JP4007027B2 - パワーオンリセット回路 - Google Patents

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    • H03KPULSE TECHNIQUE
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    • H03K17/22Modifications for ensuring a predetermined initial state when the supply voltage has been applied

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はパワーオンリセット回路に係り、特に装置の電源投入時にパワーオンリセット信号を生成するパワーオンリセット回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
パワーオンリセット回路は、装置の電源投入時に回路を初期化する目的や、架構成をとるディジタル通信装置においては、活栓挿抜時の各パッケージ電源投入時の電源及びクロック系の不安定動作により、装置内のマザーボードを介して複数のパッケージで共有している信号系へ異常な信号を送信してしまうことを防ぐためリセット信号を伸長する目的で設けられる。また、リセット伸長回路は、集積回路の動作安定のために電源投入からリセット解除までの時間をある一定時間に伸長する目的でも用いられる。
【0003】
また、回路構成によりそれぞれの回路の電源投入時の動作は異なり、その状況に合わせてパワーオンリセット回路を調整する必要性が無く、更に活栓挿抜時にはそれぞれの回路への電源投入やクロック出力開始及び安定までの時間など毎回異なったものになり、このような状況の下確実にパワーオンリセットで回路を初期化できるようなパワーオンリセット回路が望まれる。
【0004】
そこで、従来は図6に示すようなパワーオンリセット伸長回路が同期回路になっている。同図において、リセット伸長回路31は、外部パワーオンリセット信号POWRSTBがインバータ32を介して供給され、その入力信号の論理値が”H”であるときに、クロック端子にクロック信号CLKが入力されると、規定時間伸長して論理値”L”の信号RSTBをインバータ33より出力する。
【0005】
しかし、電源投入のタイミングによっては、図7(C)に示すように、外部パワーオンリセット信号POWRSTBがインバータ32を介してリセット伸長回路31に供給され、その入力信号の論理値が”L”(POWRSTB信号は”H”)に変化してから、同図(B)に示すようにクロック端子にクロック信号CLKが入力されると、出力信号RSTBは同図(D)に示すように”H”のままで変化しない。
【0006】
つまり、リセット伸長回路31は、パワーオンリセット信号がアサートしているときにクロック信号CLKの入力が停止しているような状況においては、パワーオンリセット信号POWRSTBの入力を検出できず、リセット信号を伸長できない。この場合は、複数のパッケージで共有している信号系への異常信号送信や、出力信号RSTBが入力される集積回路の動作が不安定になってしまうことがある。なお、図7(A)は電源電圧VCCを示し、その電源投入に対応して、同図(D)に示すように、出力信号RSTBも”H”レベルに変化する。
【0007】
これに対し、特開平8−63264号公報記載の、図8に示すような従来のパワーオンリセット回路では、パワーオンリセット信号POWRSTBがアサートしているときに、クロックCLKの入力が停止しているような状況においても、確実にパワーオンリセットを検出することができる。すなわち、図8において、クロック信号CLKは、インバータ41を介してn段縦続接続されたD型フリップフロップ(D−FF)43〜43の各クロック端子に共通に供給される。また、初段のD−FF43のD入力端子には常時”H”レベルが固定的に入力される。最終段のD−FF43nのQ出力信号は、ANDゲート44に供給されて、外部パワーオンリセット信号POWRSTB信号と論理積をとられてリセット伸長回路45に供給される。
【0008】
この従来のパワーオンリセット回路では、電源投入により電源電圧VCCが図9(A)に示すように”H”レベルに立ち上がった直後に、外部パワーオンリセット信号POWRSTBが同図(C)に示すように”H”レベルに立ち上がり、インバータ42を介してD−FF43〜43の各クリア端子に共通に供給されてこれらを初期化し、その後に図9(B)に示すようにクロック信号CLKが入力されたものとする。
【0009】
すると、クロック信号CLKの立ち上がり入力毎に、初段のD−FF43のD入力端子に供給されている”H”レベルが順次に次段のD−FFに転送されていくため、n個のクロック信号CLKの立ち上がり入力時点(図9に示すように、最初のクロック信号CLK入力時点からnクロック周期Tnの期間経過した時点)以降、最終段のD−FF43nのQ出力信号が”H”レベルになり、ANDゲート44から”H”レベルの信号が出力されてリセット伸長回路45に供給される。
【0010】
リセット伸長回路45はANDゲート44から”H”レベルの信号が入力されている期間、インバータ41を介して供給されるクロック信号CLKを計数し、予め定めた値計数した時点で(上記の期間Tn後、期間Tr経過した時点で)、図9(D)に示すように、”H”レベルの出力信号RSTBを出力する。この従来のパワーオンリセット回路によれば、外部パワーオンリセット信号POWRSTBが入力された後に、クロック信号CLKが入力されても、クロック信号CLKの最初の入力時点から上記の期間(Tn+Tr)経過した時点で、所定レベルの出力信号RSTBを出力することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記の図8に示した従来のパワーオンリセット回路では、n段縦続接続されたD−FF43〜43を用いて、外部パワーオンリセット信号POWRSTBをnクロック周期Tn遅延する構成とされているが、このnクロック周期Tn遅延された外部パワーオンリセット信号POWRSTBを、次段のリセット伸長回路45が確実に検出しているかまでは確認していない。
【0012】
このため、上記の図8に示した従来のパワーオンリセット回路では、D−FFの個数nを増設することにより上記の遅延時間Tnを伸ばすことはできても、後に続くリセット伸長回路45の特性を判断して調整しなければならず、ノウハウに頼らざるを得ないという問題がある。
【0013】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、無駄なフリップフロップを追加して調整することなく、リセット伸長回路が確実にパワーオンリセット信号を検出したことを確認した後に、パワーオンリセットを解除し得るパワーオンリセット回路を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明の他の目的は、共通信号系に異常な信号を出力せず、架構成の装置として誤動作しない安定したシステムを提供し得るパワーオンリセット回路を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、電源投入時に外部より入力されるパワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、検出信号入力時のタイミングで第1の信号を出力する入力回路と、パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、パワーオンリセット信号がネゲートされた後、外部クロック信号の最初の入力時のタイミングでの論理値となり、1の信号が入力された時点以降、外部クロック信号を計数して所定の規定時間後に、第1の論理値と異なる第2の論理値となる第2の信号を出力するリセット伸長回路と、パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、パワーオンリセット信号がネゲートされた後、リセット伸長回路から第の論理値の第2の信号が入力されることにより、検出信号を生成して入力回路に供給する検出回路と、入力回路から第1の信号が出力され、かつ、リセット伸長回路から第の論理値の第2の信号が出力されるときに、所定論理値のリセット信号を出力するゲート回路とを有する構成としたものである。
【0016】
この発明では、電源投入時にアサートされる、外部入力パワーオンリセット信号がネゲートされており、かつ、外部クロック信号が入力されてからリセット伸長回路がパワーオンリセット信号を検出したことを確認した第2の信号を出力し、この第2の信号に基づいて検出回路が検出信号を出力して入力回路及びゲート回路を介して、所定論理値のリセット信号を出力するようにしたため、パワーオンリセット信号がアサート中に外部クロック信号の入力が停止していても、また、電源投入時の外部クロック信号の入力開始のタイミングや、リセット伸長回路がパワーオンリセット信号を検出するまでの時間を考慮せずに、例えばパッケージに搭載されている集積回路へパワーオンリセット信号を確実に出力することができる。
【0017】
また、この発明では、電源投入から一定時間経過するまで、マザーボード上への信号ラインへの接続が安定するまで、パッケージに搭載されている集積回路へパワーオンリセット信号を入力することができる。
【0018】
また、本発明は上記の目的を達成するため、電源投入時に外部より入力されるパワーオンリセット信号がアサートされたとき、又は第1の論理値の検出信号の入力時に初期化され、パワーオンリセット信号がネゲートされており、かつ、第2の論理値の検出信号入力時に外部クロック信号に同期して第1の信号を出力する入力回路と、パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、パワーオンリセット信号がネゲートされた後、外部クロック信号の最初の入力時に予め定めた論理値となり、1の信号が入力された時点以降、外部クロック信号を計数して所定の規定時間後に、上記予め定めた論理値とは異なる論理値となる第2の信号を出力するリセット伸長回路と、パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、パワーオンリセット信号がネゲートされた後、リセット伸長回路から外部クロック信号に同期した予め定めた論理値の第2の信号が入力されることにより、第2の論理値の検出信号を生成して入力回路に供給する検出回路と、入力回路から1の信号が出力され、かつ、リセット伸長回路から予め定めた論理値とは異なる論理値の第2の信号が出力されるときに、所定論理値のリセット信号を出力するゲート回路とを有する構成としたものである。
【0019】
この発明では、電源投入時にアサートされる、外部入力パワーオンリセット信号がネゲートされており、かつ、外部クロック信号が入力されてからリセット伸長回路がパワーオンリセット信号を検出したことを確認した第4の論理値の第2の信号を出力し、この第2の信号に基づいて検出回路が検出信号を出力して、入力回路及びゲート回路を介して、所定論理値のリセット信号を出力するようにしたため、パワーオンリセット信号がアサート中に外部クロック信号の入力が停止していても、また、電源投入時の外部クロック信号の入力開始のタイミングや、リセット伸長回路がパワーオンリセット信号を検出するまでの時間を考慮せずに、例えばパッケージに搭載されている集積回路へパワーオンリセット信号を確実に出力することができる。
【0020】
また、この発明では、電源投入から一定時間経過するまで、マザーボード上への信号ラインへの接続が安定するまで、パッケージに搭載されている集積回路へパワーオンリセット信号を入力することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になるパワーオンリセット回路の第1の実施の形態の回路図を示す。同図において、パワーオンリセット回路10は、外部電源監視装置の外部パワーオンリセット信号POWRSTB(Low-act)の有無を調べ検出すると、パワーオンリセット回路10のリセット出力信号RSTB(Low-act)を規定時間伸長し、出力する機能を有しており、インバータ11、13及び16と、D型フリップフロップ(D−FF)12及び15と、リセット伸長回路14と、2入力ANDゲート17とから構成されている。
【0022】
インバータ11は外部パワーオンリセット信号POWRSTBを入力として受け、その論理値を反転した信号をD−FF12及び15と、リセット伸長回路14の各非同期クリア端子Cに供給して、これらをクリアする。D−FF12は、非同期クリア入力端子Cにインバータ11の出力信号が、D入力端子には常に”H”レベルの信号が、クロック入力端子にはD−FF15のQ出力信号が、それぞれ供給され、Q出力信号をANDゲート17とインバータ13に入力する。
【0023】
D−FF12は、電源投入時には外部パワーオンリセット信号POWRSTBが”L”レベル、クロック信号CLKも”L”レベル一定であるため、Q出力端子からは”L”レベルを出力する。D−FF15のQ出力信号が”L”レベルから”H”レベルに変化したとき、D−FF12のQ出力信号は”H”レベルとなる。
【0024】
インバータ13はD−FF12のQ出力信号を入力信号として受け、その論理値を反転した信号をリセット伸長回路14の入力端子INに供給する。リセット伸長回路14は、非同期クリア入力端子Cにインバータ11の出力信号が、入力端子にインバータ13の出力信号が、また、クロック入力端子には外部クロック信号CLKが、それぞれ入力され、出力信号がインバータ16とD−FF15のD入力端子に供給する。
【0025】
リセット伸長回路14は、入力端子INに”H”レベルが入力されているときは、クロック信号CLKの立ち上がりで”H”レベルを出力し、入力端子INの入力信号が”H”から”L”レベルへ変化した次のクロック信号CLKの立ち上がりから、リセット伸長回路14内のカウンタ回路にセットされた規定時間経過すると、”L”レベルを出力端子OUTへ出力する。
【0026】
インバータ16はリセット伸長回路14の出力信号を入力信号として受け、その論理値を反転した信号をANDゲート17に供給する。D−FF15は非同期クリア入力端子Cにインバータ11の出力信号が、D入力端子にはリセット伸長回路14の出力信号が、クロック入力端子には外部クロック信号CLKが、それぞれ供給され、Q出力信号をD−FF12のクロック入力端子に入力する。D−FF15のD入力端子の入力信号が”L”から”H”レベルになった次のクロック信号CLKの立ち上がりで”H”レベルをQ出力端子から出力し、このQ出力信号の”L”から”H”レベルへの変化により、D−FF12のQ出力信号が”L”から”H”レベルへ変化する。
【0027】
更に、このD−FF12のQ出力信号が”L”から”H”レベルへ変化した次のクロック信号CLKの立ち上がりで、リセット伸長回路14内のカウンタ回路のカウントアップもしくはカウントダウンが開始される。ANDゲート17は、D−FF12のQ出力信号とインバータ16の出力信号がそれぞれ入力され、それらの論理積をとった信号を外部にリセット出力信号RSTBとして出力する。
【0028】
全体の信号の流れは、電源投入後の初めてのクロック信号CLKの立ち上がりで、リセット伸長回路14の出力信号ROUTが”L”から”H”レベルへと変化し、この変化がD−FF15のQ出力信号を”L”から”H”へ変化させる。このD−FF15のQ出力信号の”L”から”H”への変化を、D−FF12はクロック信号CLKの立ち上がりとして検出し、そのQ出力端子から”H”レベルを出力する。
【0029】
D−FF12のQ出力端子から”H”レベルが出力されることで、リセット伸長回路14内のカウンタ回路がカウントアップ又はカウントダウンを開始し、規定時間経過するとリセット伸長回路14の出力端子OUTに”L”レベルを出力する。最後に、ANDゲート17は、電源投入時から規定時間経過後まで”L”レベルのリセット出力信号RSTBを出力する。
【0030】
次に、リセット伸長回路14の詳細な構成について説明する。図2はリセット伸長回路14の一実施の形態の回路図を示す。同図に示すように、リセット伸長回路14は、カウンタ回路141とJ−Kフリップフロップ(J−KFF)142とから構成されている。カウンタ回路141は、入力端子LDが外部入力端子INに接続され、クロック入力端子にクロック信号CLKが入力され、非同期クリア端子Cに外部クリア信号がそれぞれ入力され、出力端子OUTがJ−KFF142のK端子に接続されている。
【0031】
J−KFF142は、J端子が外部入力端子INに接続され、非同期クリア端子Cに外部クリア信号が入力され、クロック入力端子にクロック信号CLKが入力され、Q出力端子が外部出力端子OUTに接続されている。外部入力端子INの入力信号が”H”レベルであるとき、カウンタ回路141はカウンタのレジスタに規定値をセットし、出力端子OUTの出力信号として”L”レベルを保持し、一方、J−KFF142はJ端子が”H”で、K端子が”L”となるから、クロック信号CLKの立ち上がりでQ出力端子に”H”レベルを出力する。
【0032】
外部入力端子INの入力信号が”L”レベルになると、その時点以降、最初のクロック信号CLKの立ち上がりでカウンタ回路141はカウントアップ又はカウントダウンを開始し、規定時間に到達すると出力端子OUTに”H”レベルを出力する。この”H”レベル出力によりJ−KFF142はJ端子が”L”で、K端子が”H”となるから、次のクロック信号CLKの立ち上がりでQ出力端子に”L”レベルを出力する。リセット伸長回路14の信号の流れは、クロック信号CLKの立ち上がりに同期し、外部入力端子INに”H”レベルの信号が入力されているとき、出力端子OUTに”H”レベルの信号を出力し、外部入力端子INに”L”レベルの信号が入力されてから規定時間経過後に、出力端子OUTに”L”レベルの信号を出力する。
【0033】
次に、図1及び図2の実施の形態の動作について、図3のタイミングチャートを併せ参照して説明する。この実施の形態では、図3において、電源投入により、同図(A)に示すように電源電圧VCCは上昇して所定の電圧値に達し、その電源投入時に、外部電源監視装置より外部パワーオンリセット信号POWRSTBが同図(C)に示すようにアサートされ、その後の時刻T0(この時刻T0は外部電源監視装置の構成に依存)でネゲートされるが、その際に同図(B)に示すように外部入力クロック信号CLKが停止していた場合においても、リセット出力信号RSTBを規定時間”L”レベルのまま出力する点に特徴がある。
【0034】
すなわち、時刻T0において外部パワーオンリセット信号POWRSTBが図3(C)に示すようにネゲートされるが、それまでの間外部クロック信号CLKは同図(B)に示すように入力されていない。外部パワーオンリセット信号POWRSTBは、インバータ11により極性反転されてD−FF12及び15とリセット伸長回路14の非同期クリア端子Cに入力され、上記のアサート時にD−FF12及び15と、リセット伸長回路14とをそれぞれ初期化し(クリアし)、D−FF12及び15の各Q出力信号FF2OUT及びFF4OUTと、リセット伸長回路14の出力端子OUTの出力信号ROUTを、図3(D)、(E)、(F)に示すように”L”レベルとする。
【0035】
D−FF12のQ出力信号FF2OUTが”L”レベルであることから、リセット出力信号RSTBは、図3(G)に示すように”L”レベルである。また、リセット伸長回路14の外部入力端子INの入力信号は、インバータ13によりQ出力信号FF2OUTを極性反転した信号であるので、”H”レベルである。上記の状態が継続し、その後、時刻T0において外部パワーオンリセット信号POWRSTBが図3(C)に示すようにネゲートされるが、D−FF12のQ出力信号FF2OUTが”L”レベルであることから、リセット出力信号RSTBは、図3(G)に示すように”L”レベルのままである。
【0036】
その後、クロック信号CLKの最初の立ち上がりの時刻T1で、リセット伸長回路14の出力信号がROUTが図3(F)に示すように”H”レベルとなっても、時刻T0から引き続きQ出力信号FF2OUTは図3(D)に示すように”L”レベルを保持するため、出力リセット信号RSTBは同図(G)に示すように”L”レベルを保持し続ける。
【0037】
続いて、時刻T2のクロック信号CLKの立ち上がりで、D−FF15のQ出力信号FF4OUTが図3(E)に示すように”H”レベルとなるが、時刻T1と同様にFF2OUTが”L”レベルであるので、ANDゲート17から出力されるリセット出力信号RSTBは図3(G)に示すように”L”レベルのままである。また、Q出力信号FF4OUTが時刻T2で”L”レベルから”H”レベルに変化したため、Q出力信号FF4OUTをクロック入力としているD−FF12のQ出力信号FF2OUTは、図3(D)に示すように、この立ち上がりの直後に”H”レベルを出力する。
【0038】
D−FF12のQ出力信号FF2OUTが時刻T2の直後で”H”レベルになるが、リセット伸長回路14の出力信号ROUTが”H”レベルを維持するため、インバータ16を介して供給される一方の入力信号が”L”であることからANDゲート17の出力リセット信号RSTBは、図3(G)に示すように”L”レベルを維持する。
【0039】
続いて、時刻T3でD−FF12のQ出力信号FF2OUTが”H”レベルになるため、リセット伸長回路14の外部入力端子INの入力信号が”L”レベルになると、図2に示したリセット伸長回路14内のカウンタ回路141が、クロック信号CLKのカウントアップ又はカウントダウンを開始する。その後の時刻T4で、カウンタ回路141のカウント値がカウンタ回路141に設定されている規定値に達すると(クロック信号CLKの1周期と規定カウント値との積である規定時間Td経過すると)、その時刻T4においてカウンタ回路141がその出力端子OUTから”H”レベルのタイムアウト信号をJ−KFF142のK端子へ出力する。
【0040】
よって、時刻T4の直後では、J−KFF142のK端子が”H”レベル、J端子が”L”レベルとなるため、時刻T4後、クロック信号CLKの最初の立ち上がりの時刻T5で、J−KFF142のQ出力信号ROUTが図3(F)に示すように”L”レベルになる。この時刻T5では、ANDゲート17の一方の入力信号FF2OUTは図3(D)に示すように”H”レベルであり、また、インバータ16から供給される他方の入力信号(ROUTの極性反転信号)は上記のように、”H”レベルとなるから、ANDゲート17からは図3(G)に示すように、”H”レベルのリセット信号RSTBが出力される。これにより、パワーオンリセット出力伸長が停止することになる。
【0041】
このように、本実施の形態では、リセット伸長回路14が外部パワーオンリセットPOWRSTBを検出したことを確認して、D−FF15のQ出力信号FF4OUTを”H”レベルとしてから、D−FF12のQ出力信号FF2OUTを”H”レベルにする仕組みのため、従来の技術のように、リセット伸長回路が外部パワーオンリセット信号POWRSTBを検出するまでの時間を考慮してフリップフロップを追加するようなことをせずにパワーオンリセット回路を実現でき、他の従来の技術で見られたパワーオンリセット信号POWRSTBを出力伸長中にRSTB出力が一瞬”H”レベルになって、マザーボード上の共通信号系に異常信号を送信することはない。
【0042】
また、本実施の形態では、架構成の装置において、電源投入から一定時間経過するまで、マザーボード上への信号ラインへの接続が安定するまで、パッケージに搭載されている集積回路へパワーオンリセット信号を入力することができるため、活栓挿抜時、マザーボードを介して共有している共通信号系に異常に信号を出力せず、装置として誤動作しない安定したシステムを構築できる。
【0043】
また、電源投入時、外部電源監視装置より入力されるパワーオンリセット信号POWRSTBがアサートされているときに、外部クロック信号CLKが存在していたときには、外部パワーオンリセット信号POWRSTBを検出できることは勿論である。なお、リセット信号RSTBがネゲートされてから、外部クロック信号CLKの入力開始までの時間に制限はない。
【0044】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4は本発明になるパワーオンリセット回路の第2の実施の形態の回路図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図4において、パワーオンリセット回路20は、リセット伸長回路14の入力側にD−FF21を設けると共に、出力側にはANDゲート17及びD−FF23を設け、更にD−FF23のQ出力信号を極性反転するインバータ24と、外部パワーオンリセット信号POWRSTBを極性反転するインバータ11の各出力信号を2入力ORゲート22を介して、D−FF21の非同期クリア端子Cに供給する構成である。
【0045】
このパワーオンリセット回路20は、D−FF21のクロック端子には外部クロック信号CLKが入力され、D−FF23のクロック端子にはリセット伸長回路14の出力信号ROUTが入力され、D−FF23のD端子は常時”H”レベルが入力される。
【0046】
この構成により、電源投入時、外部電源監視装置より外部パワーオンリセット信号POWRSTBがアサートされ、その後ネゲートされるが、その際に外部入力クロック信号CLKが停止していた場合においても、リセット出力信号RSTBを規定時間”L”レベルのまま出力する点は第1の実施の形態と同様である。
【0047】
この実施の形態の動作について、図5のタイミングチャートと共に説明するに、時刻T10(この時刻T10は外部電源監視装置の構成に依存)において外部パワーオンリセット信号POWRSTBが図5(C)に示すようにネゲートされるが、それまでの間外部クロック信号CLKは同図(B)に示すように入力されていない。なお、図5(A)は電源電圧VCCを示す。
【0048】
外部パワーオンリセット信号POWRSTBは、電源投入時にアサートされてインバータ11により極性反転されてD−FF23とリセット伸長回路14の各非同期クリア端子Cに入力されると共に、ORゲート22を介してD−FF21の非同期クリア端子Cに入力され、D−FF23とリセット伸長回路14とD−FF21をそれぞれ初期化し(クリアし)、D−FF21及び23の各Q出力信号FF2OUT’及びFF4OUT’と、リセット伸長回路14の出力端子OUTの出力信号ROUTを、図5(D)、(E)、(F)に示すように”L”レベルとする。
【0049】
D−FF21のQ出力信号FF2OUT’が”L”レベルであることから、リセット出力信号RSTBは、図5(G)に示すように”L”レベルである。また、リセット伸長回路14の外部入力端子INの入力信号は、インバータ13によりQ出力信号FF2OUT’を極性反転した信号であるので、”H”レベルである。
【0050】
上記の状態が継続し、時刻T10で外部パワーオンリセット信号POWRSTBがネゲートとされ、更にその後のクロック信号CLKの最初の立ち上がりの時刻T11で、リセット伸長回路14の出力信号ROUTが図5(F)に示すように”H”レベルとなり、ANDゲート17にはインバータ16を介して”L”レベルが入力されるので、出力リセット信号RSTBは同図(G)に示すように”L”レベルを保持し続ける。
【0051】
また、リセット伸長回路14の出力信号ROUTが時刻T11で”H”レベルとなるが、回路遅延によりこの時点ではD−FF23のQ出力信号FF4OUT’は”L”の状態にあり、よってインバータ24及びORゲート22を介して非同期クリア端子Cに”H”レベルが供給されるD−FF21はクリア状態にある。時刻T11の直後にD−FF23のQ出力信号FF4OUT’が図5(E)に示すように”H”レベルとなり、D−FF21のクリア状態が解除される。このため、次のクロック信号CLKの立ち上がりの時刻T12でD−FF21のQ出力信号FF2OUT’が”H”レベルになる。
【0052】
これにより、リセット伸長回路14の外部入力端子INの入力信号が”L”レベルになり、更に次のクロック信号CLKの立ち上がり時刻T13で図2に示したリセット伸長回路14内のカウンタ回路141が、クロック信号CLKのカウントアップ又はカウントダウンを開始する。その後の規定時間Td経過した時刻T14で、カウンタ回路141がその出力端子OUTから”H”レベルのタイムアウト信号を出力し、時刻T14後、クロック信号CLKの最初の立ち上がりの時刻T15で、J−KFF142のQ出力信号ROUTが図5(F)に示すように”L”レベルになる。
【0053】
この時刻T15では、ANDゲート17の一方の入力信号FF2OUT’は図5(D)に示すように”H”レベルであり、また、インバータ16から供給される他方の入力信号(ROUTの極性反転信号)は上記のように、”H”レベルとなるから、ANDゲート17からは図5(G)に示すように、”H”レベルのリセット信号RSTBが出力される。これにより、パワーオンリセット出力伸長が停止することになる。このようにして、本実施の形態も第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パワーオンリセット信号がアサート中に外部クロック信号の入力が停止していても、また、電源投入時の外部クロック信号の入力開始のタイミングや、リセット伸長回路がパワーオンリセット信号を検出するまでの時間を考慮せずに、例えばパッケージに搭載されている集積回路へパワーオンリセット信号を確実に出力できるため、リセット伸長回路が確実にパワーオンリセット信号を検出したことを確認した後でパワーオンリセットを解除することができ、従来のようなパワーオンリセット検出回路に無駄なフリップフロップを追加して調整することを不要にできる。
【0055】
また、本発明によれば、電源投入から一定時間経過するまで、マザーボード上への信号ラインへの接続が安定するまで、パッケージに搭載されている集積回路へパワーオンリセット信号を入力するようにしたため、架構成の装置において、活栓挿抜時、電源投入から一定時間リセット信号を出力することで、マザーボードを介して共有している共通信号系に異常な信号を出力せず、装置として誤動作しない安定したシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の回路図である。
【図2】図1中のリセット伸長回路の一実施の形態の回路図である。
【図3】図1及び図2の動作説明用タイミングチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態の回路図である。
【図5】図4の動作説明用タイミングチャートである。
【図6】従来の一例のブロック図である。
【図7】図6の課題説明用タイミングチャートである。
【図8】従来の他の例の回路図である。
【図9】図9の動作説明用タイミングチャートである。
【符号の説明】
10、20 パワーオンリセット回路
11、13、16、24 インバータ
12、15、21、23 D型フリップフロップ(D−FF)
14 リセット伸長回路
17 2入力ANDゲート
22 2入力ORゲート
141 カウンタ回路
142 J-Kフリップフロップ(J-KFF)
POWRSTB 外部パワーオンリセット信号
CLK 外部クロック信号
RSTB 出力リセット信号

Claims (6)

  1. 電源投入時に外部より入力されるパワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、検出信号入力時のタイミングで第1の信号を出力する入力回路と、
    前記パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、前記パワーオンリセット信号がネゲートされた後、外部クロック信号の最初の入力時のタイミングでの論理値となり、前記第1の信号が入力された時点以降、前記外部クロック信号を計数して所定の規定時間後に、前記第1の論理値と異なる第2の論理値となる第2の信号を出力するリセット伸長回路と、
    前記パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、前記パワーオンリセット信号がネゲートされた後、前記リセット伸長回路から前記第の論理値の前記第2の信号が入力されることにより、前記検出信号を生成して前記入力回路に供給する検出回路と、
    前記入力回路から前記第1の信号が出力され、かつ、前記リセット伸長回路から前記第の論理値の前記第2の信号が出力されるときに、所定論理値のリセット信号を出力するゲート回路と
    を有することを特徴とするパワーオンリセット回路。
  2. 前記リセット伸長回路は、前記パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、前記第1の信号が入力された時点以降、前記外部クロック信号を計数して前記所定の規定時間経過時にタイムアップ信号を出力するカウンタ回路と、前記パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、最初に入力された前記外部クロック信号に同期して前記第の論理値となり、前記カウンタ回路から前記タイムアップ信号が入力されてから最初に入力される前記外部クロック信号に同期して前記第の論理値となる前記第2の信号を出力する出力回路とからなることを特徴とする請求項1記載のパワーオンリセット回路。
  3. 前記入力回路は、前記パワーオンリセット信号が非同期クリア端子に供給され該パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、前記検出信号がクロック端子に供給され、出力端子から前記第1の信号を出力する第1のフリップフロップから構成され、
    前記検出回路は、前記パワーオンリセット信号が非同期クリア端子に供給され、前記外部クロック信号がクロック端子に供給され、前記リセット伸長回路からの前記第2の信号が入力端子に入力され、該パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、該パワーオンリセット信号がネゲートされた後、前記リセット伸長回路から前記第の論理値の前記第2の信号が入力されることにより、前記検出信号を生成して前記第1のフリップフロップのクロック端子に供給する第2のフリップフロップから構成されることを特徴とする請求項1又は2記載のパワーオンリセット回路。
  4. 電源投入時に外部より入力されるパワーオンリセット信号がアサートされたとき、又は第1の論理値の検出信号の入力時に初期化され、前記パワーオンリセット信号がネゲートされており、かつ、第2の論理値の前記検出信号入力時に外部クロック信号に同期して第1の信号を出力する入力回路と、
    前記パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、前記パワーオンリセット信号がネゲートされた後、前記外部クロック信号の最初の入力時に予め定めた論理値となり、前記第1の信号が入力された時点以降、前記外部クロック信号を計数して所定の規定時間後に、前記予め定めた論理値とは異なる論理値となる第2の信号を出力するリセット伸長回路と、
    前記パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、前記パワーオンリセット信号がネゲートされた後、前記リセット伸長回路から前記外部クロック信号に同期した前記予め定めた論理値の前記第2の信号が入力されることにより、前記第2の論理値の前記検出信号を生成して前記入力回路に供給する検出回路と、
    前記入力回路から前記第1の信号が出力され、かつ、前記リセット伸長回路から前記予め定めた論理値とは異なる論理値の前記第2の信号が出力されるときに、所定論理値のリセット信号を出力するゲート回路と
    を有することを特徴とするパワーオンリセット回路。
  5. 前記リセット伸長回路は、前記パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、前記第1の信号が入力された時点以降、前記外部クロック信号を計数して前記所定の規定時間経過時にタイムアップ信号を出力するカウンタ回路と、前記パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、最初に入力された前記外部クロック信号に同期して前記予め定めた論理値となり、前記カウンタ回路から前記タイムアップ信号が入力されてから最初に入力される前記外部クロック信号に同期して前記予め定めた論理値とは異なる論理値となる前記第2の信号を出力する出力回路とからなることを特徴とする請求項4記載のパワーオンリセット回路。
  6. 前記入力回路は、前記パワーオンリセット信号と前記検出信号の論理演算をした初期化信号を出力する論理回路と、前記論理回路からの前記初期化信号が非同期クリア端子に供給され該パワーオンリセット信号がアサートされたとき、又は前記第1の論理値の前記検出信号の入力時に初期化され、前記外部クロック信号がクロック端子に供給され、出力端子から前記第1の信号を出力する第1のフリップフロップから構成され、
    前記検出回路は、前記パワーオンリセット信号が非同期クリア端子に供給され、前記リセット伸長回路からの前記第2の信号がクロック端子に入力され、所定論理値の信号が入力端子に入力され、該パワーオンリセット信号がアサートされることにより初期化され、該パワーオンリセット信号がネゲートされた後、前記リセット伸長回路から前記予め定めた論理値の前記第2の信号が入力されることにより、前記第2の論理値の前記検出信号を生成して前記論理回路に供給する第2のフリップフロップから構成されることを特徴とする請求項4又は5記載のパワーオンリセット回路。
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