JP4007045B2 - 車両の前席用シートベルト装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センターピラーの無い、所謂、観音開き式構造のドアを備えた車両の前席用シートベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
センターピラーの無い、所謂、観音開き式構造のドアを備えた車両においては、前席用3点支持式シートベルトのウェビングを巻き取るリトラクター、ウェビングを乗員の車外側上方で摺動可能に支持するショルダーアンカー、及びウェビングを乗員の車外側下方で終端し固定支持するラップアンカーが、後席乗員の乗降性等に配慮してリアドアに配置されるものが知られている(例えば、特開2001−105864号公報参照)。
しかし、ラップアンカーをリアドアに配置した場合、リアドア開閉に支障をきたさぬよう、ラップアンカーをドア下縁よりも上方に配置することとすると、ウェビングによる乗員拘束位置が相対的に高くなり、乗員着座位置が相対的に低い車両においては、乗員拘束が最適な高さで行なわれ得ないという問題があった。
【0003】
このため、本出願人は、前席のシートベルトが装着されている場合には、ラップアンカーを一体的に設けたアンカーブラケットを下方へ移動させ、乗員拘束位置を相対的に低くすることにより、乗員着座位置が相対的に低い車両においても、乗員拘束性能を最適に保つとともに、前席のシートベルトが装着されていない場合には、上記アンカーブラケットを上方へ移動させてリアドア開閉に支障をきたさぬようにした車両の前席用シートベルト装置を提案している(特願2001−238623号参照)。
【0004】
しかしながら、上記提案によれば、リアドアが閉状態から開状態へ移行する場合、上記アンカーブラケットがリアドア開閉に支障のない上方位置まで移動する前に、リアドアが開状態へ移行し、アンカーブラケットと車体の干渉によるアンカーブラケットの変形、破損等による信頼性の低下を招く場合があり、この点でさらなる改善が要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、センターピラーが無く、所謂、観音開き式ドアを備えた車両において、前席用シートベルト装置の乗員拘束性能を最適に保つとともに、信頼性を向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の構成による車両の前席用シートベルト装置は、車室内に前席及び後席が備えられ、車体側面に設けられた単一開口が、前端部を車体に対して回転可能に固定されたフロントドアと、後端部を車体に対して回転可能に固定されたリアドアとにより開閉可能であるとともに、上記前席に着座した乗員を拘束するウェビングと、該ウェビングを前席乗員の車外側下方にて終端するラップアンカーと、該ラップアンカーと一体をなし上記リアドアに車両上下方向に移動可能に取付けられたアンカーブラケットと、上記リアドアの閉状態移行時に、上記アンカーブラケットを、該アンカーブラケット下縁が上記リアドア下縁よりも下方となる位置まで、下方に駆動するアンカー駆動機構と、上記リアドアの開状態移行時に、上記アンカーブラケットを、上記リアドアの開閉に支障のない位置まで、上方に駆動するリターン機構と、上記リアドアを閉状態から開状態へ移行させるべく操作される開放操作機構と、を備える車両の前席用シートベルト装置であって、上記リターン機構が、上記開放操作機構と連結手段によって連結され、上記開放操作機構の操作に連動して駆動されるように構成されている。
【0007】
上記構成によれば、リアドアが閉状態にある時には、ラップアンカーの設けられたアンカーブラケットが下方に移動し、乗員着座位置が相対的に低い車両においても、ウェビングによる乗員拘束位置が適切な高さとなり、乗員拘束性能を最適に保つことが出来る。
また、前席に着座した乗員がシートベルトを装着し、上記アンカーブラケットが、その下縁を、上記リアドアの下縁よりも下方となる位置にあるとき、リアドアを閉状態から開状態へ移行させるべく、乗員によって最初に操作される開放操作機構に連動して、上記アンカーブラケットが、上方へ駆動されるため、リアドアの閉状態から開状態への移行時、アンカーブラケットと車体の干渉によるアンカーブラケットの変形、破損等が防止され、信頼性を向上させることが出来る。
【0008】
本発明の第2の構成による車両の前席用シートベルト装置は、上記連結手段が、ケーブルによって構成されるとともに、上記リターン機構が、上記アンカーブラケットを上方へ付勢するバネと、上記アンカーブラケットを上記下方の位置で係止するストッパーピンより構成され、上記ストッパーピンが、上記ケーブルによって上記開放操作機構と直接的に連結され、上記ストッパーピンの係止が、上記開放操作機構の操作による上記ケーブルの牽引によって解除され、上記アンカーブラケットが、上記バネによって上方へ駆動されるように構成されている。
【0009】
上記構成によれば、簡単な構造で、アンカーブラケットが、上記開放操作機構の操作によって直接的に駆動されるようになるため、故障が少なく、信頼性を向上させることが出来るうえ、省スペース化、省コスト化を図ることが出来る。
【0010】
本発明の第3の構成による車両の前席用シートベルト装置は、上記開放操作機構が、上記リアドアの車室内側に設けられ、上記リアドアを閉状態から開状態へ移行させるべく操作されるリアドアインナーハンドルである。
【0011】
上記構成によれば、前席に着座した乗員がシートベルトを装着し、上記アンカーブラケットが、その下縁を、上記リアドアの下縁よりも下方となる位置にあるとき、リアドアを閉状態から開状態へ移行させるべく、乗員によって最初に操作されるリアドアインナーハンドルに連動して、上記アンカーブラケットが、上方へ駆動されるため、リアドアの閉状態から開状態への移行時、アンカーブラケットと車体の干渉によるアンカーブラケットの変形、破損等が防止され、信頼性を向上させることが出来る。
【0012】
本発明の第4の構成による車両の前席用シートベルト装置は、上記リアドアインナーハンドルの最初の操作で、上記アンカーブラケットが、上記リアドアの開閉に支障のない位置まで、上記リターン機構によって上方に駆動され、上記リアドアインナーハンドルの最初の操作に引続く二回目以降の操作で、上記リアドアを閉状態に保持しているロック部材の車体との嵌合が解除され、上記リアドアが閉状態から開状態へ移行されるように構成されている。
【0013】
上記構成によれば、リアドアインナーハンドルの最初の操作でアンカーブラケットが上方に駆動され、二回目以降の操作でロック部材の嵌合が解除されるため、上記アンカーブラケットが上記リアドアの開閉に支障のない位置まで上方に駆動された後、上記リアドアが開放可能となり、リアドアの閉状態から開状態への移行時、アンカーブラケットと車体の干渉によるアンカーブラケットの変形、破損等が防止され、信頼性を向上させることが出来る。
また、上記アンカーブラケットの上方への駆動と、ロック部材による嵌合の解除が、同一のリアドアインナーハンドルの操作によって実施されるため、良好な操作性を確保することが出来る。
【0014】
本発明の第5の構成による車両の前席用シートベルト装置は、上記リアドアインナーハンドルと上記ロック部材が、空振り機構を介して連結され、該空振り機構により、上記アンカーブラケットの上方への移動完了が、アンカーブラケット位置検出手段によって検出された後、上記リアドアインナーハンドルが操作されることにより、上記ロック部材の車体との嵌合が解除されるように構成されている。
【0015】
上記構成によれば、アンカーブラケットがリアドアの開閉に支障のない上方位置まで移動したことが、上記アンカーブラケット位置検出手段によって検出された後、上記ロック部材と車体との嵌合が解除されるため、上記アンカーブラケットが上方への移動途中でリアドアが開放されることがなく、リアドアの閉状態から開状態への移行時、アンカーブラケットと車体の干渉によるアンカーブラケットの変形、破損等が防止され、信頼性を向上させることが出来る。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、センターピラーが無く、所謂、観音開き式ドアを備えた車両において、前席用シートベルト装置の乗員拘束性能を最適に保つとともに、信頼性を向上させることことが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
まず、車体構造及びドア構造について説明する。
【0018】
車両の車室内には、本発明によるシートベルト装置を備えた車両の側面図である図1に示されるように、前後方向に前席21及び後席(不図示)が配置され、これら前席21及び後席に着座する乗員が、それぞれ乗降するための前席用乗降口13aと後席用乗降口13bが、車体の少なくとも一方の側面に設けられている。
【0019】
前席用乗降口13aは、図1に示されるように、その前端部をフロントドアヒンジ4によりこのヒンジ部を支点として回転するよう車体に支持されたフロントドア2で開閉され、同様に後席用乗降口13bは、その後端部をリアドアヒンジ5によりこのヒンジ部を支点として回転するよう車体に支持されたリアドア3で開閉され、所謂、観音開き式構造のサイドドアが形成されている。
また、これらの乗降口13a、13bは、両ドア2,3によって開閉自在に覆われる連続した単一開口13を形成し、センタピラーレス構造の車体が構成されている。
【0020】
一方、リアドア3前方の上部、及び下部には車体に嵌合してリアドア3を車体にロックするためのロック部材である上側ロック部材14、及び下側ロック部材15が設けられ、フロントドア2後端の中間部にはリアドア3のストライカ16を係止するための係止部材(不図示)が設けられている。
そして、リアドア3の上側ロック部材14、及び下側ロック部材15は、フロントドア2が、開かれた後、ロック解除が可能となるよう構成されているため、本実施形態の観音開き式構造のドアは、フロントドア2が優先して開放され、リアドア3はフロントドア2の開放後において、その開放が許容されるように構成されている。
【0021】
次に、前席用シートベルトの構成、及び配置について説明する。
前席用シートベルト装置は、図1、及び本発明によるシートベルト装置とリアドアを車室内から見た縦断面図である図2に示されるように、乗員を拘束するウェビング31、上記リアドア3の下部に設けられウェビング31を衝突時に保持可能に巻取るリトラクタ32、ベルト支持点のうちの1つで、リアドア3の上部に設けられ上記ウェビング31を摺動可能に支持するショルダーアンカー35、他の1つのベルト支持点で、上記ウェビング31を前席乗員の車内側下方において摺動可能に支持し、それ自体を上記車体に対して着脱操作可能であるタング・バックル部36、さらに他の1つのベルト支持点で、ウェビング31を前席乗員の車外側下方において終端し、固定支持するラップアンカー42を有する。
【0022】
上記構成部品のうち、タング・バックル部36は、フロアパネル18にブラケット26を介して固定され、上記ウェビング31を前席乗員の車内側下方において摺動可能に支持し、それ自体を上記車体に対して着脱操作可能である。
リトラクタ32は、リアドア3におけるセンタピラーと同等の剛性を有するリアドア前部構造体内に設けられ、ウェビング31を巻取るよう構成されている。ショルダーアンカー35は、上記リアドア前部構造体の車室側の上部に、前席21のヘッドレスト24の位置と対応するように取付けられている。
【0023】
そして、リトラクタ32から引き出されたウェビング31は、上記リアドア前部構造体の車室側表面に配置されるドアトリム(不図示)の上端部から、車室内へ引き出され、ショルダーアンカー35のベルトガイド孔を通過したのち、タング・バックル部36に設けられるバックル36bに接続可能なベルト着脱用のタング36aを経た後、リアドア前部下方位置に設けられるラップアンカー42に終端されて固定支持されている。
【0024】
リアドア3の車室内側前部下方には、図2、及び本発明によるシートベルト装置のアンカーブラケットが下方位置にあるときの動作説明図である図3に示されるように、ラップアンカー42が一体的に設けられたアンカーブラケット44と、アンカーブラケット44を上下方向に摺動可能に支持する支持部材62が設けられ、支持部材62の側面には、アンカーブラケット44に設けられた溝部44aの形状に倣って、先端部が出入りすることにより、アンカーブラケット44の上方への移動完了を検出するアンカーブラケット位置検出手段であるレバー61、が設けられている。
また、リアドア3より下方の車体には、アンカーブラケット44下端に設けられた切欠部44cが係合するように、アンカーピン64が設けられている。
【0025】
そして、支持部材62の内部には、リアドア3の開状態移行時に、アンカーブラケット44を、リアドア3の開閉に支障のない上方位置まで駆動するバネ57とストッパーピン59からなるリターン機構が設けられている。
このうち、バネ57は、一端が支持部材62に係止され、他端がアンカーブラケット44の上端面に係止されて、アンカーブラケット44を常に車両上下方向で上方へ付勢するようにされている。
また、ストッパーピン59は、支持部材62の側面に取付けられ、アンカーブラケット44が図3に示されるように、下方へ移動し、下端に設けられた切欠部44cとアンカーピン64が係合する下方位置にあるとき、その先端部が支持部材62を貫通して、アンカーブラケット44に設けられた嵌合穴44bに嵌合して、アンカーブラケット44を下方位置に係止している。
【0026】
一方、アンカーブラケット44の上方及び側方には、リアドア3の閉状態移行時に、アンカーブラケット44を、上述の下方位置まで駆動する、モータ51とリンクプレート53とリンクシャフト55からなるアンカー駆動機構が設けられている。
このうち、モータ51は、リアドア3に取付けられ、内蔵されたクラッチによって、一方向のみの回転力が取り出され、リンクプレート53に伝達される。
そして、リンクプレート53に伝達された回転力は、一端がリンクプレート53に、他端がアンカーブラケット44の上方に、夫々、枢動自在に連結されたリンクシャフト55によって、アンカーブラケット44に伝達される。
【0027】
さらに、リアドア3の車室内側前方の車両上下方向中央部には、開放操作機構であるリアドアインナーハンドル7が設けられ、リアドア3の車室内側車両上下方向中央部には、ロック部材制御用プレート71と、空振り用プレート72と、連結用ピン73と、枢支軸75からなる空振り機構が設けられている。
そして、リアドアインナーハンドル7と空振り用プレート72は、ケーブル65によって連結され、空振り用プレート72とストッパーピン59は、ケーブル66によって連結され、連結用ピン73とレバー61は、ケーブル67によって連結され、上側ロック部材14、及び下側ロック部材15とロック部材制御用プレート71は、ケーブル68、69によって、夫々、連結されている。
【0028】
ロック部材制御用プレート71、及び空振り用プレート72は、図3、及びロック部材制御用プレートの形状図である図8、及び空振り用プレートの形状図である図9、及び図3のA−A断面図である図10に示されるように、回転中心穴71a、72aを貫通する枢支軸75を中心として枢動可能とされるとともに、バネ(不図示)によって図3に示される中立状態に復帰するよう回転力を付与されてリアドア3に取付けられている。
また、ロック部材制御用プレート71には、半径方向に直線状のピン移動穴71bが設けられ、連結用ピン73が半径方向に移動可能とされている。
同様に、空振り用プレート72には、円周方向のピン移動穴72dと半径方向のピン移動穴72bからなる略T字状のピン移動穴が設けられ、連結用ピン73が円周方向及び半径方向に移動可能とされている。
【0029】
さらに、ロック部材制御用プレート71には、ケーブル連結部71c、71dが設けられ、ケーブル連結部71cには、一端が上側ロック部材14に連結されたケーブル68の他端が連結され、ケーブル連結部71dには、一端が下側ロック部材15に連結されたケーブル69の他端が連結されている。
同様に、空振り用プレート72には、ケーブル連結部72cが設けられ、一端がリアドアインナーハンドル7に連結されたケーブル65の他端と、一端がストッパーピン59に連結されたケーブル66の他端が、対向するようにして連結されている。このため、リアドアインナーハンドル7とストッパーピン59は、連結手段であるケーブル65とケーブル66によって、直接的に牽引されるように連結されている。
【0030】
次に、上記構成によるラップアンカーの作動について説明する。
リアドア3が、閉状態から開状態に移行する場合、図3、及び本発明によるシートベルト装置のリアドアインナーハンドルが最初に操作されたときの動作説明図である図4に示されるように、開放操作機構であるリアドアインナーハンドル7が、図中矢印で示されるように、ケーブル65を牽引するように枢動操作されると、ケーブル65の他端に連結された空振り用プレート72は、回転中心穴72aを貫通する枢支軸75を中心として、図4に矢印で示される反時計方向へ枢動を開始する。
そして、空振り用プレート72には、図9に示されるように、円周方向のピン移動穴72dが設けられているため、ロック部材制御用プレート71と連結するように設けられた連結用ピン73によって規制されることなく空振り用プレート72のみが枢動を継続するが、ロック部材制御用プレート71は、空振り用プレート72に付与された回転力が連結用ピン73によって伝達されないため枢動されない。
【0031】
これにより、図4に示されるように、ケーブル連結部72cにおいてケーブル65と対向するようにして連結されているケーブル66が、ケーブル65によって牽引されることとなるため、ケーブル66の他端に連結されたリターン機構をなすストッパーピン59が、連結手段であるケーブル65とケーブル66によって牽引され、アンカーブラケット44に設けられた嵌合穴44bとの嵌合を解除する方向へ移動してアンカーブラケット44との嵌合が解除される。これにより、バネ57の上方向への引張力によって、アンカーブラケット44は、上方向へ移動を開始する。
【0032】
一方、上側ロック部材14、及び下側ロック部材15は、上述のように、連結用ピン73が、空振り用プレート72に設けられた円周方向のピン移動穴72dにある場合には、空振り用プレート72に加えられた回転力がロック部材制御用プレート71に伝達されない、所謂、空振り状態であるため、車体と嵌合したままで、リアドア3は閉状態を保持している。
【0033】
そして、リアドアインナーハンドル7が、本発明によるシートベルト装置のリアドアインナーハンドルが最初に操作され、その後解放されたときの動作説明図である図5の矢印で示されるように解放されると、空振り用プレート72は、ケーブル65による牽引力が消失するため、空振り用プレート72と枢支軸75間に設けられたバネ(不図示)による回転力によって時計方向に回転し、初期の回転角度位置に復帰する。
【0034】
一方、支持部材62の側面には、アンカーブラケット位置検出手段であるレバー61が設けられ、その先端部は、アンカーブラケット44の側面に設けられた溝部44aの形状に沿って出入りし、これにより、アンカーブラケット44の上方への移動完了が検出される構造となっており、例えば、図5に示されるように、アンカーブラケット44の上方への移動完了が近づくにつれて溝部44aの深さが浅くなるようになっている。
【0035】
これにより、一端がレバー61に連結されたケーブル67は、他端がロック部材制御用プレート71と空振り用プレート72に設けられた、ピン移動穴71b、72bを移動自在な連結用ピン73に連結されているため、アンカーブラケット44の上方への移動完了が近づくにつれて、レバー61の先端部は、溝部44aの深さに沿って図5において右方向に移動し、それに伴い、連結用ピン73は、ピン移動穴71b、72bに沿って、半径方向に枢支軸75へ近づく方向へ移動し、アンカーブラケット44は、リアドア3の開閉に支障のない上方位置まで移動する。
一方、上側ロック部材14、及び下側ロック部材15は、上述のように、車体と嵌合したままで、リアドア3は閉状態を保持している。
【0036】
そして、リアドアインナーハンドル7が、本発明によるシートベルト装置のリアドアインナーハンドルが再度操作されたときの動作説明図である図6の矢印で示されるように、ケーブル65を、再度、牽引するように枢動操作されると、ケーブル65の他端に連結された空振り用プレート72は、回転中心穴72aを貫通する枢支軸75を中心として図中に矢印で示される反時計方向へ枢動を開始する。
同時に、空振り用プレート72に加えられた回転力は、空振り用プレート72の半径方向のピン移動穴72b、及びロック部材制御用プレート71の半径方向のピン移動穴71bに移動している連結用ピン73によって、ロック部材制御用プレート71にも伝達され、ロック部材制御用プレート71と空振り用プレート72が一体となって図中に矢印で示される反時計方向へ枢動を開始する。
【0037】
これにより、ロック部材制御用プレート71のケーブル連結部71cに連結されているケーブル68が、図中矢印方向に牽引され、これにより、上側ロック部材14による車体とリアドア3とのロック状態が解除され、同様に、ロック部材制御用プレート71のケーブル連結部71dに連結されているケーブル69が、図中矢印方向に牽引され、これにより、下側ロック部材15による車体とリアドア3とのロック状態が解除されて、リアドア3は閉状態から開状態へ移行可能とされる。
【0038】
すなわち、リアドアインナーハンドル7の最初の操作で、上側ロック部材14と下側ロック部材15による車体との嵌合は解除されず、リアドア3は閉状態に保持されるが、アンカーブラケット44は、ストッパーピン59による上述の下方位置での係止が解除され、バネ57によって、リアドア3の開閉に支障のない位置まで上方に駆動される。
そして、アンカーブラケット44の上方への移動完了が、アンカーブラケット位置検出手段であるレバー61によって検出された後、リアドアインナーハンドル7が再び操作されることにより、上側ロック部材14と下側ロック部材15による車体との嵌合が解除され、リアドア3は開状態へ移行可能とされている。
【0039】
逆に、リアドア3が、開状態から、閉状態に移行した場合、リアドア3の状態変化は、リアドア3に設けられたリアドアスイッチ(不図示)、又は、タング・バックル部36に設けられたバックルスイッチ(不図示)の出力電圧変化により検出される。
【0040】
上記リアドアスイッチ、又は上記バックルスイッチの出力電圧変化を検出すると、リアドア3が、開状態から、閉状態に移行したと判定され、確認用タイマをスタートさせる。
上記確認用タイマが、カウント動作中、再度、上記リアドアスイッチ、又は上記バックルスイッチの出力電圧変化を検出した場合、リアドア3が、開状態へ復帰したと判定し、制御を中止し、ラップアンカー42の位置は、変化しない。
【0041】
一方、上記確認用タイマが、カウント動作中、上記リアドアスイッチ、及び上記バックルスイッチのいずれの出力電圧変化も検出することなく、所定時間経過した場合、リアドア3の閉状態への移行が確認されたとして、モータ51が図7の矢印で示される時計回り方向へ回転駆動される。モータ51の回転力は、リンクプレート53を介して連結されているリンクシャフト55へ伝達される。
そして、リンクシャフト55の先端部に連結されているアンカーブラケット44は、支持部材62により、上下方向のみの移動に規制されていることから、アンカーブラケット44は、バネ57による上方向への引張力に抗して、下方向へ移動する。
【0042】
アンカーブラケット44の下方向への移動は、リアドア3下方の車体に固定されたアンカーピン64が、アンカーブラケット44の下端部に設けられた切欠部44cに係合することにより終了し、同時に、支持部材62の側部に設けられたストッパーピン59が、支持部材62を貫通しアンカーブラケット44の上方に設けられた嵌合穴44bに嵌合する。
同時に、アンカーブラケット44の下方への移動により、レバー61の先端部が溝部44aの深さに沿って図7において左方向に移動するに伴い、連結用ピン73は、ピン移動穴71b、72bに沿って、半径方向に枢支軸75から遠ざかる方向へ移動する。
【0043】
そして、アンカーブラケット44は、図3に示されるように、車体に固定されたアンカーピン64により、下端部を支持され、リアドア3に設けられた支持部材62とストッパーピン59により上方部を係止された状態で、下方向への移動を停止し、モータ51は、ロック電流検出により通電が停止される。
同時に、連結用ピン73は、ピン移動穴71b、72bに沿って、半径方向に枢支軸75から遠ざかる方向へ移動し、空振り用プレート72のピン移動穴72bとピン移動穴72dが交差する位置で移動を停止する。
【0044】
以上のことから、リアドア3が閉状態にある時には、ラップアンカー42の設けられたアンカーブラケット44が下方に移動し、ウェビング31による乗員拘束位置が適切な高さとなり、シートベルトによる乗員拘束を最適に行なうことが出来るとともに、リアドア3を閉状態から開状態へ移行させる場合に操作される開放操作機構であるリアドアインナーハンドル7の操作に連動してリターン機構が駆動され、アンカーブラケット44が上方へ移動するため、アンカーブラケット44と車体の干渉によるアンカーブラケット44の変形、破損等が防止され、信頼性を向上させることが出来る。
【0045】
また、リアドアインナーハンドル7の最初の操作で、上側ロック部材14と下側ロック部材15によりリアドア3は閉状態のままで、アンカーブラケット44が上方に駆動され、レバー61によりアンカーブラケット44がリアドア3の開閉に支障のない上方位置まで移動したことが検出された後、リアドアインナーハンドル7が、再び操作されることによって、上側ロック部材14と下側ロック部材15の車体との嵌合が解除され、リアドア3が開状態へ移行可能とされるため、アンカーブラケット44が上方への移動途中でリアドア3が開放されて、アンカーブラケット44と車体が干渉することによるアンカーブラケットの変形、破損等が防止され、信頼性を向上させることが出来る。
【0046】
また、リターン機構によるアンカーブラケット44の上方への駆動と、上側ロック部材14と下側ロック部材15による嵌合の解除が、同一のリアドアインナーハンドル7の操作によって実施されるため、良好な操作性を確保することが出来る。
【0047】
さらに、リターン機構のストッパーピン59が、連結手段であるケーブル66とケーブル65によって、リアドアインナーハンドル7に直接的に連結されているため、構造が簡単で故障が少なく、信頼性を向上させることが出来るうえ、省スペース化、省コスト化を図ることが出来る。
【0048】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することが可能である。
たとえば、上記開放操作機構として、リアドアインナーハンドル7としたが、リアドアアウターハンドルや、遠隔操作装置などによることも可能であるし、上記連結手段を油圧回路などによることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるシートベルト装置を備えた車両の側面図。
【図2】 本発明によるシートベルト装置とリアドアを車室内から見た縦断面図。
【図3】 本発明によるシートベルト装置のアンカーブラケットが下方位置にあるときの動作説明図。
【図4】 本発明によるシートベルト装置のリアドアインナーハンドルが最初に操作されたときの動作説明図。
【図5】 本発明によるシートベルト装置のリアドアインナーハンドルが最初に操作され、その後解放されたときの動作説明図。
【図6】 本発明によるシートベルト装置のリアドアインナーハンドルが再度操作されたときの動作説明図。
【図7】 本発明によるシートベルト装置のリアドアインナーハンドルが再度操作され、その後解放されたときの動作説明図。
【図8】 ロック部材制御用プレートの形状図。
【図9】 空振り用プレートの形状図。
【図10】 図3のA−A断面図。
【符号の説明】
3…リアドア
7…リアドアインナーハンドル(開放操作機構)
13…単一開口
14…上側ロック部材(ロック部材)
15…下側ロック部材(ロック部材)
21…前席
31…ウェビング
42…ラップアンカー
44…アンカーブラケット
51…モータ(アンカー駆動機構)
53…リンクプレート(アンカー駆動機構)
55…リンクシャフト(アンカー駆動機構)
57…バネ(リターン機構)
59…ストッパーピン(リターン機構)
61…レバー(アンカーブラケット位置検出手段)
65、66…ケーブル(連結手段)
71…ロック部材制御用プレート(空振り機構)
72…空振り用プレート(空振り機構)
73…連結用ピン(空振り機構)
75…枢支軸(空振り機構)

Claims (5)

  1. 車室内に前席及び後席が備えられ、車体側面に設けられた単一開口が、前端部を車体に対して回転可能に固定されたフロントドアと、後端部を車体に対して回転可能に固定されたリアドアとにより開閉可能であるとともに、
    上記前席に着座した乗員を拘束するウェビングと、該ウェビングを前席乗員の車外側下方にて終端するラップアンカーと、該ラップアンカーと一体をなし上記リアドアに車両上下方向に移動可能に取付けられたアンカーブラケットと、上記リアドアの閉状態移行時に、上記アンカーブラケットを、該アンカーブラケット下縁が上記リアドア下縁よりも下方となる位置まで、下方に駆動するアンカー駆動機構と、上記リアドアの開状態移行時に、上記アンカーブラケットを、上記リアドアの開閉に支障のない位置まで、上方に駆動するリターン機構と、上記リアドアを閉状態から開状態へ移行させるべく操作される開放操作機構と、を備える車両の前席用シートベルト装置であって、
    上記リターン機構が、上記開放操作機構と連結手段によって連結され、上記開放操作機構の操作に連動して駆動されるように構成されている車両の前席用シートベルト装置。
  2. 上記連結手段が、ケーブルによって構成されるとともに、
    上記リターン機構が、上記アンカーブラケットを上方へ付勢するバネと、上記アンカーブラケットを上記下方の位置で係止するストッパーピンより構成され、上記ストッパーピンが、上記ケーブルによって上記開放操作機構と直接的に連結され、
    上記ストッパーピンの係止が、上記開放操作機構の操作による上記ケーブルの牽引によって解除され、上記アンカーブラケットが、上記バネによって上方へ駆動されるように構成されている請求項1に記載の車両の前席用シートベルト装置。
  3. 上記開放操作機構は、上記リアドアの車室内側に設けられ、上記リアドアを閉状態から開状態へ移行させるべく操作されるリアドアインナーハンドルである請求項1又は2に記載の車両の前席用シートベルト装置。
  4. 上記リアドアインナーハンドルの最初の操作で、上記アンカーブラケットが、上記リアドアの開閉に支障のない位置まで、上記リターン機構によって上方に駆動され、
    上記リアドアインナーハンドルの最初の操作に引続く二回目以降の操作で、上記リアドアを閉状態に保持しているロック部材の車体との嵌合が解除され、上記リアドアが閉状態から開状態へ移行されるように構成されている請求項3に記載の車両の前席用シートベルト装置。
  5. 上記リアドアインナーハンドルと上記ロック部材は、空振り機構を介して連結され、
    該空振り機構により、上記アンカーブラケットの上方への移動完了が、アンカーブラケット位置検出手段によって検出された後、上記リアドアインナーハンドルが操作されることにより、上記ロック部材の車体との嵌合が解除されるように構成されている請求項4に記載の車両の前席用シートベルト装置。
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