート(n=1.47)等、ビニル系樹脂、すなわち、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル(n=1.54)等、アクリルアミド樹脂(n=1.50)、もしくはポリスチレン樹脂(n=1.60)等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アクリルウレタン樹脂(n=1.60)、エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55)、メラミン樹脂(n=1.56)、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アルキッド樹脂(n=1.54)、フェノール樹脂(n=1.60)、シリコン樹脂(n=1.41〜1.60)、もしくは、フッ素化樹脂(n=1.35〜1.38)等が挙げられる。(図1〜図3参照。)
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくはジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができ、このような電離放射線硬化性樹脂に架橋構造を導入するか、もしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
また、上記の熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂に、シリコン樹脂やフッ素含有樹脂、さらには、シリコンオイルを混合したもの、または、熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂とシリコン樹脂やフッ素含有樹脂を共重合させたものや、熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂の分子内にシロキサン結合〔―Si(R1)(R2)−O―〕やフッ素原子〔−F〕を導入したものを用いることができる。
さらには、上記の熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂に、シリコンパウダー微粒子やフッ素パウダー微粒子を分散させたものを用いることもできる。
フッ素化樹脂には、完全フッ素化樹脂として、四フッ素化樹脂、部分フッ素化樹脂として、三フッ素化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、フッ素化樹脂共重合体として、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂。四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体などを用いることができる。
これらの透明樹脂層に、「『紫外線を遮断する、紫外線を吸収する、もしくは、光エネルギーを熱エネルギーに変え消光する』性質を持つ材料」である、「光安定剤」を、5.0〜50.0%、混入させる。もちろん、この「光安定剤」として、「『赤外線を遮断する、赤外線を吸収する、もしくは、光エネルギーを熱エネルギーに変え消光する』性質を持つ材料」を用い、その透明樹脂層対して、5.0〜50.0%、混入させることも好適である。
そして、「光安定剤」としては、
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール、6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−tert−ブチルー4’−メチルー2,2’―メチレンビスフェノール、2−(2’−ヒドロキシー3’,5’−ジ−tert−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等、
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤として、ベンゾフェノンモノオキシ誘導体、ベンゾフェノンジオキシ誘導体、ベンゾフェノントリオキシ誘導体、ベンゾフェノンテトラオキシ誘導体、具体的には、2−ヒドロキシー4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−nーオクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシー4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシー4−nードデシルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシー4−nードデシルベンゾフェノン2,2’−ジヒドロキシー4−nーブチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシー4−メトキシベンゾフェノン等、
トリアジン系紫外線吸収剤として、2−[4,6−ビス(2,4−次メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−[(オクチル)オキシ]−フェノール、
2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、
2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン等を用いることができる。
さらに、シアノアクリレート系紫外線吸収剤や、サリシレート系紫外線吸収剤として、4−オクチルフェニルサリシレート、ビスフェノールAージサリシレート、4−ターシャリブチルフェニルサリシレート、フェニルサリシレート等、ベンゾエート系紫外線吸収剤として、2,4−ジ−ブチルフェニル−3,5−ジ−ターシャリブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等、ケイヒ酸系紫外線吸収剤として、メトキシケイヒ酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル等、アクリロニトリル誘導体系紫外線吸収剤として、ジフェニルメチレンシアノ酢酸エチル,ジフェニルメチレンシアノ酸酸2−エチルヘキシル等を用いることができる。
また、ベンゾイルフェロセン誘導体系紫外線吸収剤や、テトラフェニルコハク酸ニトリル系紫外線吸収剤として、Ni−2,2’−チオビス(4−ターシャリオクチルフェノラート)等、ヒドラジド系重金属不活性化剤や、サルチル酸アミド化合物等のアミド系重金属不活性化剤、さらには、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)として、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバシエート、ポリ[[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6,−トトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]−1,6−ヘキサンジイル[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ]]等、アミノエーテル系光安定剤として、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物等を用いることができる。
そして、フェノール系酸化防止剤等のラジカル捕捉剤や、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等の過酸化物分解剤、金属セッケン含鉛化合物系光安定剤、スズ系光安定剤、チオビスフェノールNiキレート等の抗酸化剤兼紫外線吸収剤、酸化亜鉛系超微粒子、高分子紫外線吸収剤、反応型紫外線吸収剤を用いることができる。
さらに、赤外線吸収剤としては、無機赤外線吸収剤や、有機赤外線吸収剤を用いることができ、ITO(インジウム、スズ酸化物)微粒子及び超微粒子や、ATO(アンチモン・ドープ・スズ酸化物)微粒子及び超微粒子、近赤外線吸収色素や、そのホウ素化合物との混合物、さらには、近赤外線吸収性合成樹脂を用いることができる。
さらに、上記の樹脂材料を用いてレリーフホログラム形成層2を形成するには、感光性樹脂材料にホログラムの干渉露光を行なって現像することによって直接的に形成することもできるが、「光安定剤」を含めるためには、予め作成したレリーフホログラムもしくはその複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面を、上記の「光安定剤」含有樹脂材料をプレス成型や、射出成型、ブロー成型等により作成した「光安定剤」含有透明樹脂層に押し付けることにより、賦型を行ない、ホログラムレリーフ3面を形成する。(図1〜図3参照。)
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明樹脂層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができ、この微細凹凸がホログラムレリーフ3となる。なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造(すなわち、レリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3。)として使用できる。
ホログラムは、物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラムなどのレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラムなどの白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーテッドホログラム(CGH)や、ホログラフィック回折格子などがある。また、マシンリーダブルホログラムのように、その再生光を受光部でデータに変換し所定の情報として伝達したり、真偽判定を行うものであってもよい。
さらに、微細な凹凸(すなわち、ホログラムレリーフ3。)を精密に作成するため、光学的な方法だけでなく、電子線描画装置を用いて、精密に設計されたレリーフ構造を作り出し、より精密で複雑な再生光を作り出すものであってもよい。このレリーフ形状は、ホログラムを再生する光、もしくは、光源の波長(域)と、再生する方向、及び強度によってその凹凸のピッチや、深さ、もしくは特定の周期的形状が設計される。凹凸のピッチ(周期)は再生角度に依存し、通常0.1μm〜数μmであり、凹凸の深さは、再生強度に大きな影響を与える要素であって、通常0.1μm〜2μmである。
単一回折格子のように、全く同一形状の凹凸の繰り返しであるものは、隣り合う凹凸が同じ形状であればある程、反射する光の干渉度合いが増しその強度が強くなり、最大値へと収束する。回折方向のぶれも最小となる。立体像のように、像の個々の点が焦点に収束するものは、その焦点への収束精度が向上し、再生像が鮮明となる。
また、レリーフ面にホログラム画像の凹凸とは異なる周期や、形状の凹凸が存在すると、それはホログラムもしくは回折格子の再生時のノイズとなり、像を不鮮明にする要因となる。
ホログラムレリーフ形状を賦形(複製ともいう)する方法は、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記レリーフホログラム形成層2上に、原版を重ねて加熱ロールなどの適宜な手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。形成するホログラムパターンは単独でも、複数でもよい。
上記の極微細な形状を精密に再現するため、また、複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小とするため、原版は金属を使用し、低温、且つ、高圧下で複製を行う。
原版は、Niなどの硬度の高い金属を用いる。光学的撮影もしくは、電子線描画などにより形成したガラスマスターなどの表面にCr、または、Ni薄膜を真空蒸着法、スパッタリングなどにより5〜50nm形成後、Niなどを電着法(電気めっき、無電解めっき、さらには複合めっきなど)により50〜1000μmの厚さで形成した後、それらの金属を剥離することで作ることができる。
高圧回転式の複製に用いるためには、このNi層の厚み精度を高くする必要があり、通常±10μm、好ましくは、±1μmとする。このため、裏面の研磨や、平坦化方法を用いてもよい。
複製方式は、高圧とするため、平板式でなく、回転式を用い、線圧100kg/m〜10000kg/m、好ましくは、5000kg/m以上とする。複製用シリンダーは、その直径が小さいとレリーフの再現性が低下するため、複製シリンダー直径は大きい方が好ましく、通常、直径0.1m〜2.0m、好ましくは、1.0m以上の弧を使用する。
レリーフホログラム形成層2をこの複製用シリンダーに沿って押し当て、裏面より金属製シリンダーにより上記圧力にて複製を実施する。複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小限とするためには、レリーフホログラム形成層2全体を加熱するのではなく、レリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3面側の一部のみを加熱する方法が望ましい。通常60℃〜110℃に加熱する。さらには、裏面の金属製シリンダーを常温に保つ、もしくは冷却することで、さらにその精度を向上させることができる。
(剥離層)
このレリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3面を埋めるように、且つ、レリーフホログラム形成層2との界面での界面剥離が可能なように、剥離層4を設ける。(図1〜図3参照。レリーフホログラム形成層2と剥離層4が剥離する状態は、図3参照。)
剥離層4に用い得る樹脂としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができるが、レリーフホログラム形成層2に対する剥離層4の「濡れ性は、低い」ことが好ましく、レリーフホログラム形成層2の表面張力は、剥離層4の表面張力より小さく設定することが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、アクリルアミド樹脂(n=1.50)、もしくはポリスチレン樹脂(n=1.60)等、セルロース系樹脂、すなわち、硝酸セルロース(n=1.54)、メチルセルロース(n=1.50)、セルロース・アセテートプロピオネート(n=1.47)等、アクリル酸エステル樹脂、すなわち、ポリメチルメタクリレート(屈折率n=1.49)、ポリメチルアクリレート(n=1.47)、ポリベンジルメタクリレート(n=1.57)、ポリブチルアクリレート(n=1.44)、ポリイソブチルアクリレート(n=1.48)等、ビニル系樹脂、すなわち、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル(n=1.54)等が、また、熱硬化性樹脂としては、シリコン樹脂(n=1.41〜1.60)、フェノール樹脂(n=1.60)、メラミン樹脂(n=1.56)、アルキッド樹脂(n=1.54)、不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アクリルウレタン樹脂(n=1.60)、エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55)、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、もしくは、フッ素化樹脂(n=1.35〜1.38)等が挙げられる。(図1〜図3参照。)
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができ、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒を配合しても良い。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができ、このような電離放射線硬化性樹脂に架橋構造を導入するか、もしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
また、上記の熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂に、シリコン樹脂やフッ素含有樹脂、さらには、シリコンオイルを混合したもの、または、熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂とシリコン樹脂やフッ素含有樹脂を共重合させたものや、熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂の分子内にシロキサン結合〔―Si(R1)(R2)−O―〕やフッ素原子〔−F〕を導入したものを用いることができる。
さらには、上記の熱可塑性樹脂、もしくは熱硬化性樹脂に、シリコンパウダー微粒子やフッ素パウダー微粒子を分散させたものを用いることもできる。
フッ素化樹脂には、完全フッ素化樹脂として、四フッ素化樹脂、部分フッ素化樹脂として、三フッ素化樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、フッ素化樹脂共重合体として、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂。四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体などを用いることができる。
また、これらの樹脂の表面張力(界面張力とも呼ばれる。)は、JIS K6768(改正)において、ポリ四フッ化エチレン(ポリテトラフロロエチレン)18、シリコン樹脂20、ポリ三フッ化エチレン(PTFE)22、ポリフッ化ビニリデン25、ポリフッ化ビニル28、ポリエチレン(密度0.955〕31、ポリスチレン33、ポリカーボネート35、ポリビニルアルコール37、ポリ酢酸ビニル37、ポリメタクリル酸メチル39、ポリ塩化ビニル39、ポリ塩化ビニリデン40、ウレタン樹脂40、ナイロン6:42、ポリエチレンテレフタレート43、ユリア樹脂45、ナイロン66:46、環状脂肪族エポキシ樹脂46、ポリビニルブチラール54mN/m等である。(和光純薬工業株式会社製濡れ張力試験用混合液にて実測可能。)
但し、このようにして、両層に表面張力の差を設けると、剥離層4がホログラムレリーフ3面を高い精度で埋めることが難しくなる傾向となるため、剥離層4形成後に、剥離層4側から、平板プレスやロールプレスを施して、剥離層4へのホログラムレリーフ形状の転写精度を高める。
このため、レリーフホログラム形成層2に、〔ウレタン樹脂/イソシアネート硬化剤〕タイプのような、2液硬化タイプの反応性樹脂系を用い、30℃〜80℃で、数日〜数か月のエージング処理をしたり、春日電機製絶縁基板用コロナ処理機による表面コロナ処理を施したり、レリーフホログラム形成層2の樹脂を電離放射線硬化タイプとして、その電離放射線を追加照射するなどして、それらの反応を促進して、硬化度(特にレリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3面の硬化度)を100%に近づけることで、ホログラムレリーフ3面の表面張力を低下させたり、さらには、ホログラムレリーフ3面へのフッ化処理や、フッ素イオン注入処理も、ホログラムレリーフ3面の「形状」を変化させずに維持したまま、ホログラムレリーフ3面の表面張力を低下させる。
剥離層4の表面張力は、ホログラム形成層2の表面張力より、1mN/m以上大きくする。さらに、その差を、10mN/m以上、より好ましくは20mN/m以上とする。
この際、剥離層4の露出面側(剥離層4のホログラムレリーフ3面とは反対の面側という意味。)からロール線圧として、0.1kg以上/ロール1cm巾のロールプレスや、107Pa以上の平圧プレスを併用する。
さらに、剥離層4に用い得る樹脂としては、、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂の樹脂の中から、レリーフホログラム形成層2との界面剥離強度が、0.1〜200g/25mm巾、特には、1.0〜30g/25mm巾(JIS Z0237準拠の180°による剥離方法による。)となるものを用い、剥離層4用インキ組成物には、レリーフホログラム形成層2を溶解し難い溶剤系や、水系のものを用い、レリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3の「光学的な鏡面」性に悪影響を与えないものとする。
剥離層4のレリーフホログラム形成層2との界面剥離性をさらに高めるため、剥離層4に用い得る樹脂中に、マイクロシリカ等の無機微粒子、シリコン樹脂やフッ素樹脂粉末等の微粒子樹脂紛体、その他、炭酸カルシウム、硫酸バリウムや、タルク等の滑剤や体質顔料、さらにはシリコンオイル等の離型剤を、その樹脂成分に対して、1.0〜30.0%添加する。
剥離層4の厚さは、オフセット印刷、グラビア印刷、ステンレススクリーン印刷、凹版印刷、カーテンコート方式、ロールコート方式、スピンコート方式等を用いて、0.5μm〜30μm、さらには0.5μm〜10μmの厚さとする。
さらに、剥離層4の屈折率を、レリーフホログラム形成層2の屈折率と実質的に同一、すなわち、剥離層4の屈折率とレリーフホログラム形成層2の屈折率を、同一、もしくは、その屈折率差を、0.1以下とする。特に、両層の屈折率差を、可視光線(400nm〜800nm)のいずれの波長に対しても、0.05以下となるようにする。
また、剥離層4を「高屈折率透明樹脂層」、すなわち、「透明性」を確保しながら屈折率nが1.7〜2.3の透明な樹脂層系(顔料等を含むという意味。)により構成する。
この高屈折率樹脂層に使用される樹脂は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
用いる樹脂の屈折率は、例えば、熱可塑性樹脂としては、アクリル酸エステル樹脂(屈折率n=1.47)、アクリルアミド樹脂(n=1.50)、ニトロセルロース樹脂(n=1.54)、酢酸ビニル樹脂(n=1.47)、もしくは、ポリスチレン樹脂(n=1.60)等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、ウレタン樹脂(n=1.60)、エポキシ変性アクリル樹脂(n=1.55)、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂(n=1.64)、アルキッド樹脂(n=1.54)、もしくはフェノール樹脂(n=1.60)等である。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート(n=1.55)、ウレタンアクリレート(n=1.54)、アクリル変性ポリエステル(n=1.64)等である。
さらに、環境に配慮して、高屈折率樹脂層に、上記したような生分解性プラスチックを用いることも好適である。
さらには、比較的屈折率の高い透明な樹脂材料を選定し、その樹脂材料に屈折率が2.0以上の顔料等を30〜70%程度、混入させ、「高屈折率を有する層」とする。
その顔料等には、特に、微粒子透明顔料や超微粒子顔料が適しており、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、クレー、カオリン、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、珪藻土、石膏、タルク、珪石粉等の体質顔料を細かく粉砕したものや、マイクロシリカ等の無機微粒子、シリコン樹脂やフッ素樹脂粉末等の微粒子樹脂紛体、その他、平均粒径で、0.1μm〜0.01μmとした微粒子顔料や、0.01μm以下とした超微粒子顔料を使用する。
具体的には、天然に産する方解石、氷州席、アラゴナイト、石灰岩、大理石、貝殻、チョーク、重晶石、石膏、ギブス石などを微粉砕したものや、その合成物において平均粒径を調整したもの、さらには、一般的に用いられる無機顔料、や有機顔料においても、超微粒子酸化チタンや超微粒子酸化ジルコニウム等、その平均粒径を、0.01μm以下としたもの等は、適宜な樹脂材料との混合において、透明となるため、好適である。特に、顔料そのものの屈折率が2.0〜3.0であるものが好ましい。この屈折率が3.0を超えるものは、金属光沢が発現し始めるため、その透明性に欠けるものとなるため、その点を考慮しながら使用することとなる。
具体例としては、超微粒子酸化チタン(石原産業株式会社製TTO−55N:屈折率n=2.4)を適宜な樹脂に分散した場合に、高屈折率樹脂層としての屈折率は、1.9〜2.0であり、また、超微粒子酸化ジルコニウム(動的光散乱法における平均粒径0.0001μm〜0.05μm)を適宜な樹脂に分散した場合に、高屈折率樹脂層としての屈折率は、1.7〜1.9である。
但し、この粒径のものは、二次凝集しやすく、ニーダー等の適宜な分散処理機に繰り返し通すなどの再分散処理等を施す必要がある。添加量は、屈折率の向上度合いと透明性とのバランスで決められるが、通常1%〜20%添加が好適であり、レリーフホログラム形成層2に配慮した適宜な溶剤または水に溶かして、剥離層4として選定した樹脂に分散して用いる。
(蛍光パターン層)
上記した剥離層4の上に、蛍光パターン層5を形成する。もしくは、粘着層6の上に、蛍光パターン層5を形成し、その蛍光パターン層5を覆うように、粘着層6上に、レリーフホログラム形成層2を形成する。(図1〜3参照。)
蛍光パターン層5に用いられる蛍光剤としては、紫外線、赤外線、電子線、X線などの可視光線以外のエネルギーを吸収して励起し、可視光線を放出する物質を用いることができる。
具体的には、以下の蛍光体原料等を使用することができる。
Baを含む蛍光体原料としては、BaO、Ba(OH)2・8H2O、BaCO3、Ba(NO32、BaSO4、Ba(C24)・2H2O、Ba(OCOCH32、BaCl2等、Caを含む蛍光体原料としては、CaO、Ca(OH)2、CaCO3、Ca(NO32・4H2O、CaSO4・2H2O、Ca(C24)・H2O、Ca(OCOCH32・H2O、無水CaCl2(但し、水和物であってもよい。)等、Srを含む蛍光体原料としては、SrO、Sr(OH)2・8H2O、SrCO33、Sr(NO32、SrSO4、Sr(C24)・H2O、Sr(OCOCH32・0.5H2O、SrCl2等、Znを含む蛍光体原料としては、ZnO、Zn(C24)・2H2O、ZnSO4・7H2O等、Mgを含む蛍光体原料としては、MgCO3、MgO、MgSO4、Mg(C24)・2H2O等、Siを含む蛍光体原料としては、SiO2、H4SiO4、Si(OCOCH34等、Euを含む蛍光体原料体例としては、Eu23、Eu2(SO43、Eu2(C243、EuCl2、EuCl3、Eu(NO33・6H2O等、Sm、Tm及びYbを含む各蛍光体原料としては、Eu源の具体例として挙げた各化合物において、EuをそれぞれSm、Tm及びYbに置き換えた化合物が挙げられる。
また、Mnを含む蛍光体原料としては、MnO、MnO2、Mn23、MnF2、MnCl2、MnBr2、Mn(NO32・6H2O、MnCO3、MnCr24等、Crを含む蛍光体原料としては、Cr23、CrF3(水和物含む。)、CrCl3、CrBr3・6H2O、Cr(NO32・9H2O、(NH42CrO4等、Tbを含む蛍光体原料としては、Tb47、TbCl3(水和物を含む。)、TbF3、Tb(NO33・nH2O、Tb2(SiO43、Tb2(C243・10H2O等、また、他の蛍光体原料(例えば、Eu源)とTb源とを共沈させてから用いることもでき、Prを含む蛍光体原料としては、Pr23、PrCl3、PrF3、Pr(NO33・6H2O、Pr2(SiO43、Pr2(C243・10H2O等、Ceを含む蛍光体原料としては、CeO2、CeCl3、Ce2(CO33・5H2O、CeF3、Ce(NO33・6H2O等、Luを含む蛍光体原料としては、Lu23、LuCl3、LuF3(水和物を含む。)、Lu(NO33(水和物を含む。)等、Laを含む蛍光体原料としては、La23、LaCl3・7H2O、La2(CO33・H2O、LaF3、La(NO33・6H2O、La2(SO43等、Gdを含む蛍光体原料としては、Gd23、GdCl3・6H2O、Gd(NO33・5H2O、Gd2(SO43・8H2O、GdF3等が挙げられる。
さらに、Geを含む蛍光体原料としては、GeO2、Ge(OH)4、Ge(OCOCH34、GeCl4等、Gaを含む蛍光体原料としては、Ga23、Ga(OH)3、Ga(NO33・nH2O、Ga2(SO43、GaCl3等、Alを含む蛍光体原料としてはα−Al23、γ−Al23等のAl23、Al(OH)3、AlOOH、Al(NO33・9H2O、Al2(SO43、AlCl3等、Pを含む蛍光体原料としては、P25、Ba3(PO42、Sr3(PO42、(NH43PO4等、Bを含む蛍光体原料としては、B23、H3BO3等が挙げられる。
なお、上記に例示した原料は、必要に応じて共沈させてから用いてもよい。
さらに、N元素、O元素及びハロゲン元素等に対応する蛍光体原料は、通常、上記各蛍光体構成元素の蛍光体原料のアニオン成分として、又は焼成雰囲気中に含有される成分として、蛍光体製造時に供給される。
蛍光体原料を混合して原料混合物を調製してから、原料混合物を所定温度、雰囲気下で焼成する。この際、混合は十分に行うことが好ましい。
上記混合手法としては、特に限定はされないが、具体的には、下記(A)及び(B)として挙げた手法を用いることができる。また、これらの各種条件については、例えば、ボールミルにおいて2種の粒径の異なるボールを混合して用いる等の条件を選択可能である
(A)例えばハンマーミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等の乾式粉砕機、又は、乳鉢と乳棒等を用いる粉砕と、例えばリボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機、又は、乳鉢と乳棒を用いる混合とを組み合わせ、前述の蛍光体原料を粉砕混合する乾式混合法。
(B)前述の蛍光体原料に例えばメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒又は水などの溶媒又は分散媒を加え、例えば粉砕機、乳鉢と乳棒、又は蒸発皿と撹拌棒等を用いて混合し、溶液又はスラリーの状態とした上で、噴霧乾燥、加熱乾燥、又は自然乾燥等により乾燥させる湿式混合法。
蛍光体原料の混合は、蛍光体原料の物性に応じて、湿式又は乾式のいずれかを選択することができる。
また、ハロゲン化物、窒化物等の酸化・吸湿し易い原料を用いる場合には、例えばアルゴンガス、窒素ガス等の不活性気体を充填し、水分管理されたグローブボックス内でミキサー混合する。(図示せず。)
また、混合・粉砕時に、粒径を揃える等の目的で、蛍光体原料を篩いにかけても良い。この場合、各種市販の篩いを用いることが可能であるが、金属メッシュのものよりもナイロンメッシュ等の樹脂製のものを用いる方が、不純物混入防止の点で好ましい。
焼成工程では、得られた原料混合物を焼成することにより焼成物を得る。得られた焼成物は、通常、その組成は目的とする蛍光体のものとなっているが、その粒子は焼結して焼成ケーキとなっている。
さらに、焼成において、焼成炉中の耐熱容器の数が多い場合には、例えば、上記の昇温速度を遅めにする等、各耐熱容器への熱の伝わり具合を均等にすることが、ムラなく焼成するためには好ましい。
焼成工程における焼成温度、圧力、雰囲気等の焼成条件は、製造しようとする蛍光体そ
れぞれに応じて適切な条件を設定することが好ましい。
さらに、耐湿性等の耐候性を一層向上させるために、または、蛍光剤の樹脂に対する分散性を向上させるために、必要に応じて、蛍光剤の表面を異なる物質で被覆する等の表面処理を行なってもよい。(図示せず。)
蛍光剤の表面に存在させることのできる物質(以下「表面処理物質」とも称する。)の例としては、例えば、有機化合物、無機化合物、ガラス材料等を挙げることができる。 有機化合物の例としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレン等の熱溶融性ポリマー、ラテックス、ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
無機化合物の例としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化ゲルマニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化硼素、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化ビスマス等の金属酸化物、窒化珪素、窒化アルミニウム等の金属窒化物、燐酸カルシウム、燐酸バリウム、燐酸ストロンチウム等のオルト燐酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。なお、燐酸リチウム、燐酸ナトリウム、及び燐酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種と、硝酸バリウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、塩酸バリウム、塩酸カルシウム、及び塩酸ストロンチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせて用いることもできる。中でも、燐酸ナトリウムと硝酸カルシウムとを組み合わせて用いることが好ましい。また、蛍光剤表面にバリウム、カルシウム、ストロンチウムが存在する場合には燐酸ナトリウム等の燐酸塩のみを用いても表面処理を行なうことができる。
ガラス材料の例としてはホウ珪酸塩、ホスホ珪酸塩、アルカリ珪酸塩等が挙げられる。
これらの表面処理物質は、何れか1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
表面処理を施した蛍光剤は、これらの表面処理物質を有することになるが、その表面処理物質の存在態様としては、例えば下記のものが挙げられる。(図示せず。)
(i)表面処理物質が連続膜を構成して、蛍光剤の表面を被覆する態様。
(ii)表面処理物質が多数の微粒子となって、蛍光剤の表面に付着することにより、蛍光剤の表面を被覆する態様。
蛍光剤の表面への表面処理物質の付着量、若しくは被覆量は、蛍光剤の重量に対して、0.1重量%以上、また、30重量%以下、好ましくは15重量%以下であることが望ましい。蛍光剤に対する表面処理物質量の量が多過ぎると、蛍光剤の発光特性が損なわれる場合があり、少な過ぎると表面被覆が不完全となって、耐湿性、分散性の改善が見られない場合がある。
表面処理の方法には特に限定は無いが、例えば、以下に説明するような、金属酸化物(
酸化珪素)による被覆処理法を挙げることができる。
蛍光剤をエタノール等のアルコール中に混合して、攪拌し、更にアンモニア水等のアルカリ水溶液を混合して、攪拌する。次に、加水分解可能なアルキル珪酸エステル、例えばテトラエチルオルト珪酸を混合して、攪拌する。得られた溶液を30分間静置した後、蛍光剤表面に付着しなかった酸化珪素粒子を含む上澄みを除去する。次いで、アルコール混合、攪拌、静置、上澄み除去を数回繰り返した後、150℃で2時間の減圧乾燥工程を経て、表面処理蛍光剤を得る。
蛍光剤の表面処理方法としては、この他、例えば球形の酸化珪素微粉を蛍光剤に付着さ
せる方法、蛍光剤に珪素系化合物の皮膜を付着させる方法、蛍光剤微粒子の表面をポリマー微粒子で被覆する方法、蛍光剤を有機材料、無機材料及びガラス材料等でコーティングする方法、蛍光剤の表面を化学気相反応法によって被覆する方法、金属化合物の粒子を付着させる方法等を用いることができる。
蛍光剤の結晶構造の例を挙げると、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu等のオルソシリケート系結晶構造、Ca3(Sc,Mg,Na,Li)2Si312:Ce等のガーネット系結晶構造、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu等のアパタイト系結晶構造、M3Si6122:Eu(但し、Mはアルカリ土類金属元素を表わす。)等の窒化物系結晶構造などが挙げられる。中でも、オルソシリケート系結晶構造又はガーネット系結晶構造が好ましい。
(緑色蛍光剤)
緑色蛍光剤の発光ピーク波長は、通常500nm以上、中でも510nm以上、さらには515nm以上であることが好ましく、また、通常550nm以下、中でも542nm以下、さらには535nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長λpが短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する可能性がある。
また、緑色蛍光剤の発光ピークの半値幅としては、通常10nm以上、通常130nm以下であり、用途に応じて適宜調整することが好ましい。この半値幅FWHMが狭過ぎると発光強度が低下する場合があり、広過ぎると色純度が低下する場合がある。
また、緑色蛍光剤は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のものであり、メジアン径D50は、通常1μm程度である。
緑色蛍光剤の具体例を挙げると、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行う(Mg,Ca,Sr,Ba)Si222:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光剤等が挙げられる。
また、その他の緑色蛍光剤としては、Sr4Al1425:Eu、(Ba,Sr,Ca)Al24:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光剤、(Sr,Ba)Al2Si28:Eu、(Ba,Mg)2SiO4:Eu、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu、(Ba,Sr,Ca)2(Mg,Zn)Si27:Eu、(Ba,Ca,Sr,Mg)9(Sc,Y,Lu,Gd)2(Si,Ge)624:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光剤、Y2SiO5:Ce,Tb等のCe,Tb付活珪酸塩蛍光剤、Sr227−Sr225:Eu等のEu付活硼酸リン酸塩蛍光剤、Sr2Si38−2SrCl2:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光剤、Zn2SiO4:Mn等のMn付活珪酸塩蛍光剤、CeMgAl1119:Tb、Y3Al512:Tb等のTb付活アルミン酸塩蛍光剤、Ca28(SiO462:Tb、La3Ga5SiO14:Tb等のTb付活珪酸塩蛍光剤、(Sr,Ba,Ca)Ga24:Eu,Tb,Sm等のEu,Tb,Sm付活チオガレート蛍光剤、Y3(Al,Ga)512:Ce、(Y,Ga,Tb,La,Sm,Pr,Lu)3(Al,Ga)512:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光剤、Ca3Sc2Si312:Ce、Ca3(Sc,Mg,Na,Li)2Si312:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光剤、CaSc24:Ce等のCe付活酸化物蛍光剤、Eu付活βサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光剤、BaMgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光剤、SrAl24:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光剤、(La,Gd,Y)22S:Tb等のTb付活酸硫化物蛍光剤、LaPO4:Ce,Tb等のCe,Tb付活リン酸塩蛍光剤、ZnS:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al等の硫化物蛍光剤、(Y,Ga,Lu,Sc,La)BO3:Ce,Tb、Na2Gd227:Ce,Tb、(Ba,Sr)2(Ca,Mg,Zn)B26:K,Ce,Tb等のCe,Tb付活硼酸塩蛍光剤、Ca8Mg(SiO44Cl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光剤、(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In)24:Eu等のEu付活チオアルミネート蛍光剤やチオガレート蛍光剤、(Ca,Sr)8(Mg,Zn)(SiO44Cl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロ珪酸塩蛍光剤、M3Si694:Eu、M3Si6122:Eu(但し、Mはアルカリ土類金属元素を表わす。)等のEu付活酸窒化物蛍光剤等を用いることも可能である。
また、緑色蛍光剤としては、ピリジン−フタルイミド縮合誘導体、ベンゾオキサジノン系、キナゾリノン系、クマリン系、キノフタロン系、ナルタル酸イミド系等の蛍光色素、テルビウム錯体等の有機蛍光剤を用いることも可能である。
以上例示した緑色蛍光剤は、何れか一種のみを使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(橙色ないし赤色蛍光剤)
該橙色ないし赤色蛍光剤の発光ピーク波長は、通常570nm以上、好ましくは580nm以上、より好ましくは585nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。
このような橙色ないし赤色蛍光剤としては、例えば、赤色破断面を有する破断粒子から構成され、赤色領域の発光を行う(Mg,Ca,Sr,Ba)2Si5N8:Euで表わされるユーロピウム賦活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光剤、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、赤色領域の発光を行う(Y,La,Gd,Lu)22S:Euで表わされるユーロピウム賦活希土類オキシカルコゲナイド系蛍光剤等が挙げられる。
また、赤色蛍光剤の発光ピークの半値幅としては、通常1nm〜50nmの範囲である
また、赤色蛍光剤は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のもの
であり、メジアン径D50は通常1μm程度である。
更に、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、及びMoよりなる群から選ばれる少なくも1種類の元素を含有する酸窒化物及び/又は酸硫化物を含有する蛍光剤であって、Al元素の一部又は全てがGa元素で置換されたアルファサイアロン構造をもつ酸窒化物を含有する蛍光剤も用いることができる。なお、これらは酸窒化物及び/又は酸硫化物を含有する蛍光剤である。
また、そのほか、赤色蛍光剤としては、(La,Y)22S:Eu等のEu付活酸硫化物蛍光剤、Y(V,P)O4:Eu、Y23:Eu等のEu付活酸化物蛍光剤、(Ba,Mg)2SiO4:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光剤、LiW28:Eu、LiW28:Eu,Sm、Eu229、Eu229:Nb、Eu229:Sm等のEu付活タングステン酸塩蛍光剤、(Ca,Sr)S:Eu等のEu付活硫化物蛍光剤、YAlO3:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光剤、Ca28(SiO462:Eu、LiY9(SiO462:Eu、(Sr,Ba,Ca)3SiO5:Eu、Sr2BaSiO5:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光剤、(Y,Gd)3Al512:Ce、(Tb,Gd)3Al512:Ce等のCe付活アルミン酸塩蛍光剤、(Mg,Ca,Sr,Ba)2Si5(N,O)8:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)Si(N,O)2:Eu、(Mg,Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Eu等のEu付活酸化物、窒化物又は酸窒化物蛍光剤、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光剤、Ba3MgSi28:Eu,Mn、(Ba,Sr,Ca,Mg)3(Zn,Mg)Si28:Eu,Mn等のEu,Mn付活珪酸塩蛍光剤、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn等のMn付活ゲルマン酸塩蛍光剤、Eu付活αサイアロン等のEu付活酸窒化物蛍光剤、(Gd,Y,Lu,La)23:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸化物蛍光剤、(Gd,Y,Lu,La)22S:Eu,Bi等のEu,Bi付活酸硫化物蛍光剤、(Gd,Y,Lu,La)VO4:Eu,Bi等のEu,Bi付活バナジン酸塩蛍光剤、SrY24:Eu,Ce等のEu,Ce付活硫化物蛍光剤、CaLa24:Ce等のCe付活硫化物蛍光剤、(Ba,Sr,Ca)MgP27:Eu,Mn、(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)227:Eu,Mn等のEu,Mn付活リン酸塩蛍光剤、(Y,Lu)2WO6:Eu,Mo等のEu,Mo付活タングステン酸塩蛍光剤、(Ba,Sr,Ca)xSiyNz:Eu,Ce(但し、x、y、zは、1以上の整数を表わす。)等のEu,Ce付活窒化物蛍光剤、(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO46(F,Cl,Br,OH):Eu,Mn等のEu,Mn付活ハロリン酸塩蛍光剤、((Y,Lu,Gd,Tb)1-x-yScxCey)2(Ca,Mg)1-r(Mg,Zn)2+rSiz-qGeqO12+δ等のCe付活珪酸塩蛍光剤等を用いることも可能である。
赤色蛍光剤としては、β−ジケトネート、β−ジケトン、芳香族カルボン酸、又は、ブレンステッド酸等のアニオンを配位子とする希土類元素イオン錯体からなる赤色有機蛍光剤、ペリレン系顔料(例えば、ジベンゾ{[f,f’]−4,4’,7,7’−テトラフェニル}ジインデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン)、アントラキノン系顔料、レーキ系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、フタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、インダンスロン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料を用いることも可能である。
以上の中でも、赤色蛍光剤としては、(Ca,Sr,Ba)2Si5(N,O)8:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O)2:Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Ce、(Sr,Ba)3SiO5:Eu、(Ca,Sr)S:Eu、(La,Y)22S:Eu又はEu錯体を含むことが好ましく、より好ましくは(Ca,Sr,Ba)2Si5(N,O)8:Eu、(Ca,Sr,Ba)Si(N,O)2:Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Eu、(Ca,Sr,Ba)AlSi(N,O)3:Ce、(Sr,Ba)3SiO5:Eu、(Ca,Sr)S:Eu又は(La,Y)22S:Eu、もしくはEu(ジベンゾイルメタン)3・1,10−フェナントロリン錯体等のβ−ジケトン系Eu錯体又はカルボン酸系Eu錯体を含むことが好ましく、(Ca,Sr,Ba)2Si5(N,O)8:Eu、(Sr,Ca)AlSi(N,O):Eu又は(La,Y)22S:Euが特に好ましい。
また、以上例示の中でも、橙色蛍光剤としては(Sr,Ba)3SiO5:Euが好ましい。
なお、橙色ないし赤色蛍光剤は、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(青色蛍光剤)
青色蛍光剤の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上、また、通常490nm以下、好ましくは480nm以下、より好ましくは470nm以下、更に好ましくは460nm以下の波長範囲にあることが好適である。
また、青色蛍光剤の発光ピークの半値幅としては、通常20nm〜80nmの範囲である。
また、青色蛍光剤は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のものであり、メジアン径D50は通常1μm程度である。
このような青色蛍光剤としては、規則的な結晶成長形状としてほぼ六角形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行う(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Euで表わされるユーロピウム賦活バリウムマグネシウムアルミネート系蛍光剤、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行う(Mg,Ca,Sr,Ba)5(PO43(Cl,F):Euで表わされるユウロピウム賦活ハロリン酸カルシウム系蛍光剤、規則的な結晶成長形状としてほぼ立方体形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行う(Ca,Sr,Ba)259Cl:Euで表わされるユウロピウム賦活アルカリ土類クロロボレート系蛍光剤、破断面を有する破断粒子から構成され、青緑色領域の発光を行う(Sr,Ca,Ba)Al24:Eu又は(Sr,Ca,Ba)4Al1425:Euで表わされるユウロピウム賦活アルカリ土類アルミネート系蛍光剤等が挙げられる。
また、そのほか、青色蛍光剤としては、Sr227:Sn等のSn付活リン酸塩蛍光剤、(Sr,Ca,Ba)Al24:Eu又は(Sr,Ca,Ba)4Al1425:Eu、BaMgAl1017:Eu、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu、BaMgAl1017:Eu,Tb,Sm、BaAl813:Eu等のEu付活アルミン酸塩蛍光剤、SrGa24:Ce、CaGa24:Ce等のCe付活チオガレート蛍光剤、(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu,Mn等のEu,Mn付活アルミン酸塩蛍光剤、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu、(Ba,Sr,Ca)5(PO43(Cl,F,Br,OH):Eu,Mn,Sb等のEu付活ハロリン酸塩蛍光剤、BaAl2Si28:Eu、(Sr,Ba)3MgSi28:Eu等のEu付活珪酸塩蛍光剤、Sr227:Eu等のEu付活リン酸塩蛍光剤、ZnS:Ag、ZnS:Ag,Al等の硫化物蛍光剤、Y2SiO5:Ce等のCe付活珪酸塩蛍光剤、CaWO4等のタングステン酸塩蛍光剤、(Ba,Sr,Ca)BPO5:Eu,Mn、(Sr,Ca)10(PO46・nB23:Eu、2SrO・0.84P25・0.1623:Eu等のEu,Mn付活硼酸リン酸塩蛍光剤、Sr2Si382SrCl2:Eu等のEu付活ハロ珪酸塩蛍光剤、SrSi9Al19ON31:Eu、EuSi9Al19ON31等のEu付活酸窒化物蛍光剤、La1-xCexAl(Si6-zAlz)(N10-zOz)(ここで、x、及びyは、それぞれ0≦x≦1、0≦z≦6を満たす数である。)、La1-x-yCexCayAl(Si6-zAlz)(N10-zOz)(ここで、x、y、及びzは、それぞれ、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦6を満たす数である。)等のCe付活酸窒化物蛍光剤等を用いることも可能である。
また、青色蛍光剤としては、例えば、ナフタル酸イミド系、ベンゾオキサゾール系、スチリル系、クマリン系、ピラリゾン系、トリアゾール系化合物の蛍光色素、ツリウム錯体等の有機蛍光剤等を用いることも可能である。
以上の例示の中でも、青色蛍光剤としては、(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46(Cl,F)2:Eu又は(Ba,Ca,Mg,Sr)2SiO f14:Euを含むことが好ましく、(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Eu、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46(Cl,F)2:Eu又は(Ba,Ca,Sr)3MgSi28:Euを含むことがより好ましく、BaMgAl1017:Eu、Sr10(PO46(Cl,F)2:Eu又はBa3MgSi28:Euを含むことがより好ましい。また、このうち照明用途及びディスプレイ用途としては(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu又は(Ca,Sr,Ba)MgAl1017:Euが特に好ましい。
なお、青色蛍光剤は、1種のみを用いても良く、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
(黄色蛍光剤)
黄色蛍光剤の発光ピーク波長は、通常530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上、また、通常620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にあることが好適である。
また、黄色蛍光剤の発光ピークの半値幅としては、通常60nm〜200nmの範囲である。
また、黄色蛍光剤は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のものであり、メジアン径D50は通常1μm程度である。
このような黄色蛍光剤としては、各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光剤が挙げられる。
特に、RE3512:Ce(ここで、REは、Y、Tb、Gd、Lu、及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わし、Mは、Al、Ga、及びScからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わす。)やMa3Mb2Mc312:Ce(ここで、Maは2価の金属元素、Mbは3価の金属元素、Mcは4価の金属元素を表わす。)等で表わされるガーネット構造を有するガーネット系蛍光剤、AE2MdO4:Eu(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg、及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わし、Mdは、Si、及び/又はGeを表わす。)等で表わされるオルソシリケート系蛍光剤、これらの系の蛍光剤の構成元素の酸素の一部を窒素で置換した酸窒化物系蛍光剤、AEAlSi(N,O)3:Ce(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わす。)等のCaAlSiN3構造を有する窒化物系蛍光剤等のCeで付活した蛍光剤が挙げられる。
また、その他、黄色蛍光剤としては、CaGa24:Eu、(Ca,Sr)Ga24:Eu、(Ca,Sr)(Ga,Al)24:Eu等の硫化物系蛍光剤、Cax(Si,Al)12(O,N)16:Eu等のsialon構造を有する酸窒化物系蛍光剤等のEuで付活した蛍光剤、(M1-a-bEuaMnb)2(BO31-p(PO4)pX(但し、Mは、Ca、Sr、及びBaからなる群より選ばれる1種以上の元素を表し、Xは、F、Cl、及びBrからなる群より選ばれる1種以上の元素を表わす。a、b、及びpは、各々、0.001≦a≦0.3、0≦b≦0.3、0≦p≦0.2を満たす数を表わす。)等のEu付活又はEu,Mn共付活ハロゲン化ホウ酸塩蛍光剤等を用いることも可能である。
また、黄色蛍光剤としては、例えば、brilliant sulfoflavine FF (Colour Index Number 56205)、basic yellow HG (Colour Index Number 46040)、eosine (Colour Index Number 45380)、rhodamine 6G (Colour Index Number 45160)等の蛍光染料等を用いることも可能である。
さらには、ビス(トリアジニルアミノ)スチルベンジスルホン酸誘導体やビススチリルビフェニル誘導体(紫外線励起400〜450nm蛍光発光)等を用いることもできる。
特に、ナノ蛍光剤:Siナノ蛍光剤、ZnSナノ蛍光剤、YAG:Ceナノ蛍光剤、LaPO4:Lnナノ蛍光剤、色素ドープシリカナノ蛍光剤、半導体ナノ粒子、CdSe−ZnS量子ドット等は、その粒径がホログラムレリーフのレリーフ周期よりはるかに小さいため、そのレリーフ面上へ均一に形成でき、かつ、形成厚さも制御しやすいため特に好適である。半導体薄膜の極微細加工により形成する場合は、高精度且つ、極薄膜で形成可能であり、発光光の波形や、強度を制御して、その干渉性を向上させることができる。
蛍光性半導体量子ドットにおいては、中心核(コア)は、例えば、セレン化カドミウム(CdSe)でできており、その外側を硫化亜鉛(ZnS)の被覆層(シェル)が覆っている構造をしている。この金属化合物の直径を変えることで、発する蛍光波長が変わる特徴を持つ。この量子ドットの周囲に生体高分子を配置したものは、生体高分子特有の反応基を有するため、この反応基を利用して蛍光剤を特異的に配置させることが可能である。
紫外線発光蛍光剤としては、紫外線により励起され、これよりも低いエネルギー準位に戻る時に発する蛍光スペクトルのピークが、青、緑、赤等の波長域にあるものである。そして、このような紫外線発光蛍光剤としては、例えばCa259 Cl:Eu2+,CaWO4 ,ZnO:Zn,Zn2 SiO4 :Mn、Y22 S:Eu,ZnS:Ag,YVO4 :Eu、Y23 :Eu,Gd22 S:Tb,La22S:Tb,Y3 Al512:Ce等があり、これらを単体として使用するか、またはこれらを数種、適当な割合で混合して使用する。
これらは、蛍光スペクトルのピークを、青、赤、緑の波長領域以外に有するものである。また、インキ中の紫外線蛍光発光体の重量率は、少なくとも受光素子による蛍光の検知が可能であればよい。
一方、赤外線発光蛍光剤としては、波長λ1の励起光を受けて、波長λ2の可視光を発光する特性を有し、λ1>λ2なる性質を有するものがある。そして、このような赤外線発光蛍光剤としては、例えば組成が YF3 :Yb,Er,ZnS:CuCO等がある。
さらに、具体的例として、BASF社製ルモゲンFVヴァイオレット570(ナフタルイミド:374nm→413nm)、ルモゲンFイエロー083(ペリレン:励起波長476nm→発光波長490nm:以下同じ。)、ルモゲンFオレンジ(ペリレン:525nm→539nm)、ルモゲンFレッド305(ペリレン:578nm→613nm)等、
デイグロ社製蛍光顔料:グロプリルT/GTシリーズ、ACTシリーズ、Z/ZQシリーズ、GPLシリーズ、LHYシリーズ、蛍光染料:ダイブライトD−818ロアノークイエロー、D−784アルパータイエロー、D−208アパツチイエロー、D−288チェロキーレツド、D−688コロラドレツド、D−298コロンビアブルー等、
シンロイヒ社製蛍光顔料:シンロイヒカラーFZ−2000シリーズ(FZ−2001RED等)、FZ-2800シリーズ(FZ−2808Blue等)、SX−100シリーズ(SX−104Orange等)、SX−1000シリーズ(SX−1004Orange、SX−1005Lemon Yellow、SX−1007Pink、SX−1037Magenta:平均粒径1.0μm以下)、SW−10シリーズ(SW−11Red Orange、SW−12NGreen、SW−13Red、SW−14NOrange、SW−15N Lemon Yellow、SW−16N Orange Yellow、SW−07Cerise、SW−17Pink、SW−27Rose、SW−37Rubine、SW−47Violet、SW−28Blue:平均粒径1.0μm以下)、SPシリーズ、SF−3000シリーズ(超微粒子タイプ)、SF−5000シリーズ(超微粒子タイプ)、SF−8000シリーズ(超微粒子タイプ)、ルミライトナノRY202(粒径30nm、365〜370nm→619nm)等、
モリテッククス社製:蛍光粒子(グリーン:468nm→508nm)G25(粒径0.03μm)、G40(粒径0.04μm)、G50(粒径0.05μm)、G75(粒径0.07μm)、G85(粒径0.09μm)、G100(粒径0.10μm)、G140(粒径0.14μm)、G200(粒径0.20μm)、G250(粒径0.25μm)、G300(粒径0.30μm)、G400(粒径0.40μm)、G450(粒径0.45μm)、G500(粒径0.50μm)、
蛍光粒子(グリーン:360nm→530nm)34−1(平均粒径3.0μm)、
蛍光粒子(ブルー:365nm→447nm)B50(粒径0.05μm)、B100(粒径0.10μm)、B150(粒径0.14μm)、B200(粒径0.20μm)、B300(粒径0.30μm)、B400(粒径0.40μm)、B500(粒径0.50μm)、
蛍光粒子(レッド:542nm→612nm)B50(粒径0.05μm)、B60(粒径0.05μm)、B100(粒径0.10μm)、B160(粒径0.16μm)、B200(粒径0.20μm)、B300(粒径0.30μm)、B400(粒径0.40μm)、B500(粒径0.50μm)等、
テールナビ社製 紫外線励起蛍光顔料UVP−1(発光波長421nm)、UVB−1(発光波長453nm)、UVG−2(発光波長517nm)、UVR−2(発光波長626nm)、可視光励起蛍光顔料LMS−570(450〜520nm→570nm)、LMS−560(450〜467nm→560nm)、LMS−550(450〜465nm→550nm)、LMS−540(450〜465nm→540nm)等、
イントロジェン社製Qdot525ナノクリスタル(350〜488nm→525nm)、Qdot565ナノクリスタル(350〜488nm→565nm)、Qdot585ナノクリスタル(350〜488nm→585nm)、Qdot605ナノクリスタル(350〜488nm→605nm)、Qdot625ナノクリスタル(350〜488nm→625nm)、Qdot655ナノクリスタル(350〜488nm→655nm)、Qdot705ナノクリスタル(350〜488nm→705nm)、Qdot800ナノクリスタル(350〜488nm→800nm)等、
エヴィデントテクノロジーズ社製エヴィドット:CdSe/ZnSコアシェルエヴィドット(平均粒径7.2〜9.6nmで発光波長490nm〜620nm)等、
日本カンタムデザイン社製量子ドット:カルボキシル基タイプ、アミノ基タイプ:直径3.0nm〜直径8.3nmで発光波長530nm〜620nm等を好適にもちいることができる。
この蛍光パターン層5を粘着層6側からも秘匿するために、上記した紫外線吸収剤等を粘着層6に混入させる場合には、粘着層6に用いる樹脂に対して、1.0%〜50%質量部混入させることができる。
この割合が、1.0%未満では、秘匿性が不十分となり、50%を超えると、粘着力の低下を招く。
(粘着層)
上記した、剥離層4上に、その剥離層4上に設けてある蛍光パターン層5を覆うように、粘着層6を設ける。
もしくは、適宜な剥離シート上に粘着層6を設け、その粘着層6上に、蛍光パターン層5を設け、その蛍光パターン層5を覆うように、粘着層6の上にレリーフホログラム形成層2を設ける手順としてもよい。(図1〜3参照。適宜な剥離シートは図示していない。)
粘着層6としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリルさんメチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。
粘着層6に用いられる溶剤としては、溶剤類、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジイソブチルケトン、等。)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等、さらにはその水溶液。)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソNo.100、ソルベッソNo.150、カクタスP−180等。)、環状炭化水素類(シクロヘキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セルソルブ、エチルー3−エトキシプロピオネート等。)、エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、t−ブチルセロソルブ等。)等を用いることができる。
粘着層6の形成厚さは、10μm〜60μmとする。
粘着層6の形成方法としては、グラビアコート、ロールコート、コンマコートなどの方法で、剥離層4上に、塗布し乾燥して形成することができる。
また、より精密な印刷を要する場合には、ステンレススクリーン印刷方法や、活版印刷方式、オフセット印刷方式、フォトレジスト処理方式等を用いることができる。(図1〜図3参照。)
粘着層6の粘着力は、剥離層4との界面の剥離強度として、及び、蛍光パターン層5との界面の剥離強度として、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、1.0〜3.0kg/25mm巾の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。
特に、基材9及び基材9上の「秘密情報」10形成部との粘着力は、本発明の目的より、本発明のスクラッチラベルH、または、H´を基材9及び基材9上の「秘密情報」10形成部から剥がすことが困難となるレベルまで大きいものとする必要があるが、その粘着層6と基材9及び基材9上の「秘密情報」10形成部との界面の剥離強度よりも、粘着層6と剥離層4との界面の剥離強度を、より大きいものとなるように設計する。
このようにして形成した本発明のスクラッチラベルH、または、H´を、ある目的で使用するスクラッチカード8の基材9の所定の位置に貼着した。(図4参照。)
この際、基材9上の所定の位置に、「秘密情報」10として、連続数字1〜8が印字されており(図5参照。図5には、その所定の位置を示す枠が便宜上表示されている。)、その「秘密情報」10を覆うように、本発明のスクラッチラベルH、またはH´を貼着する。
また、本発明のスクラッチラベルH、または、H´のスクラッチ隠蔽層1上に、幾何学模様からなる地紋印刷11を施したものを、スクラッチカード8の基材9上に貼着した。(図6参照。)
いずれの場合も、目視では、本発明のスクラッチラベルH、またはH´をで覆われた「秘密情報」10を、視認することはできず、また、これらの外観からは、そのスクラッチラベルH、またはH´の中にレリーフホログラム形成層2が存在することはとても知り得ない状態であった。
そして、本発明のスクラッチラベルH、またはH´のスクラッチ隠蔽層1、もしくは、地紋印刷11とスクラッチ隠蔽層1を、コインを用いて部分的に削り取ると、その削り取った領域から、その下に隠れていた「秘密情報」10を視認できるようになった。
但し、この段階でも、そのスクラッチラベルH、またはH´の中にレリーフホログラム形成層2が存在することは知り得ず、さらに、削り残ったスクラッチ隠蔽層1及びレリーフホログラム形成層2を剥がして、初めて、剥離層4の上のホログラムレリーフ3(レリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3が転写形成されている。)が露出し、「秘密情報」10、及び、レリーフホログラム形成層2のレリーフホログラム再生像を同時に視認することができた。(スクラッチ隠蔽層1及びレリーフホログラム形成層2を剥がして、剥離層4の上のホログラムレリーフ3が露出する状態を図3に示す。)
さらに、この露出した剥離層4に向けて、ブラックライトを照射すると、上記した、「秘密情報」10、剥離層4の上のホログラムレリーフ3によるレリーフホログラム再生像に加えて、蛍光パターン層5が蛍光発光したことによる「パターン」を視認できた。(ブラックライトの照射や、蛍光発光した「パターン」は図示せず。)
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)
スクラッチカード8の基材9として、厚さ188μmの乳白ポリエチレンテレフタレートシート(カードサイズ)に、所定のデザインをオフセット印刷にて施し、(図4参照。)、インクジェットプリンターにて、基材9の所定の領域に、「秘密情報」10として、「12345678」の番号(各数字文字の高さ4mm、幅2mm、文字間隔1mmm。)を印字した。
これとは別に、表面をフッ素樹脂にて離形処理し、且つ、粗面化処理を施した38μm厚さの透明ポリエチレンテレフタレートシート(表面粗さを3μm〜10μmとした剥離性フィルム。)上に、下記組成のスクラッチ隠蔽層1用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて形成し、乾燥後の厚さとして、スクラッチ隠蔽層1を30μmの厚さで形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
<スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料ノンリーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 40部
顔料リーフィングアルミペースト アルミニウム微粉末 10部
イソシアネート系硬化剤 1部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 9部
次いで、このスクラッチ隠蔽層1上に、表面平滑性の高い(平均表面粗さRaが0.1μm。)ステンレス金属ロール板を用いて、100℃の加熱、100kg/cmの線圧にてカレンダー処理を施して、スクラッチ隠蔽層1の表面を平滑とし、その上に、下記組成のレリーフホログラム形成層2用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、レリーフホログラム形成層2を10μmの厚さで形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
<レリーフホログラム形成層2用インキ組成物>
メラミン樹脂 30部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 3部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 17部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
ここで、レーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高いホログラム(レリーフホログラム)を備えたNi原版を用意し、上記したレリーフホログラム形成層2に、そのNi原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m、原版面温度100℃、加圧シリンダー径0.3m、水冷式、圧力2000kg/m、複製速度10m/分)にて、ホログラムレリーフ3(Ni原版のレリーフ形状)をレリーフホログラム形成層2上に形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
そして、そのレリーフホログラム形成層2のホログラムレリーフ3面上に、そのホログラムレリーフ3を埋めるように、下記組成の剥離層4用インキ組成物をステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、剥離層4を30μmの厚さとした後、さらに、その露出面側から、2.0kg/1cmロール幅の線圧を掛けるロールプレス処理によりプレスして、剥離層4のホログラムレリーフ3への追従性を高めた。(図1参照。剥離性フィルム、及び、ロールプレス処理は図示せず。)
・<剥離層4用インキ組成物>
酢酸セルロース 30部
イソプロピルアルコール 20部
酢酸エチル 30部
エチルセルソルブ 20部
そして、その剥離層4上に、下記組成の蛍光パターン層5用インキ組成物を、ステンレススクリーン印刷方式にて、タテ5mm×ヨコ10mmのサイズの「不」及び「正」の2文字を、文字状「パターン」で、乾燥後の厚さで5.0μmに形成した。(図1参照。「パターン」や、剥離性フィルムは図示せず。)
・<蛍光パターン層5用インキ組成物>
塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体 30部
蛍光剤:テールナビ社製 紫外線励起蛍光顔料UVR−2(蛍光発光色:赤色)3部
キシレンジイソシアネート 0.1部
イソプロピルアルコール 20部
酢酸エチル 30部
エチルセルソルブ 20部
次に、この蛍光パターン層5を覆うように、剥離層4の上に、下記組成の粘着層6用粘着剤組成物をステンレススクリーン印刷方式にて、形成し、乾燥後の厚さとして、粘着層6を、30μmの厚さで形成した。(図1参照。剥離性フィルムは図示せず。)
・<粘着層6用粘着剤組成物>
酢酸ビニル−アクリル共重合体 30部
イソホロンジイソシアネート 0.1部
トルエン 10部
イソプロピルアルコール 20部
酢酸エチル 30部
エチルセルソルブ 10部
このスクラッチ隠蔽層1、レリーフホログラム形成層2、剥離層4、蛍光パターン層5、及び、粘着層6の積層物を、タテ10mm×横30mmのサイズにカットし、剥離性フィルムから剥離して、本発明の第1実施例のスクラッチラベルHを得た。(図1参照。)
このスクラッチラベルHを、最初に準備してあった、スクラッチカード8の基材9上の所定の位置に、その基材9上に印字してある「秘密情報」10を覆うように、貼着したところ、スクラッチカード8上にて、「銀色のラベル」を観察できるのみであり、その下、及びその中に形成されている、「秘密情報」10や、ホログラムの存在を窺い知ることはできなかった。(図4参照。)
次いで、このスクラッチカード8上の「銀色のラベル」をコインで引っ掻くと、スクラッチ隠蔽層1が部分的に削れ、その削れた部分から、「秘密情報」10の一部を視認できたが、やはり、この段階でも、ホログラムの存在を窺い知ることはできなかった。(図示せず。)
次いで、その「銀色のラベル」部分の断面に爪を引っ掻けるようにして、剥がす行為をしたところ、レリーフホログラム形成層2と剥離層4の界面から剥離が生じ、「削り残ったスクラッチ隠蔽層1とレリーフホログラム形成層2」の積層部分が剥がれ(図3参照。但し、この図3は、スクラッチ隠蔽層1を削らずに界面剥離を発生させた図となっている。)、剥離層4に転写したホログラムレリーフ3によるレリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」が出現して、「秘密情報」10とそのホログラム形成層を同時に視認できるものとなり、さらに、その剥離層4の露出面に、ブラックライト蛍光管40Wタイプを用いて紫外線を照射したところ、蛍光パターン層5の文字状「パターン」である「不正」の文字が赤色に蛍光発光して、「秘密情報」10、レリーフホログラム再生像「意匠性の高いホログラム」に重ねて、その赤色の文字を確認でき、この「銀色のラベル」を偽造することは、困難と思われた。(図示せず。)
(実施例2)
実施例1のスクラッチ隠蔽層1のレリーフホログラム形成層2と接している面とは反対の面に、昇華転写プリンターにて幾何学模様からなる黄色の地紋印刷11を行った。(この印刷面は、剥離性フィルムと接していた面であり、剥離フィルムを剥離後に形成した。)こと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のスクラッチラベルHを得た。(図1、図4及び図6参照。)
このスクラッチカード8上のスクラッチラベルHを実施例1と同様に評価したところ、地紋印刷11が独特の風合いを呈して金色に観察されたこと、及び、コインでスクラッチしたところ、地紋印刷11とスクラッチ隠蔽層1が同時に削れ、このラベルの偽造が、より困難と思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例3)
実施例1において、剥離フィルムを用いずに、透明基材7として、厚さ16μmの透明ポリエチレンテレフタレートシートを用い(図2参照。)、その一方の面に、スクラッチ隠蔽層1を同様の方法、及び、同様の厚さで形成し、その他方の面に、レリーフホログラム形成層2をやはり同様の方法、同様の厚さで形成後、同様のホログラム複製方法でその表面にホログラムレリーフ3を形成し、そのホログラムレリーフ3面上に、剥離層4、及び、粘着層6を同様の方法、同様の厚さで形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のスクラッチラベルH´を得た。(図2及び図4参照。)
このスクラッチカード8上のスクラッチラベルH´を実施例1と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、スクラッチ隠蔽層1が、その透明基材7面から削り残渣が残らずきれいに除去でき、スクラッチオフが安定して実施できると思われたこと、及び、そのため、「秘密情報」10が、より鮮明となっており、偽造防止性が高まったと思われたこと、また、「削り残ったスクラッチ隠蔽層1と、透明基材7及びレリーフホログラム形成層2」の積層部分を剥がそうとしたときに、比較的容易に剥がすことができたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例4)
実施例1のレリーフホログラム形成層2、及び、剥離層4として、下記組成のインキ組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のスクラッチラベルHを得た。(図1及び図4参照。)
<レリーフホログラム形成層2用インキ組成物>
ポリブチルアクリレート(n=1.44) 30部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 3部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 17部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
・<剥離層4用インキ組成物>
シリコン樹脂(屈折率n=1.44) 30部
酢酸エチル 10部
イソプロピルアルコール 35部
ブチルセルソルブ 25部
このスクラッチカード8上のスクラッチラベルHを実施例1と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、太陽光の下で観察しても、ホログラムレリーフ3によるレリーフホログラム再生像全く発生せず、偽造防止性が非常に高まったと思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例5)
実施例1のレリーフホログラム形成層2、及び、剥離層4として、下記組成のインキ組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5のスクラッチラベルHを得た。(図1及び図4参照。)

<レリーフホログラム形成層2用インキ組成物>
ポリブチルアクリレート(n=1.44) 30部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 3部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 17部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
・<剥離層4用インキ組成物>
シリコン樹脂(屈折率n=1.54) 30部
酢酸エチル 10部
イソプロピルアルコール 35部
ブチルセルソルブ 25部
このスクラッチカード8上のスクラッチラベルHを実施例1と同様に評価したところ、コインでスクラッチした際に、室内蛍光灯を近づけて観察しても、ホログラムレリーフ3によるレリーフホログラム再生像は視認できず、偽造防止性が高まったと思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例6)
実施例1のレリーフホログラム形成層2、及び、剥離層4として、下記組成のインキ組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6のスクラッチラベルHを得た。(図1及び図4参照。)
<レリーフホログラム形成層2用インキ組成物>
ポリブチルアクリレート(n=1.44) 30部
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 3部
トルエン 10部
メチルアルコール 10部
イソプロピルアルコール 17部
エチルセルソルブ 20部
ブチルセルソルブ 10部
・<剥離層4用インキ組成物:屈折率n=1.71の高屈折率透明樹脂層>
ウレタン樹脂(屈折率n=1.60) 30質量部
超微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.001μm、屈折率n=2.10)
6部
酢酸エチル 5部
イソプロピルアルコール 34部
ブチルセルソルブ 25部
このスクラッチカード8上のスクラッチラベルHを実施例1と同様に評価したところ、スクラッチ隠蔽層1とレリーフホログラム形成層2を剥がした際に出現したレリーフホログラム再生像が、より鮮明となっており、偽造防止性が高まったと思われたこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。(図示せず。)
(実施例7)
実施例1において、下記組成のスクラッチ隠蔽層1用インキ組成物を用いて、同様の方式、同様の厚さで、スクラッチ隠蔽層1を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7のスクラッチラベルHを得た。(図1参照。)
<スクラッチ隠蔽層1用インキ組成物>
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体 20部
アクリル樹脂 5部
顔料アルミペースト アルミニウム微粉末(平均粒径8μm) 30部
微粒子酸化ジルコニウム(平均粒径:0.01μm) 20部
シリコーンオイル 5部
トルエン 10部
酢酸エチル 5部
エチルセルソルブ 5部
このスクラッチカード8上のスクラッチラベルHを実施例1と同様に評価し、さらに、そのスクラッチラベルHを剥がそうとしたところ、実施例1と同様の良好な結果に加え、スクラッチ隠蔽層1のスクラッチオフしていない部分に「剥離痕」が発生したことから、このラベルの偽造が非常に困難であると思われた。(図示せず。)
(比較例)
実施例1において、レリーフホログラム形成層2を設けず、スクラッチラベルを形成したこと以外は、実施例1と同様にして比較例のスクラッチラベルを得た。
このスクラッチラベルを実施例1と同様に評価したところ、スクラッチオフにより、「秘密情報」10を視認することはできたが、ホログラム再生像は出現せず、また、ブラックライトを照射しても何らの「パターン」も現れず、通常のスクラッチラベルと判明し、容易に偽造が可能と推定された。
H、H´ スクラッチラベル
1 スクラッチ隠蔽層
2 レリーフホログラム形成層
3 レリーフホログラム形成層のホログラムレリーフ
4 剥離層
5 蛍光パターン層
6 粘着層
7 透明基材
8 スクラッチカード
9 基材
10 「秘密情報」
11 地紋印刷

Claims (6)

  1. 基材上に設けられた秘密情報を隠蔽するスクラッチラベルであって、
    スクラッチ隠蔽層、光安定剤を含むレリーフホログラム形成層、剥離層、蛍光パターン層、及び、前記蛍光パターン層を覆うように前記剥離層上に粘着層がこの順序で積層され、
    前記スクラッチ隠蔽層をスクラッチにより除去することにより、前記秘密情報が視認可能となり、且つ、前記レリーフホログラム形成層と前記剥離層の界面で剥離が生じることによって、前記レリーフホログラム形成層から再生されるレリーフホログラム再生像が視認可能になると、同時に、紫外線、もしくは、赤外線の照射により前記蛍光パターン層が視認可能になることを特徴とするスクラッチラベル。
  2. 前記スクラッチ隠蔽層の前記レリーフホログラム形成層が形成されている面とは反対の面に、地紋印刷が施されていることを特徴とする請求項1に記載のスクラッチラベル。
  3. 前記スクラッチ隠蔽層とレリーフホログラム形成層との間に、透明基材が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のスクラッチラベル。
  4. 前記剥離層の屈折率が、前記レリーフホログラム形成層の屈折率と同一、もしくは、その屈折率差が、0.1以下であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のスクラッチラベル。
  5. 前記剥離層が高屈折率透明樹脂層であって、前記剥離層の屈折率が、1.7以上であることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のスクラッチラベル。
  6. 前記スクラッチ隠蔽層が、平均粒子径1.0μm〜10μmの顔料及び、平均粒径0.01μm〜0.1μmの微粒子顔料を含んでいることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のスクラッチラベル。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014104643A (ja) * 2012-11-27 2014-06-09 Toray Ind Inc 積層フィルムならびに遮熱部材
WO2017103777A1 (en) * 2015-12-14 2017-06-22 Scientific Games Holdings Limited Instant scratch-off lottery ticket with luminescent security marker
US20230127789A1 (en) * 2021-10-21 2023-04-27 Christine Datte Personal Identification Marking Label Device

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