JP2012203161A - ホログラムラベル - Google Patents

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Abstract

【課題】ホログラムラベルは、被貼着体に貼付後、その被貼着体の真正性を証明するものであるため、不正に剥離されて、真正でない他の被貼着体へ再貼付して使用されることが可能であると、その証明性を維持することができなくなるという課題を有していた。
【解決手段】ホログラムラベルを構成する透明基材の一方の面に活性化処理や不活性化処理を施すことにより、ホログラムラベルを剥そうとすると、透明基材のみが容易に剥離して、所定の文字が表示されるとともに、ホログラム再生像の中にその「パターン」が浮き上がるという効果を持つホログラムラベルとし、例え、その剥がした部分に別のラベルを貼付しても、そのラベルの下から所定の文字が発光し始めることで、貼替え防止効果に優れるホログラムラベルとした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ホログラムラベルに係り、詳しくは、ホログラムの貼り換えなどによる偽造若しくは改竄を困難とする脆性ホログラムを形成するホログラム脆性ラベルに関するものである。
さらに、本発明において、「化学発光材料」とは、「化学発光」を発現する材料を意味する。その「化学発光」とは、化学反応エネルギーが直接電子エネルギーに変換され励起化合物を生成し、これが基底状態にもどる時、励起エネルギーが放出され、蛍光や燐光の形で現われる現象である。
この「化学発光」には、直接、励起生成物が発光する直接化学発光と、混在させた蛍光物質にその励起エネルギーが移動して発光する間接化学発光がある。(本明細書においては、これらを特に区別せず、いずれも「化学発光」と称して説明する。)
間接化学発光の場合には、その蛍光物質として、例えば、エオシンY、アリザリンレッド、プロムチモールブルー、メチルオレンジ、ブリリアントグリーンなどの蛍光染料を添加しておくと、発光する色調を、これらの「蛍光染料の持つ蛍光発光色」に変化させることが可能となる。
本明細書において、配合を示す「部」は特に断わらない限り質量基準である。また、 「ホログラム」はホログラムと、回折格子などの光回折性機能を有するものも含む。
(主なる用途)本発明のホログラムラベルの主なる用途としては、偽造防止分野や意匠用途などに使用されるホログラムラベルであって、具体的には、
(1)製造メーカー純正品等、純正品の認証が意義を持つ種々の商品分野、例えば、電子機器、電気機器、コンピュータ関連製品、及び、それらの構成部品、コンピュータ関連ソフト、純正備品類(用紙やトナーなどのプリンタ消耗品等。)医薬品、医薬部外品もしくは化成品等、
(2)商品そのものが真正品であることを消費者に強く求められる分野、もしくは、ラベルを貼付することで意匠性を高めたり、商品が高価であることを示し、その商品の付加価値を高める分野など、例えば、書籍、文書、講演、演劇、映画、写真、絵画、彫刻、版画、図面、模型等もしくは、それらの編集物、又は記録媒体に記録したもの(ビデオカセット、コンパクトディスク、デジタルビデオディスクなど)等の著作物、所定の設定をされ、変更を防止しているROMボード(コンピューター機器、ゲーム機、遊技機等に用いられるもの。ROMとボードに渡る貼付も含む。)、時計、衣類、バッグ、宝石等宝飾品、スポーツ用品、化粧品、及びそれらの高級ブランド品等、
(3)本人確認の手段(ID証)分野、例えば、パスポート、運転免許証、保険証、会員証、身分証、住民登録証、病院カード、もしくは図書館カード等、
(4)経済秩序を保つ上で真正品であることが求められる分野、例えば、商品券、ギフト券等の金券類、もしくはプリペイドカード、クレジットカード、キャッシュカード等のカード類、
(5)さらには、これらのものを包装し、その包装を封印する分野、例えば、単に保管のため、もしくは郵便物や小荷物として封筒に入れたり、パッケージに入れて配達や配送をする分野、商品をパッケージに入れて販売する分野、単純に包装する分野、それらの封緘シールとして使用する分野、また、それらの説明書や効能書等にその真正性を証明するために貼付する分野等、
に関し、特に、そのホログラムラベルを巧妙に剥がして、そのものの価値を下げられたり、そのホログラムラベルを再利用されることに配慮すべき、もしくは、配慮している分野に好適である。
(先行技術)近年、光の干渉を用いて立体画像を再生し得るホログラムの開発が進められ、このホログラムは高度な製造技術を要するとともに様々な形態、例えばラベル、シール、箔状に形成可能なことから、これを応用し偽造防止手段として、上記分野を含め、様々なものの一部に貼着して使用されている。このホログラムは、一見して本物か否かが判り、しかも上述したように製造が困難であることから、広く利用されるようになってきた。
そしてこれらは物品に貼付された後に剥がされ、悪用されることがないように支持体とホログラム層、或いはこれらの間に設けられた剥離層と支持体またはホログラム層で剥離するようにし、被着物から故意に剥離させた場合にホログラム全体が破壊されるものがある。特に、実公平5−48210号公報に開示されるホログラム脆性シールのように、支持体とホログラム形成層がパターン状剥離層を介して積層され、ホログラム形成上に反射性金属薄膜層、及び接着剤層を順次積層し、使用に際しては所要の大きさ、形状に切断し、証書や身分証明書のような偽造、変造されたくない被着体(被貼着体ともいう。)、または封書等の封印部に加圧により、必要に応じて加熱をしながら貼りつけるものがある。(特許文献1参照。)
このようにして一度被着体に貼りつけられたホログラムラベルは、剥がそうとすると、剥離層部と非剥離層部との境界断面でホログラムが破壊し、支持体上と被着体上にホログラムが分離して残存してしまうのでラベル全体をそつくりそのまま剥がすことができないため、他の物品にホログラムラベルを貼りかえることができず、ホログラム自体の偽造・変造の困難性により、ホログラムラベルが被着体の真正さを保証できる。
従つて、ホログラムラベルが貼つてあつた箇所の記載事項や印影写真等を書替えるのには、ラベルの残存部分を除去する必要があり、偽造、変造が困難である。また、支持体上にはパターン状にしかホログラムが残存しない為、ラベルの貼替えは不可能であり、かつ封印部の開封は被着体にパターン状に残存したホログラムにより容易に認識できうる。
従つて、本考案のホログラムラベルは偽造されたくない被着体への適用は勿論のこと、包装物の封印として適用でき、さらには、ホログラムラベルは美麗により装飾物としても使用できる。
しかしながら、前者の全面破壊型のホログラム脆性シールは、剥がし方によってはホログラム層及び透明反射性薄膜層が破壊されることなく、ホログラムシール全体を完全に剥離させて、その結果再使用できることで悪用されてしまう可能性がある。そのため、ホログラム層や透明反射性薄膜層自体を破壊する方法として上記、実公平5−48210号公報の方法があるが、この方法ではホログラム脆性シールを貼着された状態で見るとホログラム層の上にパターン状の剥離層が設けられているため、そのパターンの存在を容易に目視により判別でき、ホログラムの再生画像の見え方に影響を与えるだけでなく、偽造防止策の存在が明らかになってしまう問題を有する。
この問題を解決するため、特開平8−152842号公報には、脆性剥離層を、透明反射性薄膜層と接着剤層との間に設ける等の方法も提案されているが、いずれも、ホログラム形成層の強度が大きく、基材との接着強度差や、脆性剥離性の存在程度では、ホログラム形成層そのものを破断するに至らないか、破断するものと破断しないものが混在してしまい、その目的を十分に達成できなかった。(特許文献2参照。)
実公平5−48210号公報 特開平8−152842号公報
本発明は、ラベルとしてホログラムラベルを被貼着体に貼付(もしくは貼着ともいう。)する際には、問題なく貼付可能であって、その被貼着体からホログラムラベルを不正に剥そうとすると、ラベル基材のみが剥がれ、その剥した痕跡として、被貼着体側に残ったもの(ホログラム形成層、透明反射性薄膜層、及び粘着層)に、「開封」等の視認可能な明確なメッセージ(パターン)が表示されるホログラムラベルを提供する。
本発明は上記従来の問題点に鑑み為されたものであり、その目的とするところは、不正な剥離行為によるホログラムシールの貼り替えを確実に防止することが可能で、しかも、部分的に脆性破壊する層の存在(部分的に破壊する仕組み)を発見しにくいホログラム脆性シールを提供することにある。
上記の課題を解決するために、
本発明のホログラムラベルの第1の態様は、
パターン状の活性化処理領域を有する透明基材の上に、前記活性化処理領域を覆うように設けられた、ホログラムレリーフを有するホログラム形成層、前記ホログラム形成層の前記ホログラムレリーフに追従するように設けられた透明反射性薄膜層、及び、粘着層がこの順序で設けられ、且つ、前記粘着層が化学発光材料を含むマイクロカプセルを含有していることを特徴とするものである。
上記第1の態様のホログラムラベルによれば、
パターン状の活性化処理領域を有する透明基材の上に、前記活性化処理領域を覆うように設けられた、ホログラムレリーフを有するホログラム形成層、前記ホログラム形成層の前記ホログラムレリーフに追従するように設けられた透明反射性薄膜層、及び、粘着層がこの順序で設けられ、且つ、前記粘着層が化学発光材料を含むマイクロカプセルを含有していることを特徴とするホログラムラベルを提供することができ、
被貼着体に貼着したホログラムラベルを不正に剥離した際に、ホログラム形成層の破断が生じやすく、その破断面から化学発光材料が流出して被貼着体上に付着することで、貼り替え行為を確実に発見でき、しかも、剥離の際に現れるパターンの存在を発見しにくい、ホログラムラベルを提供することができる。
本発明のホログラムラベルの第2の態様は、
前記透明基材上の前記パターン状の活性化処理領域以外の領域が、不活性化処理領域であることを特徴とするものである。
上記第2の態様のホログラムラベルによれば、
前記透明基材上の前記パターン状の活性化処理領域以外の領域が、不活性化処理領域であることを特徴とする第1の態様のホログラムラベルを提供することができ、不正な剥離を行った際のホログラム形成層の破断をより生じやすくすることが可能な、ホログラムラベルを提供することができる。
本発明のホログラムラベルの第3の態様は、
前記パターンは、微細なパターンの集合により構成されているものであることを特徴とするものである。
上記第3の態様のホログラムラベルによれば、
前記パターンは、微細なパターンの集合により構成されているものであることを特徴とする第1の態様または第2の態様のホログラムラベルを提供することができ、不正な剥離を行った際にホログラム形成層の破断がより生じやすく、且つ、剥離の際に表示されるパターンの存在をより発見し難くすることが可能な、ホログラムラベルを提供することができる。
本発明のホログラムラベルの第4の態様は、
前記ホログラム形成層及び/又は粘着層が紫外線吸収剤を含んでいることを特徴とするものである。
上記第4の態様のホログラムラベルによれば、
前記ホログラム形成層及び/又は粘着層が紫外線吸収剤を含んでいることを特徴とする第1から第3の態様のホログラムラベルを提供することができ、化学発光材料の存在を隠ぺいし、不正な剥離が行われた際には、紫外線吸収剤を含む部分が剥離して、化学発光材料を確認し易くなり、不正の存在をより確実に判別することができるホログラムラベルを提供することができる。
すなわち、ホログラムラベルは、透明基材の一方の面に、パターン状の活性化処理領域を有し(さらには、不活性化処理領域をも有し、)、そのパターン状の活性化処理領域を覆うように、その面上に、ホログラムレリーフを有するホログラム形成層、そして、透明反射性薄膜層、化学発光材料を含むマイクロカプセルを含有している粘着層が、この順序で形成され、上記したホログラムラベルの用途において、所望の被貼着体の一部や、封筒等の封緘部分等に貼着される。
このホログラムラベルを、その被貼着体、もしくは、封緘部分から、貼着した痕跡を残さず、ホログラムラベルも完全な元の状態で剥して、不正に準備した別の被貼着体に貼り替えたり、封筒や箱を開封して内容物を取り替えた後、あたかも、その被貼着体や封筒や箱の内容物が本物であると主張したり、逆に、真正なホログラムラベルを剥したものは、本物でないとして、その価値を低下させるなどの不正を防止するためには、
ホログラムラベルの透明基材やホログラム形成層が破断することが望ましいが、ホログラムラベルの基材及び、ホログラム形成層の破断強度は、非常に大きく、ラベルとしての粘着力(JIS Z0237で規定する180°剥離試験にて、0.1〜1.0kg/25mm幅。)では、それらの層を100%破断させることは困難である。
そのため、透明基材の一方の面を活性化処理(表面処理を意味する。以下、同様の意味に用いる。)して、その領域を覆うように形成するホログラム形成層の、その領域内における透明基材とホログラム形成層との接着性を向上させ、0.5kg/25mm幅以上、3.0kg/25mm幅以下の強度(JIS Z0237で規定する180°剥離試験にて。)として、ホログラムラベルを被貼着体から不正に剥がそうとして、透明基材を引き剥がしたときに、その活性化処理部分を「きっかけ」としてホログラム形成層の破断が容易に生じるようにする。また、粘着層に化学発光材料を含むマイクロカプセルを含有させ、粘着層の破断性を増す(粘着層の脆性が増すと同時に、マイクロカプセルの破砕がホログラム形成層や粘着層の破断の「きっかけ」にもなる。)とともに、粘着層の破断面において、そのマイクロカプセルが破れ、その中に含まれている化学発光材料を流出させて、被貼着体上に付着させ、不正が行われた痕跡を残すようにする。
そして、活性化処理する(表面処理を意味する。)「パターン」を、視認可能な所望のパターン状(文字、図形、記号等、視認可能な表示であればいずれも使用できる。代表的には、ホログラムラベルを剥離した証拠を示すという意味で、「開封」等の文字表示をするため、「開封」文字の画線部分を活性化処理する。)に形成する(これが、「パターン状の活性化処理領域」となる。)ことで、その表示を目視にて認識し易くし、且つ、流出し付着した化学発光材料も、以下の可視光発光の仕組みにより可視光を発光し、同一の表示を示すようにすることができる。
化学発光材料による可視光発光の仕組みには、
・空気との接触による自然酸化によりその酸化物が自発的に可視光発光する場合、
・マイクロカプセルに別々に含めた材料が、マイクロカプセルの破壊により、流出して混 合し、反応してその生成物が自発的に可視光発光する場合、
・上記の自然酸化や、反応により発生したエネルギーが、それらの材料中に混入させてあ る「蛍光剤」を励起させて、その蛍光剤が蛍光(燐光を含む。以下、同じ。)を発光す る場合、
・上記反応により、蛍光剤が生成され、その蛍光剤に、外部から紫外線を照射することに より蛍光を発光する場合、
等がある。
(単一の化学発光材料担体による可視光発光現象、または、複数の化学発光材料の混合による複数の可視光発光現象、及び、それらに適合する複数の蛍光剤が混在することによる複数の発光現象が、同時乃至は時間差を有して生じることを含む。)
但し、このような可視光発光は、その「パターン」の隅々まで均一には行き渡らず、離散的な発光状態となることもある(「パターン」の内部が、点々と、部分的に発光している状態を意味する。)が、その離散的な発光であっても、「開封」の文字を認識することは可能である。
また、上記した紫外線吸収剤による紫外線遮蔽効果は、蛍光剤の存在を不正者に知らしめることを防止するとともに、漏れ出た蛍光剤や自然酸化物もしくは生成物が不正者によるチェックで容易に判読されることを防ぐために有用である。
(不正者が不正を行い得る時間に制限があり、不正防止の仕組みを精密分析装置等を用いて分析する余裕はなく、「簡易な方法」、すなわち、携帯用ブラックライトを数秒当てる程度の「チェック」しかできないものと推定される。)
そして、その「パターン」の大きさについては、その表示内容を目視にて視認可能な大きさとするため、「開」という文字であれば、その文字高さを、2mm〜30mmとすることが好適である。
このため、その画線幅は、平均的には、0.1mm〜5mmとなる。
この「パターン状」に、ホログラム形成層を確実に破断させるためには(この破断は、例えば、「開封」の文字を目視にて、「認識可能」であればよく、文字の画線の「とび」や「はね」などの先端まで精密に破断する必要がないことは、その目的から明らかである。)、上記した「きっかけ」が、このパターンの画線領域(特に、その画線の境界部分。)に多数存在することが必要であるため、マイクロカプセルの大きさ(平均粒径を意味する。)は、画線幅の1/10〜1/20の大きさとすることが好ましい。
しかし、厚さが10μm〜60μmの粘着層内にマイクロカプセルを含めるためには、その大きさは、60μm以下とせざるを得ない。(60μmを超える大きさとすると、粘着層から一部はみ出してしまい、粘着層の接着性に悪影響を及ぼす。)
すなわち、画線領域の幅(例えば、「開封」の文字の個々の線の幅の平均値を意味する。)が、0.1mm〜5mmとすると、その1/10〜1/20の大きさとは、0.005mm〜0.5mmを意味するが、粘着層の厚さの制限より、マイクロカプセルの大きさは、0.005mm〜0.06mm(5μm〜60μm)とする。(これは、画線幅を0.1mm〜0.6mmに限定した場合の、その1/10〜1/20の大きさを意味すると捉えることもできる。)
マイクロカプセルの形状は、粒状であり、その大きさの分布は、その製造過程において非常に小さいものから、非常に大きいものまで混在することが避けられないため、遠心分離法や、篩い法等の分級方法により、平均粒径±30%の範囲に全体の粒子の50%(質量部)以上が入るようにすることが好ましい。
そのマイクロカプセルの大きさが、画線幅の1/10より大きいと、ホログラム形成層の破断が生ずべき、パターンの画線の境界部分と、破断の「きっかけ」となるマイクロカプセルの中央部分が位置する可能性が非常に少なくなり(パターンの画線の境界部分にあたる位置にある粘着剤の領域内にマイクロカプセルの中心が存在する確率が減少するという意味。)、マイクロカプセルの破断に寄与する効果が十分に発揮されない。
その意味において、その大きさは、小さい方が望ましいが、画線幅の1/20より小さくなると、例えば最少の画線幅0.1mmに対して、その大きさが0.005mmとなるため、マイクロカプセルそのものを安定して形成することが困難となるだけでなく、マイクロカプセルが含む化学発光材料の量が少なくなり、被貼着体へ付着してそのパターンを表示する効果が不十分となる。
そして、不正な剥離を行ったときには、パターン状の活性化処理領域を有する透明基材に、このパターン状にホログラム形成層が破断して残り、「開封」の文字等を表すことで、その不正行為の存在を示すため、剥離した透明基材(部分的にホログラム形成層や、透明反射性薄膜層が付着。)、もしくは、被貼着体に残った部分(「開封」の文字等が抜き取られた状態のホログラム形成層や、透明反射性薄膜層、及び粘着層からなる。)を一瞥するだけで、容易に、不正判定を行うことができる。
さらに、この被貼着体上に残った部分まで、「粘着剤を溶解可能な溶剤」を用いて除去し、別途、不正に作成したラベル(「偽物」を作成したという意味。)を貼付して、全く不正行為が存在しなかったように見せかける行為に対しても、以下のように、
「開封」等の文字を浮き上がらせることで、その不正を、確実、且つ、容易に判別することが可能となる。
すなわち、
不正者が、不正にホログラムラベルを剥がした後、被貼着体上に残った粘着剤を概ね除去し(不正者が不正を行う時間には制限があるため、粘着剤を完全に除去することは困難と思われる。)、その一部残存した粘着剤上に上記した「偽物」を貼着した後の状況を詳述すると、残存した粘着剤とともに残存する化学発光材料が、ホログラムラベルを不正に剥がした瞬間や、その「偽物」をその残存する粘着剤上に貼った瞬間には、まだ可視光発光が全く出ていないか、または、可視光発光強度が非常に小さいことにより、不正者は、発光する材料の存在に気付かず、不正を成しえたものとして、被貼着体を元の位置に戻すが、
その後の空気酸化や混合反応により、化学発光材料が徐々にその可視光発光強度を増し、その「偽物」の上から、その発光する可視光を容易に判定できる程度となることにより、被貼着体の真の所有者(正規の持ち主という意味。)は、被貼着体から発する「開封」文字状の発光により、不正を容易に発見できるものである。
また、化学発光材料の別の系では、
その残存する化学発光材料が、その後の空気酸化や混合反応により、その化学発光材料に接している「蛍光剤を励起する度合い」が徐々に増加して、その可視光発光強度を徐々に大きくし、その「偽物」の上から、その発光する可視光を容易に判定することが可能となるようになる。
不正者は、上記したように真正なホログラムラベルの粘着剤を概ね除去した後に、その粘着剤の上を覆うようにして、「偽物」であるラベルを貼着するが、その残存した粘着剤と、「偽物」の粘着剤との屈折率がほぼ同一であると、目視では、その界面を視認することができず、一体となって見え、ラベルを貼りかえたことを発見し難いものとなる。
しかし、「偽物」のラベルの粘着剤の下に残存している化学発光材料は、その粘着剤の下で、その空気酸化や混合反応をし続けることができ(被貼着体、残存粘着剤及びラベル粘着剤の間には多数の空隙や、液体が移動可能な界面が存在し、液体状の残存化学発光材料の酸化や、混合反応が停止することなく進むことを意味する。)、貼り替え行為から、数分〜数時間という限られた時間内では、上記のような不正行為を行った不正者自身には気づかれることなく、その貼り替え行為から数十分後〜一日後に、被貼着体の真の所有者が、「偽物」ラベルを貼着した「被貼着体」を確認する際には、その「偽物」ラベルの上からの観察において、「開封」等の文字状の発光を視認でき、容易に不正行為が行われたことを判定することができる。
この不正者が貼り替え行為を行える時間(上記の制限された時間を意味する。)は、被貼着体の性質や用途、及び被貼着体が置かれている環境(監視状況等を意味する。)により変化するが、「数分から10分以内」がほとんどであって、長くても、放置された郵便物等において、せいぜい数時間の猶予を持ち得るものと推定される。
従って、この不正者が貼り替え行為を行える時間に合わせて、上記した発光強度の時間的変化割合(「1時間」等の「単位時間」毎の増加する割合を意味する。)を設定する。
そして、化学発光材料のさらに別の系では、
その残存する化学発光材料が、その後の空気酸化や混合反応により、「蛍光発光性」を発現した場合にも(化学発光材料そのものが、変化して「蛍光剤」となることを意味する。)、その発光性が徐々に強くなることにより(その生成物が増えるという意味。)、その「偽物」の上から、不正者の知りえない特定波長の紫外線を照射して行う判定を容易なものとすることも可能である。
すなわち、特定波長の紫外線を用いて、目視では視認できない、「蛍光を発光するように変化した化学発光材料のパターン」(酸化したり、反応した化学発光材料が、被貼着体上に「パターン」状に滲み込んでいることを意味する。)から蛍光を発光させるものである。
また、上記した活性化処理、すなわち、濡れ性を非常に高める処理や、表面に官能基を創り出す処理等には、レーザー照射、エキシマ光照射、酸素増感エキシマ光照射等の光処理、(オープン)プラズマ処理、コロナ処理、電子線照射処理等の物理的処理、酸化剤等薬品による表面処理、プライマー処理、シランカップリング処理等の化学的処理、アルゴンビームエッチング、エッチング液処理、さらにはサンドブラスト加工等の物理的な租面形成処理等を用いることができる。
そして、その処理を「パターン」状に施すためには、直接描画方式(レーザー照射等の処理ビームを走査する方式。)や、マスキング方式(「パターン」状の金属板での遮蔽や、「パターン」状のマスキング剤塗布等により、処理しない部分をマスキングして全面処処理する方式。)を用いる。
このホログラムラベルを剥そうとして、透明基材を剥した際、活性化処理した部分、すなわち、例えば、「開封」の文字部分(画線部分)のみ、透明基材に、ホログラム形成層の表面が付着したまま剥離がなされることで、剥離後の被貼着体上では「開封」の文字が「白抜き文字」として見えるものである。
また、この場合、ホログラム再生像は、「開封」の文字により遮られた状態として観察される。
ホログラム再生像は非常に冗長性が高いため、この遮断(活性化処理領域の幅、例えば「開封」の文字の線幅の遮断を意味する。)が、そのホログラムレリーフの干渉縞の周期0.5μm〜2μmの、200倍〜2500倍、より好適には、500倍〜1000倍とする。
この遮断が、200倍未満であると、ホログラムの冗長性からホログラム再生像が強く再現されて遮断が弱まり、この遮断が2500倍を超えると、透明基材が剥離し難くなったり、ホログラムラベル全体が剥離できてしまうこととなり、また、破断面が不要に拡大して的確な遮断を得ることが難しくなる等の不具合が発生する。
透明基材を剥離した際の遮断の的確さは、500倍〜1000倍が最も良好となる。
さらに、透明基材上のパターン状の活性化処理領域以外の領域を、不活性化処理し(不活性化処理領域となる。)、活性化処理領域における、透明基材とホログラム形成層との間の剥離強度(接着強度ともいう。)と、不活性化処理領域における透明基材とホログラム形成層との間の剥離強度(接着強度ともいう。)との差を、大きくすることで、より確実にホログラム形成層を破断することが可能となる。
透明基材上に、活性化処理領域と不活性化処理領域を並べて形成するには、透明基材上にそれぞれ別々に形成することもできるが、透明基材の全面を活性化処理した後、所定の部分のみを不活性化処理してもよく、若しくは、透明基材の全面を不活性化処理した後、所定の部分のみを活性化処理してもよい。
その中でも、透明基材の全面を、一度、活性化処理した後、その上から、所望の部分を不活性化処理する方法が、「パターン」の形状(形成)精度に優れ、また、それぞれの処理の定着性に優れるため(性能を確保しやすく、また、維持しやすいという意味。)、好適である。
透明基材上の不活性化処理面は、その剥離強度を、0.01kg/25mm幅以上0.1kg/25mm幅以下として、ホログラムラベルを剥そうとすると、どのように工夫しても、必ず、透明基材が剥がれるものとし、透明基材を剥離した後のホログラム形成層の最表面(透明基材の不活性化処理面と接していた面を意味する。透明基材剥離後は、この面が露出し、最表面となる。)がほぼ鏡面となって、その部分からは、その下にあるホログラム再生像を鮮明に視認することができるようにする。
不活性化処理としては、所定の部分(透明基材の面方向及び、厚さ方向に広がる領域を意味する。)のみを精度よく不活性化する必要があり、
透明基材の最表面のみを部分的に溶解する(透明基材表面を直接処理する方法。)、もしくは、活性化した官能基と反応して官能基の活性を解消する(基材表面を一度活性化処理した後、その活性化処理面を不活性化処理する方法。)溶剤類、例えば、ケトン類(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等。)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等、さらにはその水溶液。)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン等。)、エステル類、エーテル類(テトラヒドロフラン等。)等、
または、これらの透明基材とはそもそも接着し難い、界面張力の小さい樹脂、例えば、シリコーン樹脂、パラフィン系樹脂、フッ素系樹脂や、これらのフッ化炭化水素基、有機珪素基を含む樹脂等の内、透明性の高いものを、活版印刷や、インクジェット印刷等により、上記した所望のパターン状に部分形成する手法(透明基材表面を直接処理する方法。)を用い、高い精度でパターン状に不活性化処理する。
この際、それらの部分的な処理によって、透明基材上に光学的な変化を与えないことが望ましく(光学的変化とは、透明基材表面を白濁させたり、不要に粗く粗面化することを意味する。光学的変化は、ホログラム再生像を不鮮明にする要因となり、所望のパターンを不要に認識させる要因ともなる。)、溶剤等は揮発することで、また、樹脂等はあくまで表面改質の目的であって乾燥後の処理領域の厚さが光の波長の1/5〜1/50程度となることが望ましい。もちろん、これらを併用することも好適である。
本発明の不活性化処理は、上記した印刷手法を用いるため、非常に鮮明なパターンを形成可能であり、且つ、不活性化処理面と活性化処理面との接着強度差を非常に大きくすることができるため、破壊領域をより明確なものとすることができる。
もちろん、これらの活性化処理及び不活性化処理を用いたパターン状処理は、光学的に透明であって、ホログラムラベルを観察した際、そのパターン境界を視認することができず、レーザー等で照明しても、不要な散乱や回折が生じず、その透明性(その連続性。)を維持している必要がある。
活性化処理の中でも、レーザー照射等の光処理、または、プラズマ処理等の物理的処理は、透明基材の処理面に凹凸が発生せず、鏡面を維持し、且つ、光学的透明性に優れて、そして、不活性化処理による不活性化効果が大きいことから、特に望ましい。
さらに、上記した「パターン」内を均一に活性化処理したり、不活性化処理する(以下、活性化処理等ともいう。)ことに替えて、その「パターン」を、よりサイズの小さい「微細なパターン」の集まりで表し(例えば、網点形状、市松模様状、ランダムパターン等の「微細なパターン」の集合体とし)、その「微細なパターン」の部分のみ、活性化処理等することで(例えば、市松模様状に活性化処理等することにより、「パターン」内をその升目で一様に区切り、一つ飛ばしの升目の部分のみ、活性化処理等の面として残る。)、透明基材とホログラム形成層の剥離強度に市松模様状の強弱を付与することで、ホログラム形成層を破断する「きっかけ」を増し、その破断をより生じやすくすることができ、また、そのパターンの存在を隠ぺいしやすくし、不正剥離の際に初めて表示される「パターン」の存在を、事前には、より発見し難くすることができる。
この「微細なパターン」の個々の大きさは、「パターン」の画線幅の1/4〜1/20の大きさとする。「パターン」を「開」という文字とした場合には、その文字高さが、2mm〜30mmとなり、その画線幅は、平均的には、0.1mm〜5mmとなるため、「微細なパターン」の個々の大きさ(市松模様であれば、その一つのマスの大きさを意味する。)は、5μm〜1.25mmとなる。
「微細なパターン」の個々の大きさが、「パターン」の画線幅の1/4の大きさより大きいと、「パターン」そのものを認識し難くなり、「パターン」の画線幅の1/20の大きさより小さいと、活性化処理や、不活性化処理の処理の精度が低下する。
好適には、30μm〜300μmである。
ホログラム形成層としては、下記するように、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができるが、本発明の手法は、ホログラム形成層の膜としての強度が非常に強く、膜そのものを破断することが非常に難しい、紫外線硬化もしくは電子線硬化等の電離放射線硬化性樹脂を用いた場合に、特にその効果を発揮する。
ホログラム形成層に適宜なホログラムレリーフを形成した後、透明反射性薄膜層を形成し、さらにその上に、化学発光材料を含むマイクロカプセルを含有している粘着層を形成して、本発明のホログラムラベルを作製することができる。
化学発光材料を含むマイクロカプセルを含有している粘着層を形成する方法としては、上記した大きさを有するマイクロカプセルを含む粘着剤を、マイクロカプセルを破壊する(マイクロカプセルを形成している膜材を破るという意味。この膜材の破れた個所から化学発光材料が流出してしまい、その後の乾燥工程を経て、その流動性を失うこととなる。)ことなく、透明反射性薄膜層上に、均一な厚さに設ける方法として、凹版印刷法、スクリーン印刷方法、カーテンコート法その他、各種コーティング方式が用いられる。
化学発光は、ケミルミネセンスとも呼ばれるが、これは、化学反応によって励起された分子が基底状態に戻る際、エネルギーを光として放出する現象である。この中で分子単独で励起状態を形成するものを直接発光と呼び、系内に存在する蛍光物質等へエネルギー移動し、蛍光物質の発光が観測されるものを間接化学発光と呼ぶ。
代表的な化学発光を示す有機化合物の例としてルミノール、ロフィン、ルシゲニン、シュウ酸エステル等がある。前者3つは直接発光であり、後者は間接化学発光である。
化学発光の仕組みは、
反応物[A]と反応物[B]、励起状態の中間体[C*]、反応生成物、そして発光の関係式として、次の反応式で表される。
・[A]+[B]⇒[C*]⇒[反応生成物]+光
たとえば、鉄錯体(ヘキサシアノ鉄(■)酸カリウム)等の触媒の存在下において、[A
]が「ルミノール」、[B]が「過酸化水素」とすると反応式は以下のようになる。
・ルミノール + H22 → 3−アミノフタル酸[*] → 3−アミノフタル酸 + 光
この場合には、化学発光材料は、「ルミノール」、「過酸化水素水」及び「ヘキサシアノ鉄(■)酸カリウム」の3種類となる。
このルミノールとヘキサシアノ鉄(■)酸カリウムをアルカリ水溶液に溶解したものをマ
イクロカプセルに包含し、これとは別に、「過酸化水素水―水溶液」を別のマイクロカプセルに包含し、2種のマイクロカプセルを適宜な粘着剤に混合し、ホログラムラベルの粘着層として形成することで、本発明の「化学発光材料を含むマイクロカプセルを含有している粘着層」が得られる。
また、ルミノールは、
ペルオキシダーゼに触媒されて、強く発光し、さらには、ヨードフェノール化合物を加えることで、その強度が高まる。
その化学発光スペクトルは、発光波長430nmをピークとし、半値幅が70nmとなっている。そして、その発光強度は、反応直後には、比較的小さく、5分から20分後に最大値を示し、その後、1時間後にはその最大値の1/2の強度となる。
この場合には、化学発光材料は、「ルミノール」と「ペルオキシダーゼ」過酸化水素水」の2種類となる。
このような比較的短時間で発光する化学発光材料を用いる用途としては、ホログラムラベルを貼着した被貼着体を放置(監視の目が働かない状況を意味する。)してから、5〜10分後に真の所有者が被貼着体を引き取る場合に、その引き取りまでの間に「偽物」ラベルに貼り替えるような不正行為を発見したい場合が想定される。
また、ジオキシタン系においては、フェニル基リン酸塩{(3−[2−Spiroadamantann]−4−methoxy−4−[3−phosphoryloxy]−phenyl−1,2−dioxetane)dioxetane Phosphate}(AMPPD)は、アルカリ性フォスターゼと反応し、中間体を生成後、この中間体が自然に開裂し、アダマンタノンと蛍光物質が生成される。この蛍光物質は、既に化学的に「励起」されており、光を発しながらその励起状態から基底状態に戻る。
その化学発光スペクトルは、発光波長450nmをピークとし、半値幅が60nmとなっている。そして、その発光強度は、反応直後には、非常に小さく(ほぼ無し。)、200分後で最大値の1/2の強度となるものである。
従って、この系も、上記した用途に用い得るが、その偽造防止性は、「ルミノール」系のものより高く、好ましい。
さらに、化学発光を示す材料である、化学発光材料として、シュウ酸ジフェニル系、塩化オキサリル系、ルテニウム(■)錯体系、テトラキス(ジメチルアミノ)エチレン系、ピロ
ガロール系、ルシゲニン系、マンガンイオン系、ペルオキシオキサラート系、アリールオキサラート系、ジオキシエタン系等を用いることができる。
また、シュウ酸ビス−(2,4−ジニトロフェニル)と過酸化水素及び、蛍光剤として、ローダミンB(橙色)、イソビオラントロン(橙色)、ローダミン6G(橙色)、フルオレセイン(黄色)、ルブレンピンク(ピンク)、アントラセン(紫色)等を用いることで、シュウ酸ビス−(2,4−ジニトロフェニル)と過酸化水素の反応中間体が、蛍光剤との電子供与体受容体錯体を作り、蛍光物質を励起させ、種々の色調の蛍光を発光させることができる。
これらを、適宜なマイクロカプセル内に包含させ、その破壊によって、空気酸化、混合反応により、生成物自身が発光するか、または、その反応エネルギーを添加した蛍光剤に伝え、その蛍光剤を発光させる。
その蛍光剤としては、
紫外線、電子線、X線などのエネルギーを吸収して可視光線として放出する物質であり、例えば、母体となるセラミックス結晶にEu やCe などの発光を担う金属イオンが微量添加した材料等を用いる。この場合、発光に寄与するは金属イオンであり、外から加えられたエネルギー(紫外線、電子線、X線などや、もちろん可視光線、赤外線等のエネルギー。)を吸収して励起され、その後基底状態に戻る時に発光する。ホスト結晶の格子は金属イオンを取り囲むことによりイオンを化学的に安定化させたり、結晶場や配位環境を整えることにより発光色や発光強度を制御する働きをする。
さらに、化学発光材料を複数含めることにより、発光させる光を一つとせず、複数存在させることで、その偽造防止性をさらに高めることができる。
蛍光発光の原理は、蛍光剤(蛍光色素、蛍光顔料、蛍光染料等を含む。)の基底状態(一重項状態)から反応エネルギー吸収によって第一、第二、第三励起状態・・・のどれかの振動状態に励起された発光体が、無放射過程で非常に速やかに緩和して第一の電子励起状態に移るか、あるいは項間交差によって三重項状態へ移る。第一の最低振動状態になった蛍光剤は、無放射過程によるか蛍光を発して基底状態に戻る。三重項状態になった分子は、無放射過程によるか、リン光を発して基底状態に戻る。
一重項同士の遷移は瞬間的に起こるため、蛍光の半減期は10-4sec以下と短いものである。遷移に要する時間は、10-15secで励起が起こり、その後10-9〜10-7secで蛍光発光が起こるとされている。
一方、三重項から一重項への遷移はスピン変化禁止により禁制遷移となり自発的放出が起こりにくいので、リン光の半減期は大きく、秒単位のものもある。
基底状態に戻る際に光を発するか否か、光の強度が強いか弱いか、蛍光寿命が長いか短いかは、その蛍光剤の分子構造や分子の置かれた環境に大きく依存する。
蛍光剤の放出光の波長分布を蛍光スペクトルといい、蛍光スペクトルは蛍光の波長に対し相対的な蛍光強度をプロットして作成される。(実際の蛍光スペクトル測定では、波長と 強度が一定に維持された励起光を光源として用い、 蛍光剤を取り扱う場合は、放出スペクトルのことを蛍光スペクトルと呼ぶ。)蛍光スペクトルに示される波長(エネルギー)は一次励起状態の最低振動エネルギー準位から基底状態の優先的な振動エネルギー準位までのエネルギー差と等しくなる。
蛍光の振幅が励起状態と基底状態の振幅構造と類似しているなら、最も長波長側の励起の振幅と鏡像関係となり、理論上、蛍光色素が吸収した光エネルギーの波長と蛍光として放出する波長は同じになる。しかし実際にはほとんどの蛍光色素の蛍光スペクトルは長波長(低エネルギー)側にシフトする。励起スペクトルと蛍光スペクトルのピーク波長間の差はストークスシフトと呼ばれ、この波長差は、蛍光放出以前の励起状態の際に放出されたエネルギーが熱エネルギーに変換されたために生じる。
ストークスシフトは蛍光の感度おいて非常に重要であり、蛍光を検出する際、励起光の影響を受けないためバックグラウンドを低くすることができる。そして、入射光の波長と強度を一定にした場合、放出される蛍光は蛍光剤の量と正比例する。
さらに、励起光波長や、蛍光光を認識しやすくするための光学フィルター(ロウパスフィルター、ハイパスフィルターや、バンドパスフィルター等。)を必要に応じ、設定する場合も好適である。
一定量の蛍光剤から放出される光子数は、励起/放出サイク ルを繰り返せば増幅できる。励起光強度と蛍光剤濃度が一定の場合は、放出光の総量は照射時間(蛍光色素等に励起光を照射している期間)に比例する。励起/放出サイクルの時間よりも照射時間が長ければ、蛍光剤は励起/放出サイクルを何回も繰り返す。蛍光強度(放出光子数)の測定は、どのような受光素子でも測定可能である。
低強度光を測定する場合は、 増幅機構を持つ光電子増幅管(Photo multiplier tube:PMT) が有効である。PMTに十分なエネルギーを持つ光が入射すると、 陰極から電子が放出され、電子は電流として増幅される。これら受光素子の電流は、入射光の強度に比例し、蛍光強度は通常、任意単位で表示される(例rfu:rela−tive fluorescence unites:相対蛍光単位)。
蛍光剤は、一般的に、蛍光体原料を焼成する固相反応法により、製造される。この固相反応法では原料混合物を高い温度で焼成するため、得られる焼成ケーキは、蛍光剤粒子が硬く凝集したものとなることが多い。そのため、通常は、蛍光剤の製造の際には例えばボールミル、乳鉢等による粉砕工程を行うが、このときの蛍光体粒子の表面の損傷を抑制する方法として、流動式反応器装置を用いて、実質的に単分散の蛍光体−前駆体粒子を、流動する気体中に浮遊させて焼成することにより、凝集していない実質的に単分散の蛍光性粒子を製造する。この方法によれば、1μm未満の大きさの蛍光性粒子を製造することができる。このような微粒子はマイクロカプセル内に包含しやすく、好適である。
また、例えば、ZnGa24:Mn蛍光剤を製造するに際し、焼成を行なう前の蛍光体原料を湿式沈殿法により調製することにより、低温での焼成が可能となり、蛍光剤粒子の凝集を抑制することができる。
さらに、例えば、アルカリ土類アルミン酸塩系、またはアルカリ土類珪酸塩系の母体結晶を有する蛍光剤の製造方法に関し、Srを含む蛍光体原料として硝酸ストロンチウムを用い、原料混合液又は懸濁液を所望の粒径となるよう液滴化し、これを焼成する方法がある。これにより、極めて脆い性質を有する蛍光剤が得られ、容易に微小なサイズへ粉砕することができる。
蛍光体原料としては、製造しようとする蛍光剤を構成する元素(以下、「蛍光体構成元素」ともいう。)を含有する化合物を用いることができる。その例を挙げると、蛍光体構成元素を含有する、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、蓚酸塩、カルボン酸塩、ハロゲン化物、窒化物等が挙げられる。蛍光体原料の選択に際しては、得られる蛍光剤への反応性等を考慮して選択することが好ましい。さらに、蛍光剤を構成する各蛍光体構成元素に対応し、蛍光体原料は、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、蛍光剤の各蛍光体原料中に含まれる不純物としては、蛍光剤の特性に悪影響を与えない限りにおいて、特に限定されない。
各蛍光体原料の重量メジアン径としては、通常0.01μm以上、0.5μm以下である。このために、蛍光体原料の種類によっては予めジェットミル等の乾式粉砕機で粉砕を行っても良い。これにより、各蛍光体原料の原料混合物中での均一分散化を図り、かつ、蛍光体原料の表面積増大による原料混合物の固相反応性を高めることができ、不純物相の生成を抑えることが可能となる。
例えば、Ba、Ca、Sr、Zn、Mg、Eu等を含む蛍光体原料がある。
さらに、N元素、O元素及びハロゲン元素等に対応する蛍光体原料は、各蛍光体構成元素の蛍光体原料のアニオン成分として、又は焼成雰囲気中に含有される成分として、蛍光剤製造時に供給される。
そして、耐湿性等の耐候性を一層向上させるために、又は、溶剤や水溶液中の分散性を向上させるために、必要に応じて、蛍光剤の表面を異なる、有機化合物、無機化合物、ガラス材料等の物質(以下「表面処理物質」とも称する。)で被覆する等の表面処理を行なってもよい。
この耐候性は、被貼着体上に残存する蛍光剤を不正が行われた後の証拠である蛍光剤パターンとして、後日、確認する場合に重要な要素となる。
また、蛍光体の結晶構造の例としては、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu等のオルソシリケート系結晶構造、Ca3(Sc,Mg,Na,Li)2Si312:Ce等のガーネット系結晶構造、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4612:Eu等のアパタイト系結晶構造、M3Si6122:Eu(但し、Mはアルカリ土類金属元素を表わす。)等の窒化物系結晶構造などが挙げられる。中でも、オルソシリケート系結晶構造又はガーネット系結晶構造が好ましい。
具体的には、緑色蛍光剤として、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行う(Mg,Ca,Sr,Ba)Si222等、橙色ないし赤色蛍光剤として、赤色破断面を有する破断粒子から構成され、赤色領域の発光を行う(Mg,Ca,Sr,Ba)2SiN8:Euで表わされるユーロピウム賦活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光剤等、青色蛍光剤として、規則的な結晶成長形状としてほぼ六角形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行う(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Euで表わされるユーロピウム賦活バリウムマグネシウムアルミネート系蛍光剤等、黄色蛍光剤として、各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光剤が挙げられる。
紫外線発光蛍光剤は、紫外線により励起され、これよりも低いエネルギー準位に戻る時に発する蛍光スペクトルのピークが、青、緑、赤等の波長域にあるものである。そして、このような紫外線発光蛍光剤としては、Ca259 Cl:Eu2+、CaWO4 、ZnO:Zn、Zn2 SiO4 :Mn等があり、これらを単体として使用するか、またはこれらを数種、適当な割合で混合して使用する。
これらは、蛍光スペクトルのピークを、青、赤、緑の波長領域以外に有するものである。
また、蛍光剤が蛍光染料であった場合には、マイクロカプセル内にさらに包含しやすく、また、マイクロカプセルから流出した際に、被貼着体の表面に蛍光染料が染着することも考えられ、その場合には、被貼着体上に残存する粘着剤を溶剤で完全に拭き取ったとしても、被貼着体の表面を削り取らなければ染着した蛍光染料を除去することはできず、偽造防止性に優れるものとなる。
本発明においては、これらの蛍光剤において、化学発光材料の発光の仕組みの一部として機能させる場合には、「化学発光材料」を構成するものの一つとする。(すなわち、「化学発光材料」に含まれることを意味する。)
「マイクロカプセルに含まれ、マイクロカプセルの膜材が破れたときに、これらの化学発光材料を流動させるもの」としては、その膜材を溶解せず、且つ、蒸発し難い液状物質を用いる。
この液状物質としては、脂肪族アルコール系、芳香族アルコール、芳香族炭化水素系、環状テルペン系等の液状物質が使用できる。さらに、蒸留水、低級アルコール等、水系のものを用いることができる。環境衛生面等から考慮して、水系のものが好適である。イオン液体等(イミダゾリウム系、ピリジニウム系、脂肪族系などのイオン液体等)も同様に好適である。長時間その流動性を維持し続けるためには、低揮発性成分を有することが必要となる。すなわち、常温での蒸気圧が5kPa以下さらには、1kPa以下である成分を有することが望ましい。揮発する実時間は、膜材の組成や厚さ、粘着剤の組成等によるが、常温での蒸気圧が5kPaを超えると、室内放置において徐々に揮発し、1kPa以下であると長時間その流動性を維持している。オイルやグリース等のほぼ揮発性を示さない材料も好適である。
さらに、反応物[A]と反応物[B]を別々のマイクロカプセルに包含させ、そのマイクロカプセルが破れたときに、流れ出た反応物[A]と反応物[B]が接触して反応することにより発光する化学発光材料系を用いる場合には、マイクロカプセルが破れた時(すわなち、不正が行われた時)から、その発光現象が開始するまでの所定の時間(数分〜数時間)を確保するため、もしくは、その発光が開始しても、その発光強度の増大を所定の時間抑制するため、この液状物質の動粘度を0.1mm2/s〜10とすることが好適である。
この動粘度が10を超えると両反応物の接触が早まり、発光現象が不正行為と同時に始まることで、不正行為を行った者に、化学発光材料の存在を知らしめてしまう恐れが高まる。また、動粘度が0.1未満であると、両反応物の接触が不十分となり、不正行為の証拠としての発光現象が十分に発生しなくなる。
この動粘度は、粘性の高い溶剤系や、動粘度の小さいシリコンオイルやグリース、さらには、ヒアルロン酸などの保湿剤(水系)を用いることで調整できる。
ここで、「動粘度」とは粘度をその液体の同一条件下(常温、1気圧)における密度で除した値をいい、液体の動粘度は同一条件下において、一定量の液体の毛細管流出時間を測定し、その時間と粘度計定数とから[動粘度=粘度計定数×流出時間]によって求められる。〔1mm2/s〕粘度とは液体内にせん断速度(ずれ速度)があるとき、そのせん断速度の方向に垂直な面において速度の方向に単位面積について生ずるずり応力の大きさによって示される流体の内部抵抗を意味する。
マイクロカプセル化の方法としては、気中懸濁法等の物理的・機械的手法による方法や、界面重合法、in−situ重合法、コンプレックスコアセルベーション法、有機溶剤系からの相離法、液中乾燥によるマイクロカプセル化法、融解分散冷却法によるマイクロカプセル化法、液中硬化被覆マイクロカプセル化法等の物理化学方法及び化学的方法によりマイクロカプセル化する。
上記のマイクロカプセル化において、物理的・機械的手法による方法では、膜材として、でん粉、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等の水溶性物質、セルロースアセテート、エチルセルロース、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリエチレン、ニトロセルロース、シリコーン等の非水溶性物質、ステアリン酸、パルミチン酸、グリセリルステアレート等のワックス類等を用いることができる。
また、物理化学的方法及び化学的方法では、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルフォンアミド、エポキシ化合物、ポリスンフォネート、ポリカーボネート、ポリオール、ポリイソシアナート、ポリアクリル酸、アクリレート化合物、ポリアミン、ポリサルファイド、尿素、ゼラチン、ゴム、エチルセルロース、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸塩、ワックス、脂肪酸、ポリエチレン、ポリビニルアルコール等を用いてマイクロカプセル化を行う。
上記した液状物質を包み込むマイクロカプセルの膜材としては、使用する液状物質により、その耐性のあるものを選定し、且つ、使用する粘着剤への分散に適するものを選定する。マイクロカプセルの大きさは、5μm〜60μmであり、その膜の厚さはその1/5以下と非常に薄く、粘着剤との混合処理や、粘着層形成時に破れ易く、その形成方法に十分配慮する必要がある。
また、ホログラムラベルを被貼着体に貼着する際の圧力によっても破れない強度を有することが必要である。
このマイクロカプセルを粘着剤用の適宜な樹脂に分散し、凹版印刷方式、スクリーン印刷方式、カーテンコート方式等に使用するインキとする。
粘着剤中のマイクロカプセルの含有量は、10%〜70%質量部とする。10%未満では、被貼着体上に浸み込ませる量として不十分であって、且つ、被貼着体上においてホログラムラベルが破断しているパターンの隅々まで流動し難く、発光パターンが不十分なものとなり、70%を超えると、粘着層としてレベリング性や成膜性に欠けるものとなり、透明反射性薄膜層上に均一に形成することが困難となる。
そして、そのマイクロカプセル内の、化学発光材料及び液状物質の含有量は、10%以上40%以内とする。10%未満では上記した効果が不十分であり、40%を超えるとマイクロカプセルの膜材が薄くなり脆弱となる。そして、化学発光材料と液状物質の混合割合は、その流動性を確保するため、1/2〜1/10とする。
1/10未満では、流出した化学発光材料の発光を目視確認する際には、その強度が不十分であり、1/2を超えると、その流動性が不十分となるだけでなく、被貼着体への浸透力も低下することになる。
また、透明基材上の微細なパターン状の活性化処理領域で形成される「パターン」の領域(微細なパターンの集合体として表される領域となる。)に対応する位置にある粘着層の領域において、マイクロカプセルの含有量を増加させ(50%〜70%)、粘着層のその他の領域においては、その含有量を少なくする(10%〜30%)ことで、ホログラムラベルの透明基材を剥がしたときのホログラム形成層の破断を冗長するとともに、上記した効果を高めることも好適である。
このような粘着層を形成するには、まず、マイクロカプセルの含有量の多い粘着剤を、スクリーン印刷方式を用いて、反射性薄膜上の、透明基材上の微細なパターン状の活性化処理領域で形成される「パターン」の領域に対応する位置に、所定の厚さで設け、次いで、マイクロカプセルの含有量の少ない粘着剤を、同様にスクリーン印刷方式を用いて(但し、上記印刷時に用いたスクリーン版とはネガポジ反転したスクリーン版を用いて)、反射性薄膜上の上記粘着層を設けていない位置に、その隙間を埋めるように設けて、一様な厚さの粘着層を形成することができる。
すなわち、透明基材を剥離しようとしたとき、活性化処理され、透明基材及びホログラム形成層と強固に接着している「微細なパターンの網点」部分において、ホログラム形成層に破断が生じ、透明基材側に付着して持ち上げられることになるが、このとき、その破断されたホログラム形成層には、やはり同様に破断された透明反射性薄膜層が積層されているものの、その下の粘着層は、丁度、マイクロカプセルの含有量の多い部分にあたり、(粘着剤の被貼着体との接着強度が低い部分となるため、粘着剤による、「透明基材による引っ張り」に対抗する力が少ししか働かず、)容易に、透明基材側に取られることとなる。
特に、透明基材上の「パターン」の境界線(境界線とは、文字等の「パターン」、すなわち、文字等の「画線領域」における、その「画線領域」を囲む「線」を意味する。)においては、その内側は(「画線領域」の内部、すなわち、その「線」で囲まれている領域を意味する。)、「パターン」を構成する「微細なパターン」の網点群が整然と並び、その外側は、その網点が全く存在しない領域となるため、この境界線で、上記した破断が、確実に、且つ、安定して発生することとなる。(これは、その境界線のすぐ内側の一つ目の網点がある部分において、破断が発生しなくても、その内側にある二つの目の網点のある部分、さらには、その内側の網点がある部分において、破断が発生することを意味する。)
さらに、その蛍光剤が所定の紫外線により蛍光を発するものであって、透明反射性薄膜層が透明反射性薄膜層であるとき、ホログラムラベルの通常の使用環境において、その蛍光が発光したり、不正者が偽造防止の仕組みを解明しようとする目的で、紫外線の照射を試みた際に、その蛍光が発光することを阻止するため、ホログラム形成層、もしくは、粘着層そのもの、または、その両層にその蛍光剤が蛍光を発する波長の紫外線を吸収する紫外線吸収剤を混入させ、不要に蛍光が発光することを防止する。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、PABA(パラアミノ安息香酸)系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
ホログラム形成層に混入させる場合には、無色で透明性の高いものを選定し、混入割合としては、ホログラム形成層に用いる樹脂に対して、5%〜10%質量部とする。
5%未満では、紫外線を吸収する機能が不十分であり、10%を超えるとホログラム形成層のホログラムレリーフ形成性能が低下したり、透明性が低下する。
粘着層に混入させる場合には、粘着層そのものが反射性薄膜の下に位置するため、ホログラム形成層ほどその透明性を配慮する必要がないため、粘着剤に用いる樹脂に対して、10%〜30%質量部混入させることができる。
10%未満では、紫外線を吸収する機能が不十分であり、30%を超えると粘着剤としての性能が低下する。
もちろん、両層に紫外線吸収剤を混入させることが好適であり、また、透明反射性薄膜層と粘着層の間に、さらに、紫外線吸収用の層を5μm〜10μmの厚さで設け、その樹脂に対する紫外線吸収剤の混入割合を50%〜80%として、不正な紫外線照射に対する隠ぺい性を確保することも好適である。
このホログラムラベルを所望の被貼着体上の適宜な位置に貼着した後、このホログラムラベルを剥そうとすると、透明基材が容易に剥がれ、透明基材側に破断したホログラム形成層、破断した透明反射性薄膜層が付着し(「開封」の文字等のパターンを示す。)、被貼着体側には、残りのホログラム形成層と残りの透明反射性薄膜層、及び、粘着層の一部が残り、(「開封」の文字等の「白抜き」パターンを示し、且つ、ホログラムレリーフによるホログラム再生像を遮断するように、そのパターンを浮き上がらせる。)、不正なホログラムラベルの剥し行為が行われたことを明示する。
そして、その被貼着体上に残った、「残りのホログラム形成層と残りの透明反射性薄膜層、及び、粘着層の一部」の「文字等を表示している個所」から、不正を確認するための所定の波長の発光(化学発光材料による発光を意味する。複数の波長を用いることもある。)が出現し、不正行為の証拠となる発光文字等を判定することができる。
本発明によれば、透明基材に、パターン状の活性化処理を施し、さらには、それ以外の領域の不活性化処理を行い、その上に、ホログラムレリーフを有するホログラム形成層、透明反射性薄膜層、化学発光材料を含むマイクロカプセルを含有している粘着層が設けられていることを特徴とするホログラムラベルを提供することができ、このホログラムラベルを、所望の被貼着体に貼着後、本来剥すことのないそのホログラムラベルを不正な目的のために剥そうとすると、その透明基材とホログラム形成層との界面で優先して剥離が発生し、その剥離した後には、不正行為であるという鮮明なメッセージを表出することができ、不正が行われたことを、確実、且つ、容易に判定することを可能とする。
本発明の一実施例を示すホログラムラベルAの断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(透明基材)
本発明のホログラムラベルAで使用される透明基材1は、厚みを薄くすることが可能であって、機械的強度や、ホログラムラベルAを製造する際の処理や加工に適した耐溶剤性および耐熱性を有するものが好ましい。使用目的にもよるので、限定されるものではないが、フィルム状もしくはシート状のプラスチックが好ましい。
例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、ポリエチレン/ビニルアルコール等の各種のプラスチックフィルムを例示することができる。
そして、透明基材1の一方の面をパターン状に活性化処理し(活性化処理領域2となる。)、または、透明基材1上のパターン状の活性化処理領域2以外の領域を、不活性化処理し(図示せず。)、さらには、透明基材1の全面を、一度、活性化処理した後(図示せず。)、その上から、所望の部分(「パターン」以外の領域。)を不活性化処理する(図示せず。)方法を用いることにより、活性化処理領域2における、透明基材1とホログラム形成層3との間の剥離強度と、それ以外の領域もしくは不活性化処理領域における透明基材1とホログラム形成層3との間の剥離強度との差を、大きくすることができ、より確実にホログラム形成層を破断させることができる。(図1参照。)
透明基材1の厚さは、通常5〜250μmであるが、「ラベル」としての取り扱い適正から25〜100μmとすることが望ましい。
また、透明基材1の一方の面に、透明な樹脂をコーティングして、この透明な樹脂に上記処理を行い(図示せず。)、上記した効果を持たせても良い。この透明な樹脂には、上記した樹脂群に加え、下記するホログラム形成層3に用いられる樹脂を使用することができる。
さらに、活性化処理面と不活性化処理面との剥離強度の差を拡大する目的で、ホログラム形成層3上に保護層として形成され、透明基材1との剥離性を有する透明な樹脂を設けてもよい(図示せず。)。この場合も、透明な樹脂としては、上記した樹脂群に加え、下記するホログラム形成層3に用いられる樹脂を、適宜、使用することができる。
もちろん、環境影響を配慮して、透明な生分解性を有するプラスチックフィルム又はシートを使用することもでき、化学合成系として、ラクトン系樹脂:εーカプロラクトン、4−メチルカプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトン、3,3,5−トリメチルカプロラクトン、βープロピオラクトン、γーブチロラクトン、δーバレロラクトン、エナントラクトンの単独重合体またはこれら2種以上のモノマーの共重合体、これらの混合物、ポリカプロラクトン、もしくは、ポリブチレンサクシネート系樹脂:ポリブチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンサクシネートとポリカプロラクトンとの混合物、ポリブチレンサクシネートとポリブチレンサクシネート・アジペートとの混合物、ポリブチレンサクシネート・アジペートとポリ乳酸との混合物、もしくは、ポリ乳酸、ポリ乳酸とD−乳酸との混合物など、もしくは、低分子量脂肪族ジカルボン酸と低分子量脂肪族ジオールより合成したポリエステル樹脂、例えばコハク酸とブタンジオール、エチレングリコールとの組み合わせや、シュウ酸とネオペンチルグリコール、ブタンジオール、エチレングリコールとの組み合わせなど、変性ポリビニルアルコールと脂肪族ポリエステル樹脂と澱粉の混合物、低分子量脂肪族ポリエステルに脂肪族イソシアネートを添加して重合させたものが好適である。
また、天然物系として、ゼラチンなどの動物性天然物質、セルロースなどの植物性天然物質:澱粉脂肪酸エステル、澱粉キトナン・セルロース等、微生物生産系として、ポリヒドロキシブチレートや、ポリエステル系:炭素源として3−ヒドロキシプロピオン酸、4−ヒドロキシ酪酸、γ―ブチロラクトンをベースとするP(3HB−CO―4HB)、炭素源としてプロピオン酸、吉草酸をベースとしたP(3HB−CO―3HV)等、が好適である。
(活性化処理)
透明基材1の一方の面に対する活性化処理には、炭酸ガスレーザー照射、遠赤外線炭酸ガスレーザー照射、172nm真空紫外線(VUV、エキシマ光)照射、酸素増感エキシマ光照射、プラズマ処理、オープンプラズマ処理、コロナ処理、電子線照射処理等の透明基材最表面の化学結合エネルギーよりも大きいフォトンエネルギー(7.2eV)、放電エネルギー、電子線エネルギー等により、透明基材1最表面の化学結合を切断し、または、172nmの真空紫外線等のように、大気中の酸素に吸収されてオゾンまたは直接励起酸素を発生し、この接触により官能基を生成する等の物理的処理や、
過マンガン酸塩、過酸化物等の酸化剤を塗布することによる透明基材1表面の酸化処理、プライマーコーティング処理、ビニル、エポキシ、メタクリキシ、アミノ、メルカプト、アクリロキシ、イソシアネート、またはスチリル、アルコキシオリゴマータイプシランカップリング剤を用いた処理等の化学的処理、真空処理であるアルゴンビームエッチング処理、透明基材1を部分的に溶解するエッチング液処理、さらには機械的に透明基材1表面を削り取るサンドブラスト加工等の物理的な処理等を用いて、活性化処理領域2を形成する。
この透明基材1の表面化活性化処理によって、透明基材1との接着性の弱い、すなわち、剥離強度の小さい樹脂に対しても、大きな剥離強度を得ることができる。
以上の活性化処理を用いて、透明基材1の界面張力もしくは表面エネルギーを増大させる。ホログラム形成層3に用いる樹脂や、その形成方法によってその剥離強度は決まるため、界面張力値を一義的には指定できないが、その目安としては、60〜80mN/mが好適である。(ポリエチレンテレフタレート樹脂では、36mN/mが、60mN/mに増大し、ホログラム形成層3としてのメラミン樹脂との剥離強度が0.4kg/25mm幅から2.1kg/25mm幅へと大きくなる。)
そのため、透明基材1の一方の面を活性化して、その上に形成するホログラム形成層3との接着性を向上させ、0.5kg/25mm幅以上、3.0kg/25mm幅以下の強度(JIS Z0237で規定する180°剥離試験にて。)とし、その活性化処理面を視認可能な所望のパターン状(文字、図形、記号等、視認可能な表示であればいずれも使用できる。代表的には、ラベルを剥離した証拠を示すという意味で、「開封」等の文字表示をするため、「開封」文字部分を活性化する。)とする。これが、活性化処理領域2となる。(図1参照。)
活性化処理の中でも、レーザー照射等の光処理、またはプラズマ処理等の物理的処理は、透明基材1の処理面に凹凸が発生せず、鏡面を維持していること、活性化処理面上への不活性化処理による不活性化効果が大きいこと、及び、光学的透明性にも優れることから、特に望ましい。
さらに、上記した「パターン」内を均一に活性化処理することに替えて、その「パターン」内をよりサイズの小さい「微細なパターン」、例えば、網点形状、市松模様状、ランダムパターン状等の微細な領域のみを活性化することで(例えば、網点形状に活性化することにより、「パターン」内の網点以外の部分は、未処理面として残る。)、透明基材1を剥離した際の破断する「きっかけ」を増し、その破断性を向上することができる。
好適には、30μm〜300μmの大きさの一様な網点(網点率は、30%〜70%が好適。その網点内のみ活性化処理する。)や、その大きさの升目を有する市松模様(正方形や、長方形、その他形状。一つ飛ばしに活性化処理する。)、さらには、規則的な処理による不要な回折現象を発生させることを回避するため、網点や市松模様の升目の大きさを30μm〜300μmの間で、ランダムに変化させたものを用いる。もちろん、その変化を全く無秩序なものとせず、所定の法則に従った、不連続な変化としてもよい。
(不活性化処理)
透明基材1の一方の面の活性化処理領域2以外の部分を選択的に不活性化処理したり、透明基材1の一方の面を全面活性化処理後に、「パターン」以外の部分を不活性化処理(表面処理を意味する。以下、同様の意味に用いる。)するなどの処理をするためには、
透明基材1の最表面のみを部分的に溶解する、もしくは、活性化した官能基と反応して官能基の活性を解消する、溶剤類、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジイソブチルケトン、等。)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等、さらにはその水溶液。)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソNo.100、ソルベッソNo.150、カクタスP−180等。)、環状炭化水素類(シクロヘキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セルソルブ、エチルー3−エトキシプロピオネート等。)、エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、t−ブチルセロソルブ等。)等を「パターン」以外の領域に対して、活版印刷方式やインクジェット方式を用いて、活性化処理面への接触を避けてパターン形成し、透明基材1の活性化された最表面の部分のみと反応して、その部分のみを不活性化させる。(図示せず。)
このとき、溶剤が瞬時に揮発せず、所定時間、透明基材表面に留まる必要があるため、その沸点は、60度以上200度以下、好適には、100度以上160度に調整する。
この方法は、透明基材1の表面粗さ(鏡面性)に悪影響をほとんど与えず、その性質のみを変化させるという意味で、特に好適である。
または、透明基材1とはそもそも接着し難い、界面張力の小さい樹脂、例えば、シリコーン樹脂、パラフィン系樹脂、フッ素系樹脂や、これらのフッ化炭化水素基、有機珪素基を含む樹脂や、不揮発油(リンシードオイル、ポピーオイル、ウォルナッツオイル等の乾性油、オリーブオイルや落花生油等の不乾性油、ゴマ油、ナタネ油等の半乾性油)等を、活版印刷や、インクジェット印刷等により、上記した「パターン」以外の領域(図示せず。)に部分形成することで、高い精度で不活性化処理することができる。
この際、部分形成後に透明基材1上に光学的な変化を与えないことが望ましく、溶剤等は揮発することで、また、樹脂等はあくまで表面改質の目的であって乾燥後の形成厚さが光の波長の1/5〜1/50程度となることが望ましい。もちろん、これらを併用することも好適である。
もちろんその「パターン」を「微細なパターン」の集合で構成した場合も同様である。
この不活性化処理により、その不活性化処理面は、透明基材1とホログラム形成層3との剥離強度を、0.01kg/25mm幅以上0.1kg/25mm幅以下とすることができ、ホログラムラベルAを剥そうとすると、どのように工夫しても、必ず、透明基材1とホログラム形成層3間に「すきま」が発生し、透明基材1のみが剥離し始めることとなる。
そして、透明基材1を剥離した部分、すなわち、不活性化処理面にあたるホログラム形成層3の最表面がほぼ鏡面となって、その部分からは、その下にあるホログラム再生像を鮮明に視認することができる。
(ホログラム形成層)
本発明のホログラム形成層3を構成するための透明な樹脂材料としては、各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、もしくは電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、もしくはポリスチレン樹脂等が、また、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、もしくはフェノール樹脂等が挙げられる。(図1参照。)
これらの熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、1種もしくは2種以上を使用することができる。これらの樹脂の1種もしくは2種以上は、各種イソシアネート樹脂を用いて架橋させてもよいし、あるいは、各種の硬化触媒、例えば、ナフテン酸コバルト、もしくはナフテン酸亜鉛等の金属石鹸を配合するか、または、熱もしくは紫外線で重合を開始させるためのベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、もしくは、ジフェニルスルフィド等を配合しても良い。
また、電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等を挙げることができ、このような電離放射線硬化性樹脂に架橋構造を導入するか、もしくは粘度を調整する目的で、単官能モノマーもしくは多官能モノマー、またはオリゴマー等を配合して用いてもよい。
そして、ホログラム形成層3を構成する透明な樹脂材料に、無色で透明性が高く、マイクロカプセルに含ませた蛍光剤を励起する波長の紫外線を吸収する性能を有し、さらには、ホログラムレリーフ形成時の加熱・加圧において変性(性能が劣化することを意味する。)することのない、紫外線吸収剤を、その樹脂に対して5%〜10%質量部混入させたものを用いることができる。
上記の樹脂材料を用いてホログラム形成層3を形成するには、感光性樹脂材料にホログラムの干渉露光を行なって現像することによって直接的に形成することもできるが、予め作成したレリーフホログラムもしくはその複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面を上記の樹脂材料の層に押し付けることにより、賦型を行なうのがよい。
熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱もしくは電離放射線照射により、硬化を行わせ、硬化後に剥離することによって、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができる。(図1中の波線部分に該当する。)
なお、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層も光回折構造として使用できる。
レリーフホログラムは、物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラムなどのレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラムなどの白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。また、マシンリーダブルホログラムのように、その再生光を受光部でデータに変換し所定の情報として伝達したり、真偽判定を行うものであってもよい。
微細な凹凸を精密に作成するため、光学的な方法だけでなく、電子線描画装置を用いて、精密に設計されたレリーフ構造を作り出し、より精密で複雑な再生光を作り出すものであってもよい。このレリーフ形状は、ホログラムを再現もしくは再生する光もしくは光源の波長(域)と、再現もしくは再生する方向、及び強度によってその凹凸のピッチや、深さ、もしくは特定の周期的形状が設計される。凹凸のピッチ(周期)は再現もしくは再生角度に依存するが、通常0.1μm〜数μmであり、凹凸の深さは、再現もしくは再生強度に大きな影響を与える要素であるが、通常0.1μm〜1μmである。
単一回折格子のように、全く同一形状の凹凸の繰り返しであるものは、隣り合う凹凸が同じ形状であればある程、反射する光の干渉度合いが増しその強度が強くなり、最大値へと収束する。回折方向のぶれも最小となる。立体像のように、画像の個々の点が焦点に収束するものは、その焦点への収束精度が向上し、再現もしくは再生画像が鮮明となる。
さらに、透明反射性薄膜層4が透明金属化合物等からなる透明反射性薄膜の場合には、その透明反射性薄膜層4の上下の面が、同一レリーフ形状であり、且つ、その面と面の距離(すなわち膜厚さ)が均一であればあるほど、再現もしくは再生強度が大きくなる。また、レリーフ面にホログラム画像の凹凸とは異なる周期、形状の凹凸が存在すると、それはホログラムもしくは回折格子の再現もしくは再生時のノイズとなり、画像を不鮮明にする要因となる。
レリーフ形状を賦形(複製ともいう)する方法は、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版をプレス型(スタンパという)として用い、上記ホログラム形成層3上に、もしくは、下記する透明反射性薄膜層4上に、前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様を複製することができる。形成するホログラムパターンは単独でも、複数でもよい。
上記の極微細な形状を精密に再現するため、また、複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小とするため、原版は金属を使用し、低温・高圧下で複製を行う。
原版は、Niなどの硬度の高い金属を用いる。光学的撮影もしくは、電子線描画などにより形成したガラスマスターなどの表面にCr、Ni薄膜を真空蒸着法、スパッタリングなどにより5〜50nm形成後、Niなどを電着法(電気めっき、無電解めっき、さらには複合めっきなど)により50〜1000μm形成した後、金属を剥離することで作ることができる。
高圧回転式の複製に用いるためには、このNi層の厚み精度を高くする必要があり、通常±10μm、好ましくは、±1μmとする。このため、裏面の研磨や、平坦化方法を用いてもよい。
複製方式は、高圧とするため、平板式でなく、回転式を用い、線圧0.1トン/m〜10トン/m、好ましくは、5トン/m以上とする。複製用シリンダーは、その直径が小さいとレリーフの再現性が低下するため、複製シリンダー直径は大きい方が好ましく、通常、直径0.1m〜2.0m、好ましくは、1.0m以上の弧を使用する。
透明基材1上のホログラム形成層3をこの複製用シリンダーに沿って押し当て、裏面より金属製シリンダーにより上記圧力にて複製を実施する。複製後の熱収縮などの歪みや変形を最小限とするためには、透明な基材1全体を加熱するのではなく、ホログラム形成層3の複製する面側の一部のみを加熱する方法が望ましい。通常60℃〜110℃に加熱する。さらには、裏面の金属製シリンダーを常温に保つ、もしくは冷却することで、さらにその精度を向上させることができる。
(透明反射性薄膜層)
本発明のホログラムラベルAでは、ホログラム形成層3の上に形成されているホログラムレリーフに接して、且つ、追従するように透明反射性薄膜層4を形成する。この透明反射性薄膜層4は、入射した光を反射する必要があるため、透明基材1よりも高い屈折率を有する薄膜であれば、特に限定されない。(図1参照。)
透明反射性薄膜層4としては、真空薄膜法などにより形成される金属薄膜などの金属光沢反射層を部分的に設けたり、または、透明反射層を設ける。
透明反射層は、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム形成層3のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を視認できることから、透明なホログラムを作製することができる。
例えば、ホログラム形成層3よりも光屈折率の高い薄膜には、例として、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITOなどがある。
好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Ti、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Auなどの酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したものなど(透明金属化合物)が例示できる。
またアルミニウムなどの一般的な光反射性(可視光波長のほぼ全域にわたる反射、すなわち、「全反射」に近い性質を有する。)の金属薄膜も、厚みが20nm以下になると、透明性が出て使用できる。
透明反射層(透明金属化合物層)の形成は、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVD(化学蒸着法)などの真空薄膜法などにより設ければよい。特にCVD法はホログラム形成層3への熱的ダメージが少ない。また、他の薄膜形成法を用いても、形成する薄膜層を薄くしておくと、その熱的ダメージを少なくすることができる。例えば、アルミニウム蒸着層であれば、形成条件によるが、厚さにして、ほぼ20nmのものあたりが、透明性が無くなり全反射性を出現する臨界点である。この厚さは薄膜材料、形成方法、金属加熱温度・真空度等の形成条件により異なる。
(粘着層)
粘着層6に用いる粘着剤としては、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂や、天然ゴム、クロロプレンゴムなどのゴム系樹脂などが挙げられる。自然にやさしい材料構成とするために、特に、天然ゴムを主成分とするラテックス、それを変性したもの、特に天然ゴムにスチレン特にメタクリル酸メチルとをグラフト重合させて得た天然ゴムラテックス等の天然素材から作製されたものを用いても良い。
この粘着剤に、適宜な溶剤と、平均直径5μm〜60μmのマイクロカプセル5を加え、そのマイクロカプセル5を破壊することがないように、低速撹拌等の負荷のかからない分散手段を用いて処理し、粘着剤中にマイクロカプセル5を均一に分散させる。
粘着層6に用いられる溶剤としては、
溶剤類、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、イソホロン、ジイソブチルケトン、等。)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコール等、さらにはその水溶液。)、芳香族類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベッソNo.100、ソルベッソNo.150、カクタスP−180等。)、環状炭化水素類(シクロヘキサン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸セルソルブ、エチルー3−エトキシプロピオネート等。)、エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、t−ブチルセロソルブ等。)等を用いることができる。
この溶剤が、「液状物質」として、化学発光材料に「流動性」を付与するものとなる。
粘着剤中のマイクロカプセル5の含有量は、10%〜70%質量部とし、そのマイクロカプセル5内の、マイクロカプセル5全体に対する「化学発光材料及び液状物質」の含有量は、10%以上40%以内とする。そして、その化学発光材料と液状物質の混合割合は、1/2〜1/10とする。
この化学発光材料を含むマイクロカプセル5を含有している粘着層6を形成する方法としては、上記した大きさを有するマイクロカプセル5を含む粘着剤6を、マイクロカプセル5を破壊することなく、透明反射性薄膜層4上に、均一な厚さに設けるため、凹版印刷法、スクリーン印刷方法、カーテンコート法その他、フォトレジスト法等を用いる。(図1参照。)
化学発光材料としては、以下のものを使用する。
・ルミノール系:反応物A[ルミノール誘導体L−012+ホースラディッシュペルオキシ ダーゼ+フェノール化合物]+反応物B[過酸化水素水]:和光純薬工業社製イムノスタ ーキット、ロシュ・ダイアグノスティックス社製BMケミルミネッセンスウェスタンブロ ッティング試薬等、を用いることができる。
フェノール化合物には、ヨードフェノール化合物、ロフィン、フェノール性誘導体2−(4−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾールやフェニルボロン酸誘導体を用いることができる。
・シュウ酸ジフェニル系:反応物A[シュウ酸ジフェニルと蛍光剤との混合物]+反応物B [35%過酸化水素水]:これらの混合により、シュウ酸ジフェニルが過酸化水素で酸化 されながら分解し、2分子のフェノールと1分子の過シュウ酸エステルが生じ、過シュウ 酸エステルはさらに酸化を受けて 1,2−ジオキセタンジオンとなる。
1,2−ジオキセタンジオンは自発的に分解して2分子の二酸化炭素に変わり、このとき に蛍光剤にエネルギーを与えて励起させ、励起蛍光剤が蛍光を放出しながら基底状態に戻 る。
この場合、蛍光剤とその蛍光発光色は:9,10−ジフェニルアントラセン→青色、9, 10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン→緑色、テトラセン→黄緑色、1−クロロ −9,10−ビス(フェニルエチニル)アントラセン→黄色、5,12-ビス(フェニルエチ ニル)ナフタセン、ルブレン、ローダミン6G→橙色、ローダミンB→赤色等である。
・塩化オキサリル系:反応物A[塩化オキサリルと蛍光剤との混合物]+反応物B[無水過 酸化水素]+[非水溶媒(1,2−ジクロロエタン)]:蛍光剤とその蛍光発光色は:ロ ーダミンB→橙色等である。
・ルテニウム(■)錯体系:反応物A[ルテニウム(■)錯体]+反応物B[酸化剤]+反
応物C[水素化ホウ素ナトリウム溶液]:ルテニウム(■)錯体が酸化され、ルテニウム
(■)錯体が得られた後、水素化ホウ素ナトリウム溶液で還元されるとき、橙色の光を放
つ。
・テトラキス(ジメチルアミノ)エチレン系:空気による酸化で明るい青緑色の光を放つた め、マイクロカプセルは一種類となる。沸点が低く蒸発し易いため、沸点100℃以上の 溶剤や、不揮発性オイルに混入させることで、その発光開始時間を遅らせ、且つ、発光時 間を延長させることが好適である。
・ピロガロール(1,2,3−トリヒドロキシベンゼン)系:反応物A[ピロガロール+水 酸化ナトリウム水溶液+炭酸カリウム水溶液]+反応物B[ホルムアルデヒド]:赤い発 光が生じる。
・ルシゲニン系:反応物A[ルシゲニン(N,N´−ジメチル−9,9´−ビスアクリジニ ウムジナイトレート)水溶液+エタノール]+反応物B[過酸化水素水+強塩基性水溶液 ]:混合により、鮮やかな緑を放出し、青緑そして最終的には青色の放出に変化する。
・マンガンイオン系:反応物A[マンガン(■、■、■)イオン水溶液]+反応物B[水素
化ホウ素ナトリウム溶液]:マンガン(■、■、■)イオンが、Mn(■)へ還元される
とき赤色の発光を示す。
・ペルオキシオキサラート系:反応物A[フタル酸ジブチル+オキサラート+蛍光剤]+反 応物B[フタル酸ジメチル+t−ブタノール+過酸化水素]:
反応物A[アセチルクエン酸トリブチル+オキサラート+蛍光剤]+反応物B[クエン酸 トリエチル+t−ブタノール+過酸化水素]:発光技研社製オキサラート、東京化成工業 社製オキサラートA5302、A5303、A5305、O0236等を用いることがで きる。
過酸化水素の検出に用いられる化学発光試薬(7−(4,6−ジクロロ−1,3,5−ト リアジニルアミノ)−4−メチルクマリン)(DTMC)も好適である。
そして、マイクロカプセルに含まれる蛍光剤としては、
紫外線、赤外線、電子線、X線などの可視光線以外のエネルギーを吸収して励起し、可視光線を放出する物質を用いることができる。
具体的には、以下の蛍光体原料等を使用することができる。
Baを含む蛍光体原料としては、BaO、Ba(OH)2・8H2O、BaCO3、Ba(NO32、BaSO4、Ba(C24)・2H2O、Ba(OCOCH32、BaCl2等、Caを含む蛍光体原料としては、CaO、Ca(OH)2、CaCO3、Ca(NO32・4H2O、CaSO4・2H2O、Ca(C24)・H2O、Ca(OCOCH3)2・H2O、無水CaCl2(但し、水和物であってもよい。)等、Srを含む蛍光体原料としては、SrO、Sr(OH)2・8H2O、SrCO33、Sr(NO33)2、SrSO4、Sr(C24)・H2O、Sr(OCOCH32・0.5H2O、SrCl2等、Znを含む蛍光体原料としては、ZnO、Zn(C24)・2H2O、ZnSO4・7H2O等、Mgを含む蛍光体原料としては、MgCO3、MgO、MgSO4、Mg(C24)・2H2O等、Siを含む蛍光体原料としては、SiO2、H4SiO4、Si(OCOCH34等、Euを含む蛍光体原料体例としては、Eu23、Eu2(SO43、Eu2(C243、EuCl2、EuCl3、Eu(NO33・6H2O等、Sm、Tm及びYbを含む各蛍光体原料としては、Eu源の具体例として挙げた各化合物において、EuをそれぞれSm、Tm及びYbに置き換えた化合物が挙げられる。
また、Mnを含む蛍光体原料としては、MnO、MnO2、Mn23、MnF2、MnCl2、MnBr2、Mn(NO32・6H2O、MnCO3、MnCr24等、Crを含む蛍光体原料としては、Cr23、CrF3(水和物含む。)、CrCl3、CrBr3・6H2O、Cr(NO32・9H2O、(NH42CrO4等、Tbを含む蛍光体原料としては、Tb47、TbCl3(水和物を含む。)、TbF3、Tb(NO33・nH2O、Tb2(SiO43、Tb2(C243・10H2O等、また、他の蛍光体原料(例えば、Eu源)とTb源とを共沈させてから用いることもでき、Prを含む蛍光体原料としては、Pr23、PrCl3、PrF3、Pr(NO33・6H2O、Pr2(SiO43、Pr2(C243・10H2O等、Ceを含む蛍光体原料としては、CeO2、CeCl3、Ce2(CO33・5H2O、CeF3、Ce(NO33・6H2O等、Luを含む蛍光体原料としては、Lu23、LuCl3、LuF3(水和物を含む。)、Lu(NO33(水和物を含む。)等、Laを含む蛍光体原料としては、La23、LaCl3・7H2O、La2(CO33・H2O、LaF3、La(NO33・6H2O、La2(SO43等、Gdを含む蛍光体原料としては、Gd23、GdCl3・6H2O、Gd(NO33・5H2O、Gd2(SO43・8H2O、GdF3等が挙げられる。
さらに、Geを含む蛍光体原料としては、GeO2、Ge(OH)4、Ge(OCOCH34、GeCl4等、Gaを含む蛍光体原料としては、Ga23、Ga(OH)3、Ga(NO33・nH2O、Ga2(SO43、GaCl3等、Alを含む蛍光体原料としてはα−Al23、γ−Al23等のAl23、Al(OH)3、AlOOH、Al(NO33・9H2O、Al2(SO43、AlCl3等、Pを含む蛍光体原料としては、P25、Ba3(PO42、Sr3(PO42、(NH43PO4等、Bを含む蛍光体原料としては、B23、H3BO3等が挙げられる。
なお、上記に例示した原料は、必要に応じて共沈させてから用いてもよい。
さらに、N元素、O元素及びハロゲン元素等に対応する蛍光体原料は、通常、上記各蛍光体構成元素の蛍光体原料のアニオン成分として、又は焼成雰囲気中に含有される成分として、蛍光体製造時に供給される。
蛍光体原料を混合して原料混合物を調製してから、原料混合物を所定温度、雰囲気下で焼成する。この際、混合は十分に行うことが好ましい。
上記混合手法としては、特に限定はされないが、具体的には、下記(A)及び(B)として挙げた手法を用いることができる。また、これらの各種条件については、例えば、ボールミルにおいて2種の粒径の異なるボールを混合して用いる等の条件を選択可能である

(A)例えばハンマーミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル等の乾式粉砕機、又は、乳鉢と乳棒等を用いる粉砕と、例えばリボンブレンダー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー等の混合機、又は、乳鉢と乳棒を用いる混合とを組み合わせ、前述の蛍光体原料を粉砕混合する乾式混合法。
(B)前述の蛍光体原料に例えばメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒又は水などの溶媒又は分散媒を加え、例えば粉砕機、乳鉢と乳棒、又は蒸発皿と撹拌棒等を用いて混合し、溶液又はスラリーの状態とした上で、噴霧乾燥、加熱乾燥、又は自然乾燥等により乾燥させる湿式混合法。
蛍光体原料の混合は、蛍光体原料の物性に応じて、湿式又は乾式のいずれかを選択することができる。
また、ハロゲン化物、窒化物等の酸化・吸湿し易い原料を用いる場合には、例えばアルゴンガス、窒素ガス等の不活性気体を充填し、水分管理されたグローブボックス内でミキサー混合する。(図示せず。)
また、混合・粉砕時に、粒径を揃える等の目的で、蛍光体原料を篩いにかけても良い。この場合、各種市販の篩いを用いることが可能であるが、金属メッシュのものよりもナイロンメッシュ等の樹脂製のものを用いる方が、不純物混入防止の点で好ましい。
焼成工程では、得られた原料混合物を焼成することにより焼成物を得る。得られた焼成物は、通常、その組成は目的とする蛍光体のものとなっているが、その粒子は焼結して焼成ケーキとなっている。
さらに、焼成において、焼成炉中の耐熱容器の数が多い場合には、例えば、上記の昇温速度を遅めにする等、各耐熱容器への熱の伝わり具合を均等にすることが、ムラなく焼成するためには好ましい。
焼成工程における焼成温度、圧力、雰囲気等の焼成条件は、製造しようとする蛍光体そ
れぞれに応じて適切な条件を設定することが好ましい。
さらに、耐湿性等の耐候性を一層向上させるために、または、蛍光剤の樹脂に対する分散性を向上させるために、必要に応じて、蛍光剤の表面を異なる物質で被覆する等の表面処理を行なってもよい。(図示せず。)
蛍光剤の表面に存在させることのできる物質(以下「表面処理物質」とも称する。)の例としては、例えば、有機化合物、無機化合物、ガラス材料等を挙げることができる。 有機化合物の例としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレン等の熱溶融性ポリマー、ラテックス、ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。
無機化合物の例としては、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化ゲルマニウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化硼素、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化ビスマス等の金属酸化物、窒化珪素、窒化アルミニウム等の金属窒化物、燐酸カルシウム、燐酸バリウム、燐酸ストロンチウム等のオルト燐酸塩、ポリリン酸塩等が挙げられる。なお、燐酸リチウム、燐酸ナトリウム、及び燐酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種と、硝酸バリウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、塩酸バリウム、塩酸カルシウム、及び塩酸ストロンチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせて用いることもできる。中でも、燐酸ナトリウムと硝酸カルシウムとを組み合わせて用いることが好ましい。また、蛍光剤表面にバリウム、カルシウム、ストロンチウムが存在する場合には燐酸ナトリウム等の燐酸塩のみを用いても表面処理を行なうことができる。
ガラス材料の例としてはホウ珪酸塩、ホスホ珪酸塩、アルカリ珪酸塩等が挙げられる。 これらの表面処理物質は、何れか1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
表面処理を施した蛍光剤は、これらの表面処理物質を有することになるが、その表面処理物質の存在態様としては、例えば下記のものが挙げられる。(図示せず。)
(i)表面処理物質が連続膜を構成して、蛍光剤の表面を被覆する態様。
(ii)表面処理物質が多数の微粒子となって、蛍光剤の表面に付着することにより、蛍光剤の表面を被覆する態様。
蛍光剤の表面への表面処理物質の付着量、若しくは被覆量は、蛍光剤の重量に対して、0.1重量%以上、また、30重量%以下、好ましくは15重量%以下であることが望ましい。蛍光剤に対する表面処理物質量の量が多過ぎると、蛍光剤の発光特性が損なわれる場合があり、少な過ぎると表面被覆が不完全となって、耐湿性、分散性の改善が見られない場合がある。
表面処理の方法には特に限定は無いが、例えば、以下に説明するような、金属酸化物(
酸化珪素)による被覆処理法を挙げることができる。
蛍光剤をエタノール等のアルコール中に混合して、攪拌し、更にアンモニア水等のアルカリ水溶液を混合して、攪拌する。次に、加水分解可能なアルキル珪酸エステル、例えばテトラエチルオルト珪酸を混合して、攪拌する。得られた溶液を30分間静置した後、蛍光剤表面に付着しなかった酸化珪素粒子を含む上澄みを除去する。次いで、アルコール混合、攪拌、静置、上澄み除去を数回繰り返した後、150℃で2時間の減圧乾燥工程を経て、表面処理蛍光剤を得る。
蛍光剤の表面処理方法としては、この他、例えば球形の酸化珪素微粉を蛍光剤に付着さ
せる方法、蛍光剤に珪素系化合物の皮膜を付着させる方法、蛍光剤微粒子の表面をポリマー微粒子で被覆する方法、蛍光剤を有機材料、無機材料及びガラス材料等でコーティングする方法、蛍光剤の表面を化学気相反応法によって被覆する方法、金属化合物の粒子を付着させる方法等を用いることができる。
蛍光剤の結晶構造の例を挙げると、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu等のオルソシリケート系結晶構造、Ca3(Sc,Mg,Na,Li)2Si312:Ce等のガーネット系結晶構造、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO46Cl2:Eu等のアパタイト系結晶構造、M3Si6122:Eu(但し、Mはアルカリ土類金属元素を表わす。)等の窒化物系結晶構造などが挙げられる。中でも、オルソシリケート系結晶構造又はガーネット系結晶構造が好ましい。
(緑色蛍光剤)
緑色蛍光剤の発光ピーク波長は、通常500nm以上、中でも510nm以上、さらには515nm以上であることが好ましく、また、通常550nm以下、中でも542nm以下、さらには535nm以下の範囲であることが好ましい。この発光ピーク波長λpが短過ぎると青味を帯びる傾向がある一方で、長過ぎると黄味を帯びる傾向があり、何れも緑色光としての特性が低下する可能性がある。
また、緑色蛍光剤の発光ピークの半値幅としては、通常10nm以上、通常130nm以下であり、用途に応じて適宜調整することが好ましい。この半値幅FWHMが狭過ぎると発光強度が低下する場合があり、広過ぎると色純度が低下する場合がある。
また、緑色蛍光剤は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のものであり、メジアン径D50は、通常1μm程度である。
緑色蛍光剤の具体例を挙げると、破断面を有する破断粒子から構成され、緑色領域の発光を行う(Mg,Ca,Sr,Ba)Si222:Euで表わされるユウロピウム付活アルカリ土類シリコンオキシナイトライド系蛍光剤等が挙げられる。
(橙色ないし赤色蛍光剤)
橙色ないし赤色蛍光剤の発光ピーク波長は、通常570nm以上、好ましくは580nm以上、より好ましくは585nm以上、また、通常780nm以下、好ましくは700nm以下、より好ましくは680nm以下の波長範囲にあることが好適である。
このような橙色ないし赤色蛍光剤としては、例えば、赤色破断面を有する破断粒子から構成され、赤色領域の発光を行う(Mg,Ca,Sr,Ba)2Si5N8:Euで表わされるユーロピウム賦活アルカリ土類シリコンナイトライド系蛍光剤、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、赤色領域の発光を行う(Y,La,Gd,Lu)22S:Euで表わされるユーロピウム賦活希土類オキシカルコゲナイド系蛍光剤等が挙げられる。
また、赤色蛍光剤の発光ピークの半値幅としては、通常1nm〜50nmの範囲である

また、赤色蛍光剤は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のもの
であり、メジアン径D50は通常1μm程度である。
更に、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、W、及びMoよりなる群から選ばれる少なくも1種類の元素を含有する酸窒化物及び/又は酸硫化物を含有する蛍光剤であって、Al元素の一部又は全てがGa元素で置換されたアルファサイアロン構造をもつ酸窒化物を含有する蛍光剤も用いることができる。なお、これらは酸窒化物及び/又は酸硫化物を含有する蛍光剤である。
(青色蛍光剤)
青色蛍光剤の発光ピーク波長は、通常420nm以上、好ましくは430nm以上、より好ましくは440nm以上、また、通常490nm以下、好ましくは480nm以下、より好ましくは470nm以下、更に好ましくは460nm以下の波長範囲にあることが好適である。
また、青色蛍光剤の発光ピークの半値幅としては、通常20nm〜80nmの範囲である。
また、青色蛍光剤は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のものであり、メジアン径D50は通常1μm程度である。
このような青色蛍光剤としては、規則的な結晶成長形状としてほぼ六角形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行う(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Euで表わされるユーロピウム賦活バリウムマグネシウムアルミネート系蛍光剤、規則的な結晶成長形状としてほぼ球形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行う(Mg,Ca,Sr,Ba)5(PO43(Cl,F):Euで表わされるユウロピウム賦活ハロリン酸カルシウム系蛍光剤、規則的な結晶成長形状としてほぼ立方体形状を有する成長粒子から構成され、青色領域の発光を行う(Ca,Sr,Ba)259Cl:Euで表わされるユウロピウム賦活アルカリ土類クロロボレート系蛍光剤、破断面を有する破断粒子から構成され、青緑色領域の発光を行う(Sr,Ca,Ba)Al24:Eu又は(Sr,Ca,Ba)4Al1425:Euで表わされるユウロピウム賦活アルカリ土類アルミネート系蛍光剤等が挙げられる。
(黄色蛍光剤)
黄色蛍光剤の発光ピーク波長は、通常530nm以上、好ましくは540nm以上、より好ましくは550nm以上、また、通常620nm以下、好ましくは600nm以下、より好ましくは580nm以下の波長範囲にあることが好適である。
また、黄色蛍光剤の発光ピークの半値幅としては、通常60nm〜200nmの範囲である。
また、黄色蛍光剤は、外部量子効率が、通常60%以上、好ましくは70%以上のものであり、メジアン径D50は通常1μm程度である。
このような黄色蛍光剤としては、各種の酸化物系、窒化物系、酸窒化物系、硫化物系、酸硫化物系等の蛍光剤が挙げられる。
特に、RE3512:Ce(ここで、REは、Y、Tb、Gd、Lu、及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わし、Mは、Al、Ga、及びScからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わす。)やMa3Mb2Mc312:Ce(ここで、Maは2価の金属元素、Mbは3価の金属元素、Mcは4価の金属元素を表わす。)等で表わされるガーネット構造を有するガーネット系蛍光剤、AE2MdO4:Eu(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg、及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わし、Mdは、Si、及び/又はGeを表わす。)等で表わされるオルソシリケート系蛍光剤、これらの系の蛍光剤の構成元素の酸素の一部を窒素で置換した酸窒化物系蛍光剤、AEAlSi(N,O)3:Ce(ここで、AEは、Ba、Sr、Ca、Mg及びZnからなる群から選ばれる少なくとも1種類の元素を表わす。)等のCaAlSiN3構造を有する窒化物系蛍光剤等のCeで付活した蛍光剤が挙げられる。
特に、ナノ蛍光剤:Siナノ蛍光剤、ZnSナノ蛍光剤、YAG:Ceナノ蛍光剤、LaPO4:Lnナノ蛍光剤、色素ドープシリカナノ蛍光剤、半導体ナノ粒子、CdSe−ZnS量子ドット等は、その粒径がホログラムレリーフのレリーフ周期よりはるかに小さいため、そのレリーフ面上へ均一に形成でき、かつ、形成厚さも制御しやすいため特に好適である。半導体薄膜の極微細加工により形成する場合は、高精度且つ、極薄膜で形成可能であり、発光光の波形や、強度を制御して、その干渉性を向上させることができる。
蛍光性半導体量子ドットにおいては、中心核(コア)は、例えば、セレン化カドミウム(CdSe)でできており、その外側を硫化亜鉛(ZnS)の被覆層(シェル)が覆っている構造をしている。この金属化合物の直径を変えることで、発する蛍光波長が変わる特徴を持つ。この量子ドットの周囲に生体高分子を配置したものは、生体高分子特有の反応基を有するため、この反応基を利用して蛍光剤を特異的に配置させることが可能である。
紫外線発光蛍光剤としては、紫外線により励起され、これよりも低いエネルギー準位に戻る時に発する蛍光スペクトルのピークが、青、緑、赤等の波長域にあるものである。そして、このような紫外線発光蛍光剤としては、例えばCa259 Cl:Eu2+,CaWO4 ,ZnO:Zn,Zn2 SiO4 :Mn、Y22 S:Eu,ZnS:Ag,YVO4 :Eu、Y23 :Eu,Gd22 S:Tb,La22S:Tb,Y3 Al512:Ce等があり、これらを単体として使用するか、またはこれらを数種、適当な割合で混合して使用する。
これらは、蛍光スペクトルのピークを、青、赤、緑の波長領域以外に有するものである。また、インキ中の紫外線蛍光発光体の重量率は、少なくとも受光素子による蛍光の検知が可能であればよい。
一方、赤外線発光蛍光剤としては、波長λ1の励起光を受けて、波長λ2の可視光を発光する特性を有し、λ1>λ2なる性質を有するものがある。そして、このような赤外線発光蛍光剤としては、例えば組成が YF3 :Yb,Er,ZnS:CuCO等がある。
さらに、具体的例として、BASF社製ルモゲンFVヴァイオレット570(ナフタルイミド:374nm→413nm)、ルモゲンFイエロー083(ペリレン:励起波長476nm→発光波長490nm:以下同じ。)、ルモゲンFオレンジ(ペリレン:525nm→539nm)、ルモゲンFレッド305(ペリレン:578nm→613nm)等、
デイグロ社製蛍光顔料:グロプリルT/GTシリーズ、ACTシリーズ、Z/ZQシリーズ、GPLシリーズ、LHYシリーズ、蛍光染料:ダイブライトD−818ロアノークイエロー、D−784アルパータイエロー、D−208アパツチイエロー、D−288チェロキーレツド、D−688コロラドレツド、D−298コロンビアブルー等、
シンロイヒ社製蛍光顔料:シンロイヒカラーFZ−2000シリーズ(FZ−2001RED等)、FZ-2800シリーズ(FZ−2808Blue等)、SX−100シリーズ(SX−104Orange等)、SX−1000シリーズ(SX−1004Orange、SX−1005Lemon Yellow、SX−1007Pink、SX−1037Magenta:平均粒径1.0μm以下)、SW−10シリーズ(SW−11Red Orange、SW−12NGreen、SW−13Red、SW−14NOrange、SW−15N Lemon Yellow、SW−16N Orange Yellow、SW−07Cerise、SW−17Pink、SW−27Rose、SW−37Rubine、SW−47Violet、SW−28Blue:平均粒径1.0μm以下)、SPシリーズ、SF−3000シリーズ(超微粒子タイプ)、SF−5000シリーズ(超微粒子タイプ)、SF−8000シリーズ(超微粒子タイプ)、ルミライトナノRY202(粒径30nm、365〜370nm→619nm)等、
モリテッククス社製:蛍光粒子(グリーン:468nm→508nm)G25(粒径0.03μm)、G40(粒径0.04μm)、G50(粒径0.05μm)、G75(粒径0.07μm)、G85(粒径0.09μm)、G100(粒径0.10μm)、G140(粒径0.14μm)、G200(粒径0.20μm)、G250(粒径0.25μm)、G300(粒径0.30μm)、G400(粒径0.40μm)、G450(粒径0.45μm)、G500(粒径0.50μm)、
蛍光粒子(グリーン:360nm→530nm)34−1(平均粒径3.0μm)、
蛍光粒子(ブルー:365nm→447nm)B50(粒径0.05μm)、B100(粒径0.10μm)、B150(粒径0.14μm)、B200(粒径0.20μm)、B300(粒径0.30μm)、B400(粒径0.40μm)、B500(粒径0.50μm)、
蛍光粒子(レッド:542nm→612nm)B50(粒径0.05μm)、B60(粒径0.05μm)、B100(粒径0.10μm)、B160(粒径0.16μm)、B200(粒径0.20μm)、B300(粒径0.30μm)、B400(粒径0.40μm)、B500(粒径0.50μm)等、
テールナビ社製 紫外線励起蛍光顔料UVP−1(発光波長421nm)、UVB−1(発光波長453nm)、UVG−2(発光波長517nm)、UVR−2(発光波長626nm)、可視光励起蛍光顔料LMS−570(450〜520nm→570nm)、LMS−560(450〜467nm→560nm)、LMS−550(450〜465nm→550nm)、LMS−540(450〜465nm→540nm)等、
イントロジェン社製Qdot525ナノクリスタル(350〜488nm→525nm)、Qdot565ナノクリスタル(350〜488nm→565nm)、Qdot585ナノクリスタル(350〜488nm→585nm)、Qdot605ナノクリスタル(350〜488nm→605nm)、Qdot625ナノクリスタル(350〜488nm→625nm)、Qdot655ナノクリスタル(350〜488nm→655nm)、Qdot705ナノクリスタル(350〜488nm→705nm)、Qdot800ナノクリスタル(350〜488nm→800nm)等、
エヴィデントテクノロジーズ社製エヴィドット:CdSe/ZnSコアシェルエヴィドット(平均粒径7.2〜9.6nmで発光波長490nm〜620nm)等、
日本カンタムデザイン社製量子ドット:カルボキシル基タイプ、アミノ基タイプ:直径3.0nm〜直径8.3nmで発光波長530nm〜620nm等を好適にもちいることができる。
紫外線吸収剤を粘着層6に混入させる場合には、粘着層6そのものが透明反射性薄膜層4の下に位置するため(観察側からみて、奥側という意味。)、ホログラム形成層3ほど、その透明性を配慮する必要がないため、粘着剤に用いる樹脂に対して、10%〜30%質量部混入させることができる。
粘着層6の形成厚さは、10μm〜60μmとする。
粘着層6の粘着力は、透明反射性薄膜層4と粘着層6との界面の剥離強度として、JIS Z0237準拠の180°による剥離方法において、0.1〜1kg/25mm幅程度の範囲にすることが望ましい。もちろん、それ以上の剥離強度を有していても、本発明の目的には適合している。
以上の如き粘着剤の種類や、形成厚さは、透明基材1、ホログラム形成層3及び透明反射性薄膜層4上に蛍光剤を含むマイクロカプセル5を含有している粘着層6を形成する際に、その剥離強度がその範囲内となるように、選択して使用する。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶媒を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)透明基材1として、38μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用い、その一方の面を、タテ・ヨコ20mm×20mmサイズの「開」と「封」の文字(画線の幅は、2mm。)を縦横繰り返す文字パターン状に、エキシマ社製エキシマUV03改質装置を用いて、波長172nmのエキシマ光を走査しながら照射して活性化処理した。この処理領域が、パターン状の活性化処理領域2となる。(図1参照。)
その上に、メラミン樹脂からなるホログラム形成層3を形成した後(透明基材1と、ホログラム形成層3との剥離強度:活性化処理面1.2kg/25mm幅に相当。)、レーザ光学系を用いて撮影した意匠性の高いホログラムを備えたNi原版を用意し、上記したホログラム形成層3に、そのNi原版のレリーフ面を合わせて、回転式レリーフホログラム形成装置(原版シリンダー径1.0m・原版面温度100℃、加圧シリンダー径0.3m水冷式、圧力2トン/m、複製速度10m/分)にてホログラムレリーフをホログラム形成層3上に形成した。
次に、アルバック社製真空蒸着機にて、そのホログラムレリーフ面に接して、且つ、追従するように100nm厚さのZnS薄膜からなる透明反射性薄膜層4を形成した。(図1参照。)
次に、下記マイクロカプセル5と下記粘着層6用粘着剤の混合物を低速分散装置にて撹拌し(図示せず。)、マイクロカプセル5が均一に分散混合されたインキを用いて、スクリーン印刷方式にて、透明反射性薄膜層4上に、乾燥後の厚さ30μmの粘着層6を形成し、実施例1のホログラムラベルAを得た。(図1参照。)
・<マイクロカプセル5>
マイクロカプセルの膜材:メラミン樹脂、
化学発光材料:テトラキス(ジメチルアミノ)エチレン
液状物質:酢酸エチル/トルエン/信越シリコーン社製シリコ−ンオイルKF−96−1.5cs(25℃動粘度1.5mm2/s)=1/2/2
膜材/液状物質/化学化学発光材料:25/4/1、
マイクロカプセルの平均粒径:10μm
・<粘着層6用粘着剤>
マイクロカプセル5 10質量部
酢酸ビニル−アクリル共重合体 20質量部
メラミン樹脂 5質量部
メチルイソブチルケトン 20質量部
トルエン 10質量部
酢酸エチル 35質量部
このホログラムラベルAを、重要書類を入れた封筒(図示せず。)の封緘用に1kgの重さのゴムローラーで荷重をかけて貼着し、24時間放置した後、目視にて観察したところ、活性化処理領域2とその他領域に光学的な差は認識できず、「パターン状」の文字があることは確認できなかった。
そのホログラムラベルAを剥そうとしたところ、透明基材1のみが容易に剥離し始め、透明基材1の「開」と「封」の文字にあたる部分(活性化処理領域2)のみに、破断したホログラム形成層3、透明反射性薄膜層4及び粘着層6の一部が付着して、剥がれた。
そして、その封筒の封緘部分には、「開」と「封」の文字にあたる部分が「白抜き」となった、透明基材1の無いホログラムラベルAの残部が、残っており、「開」と「封」の文字にあたる部分が遮断された、鮮明なホログラム再生像を視認することができた。
さらに、このホログラムラベルAの残部を放置し観察したところ、「白抜き」となっている、「開」と「封」の文字にあたる部分に少しずつ青色の発光が見え始め、その発光強度が徐々に大きくなった(発光強度が増大した。)。
ホログラムラベルAの残部を放置せず、速やかに「偽物」をその上から貼付した場合には、この「偽物」の粘着剤により、この発光する速さが抑制され(視認できるレベルの発光状態となる時間が遅くなるという意味。)、不正者には気づかれ難くなるものと思われた。
このことから、ホログラムラベルAは、高い意匠性と、高い開封防止効果を有するものと思われた。
(実施例2)
マイクロカプセル5を、下記のごとく、マイクロカプセル5(その1)とマイクロカプセル5(その2)の2種類とし(図示せず。)、このマイクロカプセル5(その1)とマイクロカプセル5(その2)を用いて、下記組成の粘着層6としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のホログラムラベルAを得た。(図1参照。マイクロカプセル5(その1)及びマイクロカプセル5(その2)については図示せず。)
・<マイクロカプセル5(その1)>
マイクロカプセルの膜材:メラミン樹脂、
化学発光材料:3−(2´−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3´´−ホス ホリルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタン・2ナトリウム塩
液状物質:水
膜材/液状物質/化学化学発光材料:25/4/1、
マイクロカプセルの平均粒径:10μm
・<マイクロカプセル5(その2)>
マイクロカプセルの膜材:メラミン樹脂、
化学発光材料:ロシュ・ダイアグノスティクス社製フォスファターゼ
液状物質:グリセリン
膜材/液状物質/化学化学発光材料:25/5/10-3
マイクロカプセルの平均粒径:10μm
・<粘着層6用粘着剤>
マイクロカプセル5(その1) 5質量部
マイクロカプセル5(その2) 5質量部
酢酸ビニル−アクリル共重合体 20質量部
メラミン樹脂 5質量部
メチルイソブチルケトン 20質量部
トルエン 10質量部
酢酸エチル 35質量部
実施例1と同様に評価したところ、透明基材1の剥離を行った際には、発光現象は視認されず、10分以上経過した後に、僅かな青色発光を発現し、その後徐々にその発光強度が増大した。
そして、透明基材1を剥離した後、30分経過後には、その青色発光にて、「開」と「封」の文字を判読することができた。
それ以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。
(実施例3)
マイクロカプセル5(その1)とマイクロカプセル5(その2)の2種類を以下のものとしたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例3のホログラムラベルAを得た。(図1参照。)
・<マイクロカプセル5(その1)>
マイクロカプセルの膜材:メラミン樹脂、
化学発光材料:シュウ酸ジフェニル/ローダミンB=100/1
液状物質:水/グリセリン=1/1
膜材/液状物質/化学化学発光材料:25/4/1、
マイクロカプセルの平均粒径:10μm
・<マイクロカプセル5(その2)>
マイクロカプセルの膜材:メラミン樹脂、
化学発光材料:過酸化水素
液状物質:水
膜材/液状物質/化学化学発光材料:15/2/1、
マイクロカプセルの平均粒径:10μm
実施例2と同様に評価したところ、透明基材1の剥離を行った際に、赤色の発光現象が僅かに始まり、この段階では、発光現象が存在することを知らない第三者には認識できないレベルの発光強度であり(グリセリンの保水作用と、遅い流動性により反応の速度が制御されている。)、徐々にその発光強度が増大し、5分後には、赤色発光にて、「開」と「封」の文字を判読することができたこと以外は、実施例2と同様の良好な結果を得た。
(実施例4)透明基材1として、38μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用い、その一方の面を、エキシマ社製エキシマUV03改質装置を用いて、波長172nmのエキシマ光を照射して活性化処理した。
その活性化処理面上に、下記不活性化処理用溶剤組成物を用いて、活版方式にて、タテ・ヨコ20mm×20mmサイズの「開」と「封」の文字(画線の幅は、2mm。)を縦横繰り返す文字が「白抜き」となるパターン状となるように、乾燥前塗布厚さ5μmで形成した(「開」と「封」の文字の画線部分のみが、活性化処理領域2として残り、それ以外の部分が不活性化処理領域となる。)。
これを乾燥温度80度にて乾燥し、「開」と「封」の文字を縦横繰り返すパターン状の活性化処理領域2(図1参照。)と、その周辺の不活性化処理領域(図示せず。)を形成した。
〈不活性化処理用溶剤組成物〉
メチルエチルケトン(沸点80度) 15部
トルエン(沸点100度) 25部
メチルイソブチルケトン(沸点115度) 30部
シクロヘキサノン(沸点156度) 30部
その上に、メラミン樹脂からなるホログラム形成層3を形成したこと(透明基材1と、ホログラム形成層3との剥離強度:不活性化処理部分80g/25mm幅、活性化処理面1.2kg/25mm幅に相当。)以外は、実施例1と同様にして、実施例4のホログラムラベルAを得た。(図1参照。)
実施例1と同様に評価したところ、透明基材1の剥離を行った際に、透明基材1の初期剥離が非常にスムースであったこと、及び、ホログラム形成層3の破断がより生じやすくなったこと以外は、実施例1と同様の良好な結果を得た。
(実施例5)5%の紫外線吸収剤(ラジカル系光重合開始剤-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン)を含むメラミン樹脂からなるホログラム形成層3を形成したこと、アルバック社製電子線加熱方式真空蒸着機を用いて、透明反射性薄膜層4としてTiOx薄膜層40nmを形成したこと、下記組成の粘着剤を用いたこと、及び、封緘する封筒にデザインが印刷されていること以外は全て実施例1と同様とし、実施例5のホログラムラベルA(透明なホログラムラベルA)を得た。(図1参照。)
・<粘着層6用粘着剤>
マイクロカプセル5 10質量部
酢酸ビニル−アクリル共重合体 20質量部
メラミン樹脂 5質量部
メチルイソブチルケトン 20質量部
トルエン 10質量部
酢酸エチル 35質量部
紫外線吸収剤(ラジカル系光重合開始剤α―ヒドロキシケトン) 5質量部
実施例1と同様に評価したところ、ホログラムラベルAの中の「パターン状」の文字部分と、それ以外の部分において、光学的な差はなく、ホログラムラベルAを通して、封筒のデザインが鮮明に確認できたこと、及び、透明反射性薄膜層4の下に、少し白濁している粘着層6を見ることができたものの、試みに、ブラックイトを照射しても蛍光は発光せず、ホログラム形成層3の破断を促進するものが存在することや、この粘着層6の中に蛍光体が含まれているとは読み取れなかったことに加えて、実施例1と同様の良好な効果が得られた。
(実施例6)透明基材1として、38μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムを用い、その一方の面を、ナビタス社製ポリダイン低周波コロナ処理システムによってコロナ処理方式にて活性化処理し、下記組成の不活性化処理用溶剤組成物をインクジェト方式にて、厚さ1μmで形成した以外は、実施例4と同様にして、実施例6のホログラムラベルAを得た。(図1参照。)
〈不活性化処理用溶剤組成物〉
メチルエチルケトン(沸点80度) 40部
トルエン(沸点100度) 30部
メチルイソブチルケトン(沸点115度) 29部
リンシードオイル 1部
実施例4と同様に評価したところ、透明基材1が非常に容易に剥がれたこと以外は、実施例4と同様の効果が得られた。
(実施例7)パターン状の活性化処理領域2の「パターン」を、「微細なパターン」である、50μm×100μmの長方形の集合とし、この基本形を市松模様状として(「長方形の微細なベタ部」の隣が、「長方形の微細な空白」となる模様。)、パターン状の活性化処理領域2の「パターン」内を、一つ飛ばしに不活性化処理し(「微細な長方形の集合」の中の「長方形の空白」のみを処理。)、且つ、「パターン」以外の領域(「開」と「封」の画線以外の領域。)を一様に不活性化処理し、「微細なパターン」の集合から構成される、上記した「開」と「封」の「パターン状の活性化処理領域2」を形成した(「長方形の微細なベタ部」のみが活性化処理されている。)こと以外は、実施例4と同様にして、実施例7のホログラムラベルAを得た。(図1参照。)
実施例4と同様に評価したところ、剥離の際に表示される「開」「封」の文字が剥離前には、より発見し難く、ホログラム形成層3の破断がより生じやすくなったこと以外は、実施例4と同様の良好な結果を得た。
(実施例8)パターン状の活性化処理領域2の「パターン」を、「微細なパターン」、すなわち、直径200μm、網点率50%の網点形状の集合(集まり)とし、その「パターン」に対応する位置にある粘着層6の領域を、下記粘着層6用粘着剤1を用い、ステンレススクリーン印刷方式を用いて、同一直径及び同一網点率で、その「微細なパターン」の位置に対応するように、且つ、その「パターン」以外の領域についても、同一の大きさ、及び、同一網点率で、乾燥後の厚さ30μmに形成し、さらに、その残りの領域(粘着層6用粘着剤1を形成していない領域。)を粘着層6用粘着剤2を用いて埋めるように同様の方式を用いて、同一の厚さに形成したこと以外は、実施例7と同様にして、実施例8のホログラムラベルAを得た。(図1参照。)
実施例7と同様に評価したところ、ホログラム形成層3の破断がより生じやすくなったこと以外は、実施例7と同様の良好な結果を得た。
・<粘着層6用粘着剤1>
マイクロカプセル5 20質量部
酢酸ビニル−アクリル共重合体 20質量部
メラミン樹脂 5質量部
メチルイソブチルケトン 10質量部
トルエン 10質量部
酢酸エチル 35質量部
・<粘着層6用粘着剤2>
マイクロカプセル5 10質量部
酢酸ビニル−アクリル共重合体 20質量部
メラミン樹脂 5質量部
メチルイソブチルケトン 20質量部
トルエン 10質量部
酢酸エチル 35質量部
(比較例)
(比較例1)活性化処理を行わないこと、及び、粘着層を30μm厚さの粘着剤のみの一様な層としたこと以外は、実施例1と同様にし、比較例1のホログラムラベルを得た。
このホログラムラベルを実施例1と同様に評価したところ、透明基材1が容易には剥がれず、粘着層と封筒との界面から剥離し、剥離の途中から透明基材1とホログラム形成層3との間に僅かな「すきま」が発生したに留まった。
従って、このホログラムを丁寧に剥がせば、不正に剥すことも可能であると思われた。
また、ブラックライトを用いてホログラムラベルに紫外線を照射しても、また、しばらく放置しても、何らの蛍光や発光を発現することはなかった。
A ホログラムラベル
1 透明基材
2 透明基材の一方の面を部分的に活性化処理した、その活性化処理領域
3 ホログラム形成層
4 透明反射性薄膜層
5 マイクロカプセル
6 粘着層

Claims (4)

  1. パターン状の活性化処理領域を有する透明基材の上に、前記活性化処理領域を覆うように設けられた、ホログラムレリーフを有するホログラム形成層、前記ホログラム形成層の前記ホログラムレリーフに追従するように設けられた透明反射性薄膜層、及び、粘着層がこの順序で設けられ、且つ、前記粘着層が化学発光材料を含むマイクロカプセルを含有していることを特徴とするホログラムラベル。
  2. 前記透明基材上の前記パターン状の活性化処理領域以外の領域が、不活性化処理領域であることを特徴とする請求項1に記載のホログラムラベル。
  3. 前記パターンは、微細なパターンの集合により構成されているものであることを特徴とする請求項1または2に記載のホログラムラベル。
  4. 前記ホログラム形成層及び/又は粘着層が紫外線吸収剤を含んでいることを特徴とする請求項1から3に記載のホログラムラベル。
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WO2017090831A1 (ko) * 2015-11-27 2017-06-01 한국과학기술연구원 위조 변조 및 재사용 방지를 위한 구조체, 이의 제조방법 및 이를 이용한 위조 변조 및 재사용 진위 판별방법
US10934040B2 (en) 2017-12-08 2021-03-02 Upm Raflatac Oy Sealing label and method of sealing a package

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