JP4006710B2 - サーマルプリンタ - Google Patents
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Description
度は濃くなる。そして、発熱体の温度は当該発熱体への通電時間を制御することによって
、制御されている。なお、各発熱体は印刷画像のドットに対応し、各発熱体ごとに通電時
間が制御される。この通電時間は、図6に示すように、テーブル121Pとしてあらかじ
め規定されている。従来のサーマルプリンタで用いられる通電時間テーブル121Pでは
、印刷濃度が0(ゼロ)すなわち無印刷(白)のドットに対応する発熱体へは通電を停止
している。
号パルス長との関係を示した濃度特性表)を使用して信号パルス長を制御する技術が開示
されており、この技術では濃度テーブルとして温度定常状態(ヘッドが蓄熱している状態
)におけるものを使用している(特許文献1の第1頁右欄〜第2頁右上欄参照)。さらに
、そのような定常状態で作成された濃度テーブルを非定常状態(サーマルヘッドが蓄熱し
ていない状態)での印写で使用すると所望の濃度よりも薄く印写されるので、非定常状態
時に作成された濃度テーブルを使用するとともに適切な濃度補正量(印写濃度を薄くする
ための補正量)を算出し、この濃度補正量に基づいた印加信号パルス長を使用する技術が
開示されている(特許文献1の第2頁右上欄〜同頁右下欄参照)。なお、上述の技術とは
別に、印写濃度の制御方式として、信号パルス長を変化させる方式と、電源電圧を変化さ
せる方式とが紹介されている(特許文献1の第2頁右上欄参照)。
ルヘッドに印加する電気エネルギーを制御する場合に、印字再開時に所定量だけ電気エネ
ルギーを増加させる(パルス幅を増加させる)技術が従来技術として開示されている。ま
た、印字停止前と印字再開時とにおけるサーマルヘッドの温度を比較し、予備加熱の必要
がある場合にのみ、これらの温度の差に基づいて予備加熱パルスの幅をテーブルから読み
取ることによって当該パルス幅を制御する技術が開示されている(第2頁左下欄〜第4頁
右下欄、第1〜4図参照)。
へ送出する印字パルスのデューティ比を周期データを加味して制御することにより印字濃
度を調整する技術が開示されており、印字パルスの幅を先行の印字パルスからの経過時間
を加味して制御するものと解される(特許文献3の[0006]〜[0014]段落、第
1−2図参照)。
の(a)及び(b)はそれぞれ白黒の印刷画像の例である。なお、図7には説明のため印
刷方向を矢印で図示している。
への通電を停止している。このため、例えば図7に示すように白い部分が続く(すなわち
無印刷状態が続く)画像の場合、発熱体へ通電しない期間が長く続くので、この間にヘッ
ド温度が低下してしまう。その結果、引き続いて黒い部分を印刷すると、ヘッド温度が不
十分で所望の濃度が得られない場合がある。
を防止して印刷品質を向上可能なサーマルプリンタを提供することを目的とする。
に、印刷濃度ゼロ(すなわち無印刷)に対応する発熱体に印刷に至らないレベルのエネル
ギーを印加するので、ヘッド温度の低下を防止することができる。このため、例えば印刷
濃度ゼロが続いた直後であっても所望の印刷濃度が得られ、印刷品質を向上させることが
できる。加えて、ヘッド温度低下防止手段が、ヘッド温度が低温以外の場合には、印刷時
に、印刷濃度ゼロに対応する発熱体にエネルギーを印加しないので、例えばヘッド温度に
関わりなく印刷濃度ゼロの場合に常に通電する方式と比べて、サーマルヘッドの余分な蓄
熱を防止することができる。このため、不要な発色を防止して、印刷品質を向上させるこ
とができる。しかも、ヘッド温度低下防止手段による上述の制御は印刷時に行われるので
、例えばヘッド温度低下防止のための通電を印刷時とは別途に行う方式と比べて、全体の
印刷時間を増加させることがない。
れていないと解され、このため印刷濃度がゼロの場合であってかつヘッド温度が低温の場
合にサーマルヘッドへ通電するという技術も開示されていないと考えられる。
第4頁左上欄および第3〜4図中のステップS5,S6参照)、本発明に係るサーマルプ
リンタではヘッド温度低下防止のために行うサーマルヘッドの発熱体への通電は印刷時で
ある。なお、特許文献2の技術は印字停止前と印字再開時とにおけるサーマルヘッドの温
度を比較し、その温度差を利用しているのに対して、本発明ではそのような温度比較や温
度差は利用しない。
言及されていないと解され、濃度がゼロの場合には印字パルスそのものを印加していない
と解される。すなわち、印刷濃度がゼロの場合であってかつヘッド温度が低温の場合にサ
ーマルヘッドへ通電するという技術は開示されていないと考えられる。
刷濃度が得られ、印刷品質を向上させることができるとともに、例えばヘッド温度に関わ
りなく印刷濃度ゼロの場合に常に通電する方式と比較して、不要な発色を防止して、印刷
品質を向上させることができる。しかも、本発明によれば、例えばヘッド温度低下防止の
ための通電を印刷時とは別途に行う方式と比べて、全体の印刷時間を増加させることがな
い。
ック図を示す。なお、図2は図1中のASIC(Application Specific Integrated Circ
uit)10を説明するための図である。また、図3にサーマルプリンタ1での印刷方式を
説明するための模式図を示す。
0と、サーマルヘッド20と、サーミスタ30と、インクリボン40と、モータドライバ
50と、フィードモータ60と、モードモータ70と、用紙センサ91,92と、トレイ
センサ93と、カートリッジセンサ94と、マーカーセンサ95と、例えば液晶ディスプ
レイ等から成る表示部184と、を含んで構成されている。図面の煩雑を避けるため図1
には図示していないが、サーマルプリンタ1はプラテンローラ80(図3参照)も含んで
いる。
たはCPUコア)110と、ROM(Read Only Memory)120と、RAM(Random Acc
ess Memory)130と、ヘッドコントローラ140と、モータコントローラ150と、A
/Dポート160と、USB(Universal Serial Bus)インタフェース(以下「USB/
IF」と呼ぶ)171と、メモリカードコントローラ172と、入力部173と、映像出
力部174と、を含んで構成されている。
ータ60およびモードモータ70を制御する。このとき、ASIC10では、図2に示す
ようにモータコントローラ150がCPU110からの所定の指示によってモータドライ
バ50を制御するが、モータコントローラ150によるモータドライバ50の制御はCP
U110とは独立に(並列的に)可能である。なお、フィードモータ60はサーマルヘッ
ド20に対して受像紙2(図3参照)を給排紙するためのモータであり、モードモータ7
0はサーマルヘッド20の姿勢を制御するための、より具体的には受像紙2およびプラテ
ンローラ80に対するサーマルヘッド20の上下動(圧着・離間)を制御するためのモー
タである。
ーラ80の側に有しており、サーマルヘッド20では複数の発熱体21が(図3の紙面垂
直方向に)ライン状に配列されている。なお、各発熱体21は印刷画像のドットに対応す
る。
うに、インクリボン40はベースフィルム40a上にイエロー(Y)、マゼンタ(M)お
よびシアン(C)の各染料インク層40bがそれぞれ設けられて成り、各色の印刷を重ね
ることによりカラー印刷が可能である。また、受像紙2は基材2a上に受容層2bが設け
られて成る。昇華型のサーマルプリンタ1では、染料インク層40bと受容層2bとが接
するようにかつインクリボン40がサーマルヘッド20側になるように、両者40,2が
サーマルヘッド20とプラテンローラ80との間にセッティングされる。そして、発熱体
21の熱によって染料インク層40bのインクが溶融し当該インクが受像紙2の受容層2
bに遷移(転写)することによって発色し、印刷がなされる。このとき、インクの遷移お
よびその遷移量(転写及びその転写量)、すなわち印刷濃度ないしは印刷階調は上述の発
熱体21の温度によって制御され、この温度が高いほど印刷濃度は濃くなる。
が各発熱体21に対応するドットの印刷濃度のデータに基づいて各発熱体21の通電時間
を制御することによって行われる。より具体的には図2に示すように、CPU110の指
示を受けたヘッドコントローラ140が各発熱体21への通電時間を制御するが、ヘッド
コントローラ140による通電時間の制御はCPU110とは独立に(並列的に)可能で
ある。なお、通電時間の制御については後に詳述する。
度を検出する温度検出器としてのサーミスタ30が設けられており、このサーミスタ30
からの信号はASIC10のA/Dポート160を介してCPU110へ送られる。例え
ば印刷データの読み込み時にまたは定期的にサーマルヘッド20の温度(以下「ヘッド温
度」とも呼ぶ)が検出される。
図示せず)の装着等を監視し、カートリッジセンサ94はインクリボン40が格納された
カートリッジ(図示せず)の装着等を監視し、マーカーセンサ95はインクリボン40に
設けられた位置決め等のマーカを検出する。なお、図1への図示は省略しているが、各セ
ンサ91〜95の信号はASIC10にて処理される。
てUSB機器181から印刷データ等を受信し、メモリカードコントローラ172を介し
てメモリカード182から印刷データ等を受信し、入力部173を介してリモコン183
からリモコン信号等を受信する。さらに、CPU110は映像出力部174を介して表示
部184に種々の情報を表示する。
ログラム(図示せず)に従って行われる。ROM120内には以下に説明する通電時間テ
ーブル121が格納されており、この通電時間テーブル121を利用してCPU110は
サーマルヘッド20を制御する。また、CPU110はRAM130に対して印刷データ
等の書き込みおよび読み出しを行う。
示す。サーマルプリンタ1では、サーマルヘッド20の発熱体21への印刷時における通
電時間はヘッド温度および当該発熱体21に対応するドットの印刷濃度データの双方に関
連づけて予め規定されており、その通電時間は通電時間テーブル121としてROM12
0内に格納されている。なお、ヘッド温度は上述のようにサーミスタ30により検知され
、印刷濃度のデータはRAM130内の印刷データを読み出すことによりあるいは当該印
刷データを処理することにより得られる。例えば、図4に示すように、印刷濃度が”3”
というレベルの印刷をする場合において、その時のヘッド温度が33℃であれば、当該印
刷濃度”3”のドットに対応する発熱体21への通電時間は39ミリ秒に規定されている
。なお、通電時間テーブル121はイエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン(C)
の各色の印刷用に準備されている。
対応する発熱体21」のようにも表現し、また、例えば「印刷濃度”3”のドットに対応
する発熱体21への通電時間」を「印刷濃度”3”に対応する通電時間」のようにも表現
することにする。
M130(印刷濃度データが格納される)およびヘッドコントローラ140から成る構成
を「制御部100」と呼ぶとき、制御部100が通電時間テーブル121を参照して発熱
体21への通電時間を制御しており、かかる通電時間の制御によって発熱体21の温度が
制御される。
刷濃度が”0(ゼロ)”というレベルすなわち無印刷のときに通電時間が”0(ゼロ)”
以外に規定されているのに対して、ヘッド温度が低温でないときは通電時間が0に規定さ
れている。但し、低温時の通電時間は、発熱体21の温度が印刷に至らないように、すな
わち染料インク層40b図3参照)のインクが溶融しないように、時間設定されている。
図4の例では、ヘッド温度が31℃以下の場合を低温としており、31℃、30℃および
29℃以下の各場合の通電時間はそれぞれ19ミリ秒、20ミリ秒および22ミリ秒に規
定されている一方、32℃以上の場合の通電時間は0(すなわち通電しない)に規定され
ている。
ッド温度が低温の場合には、印刷時に、印刷濃度”0”に対応する発熱体21には印刷に
至らない通電時間だけ通電される一方で、ヘッド温度が上記低温以外の場合には、印刷時
に、印刷濃度”0”に対応する発熱体21に通電しない。なお、このとき、印刷濃度が”
0”以外の発熱体には制御部100が通電時間テーブル121を参照して選定した所定の
時間だけ通電される。
熱体21に印加している。特にこのダミーパルスの通電時間の規定を印刷時についての通
電時間テーブル121に盛り込んでいるので、印刷濃度”0”以外の印刷濃度に対応する
発熱体21への通電(すなわちパルス印加)と同時に印刷濃度”0”に対応する発熱体2
1にダミーパルスが印加される。
らない時間に規定されているので、ヘッド温度の低下を防止することができる。なお、図
4の例によればヘッド温度を30℃以上に保つことができる。このため、例えば印刷濃度
ゼロが続いた直後であっても所望の印刷濃度が得られ、印刷品質を向上させることができ
る。加えて、ヘッド温度が低温以外の場合、印刷濃度”0”に対応する通電時間は0に規
定されているので、例えばヘッド温度に関わりなく印刷濃度”0”の場合に常に通電する
方式と比較して、サーマルヘッド20の余分な蓄熱を防止することができる。このため、
不要な発色を防止して、印刷品質を向上させることができる。しかも、上述の通電時間は
印刷時におけるものなので、例えばヘッド温度低下防止のための通電を印刷時とは別途に
行う方式と比べて、全体の印刷時間を増加させることがない。なお、このような効果は、
通電時間テーブル121を上述の制御部100が利用するというヘッド温度低下防止手段
によって得られる。
におけるヘッド温度が低いほど長く設定されている。このため、ヘッド温度の低下が大き
い場合でも素早くヘッド温度を上げることができるし、ヘッド温度の低下が小さい場合に
はサーマルヘッド20の余分な蓄熱を防止することができる。
限定されるものではない。また、上述の説明ではカラー印刷の場合を説明したが、サーマ
ルプリンタ1は白黒印刷の場合にも応用可能である。
して説明したが、両者20,30が一体化した部品が「サーマルヘッド」と呼ばれること
もある。しかし、そのような一体型のサーマルヘッドが上述の「サーマルヘッド20」お
よび「サーミスタ30」それぞれに相当する部分を含む限り、上述の説明は妥当である。
図5に示すように、サーマルプリンタ1は、インクリボン40(図3参照)および受像紙
2(図3参照)に代えて、基材3aおよび感熱層3bが積層された感熱紙3を用いて印刷
することも可能である。この場合にも発熱体21の温度によって印刷濃度が調整される。
である点にかんがみれば、当該印加エネルギーを、通電時間に代えて、発熱体21への印
可電圧値で制御することも可能である。
20 サーマルヘッド
21 発熱体
30 サーミスタ(温度検出器)
40b 染料インク層
100 制御部
110 CPU
120 ROM
121 通電時間テーブル
130 RAM
140 ヘッドコントローラ
Claims (3)
- サーマルヘッドの発熱体への通電時間で以て前記発熱体の温度を制御することによって印刷濃度を調整してインクを転写するサーマルプリンタであって、
発熱体を含んで成るサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドのヘッド温度を検出する温度検出器と、
前記発熱体への印刷時における通電時間が印刷濃度および前記ヘッド温度に関連づけて規定された通電時間テーブルを含む記憶手段と、前記通電時間テーブルを参照して印刷時における前記通電時間を制御することによって前記発熱体の温度を制御する制御手段とを有する制御部と、を備え、
前記通電時間テーブルは、前記ヘッド温度が所定温度以下である低温の場合、印刷時に、無印刷を示す印刷濃度ゼロに対応する前記発熱体への前記通電時間を印刷に至らない時間に規定している一方で、前記ヘッド温度が前記低温以外の場合、印刷時に、前記印刷濃度ゼロに対応する前記発熱体への前記通電時間を0に規定しており、
前記ヘッド温度が前記低温の場合の前記印刷濃度ゼロに対応する前記発熱体への前記通電時間は、前記ヘッド温度が低いほど長く設定されている、
サーマルプリンタ。 - サーマルヘッドの発熱体の温度制御によって印刷濃度を調整するサーマルプリンタであって、
発熱体を含んで成るサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドのヘッド温度を検出する温度検出器と、
前記発熱体への印加エネルギーを制御することによって前記発熱体の温度を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記ヘッド温度が所定温度以下である低温の場合には、印刷時に、無印刷を示す印刷濃度ゼロに対応する前記発熱体に印刷に至らないレベルのエネルギーを印加する一方で、前記ヘッド温度が前記低温以外の場合には、印刷時に、前記印刷濃度ゼロに対応する前記発熱体にエネルギーを印加しない、ヘッド温度低下防止手段を含むことにより、前記ヘッド温度低下防止のための前記発熱体への印加エネルギーの制御を印刷時に行うものであって、
前記ヘッド温度が低いほど前記印刷に至らないレベルのエネルギーが大きく設定されている、
サーマルプリンタ。 - 前記エネルギーの制御を前記発熱体への通電時間を制御することにより行う、
請求項2に記載のサーマルプリンタ。
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